今後、求められる「
ISO22716(化粧品GMP)」の概要について
株式会社カナエテクノス
品質管理部 関 真
1)カナエテクノスの紹介 2
目次
3)ISO9001について 4)ISO22716について ① ISO22716の概要 ②各国におけるISO22716導入現況 ③カナエテクノスが取得した理由 ④カナエテクノスがISO22716取得のために行ったこと ⑤カナエテクノスの今後について 2)ISO認定/認証システム3
KANAE TECHNOS CO., LTD.
株式会社カナエテクノス概要
商号
株式会社カナエテクノス
設立
1986年2月13日
資本金
2億4,000万円
主な事業内容
①化粧品の製造並びに販売 ②医薬品及び医薬部外品の製造並びに販売 ③衛生用品の製造並びに販売 100%OEM(ODM)の製造会社になります。 45
事務所と工場
東京事務所 大阪駐在 本社、本社工場、観音寺工場、本社第2工場 シンガポール事務所6
本社工場、本社第
2工場と観音寺工場の場所
観音寺市
本社工場 観音寺工場 本社第2工場生産品目
本社工場 ウェットティッシュ、ゲルマスク 第二工場 ウェットフェイシャルマスク、ウェットアイマスク ウォーターソルブルシート(WSS)、ボトル、 観音寺工場 多枚数ウェットフェイシャルマスク サッシェ、アガロースアイマスク、チューブ 7ゾーン区分 B C D 作業室名称 充填室、洗浄・殺菌室秤量室、調合室、 ⾒学者通路包装室、 倉庫 浮遊菌 100cfu / m3以下 - -浮遊粒⼦数 100,000個/ft3以下 (ISO144644-1 Class 8) - -温度 15-30℃ 15-30℃ 1-30℃ 1年に4回測定 1年に2回測定 参考値
カナエテクノス 共通 工場環境基準
8 参考値外気導入エアコン: 24時間稼働 室内循環エアコン: 24時間稼働 室内循環エアコン B 充填室 包装室C 倉庫D
空調システム
HEPA 気圧高 気圧低KANAE TECHNOS CO., LTD.
ISO9001取得
1994年版:2001年5月28日10
カナエテクノスの
ISOの歴史
2015年版:2018年6月18日
2)ISOの認定/認証システムについて
次の頁から認証システムの概略図を示します。認定
/認証には下の
異なる
3つの組織が登場します。
A:認定機関(認定に責任を持つ組織です) B:認証機関(実際に監査に来る方が所属している組織です、国内系/ 外資系と多くの組織があります) C:取得組織(自分の会社です)A:認定機関 認定機関 米国:ANAB 認定機関 日本:JAB‗JIPDEC 認定機関 英国:UKAS B:認証機関 (監査者) 国内系認証機関 外資系認証機関 C:取得組織 (被監査者) 該当製品/組織 認定 認証 ①監査実施 ②認定申請 ③認定承認 ④認定書発行 認定機関 承認期間が記入 国外認定機関 との相互承認
ISO9001
認証プロセス
実際の認証プロセス
①:認証機関があなたの会社に監査に来ます。
②:監査結果を認証機関がまとめ
→認定機関へ申請を行います。
(この申請部分は、見えません)
③:問題がなければ認定機関により了承が行われます。
④:正式に認証され、適合マークが利用可能になります。
A:認定機関から認定を受けたB:認証機関が代理で監査を行い、
その結果を認定機関へ報告。
A:認定機関が認定を発行するという
プロセスになっています。これにより高い客観性と品質を保っています。
B:認証機関 (監査者) 国内系認証機関 外資系認証機関 C:取得組織 (被監査者) 該当製品/組織 ①監査実施 ②認定書発行
プライベート認証
ISO22716
認証プロセス
ISO 22716認証には国単位で登録されている認定機関の存在はなく、
監査機関が自主的に
OKを出す仕組みになっています。このような
認証を「プライベート認証」といいます。
実際の認証プロセス
①:認証機関があなたの会社に監査に来ます。
②:問題がなければ認証機関が自主的に承認して、認証発行を行
います。
※認定機関を介さず自主的に認証を出すプロセスは、高い客観性が
望まれる「第三者監査」に好ましくないと表現される場合があります。
(自分で採点して、合格通知を出し、さらに対価として金額を請求で
きるため)
ISO 9001等の品質マネジメントシステム認証とISO22716認証は
「同等」ではなく、ISO22716のプライベート認証は、あくまでも
適合の自己宣言を補助する位置づけと考えると適切です。
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ISO9001は、 あらゆる業種・企業活動に適用可能な品質マネジメントシステムの国際規格 7つの品質管理原則に基づいている。 ① 顧客重視 ② リーダーシップ ③ 人々の積極的参加 ④ プロセスアプローチ ⑤ 改善 ⑥ 客観的事実に基づく意思決定 ⑦ 関係性管理
20 ISOが目指しているのは、不良品を0にすることではなく、『不良品を0に近づける ための仕組みを作っていく』ことです。ISOシステムは『不良品やクレームは発生 する』ことを前提に構築します。 大切なのは、『製品の良し悪し』ではなく、決めたルールを守り仕組みどおりにで きているかどうか。不良品が発生しても、それを速やかに回収し、原因を追究し、 改善に結びつける仕組みがあることが求められます。そして、『少しずつ改善して いく仕組み』を社内に根付かせていくことで、『継続的に改善』していきます。 ISOを構築しても、1年、2年では大きな変化は見られないかもしれません。けれ ども、『常に会社が良くなるようにルール改正をする』仕組みをつくることで、 会社は少しずつ良い方向に変わっていく、これがISO 9001の考え方です。
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22 ①ISO22176の概要 序文 このガイドラインは、化粧品GMPに関する指針を示すことを目的としている。 ガイドラインは、化粧品産業による検討のために作成されており、この分野の 特定の必要事項を考慮している。ガイドラインは、製品の品質に影響を及ぼす 人的、技術的及び管理的要因の管理に関して系統的及び実際的な助言を行う。 ガイドラインは受入から出荷まで製品の流れに従って使用できるように記述 されている。更に本文書がその目的を達成する方法を明らかにするために、 主要な項のそれぞれに「原則」を追加した。 GMPは、適正な科学的判断及びリスク評価に基づいた製造所の活動の解説を通して品質 保証の概念の実践的展開を制定している。このGMPガイドラインの目的は、定められた 特性を満たす製品を得ることが出来るようにする活動を明確にすることである。 文書化はGMPの不可欠の部分である。
KANAE TECHNOS CO., LTD. 序文に何度も出てくるGMPについて GMPとは製造管理及び品質管理の基準です。 ですので化粧品GMPとは、化粧品の製造管理及び品質管理の基準となります。 GMPの理念とは、 1.生産における人為的な誤りを最小限にする。 2.汚染及び品質低下を防止する。 3.高い品質を保証するシステムを設計する。 記録を残す。 製造がGMPを遵守して行われたことを保証するもの。
記録とは、 製造記録書 施設・設備の清掃記録書 機械のメンテナンス記録書 試験記録書 教育訓練記録書 原材料の受入れ、払い出し、保管台帳 試薬、試液、標準品管理台帳 逸脱記録 苦情 変更記録 などなど、直接製造にかかわる記録書だけを指すものではありません。
KANAE TECHNOS CO., LTD. GMPは組織による運営が必要です。 1.組織の構造を明確にする・・・GMP組織図の明示 2.品質部門と製造部門はそれぞれ独立した組織とすること ・・・指示・命令系統を分ける。 3.教育訓練を受けた、十分な数の従業員を確保する。
GMPでは経営者と従業員の責任が明確になっています。 経営者の責任 組織が会社の上級経営者に支えられていること ・GMPの実施は上級経営者の責任とし、社内すべての部門及び 全ての職員に対し参加と積極的関与を求めること ・権限所有者の立ち入りが許されている区域を規定し、示すこと
KANAE TECHNOS CO., LTD. 従業員の責任 組織における自分の位置を知っている。 自分の所有の責任及び活動を知っている。 自分の責任の範囲内の文書を閲覧し従う。 個人に求められている衛生管理要求事項に従う。 自分の責任のレベルで生じうる異常その他の不適合を自ら進んで 報告する。 割り当てられた責任及び活動を行う十分な技能を有し、教育・ 訓練を受けている。
責任とは言っていますが 結局のところは
「当たり前のことを当たり前に行う事。」
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1 適用範囲 この国際標準は、化粧品の生産、管理、保管及び出荷についての指針である。 このガイドラインは、製品の品質面を対象としているが、全体として製造所の 作業員の安全の側面は対象としておらず、また、環境の保護の側面も対象として いない。安全及び環境の側面は、会社の固有の責任であり、製造が行われる国の 法律及び規則の適用を受ける可能性が有る。 このガイドラインは、研究・開発行為と最終製品の物流には適用されない。 ここに当たる部分が、ISO9001と大きく異なる部分であると思います。
化粧品GMPの適用製品 ■化粧品 ■医薬部外品(新指定・新範囲医薬部外品を除く) ■口中清涼剤 ■殺虫剤(忌避剤を除く) ■殺鼠剤 ■衛生用綿類
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②各国におけるISO22716導入現況
ヨーロッパ Regulation No.1223/2009の交付により、2011年に化粧品
GMPの欧州標準として、化粧品製造会社におけるISO 22716の 適用義務が決定
ASEAN ASEAN Cosmetic GMPとISO 22716が同等であることを認定
日本 日本化粧品工業連合会の基準にISO 22716を採択(2008.04)
アメリカ ISO22716に合わせてFDAガイダンス改訂
台湾 台湾区化粧品工業同業公会がISO基準に基づく自主基準を制定し 台湾衛生省が承認 韓国 大韓民国食品医薬品安全庁が告示したcGMP(優秀化粧品製造 及び品質管理基準)を採用してる。また大韓化粧品協会はcGMP を改定し、ISO基準と単一化することを目標としている 中国 中国においては、中華人民共和国衛生部の「化粧品生産企業衛生 規範」や、同検験総局が作成する「化粧品生産許可実施通則」の 存在があるが、ISO22716は考慮されていない
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③カナエテクノスがISO22716を取得しようとした理由 今までに説明した通り、弊社は品質管理の向上を目指して、ISO9001を取得し、 維持してきましたが、2008年に日本化粧品連合会がISO22716を自主基準としてか らは、ブランドオーナー様の監査も徐々にISO22716の要求事項に準拠した内容に 変わってきました。 海外のお客様からは「ISO22716認証」についての問いあわせも多くなってきて います。 その後、ブランドオーナー様やOEM会社でも認証取得する組織が増えてきてい ます。 上記の変化に対応すべく、一昨年、ISO22716取得に取り組むことを決めました。
化粧品GMP(ISO22716)取得のメリット ●利害関係者へのGMP適合の証明になる 化粧品製造・販売における小売業者や商社、輸入業者などあらゆる利害関係者に対して、GMPに適合してい ることを実証することができます。 ●お客様からの信頼性向上 化粧品GMPを遵守していること、認定取得していることにより、化粧品を販売するお客様からの信頼を生み 出し、高めます。 ●法定点検の準備になる 行政当局からの定期査察の際に、改めて対応する必要がなくなります。また化粧品GMPに適合していること で、法定点検の準備となり、スムーズに定期査察が受けられます。 ●製造における業務効率化・リコール減少・改善など 製造業務の観点からして、作業効率が上がるほか、リコールの減少、改善が期待できます。 ●世界へと進出しやすくなる
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弊社が実際に取得して感じているメリットを下記に示します。 ✇ブランドオーナー様によるISO22716に則った監査に非常に対応しやすくなりま した。 ✇海外のお客様には「ISO22716(化粧品GMP)に則って管理している」とアピー ルしやすくなりました。 ✇輸出申請の際、ISO認証書が、粧工連のGMP適合証明書の代わりになるため申 請書類作成などの手間が無くなり、ブランドオーナー様の要求に短期間で応えら れています。
財務省貿易統計による化粧品の輸 出入⾦額については、輸出、輸入 のいずれも⻑期に渡り増加傾向で したが、統計開始以来、日本への 輸入⾦額が日本からの輸出⾦額よ り多い状態でした。しかし、 2015年から輸出⾦額が急増し 2016年に初めて輸出⾦額が輸入 ⾦額を超え、さらに2017年は輸 出⾦額が輸入⾦額の1.5倍となり ました。(図1) 図1 化粧品の輸出入(1998〜2017)
図2 主な輸出先国(1998〜2017) 日本からの輸出国では、近年、 香港、中国、韓国、シンガ ポールなどの伸びが目⽴って います。特に2016年からは 香港、中国向けがが急上昇し ていることがわかります。
38 ④カナエテクノスがISO22716取得のために行ったこと ・取得するべき工場及び品目の選定 ・審査機関の選定 ISO9001をSGSで取得している為、引き続きSGSを選定 ・ギャップ分析 現在社内で運用している設備、プロセスとISO22716の要求事項 とのギャップの確認 ・現場のオペレーターを含めた実務担当者までISO22716の勉強会の実施 テキストを事前に配布した上で、個人で読み、集まった時に自分が疑問 に思った点、日頃疑問に思っている点などを出し合い、それについて 担当者が説明していく方式 ・予備審査の活用 本審査の前に、現状を審査機関にてチェック
工場と品目の選定 2017年12月 SGSと契約 2018年01月 勉強会開始 ギャップ分析 2018年04月03日 予備審査 2018年05月 内部監査 2018年05月24、25日 本審査 工場と品目の選定 2017年12月 SGSと契約 2018年01月 勉強会開始 ギャップ分析 2018年04月 予備審査 2018年06月 内部監査 2018年07月 本審査
取得スケジュール予定
実際の取得スケジュール
2018年07月末に取得の連絡を頂きました。
実際準備から本審査までにかかった期間は約6か月でした。