Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
災害対策等緊急事業推進費について
国土交通省 国土政策局
広域地方政策課調整室
災害対策等緊急事業推進費とは
○原形復旧に加え、公共
土木施設の防災機能の
強化・向上
対策前
○地域は被災したが、
公共土木施設に被害
がない場合の対策
被災時
越水 越水・浸水した
が施設被害なし
河道掘削
対策後
対策後(堤防嵩上げ)
【施設損傷なし】 【施設損傷有り】
○公共交通の安全確保
を図るための対策
【事故の再発防止対策】
【施設に損傷なし】
【施設に損傷有り】
災害復旧
事業で原
形復旧
推進費で嵩上げ
高欄設置や路面凹凸舗装の対策
が行われていたにもかかわらず、
下り勾配で速度超過により車が
転落
転落場所
道路情報提供装置を設置
転落場所
○災害復旧事業対象外
の自然災害により被災
した場合の対策
劣化による崖崩れで通行
止めが発生した。
【再度災害防止対策】
災害復旧事業では対応しきれない場合の対策が可能
災害対策等緊急事業推進費(以下「災害対策推進費」)は、自然現象による災害を受けた地域又は重
大な交通事故が発生した箇所等において、地域住民等の安全・安心を確保するため、年度内に緊急に
再度災害防止対策又は事故の再発防止対策等を行う各省庁の公共事業に配分することができる予算。
平成30年度予算 134.38億円
護岸
被災後 被災後
対策後
災害復旧事業との主な違い
区分
災害復旧事業
災害対策推進費
施設
※3
の防災機
能の強化向上
原形復旧までなので、原則できない。
※4
可能
。
施設
※3
に被害が
ない場合の対策
実施できない。
可能な場合がある
。
※6
主な異常な天然
現象の範囲
※5
(対象となる災
害)
○河川災害
・警戒水位以上の水位等
○河川以外の施設災害
・降雨80㎜以上/日又は20㎜以上/時
○風速15m/秒以上
○高潮、波浪、津波による災害
(被害の程度が比較的軽微でない) 等
以下のいずれかを満たす災害。
・降雨80㎜以上/日又は20㎜以上/時
・風速15m/秒以上
・豪雪、高潮、地震、津波、噴火、地すべ
り、山崩れ、崖崩れ、その他の異常な自
然現象により発生した災害(被害の程度
が比較的軽微でない)
1箇所の工事費
(限度額)
都道府県・指定市:120万円以上
市町村:60万円以上
※7
なし
(ただし、被害の程度が軽微でな
い範囲)
期間
3か年度以内
※8
当該年度内(繰越可)
実質の地方負担
額
負担率、交付税措置率が高いので、
地方負担額はかなり小さい
配分先の事業規定に従うので、災害
復旧事業より地方負担額は大きい
現地査定
あり
なし(写真が重要)
※3:上表の施設は公共土木施設である。 ※4:原形復旧不適当な場合には、形状、材質、構造を改良することがある。
※5:災害復旧事業の場合は上表以外にもあり。 ※6:浸水被害が発生したが、堤防に被害がない場合の河道掘削等。
※7:直轄河川等は500万円以上。※8:直轄河川等は2か年度以内。
改良復旧事業との主な違い
改良復旧事業
(河川等災害関連事業)
災害対策推進費
施設
※3
の防災機
能の強化向上
可能
。
可能
。
施設
※3
に被害が
ない場合の対策
実施できない。(災害復旧事業を実
施していないため)
可能な場合がある
。
※6
主な採択要件
・災害復旧事業として採択した箇所
を含む一連区間
・総工事費のうち災害関連工事費
の占める割合が原則5割以下
・原則として他の改良計画がない
・災害関連事業によって得られる効
果が大
以下のいずれかを満たす災害。
・降雨80㎜以上/日又は20㎜以上/時
・風速15m/秒以上
・豪雪、高潮、地震、津波、噴火、地す
べり、山崩れ、崖崩れ、その他の異常
な自然現象により発生した災害(被害
の程度が比較的軽微でない)
1箇所の工事費
(限度額)
都道府県・指定市:2400万円以上
市町村:1800万円以上
※9
なし
(ただし、被害の程度が軽微でない
範囲)
期間
3か年度以内
※10
当該年度内(繰越可)
実質の地方負担
額
※11
災害対策推進費より、
地方負担額
は小さい
配分先の事業の規定に従うので、改良
復旧事業より地方負担額は大きい
※9:直轄河川は5,000万円以上。※10:直轄河川は採択年度内。
※11:災害対策推進費の配分先の対象事業が河川改修事業の場合。
災害対策推進費の募集期間、募集から配分の流れ
①
自
然
災
害
・
事
故
の
発
生
⑤
対
策
の
実
施
事
業
主
体
(
地
方
公
共
団
体
等
)
各
省
の
事
業
所
管
部
局
各
省
の
事
業
所
管
部
局
②推進費の要求
国
土
政
策
局
国
土
政
策
局
※
事
業
計
画
書
の
作
成
各
省
の
事
業
所
管
部
局
財
務
省
国
土
政
策
局
③ 実施計画協議
※
事
業
計
画
の
調
整
④ 推進費の配分
事
業
主
体
(
地
方
公
共
団
体
等
)
承認
※所要日数約2週間
※所要日数約2週間
※所要日数
約2週間
(一般会計の場合)
区分
募集期間
配分時期(予定)
第1回
4月2日~5月7日
6月下旬
第2回
5月8日~7月下旬
9月中旬
第3回
8月上旬~10月上旬
11月中旬
【平成30年度の募集期間と配分時期(予定)】
・4月から10月上旬まで切れ目なく募集
・上記のほか、甚大な被害を伴う災害や事故が発生した場合は、適宜緊急配分を検討
【募集(要求)から配分までの流れ】
要求から配分まで約1か月半
要求にあたって作成する資料①
様式名
名称
主な記載内容
災1
案件報告書(一覧表) 事業名、災害の概要、要求額、推進費事業内容
災2
事業計画書(総括)
事業概要、災害の原因となった自然現象、被害状
況、
推進費を必要とする理由
、推進費による効果
災3
事業計画書(概要図) 位置図、平面図、断面図、
被災状況写真
災4
事業計画書(実施状
況表、工程表)
工種毎の事業費、工程表(推進費を充当する場合
としない場合の工程の比較)
【要求書】
注)災1は要求する件数全ての一覧表、災2~災4は、1件毎の内容
【その他の資料】
○被災前状況を説明する資料(巡視報告(パトロール日誌)の
有無、定期点検の有無等を「○×」で記載する資料)
○写真、対策に関する検討資料等(必要に応じて)
※8
※8:具体的に作成する資料の内容については、事業所管部局に確認ください。
要求にあたって作成する資料②
【災2 事業計画書(総括)の様式と記載にあたっての留意点】
【機密性2】
発出元 → 発出先 作成日_作成担当課_用途_保存期間
施 行 地 ○○県○○市○○町○○地先
推 進 費 要 求 額
事業費 ○○○ 千円 国 費 ○○○ 千円 国費率 1/2
事業名(地区名) 所管省名 事業主体名
○○事業(○○○○) ○○省 ○○県
事 業 概 要
・全 体 工 期 【H○○年○○月~H○○年○○月( ○ヶ月)】
・工 期 H○○年○○月~H○○年○○月( ○ヶ月)
・事業計画区間 L=○○○m
・工 種 例)掘削工V=○○㎥、護岸工L=○○m、測量設計費一式
法枠工A=○○㎡、落石防護柵工L=○m、用地費A=○㎡
災害対策緊急事業計画の概要
【対象施設の概要】
例:○○川水系○○川は、○○県に源を発し、○○地区において○○川に合流する○○県管理の一級河川である。
例:一般国道○○号は、○○県○○市と○○市を結ぶ、○○県管理の交通量○○台/日の幹線道路で、緊急輸送路と
して位置づけられている。
【災害の原因となった自然現象】
例:平成○年梅雨前線による豪雨(平成○年○月○日)
最大日雨量 ○月○日○時~○月○日○時 ○mm/日(○○観測所)
最大時間雨量 ○月○日○時~○月○日○時 ○mm/時(○○観測所)
例:崖崩れ (平成○年○月○日)
【被害状況】
一般被害
例:浸水面積○ha、床上浸水○ha、床下浸水○ha
例:人的被害なし、全面通行止め○日間(○月○日~○月○日)、片側通行規制(○月○日~現在も継続中)
公共土木施設等被害
例:護岸決壊○箇所(○月災害復旧事業申請中)、堤防決壊○箇所(○月○日災害査定済み)
例:道路法面崩壊○箇所、○○施設破損○基(災害復旧事業申請中)
【推進費を必要とする理由】
例:○○川は○○下流部が狭窄部であることから流れの阻害となり、○○地区で水位が上昇し溢水した。護岸決壊箇
所の施設被害については災害復旧事業で対応するものの、次期出水までに水位を下げ、再度災害を防止する必要
があることから、推進費を活用して緊急に河道掘削を行う。
例:法面崩壊が発生した箇所については、被災直後に応急復旧工事を実施し、現在は片側通行規制としているが、今
後の降雨により再度法面が崩壊し、被害が拡大する恐れがあることから、推進費を活用して緊急に法面対策を実
施する必要がある。
【推進費による効果】
例:平成○年○月までに○○工を実施し流下能力を向上させ、床上浸水○戸、床下浸水○戸の再度の浸水被害を
防止し、住民の安心・安全を確保する。
例:平成○年○月までに○○工を実施し、通行止めの再発防止や、緊急輸送・物流・観光・生活道路としての
機能確保と○台/日の通行の安全及び住民の安全・安心を確保する。
【被害状況】 一般被害の状況及び公共土木施設等の被
害状況を、地区名や数値などを用いて具体的に記述する。
(例)(一般被害)浸水面積○ha、全面通行止め○日間
(公共土木施設等被害)堤防決壊○箇所
【推進費を必要とする理由】
推進費の必要性、緊急性を具体的に記述する。
(例)河川改修の場合
○○市では、梅雨前線による豪雨に見舞われ・・・○戸
の床下浸水、○○haに及ぶ浸水被害が発生した。
○○川の河川改修については、従前より進めてきたと
ころであるが、今回の浸水被害が発生したことにより、早
急に整備を進める必要が生じた。
このため、推進費を活用し、緊急的な河川改修を行うこ
とにより、来年度の出水期までに再度災害防止を図ると
ともに、住民の安全・安心を確保するものとする
【推進費による効果】
実施することによる効果について、可能な限り具体的
な数値を用いて記述する。
(例)河川改修の場合
平成○○年○月までに河川改修を実施し、河川の流
下能力を向上させ、床下浸水○戸の浸水被害を防止し、
住民の安全・安心を確保する。
事例①〔海岸(国土交通省港湾局所管)〕
〇配分先事業(地区名・施行地):海岸保全施設整備事業(えりも港本港地区・北海道幌泉郡えりも町)
〇事業実施主体と事業費(国費):市町村(えりも町)、事業費3億円(国費1.65億円)
〇被災内容:平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の津波により、海岸護岸の破壊、家屋半壊等
〇災害復旧事業の適用要件の確認:津波による災害で公共土木施設に被害がある
〇改良復旧事業の 〃 :(護岸515mの嵩上げをすると)総工事費の5割以下を満たさない
〇災害対策推進費の 〃 :津波による災害であり、被害の程度が比較的軽微と認められない
○対策内容:災害復旧事業による原形復旧にあわせて、災害対策推進費を活用して護岸515mを嵩上げ
浸水区域
護岸嵩上げ工 L=515m
災害復旧箇所
災害復旧箇所
平面図
被災状況
災害対策推進
費で嵩上げ
【施設被害なし】
災害復旧事業で
原形復旧
災害対策推進
費で嵩上げ
+
【施設被害あり】
施行後
事例②〔河川〕
【対策前】(イメージ図)
河道掘削
流下能力の不足により越水が発生
【対策後】(イメージ図)
河道掘削により断面を拡幅し
流下能力を向上
被災状況写真⑥
吉
田
川
越水箇所
〇配分先事業(地区名・施行地):河川改修事業(鳴瀬川水系吉田川・宮城県黒川郡大郷町、大和町)
〇事業実施主体と事業費(国費):国(国土交通省)、事業費21億円(国費21億円)
〇被災内容:平成27年9月関東・東北豪雨により越水し、床上2戸、床下7戸を含む187haの浸水被害発生
〇災害復旧事業の適用要件の確認:豪雨(327㎜/日、49㎜/時)、公共土木施設に被害なし
〇改良復旧事業 〃 :災害復旧事業なし
〇災害対策推進費 〃 :豪雨(327㎜/日、49㎜/時)
○対策内容:災害対策推進費を活用して河道掘削を実施
被災状況
事例③〔道路〕
被災範囲
至 神石高原町
被災状況
対策後
〇配分先事業(地区名・施行地):道路更新防災等対策事業(一般国道182号百谷地内・広島県福山市)
〇事業実施主体と事業費(国費):都道府県(広島県)、事業費1.64億円(国費0.82億円)
○被災内容:平成27年7月23日に風化により崖崩れが発生し、一般国道182号で全面通行止めを行った
〇災害復旧事業の適用要件の確認:降雨なし
〇改良復旧事業 〃 :災害復旧事業なし
〇災害対策推進費 〃 :崖崩れ、全面通行止め(被害の程度が比較的軽微と認められない)
○対策内容:災害対策推進費を活用して法面対策(法枠工)を実施
至 福山市内B=45m
断面図
H=35m
事例④〔河川〕
H29.10 出水時
:浸水範囲
施行区間L=300m
さくら橋
市道橋
〇配分先事業(地区名・施行地):河川改修事業(前川水系前川・新潟県糸魚川市)
〇事業実施主体と事業費(国費):都道府県(新潟県)、事業費2.28億円(国費1.14億円)
○被災内容:平成28年8月2日の豪雨により溢水し、床下5戸を含む1.5haの浸水被害が発生
〇災害復旧事業の適用要件の確認:豪雨(35㎜/時)、公共土木施設に被害なし
〇改良復旧事業 〃 :災害復旧事業なし
〇災害対策推進費 〃 :豪雨(35㎜/時)
○対策内容:災害対策推進費を活用して河道掘削、護岸整備を実施
H28.8 浸水状況
前川
対策後
H28.8 出水時
対策後の平成29年10月23日、台風第21
号が接近し、前川では平成28年8月を
上回る豪雨に見舞われたが、災害対策
推進費の配分により河道掘削などの
対策が間に合い再度災害が防止された。
被災状況
被災状況
約
河道掘削工
地盤改良工
護岸工
1.5m
7.9m
3.7m
現況地盤
H.W
.L
標準断面図
前川
①
②
①
②
事例⑤〔道路〕
H28.8 出水時
H29.10 出水時
スノーシェッド工
排水工(300×300) 舗装工
推定支持層
断面図
2.0m
8.5m
被災状況
対策後
〇配分先事業(地区名・施行地):道路更新防災等対策事業(一般国道156号・岐阜県大野郡白川村)
〇事業実施主体と事業費(国費):都道府県(岐阜県)、事業費2.2億円(国費1.1億円)
○被災内容:平成29年2月17日に発生した雪崩により、一般国道156号で10日間の全面通行止めを行った
〇災害復旧事業の適用要件の確認:公共土木施設の被害が軽微(雪崩防護柵の傾斜)
〇改良復旧事業 〃 :災害復旧事業なし
〇災害対策推進費 〃 :豪雪(雪崩)、全面通行止め(被害程度が比較的軽微と認められない)
○対策内容:災害対策推進費を活用してスノーシェッド工を設置
事例⑥〔海岸(国土交通省港湾局所管)〕
H29.10 出水時
〇配分先事業(地区名・施行地):海岸保全施設整備事業(根室港海岸弥生町地区・北海道根室市)
〇事業実施主体と事業費(国費):市町村(根室市)、事業費4.75億円(国費2.61億円)
○被災内容:高潮により、家屋一部破損66戸、家屋浸水97戸、漁船破損163隻の被害が発生
〇災害復旧事業の適用要件の確認:公共土木施設に被害なし
〇改良復旧事業 〃 :災害復旧事業なし
〇災害対策推進費 〃 :高潮、家屋浸水被害が多数発生(被害の程度が比較的軽微と認め
られない)
○対策内容:災害対策推進費を活用して防潮堤及び可動式のゲートを設置
弥生町地区浸水被害状況
対策前 対策後
陸側 海側
防潮堤
高潮と被害防止状況
平成29年10月23日に超大型の台風
第21号が北海道東部に接近し、高潮
が発生。
高潮により海水面が上昇し、市街地
へ浸水の恐れがあったが、ほぼ完成し
ていた防潮堤及び防潮ゲートの閉鎖に
より被害を防止。
また、根室市では、防潮堤の完成を
機に、防潮堤の概要やゲート閉鎖基準
などを示したリーフレットを作成し、被
害を受けた町内会や商店街、漁協に
配布。
地域住民の防災意識の向上に寄与。
被災状況
可動式
ゲート
防潮堤