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第 1 問 Aさん (48 歳 ) は デザイン事務所を経営する個人事業主である Aさんは 丁寧な仕事が評判で取引先が多く 収入は安定している Aさんは これまで国民年金のみに加入しているが 収入が安定していることもあり 最近 老後の年金収入を増やすための方策を考えている 一方で Aさんは 過去に国

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2018 年(平成 30 年)1 月実施

(2018 年 1 月 28 日)

ファイナンシャル・プランニング 技能検定

3 級 実技試験

<保険顧客

資産相談業務

解答・解説集

---★ ご注意 ★--- 1. 本冊子は 3 級 FP 技能士試験の解答・解説集です。 2. 試験問題・模範解答は、(一社)金融財政事情研究会より利用許諾を得た上で転載してい ます。 出典:(一社)金融財政事情研究会 http://www.kinzai.or.jp/ginou/fp/list/fp/test 許諾番号:1708K000003 3. 解説文は正確を期すよう努力しておりますが、分かりやすさ・読みやすさを重視してい ることから、記載を省略したり、平易な用語に読み替えている場合があります。 4. 本冊子に記載されている情報については、利用者の責任に基づいてお取り扱いくださ い。 5. 本冊子に記載されている情報による損害については一切責任を負いません。 6. 解説文に間違いを発見された場合や、ご意見・ご感想などは、下記 URL よりご連絡頂 けますと、大変ありがたいです。 連絡先:https://fp3test.com/contact.html

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《第1問》 Aさん(48歳)は、デザイン事務所を経営する個人事業主である。Aさんは、丁寧な仕事 が評判で取引先が多く、収入は安定している。 Aさんは、これまで国民年金のみに加入しているが、収入が安定していることもあり、最 近、老後の年金収入を増やすための方策を考えている。一方で、Aさんは、過去に国民年 金の保険料を支払っていない期間があるため、自分の公的年金がどのくらい支給されるの か不安を感じている。 そこで、Aさんは懇意にしているファイナンシャル・プランナーのMさんに相談すること にした。Aさんに関する資料は、以下のとおりである。 <Aさんに関する資料> ・昭和 44 年 10 月 17 日生まれ 公的年金の加入歴は下記のとおりである(見込み期間を含む)。 ※Aさんは、現在および将来においても、公的年金制度における障害等級に該当する障害の 状態にないものとする。 ※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

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- 3 - はじめに、Mさんは、国民年金の制度について説明した。Mさんが、Aさんに対して説明 した以下の文章の空欄(1)~(3)に入る数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれ か。 「老齢基礎年金を受給するためには、原則として、国民年金の保険料納付済期間と保険料 免除期間を合算した期間が( 1 )年必要です。Aさんは、原則として65歳から老齢基 礎年金を受給することができます。 Aさんが老後の年金収入を増やすために、所定の手続により、国民年金の定額保険料に加 えて、月額( 2 )円の付加保険料を納付し、Aさんが老齢基礎年金の受給を65歳から 開始した場合、Aさんは、老齢基礎年金と『( 3 )円×付加保険料納付済期間の月数』 の算式で計算した付加年金を受け取ることができます」 1) (1)10 (2)400 (3)200 2) (1)25 (2)400 (3)400 3) (1)40 (2)200 (3)400

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《問 1》<解答・解説> 老齢基礎年金の受給資格期間・付加年金に関する問題です。 老齢基礎年金の受給資格期間を満たすには、保険料納付済期間と保険料免除期間等の合計 が 10 年以上必要です。 ※平成 29 年 8 月 1 日以降、老齢年金の受給資格期間が 25 年から 10 年に短縮されました。 また、国民年金の付加年金は、月額 400 円の付加保険料で、「200 円×付加保険料納付済月 数」分の年金額を老齢基礎年金に追加して受け取れます。 よって正解は、1

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- 5 - 次に、Mさんは、Aさんが老齢基礎年金の受給を65歳から開始した場合の年金額を試算し た。Mさんが試算した老齢基礎年金の年金額の計算式として、次のうち最も適切なものは どれか。なお、老齢基礎年金の年金額は、平成29年度価額に基づいて計算するものとす る。 1) 779,300円×408月/480月 2) 779,300円×(408月+72月×1/2)/480月 3) 779,300円×(408月+72月×1/3)/480月

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《問 2》<解答・解説> 老齢基礎年金の支給額に関する問題です。 65 歳から受給できる老齢基礎年金の計算式は以下の通り。 老齢基礎年金=満額の基礎年金×(納付済月数+免除分調整月数)/(加入可能年数×12) まず、平成 29 年度の満額の基礎年金額は、779,300 円。 次に、保険料納付済月数ですが、Aさんの保険料納付済期間は、納付予定も含めて、 267 月+141 月=408 月です。 また、Aさんには 20 歳からの 72 月の未納期間があります。 未加入期間と未納期間は、保険料納付済月数にはカウントされないため、その分満額の老 齢基礎年金よりも支給額は少なくなります。 ※未加入は年金受給資格期間としてはカウントされます。 Aさんは昭和 16 年 4 月 2 日以降生まれですので、「加入可能年数」は 40 年です。 (昭和 16 年 4 月 1 日以前生まれの場合、加入可能年数は 40 年を下回ります。) Aさんの老齢基礎年金=779,300 円×{408 月/(40 年×12)} よって正解は、1

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- 7 - 最後に、Mさんは、老後の年金収入を増やす方法について説明した。MさんのAさんに対 する説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。 1) 「小規模企業共済制度は、個人事業主が廃業等した場合に必要となる資金を準備して おくための共済制度です。毎月の掛金は、1,000円から70,000円の範囲内(500円単 位)で選択することができます」 2) 「Aさんが確定拠出年金の個人型年金に加入した場合、拠出する掛金の全額が小規模 企業共済等掛金控除の対象となります」 3) 「国民年金基金は、国民年金の第1号被保険者の老齢基礎年金に上乗せする年金を支 給する任意加入の年金制度です。国民年金基金の老齢給付は、終身年金ではなく、5 年もしくは10年の確定年金となります」

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《問 3》<解答・解説> 小規模企業共済・確定拠出年金の個人型・国民年金基金に関する問題です。 1) は、適切。小規模企業共済は、個人事業主や小規模な企業の役員が、廃業や退職した際 の資金準備のための共済制度です。小規模企業共済の掛金は、月額 1,000 円から 7 万円 の範囲内(500 円単位)で、全額が小規模企業共済等掛金控除として、所得税・住民税 に係る所得控除の対象です。 2) は、適切。確定拠出年金の個人型の掛金は、小規模企業共済等掛金控除として全額所得 控除できます。 3) は、不適切。国民年金基金は、国民年金の第1号被保険者の老齢基礎年金に上乗せ支給 するもので、国民年金基金の1口目は必ず終身年金(65 歳から支給)となり、2 口目以 降は終身年金か確定年金かを選択できます。 よって正解は、3

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《第2問》 会社員のAさん(55歳)は、同じく会社員の妻Bさん(52歳)との2人暮らしである。A さん夫妻には2人の子がいるが、いずれも結婚して独立している。 Aさんは、先日、生命保険会社の営業担当者であるファイナンシャル・プランナーのMさ んから、介護終身保障保険の提案を受けたことを機に、現在加入している定期保険特約付 終身保険を解約し、要介護状態になった場合の保障を充実させたいと思うようになった。 Mさんが提案した生命保険に関する資料は、以下のとおりである。 <Mさんが提案した生命保険に関する資料> 保険の種類:5年ごと利差配当付介護終身保障保険(死亡給付金倍率5倍) 月払保険料:12,850 円(全額が介護医療保険料控除の対象) 保険料払込期間:終身払込(注1) 契約者(=保険料負担者)・被保険者:Aさん 死亡給付金受取人:妻Bさん 指定代理請求人 :妻Bさん (注1)保険料払込期間は、契約時に有期払込を選択することができる。 (注2) 公的介護保険制度の要介護2以上と認定された場合、または保険会社所定の要介 護状態になった場合に支払われる。 (注3) 介護終身年金の支払事由前に死亡した場合、死亡給付金 300 万円が支払われる。 介護終身年金が支払われた場合、死亡給付金額から当該金額が差し引かれる(5回目の介護 終身年金が支払われた後、死亡給付金はない)。 ※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

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11 -はじめに、Mさんは、公的介護保険(以下、「介護保険」という)の保険給付について説 明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も適切なものはどれか。 1) 「Aさんのような介護保険の第2号被保険者は、寝たきりなどにより介護が必要と認 められた場合、病気等の原因を問わず、介護サービスを利用することができます」 2) 「Aさんのような介護保険の第2号被保険者が、介護サービスの提供を受けた場合、 実際にかかった費用の3割を自己負担する必要があります」 3) 「居宅サービスを利用する場合、要介護度に応じて利用できる限度額が決められてお り、限度額を超えて利用したサービスの費用は、全額自己負担となります」

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《問 4》<解答・解説> 公的介護保険に関する問題です。 1) は、不適切。公的介護保険の被保険者は、65 歳以上の第1号被保険者と、40 歳以上 65 歳未満の第2号被保険者です。 第2号被保険者は、保険者から特定疾病による要介護状態または要支援状態と認定され た場合に、保険給付を受けられます。 つまり、若いうちはアルツハイマーなどの特定の病気が原因でないと介護保険は利用で きないわけです。 2) は、不適切。介護保険の自己負担は原則1割です(食費・居住費等を除く)が、被保険 者の合計所得金額が一定額を超える場合は 2 割負担となります。 3) は、適切。公的介護保険の介護給付・予防給付のサービスは、要介護・要支援状態区分 に応じた支給限度基準額が設定されており、原則として実際にかかった費用の1割が自 己負担ですが、支給限度基準額を超えた部分は全額自己負担です。 よって正解は、3

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- 13 - 次に、Mさんは、《設例》の生命保険の保障内容等について説明した。MさんのAさんに 対する説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。 1) 「保険料払込期間を有期払込にした場合、毎月の保険料負担は減少し、保険料の払込 総額も少なくなります。払込期間を有期として、払込満了後の保障を確保することも 検討事項の1つとなります」 2) 「Aさんが働けなくなった場合、収入の減少は避けられません。また、会社員である 妻BさんがAさんの介護のために休職等をすることも想定されますので、一定額の介 護年金および介護一時金を確保することは検討に値すると思います」 3) 「介護終身年金の支払が始まると、死亡給付金の額が段階的に減少していきます。ま た、当該生命保険に入院・通院の保障はありません。定期保険特約付終身保険を解約 される前に死亡保障・医療保障の必要性について確認しましょう」

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《問 5》<解答・解説> 終身保険の保険料払込方法・民間の介護保険・保険の見直しに関する問題です。 1) は、不適切。終身保険のうち、終身払いは一生保険料を支払い、有期払いは一定期間保 険料支払い後には保険料負担なく保障が一生涯続きます。他の条件が同一の場合、毎回 の保険料が高いのは有期払いです。 (終身払いのほうが高かったら、保障が同じなのに保険料が高くて一生支払うわけです から、わざわざ終身払いにする人はいなくなってしまいますよね。) 2) は、適切。民間の介護保険は、各保険会社の定める所定の要介護状態になった場合、保 険金が支払われる仕組みとなっており、「一時金(介護一時金)」「年金(介護年金)」「一 時金と年金の併用」の 3 種類があります。 3) は、適切。設例の(注3)にあるように、介護終身年金が支払われると、死亡給付金か ら支払済みの金額が差し引かれるため、段階的に死亡保障が減少し、5 回目の年金支払 後は死亡保障はゼロになります。また、要介護状態にならなくても、入院・手術・通院 が必要になる事態もあり得るため、契約済みの保険を解約する際は、それまで得ていた 保障の今後の必要性について確認することが必要です。 よって正解は、1

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- 15 - 最後に、Mさんは、《設例》の生命保険の課税関係について説明した。MさんのAさんに 対する説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。 1) 「当該生命保険の保険料は介護医療保険料控除の対象となります。適用限度額は、所 得税で40,000円、住民税で28,000円となります」 2) 「介護一時金は、一時所得の収入金額として総合課税の対象となります。総所得金額 に算入される一時所得の金額が20万円を超える場合、Aさんは所得税の確定申告をし なければなりません」 3) 「Aさんが介護終身年金を請求できない特別な事情がある場合には、指定代理請求特 約により指定代理請求人である妻BさんがAさんに代わって請求することができま す。妻Bさんが代理請求した場合であっても、介護終身年金は非課税所得として扱わ れます」

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《問 6》<解答・解説> 生命保険の税務に関する問題です。 1) は、適切。生命保険料控除は、平成 24 年 1 月 1 日以降の契約では、一般・個人年金・ 介護医療それぞれで、所得税 4 万円、住民税 2 万 8 千円の控除枠(合計は所得税 12 万 円、住民税 7 万円)があります。 設例において、当該生命保険は「全額が介護医療保険料控除の対象」とあるため、上記 の控除枠となります。 2) は、不適切。入院・手術・通院・診断等の「身体の傷害に基因」して支払われる給付金 と同様に、民間の介護保険の介護給付金も非課税です。 なお、非課税となるのは、受取人が被保険者本人・配偶者・直系血族・生計同一の親族、 のいずれかの場合に限られます。 3) は、適切。入院・手術・通院・診断等の「身体の傷害に基因」して支払われる給付金と 同様に、民間の介護保険の介護給付金も非課税ですが、指定代理請求人が本人に代わっ て保険金請求し、受け取った場合でも非課税となります(贈与税の対象外)。 指定代理請求特約を付加しておくと、入院や要介護状態等で保険金を請求できない場合 でも、指定代理請求人が被保険者に代わって保険金を請求可能です。 よって正解は、2

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《第3問》 X株式会社(以下、「X社」という)の二代目社長であるAさん(40歳)は、Y生命保険 会社から退職金準備や事業保障資金の確保等を目的とした2つの生命保険契約の提案を受 けている。 <資料>Y生命保険会社から提案を受けた生命保険の内容 (1)長期平準定期保険(特約付加なし) 契約形態: 契約者(=保険料負担者)・死亡保険金受取人=X社 被保険者=Aさん 保険期間・保険料払込期間:98 歳満了 死亡保険金額:1億円 年払保険料 :215 万円 70 歳時の解約返戻金額:5,966 万円 解約返戻金額の 80%の範囲内で、契約者貸付制度を利用することができる。 (2)無配当定期保険(特約付加なし) 契約形態: 契約者(=保険料負担者)・死亡保険金受取人=X社 被保険者=Aさん 保険期間・保険料払込期間:10 年(自動更新タイプ) 死亡保険金額:5,000 万円 年払保険料 :14 万円 ※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

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- 19 - 仮に、将来X社がAさんに役員退職金5,000万円を支給した場合、Aさんが受け取る役員 退職金に係る退職所得の金額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、Aさんの 役員在任期間(勤続年数)を35年とし、これ以外に退職手当等の収入はなく、障害者にな ったことが退職の直接の原因ではないものとする。 1) 1,575万円 2) 1,850万円 3) 3,150万円

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《問 7》<解答・解説> 退職所得に関する問題です。 退職所得=(退職収入-退職所得控除)×1/2 で計算されますが、退職所得控除額は、勤続 年数が 20 年以下の期間は1年当たり 40 万円(最低 80 万円)、20 年を超える期間は1年当 たり 70 万円です。 また、勤続年数が 1 年に満たない場合は切り上げられます。 よって問題文での退職所得の計算式は、 =[5,000 万円-{40 万円×20 年+70 万円×(35 年-20 年)}]×1/2 ={5,000 万円-(800 万円+1,050 万円)}×1/2 =(5,000 万円-1,850 万円)×1/2 =1,575 万円 よって正解は、1

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- 21 - 《設例》の<資料>(1)長期平準定期保険に関するアドバイスとして、次のうち最も不適切 なものはどれか。 1) 「Aさんの勇退時期を70歳と仮定した場合、当該生命保険を解約することにより、X 社は相当額の解約返戻金を受け取ることができます。したがって、当該生命保険の加 入により、役員(生存)退職金の原資を準備することが可能です」 2) 「契約者貸付制度を利用することにより、当該保険契約を解約することなく、資金を 調達することができます。ただし、契約者貸付金には、保険会社所定の利息が発生し ます」 3) 「保険期間中に被保険者であるAさんが死亡した場合、X社はそれまでに資産計上し ていた前払保険料を取り崩して、受け取った死亡保険金との差額を雑損失として損金 の額に算入します」

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《問 8》<解答・解説> 長期平準定期保険の活用方法・契約者貸付・死亡保険金受取時の経理処理に関する問題です。 1) は、適切。長期平準定期保険は、保険期間の途中で解約した場合に支払われる解約返戻 金を、役員退職金の原資として活用できます。 つまり、長期にわたって役員が死亡した場合のリスクに備えつつ、役員退職金の原資も 貯めておくことができるわけです。 なお、長期平準定期保険とは、保険期間満了時に 70 歳を超え、かつ加入時の年齢に保 険期間の2倍の数を加えると 105 を超える定期保険のことで、保険期間満了時に満期保 険金が支払われない、掛け捨て型の保険です。 保険期間の 6 割程度の時点で解約した場合、高い返戻率(実質 100%超)の解約返戻金 を受け取れるため、生存退職金の準備として有効といえます。 2) は、適切。生命保険の契約者貸付制度とは、契約している生命保険の解約返戻金の一定 範囲内(70~90%程度)で、生命保険会社からお金を借りられる制度ですが、保険会社 所定の利息がかかります。 長期平準定期保険やハーフタックスプラン(福利厚生プラン)は、法人に急な資金需要 が発生した場合には、契約者貸付制度により解約返戻金の 90%まで融資を受けること が可能です(上限は保険会社により異なり、本問の保険では80%まで)。 3) は、不適切。法人が保険金や解約返戻金を受け取ったとき、経理処理は以下の計算式に よります。 受取保険金-資産計上額=保険差益 ※受取保険金…満期保険金・解約返戻金・死亡保険金等 ※資産計上額…積立保険料、養老保険・終身保険の保険料等 ここで、保険差益がプラスなら「雑収入」、マイナスなら「雑損失」として計上され、雑 収入であれば益金、雑損失であれば損金として課税所得に含まれるわけです。 長期平準定期保険では、前半 6 割期間での保険料支払い時は、保険料の2分の1を定期 保険料として損金算入し、2分の1を前払保険料として資産計上です。

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- 23 - 《設例》の<資料>(2)無配当定期保険に関するアドバイスとして、次のうち最も不適切な ものはどれか。 1) 「X社が受け取る死亡保険金は、取引先への買掛金支払や金融機関への借入金返済な ど、事業を継続するための資金として活用することができます。長期平準定期保険に 比べて、割安な保険料で死亡保障を準備できます」 2) 「当該生命保険の払込保険料は、全額を損金の額に算入します。したがって、保険期 間中に当該生命保険を解約し、解約返戻金を受け取った場合、X社では、経理処理の 必要はありません」 3) 「当該生命保険を10年後に更新する場合の保険料は、加入時ではなく、更新時の保険 料率により計算されます」

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《問 9》<解答・解説> 無配当定期保険の商品性・経理処理・自動更新に関する問題です。 1) は、適切。死亡保険金受取人を法人とする生命保険では、法人が受け取った死亡保険金 を借入金返済や運転資金等の事業保障資金として活用可能です。 設例の「無配当定期保険」とは、保険会社からの配当金支払いがない定期保険のことで、 掛捨て型の保険であることから、解約返戻金は保険期間の経過に従って、一定期間まで 増加するものの、その後は逓減し、払込保険料総額を上回ることはありません。従って 役員退職金を準備する方法としては不適切ですが、保険料は割安で、万一の際の高額保 障の確保が可能です。 2) は、不適切。設例の「無配当定期保険」とは、保険会社からの配当金支払いがない定期 保険のことで、掛捨て型の保険であることから、支払った保険料全額を損金算入するこ とができます。 よって、これまでの資産計上額は 0 円ですから、解約返戻金を受け取った際は、受取保 険金(解約返戻金)=保険差益=雑収入として経理処理することになるわけです。 3) は、適切。自動更新タイプの保険は、更新時に医師の診断や告知が不要で、保障内容・ 金額・期間を同内容で継続可能ですが、保険料は更新時に再計算されて高くなります。 よって正解は、2

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《第4問》 Aさんは、飲食店を営む個人事業主である。Aさんは、開業後直ちに青色申告承認申請と 青色事業専従者給与に関する届出書を所轄税務署長に対して提出している。 Aさんは、過去に会社員をしていた期間があり、平成29年8月から特別支給の老齢厚生年 金を受給している。 Aさんとその家族に関する資料等は、以下のとおりである。 <Aさんとその家族に関する資料> Aさん (62 歳) :個人事業主(青色申告者) 妻Bさん (59 歳):Aさんが営む飲食店の事業に専ら従事し、青色事業専従者給与(平成 29 年分:84 万円)の支払を受けている。 <Aさんの平成 29 年分の収入等に関する資料> (1)事業所得の金額:400 万円(青色申告特別控除後) (2)特別支給の老齢厚生年金の年金額 : 30 万円 (3)一時払変額個人年金保険(確定年金)の解約返戻金 契約年月: 平成 20 年5月 契約者(=保険料負担者)・被保険者 : Aさん 死亡保険金受取人:妻Bさん 解約返戻金額:750 万円 一時払保険料:500 万円 ※妻Bさんは、Aさんと同居し、生計を一にしている。 ※Aさんおよび妻Bさんは、いずれも障害者および特別障害者には該当しない。 ※Aさんおよび妻Bさんの年齢は、いずれも平成 29 年 12 月 31 日現在のものである。 ※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

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- 27 - 所得税における青色申告制度に関する以下の文章の空欄(1)~(3)に入る数値の組合せとし て、次のうち最も適切なものはどれか。 ⅰ)「事業所得に係る取引を正規の簿記の原則に従い記帳し、その記帳に基づいて作成し た貸借対照表、損益計算書その他の計算明細書を添付した確定申告書を法定申告期限内に 提出することにより、事業所得の金額の計算上、青色申告特別控除として最高( 1 ) 万円を控除することができます。なお、確定申告書を法定申告期限後に提出した場合、青 色申告特別控除額は最高( 2 )万円となります」 ⅱ)「青色申告者が受けられる税務上の特典として、青色申告特別控除のほかに、青色事 業専従者給与の必要経費算入、純損失の( 3 )年間の繰越控除、純損失の繰戻還付、 棚卸資産の評価について低価法を選択できることなどが挙げられます」 1) (1)55 (2)38 (3)3 2) (1)65 (2)10 (3)3 3) (1)65 (2)38 (3)7

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《問 10》<解答・解説> 青色申告に関する問題です。 ⅰ)不動産所得・事業所得・山林所得については、一定の帳簿で記帳すること等の要件を満 たすことで、所得税の青色申告をすることができます。青色申告の特典として、最高 65 万 円を所得から控除できる青色申告特別控除(期限後申告となった場合は最高 10 万円)があ ります。 ⅱ)青色申告の特典として、損益通算しても控除しきれない損失額を翌年以後 3 年間繰り 越す(純損失の繰越控除)ことができます。また、前年に繰り戻して所得税の還付を受ける (純損失の繰戻還付)こともできます(2 年以上前の所得への繰り戻しは不可)。 よって正解は、2

(29)

- 29 - Aさんの平成29年分の所得税の課税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれ か。 1) 「妻Bさんは青色事業専従者として給与の支払を受けているため、妻Bさんの合計所 得金額の多寡にかかわらず、Aさんは、妻Bさんについて配偶者控除の適用を受ける ことができません」 2) 「Aさんの場合、公的年金等の収入金額の合計額が70万円以下であるため、公的年金 等に係る雑所得の金額は算出されません」 3) 「Aさんが解約した一時払変額個人年金保険(確定年金)は、税務上、金融類似商品 に該当するため、当該解約返戻金は源泉分離課税の対象となります」

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《問 11》<解答・解説> 青色事業専従者給与・公的年金の雑所得・金融類似商品となる保険商品に関する問題です。 1) は、適切。青色事業専従者に支払った給与は、労務の対価として相当と認められる金額 であれば、事業所得の計算上必要経費に算入できます。しかし、青色事業専従者給与と 配偶者控除は併用して適用を受けられません。 (配偶者特別控除、扶養控除も同様) 2) は、適切。公的年金の雑所得=収入額-公的年金等控除額で計算しますが、65 歳未満の 公的年金等控除額は、最低 70 万円ですので、A さんが受け取った特別支給の老齢厚生 年金 30 万円は全額控除され、公的年金の雑所得は算出されず、0 円とされます。 3) は、不適切。一時払の養老保険や個人年金保険・変額個人年金などを契約から5年以内 に解約した場合、金融類似商品として受取差益に 20.315%の源泉分離課税となります (復興所得税含む)が、本問では、契約から 9 年後ですので、一時所得として総合課税 の対象となります。 よって正解は、3

(31)

- 31 -

Aさんの平成29年分の所得税における総所得金額は、次のうちどれか。

1) 430万円

2) 500万円

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《問 12》<解答・解説> 総所得金額に関する問題です。 総所得金額は、大雑把に言うと、総合課税の所得を合計し、損益通算した後の金額です。 Aさんの所得は、事業所得と公的年金の雑所得、一時所得(一時払変額個人年金保険の解約 返礼金)です。 一時払の養老保険や個人年金保険・変額個人年金などを契約から5年以内に解約した場合、 金融類似商品として受取差益に 20.315%の源泉分離課税となります(復興所得税含む)が、 本問では、契約から 9 年後ですので、一時所得となるわけです。 事業所得は既に 400 万円と明示されているため、ここでは公的年金の雑所得と一時所得を 計算します。 公的年金の雑所得=収入額-公的年金等控除額で計算しますが、65 歳未満の公的年金等控 除額は、最低 70 万円ですので、A さんが受け取った特別支給の老齢厚生年金 30 万円は全 額控除され、公的年金の雑所得は算出されず、0 円とされます。 一時所得=収入額-収入を得るために支出した額-特別控除 50 万円 =解約返戻金 750 万円-払込保険料 500 万円-特別控除 50 万円 =200 万円 なお、総所得金額を計算する際に、一時所得はその 2 分の 1 が合算対象 ですので、 総所得金額=400 万円+0 円+200 万円×1/2=500 万円 よって正解は、2

(33)
(34)

《第5問》 Aさん(70歳)の推定相続人は、妻Bさん(70歳)、長女Cさん(42歳)および長男Dさ ん(40歳)の3人である。 Aさんは、妻Bさんには現預金および自宅を、長女Cさんには自宅に隣接する賃貸アパー トを相続させたいと考えており、遺言書の作成の準備を検討している。また、Aさんは、 現在、生命保険に加入していないため、相続対策として一時払終身保険への加入を検討し ている。 <Aさんの家族構成> 妻Bさん :Aさんと自宅で同居している。 長女Cさん:公務員。Aさん夫婦と同居している。 長男Dさん:会社員。妻と子2人で賃貸マンションに暮らしている。 <Aさんが保有する主な財産(相続税評価額)> 現預金:6,000 万円 自宅(敷地 360 ㎡):5,000 万円(注) 自宅(建物):1,000 万円 賃貸アパート(敷地 300 ㎡):3,500 万円(注) 賃貸アパート(建物):3,000 万円(年間収入 500 万円) (注)「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用前の金額 <Aさんが加入を検討している一時払終身保険の内容> 契約者(=保険料負担者)・被保険者:Aさん 死亡保険金受取人:長女Cさん 死亡保険金額 :2,000 万円 ※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

(35)

- 35 - 公正証書遺言に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 1) 「公正証書遺言は公証役場で作成するため、その作成費用が税金で賄われており、遺 言者が手数料を負担する必要はありません」 2) 「公正証書遺言を作成する場合、証人2人以上の立会いが必要となりますが、遺言者 の推定相続人は、この証人になることはできません」 3) 「仮に、Aさんの相続が開始し、相続人がAさんの公正証書遺言を発見した場合、相 続人は、遅滞なく、遺言書を家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければなり ません」

(36)

《問 13》<解答・解説> 公正証書遺言に関する問題です。 1) は、不適切。公正証書遺言は、原本が公証役場に保管されるため、紛失や改ざん等のお それがなく、安全性は高いですが、遺言で指定する財産価額に応じた手数料と証人2名 を要する等、手続が煩雑というデメリットがあります。 2) は、適切。公正証書遺言は、作成時に2名以上の証人の立会いが必要ですが、推定相続 人や受遺者等は証人になれません(受遺者:遺言で財産を受け取る予定の人)。 つまり、遺言の内容に対して利害がある人(配偶者や親族等)は証人になれないわけで す。 また、未成年の場合や、推定相続人や受遺者の配偶者・直系血族も証人になれません。 3) は、不適切。自筆証書遺言や秘密証書遺言は、相続開始後に、家庭裁判所での検認が必 要ですが、公正証書遺言は検認不要です。 よって正解は、2

(37)

- 37 - Aさんの相続等に関する以下の文章の空欄(1)~(3)に入る数値の組合せとして、次のうち最 も適切なものはどれか。 ⅰ)「Aさんが加入を検討している一時払終身保険の死亡保険金は、みなし相続財産とし て相続税の課税対象となります。当該生命保険の加入後にAさんが亡くなった場合、長女 Cさんが受け取る死亡保険金のうち、相続税の課税価格に算入される金額は( 1 )万 円となります」 ⅱ)「妻Bさんおよび長女Cさんが相続財産の大半を取得した場合、長男Dさんの遺留分 を侵害する可能性があります。仮に、遺留分算定の基礎となる財産の価額が2億円である 場合、長男Dさんの遺留分の金額は( 2 )万円です」 ⅲ)「妻Bさんが自宅の敷地を相続により取得し、『特定居住用宅地等』として小規模宅地 等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた場合、その敷地は( 3 ) ㎡までの部分について80%の減額が受けられます」 1) (1)500 (2)5,000 (3)240 2) (1)1,500 (2)5,000 (3)330 3) (1)500 (2)2,500 (3)330

(38)

《問 14》<解答・解説> 死亡保険金の非課税枠・遺留分・小規模宅地の特例に関する問題です。 ⅰ)生命保険の契約者と被保険者が同じで、保険金受取人が異なり、受取人が相続人となる 場合、支払われる死亡保険金は、みなし相続財産として、相続税の課税対象となります。 ただし、「500 万円×法定相続人の数」までは非課税です。 よって本問の法定相続人は、配偶者である妻 B と、被相続人の長女 C と長男 D の計 3 人で すから、 死亡保険金の非課税限度額=500 万円×3 人=1,500 万円 よって、死亡保険金 2,000 万円のうち、非課税分 1,500 万円を除いた、残りの 500 万円が 相続税の課税価格に算入されます。 ⅱ)一定範囲内の相続人のために、法律上、相続人が最低限受け取れる財産の一定割合のこ とを遺留分といいます。その割合は、相続人が直系尊属のみ場合は法定相続分の3分の1、 それ以外の場合は法定相続分の2分の1。 相続人が配偶者と子2人である場合、法定相続分は配偶者2分の1、子 4 分の1ですから、 子の遺留分はそのさらに2分の1の 8 分の1となります。 よって、長男 D の遺留分=2 億円×1/8=2,500 万円 ⅲ)小規模宅地等の特例では、特定居住用宅地の適用面積は 330 ㎡までの部分で、評価額 の減額割合は 80%減額です。 なお、特定事業用宅地は 400 ㎡まで 80%減額、貸付事業用宅地は 200 ㎡まで 50%減額で す。 よって正解は、3

(39)

- 39 - 仮に、Aさんの相続が現時点(平成30年1月28日)で開始し、Aさんの相続に係る課税遺 産総額(課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額)が1億円であった場合の相続税の総 額は、次のうちどれか。 <資料>相続税の速算表(一部抜粋) 1) 1,450万円 2) 2,300万円 3) 4,800万円

(40)

《問 15》<解答・解説> 相続税の総額に関する問題です。 相続税の計算は、課税遺産総額(「課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額」)をそれぞれ 法定相続分に分割し、分割後の金額に応じた税率で算出します。 本問の場合、課税遺産総額 1 億円です。 配偶者と子が相続人のとき、配偶者の相続分は 2 分の 1、子の相続分は 2 分の1(子の人数 分で分割)ですから、妻Bさんの法定相続分は 1/2、長女Cさんと長男Dさんの法定相続 分はそれぞれ 1/4 ずつ(1/2÷2)となります。 妻Bの法定相続分の相続税 :1 億円×1/2×20%-200 万円=800 万円 長女Cの法定相続分の相続税:1 億円×1/4×15%-50 万円=325 万円 長男Dの法定相続分の相続税:1 億円×1/4×15%-50 万円=325 万円 従って、相続税の総額=800 万円+325 万円+325 万円=1,450 万円 です。 よって正解は、1

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