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インドネシア国クリーンコールテクノロジー (CCT) 導入促進プロジェクト ( 高効率石炭火力発電設備導入促進 ) 5.3 石炭資源の見通し (1) インドネシア国における石炭資源の見通しエネルギー鉱物資源省地質庁が 2010 年に公表したインドネシアの石炭資源量は 図 に示したように

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5.3 石炭資源の見通し

(1) インドネシア国における石炭資源の見通し

エネルギー鉱物資源省地質庁が2010 年に公表したインドネシアの石炭資源量は、図 5.3-1 に示し たように1,048 億トンである。このうち、スマトラが 525 億トン、カリマンタンが 519 億トンで、 この2 つの地域に大半が賦存している。インドネシアの石炭は気乾ベースの発熱量で区分されてお り、7,100 kcal/kg 以上が Very high rank coal、6,100~7,100 kcal/kg が High rank coal(瀝青炭)、5,100~ 6,100 kcal/kg が Medium rank coal(亜瀝青炭)、5,100 kcal/kg 以下が Low rank coal(褐炭)とされてい る。この炭種別では、瀝青炭が14%、亜瀝青炭が 66%、褐炭が 20%となっており、亜瀝青炭、褐炭 の低品位炭が資源量の86%を占めている。 石炭埋蔵量は213 億トンであり、スマトラに 112 億トン、カリマンタンに 99 億トンと見積もら れている。炭種別では、瀝青炭が11%、亜瀝青炭が 60%、褐炭が 29%で、亜瀝青炭、褐炭の低品位 炭が埋蔵量の89%を占めている。 インドネシアの石炭のほとんどが、カリマンタンとスマトラに賦存している。カリマンタンでは 主に東カリマンタン州、南カリマンタン州に埋蔵されており、亜瀝青炭及び瀝青炭が中心となって いる。スマトラでは60%程度が南スマトラに埋蔵されているが、その大半は低品位炭である。 Reserves : 21,13 b. t Lignite : 29 % Subituminous : 60 % Bituminous : 11 % 11.23 b.t Resources : 104,842 b. t Lignite : 20 % Subituminous : 66 % Bituminous : 14 % 52.53 b.t b.t : billion tons 0.01 b.t 51.92 b.t 0.23 b.t 0.002 b.t 0.15 b.t 9.90 b.t Reserves : 21,13 b. t Lignite : 29 % Subituminous : 60 % Bituminous : 11 % 11.23 b.t Resources : 104,842 b. t Lignite : 20 % Subituminous : 66 % Bituminous : 14 % 52.53 b.t b.t : billion tons 0.01 b.t 51.92 b.t 0.23 b.t 0.002 b.t 0.15 b.t 9.90 b.t Reserves : 21,13 b. t Lignite : 29 % Subituminous : 60 % Bituminous : 11 % 11.23 b.t Resources : 104,842 b. t Lignite : 20 % Subituminous : 66 % Bituminous : 14 % 52.53 b.t b.t : billion tons 0.01 b.t 51.92 b.t 0.23 b.t 0.002 b.t 0.15 b.t 9.90 b.t 図 5.3-1 インドネシアの石炭資源量と埋蔵量

出典:Geological Agency, 2010, and other sources

5.3-2 にインドネシアの石炭資源量の推移を示した。インドネシアの石炭資源は 2004 年には 605 億トンであったが、平成 16 年度から開始した日尼共同事業の石炭資源解析調査で南スマトラ、東 及び南カリマンタンの資源量の詳細評価を行った結果、2007 年の石炭資源量は 934 億トンと大きく 増加した。その後も石炭需要の増加による新規及び既存鉱区の探査、開発、生産の進展により、新 たな資源量データが加えられて石炭資源量が増加しており、2010 年の石炭資源量は 1,052 億トンに なっている。この増加は Medium rank、Low rank の低品位炭に区分される石炭が主なものである。

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図 5.3-2 インドネシアの石炭資源量の推移

出典:Indonesian Coal Book 2010/2011 ( Indonesia Coal Mining Association)

上記のように、インドネシアの石炭は高炭化度の瀝青炭が少なく、亜瀝青炭や褐炭の低品位炭が 多い。また、瀝青炭は主に輸出用として生産されているため、インドネシア国内では低品位炭を中 心に利用していくことになる。表5.3-1 にインドネシアの資源量の多い代表的な低品位炭の性状を 示したが、水分が高く、発熱量が低いことがわかる。また、灰の融点も一般的な瀝青炭と比べて低 いため、ボイラ等の燃焼で炉内での灰付着を起こしやすい。 図5.3-3 には低品位炭の一般的性状と利用上の特性を示した。低品位炭は高水分に加え、炭素含 有量が低く酸素含有量が高いため発熱量が低い。また、内部に空隙が多いため表面積が大きいこと から、自然発火性が高い。一方、揮発分が多いことから燃焼性は良好である。さらに、ガス化反応 性が高いことや灰融点が低いため噴流床ガス化には適していることから、将来的にはIGCC の原燃 料として利用可能である。 表 5.3-1 インドネシア低品位炭の性状 Coal A B C D

Region S.Kalimantan E.Kalimantan E.Kalimantan S.Sumatra

Moist. (%, GAR) 35 45 45 60 CV (kcal/kg, GAR) 4200 3400 3400 2400 AFT (℃ ; Reducing) Initial Deformation Hemispherical Fluid 1126 1154 1192 1179 1230 1289 1228 1247 1268 1120 1170 1380

Resources (million ton) 1,608 281 9,527 2,000

出典:調査団作成 0 20 40 60 80 100 120 2004 2007 2010 Billion ton Low (<5100) Medium (5100-6100) High (6100-7100) Very High (>7100)

6 6 % 2 0 % 1 3 % 93.4 60.5 105.2

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図 5.3-3 低品位炭の性状と利用特性

出典:大高康雄(石炭技術会議2006) (2) 石炭価格の見通し

将来の石炭価格を想定するには、石炭の消費量予測が重要となる。

5.3-4 および図 5.3-5 は米国エネルギー省エネルギー情報局(Energy Information Administration)に よる2035 年までの GDP および石炭消費量の見通しである。先進国の OECD 加盟国の GDP は今後 も上昇していくが、開発途上国であるOECD 非加盟国の GDP は急激に増加し、2015 年頃には先進 国に並び、その後も先進国を上回る経済成長となることが明らかである。この高い経済成長に伴い エネルギー消費量も大きく増加するが、図5.3-5 から明らかなように、中国、インド等のアジア地 域のエネルギー消費量が大きく増加し、石油やガスに比べて安価で、資源量が多い石炭がエネルギ ー源の中心となる。 0 20 40 60 80 100 1990 2000 2007 2015 2025 2035

trilllion 2005 U.S. dollars

OECD

Non-OECD

History Projections

図 5.3-4 世界の GDP の見通し

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図 5.3-5 OECD 国及びアジアの非 OECD 国の石炭消費量の見通し

出典:International Energy Outlook 2010 (US. Energy Information Administration)

1) 石炭需給計画 インドネシアも良好な経済状況から、今後も高い経済成長率を維持していくと予想される。イン ドネシアには石油、ガス、石炭の化石エネルギー源が豊富に埋蔵されていたが、石油、ガスの資源 量、生産量には限界が見えてきていることから、エネルギー政策として石炭を今後の主要エネルギ ー源とすることになっている。図 5.3-6 に示したように、インドネシア国内の石炭需要は増大して いくが、高炭化度の石炭が1%程度の増加に留まるのに対し、低品位炭は 36%の増加となることか ら、今後の消費量の増加の大半は褐炭である。また、この国内の石炭需要のほとんどは、経済成長 に伴って増大する電力需要を満たすための石炭火力発電用となっている。 44.5 40 40 48 52 0.5 50 108 136 184 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 2006 2010 2015 2020 2025

Domestic Coal Demand (Mil Tons)

+ 36%

+1%

= Bituminous and Sub Bituminous

= Low Ranked Coal (Lignite)

図 5.3-6 インドネシア国内の石炭需要の見通し

出典:Jefrey Mulyono (Coaltrans Conference, Investing in Coal Upgrading and New Technologies, 2007)

quadrillion Btu

0

40

80

120

160

1990

2000

2007

2015

2025

2035

Non-OECD Asia

OECD

History Prediction

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図5.3-7 にインドネシアの石炭生産量の実績及び計画を示した。インドネシアの石炭は、低灰分、 低硫黄分で環境対策に適した性状から、中国、インド等のアジア地域への輸出が増えているため、 今後も輸出を目的に生産量も増加すると見込まれているが、増大する国内需要を満たすために、 DMO 規則や高付加価値義務化により国内供給を優先させることから輸出量はほとんど変化せずほ ぼ一定となり、2020~2025 年には国内向けの供給量が輸出量を上回ると予測されている。 石炭の増産における環境対策については、2.1 項で記述したように事業開始時に生産計画による AMDAL の環境評価等により、環境悪化抑制をする生産が行われる。石炭の生産方法、状況から大 気、騒音、水質等への影響はわずかであるが、地形、土壌、動植物生態系にはマイナスの影響があ る。このため、新鉱業法や森林法により自然・森林保護区域での鉱業活動禁止、特定区域での露天 掘禁止により生物多様性や生態系の保護を行うとともに、鉱業活動の許可区域でも生産終了後の森 林の修復、再生が義務付けられるなど、政策面からも環境の悪化をできるだけ抑えることとしてい る。 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 2006 2007 2008 2009 2010 2015 2020 2025 (m ill io n t o n )

Production Export Domestic

図 5.3-7 インドネシアの石炭生産量実績及び見込み 出典:エネルギー鉱物資源省鉱物石炭総局 2) 石炭価格の見通し 1980 年以降の国際市場における石炭価格を図 5.3-8 に示した。1980 年から 2004 年頃までの石炭 価格は、多少の変動はあるものの24~40US$/トンで推移していたが、2004 年以降、中国、インド 等の需要増加を背景とした需要逼迫に加え、輸出国の輸送インフラ制約と生産国に於ける異常気象 と生産障害に伴う供給低下により価格が上昇し、2007 年から 2008 年には金融危機の影響もあり 200US$/トンまで一気に急騰後一端下落し、その後再度上昇傾向にある。

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New Castle FOB 0 50 100 150 200 250 0 60 120 180 240 300 360 420 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 図 5.3-8 石炭価格(ニュ-キャッスル FOB)の推移 出典:調査団作成 インドネシアの輸出用石炭価格についての国際的な価格指標は、2007 年頃まではほとんどなかっ た。インドネシアの輸出用炭は、一部の瀝青炭を除いて比較的発熱量が低いことや、5000kcal/kg 程 度の亜瀝青炭の輸出量も増加してきているが、一方、豪州炭等よりも低灰分、低硫黄の特徴がある。 また、インドネシアは2004 年に豪州に次いで世界で 2 番目の石炭輸出国となり、一般炭だけでは 世界一となったが、米国、豪州を中心とする石炭価格指数が必ずしもインドネシア炭の価格状況を 反映していないことや、インドネシアの石炭価格が他国で形成される市場価格に影響を受けること を避けるため、インドネシア石炭鉱業協会等を中心にしてインドネシア炭独自の価格指数である Indonesian Coal Index(ICI)を設定することとし、3 種類の ICI-1(6,500 kcal)、ICI-2(5,800 kcal)、 ICI-3(5,000 kcal/kg)を公表した(発熱量は到着ベースの総発熱量)。価格は石炭会社、ユーザー、 貿易会社等により設立されたPT Coalindo Energy 社が、石炭会社 10 社、ユーザー10 社、商社等社等 からの価格情報を毎週収集し、上下10%を除去した後に設定され、さらにエネルギー関係情報の主 要会社の一つである英国Argus 社の市場情報による評価を加えて ICI として報告しており、50%の 先物取引価格と50%の実質価格から構成されている。その後、中国、インドからの引合いが多くな り、これまであまり取引のなかった5,000 kcal/kg 以下の低品位炭の取引も増加してきたことから、 2008 年 7 月より ICI-4 として 4,200 kcal/kg の石炭の価格指数を、2011 年 11 月からは ICI-5 として 3400kcal/kg の石炭の価格指数を設定し報告を始めている。この ICI-5 は、現在の価格指数では最も 低発熱量のものである。 一方、国内向けの石炭については、ユーザーと石炭生産会社間の長期契約や入札による調達が行 われているが、国内向けの統一された市場価格指標は無かったことから、エネルギー鉱物資源省は 新たな石炭政策として2010 年に HBA 制度を発足させ、輸出、国内に関係なく統一された価格指標 を制定した。HBA は 4 つの国際価格指標に基づいて算出されているため、基本的には国際価格に連 動しているものと見なすことができる。現在HBA では、3,400 kcal/kg の ICI-4 より低い発熱量の 3000kcal/kg の石炭まで指数が設定されているため、インドネシアにおける低品位炭の価格動向は、 ICI-4、ICI-5 及び低発熱量の HBA により知ることが可能である。

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は発熱量の違いによって価格が異なっているが、価格変動は全く同様に推移している。また、3種 類のHBA は、ICI の変動より若干遅れて変化する傾向を示しているが、これは HBA が公表された ICI 等のデータに基づいて算出されること、ICI 等の国際価格指標は毎週公表されるが HBA は1月 単位で公表されることによるが、変化は同じ傾向を示している。従って、低品位炭価格指標のICI-4 を元に今後の低品位炭の価格見通しを検討した。2008 年以降の石炭価格急騰後に一端下がった後の 変化を図5.3-10 に示したが、この価格上昇が今後も継続するものとした場合には年率 7%程度の価 格上昇となることから、2020 年には ICI-4 および HBA3500、HBA3000 は、2010 年のほぼ2倍の価 格となるものと想定される。このように、今後も低品位炭の価格が上昇することから、低品位炭を 使用する発電プラントにおいてもより高効率なCCT 技術採用のニーズは高まるものと想定される。 $0 $50 $100 $150 2008/10/03 2009/08/03 2010/06/03 2011/04/03 ICI-1(6500kcal) ICI-2 ICI-4(4200kcal) ICI-3 HBA(3000kcal) HBA(3500kcal) HBA

October 2008 Augst 2009 June 2010 April 2011

図 5.3-9 ICI 及び HBA の動向

出典:調査団作成

図 5.3-10 低品位炭(ICI-4)の価格推移

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5.4 CO2削減効果及び諸制度の利用可能性 (1) CCT 導入による CO2排出削減の可能性 DNPIは 2005 年に森林セクター、泥炭地等の排出源も含めたインドネシアのGHG総排出量は約 2.1Gt-C(e)で、BAUシナリオによると 2030 年には約 3.3Gt-C(e)に達すると予測している(下図20 その中でも急激な伸びが想定されているのが電力セクターである。現時点でもインドネシアの最 大の排出源とされているる森林セクターが2 割減、泥炭地からの排出も 1.26 倍の伸びにとどまるの に対し電力セクターは7.36 倍で 2030 年には森林セクターを抜く 810Mt-C(e)に達する、とされてい る。 770 890 970 840 730 670 110 370 810 60 220 440 130 145 150 95 100 105 25 45 75 25 30 40 2005 2020 2030

Peat LULUCF2 Power

Transport Agriculture Petroleum and gas Cement Buildings 4.97% 図 5.4-1 インドネシアの GHG 排出量予測(DNPI 資料より) 出典:調査団作成 DNPI 同じ報告書の中で電源別発電量を比較、BAU シナリオでは石炭の発電量が 645 TWh(66%) に達する、としている(下図)。そして石炭火力発電がBAU ベースでの GHG 排出量急増の原因で ある、と明示した上で2030 年時点での石炭による排出削減ポテンシャルを 225Mt-C(e)と予測して いる。

20 DNPI, Indonesia’s Greenhouse Gas Cost Avatement Cost Curve, August 2010.本書はインドネシア政府が官民

の専門家の連携の下、GHG 排出量及び削減ポテンシャルについて国連への第 2 次国別報告書の予測内容及び経済状況 等を再検証しつつより精度の高い中長期予測を試みた内容となっている。

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図 5.4-2 電源別発電量及び化石燃料からの GHG 排出量の伸び(DNPI 資料より) 出典:調査団作成 (2) CCT 導入による CO2削減効果 1) CO2削減量 2017 年以降の新設石炭火力をすべて USC で建設すると仮定。この場合の発電効率を 42%とし、 SC での発電効率 39%との差 3%による CO2排出量削減効果を算出すると2020 年で 157 万トン/年、 2025 年で 668 万トン/年の CO2排出量削減が可能となる。更に、2025 年における USC 発電の一部を IGCC 発電プラントとした場合は、832 万トン/年の CO2排出量削減が可能となる。 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 5.6 Mil T/Y 22.5 Mil T/Y 67.6 Mil T/Y 50.7 Mil T/Y 39.5 Mil T/Y 78.9 Mil T/Y 95.8 Mil T/Y

0.38 Mil T/Y reduction 1.57 Mil T/Y reduction

2.75 Mil T/Y reduction

3.54 Mil T/Y reduction

4.71 Mil T/Y reduction

5.5 Mil T/Y reduction

6.68 Mil T/Y reduction & 8.32 Mil T/Y with IGCC

+1,000MW +3,000MW +3,000MW +2,000MW +3,000MW +2,000MW +3,000MW Additional

Capacity EmissionCo2

IGCC

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2) インドネシアの国家目標への貢献 新規設備建設にはリードタイムを要するためCCT 導入初期におけるインドネシア政府の排出削 減目標への数値的な貢献は比較的小さい。RAN-GRK に掲げられた 2020 年エネルギーセクター全体 の目標値0.038Gt-C(e)に対し 2020 年までの削減量は 0.38Mt-C(e)で 1%に留まる。ただし目標値に組 み込まれていない追加的な削減量としての1%は評価に値する。 2025 年及び同年以降については石炭火力発電への CCT 導入の効果が大きく表れて来る。 2025 年の削減目標値は出されていないため仮に 2030 年の石炭からの排出削減目標値 225Mt-C(e) との比較で述べるとIGCC 一部導入の場合で 3.7%、USC のみでもほぼ 3%の貢献が可能になる。 3) 排出削減のクレジット化による経済性向上の可能性 第2 章に述べたとおり気候変動対策の国際的枠組み継続強化の努力は続けられているものの、京 都議定書の第一約束期間の終了まで残すところ1 年の段階で開かれたCO17/CMP7 を経てもなお先 行きが不透明な状況にさほどの変化はない。その状況を反映し排出権価格はダーバン合意後2 月の 一時期若干の回復を見て以降ほぼ下降の一途をたどっており、本報告で参考とした排出権価格は €4.3421(約470 円)となっている。 2020 年までの排出削減目標に貢献すべく進められるCCT導入新規石炭火力に関しては、この価格 に機会費用22を加味すればクレジット価格による経済性向上の可能性は考慮せずに計画を進めるの が妥当と考えられる。 (3) 諸制度利用の可能性 今後1 年程度の間に急速に第 2 約束期間における枠組みの検討が進み国際的な合意、制度構築が 十分に進んだ場合、排出権市況が徐々に回復し、CCT 導入による石炭火力発電案件のクレジット化 が経済性の観点から有利となる可能性もある。その際、インドネシアの石炭火力発電への高効率 CCT 導入へのクレジット諸制度適用を検討するにあたっては以下の2 基本要件を考慮する必要があ る。 1) 国際的に認められるレベルの方法論に基づくものであること。 理由:NAMA では当該国の自主性が重んじられるとは言え、国際的な基準に照らした MRV(モ ニタリング、報告、検証)が義務付けられている。また国際的に認められるレベルを満たしていな い場合炭素クレジットの信頼性=価値自体が損なわれ兼ねない。 2) プロジェクト(建設)の経済性を損なわないスピードでの承認が可能な制度であること。 理由:少なくとも過去のCDM において承認・登録手続には平均 2 年程度を要している。本来プ ロジェクトの経済性確保を支援すべき炭素クレジットの制度の承認に膨大な時間を費やすことに なれば、持続的経済発展と削減行動の両立、というNAMA の本来的ありようを阻害しかねない。 以上の諸要件に鑑み、制度構築が終わっており今後も継続見込のCDM 及び二国間交渉及び制度 構築に向け鋭意検討が進められている二国間クレジット制度の適用可能性を検討する。 21 ロイター社(ポイントカーボン社)の市場レポートのセカンダリーCER スポット価格について 2012 年 1-3 月の 平均値による。日経JBIC 参考気配(3 月 29 日現在)も 431.3 円(売 461.2、買 401.5)でほぼ同様の動きを示 している。 22 国連あるいは関係諸機関への申請手続にかかる時間及び経費並びにその他の不確定要素が想定される他、BAU 比 での排出削減実績をできる限り早期に積み上げるという政策的観点からもクレジット化を考慮しないという選択肢 が有利になる可能性がある。

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(a) CDM 現行CDM で適用可能なのは ACM0013(低 GHG 排出強度技術を用いたグリッド接続新規化石 燃料火力発電設備のための統合方法論)で、インドネシアでの高効率CCT 石炭火力発電所建設へ の適用に際し検討しなければならない適用条件は以下のとおり。  当該プロジェクト活動が、そのプロジェクト活動が無い場合に当該化石燃料を電源として利 用が想定される技術よりも高効率の発電技術を利用する、グリッドに接続する新規の化石燃 料火力発電設備の建設及び稼動であること。  当該プロジェクト活動が、コジェネレーション発電設備ではないこと。  最近建設された発電設備の燃料消費量及び発電量に関するデータが入手可能であること。  同定されたベースライン燃料が、当該ホスト国内の地理的区域(本方法論の以下で定義する) 又は当該ホスト国にある設備による総発電量の50%以上について利用されていること。この 適用条件を実証するためには、直近3 年間のデータを用いなければならない。3 年間の同一 化石燃料による発電推計量の最大値は、50%以上であるべきである。 現時点で唯一満たされていない4 番目の条件、つまり当該地理的区域(この場合はジャワ-バ リ送電系統)において石炭が総発電量の 50%以上について利用されている、という条件に関して も全電源に対する石炭火力発電容量の割合が2015 年で 61.7%に達するとの予測を考慮すれば 50% を超えるのは時間の問題であろう。 ただし方法論自体の適用可能性とは別に、以下の点を考慮するとポスト京都において CDM 自 体の基本的な枠組み、考え方に変更がない限り高効率CCT 石炭火力発電への CDM の適用に大き く期待はできないと考える。  EUを中心に石炭火力発電自体へのCDM適用に対する否定的な意見23が根強いこと。  CDM のベースラインの考え方を踏まえると異なる案件として複数の同種CCT による石炭火 力発電を実施しても2 件目以降の案件承認は困難。また政策的に当該 CCT を導入すること が決められている場合も追加性の証明が難しくなる。 (b) 二国間クレジット制度 二国間クレジット制度はコペンハーゲン合意でその基本的方向性を認められた柔軟性メカニズ ムで、現在各国により取り組みが検討されているもの。実現すれば、途上国と先進国が、技術移 転の促進とクレジットの生成を通じた互恵関係の構築が期待でき、その特徴は以下のとおりであ る。  二国間の合意に基づくものであり、ホスト国の制度・政策の実情にあった制度の構築が可能。 高効率 CCT 石炭火力発電の場合日本の技術移転を伴う削減行動となることから、日本の二 国間クレジット制度の利用が適当。  承認に関しては一定の制度構築が必要。一方で承認に関し国連の直接の関与を必要としない ことから、比較的迅速な手続が期待できる。  基本要件の a.に照らし二国間クレジット制度を適用する場合にも国際的に認知されるレベ ルのMRV 構築が必須。

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現時点で国際的な MRV のガイドライン自体が構築中であることからあくまで参考としてでは あるが、CDM の ACM0013 と共通の精神に基づきつつも追加性を柔軟に捉えて石炭火力発電に特 化した方法論、JBIC の J-MRV004(低炭素発電技術を導入する化石燃料火力発電プロジェクト用 方法論)を参考としつつMRV を策定することを提案したい。 <J-MRV004 の適用条件>24  低炭素発電技術を導入する化石燃料火力発電所の新設あるいは既存の発電所の改造である こと。  グリッドに電力を供給する発電所であり、コジェネレーション発電設備ではないこと。  既存の発電所においては、原則として改造前と同じ種類の燃料を使用すること(燃料転換を 含まない)。 <事業の物理的範囲(バウンダリー)> 本方法論で適用する事業のプロジェクトバウンダリーは、プロジェクトサイト内の当該発電施設 とする。 <ベースライン排出量> a. ベースライン排出量の基本的考え方及び前提・根拠 〔新設の場合〕 プロジェクトの周辺状況に応じて、下記i)~iii)(原則は i)とする)のうちいずれかを選択する。 i) ベースライン排出係数は、当該国における全ての発電所の平均排出係数とする。 ii) ベースライン排出係数については、国全体の排出係数として「J-MRV ガイドライン」別 添3 に記載された排出係数を利用する。 iii) また、別に適当と思われる排出係数を採用することもできる。 b. 当該国における燃料、エネルギー政策、経済面等による制約がある場合には、ベースライン 排出係数は、当該国における同種燃料の発電所をベースとした平均排出係数とすることがで きる。 i) この場合、事業者が上記制約を考慮したうえで選択した燃料についての選択の背景につ いて確認する。 ii) ベースライン排出係数については、同種燃料の発電所の排出係数を、国際エネルギー機 関(IEA)公表データ等を基に作成し利用する。 iii) また、別に適当と思われる排出係数を採用することもできる。 iv) 同種燃料の発電所が当該国内に存在しない場合には、専門家へのヒアリングあるいは文 献調査等により、当該国あるいは周辺国の技術レベルや電力事情なども考慮したうえで、 妥当なベースライン排出係数を決定する。 c. 発電効率や CO2排出原単位に関する当該国の基準あるいは国際的なデファクトスタンダード 等の最低限の要件がある場合は、それらを考慮したうえでベースライン排出係数を決定する。 なお二国間クレジットによる削減行動は他の炭素クレジットを伴う削減行動と同様 Credited NAMA としてホスト国の数値的な削減実績とは区別されることを付言する。 24 「国際協力銀行の地球環境保全業務における温室効果ガス排出削減量の測定・報告・検証に係るガイドライン」平 成23 年 2 月改訂

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5.5 CCT経済性比較 (1) 経済性比較の前提条件 CCT の経済性評価は以下の前提条件のもとで行った。 (a) 熱効率は、石炭熱量の低下に伴い水分量が増加することから、ミルにおける乾燥用熱量増加に 伴う熱効率低下を考慮した。 (b) 建設コスト(IGCC除く)は、2,400/3,000 kcal/kgの場合25、褐炭焚き用のボイラ設計となり、ス ラッギング防止や火炎温度の低下、保炎確保のため大型火炉を採用する必要があり、ボイラ容 量の大幅な増加を考慮した。 (c) IGCC の建設コストは、2,400/3,000 kcal/kg の場合でも、ガス火炉の形状に違いがないことから 同じとした。ただし、現在はIGCC の商用機はないため、建設コストは 2020 年時点におけるメ ーカーの目標値を用いる。 (d) 今後の石炭価格の上昇を見込み、2020 年の石炭価格は 2011 年の 2 倍とした。 表 5.5-1 経済性比較の前提条件(建設コスト、熱効率、O&M コスト、石炭単価)

Precondition of cost comparison Sub

Critical SC USC IGCC

Coal Price ($/ton) Gross Power 1,000MW 1,000MW 1,000MW 1000MW Class Y 2011 Y 2020 Plant Efficiency 4,200kcal/kg 36% 39% 42% 49% 53.8 107.6 3,000kcal/kg 33% 36% 39% 45% 31.4 62.8 2,400kcal/kg 30% 33% 36% 42% 21.7 43.4 Construction Cost 4,200kcal/kg 100% (Base) 106.5%. 108.5% 130.0% - -3,000kcal/kg 107.0% 111.0% 115.0% 130.0% - -2,400kcal/kg 110.5% 115.5% 119.0% 130.0% -

-Coal Consumption (kg/kWh.net) 100%

(Base) 90% 84% 75% - -O & M cost 2 .5% 3 % 3 % 3.% - -出典:調査団作成 (2) 経済性比較 1) 経済性比較は、亜臨界、超臨界、超々臨界及び IGCC に於ける各々のプラント効率、建設費、石 炭消費量及び運転補修費が違うことから、発電コスト(1kWh 当り)として比較する。 2) 設備コストは資本回収係数を用いプロジェクト期間で均等とした。なお、資本回収係数の算出条 件であるプロジェクト年数、利子率は以下のとおりとした。 (a) プロジェクト年数:30 年 (b) 利子率:12% ここから算出される建設コスト、プラント効率と石炭価格から算出される燃料コストにプラント 種別により設定した O&M コストを合算し、発電コストを算出した。IGCC については、運転実績はな

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3) 経済性比較を図5.5.1 に示す。図のうち、左上のグラフは石炭発熱量毎のプラント効率を示して おり、右上のグラフからは2010 年時点での発電コストの差が確認できる。左下、右下のグラフ からは、2010 年および 2020 年の石炭価格による発電コストの差が確認できる。 5.3 5.4 5.5 5.6 5.7 5.8 5.9 5.3 5.4 5.5 5.6 5.7 5.8 5.9 5.3 5.4 5.5 5.6 5.7 5.8 5.9

Plant efficiency (gross, HHV) by Coal Type

25% 35% 45% 25% 35% 45% 25% 35% 45%

Sub-C SC USC IGCC

Sub-C SC USC IGCC

Sub-C SC USC IGCC 36% 39% 42% 49% 33% 36% 39% 45% 30% 33% 36% 42% 4,200 Kcal/kg 3,000 Kcal/kg 2,400 Kcal/kg Sub-C SC USC Sub-C SC USC Sub-C SC USC 5.88 5.82 5.65 5.70 5.59 5.49 5.64 5.56 5.44

2010 Generation Cost (US cent/kWh)

-2.9% -2.2% -1.8% =△11.3 MUSD/Y =△6.6 MUSD/Y =△7.9 MUSD/Y 4,200 Kcal/kg = 53.8 US$/t 3,000 Kcal/kg = 31.4 US$/t 2,400 Kcal/kg = 21.7 US$/t 5.3 5.4 5.5 5.6 5.7 5.8 5.9 7 7.5 8 8.5 9 9.5 7 7.5 8 8.5 9 9.5 IGCC IGCC 5.68 5.55

2010 Generation Cost (US cent/kWh)

7 7.5 8 8.5 9 9.5   9.21 8.82 8.44 8.43 8.66 8.25 7.95 7.88 8.46 8.06 7.74 7.55 Sub-C SC USC IGCC Sub-C SC USC IGCC Sub-C SC USC IGCC

2020 Generation Cost (US cent/kWh)

-4.3% -4.3% -3.6% -3.6% -4.0% -4.0% =△25.3 MUSD/Y =△19.9 MUSD/Y =△21.3 MUSD/Y 5.3 5.4 5.5 5.6 5.7 5.8 5.9 5.3 5.4 5.5 5.6 5.7 5.8 5.9 Sub-C SC USC Sub-C SC USC 5.88 5.82 5.65 5.70 5.59 5.49 5.64 5.56 5.44 -2.9% -2.9% -2.2% -2.2% -1.8% -1.8% =△11.3 MUSD/Y =△6.6 MUSD/Y =△7.9 MUSD/Y 4,200 Kcal/kg = 53.8 US$/t 3,000 Kcal/kg = 31.4 US$/t 4,200 Kcal/kg = 107.6 US$/t 3,000 Kcal/kg = 62.8 US$/t 2,400 Kcal/kg = 43.4 US$/t 図 5.5-1 経済性比較 出典:調査団作成

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経済性評価 4) 2011 年の石炭価格では、いずれの炭種においても USC の経済優位性が確認されるものの、その 差はわずかである。しかし、2020 年の石炭価格では、USC の優位性は明らかである。これは、USC において石炭使用量が少なくなるが石炭価格が高くなると発電コストに与える影響が大きくな るためである。 5) IGCC については、商用機の導入が可能とされる 2020 年の石炭価格では、特に低品位炭で USC に 対する経済優位性が確認された。 1,000 MW 級の発電所で比較した場合、USC は SC に比べて建設費は年間費用換算で 2,400 万ドル 程度高くなる。また、O&M コストも 100 万ドル/年増加する。しかし、燃料費が 3,000 万ドル/年程 度削減できることから、建設費の増分コストは、1 年弱で回収できることになる Initial Cost

+

-Annual

Fuel cost Annual Benefit Annual

O&M cost

Pay back period

Co st D iff er en ce (m illi on U SD )

Initial Cost ÷ Annual Benefit

24 ÷ 29 ≒ 1 year

- 30 - 29

24

1

Comparison of the cost between SC and USC

+ =

図 5.5-2 コスト比較(SC 及び USC)

出典:調査団作成

Impact of generating cost difference of 0.1 cent/kWh.

= 0.1 (cent/kWh) × 950(MW) ×8760(h) × 0.8

Net Capacity in a yearHours Capacity Factor

= 0.1 × 6,657,600,000 (kWh)

= 6.66 (Million US$ per year)

Annual Electric power generation Cost

Difference Annual Difference

of generating cost = ×

※Net Capacity = [Unit Gross Capacity] - [Auxiliary Power] = 1000MW × (1 - 0.05)

= 950 MW ※

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(3) CCT 導入の課題 1) 熱効率・稼働率低下の影響 USC 導入のメリットは、建設コストの増分を上回る燃料費削減および CO2削減効果である。しか しながら、設計・施工不良や経年化等により熱効率や稼働率の著しい低下が発生した場合、USC 導 入のメリットを大きく損なうこととなる。 具体的には、熱効率が想定より 1%低下した場合のデメリットを建設コストに換算すると 82 US$/kW となる。言い換えれば、熱効率が1%未達のプラントは、82 US$/kW 高いプラントを購 入したことと同じとなる。 また、同様に、稼働率がトラブルの発生や出力未達等により、想定より 10%低下した場合は、 76 US$/kW 高いプラントを購入したことと同じとなる。 このように、USC 導入に際しては、建設コストの比較だけでなく、熱効率や稼働率面からの評価 が不可欠となる。(表5.5-2 参照) 表 5.5-2 熱効率・稼働率の低下によるコスト影響分析 Rated plant outputs Plant efficiency degradation 100% 99% (▲1%) (▲5%)95% (▲10%)90% 0% base 8 38 76 ▲1% 82 90 120 158 ▲2% 168 176 206 244 ▲3% 259 267 297 335 Rated plant outputs Plant efficiency degradation 100% 99% (▲1%) (▲5%)95% (▲10%)90% 0% base 8 38 76 ▲1% 82 90 120 158 ▲2% 168 176 206 244 ▲3% 259 267 297 335 出典:調査団作成 2) 高効率・高稼働運転の実現に向けた取り組み 図 5.5-4 は、インドネシアの石炭火力発電所と日本(中部電力)の石炭発電所におけるプラント 運転時間と設備の経年劣化による熱効率の低下を示したものである。 図中の中部電力の碧南火力発電所は、出力700MW の USC コンベンショナルプラントであり、イ ンドネシアは300MW の亜臨界プラントのデータを集計したものを用いている。

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2 0 2 5 3 0 3 5 4 0 4 5 0 5 1 0 1 5 2 0 2 5 インドネシア300MW級 CEPCO碧南1号 (700MW)

Remarkable decreases in the efficiency of coal-fired power generation by aging

Years of operation E ff ici en cy (% )

* Efficiency of each power plant in Indonesia plotted based on years of operation

300 MW facilities in Indonesia

CEPCO Hekinan unit #1 (700MW)

図 5.5-4 インドネシアと日本(中部電力)の石炭火力発電所における熱効率の推移 出典:調査団作成 データを比較してわかるとおり、インドネシアのプラントにおける熱効率の低下は、運転開始か ら約 10 年で 10%程度低下しているのに対して、日本(中部電力)の石炭火力発電所では 1%程度の 低下である。 USC のような高効率の発電技術を採用し、そのメリット(経済性、CO2削減効果等)を享受する ためには、経年化に伴う熱効率および稼働率の低下を防止する取り組みが不可欠となる。 SC、USC プラントの運転には、亜臨界圧プラントと比較した場合、以下のような運転管理技術が 求められる。 <厳密な水質管理> 亜臨界圧プラントのドラム型ボイラと SC、USC プラントの貫流ボイラの構造の違いを図 5.5-5 に 示す。

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不純物をブローできるドラムボイラと違い、貫流ボイラでは、給水中の不純物がすべてボイラに入 り、管内面のスケールとなる。スケールの付着が蓄積すると伝熱効率を低下させるだけではなく、管 を過熱させ、最終的には損傷に至る。このため、貫流ボイラではドラム型ボイラ以上に水質管理を厳 密に行う必要がある。図5.5-6 に運転中に伝熱管に付着するスケールの状況、図 5.5-7 に過熱により損 傷した伝熱管を示す。 通常の伝熱管 スケールが付着した伝熱管 図 5.5-6 伝熱管スケール付着状況 出典:調査団作成 図 5.5-7 過熱により損傷した伝熱管 出典:調査団作成 次に代表として、給水系統の水質管理についてドラムユニットと貫流ユニットの違いを比較する。 給水の水質管理の目的は、以下のとおりである。 (a) 給水系統の腐食防止 (b) 給水系統のスケール生成防止 (c) 脱気器の性能管理 (d) ボイラ給水水質の最終確認 図5.5-8、図 5.5-9 にドラムユニットおよび貫流ユニットの水質管理箇所と薬品注入箇所を示す。

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図 5.5-8 ドラムユニットの水質管理箇所および薬品注入箇所 出典:調査団作成 RH 高圧タービン ドラム 脱気器 節炭器 CP BFP HP-HTR 低圧タービン 復水器 ① ② ③ ② ⑤ ① ② ① ② ④ ◎ LP-HTR ◎ : ○ : リン酸ナトリウム注入点 (Na2PO4 : Na2HPO4) ○ 設置計器名 ①pH計 ②電気伝導率計 ③シリカ計 ④DO計 ⑤検塩計 SH N2H4 注入点

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SH RH 高圧タービン W・W 脱気器 節炭器 CP BFP HP-HTR 低圧タービン 復水器 ② ⑧ ④ ⑤ ◎ LP-HTR ◎ : N2H4注入点 ◇ : NH3 注入点 ⑥ ① ② ⑤ ⑥ ⑥ ① ② ④ ⑥ ◇ CBP ② ⑥ ② ⑦ コンデミ ② ④ ⑤ ⑥ ② 設置計器名 ①pH計 ②電気伝導率計 ③シリカ計 ④DO計 ⑥鉄モニター ⑦ナトリウム計 ⑧検塩計 ⑤ヒドラジン計 図 5.5-9 貫流ユニットの水質管理箇所および薬品注入箇所 出典:調査団作成

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水質の管理基準については、各発電所で実施された過去の水処理特性試験、メーカ推奨値、JIS 等の文献値を参考とし、以下のように定めている。 表 5.5-3 ドラムユニット運転時の給水水質管理基準値 試験水 測定項目 単位 基準値 ( )の値は目標値 給水 脱気器出口 溶存酸素 mg/l 0.007 以下 脱気器出口 または 節炭器入口 pH - 8.6~9.4 電気伝導率 μS/cm 0.3 以下 全鉄 mg/l (0.020 以下) 全銅 mg/l (0.010 以下) 出典:調査団作成 表 5.5-4 貫流ユニット運転時の給水水質管理基準値 試験水 測定項目 単位 揮発性物質処理法 酸素処理法 亜臨界圧 超臨界圧 以上 超臨界圧 以上 給水 脱気器出口 溶存酸素 mg/l 0.007 以下 0.007 以下 - 脱気器出口 または 節炭器入口 全鉄 mg/l 0.010 以下 0.010 以下 0.010 以下 全銅 mg/l 0.020 以下 0.020 以下 0.020 以下 節炭器入口 pH - 9.2~9.4 9.3~9.7 8.5~9.0 電気伝導率 μS/cm 0.25 以下 0.25 以下 0.25 以下 全鉄 mg/l 0.010 以下 0.010 以下 0.010 以下 溶存酸素 mg/l 0.05~0.15 出典:調査団作成 上記を比較してわかるとおり、貫流ユニットはドラムユニットと比較して測定点が多く、基準値 も厳しく設定する必要がある。また、これらを測定する自動分析装置の保守点検も計画的に実施さ れる必要がある。 厳密な水質管理を実施するためには、体制の確立(測定項目、測定箇所、管理値、連続監視、計 器の適切な保守)が必要となる。CEPCO では運転中の復水・給水ラインの水質を常時監視してお り、発電担当・保守担当の役割区分は表5.5-5 のように定められている。 表 5.5-5 発電所における水質管理の役割分担 発電担当 ・モニターによる連続監視 ・1 時間ごとの運転記録の確認(管理値との比較) ・異常兆候監視システムによる監視 ・1 日 1 回の巡視で計器の健全性を現場で確認。 保守担当 ・定期的な計器の点検・校正 ・点検実績の管理 出典:調査団作成 一例として、表 5.5-5 中の異常兆候監視システムについて紹介する。異常兆候監視システムは、

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は、注意を促すメッセージの出力を行い、プラントおよび各機器の異常を知らせる役割を果たす。 図5.5-10 にシステムの概念図を示す。

図 5.5-10 異常兆候監視システム概念図

(23)

異常兆候監視システムを利用した監視業務のフローを図5.5-11 に示す。

図 5.5-11 異常兆候監視システムによる監視業務のフロー

(24)

異常兆候監視システムを使用することにより、以下の効果が期待できる。 i) 運転員による異常兆候監視業務が機械化され、大幅な労力削減が見込める。 ii) 運転状態によりリアルタイムで変化するしきい値に対して、微妙な変化を見逃さない。 iii) 最短 1 分周期で測定、監視が可能なため、早期に異常を発見することができる。 iv) 全てのプラントの入力点を監視対象とすることができ、監視漏れが発生しない。 異常兆候監視システムは、水質の監視に限らず、プラントを運転する上で将来故障につながる可 能性を持った軽微な異常を検出し、早期に運転員に知らせる運転支援機能である。CEPCO では異 常兆候監視システムをはじめとする様々な監視ツールを使用して、プラントの運転状態を管理して いる。 <高度な制御技術> ドラム型ボイラでは、水の比重差を利用して内部の給水を循環させており、応答性が遅く、水の比 重差が小さくなる高温・高圧の大容量化については限界がある反面、制御が比較的容易であるという 利点がある。これに対して、貫流ボイラでは、給水ポンプから送られる給水を高圧蒸気として使用す るため、大型化・高効率化が可能であるが、保有水量が少なく、負荷の変動によって大きな圧力変動 が生じやすいため、高度な制御技術が必要となる。貫流ボイラではドラムがないため、ボイラの熱保 有量が小さく、蒸気圧力、温度、過剰空気率を一定に保つためには、負荷-給水量-燃料量-空気量 の関係をより正確にバランスさせる必要がある。 これらの高度な運転技術を有する技術者を育成、また技術の維持・向上を図るため、CEPCO では 研修施設を設置し、シミュレータ設備、研修設備を利用した様々な教育・訓練を実施している。 図5.5-12 に研修所の設備、表 5.5-6 に研修設備にて実施される項目の例を示す。

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図 5.5-12 研修所設備

出典:調査団作成

表 5.5-6 研修項目の例

Type of trouble by simulator Training with using actual thing

MFT behavior ・Cross-section models of various detectors, etc.

Turbine trip ・Turbine-related accessories, cross-section models of detectors, etc.

86 G behavior ・Protective relays Directly-connected

M/C bus conductor trip

Experiencing electric shocks by using the relevant equipment (for those who have never experienced such shocks)

Water supply and fuel Tx failures ・Cross-section models of detectors and transmitters, etc. Steam tube leakage ・Broken steam tube

Feed-water heater leakage ・Vertical-type heater model

Abnormal turbine vibration ・Main turbine and GT rotating blades

出典:調査団作成 多目的設備 ・機器の分解点検、各種試験を実施 シミュレータ訓練 ・プラントの運転、トラブルの訓練 伝熱管パネル ・劣化管理ポイントの修得、溶接の実習 研修所外観

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また、表5.5-7 に示す通り運転員に求められる技能をレベル毎に分け、資格取得試験を実施して いる。 表 5.5-7 資格取得制度の概要 出典:調査団作成 高度自動化プラントの安定的な運転を維持し、稼働率を向上させるためには、計器類、自動弁 の適切な保守管理に加え、トラブル時においても、運転員が制御ロジックを理解し、適切に対応 できる能力が求められる。これらの技術力を修得するためにも、研修設備を利用した教育・訓練 が必要となる。 <余寿命診断等の予防保全技術> 蒸気条件が高温、高圧となるため、経年的な部品への負荷が高くなり、適切な点検、保守を実施 せず運転を継続した場合、設備トラブルによりプラントに大きな損傷を与え、長期間の停止、多額 の修理費用が発生するリスクが高くなる。 プラントを構成している機器の劣化の原因には多くのものがあるが、主なものとして以下の 3 つ があげられる。  クリープおよびクリープ疲労  疲労(低サイクル疲労、高サイクル疲労)  腐食・侵食と摩耗による減肉 余寿命管理評価とは、機器のより正確な寿命を把握し、より長く機器を使用できるようにするこ と、および機器の故障が発生する前に事前に機器を取替ることの 2 つを主な目的として、機器の劣 化の進行具合を評価することである。さまざまな劣化要因にたいする評価技術が開発され使用され てきている。各々の劣化要因についての評価手法の概要を以下に示す。 (a) クリープおよびクリープ疲労 高温環境下では、荷重を継続してかけられている金属材料は時間とともに変形し、やがて破壊に

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いたる。この現象はクリープ損傷と呼ばれている。クリープ疲労とは後述する疲労現象と、金属が 高温下で繰り返し応力を受けることにより生じるクリープ現象が組み合わさったものである。火力 発電所において、その現象の対象となるものはボイラの過熱器、再熱器、高圧タービン等、450℃ 以上にて使用されるものである。変形や破壊は材質・運転温度・応力によってことなったメカニズ ムによって生じる。しかし、クリープの検査方法はすべてのメカニズムに対して同じである。その 検査方法は大きく以下の 3 つに分けられる。  非破壊検査法  破壊検査法  分析法 (i) 非破壊検査方法 非破壊検査方法は、金属材料の内部組織のクリープの進展を伴うさまざまな変化をパラメー タとし、損傷具合の状況を示すものである。非破壊検査方法は、材料組織の微視的変化、硬 さの変化、電気抵抗値の変化等をパラメータとして使用し、対象とする機器から得られたデ ータを実験等により得られたデータをもとに作られたマスターカーブと照合し、余寿命を評 価する方法である。 (ii) 破壊検査法 破壊法は対象とする機器からサンプルを採取し、そのサンプルから試験片を作り、さまざま なテストを実施し余寿命を評価する方法である。試験片に対するテストとしては、サンプル のクリープ破断時間を求めるクリープテスト、引張強度のような機械的強度を求めるテスト 等がある。 (iii) 分析法 分析法とは、有限要素法その他の方法により、対象機器が使用される条件(温度、圧力)、材 料の劣化特性(温度、圧力と破壊との関係)をもとに、機器の余寿命を評価する間接的評価 手法である。 破壊法の評価精度は高く、サンプルが採取し易いボイラーチューブの評価等に使用される。しか し、クリープテストにはかなりの時間を要し、他の機械的テストではテスト片を作成する必要があ るため、非破壊検査法、分析法と比べ高コストとなる。 非破壊検査法ではデータの採取は容易である。ただし、金属組織の微視的な変化をパラメータと しなければならないため、損傷を定量化することが難しい。 (b) 疲労 熱疲労による低サイクル疲労が火力発電における余寿命評価において一般的に問題とされる。熱 疲労は、通常、肉厚の機器、例えば、ボイラのドラム、火炉蒸発管の附属金物、蒸気タービンのロ ーター、主要弁、車室等で問題となる。停止起動等に伴う温度変化により繰り返し応力が発生し、 疲労が蓄積され破損にいたる。疲労の余寿命評価法には、クリープ疲労の評価と同様な非破壊検査 法、分析法が用いられる。非破壊検査法は、疲労の蓄積による材料の硬さの変化、材料組成の変化、 微視的なクラックを評価するために使用される。分析法は、停止起動もしくは負荷変化に伴う温度

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(c) 腐食、侵食、摩耗による減肉 物体の表面が化学的反応によりはがされていく現象が腐食、物体の表面が物理的な作用によりは がされていく現象が侵食である。摩耗は、侵食と同じく、物理的な作用により物体の表面がはがさ れる現象であるが、石炭灰のような硬いものが高速で物体に衝突することにより生じる現象である。 腐食、侵食、摩耗の原因はさまざまであるが、それらの管理方法は、それらの事象が問題となっ ている部品の肉厚を測定し、肉厚の減少速度を計算し、その部品が使用に耐えうる必要最低肉厚と なる時期を予測することである。肉厚測定は超音波肉厚測定器、サンプル採取により実施される。 ここで、中部電力にて実際に運用されている配管肉厚管理システムを紹介する。配管肉厚管理シ ステムとは、配管の減肉量を定期的に測定し、システム内にデータとして入力することで、自動的 に余寿命評価を行うシステムである。 配管肉厚管理システムによる測定の対象は、通常運転時に常時通水状態にある主要系統内の減肉 発生の恐れがある部位(渦流発生箇所、エルボ等の継手類)並びにその下流部分である。また、測 定の目的は、減肉が進行した場合に多量の液体噴出等の影響が懸念される配管の内面に発生する流 れ加速度型腐食(FAC)および液滴衝撃やキャビテーション等による浸食を定量的に把握し、予防 保全を図ることである。 測定および評価のフローは以下のとおりである。 図 5.5-13 配管肉厚管理システムの概要 出典:調査団作成 i) 超音波肉厚測定器での記録を携帯端末で保存 ii) 事務所にて配管肉厚管理システムを搭載したパソコンへ記録を転送 iii) 自動計算による測定記録評価 <評価方法> 減肉速度=(公称肉厚–測定肉厚)/検査時の累積運転時間 余 寿 命=(測定肉厚-tsr)/減肉速度 測定を実施しなかった箇所については、同種箇所の減肉速度を流用し、余寿命評価を行うが、 局所的な減肉が発生している可能性もあるため、計算上寿命の半分を消費したと考えられる時 点で必ず一度は測定を実施して実際の減肉速度を確認することとし、検査の精度を高めている。 また、測定ポイントの微妙なずれにより、減肉速度に誤差が生じることを防ぐため、肉厚測定 時はマーキング範囲のうち最小値を常に測定する工夫を施している。マーキング範囲は測定時 に磨くため、次回以降も同じ測定ポイントとして判別が可能である。

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図 5.5-14 測定記録の概要 出典:調査団作成 このシステムを活用することで、上記のような膨大なデータを部位毎に管理することができ、算 出された余寿命から最適な次回点検修理時期を決定することができる。 これらの余寿命評価手法を基に、設備の弱点部位を把握し、適切に点検を行い、劣化傾向を管理 することでプラントのトラブルを最小限に抑え、結果的に修理費用の低減、稼働率を向上させるこ とが重要である。 高効率・高稼働運転の実現に必要な取り組みについて、各手法を紹介したが、これらが確実に実 施される体制が整っていることが非常に重要である。CEPCO では、プラントが適切な状態で運転さ れていることを確認するため、図5.5-15 に示す体制で性能維持・管理体制を構築している。また、 必要に応じて各発電所の代表者を集め性能推進会議を開催し、性能管理に関する計画の審議および 性能実績の評価・検討を行い、プラントの運営に反映している。

(30)

確実な技術移転への提案  USC の導入には、前述した運転管理技術の確立が不可欠であるが、これまでの技術供与国 での研修等の短期一過性の教育だけではなく、技術移転を確実にする長期的かつ継続的な 技術移転スキームの構築が求められる。  また、IGCC を早期に導入する場合は、技術リスクの回避も不可欠となる。  一方で、高効率化競争が進んでいるガスタービン複合発電設備においては、重要部品の点 検・保守、トラブル時の対応等、技術リスクをメーカが担保する長期保守契約(LTSA)が主 流となっている。  LTSA により定期点検を実施する場合、メーカに自社のメンテナンス要員を活用させれば、 メーカの指導と責任のもと、メンテナンス要員への確実な技術移転が可能となる。  よって、USC、IGCC プロジェクトに対しても、LTSA の採用を積極的に検討する必要があ る。例えば、メーカによる定期点検、緊急保守点検、計画外停止点検の実施や、運転状態 の遠隔監視、メーカ技術者の常駐サポート等が実現すれば、実務を通じた運転管理技術の 確実な移転が期待できる。  USC、IGCC といった高効率発電設備導入によるメリットを享受するためには、高度な運転 制御技術や適切な保守管理が必要となる。これらの技術やノウハウを習得するためには、 事前研修や運転・保守OJT を発電所建設段階から計画的に実施していくことが重要である。  建設過程での研修スケジュール(例)を図5.5-16 に示す。

(31)

Ap r M ay Ju n Ju l Au gSe p Oc t No v De c Jan F e b M ar Ap r M ay Ju n Ju l Au gSe p Oc t No v De c Jan F e b M ar Ap r M ay Ju n Ju l Au g Se p Oc t No v De c Jan F e b M ar Ap r M ay Ju n Ju l Au g Se p Oc t No v De c Jan F e b M ar Ap r 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 1000M W C oal F ir e d T P P C o n s tr u c ti o n 1.1 Si te P re pa rat io n S HO RE P RO T E C T IO N 1.2 D es ig n an d En gi nee rin g 1.3 Pr oc ur em en t a nd M an uf act ur in g P RO C URE M E NT & M A NUF A C T URI NG 2.1 Civ il an d A rc hit ec tu ra l W or ks CI V IL & AR CH IT E CT U AL 1 5 M s 2.2 T ra ns po rt at io n of E qu ip m en t a nd M at er ia l T RA NS P O RT A T IO NS 2.3 Er ec tio n W or ks E RE C T IO N W O RKS 1 6 M s 2.4 In st au ra tio n of Pip in g an d Ca blin g 3.1 Po we r & F uel R ec ev in g 3.2 Pr e-Com m iss ioni ng a nd Co m m iss io nin g P RE -C O M M IS S IO NI NG 3.4 Co m m er ci al O per at in C O M M IS S IO N IN G B. T r a ini ng 1.1 Ge ne ral In tr o d u c ti o n t o t h e e q u ip m e n t O p e ra ti o n a l p ro c e d u re s T ro u b le s h o o ti n g M a in te n a n c e p ro c e d u re s M a in te n a n c e p ro g ra m s T ra in in g b y s u p e rv is e r O per at io n 1.2 1.3 M ai nt en an ce 2.1 O n-th e-jo b tr ain in g 2019 2020 CO AL F IRE D T P P CO NS T RUCT IO N AND T RANI NG S CHE DUL E N o. D E S C R IP T IO N 2 0 1 6 2 0 1 7 20185 .5 -16 C o a l F ir ed TP P co n st ru ct io n a n d t ra in in g s ch ed u le 出典:調査団作成 e

(32)

5.6 CCT導入ロードマップ 5.2~5.5 に述べた CCT 導入ロードマップの検討結果は、以下のとおり結論付けられる。 1) 技術的な観点 USC は、世界中で導入が進んでおり、技術的にも成熟していることから、経済性と CO2排出量 削減の両立を実現する鍵となるCCT である。インドネシアでは、2016 年に適用可能である。 一方、IGCC は 2020 年以降に商用機の導入が期待される有望技術である。インドネシアでの導 入時期は、他の国の開発実績(建設コスト)や運転実績(O&M コスト)を確認してからとする。 特に、低灰融点・低品位炭の発電利用が望まれており、LTSA の採用などにより技術リスクを回避 しつつ導入を検討する必要がある。 日本では、2020 年にIGCC の商用機を建設する計画があり、計画通りに進めば、2025 年にはIGCC の商用機が運転開始することになる。 2) 政策的な観点 インドネシアは石炭資源を今後の主要エネルギー源とする方針であり、長期的な視点では、低 品位炭を高効率火力発電に利用するニーズが高くなる。低品位炭は IGCC の原燃料として利用可 能であることから、CCT の導入は政策上の観点からも適合する。 また、5.4 の算出結果から、USC および IGCC の CO2削減価値はSC より高く、CCT の導入が GHG 排出量削減に貢献することが確認された。 3) 経済的な観点 2011 年の石炭価格ではいずれの炭種においても、Sub-C および SC と比べて USC の発電コスト は低く、CCT の経済優位性が確認された。 2020 年の石炭価格では、価格上昇によりいずれの発電実コストは高くなるが、Sub-C および SC と比べて石炭使用量が少ないUSC および IGCC の経済優位性はより明確となる。 以上を集約すると次の様になる。

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Rational for USC/IGCC

introduction in Indonesia

Alignment with Indonesia’s Policy

Economic validity

Is it possible to use low rank coal (LRC) ? →Yes, LRC can be utilized

Does it contribute to GHG emission reduction ? →Yes, GHG emission amount will be reduced Is USC & IGCC readily available ?

USC: readily available, IGCC: available in 2020 When can it be introduced in Indonesia

USC: 2017, IGCC: 2025

Is it economically viable ?

Yes, Generation cost will be lower than Sub-c or SC

Technical availability

Target for introduction of USC and IGCC in Indonesia

USC should be introduced for next new coal fired power plant project (2016)

IGCC will be introduced around 2025, considering the development situation in

the world

CCT Technology for Coal Fired Power Plants

Matured technology to achieve low

electricity costs & low GHG

emissions

• Proven and already commercialized

technology

• Introduced all around the world

• Can utilize low rank coal with above

average ash melting point

• Economic superiority to SC

• Lower GHG emission compared to SC

Promising technology to achieve

low electricity cost, lower GHG

emissions & LRC utilization

• Technology yet to be commercialized

• Will be introduced at the beginning of

2020s in commercial base in the world

• Promising technology for low rank

coal with low ash melting point

• Economic superiority to SC and USC

• Lower GHG emission compared to SC

& USC

(34)

上記の結論に基づき作成したCCT 導入ロードマップを図 5.6-2 に示す。なお、石炭火力開発量 は、2020 年までは RUPTL の計画値に従い、2021 年からの 5 年間は PLN から入手した情報に基づ き1,3000 MW とした。 ロードマップで提案したCCT は、RUKN、RUPTL に反映される予定である。 GHG Target Promotion of CCT PLN (MW) 660 0 1000 600 600 1000 3000 2000 3000 2000 3000 IPP (MW) 1660 2860 2200 2200 0 0 Coal Fired Power Plant (USC&IGCC) Training

GHG △26% Energy Mix (Coal 33%)

1000MW Model P lant (USC) U-1 1000MW Indramayu(USC) U-1

1000MW Indramayu(USC) U-2

3000MW or 2 000MW New Power Plant(USC) Each Year

COD

1000MW Class IGCC x 3

COD

COD COD

SC: Super Critical USC: Ultra Super Critical IGCC: Integrated coal Gasification Combine Cycle COD: Commercial Operation Date

2010 2015 2020 2025

SC

Efficiency 35-40%

USC

Efficiency around 42% IGCC 45-49%

2 X1000MW Central Jawa(USC)

COD

Introduction of CCT O & M On-the-Job TrainingIntroduction of USC O & M On-the-Job TrainingIntroduction of IGCC/A-USC

図 5.6-2 CCT 導入ロードマップ

(35)

第6章 CCTモデル発電所の検討

インドネシアの電力需要増加に対する供給計画として、現状クラッシュプログラムによる石炭 火力発電所(大半は亜臨界圧および超臨界圧の蒸気条件)の建設が進んでいるが、前章までの検 討により、今後は大容量で高効率な発電所を建設することが、環境影響面(CO2排出削減)及び エネルギー消費量節約の観点から有効であるとの結論に達し、超々臨界圧(USC)蒸気条件の石 炭発電所を適用した 2025 年までの CCT 導入ロードマップを策定した。 以上から本案件では、CCT を考慮した次世代の大型高効率石炭火力発電所をモデル発電所とし て建設するための予備実行可能性調査(Pre-Feasibility Styudy: Pre-FS)を実施した。

6.1 モデル発電所の選定 (1) モデル発電所選定の考え方 モデル発電所の Pre-FS を実施する地点の選定に当り、以下の考え方に基づき調査及び検討を 実施した。  インドネシア全体の電力系統(スマトラ、ジャワ-バリ、カリマンタン及びスラウェシ) をモデル発電所建設計画の候補地とする。  スマトラ、ジャワ-バリ、カリマンタン及びスラウェシ地域の各電力系統における現在 の送電線系統容量、今後の電力需要予測及び将来の送電線建設計画等を勘案し、大型発 電所(単機容量 1,000MW)の系統への投入の可能性の有無について調査する。  モデル発電所計画の調査に当り、周辺地域のインフラ状況も勘案する。 また、以上の考え方に加え、以下の建設条件も考慮した。 1) 石炭火力発電所を新たに建設する場合、2012 年中にモデル発電所計画の実施に着手した としても、フィージビリティスタディー(以下 FS とする。2013 年中)、環境アセスメン ト期間(EIA, 2012~2014 年)、入札期間(2014~2016 年)及び建設期間(2016~2020 年)を 必要とし、2020 年から 2021 年頃の運転開始が最短であることから、2021 年の運転開始 をターゲットとする。 2) モデル発電所の建設予定地の選定にあたっては、新規地点(グリーンフィールド)は勿 論のこと、既存インフラの有効活用が期待できる既存発電所のリプレース及び増設可能 地点についても評価を実施する。 3) モデル発電所は、USC 蒸気条件の石炭火力発電所で、発電容量 1,000MW 級×1 基(但し、 将来の増設も考慮し 2 基分の建設地計画とする)とする。 (2) モデル発電所計画地点選定にあたって 今回 Pre-FS を実施するモデル発電所建設計画地点の選定にあたっては、PLN が RUPTL(2011 ~2020 年)で計画している新規開発地点をベースに、更に PLN からの推奨地点であるリプレー ス地点及び増設候補地点の中から本計画が実施可能であるか現地調査を実施し、且つ自然条件 等を勘案し、第 2 回ステアリング・コミッティーにて決定した CCT ロードマップを考慮し、電 力の潮流、環境面及び社会面更に経済性を勘案し、最終的に 1 箇所を選択し Pre-FS を実施する こととした。

図  5.3-2  インドネシアの石炭資源量の推移
図  5.3-3  低品位炭の性状と利用特性
図  5.3-6  インドネシア国内の石炭需要の見通し
図  5.5-2  コスト比較(SC 及び USC)
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参照

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