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なぜ日本にハイイールド債市場は生まれないのか

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Academic year: 2021

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(1)なぜ日本にハイイールド債市場は 生まれないのか 徳 島 勝 幸 CMA (証券アナリストジャーナル編集委員会委員). 1.はじめに. が厳然と存在する。一方の日本では、それこそ箸. 日本にハイイールド債(ジャンク債)市場が、. の上げ下げから取引銀行が面倒を見てくれるた. なぜ生まれ育たないのかというテーマについて. め、中小企業はおろか東証一部に上場する大企業. は、古くから議論が行われている。米国において. ですら、融資と社債発行とを比較して資金調達手. は、ハイイールド債を含む社債市場の規模が、. 段を決定する。このような状況下において、米国. GDP対比で日本よりはるかに大きく、かつては. 並みの規模の社債市場など成立するはずもない。. 日本の社債市場はそれと同様になってしかるべき といった議論も見られた。しかし、日本証券業協 会の主催する 『社債市場の活性化に関する懇談会』. 2.そもそも日本にはハイイールド債の存在する 余地が乏しい. において筆者が主張(2013年2月15日会合)し. 筆者は、格付会社による信用度の評価である格. たように、これは課題認識の誤りである可能性が. 付けを鵜呑みにすることは適切でないと考える. 高い。そもそも、市場とは、参加者の需要と供給. が、信用分析のエキスパートである格付会社によ. とがマッチングしてこそ成立する。ところが、米. る評価は、実態面でも、また、規制等の局面にお. 国と日本では、金融機関の融資行動のみならず、. いても、重要な役割を果たすことを認める。一般. 企業の資金借入れに対する姿勢が全く異なる。そ. 的に使われるよう、以下では、便宜上、格付けが. れらの相違を無視して、経済規模の観点のみから. BBB-格相当以上のものを投資適格とし、それに. 日本の社債市場は相対的に規模が小さく、これか. 満たないものを投機的格付けとする。投機的格付. ら拡大の余地があるとするのは早計であろう。. けの評価を得た社債をハイイールド債と呼ぶこと. 日本と米国で異なるのは、社債と融資とがほぼ. にしよう。本稿においては煩雑になるので、投資. 完全な競合関係にあるかどうかである。米国の場. 適格や投機的格付けの前に付すべき “いわゆる”. 合には、上場企業が資金調達を行う際、資本市場. の接頭辞を省略する。. にアクセスせず、直接、金融機関から借入れを起. 日本においては、米国と異なり、発行時点で投. こすのは、担保等がやや特殊な場合など一般的で. 機的格付けしか得ていない社債は、ほぼ発行され. ないことが多い。上場企業たるものは、正々堂々. たことがないし、ハイイールド債としては、投資. と資本市場で資金調達すべしといったカルチャー. 適格の格付けを得て発行されたものが、後に信用. ©日本証券アナリスト協会 2018. 49.

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