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電力設備に及ぼす気象・気候影響予測手法の開発

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Academic year: 2021

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(1)2 主要な研究成果 重点課題 - リスクの最適マネジメントの確立. 電力設備に及ぼす気象・気候影響予測手法の開発 背景・目的. 主な成果. 巨大台風や急速に発達する低気圧、局地的 豪雨・豪雪、竜巻等の突風に伴う災害が頻発し. 解像度の気象データベースを作成し、各種ハ ザードおよび温暖化影響を評価する。また、. ている。中には既往最大を上回る極端な事象 も発生しており、地球温暖化の影響も懸念さ れている。. 日々の運用において災害を事前に回避し、被 災した後でも迅速に復旧するための支援技術 として、一週間先までの暴風雨雪をさまざま. 本課題では、電力施設・設備の設計におい て想 定 すべき極 端 気 象・海 象 の 規 模を設 定 するための基礎データとして、長期間かつ高. なリードタイムに対して予測する手法を開発 し、現場での利便性を考慮したシステム化を 図る。. 1. 高 解 像 度 長 期気 象・気 候デ ータベ ース. 数日先までの 気 象 予 測を目的とした気 象 モデルNuWFASに対し、数十年先までの気候 計 算 を 、計 算 誤 差 が 蓄 積 することなく実 行 できるよう改良した (図1)。ヨーロッパ中期予 報センターの全球の再解析データ (1958年∼ 2010年、解像度約120km) をもとに5kmメッ シュ (地表∼上空20km) ・1時間毎の風速、気. 2. 水力施設 の 防 災に役立つ大雨 の 短時間予測技術. 国内の気象ドップラーレーダの観測データ を用いて、気象モデルの計算初期値を改善す るためのレーダデータ同化手法を、VDRAS*1 をもとに構築した。これにより、気象モデルの 適用精度が低い大雨事例に対しても、局地的 に発達した雨雲における降雨および風向・風. 3. 速分布の再現・予測精度を改善した (図3)。ま た、レーダが観測した降雨分布の動きを単純 に外挿して予測した結果と気象モデルによる 予測結果をリアルタイムで融合させるシステ ムを開発した。. 火力・原子力発電所 の 高 潮・高 波ハザード評価技術. 海洋モデルROMS*2を用いて高潮計算モ デルを開発した。台風通過時の潮位計算に適 用した結果、観測結果を的確に再現できた (図 4)。進路・気圧・暴風半径等に関する過去の観 測 実 績をもとにモデ ル 台 風に対して本 手 法. 4. 温、気圧、降水量等の気象要素を53年間にわ たって算出し、CRIEPI-RCM-Era2としてデータ ベース化した [N13004] 。この長期データベー スは汎用性があり、高い解像度を有しているた め、送配電設備をはじめとした電力設備の各種 ハザードの評価に活用できる (図2) 。. を適用し、台風に伴う高潮ハザードを評価で きることを確認した。さらに、CRIEPI-RCMEra2をもとに高波ハザード評価に適用する ための長期波浪推算データベース(CRIEPIOWCM05)を作成した。. 原子力発電所の竜巻影響評価技術. CRIEPI-RCM-Era2を用いて巨大積乱雲に 伴う大きな竜巻の発生に関する地域性を明ら かにした(図5)。この地域性にもとづき、発電 所立地地点と竜巻発生の観点において類似 の地域を抽出し、過去の発生記録をもとに地 域内の竜巻風速のハザードを確率論的に評価 できる手法を開発した。また、想定飛来物の挙 動(飛来速度、飛散高さ等) を評価可能なツー. ルTONBOSを開発した(図6)。さらに、飛来 物の衝撃に対する対策工としての防護ネット の効果実証試験を実施し、設置工法や吸収エ ネルギー算出方法を提案した [N13014] 。これ らの結果は、原子力発電所の新規制基準適合 性評価で求められている各評価項目への対応 に活用された。. *1 米国大気研究センター (NCAR) が開発したレーダデータ同化システムを指す。 *2 Rutgers大学やUCLA等の米国の大学機関が中心となって開発している海洋モデルを指し、そのソースコードは無償公開されている。 22. 研究年報_P06-P33-課題01.indd 22. 14/05/26 12:43.

(2) [mm-1]. 1. Observaon. 0.1. 3,000. NuWFAS-RCM 0.01. 2,000 0.001. ☔⋙ᐠᗐ. 年積算降水量(mm/year). 4,000. 1,000 0 1955. 1960. 1965. 1970. 1975. 1980. 1985. 1990. 1995. 2000. 2005. 2010. 0.0001 10-5 10-6. 図1 年積算降水量の53年間解析結果 高解像度計算のもととなるヨーロッパ中期予報センターの再解析 データは、データベースの作成対象期間に2種類ある(ERA-40お よびERA-Interim)が、データ種類が変わることによって解析結果 が不連続になる、あるいは誤差が蓄積・増大する影響は見られず、 観測データの推移が解析期間を通じて的確に表現できていること を確認した。. レーダエコー (観測). 10-7 0. 100. 200. 300 400 500 ᪝㜾Ề㔖䟺mm/day䟻. 600. 700. 800. 図2 日降水量の確率密度分布 観測値と解析値との間で確率密度パターン が整合しており、本データベースは、極値解 析・ハザード解析に活用できる精度を有して いる。. 䇮䇮䇮䠌びῼ⤎ᯕ 䇮䇮䇮䠌゛⟤⤎ᯕ. レーダ データ 同化. 重点課題. T0 0416. 雨水量 (予測) 䇮䇮䇮䠌びῼ⤎ᯕ 䇮䇮䇮䠌゛⟤⤎ᯕ. 修正 気象場. T0418 誤差の大きな予測結果. 図3 NCAR VDRAS*1による短時間降雨予測精度の向上 気象モデル計算の初期値または予測結果に誤差があるために予測 困 難な集 中 豪 雨に対しても、一 定 期 間に取 得された4次 元レー ダ データを同化して気象力学的に修正することにより、予測精度が大 きく改善する。. 図4 潮位観測値と計算値の比較 2 0 0 4 年 台 風 1 6 、1 8 号による高 潮を計 算 し、九州沿岸9箇所の潮位観測結果と比較し た結果、日周期による変動を除き、両者の高 潮はほぼ一致した。. 䟿㻔㻓 ᭮ 䟻. ᬦು᭿᭿㛣හ ࡞ ࡞࠽࠷࡙ ࠉ❫ᕬ Ⓠ Ⓠ⏍᮪௲ 㸝Ὸᗐ ࡷ ࡷኬẴᏭᏽᗐ 㸞 ࠿࠵ࡾシᏽ㜀 ೋࢅ㉰㐛ࡌࡾ ☔ ☔⋙㸝㸚㸞. 図5 F3規模以上の竜巻の発生しやすさ 下 層 渦 度 の 親 雲 へ の 輸 送 量や大 気 不 安 定 度 が 設 定 閾 値を超過する頻度を分析した結果、茨城県以西の太平 洋側で特に発生しやすいという実態に整合する地域性 が見られた。. 図6 飛来物の最大飛来速度の算出例 地 上 高 4 0 mにある飛 来 物 が 地 上に落 下するまでにと る最大飛来速度は、抗力係数C D・断面積A・質量m で表 される物 性 値で決まり、風 速 場 の 違 いによる影 響は小 さい。. 23. 研究年報_P06-P33-課題01.indd 23. 14/05/26 12:43.

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