<論文>現代ホテル企業の財務会計
著者
品田 誠平
著者別名
Shinada Seihei
雑誌名
経営論集
巻
17
ページ
1-15
発行年
1980-12-30
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005830/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja現 代 ホテル企業 の財務会 計
品 田 誠 平
I I 皿 Ⅳ V Ⅵ Ⅶ 冒 Ⅸ X XI 目 次 はじ めに ホテル企業 とホテル企業会計 ホテル企業 の意義 ホテル企業 の生成 現代 ホテル企業の発展 サ ービスの現代的 意義 現代 ホテル企業 の営業活動 写像とホテル企業 会計 ホテル企業 の財務会計のしくみ と手順 財務諸表,附属明細表, コンピ ュータ化 お わ りに 1 I は じ め に ホテル企業の営業活動は不特定多数 のお客に対して代金の支払 い を 受 け て,宿泊,飲食のほか洗濯,衣裳,電話, タバコ,新聞, 理髪, 美容, 電 報,旅行案内,劇場な どの切符の代理販売,花, くす り,キャンデー,みや げ,速記,服飾,雑貨, マッサージ, 駐車場, タ クシ ー,プール, ボート, 乗馬場, テュスコートなどのごとき様 々なサ ービ スを販売することを通じ投 下 資本に対す る利益を極大化することにある。 ホテル企業は様々なサービスを提供すること自体に意義がある の で は な く,サービ スを商品化して販売し, 全体 とし て如何程のInvested Capital がなされ, どれだけ のReturn を生じたか の業績を向 上させる点に意義が 存してい る。 ホテル企業の提供する様々なサービスはそれぞれが異質 のものであるから それぞれのサ ービ スの種類に応じた度量衡単位を もって,それぞれの提供高 や量は物的数量計算・原単位計算される。物的数量計算は 物的増減変化とし2 てわれわれの目に具体的に映ずるから誰でも容易に認識し測定す ることが可 能である。 しかし, 異質の多 種多様なサ ービ スの販売を 同質 のInvested Capital ・ 投下資本とReturn ・ 利益とい り価額の量的増殖関係に変換す るために は, 第1 に,異質の度量衡単位別の物的数量計算に対してそれぞれの度量衡単位 当 りの単価を求めてこれに乗ず ること,すなわち, Monetary Valuation ・ 貨幣評価をおこたって, 異質の数量計算をすべて同質物たるValue ・ 価額O 量的計算たる価額計算に変換しなけ ればならない。 第2 に,貨幣的評価を 介して価額計算に変換する場合において 乱 会計学 上の資本と利益との増殖関係に帰納して認識し測定するためには, ホテル企
業会計上の固有の 貸 借対照表・ Balance Sheet と損益計算書・Statementof Income を 中心とす る財務諸表・Financial Steatements を作成しなけ れ ばならない。なぜならば,資本や利益とい う言葉は同一であっても会計学上 の資本や利益の概念と,経済学や法学上の資本や利益の概念 とでは著しく異 っているからであ る。会計学上の資本は貸借対照表の作成を通じて, また, 利益は損益計算書の作成に よって のみ算定される固有の概念である。 本稿においては現代ホテル企業におけ る資本と利益を認識し測 定するため に,必要不可欠 の財務会計について目次に示す順序にしたがってそ の特色を 究明し ようとす る。 \ l ホテル企業とホテル企業会計 ホテル企業は上述のごとく各種のサービ スを有利に販売し,極大利益を獲 得することを目的とする固有 の経済単位を意味する『実体』である。 ホテル企業会計はホ テル企業 とい う『実体』を価額的に『写像』し,実体 の何たるやを理解することを目的とす る独自の科学である。この写像には, ホテル企業 の営業活動を意味す る取引の写像たるデータ・伝票,全取引を資 本が利益を増殖す る関係に帰納す る諸過程の写像としての会計帳簿,一時点 におけ る財政状態・資本の写像である貸借対照表,一期間におけ る経営成績 ・利益C)写像を 意味す る損益計算書な どがある。これらの写像において貸借 対照表と損益計算書 とは,実体た 右ホテル企業 の一時点におけ る資本・財政 状態と一期間におけ る利益・経営成果を 写像するも の と し て特に重要であ
現代ホテル企業の財務会計 3 る 。 \ 科学は 実 体のな んた るやを 知 ら ん とす るため にレ 写 像を作 成 しこ れを媒 介 と し て実体を 理解 し よ うと試 み るも ので あ る。 た とえ ば 人 とい う実 体は, 自 作己 の顔を 知 らない。 自己 の顔 の如 何な るやを 知 るため には適 切 な写 像,つ ま り, 写真や鏡な どの映 像 に依存 し なけ れば不 可能であ るの と同 様で ある。 ま た, 地 理学や建 設工 学では 上地 や建 物 の実体を 研究す るた めに, 地 図や製図C )ご とき写 像を 作 成し適 用す る。
ホ テル企業 会計は, 保管(財務)会計(Custodial (Financial) Accounting), 喋 績(管理)会計(Performance (Managerial) Accounting), 意 思決定(予測)
回会計(Decision (Forecast) Accounting) か ら体系組 織的 に構成 され る統一 体た る利 益能力 会計(Profitability Accounting)として 成立 してい るが, 本稿 にお いては 紙面 の関 係上 そ の基 盤 であ り, また, 決算 に不 可欠 な財務 会計 に限定 して考 察す る。 考察 に当 っては, まず, 実体 とし て のホ テル企業につ い て目次 のI ∼ Ⅶに 侶:分して究 明し, 次い で 写像 として の ホテ ル企業 会計 の基盤 として の財務 会 計 につ い ては 目次 の 狸∼X に分け て論 究す る。 』【 ホ テ ル 企 業 の 意 義 十 ホ テ ル(hotel) とは 何 か , そ の定 義 は 後 述 す る よ うに 多 種 多 様 で あ る。 ホ テ ルを 如 何 に 理 解す る か の 相 違 に よ り,実 は そ の 経 営 や 会計 の 原 理を 相 違 す る も の とな る か らそ の理 解 の仕 方 は 極 め て 肝 要 で あ る。 ∧ 1. ホ テ ル ○語 意 (1) The
Concise Ox ソ'ord L:')ictionary, p. 588 に お い て は , ホ テ ル と は , 旅 人 達 な ど の接 待 の た め の ハ ウ ス で あ る 。(通常は大きい もの)Inn と も い う。 v(2)Shorter Oxford English Dictionary, p. 926 では ,1. フ ラ ン ス 語 の使
用 に あ っ て は, a. タ ウV ・ マ ン シa ン(a town mansion), b. 公 共 役 人 犬 の居 宅(Hotel de ville ・ town hall は,市庁 舎,市役所 ,公民館,町役場,町 会議事堂 と町役場 とを兼 ねた建物), c.Hotel-Dieu は 病 院, 2. 1748年 に は 大 学 に お け るHostel. 3, inn : 1765 年 に お い ては 高級 な 種 類 のl つ で あ る。
イギリスではotel' とも発音する).旅 人に 宿泊 , 食 事な どを 提供 す るパブ リ ック・ ハウ ス,〔フ ラV ス語 :初期には ,hoste レHostel 〕
同 意語:Hotel, House, Inn, Tavern な どで, 旅 人お よびモ の他 の者 の宿泊 , あ るいは, 接待 のた め の施設を い うので あ る。2. 法 規上 の ホテ ル概念(1) わ が 国 の法規a. 旅 館業法 は第2 条におい て,r 旅館業 とは, ホ テ ル営 業, 旅 館営業, 簡易 宿所 営業 及び下 宿営業を い う」 と述 べ,b. こ の法 律で ,「 ホテ ル営業ト とは, 洋式 の構造 及び 設備を 主 とす る設 備 を設け , 宿泊 料を 受け て, 人を 宿泊 さ せ る営 業で, 簡易 宿所 営業 及び 下 宿営業 以 外 のものを い う, と定 めてい る。c. なお, 国 際観 光 ホテ ル整 備法 は, その第2 条 におい て 次 のご とく規定 してい る。 F ホテ ル」 とは 外客 の宿泊に 適す る ように 洋式( )構 造 及び設備を も 。 て造 られた 施設を い う」 …… 「ホ テル業 」 とは ホテ ルに よ り人を 宿泊 及 び飲食 させ る営業を い う」(2
) ア タリカo 法 規a. Common law
は, ホテ ルとは , すべ て の人び とが 適宜身を 処す る勝 所 であ り, 接 待を うけ た こ とに対 して支払 いが なさ れ る ものであ り, 支: 払いを なす 用 意 のあ るも めが 自己 のた めに 宿泊 を のぞむ な らば ,そ の宿 泊 が提供 さ れる場所 であJ , また, こ れら の人たち は滞在 の期 間につい・ て 代償 の料 率に つい てな んら の規定を 決 めた契 約を す るこ とな く,そ<r>' 滞 在 中妥当な 費 用を もって食事, 宿泊, そ して臨時 的な 家庭 として のみ のホ テルの使用 に 必然に 付帯す るサ ービ スと注意 とを 供 給さ れ る場所で あ る」 と述べ てい る。 ■■ ■ ■3 レ アj リ カ国勢 調 査局 の定義
① ア メ リカ国 勢調 査局 (the United States Bureau of the Census)が, 永 テル の定義 として もっ とも適切な もの として 選 んだ ものを 紹 介すれば次: の ごと くで あ る。
ホ テ ルとは 利 益を 得 るために営 まれる営 業 施設 であ る。そ れは 一般犬 衆 に宿泊 の施 設を 提供す る もので なけ ればな らな い し, 少な く とも部分
‥ 現代 ホテル企業 の財務 会計 5 的 に は 旅 行 す る 客 に , 対 す る も の で な け れ ば な ら な い 。 4. ホ テ ル 企 業 の 現 代 的 意 義 ホ テ ル と は 何 か に つ い て 以 上 若 干 の 意 義 に つ い て 考 察 を し て 来 た が , そ の 認 識 の 仕 方 は 多 種 多 様 で 決 し て 一 様 で な い 。 わ れ わ れ が 研 究 の 対 象 と す る ホ テ ル 企 業 の 現 代 的 意 義 を , ホ テ ル と は 旅 人J な ど を 接 待 す る た め の ハ ウ ス と か , 旅 人 な ど に 宿 泊 , 飲 食 物 な ど の サ ー ビ ス を 提 供 す る た め の 施 設 と 定 義 づ け る こ と は 正 し く な い 。 な ぜ な ら ば ホ テ ル 企 業 は 宿 泊 , 飲 食 物 等 の サ ー ビ ス を 提 供 す る と い う 定 義 で は , 国 今 地 方 公 共 機 関 の 設 置 す る 無 料 宿 泊 所 や 国 民 宿 舎 の ご と き 非 営 利 目 的 の 保 健 保 養 を 目 的 と す る 施 設 と そ の 相 違 点 が 判 然 と 区 別 さ れ ず 混 同 さ れ る か ら で あ り , ま た , 会 社 や そ の 他 の 事 業 団 体 が 当 該 機 関 の 従 業 員 や 家 族 な ど の ご と き 特 定 の 人 々 を 対 象 と し て 設 置 す る 福 利 厚 生 設 備 と も 峻 別 さ れ な い た め で あ る 。 ホ テ ル 企 業 の 現 代 的 意 義 は , 不 特 定 多 数 の 一 般 大 衆 を す べ て お 客 と な し , こ彼 ら に 客 室 そ の 他 の ホ テ ル の 施 設 を 一 時 的 利 用 さ せ る と い う 固 有 の サ ー ビ スJ を 独 自 の 商 品 , 価 値 あ る サ ー ビ ス と 化 し て 有 利 に 販 売 し , こ れ を 通 じ て 利 益
を あ げ る こ と を 目 的 と す る ・ run for profit 営 業 活 動 を 貫 徹 す る こ と に あ る 。
ホ テ ル は 囚 有 の サ ー ビ ス を 販 売 す る 企 業 で あ る が , そ の サ ー ビ ス モ れ 自 体 ぱ 第1 章 に お い て 解 説 す る よ う に 歴 史 的 発 展 に 伴 っ て 質 的 変 化 を 遂 げ て き た 事 実 を 注 目 す る 必 要 が あ るo ・ ly ホテル企業の生成 古代の社会にあっては自分の家 の戸口を叩いて訪れた未知の 旅 人 を 歓迎 乙,かつ,宿泊の場を提供することが一つの重大な社会的責任であった。古 代 におけ るキャラバンの発生は隊商宿の発生をもたらし, また,古 代オリン ピック競技の創始は, 諸都市からの参集者のための大きな宿泊設備の設置とT なった。 初期のギリシ ャやローマにおいては ポリスを結ぶ交通路には,旅する役人 や 外国商人を接待するた めに国立0 宿舎が開設された。それは後日pt ―マ人 以 外の者によって,営利目的 のインに転じた。 ニレ 中世に及んでヨーロッパでは 都市や寺院への巡礼者に対し インヘの立入禁 止令が出され, ホスピスが設け られるに至った,そこでは身分の高低に応じ
6 。レ, て待遇の差別がされ,それに照応す る喜捨や寄贈がおこなわれた。なお,農 奴階層は粗末な別棟の施設に泊 められた。 中世末期になって貴族や僧侶の所謂特階級が転落し,自由農商工民の台頭 がみられる ようにな ると東西の交通,通商が盛んになりイソが勃興し イソ・ ギルドが成立す るに及んだ。 16
世紀から18世紀にかけてO nationalism とcommercialism の勃興は,
旅人の増加を招来し西 ヨーp2ッパを通じinn-keeping は明らかにa distinctform of commercial enterprise を確立す るようになった。
西 ヨーロッパ特にイギリスのイソは, the modern American hotel の先 駆であった。 初期にあってはイギリスo coffee houses やインは,重要なj 社会的,文化的,政治的中心の場であった。 このインは移民達とともに大所 洋を渡り,ア タリカの地に根をおるし広げていった。 植民地時代 のアタリカ のインは素朴な寝間の提供で旅人を満足させることがで き,お客は彼の室を 見知らぬ人にわけ与え,彼のベッドさえもわけあ うことが普通であった。 1783 年ア^ V カ独立後,産業が急速に発展し産業界に支配的人物が出現す るようになると,彼ら有産階級り満足をみたすための迎 賓館的な設備とムー ドを有するホテル企業が生成す るようになる。 他面ラランスでは ルイu 世ひ ころにベルサイ=z.宮殿な どで日夜格調の高い晩さん会が開催され,国王や貴 族達が旅行す る機会が多くなるに伴って,彼 らの邸宅に迎賓専用 の旅の館, 社交場としての設備を有する迎賓館が設け られ,そこではぜいたくな料理, 飲料, 衣裳が用意され,栄華を極めた盛宴が開催された。1792年のフランス 革命後, 資本主義が成立す るに至ると,王侯, 貴族。のた めに開発された迎賓 館的施設とムードは,ブルジョアの憩の場としての小テル企業の営業手段に 転化するようになった。 1794
年に開店した ニュヨークのTontine City Tavern はCity Hotel と
称され,その部屋数は73室であった。 1829年 ボストンで開業した BostonsTremont House は, 170室で当時としては巨大建築として印象づけられそ
の設備は古典主義によって鼓吹された ものであった。モこではすべてのお客 は貴族 の来訪者 として待遇され,最高の慰安 と豪華な接 待が提供された。
現代ホテル企業の財務会計 7 現 代 ホ テ ル 企業 が ア メ リ カに 出現 した のは, 20世 紀 に至 っ て か らで あ る。 そ れ は 産 業 革 命 を 契 機 と し て 展 開 さ れ るに 及 ん だ 技 術 革 新 の成 果 で あ り, 現 代 ホ テ ル 企業 は 古 典 的 ホ テ ル と質 的 に も量 的 に も区 別 さ れ る。 そ れ は 現 代的 諸 設 備 を 具 備 す る 耐 火 高 層 建 築 の大 規 模 ホ テ ル と し て 特 長 づ け ら れ る。 鉛 管 工 事 の 発 展 に 伴 い ス チ ー ム ・ ピ ー トは ,1870 年 代 か らは 各 客 室 に まで 導 入 さ れ, バ ス付 き の部 屋 は1908 年 か ら, 出 現 す るに 至 っ た 。 さ ら に, 空 気 調 節 装 置, テ レビ ジ ョン. 自動 開 閉 ド ア 装置 , コン ピ ュ' "タな ど の 開 発 は , 客 室 を 快 適に し , ド ア ・ ボ,--ヽイを 不 用 化し , フ ロソ ト ・ オフ ィ ス の 事 務 を 改 善 し お 客 に 対 す る サ ービ スを 飛 躍 的 に 改 善 す る 諸 設 骨 と な っ た 。 転 じ て ス チ ー ル お よ び コ-y ク リ ー ト産 業 の 発 展 と建 設 工 学 の 進 歩 とは, 小 規 模 の木 辛 煉 瓦 の建 物 を , 高 層 , 耐 火 , 耐 震, 大 規 模 の コン ク>; ー ト建 築 物 に 移 行 さ せ , ま た , 縦 の 鉄 道 ・ エ レ ベ ー タや エ ス カ レ ー タ ー の開 発 は , 高 層 の客 室 の利 用 価 値 を 極 度 に た か め て い っ た。 か くて 現 代 ホ テ ル 企 業 の 建 物 は 空 に 向 っ て 急 速 に 伸 び, ま た 客室 の 数 を 激 増 し て い っ た。1903 年 に 開 店 し た"" ■ ュ ー ヨ ー ク のBeimont は , 地 上22 階 の750 室, 1927年 に シ カ ゴに開 店 し たStevens Hotel の 客 室 数 は3,000 室 , そ の費 用 は28, 000, 000 S で あ っ た。1932 年 は 既 に47 階 のWoldorf-Astoria が 出 現 し て い る。 1 サ ービ スの 現代的 意義
ホ テふ産業は, サ ービ ス産業(Service Industry)と も, 第三 産業(TertiaryIndustry )とも呼称さ れ る と英 国の経 済学者 コーリソ ・ クラー クColin Clark は言 ってい る。 ト しか らば, サ ービ スとは, 一 体何か, とい うこ とにな る と, 種 々な る見 解 があ って決 して一 様では な い。 しかし, サ ービ スとは何 か の理解 の仕方 の相 違が, ホ テル産業 や ホ テル 企業 の本質 的把握を 異にす る 根源 とな り, モの学 問的 体系組 織を 相 違 せし め るもの となる。 経営 ハン ドブ ッ クは,「 目的 が実 現 され易い ように役 務を 提供 す る行 為 で あ る。」(中央経済社・416頁)と述べ てい るが,役務 とサ ービ スとは 如何なる関 係に 存す るかが 明 らかに され てい ない。 また, 目的 が実 現 され易 い よ うに と い う事 柄が何を 意 味す るのか 判然 としてい ない。 新会計学 辞典は,「そ れは 人 間 の労働 力や財 の もつ力 の 利用 な どか ら 生 れ
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て くる無形 の給付, つ ま り,賃金や賃 借料な どを 意味す る。」(神戸大学会計学研 究室編 ,同文舘発行・951頁) と記し て い る。 こ こでは賃 金や賃 借料 と解説され て い るが,果 してそ の よ うな ものを サ ービ スと定義す るこ とが 妥当 視さ れ る で あ ろ うか。
サ ービ ス(Service )とい う言葉 は, ラテン語 のServus, つ ま り, Slave か ら きた もので, そ れは召使 として の奉 仕を 意 味し てい る。 また, 世話, 勤 務, 客 扱な どの他 に施設, 供 給, 軍備 な どめ意 味 もあ る。 セザ ール・ リ ッツ とい う1890年代に 黄金時 代を 築い た欧 州 の著 名な ホテ ル マ ソは,「客 が絶対 に正しい 」「客を至 上 の者」 と定 め, 客 に絶対 服 従的に 奉 仕す るこ とを サ ービ スと規定 し,こ の理念に 基づ くホ テル企業経 営を実 践し た のであ る。 そ れは近代 初期 の絶 対王権 の も とに おい て生 成発 展す るに 至っ たサ ービ スの技術 と組 織に よるものであ った。 わ れわ れが ここで 究明し ようとす る現代 ホ テル企業に おけ るサ ービ スは, 上述 のご とき陳 腐的 にして不 適応化し た人に 依 存し 人の 提供す る人的サ ービ スでは ない。そ れは 器具, 機械, 設備, 建物 等 の諸物 体 の機能 として提供さ れる物 質的な 現代的 サ ービ スに ほかな らない 。
現 代 ○サ ービ ス の意義は, た とえば,"a dinner (breakfast)service" 。“銀
食器を 使 用し て提 供される 夕(朝)食” とか. “The hospital has a serviceof 710 beds" 。 “710人の収容 能力 施設を 有す る病院” と称す る場合 におけ る ごと きサ ービ ス 概念,つ ま り,「高級(銀)食器 の使用 」 とか 「 収容 施設」を 意味す るもので あ り,そ れは 人間 が提供す る奉 仕で はな く, 建物,設 備, 機 械, 器 具な ど の物 それ自体 が作用 す る機能, 効 果等を 意 味す る。 旧 式な ホ テル企業 から現代 ホ テル企業 へ の発展 は, 主 人, ボ ーイ, メード な どの提供 した 人的 なサ ービ スを 商品 化して 販 売す るも のか ら, 建物,設 備 な どの物 体 が提供す る物質的 サ ービ スを 商品 化して販 売す るものへ とそ の販 売商品 た るサ ービ ス(D性格を 変 質す るに 及 んだのであ る。 現代 ホテル の耐火 耐震高 層 建築は 客を 火 災, 地震, 風 水 害の危険か ら安 全 に 保護 す るサ ービ スを, エ レベ ー ターは 階上 の室 の価値を 高 め客に 階段を歩 行 させ る労力を 皆無 ならし めるサ ービ スをi 冷暖 房 装置 は客を 部 屋0 暑さ寒 さ から開 放し 快適に 宿泊 さ せるサ ービ スを , 自動 開閉 ドア ー装置は ドアー・ ボ ーイに代 るサ ービ スを, そし て コン ピ ュ ー タは ツpy ト・オフ ィスの ラン ダ
現代ホテル企業の財務会計 9 ム ・ ア ク セ ス (random access ) を 可 能 に し 客 に 対 す る 事 務 サ ービ ス の 向 上 を , そ れ ぞ れ 創 造 す る も の とし て 開 発 さ れ, ま た, 人 間 の提 供 し た 人 的 サ ー ビ スを 飛 躍 的 に 改 善 す る に 及 ん だ。 \ 現 代 ホ テ ル 企 業 は 上 述 の ご と く最 高 設 備 を 使 用 し 最 善 の 物 的 サヴ ビ スを 商 品 化 し て 販 売 す る こ と の 可 能 な も の のみ が , 斯 界 に お い て 一 流 の 地 位 を 確 保 し, 他 の ホ テ ル 企 業 に 比 し て超 過 収 益を 実 現 す る こ と が 可 能 と な る 。 か か る 点 か ら ホ テ ル 企業 間 に お い て は 絶 え ず , 施 設 の 最 新 化 競 争 が 不 断 に 展 開 さ れ る こ と に な る 。 Ⅶ 現代ホ テル 企業 の営業活動 現代 ホ テル 企業 の 形態 は一般 に株式 会社 であ り, そ の組 織は 株主 の構成す る 株主総 会, 取締役 か ら構成され る取締 役会 とそ の会で 決議を 以 て定め る代 表 取締 役, そ して,一 般 従業員か ら成立し てい る。 こ れ らの組織 に つ い てkt, 商法第239 条, 第241 条,第254 条, 同 条の2. 第257 条, 第260 条, 第261 条, 第293 条 等におい て規定 され て い る。 株 式会社 に おけ る経 営 の意思 決定 機関は 取締 役会, 経営 執行 の最高責 任は代表 取締に 委 任 されて い る。 なお, 組織 の大規 模化 に応じ て取 締役 の経営に関 する権限 は 階 層的 に設定 される管 理者に 順 次細分 化さ れて委 譲され る。 次頁に 中規 模 ○ ホ テルの組 織に関す る 一 例を 参考 までに示 し てお く。 / 現代 ホテル企 業 の営業 活動は,既 述 のご とく建 物, 施 設 等 の一 時 的 利 用 (occupancy) とい う固有 の形 態 のサ ービ スを 商品化 し て販 売し 利益を あ げ る こ とを 根幹 とし て展開 する ものであ り, これ と関 連 し て食物 や 飲料品 を も販 売 するのであ る。 そ し て附帯的 な営業 として,洗 濯, 衣裳 ,電 話, タバコ, 新聞, 理髪, 美 容, 電 報,旅 行案内, 劇場 など の切符 の 代理販 売, 花, くす り, キ ャンデ ー, みやげ, 速 記, 服 飾, 雑貨, マッサ ージに 駐 車場, タクシ ≫プ ール, ボー ト, 乗馬 場, テニス コートなどに 関す る営 業 もお こな うの で ある。 我国 全国主 要190 ホテル企業 の経営実 態調査(自 昭和52年4 月1 日 至 昭 和53年3 月31H) の結果 を ホ テル・ レビ ュー誌No. 351に よりみる と, ホテ ル 企業の全 収益 は423, 2i7百万 円 でそ の うち2^2,650 百万 円, つ まり, 66.8% を 占め る ものが室料 と 飲食料 の収益 とな ってい る。
10 回 笥 緊9 糎 佃 磯 卜 そQ 耶 緊 廿
現代ホテル企業の財務会計 n 室料 と飲食料 の両収 益の合計 額が 総収 益 の66. 8パ ーセン ト以上 を占め てい るこ と, そ して, 次に述 べ る総 資産 に対 す る固定資 産 の占め る割 合が極め て 大 な るこ とは, ア メリカのホ テル企業 にお い て も異 な らない。 サ ービ スが ホテル企業 の人的 奉仕 の優劣 に 依存す る ものか ら建 物,設備 な ど の物 的施設 それ 自体 の優劣 の如何 に依 存す る ものに変化 し, 物 的設備 の如 何に よっ てサ ービ ス の優 劣が 決定づけ られ る現在 ホテ ル企業 におい ては 必然 的に 固定資 産に対 する投 資額が 巨額 化 し, また, 総 資 産に対す る固定資産 の 占め る割合が 高度化す る よ うにな る。 我 国全 国主 要190 ホ テ ル企業 の総 資は496. 319百万 円 にし てそ の うち固定 資 産は394, 361 百万 円 ・79.5 % を 占 め てい るこ とが上 記 の引 用誌 において明 ら かにさ れてい る。 現代 ホテル企業 が自己 の販 売す るサ ービ ス の商品 価 値を 昂揚 し他 のホテル 企業 より以上 の収益を 獲得す るた め には, 必然的 に 自 企業 の諸施 設を最新 最 高化す こ とが 要請さ れるこ とにな る。 かか る現 在 ホテ ル企業 の経営におい て は, 固定 資産 に対して如 何 なる施 策を 講じ てゆ くか が最重要 な テ ー マ と な る。 そ して, 少な くと も下 記の諸 問題 が惹 起さ れる。 第1 は, 固定 資産 の巨 額化は , 同時 に 減価 償 却費 の巨 額化を 招来する。 第2 は, ホテル企業 におけ る固定 資 産 の減価発生 原 因 の特 殊性 懲あ る。 第3 は, 固定資 産 の巨 額化 に伴 う固定 費 の変動費 に対 す る割合 の増 加に よ る損 益分岐 点 の高位化 に, 如 何に対 処す べ きか とい うことであ る。 第4 は, 固 定資産は建 設 以後 の変更 が困 難視 され る ので, 事 前計 画・設 計 が極め て重視 されなけ れば な らな い とい うこ とであ る。 上 記 の4 項 目におけ る第1 点 は, 固 定資産 は, 土地 以 外ぱ有限 の耐用年 数で あ るか ら,耐用 年 数の期限 内に毎 決 算 ご とに 減価部 分を 費用 とし て償却 し, なけ れば ならない し,そ の費用 計上 額 は資産申 固定 資 産 の占め る割合 の大 き いホテ ル企業 にお い ては 巨 額な もの とな る とい うこ とであ る。 第2 点は ホテ ル企業 の場 合は 減価 の原 因 とし て 単に, 使用 価値 の減 仏 物 理的 減価のみ な らず, 収益源 泉 として の経済的 減価 の発生 を 重視 せざ るを得 ない とい うこ と であ る。
すな わち, 固定 資産は使用 や 不使用 に 伴っ てwear and tear. deteriorat-ion, dried up. な どの ご ときphisical depreciation を 生ず るが, ホテル 企
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業 の場 合はobsolescence, inadequacy fs.どのeconomic depreciation. な い しfunctional depreciation がサ ービ ス産業 とい う立場 か ら特 に重 要であ る0 で, 他 産業 と相違 し早 期償 却を 必 要不可欠 とす るとい うこ とで あ る。 第3
点 は, William A. Hayes 氏 の論 文 ’An Economic Analysis of theAmerican Hotel Industry" におV ヽて「 ア メリカに おけ る ホ テ ルの固 定費O 変 動 費 に対す る割合, つ ま り, 固定費 が全 原価におい て占 める 割合は 極 めて 大 きい 。 それは損 益 分岐 点を 高い ところに お くこ とにな る ので 極 度に 非弾力 狗 な も の とな る。 即 ち, 常時相当 数 の客室を 販売で きる見 通し が 必 要 と な る。」と指 摘し てい るこ とに ほかな らない。 ホテ ル企業 の利 益は 収益か ら費用 竜・控除し た額 とし て算 定さ れ るが, 損 益分岐点 が高い場 合は 如 何な る場合に お い て も全客 室数 の大 部 分を 空 室 とならない ように 常時販 売で きなけ れば費 用 の方 が収益 より多 額 とな り損失を 生ず るこ とに なる。 第4 は 建物 の延面積 忙 対す る全客室面 積 の割合 に よって, 客室売 上に よる収益 とそ の 収益に 対す る固 定費 √特 に減 価 償 却費 の割 合が 決定さ れ,そ の利 益 性が決 定づけ ら れる 。 ま た, 客 室当 りの面積 と全 客室 面積 との割合 の如何に よっ て客 室 の数は 増減 し √そ れが一 客室当 りの固 定費・ 減価 償却費を 左 右し,そ し て一 客室当 りの 販 売価格を 決定す る要因 とな る。 こ れらの決定は 建物 の新 築 以 前 の設計 段階j におい て, 勘案 さ れなけ ればな らない めであ る。 Ⅷ 写 像とホ テ ル企業 会計 二 写像に は アナ ロ グ(analogue ・ 相似)的 写像 とデ ィジ タル(digital ・ 計数)的 写 像 とがあ る。 前 者は色 や形 な どを 実 体に似せた 写像で あ り,後 者は 実体を ゛計 数的 に表 現し た写 像で ある。 た とえば , カラ ー写真, テ レビ, 絵, 鏡, 測 量 図,地 図 のご ときは 前者 の例 であ る。 後者 には度 量衡単 位 で表現 した 統計 こ表 ,計算 書な ど と,貨 幣評 価を 通じ て 金額的数値 ・価 額を もって表 示し 仁 伝 票, 会計 帳 簿, 財務 諸表 のご とき もの との二 種類があ る。 ホテ ル企業 会計は ホテ ル企業 とい う実 体 か日 々展開す る度 量 衡単 位的には 全 く異質 の様 々な営 業活 動を, 既述 の よ うに貨幣評 価を 通 じ て余 す ところな く唯→ の同 質物た る価額 の量的 増殖関 係に変 換して 写像す るこ とを 特色 とし 限 界 とす る ものであ る。 ホテル企 業 会計 が 科学 として 成立す るためには , 独逸 の 哲 学 者 カ ン ト
現代ホテル企業の財務会計 13:(I724 ∼1804Kant) が 指 摘 す る空 間 と 時 間 の二 範 躊 を 限 定 し な け れ ば な ら な い 。 前 者 は 会 計 単 位 ・Accounting unit と し て 設 定 さ れ るそ の 実 体 ・ Entity は
『 ホ テ ル 企業 』 であ り,後 者 は ホ テ ル 企 業 の 決 算 期 間 は 全 営 業 期 ・Operating^^Period で は な くし て 会 計 期 間 ・Accounting Period で あ る とい うこ と で あ・ る。 即 ち 前 者 の営 業 期 間 は 恒 久 的 に し て 継 続 ・ Going Concern で あ るが , 決 算 期 間 は モ れ を 暦 上 の時 間 的 長 さ で あ る1 ヵ年 と か6 ヵ月 とい り ご と き 一 定 の期 間 に 区 切 った 各 期 間 に 限 定 さ れ る と い うこ とを 意味 す る。 要 す るに ホ テ ル 企業 会 計 は , ホ テ ル 企業 とい う経 済 単 位 の営 業 活 動 を 独 財 の研 究対 象 ・ 『 実 体 』 と す る も の で あ る が , そ の全 営 業 期 間 で は な くそ れ を 会 計期 間 に 分 割 し た 各 決 算 期 間 の経 済 現 象 た る 営 業 活 動 を 実 体 の 本質 た る財 政 状 態 ・ 資 本 と経 営 成 績 ・利 益 と い う価 額 の 増 殖 関 係 に 帰 納 し て 写 像 し, 実 体 の 何 た る や を 理 解 し よ う とす る 科 学 で あ る 。 ホ テ ル 企 業 会 計 が 貨 幣 評 価 を 通 じ て ホ テ ル 企 業 の営 業 活 動 を 価 額 の 量 的 増 殖 関 係 に 変 換 し た 場 合 に お い て も, そ れ を 会 計 期 間 に か か お る 財 政 状 態 と経 営 成 績 に 帰 納 し て 写 像 す るた め に は 財 務 諸 表 の 作 成 が 必 要 で あ る。 そ の財 務 諸 表 は ア タ リ カに お い て は, 統 一 制 度 とし て 確 立 し て い る 。モ の 最 近 の改 訂 版 にう い て は 本 誌 前16 号 に お い て 紹 介 し て い る ので 参 照 さ れ た い 。 会 計 期 間 の期 首 , 期 末 の財 政 状 態 ・ 資 本を 貸 借 対 照 表 は, ( 資 産) =( 負 債) 十( 資 本) ∴( 資 産) −( 負 債) =( 資 本), また , 期 間 の 経 営 成 績 ・利 益 を 損 益 計算 書 は ,( 費 用) 十( 利 益) =( 収 益) ∴( 収 益) −( 費用) =( 利 益) の ご と き 恒 等式 とそ の 移 項 式 に よ り 算 定 し 資 本 が 利 益を 増 殖 す る 関 係に 写 像す る。 財 務 会 計 は こ れ ら の 財 務 諸 表 を 適 正 に 作 成 す る し く み で あ り, ま た , 手 順 であ る。 瓦 ホテル企業の財務会計のしくみと手順 財務諸表を作成する方法には,財産法 と誘導法とがあるが後者に よらなけ れば真実の財務諸表を作成することができない と称さ れている。 誘導法はホテル企業の日々の営業活動を貨幣評価を 通じて「取引」 として 余すことな く伝票に写像する。 そして伝票をデータとし て 複 式 簿記を通じ て分析,分類,総合の計算をす る。第一 の分析計算ゆ取引を財務諸表上のあ い異なる貸借勘定科目間におけ る価額均等の関係に分析する計算を果す もり
14 で あり,第二の分類計算は分析計算 の成果を同一 の勘定科目間における価額 の貸借均等関係に分類替えして勘定科目ごとの残高を算定す る計算を行うも の であり, 第三の総合計算は分類計算に より算定さ れた各勘定科目別の貸借 残を,借方勘定に属する資産,費用 と貸方勘定に属する負債,資本, 収益と の二つに区 分して集計しそ の貸借総額と貸借残高とが合致す るか否かの検算 を 果すものであ る。合致することは必然であり,不一致 とな る場合は偶然で あ り誤りである。合致した場合は,これを もととして決算取引を追加して精 算 表を 作成す る。 以上の計算過程を消え失せない ように保存す るためにこれを 帳簿を用いて 記録す るのである。取引を記録す るものを伝票,分析計算を 記録す る帳簿を 仕 訳帳, 分類計算を記録する帳簿を元帳√ 総合計算を記録す る 帳簿を試算 表 ,精算表と称し記録する計算内容が相違する点から区別 される。 誘導法は,複式簿記の最終計算の記録をする精算表から財務諸表を誘導的 糾作成す るシ ステ ムのことであ り,正しい財務諸表を作成す るための方法で あ る。 X 財務諸 表, 附 属明 細表, コンピ ュータ化 ア ノリ カに おけ る ホ テル会計 の統一 制度 では, 貸 借対 照表, 損益 計算書, 資 金(財政状態)変動 表 の三つ の財務諸 表力t規定 され てい る。 そ の 様式 及び記 載 例 な どに つい て は 本誌 の前号におい て紹 介し てい る。 そ の主 要な科 目に関 して は,Bl ∼B20 まで の附 属明細表 の作成が 要求さ れてい る。 こ こで は紙面
の 関 係上割 愛す る ので, Uniform System of Accounts for Hotels, 7thRevised Edition. また は, 拙著『近代 ホテル会計 』(同文舘発行) を 参照さ れたい 。 ホ テル企業 会 計は当 初 ソlこ=・バン, 帳簿 などを用 具 とし て手 作業 でお こなわ れて 来 たが, 次第に 計算 機, タイプ ライ ターな どを 手段 とす る機械 作業で果 さ れ るもの とな り, 現在で は コン ピ ュー タ<O普 及に 伴 って 自動 作業 として 展 開 さ れ るも の とな るに 至 ってい る。 コソ ピ ュ ー タを 適用 す る場合に おいて 注意し なけ れば な らない こ とは,デ ー タ・伝票を 正 確√迅 速に作 成す るシ ステ ムを 先ず 確立す るこ とであ る。 デ ー タ処 理が機 械的 速 度か ら電 子的 速度に 変 るので ,モ0 速度に 照 応す る よう
現代ホテル企業の財務会計 15 に デ ータの入力 が 果さ れなけ れ ば コンピa. ータの遊 休化を 生 じ 無駄 な費用 の 発生 とな る。 シ ス テ ムの設定 に際 し ては, 旧 来の事務 処 理方 法を 根 本的に 再 検 討し, 能率 的 な 事務処 理方 法 に改 善してお く必 要があ る。 コV ピA タは 教え た こ と,つ ま りプ1==lグラ ムを 作 成 し入力 してや った 仕 事は,極 め て正 確迅 速 に処 理で き るが然 らざ る仕事は 全然 で きない, そ こで 必要 とす る財 務 諸表 や附 属 明細 表を 如何にし て,体系 組 織的 に 作成 するか の 手順 を決定 し プ1==・グ ラム化を実 施 しなけ れば ならない が, こ のた めには 時 間 と人手 とを ホ目当 必要 とす る。 コンピ ュ ータの購入 に当 って は, 自 企業 が必 要 とす る情報を 最 も適 切に処 理し て くれ るの は 如 何な る メ ーカ ーのど のコン ピa- タ・シ ステ ムが最 適 で あ るかを 十分 研 究し て お くこ とが 肝要であ る。 XI お わ り に 本稿にお い ては, 現 代 ホテ ル 企業に必 要不 可欠な財 務 会 計につ いて, 紙面 の許す 範 囲で 要約 し叙 述し てき た。 ホテル 企業 自 体 とそ の写 像物 として の ホテル企業 会 計 とは 全 く別 個の もの であ る から 峻 別し なけ れ ばなら ない が, ホテル 企業 会 計 の写像 な くしては ホ テル企業そ れ 自体を 科 学的に 認 識し測定す るこ とが不 可 能な こ とについ て, 若干 の考察を 試 み た次 第であ る。 ニ (1980年9 月16日受理)