Title
Research on Cause of Dam Failure under Viewpoint of Hydraulic
Fracturing( 内容と審査の要旨(Summary) )
Author(s)
TRAN DUY QUAN
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(農学) 甲第720号
Issue Date
2019-09-20
Type
博士論文
Version
ETD
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/79034
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氏 名(本(国)籍) TRAN DUY QUAN(ベトナム社会主義共和国) 学 位 の 種 類 博士(農学) 学 位 記 番 号 農博甲第720号 学 位 授 与 年 月 日 令和元年9月20日 研 究 科 及 び 専 攻 連合農学研究科 生物環境科学専攻 研究指導を受けた大学 岐阜大学
学 位 論 文 題 目 Research on Cause of Dam Failure under Viewpoint of Hydraulic Fracturing (水理破砕の観点によるダム破壊の原因に関する研 究) 審 査 委 員 会 主査 岐阜大学 准教授 西 山 竜 朗 副査 岐阜大学 教 授 西 村 眞 一 副査 静岡大学 准教授 今 泉 文 寿 副査 岐阜大学 教 授 千 家 正 照
論 文 の 内 容 の 要 旨
農業用ダムの多くはフィルダムであるが,浸食や漏水などによって危険な状態にあるも のが少なくないと考えられる。フィルダムはどのような基礎地盤でも築造が可能であり,且 つ材料費などのコストが低いなど多くの利点がある。その反面,越流に対しての抵抗力がな く,内部浸食を受けやすいなどの問題がある。このうち内部浸食による漏水の原因の一つと して,水理破砕(Hydraulic Fracturing)があげられる。水理破砕はダムの貯水量の増加に伴 う水圧の増加によって,ダム堤体内に存在する亀裂や異物間の隙間に圧力が作用し,押し広 げられることによって発生する破壊の現象である。本研究はフィルダムにおける水理破砕 発生の危険性を有限要素法による解析と室内実験で検討するとともにその対策を検討した ものである。 2006 年 10 月にベトナムの中心地に建築された KE 2/20 REC ダムは,2008 年から運用さ れたが,その一年後,完全に通常の条件ではあったがダムは放流管の位置で破壊が発生した。 これまでの調査ではダムの破壊原因は浸透によるパイピングであることが示され,破壊原 因をある程度説明することはできたが,パイピングの原因ついて明確にはなっていない。そ こで,本研究では,有限要素法解析を用い,水理破砕の観点からのこのダムの破壊について 検討した。放流管の周囲に作用する応力を算定するために,ダムを 12 層に分割した有限要 素モデルによる築堤解析を行った。この結果,放流管周囲に生じるアーチ作用により放流管 側面に作用する土圧(垂直応力)が低下し,貯水が満水位付近であれば水圧よりも小さくな った。したがって,放流管周囲の土圧の低下により放流管と築堤材の間に水が入り込みパイ ピングの原因となったと考えられた。また,水理破砕の原因の一つに放流管の形状であるこ とを示し,水理破砕の生じにくい形状を有限要素法によるシミュレーションにより検討した。その結果,一般的に用いられている側面勾配 0.1~0.3 台形形状よりも側面勾配が 0.4 以上である形状が有効であることを示した。 圧縮によるせん断亀裂の発生については過去に多くの実験がなされているが,水理破砕 の原因となりうる引張による縦方向の伸び亀裂の発生および進展についての実験は多くは ない。そこで本研究では,弾性係数の異なる粘性土供試体を重ねて圧縮することにより水平 方向の限界伸びひずみをデジタル画像相関法により計測する室内実験を行った。その結果, 鉛直方向の圧縮力により弾性係数の大きな部分が弾性係数の小さい部分により水平方向に 伸張され,鉛直方向に伸び亀裂が生じることが分かった。また,限界伸びひずみ(亀裂が生 じる時の伸びひずみ)が過去に行った直接引張試験による限界伸びひずみとほぼ一致する ことを示した。このことは水理破砕の原因となる亀裂発生の推定に有効と考えられる。
審 査 結 果 の 要 旨
申請者 TRAN DUY QUAN はフィルダムにおける漏水や決壊の原因の一つとされ る水理破砕の発生原因とその対策について有限要素法による解析と室内実験により検 討した。解析では初期湛水から1 年後に決壊したベトナムの KE 2/20 REC ダムを対 象とし,放流管の断面を含むダムの縦断面における応力 - ひずみ状態をシミュレート するために,ダムを12 層に分割した FEM モデルによる築堤解析を行った。その結 果,放流管周囲に作用する垂直応力が低く,貯水が満水位になると水圧が放流管周囲 の土圧を上回ることにより水理破砕が生じる危険性があることを示した。また,水理 破砕の原因の一つに放流管の形状であることを示し,水理破砕の生じにくい形状を有 限要素法によるシミュレーションにより検討した。その結果,一般的に用いられてる 側面勾配0.1~0.3 台形形状よりも側面勾配が 0.4 以上である形状が有効であることを 示した。さらに,室内実験では弾性係数の異なる粘性土供試体を重ねて圧縮すること により水平方向の限界伸びひずみをデジタル画像相関法により計測し,その結果が直 接引張試験による限界伸びひずみとほぼ一致することを示した。このことは水理破砕 の原因となる縦亀裂発生の推定に有効と考えられる。 基礎となる学術論文
1) Duy Quan Tran, Shinichi Nishimura, Masateru Senge and Tatsuro Nishiyama: RESEARCH ON CAUSE OF DAM FAILURE FROM VIEWPOINT OF HYDRAULIC FRACTURING – CASE STUDY OF A DAM FAILURE IN VIETNAM-. International Journal of GEOMATE 14(41), 86-94, 2018.
2) Duy Quan Tran, Shinichi Nishimura, Masateru Senge and Tatsuro Nishiyama: EFFECTS OF CULVERT SHAPES ON POTENTIAL RISK OF HYDRAULIC FRACTURING ADJACENT TO CULVERTS IN EMBANKMENT DAMS. International Journal of GEOMATE 15(52), 38-44, 2018.
既発表学術論文 該当なし