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風疹と麻疹

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Academic year: 2021

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風疹と麻疹

風疹(三日はしか)

風疹は、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴と するウイルス性発疹症です。近年国内において もその発生は減少傾向にありますが、先天性風 疹症候群予防のために、妊娠可能年齢およびそ れ以前の女性に対するワクチン対策が重要な疾 患です。 症状 春先から初夏にかけて多く、風疹ウイル スへの感染から 14-21 日の潜伏期間の後、発 熱、発疹、リンパ節腫脹(ことに耳介後部、後 頭部、頚部)が出現します。発疹は小さな紅斑、 あるいは紅色丘疹で、全身に拡大します。リン パ節は発疹の出現する数日前より腫大し、3-6 週間位持続します。結膜の軽度の充血や口蓋粘 膜の出血斑、肝機能障害などが見られることも あります。通常は予後良好な疾患ですが、稀に 血小板減少性紫斑病(3,000-5,000 人に 1 人)、 脳炎(4,000-6,000 人に 1 人)などの合併症が発 生することがあります。また、15-30%程度の人 では不顕性感染で終わるとされています。 風疹に伴う最大の問題は、免疫が不十分な妊 婦が、妊娠初期に風疹ウイルスに感染すると、 感染が胎児に及ぶために、難聴・心疾患・白内 障・精神運動発達遅滞等の障害をもった先天性 風疹症候群児が出生する可能性があることで す。同症候群の発生する確率については、妊娠 20 週までの期間に感染した場合には 20-25%、 特に妊娠 12 週までに限定すると 25-90%と報 告されており、12 週以内の感染の場合に危険性 が高いというのが、世界的に一致した見解とい えます。 予防 風疹を予防するために、弱毒生ワクチ ンが実用化され広く使用されています。我が 国では、平成18 年の予防接種法改正に伴い、 生後 12-24 カ月および小学校入学前 1 年の 男女に、麻疹・風疹ワクチンが定期接種にな っています。さらに、平成20 年 4 月 1 日から 5 年間の期限付きで、第 3 期(中学 1 年生相 当年齢)、第4 期(高校 3 年生相当年齢)にも 麻疹・風疹ワクチンの定期接種が拡大されて います。 ワクチンによる免疫獲得率は 95%以上とさ れています。ワクチンを接種することが適当 でない者として、 (1) 明らかな発熱を呈している者 (2) 重篤な急性疾患にかかっていることが明 らかな者 (3) 本剤の成分によってアナフィラキシーを 呈したことがあることが明らかな者 (4) 明らかに免疫機能に異常のある疾患を有 する者及び免疫抑制をきたす治療を受け ている者 (5) 妊娠していることが明らかな者 (6) 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うこ とが不適当な状態にある者 が挙げられています。また、ワクチン接種後 2ヶ月間は避妊することが必要です。ワクチ ン接種の副反応として、稀に(接種10 万人あ たり0.1-0.3 人)血小板減少性紫斑病が報告さ れています。 学校保健安全法上、紅斑性の発疹が消失する まで出席停止となります。

mini

No.27

滋賀大学保健管理センター(2011.4)

SHR

No.27

(2)

麻疹(はしか)

はしか(麻疹)は、発熱と発疹を主徴とする ウイルス性発疹性疾患です。麻疹ウイルスは病 原性が高く、免疫がない人が暴露を受けると殆 ど感染・発病します。麻疹罹患歴、ワクチン接 種歴のない人ばかりでなく、従来は、終生免疫 が持続するとされたワクチン接種を1 回受けた 人も、その効果がおよそ10 年程度で低下し、感 染・発病する可能性があることが知られていま す。これは患者さんの数が減り、ウイルスに遭 遇する機会が減少したため、折々に抗麻疹免疫 を増強することができないためと考えられてい ます。 症状 麻疹は、感染後に10-12 日の潜伏期を経 て発症します。38℃前後の発熱が 2-4 日間続 き、倦怠感、上気道炎症状(咳嗽、鼻漏)と結 膜炎症状(結膜充血、眼脂、羞明)が現れ、次 第に増強すると共に、特有の小斑点(コプリク 斑)が口腔粘膜に出現します。その後、発熱が 1℃くらい下降して半日後に、再び高熱(多くは 39.5℃以上)が出ると共に(二峰性発熱)、特有 の発疹が耳後部・頚部・前額部より出現し、翌 日には顔面・体幹部・上腕に及び、さらに四肢 末端にまで広がるまで 3-4 日発熱が持続しま す。時に肺炎や脳炎、稀に亜急性硬化性全脳炎 を合併し致命的になる場合もあります。 予防 特異的な治療法がなく、高度弱毒生ワク チンによる予防が最も重要です。麻疹の排除を 目指して、平成18 年から、第 1 期(1 歳児)、 第2 期(小学校入学前年度の 1 年間にあたる児) の2回の定期接種が開始されました。さらに、 平成20 年 4 月 1 日から 5 年間の期限付きで、 第3 期(中学 1 年生相当年齢)、第 4 期(高校 3 年生相当年齢)に、原則として麻疹・風疹ワク チンの定期接種が拡大されています。 ワクチンによる免疫獲得率は95%以上とされ ています。また、麻疹患者と接触してから3 日 以内にワクチンを接種することにより、発病を 予防できる可能性があります。従来、麻疹罹患 者の10 万人に 1人程度の発病率とされていた亜 急性硬化性全脳炎に関して、1989 年から 91 年 までの米国における流行で、麻疹罹患者10 万人 に22 人程度の発病率であったこと、この脳炎に ついても、ワクチン接種が有効と推測されるこ とが報告されています。なお、ワクチンを接種 することが適当でない者としては、風疹とほぼ 同じ者が挙げられています。 学校保健安全法により、解熱後3日を経過す るまでは出席停止となります。 週 ご と の 麻 疹 発 生 数 平 成 2 0 年 平 成 2 2 年 発 症 者 数 1 1 ,0 0 5 4 5 7 国 立 感 染 症 研 究 所 感 染 症 動 向 調 査 に よ る

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