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製品紹介/特許紹介

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Academic year: 2021

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61 2006.2

■製品の特徴

(1)独自の両面受光型太陽電池セルの使用により,表面 と裏面の両方の受光で発電でき,年間電力量は従来の片 面受光型の1.2∼1.5倍 (2)太陽電池モジュールでは,表面と裏面の保護材にガラ スを使用しており,採光性・意匠性・耐候性・信頼性に優 れる。 (3)垂直設置により,ポール設置方式やフェンス一体方式 など新しい利用が可能

■両面受光型太陽電池セルの概要

量産を開始した両面受光型太陽電池セルは,B3セルと 称するBSF(Bifacial Cell with Boron Diffused Back Surface Field:裏面全面ボロン拡散)型である。薄型単結 晶シリコン基板(p型,125 mm角,厚さ205 m)の表・裏側 両方の表 ひょう 面 め ん はエッチング処理によるピラミッド形状の構造を 持ち,入射光の反射を抑制できる。また,表面にはリン拡散 で表 ひょう 面 め ん 近傍にn+ p接合が形成され,裏面には全面にボロン 拡散によるp+ 層でBSFが形成されている。B3セルは,表面 が負極,裏面が正極となっているが,電極は表裏両面とも グリッド状に印刷焼成しているため,外観は両面とも同一意 匠となっている。 現行製品では,B3セル表面には反射防止膜を付けてい ないが,光電変換効率は表面13%,裏面10%(B3セル1枚 当たりの電気出力は,表面1.93 W,裏面1.49 W)で,表面 に対する裏面の変換効率の比(Bifaciality)は0.8である。

■両面受光型太陽電池モジュールの概要

通常,太陽電池セルは,機械的強度や耐候性の観点か ら,光透過性に優れた表面保護材として熱処理強化され た白板ガラスで封止し,パネル様の太陽電池モジュールに 成型されて使用される。 両面受光型太陽電池「SOLAZUREシリーズ」では,太 陽電池セルの表・裏の両面をガラスに挟み込んで封止した ダブルガラス型のモジュールを標準製品としてラインアップし ている。ダブルガラス型で耐候性に優れ,高信頼であること に加え,採光性の高さとB3セルの裏面意匠性から,カーテ ンウォールなどの建材利用に適したモジュールである。

両面受光型太陽電池「SOLAZUREシリーズ」

品 紹 介

日立製作所は,世界に先駆けて両面受光型太陽電池の量産技術の開発に取り組み,2005年から

本格的な量産を開始した。自然エネルギーを活用する太陽光発電は,わが国はもちろんのこと,世界各

国で地球温暖化や化石燃料枯渇問題の対策として導入が進められている。両面受光型太陽電池は,

従来の片面受光型のように南向き斜めに位置が限定されることがなく,垂直に設置できるため,フェンス

のように縦型で使用するなど,太陽光発電の利用をこれまでなかった分野へ広げることができる。

表面 裏面 セルの外観 セルの断面構造 表面電極 (−極) 裏面電極 (+極) 酸化膜 n+ (リン拡散) p+ (ボロン拡散) p型 シリコン基板 モジュールの外観 モジュールの断面構造 ポール設置方式 (愛知万博日立グループ館) 両面受光型セル 表面保護材 (白板熱処理ガラス) 裏面保護材 (白板熱処理ガラス) 封止材 フェンス一体方式 愛知万博新エネルギー・産業技術 総合開発機構(NEDO)実証研究設備 型式名称 電気出力 (表) 72 W 80 W 96 W (裏) 55 W 62 W 74 W 開放電圧 (表) 20.6 V 22.9 V 27.5 V (裏) 20.4 V 22.6 V 27.2 V 短絡電流 (表) 5.0 A 5.0 A 5.0 A (裏) 3.7 A 3.7 A 3.7 A HB3M-36 HB3M-40 HB3M-48 モジュールの主な仕様 両面受光型太陽電池セルの外観と断面構造 ダブルガラス型モジュール

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2006.2 62

■垂直設置方式の発電特性

一般的に太陽電池モジュールは,年間発電量を最大化 するために,南向き方位で設置場所の緯度に応じた角度 に傾斜して設置される。 これに対し,両面受光型太陽電池の場合は,垂直に設 置することで方位を問わず年間を通した発電電力量がほぼ 一定となるため,電力量は従来の片面受光型太陽電池の 1.2∼1.5倍となる。また,年間発電量が設置方位によらず一 定であり,片面受光型の最適傾斜設置の場合と同等の発 電量を得ることができる。したがって,設置方位に南向きの 制限がなくなるとともに,設置に必要な面積も減少でき,立 地制約を緩和できる。さらに,積雪寒冷地では,(1)受光面 に雪が積もらない,(2)モジュール温度が低いので大きな発 電量が期待できる,(3)積雪の反射光も発電に有効である などの利点がある。以上のように,垂直設置方式により, ポール設置方式やフェンス一体方式など,新しい利用形態 が可能になる。

■今後の展望

両面受光型太陽電池「SOLAZUREシリーズ」は,屋上 緑化製品・システムと組み合わせることにより,ビルの屋上 フェンスや鉄道・高速道路の遮音壁をはじめ,牧場,農地, 空港,港湾などの施設敷地の有効利用への寄与が考えら れる。現在までのところ,ビル屋上フェンス,歩道橋などの安 全手すり,ポール搭載型独立電源などへの設置形態が中 心であるが,ビル壁面のファサードやカーテンウォールといっ た建材利用も含めた分野への拡大が期待できる。 製品紹介ホームページ http://www.pi.hitachi.co.jp/solazure/index.html 問い合わせ先 日立製作所 日立事業所 明日を創る本部 太陽光発電センタ 担当:中原 〒317-8511 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 TEL(0294)55-5455(代) (Bifaciality=1.0) (Bifaciality=0.9) (Bifaciality=0.8) (Bifaciality=0.7) 片面受光(30゜傾斜設置) 片面受光(垂直設置) 両面受光(垂直設置) −90 −60 −30 0 方位角(゜ ) 年間発電量 k Wh/m 2) 30 0 25 50 75 100 125 150 175 200 225 60 90 西 注2 : Bifaciality(表面の変換効率に対する裏面の変換効率の比) 注1: 年間発電量(水戸地点での計算例) ビル屋上の緑化構想 高速道路の遮音壁構想 愛知万博新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 実証研究設備 両面受光型太陽電池の応用例

参照

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