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(93)
氏名(生年月日)
本 籍
学位の種類
学位授与の番号
学位授与の日付
学位授与の要件
学位論文題目
論文審査委員
ハス ヌマ トモ コ
蓮沼智子(昭和3
博士(医学)
三三1439号
平成6年2月18日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
CD4 V3/V4領域に対するモノクローナル抗体のHIV-1感染抑制効果の検討
(主査)教授 出村 博
(副査)教授 高桑 雄一,金野 公郎
論 文 内 容 の 要 旨
目的
Human immunode丘ciency virus type-1(HIV-1)
はCD4分子のV1領域と結合し細胞内に侵入すること
が知られているが,CD4分子の他の領域がHIV-1感染
において何等かの役割を担っているかは未だ不明であ
る.本研究において,この分子のV3/V4領域の, HIV-
1感染における役割について検討するため,以下の実験
を行った.
方法
1.ヒトリコンビナント可溶性CD4(以下rs CD4)
を,BALB/cマウスに免疫し, V1~V4領域のrs CD4
で反応するが,V1~V2領域のrs CD4とは反応しない
6つのモノクローナル抗体を得た.
2.各抗体のHIV-1感染抑制試験として,ヒト正常
リンパ球にHIV-1を感染させ,前述の6つのモノク
ローナル抗体添加培地を加え,培養後3,7,10そし
て14日の培養上清中のHIVp24抗原量を測定した.
AIDS患者のリンパ球でも同様の検討を行った.
3.各モノクローナル抗体によるgp 120とrs CD4と
の結合阻害性の検討として,CD4陽性細胞にモノク
ローナル抗体を反応させた後,rgp 120の結合能を
ELISA readerで測定した.さらにHIV-1発現B細胞
株にrs CD4を結合させた後, FITCでラベルした抗体
の結合能をフローサイトメトリーで測定した.
4.シンシチウム巨細胞形成の阻害試験
CD4陽性細胞にHIV-1 vacciniaを感染させ,さらに
各抗体を添加した.翌日,シンシチウム細胞を鏡視下
でカウントした.HIV-1感染細胞とCD4陽性細胞の混
合培養の系でも同様の検討をした.
結果
1.上記の方法にて6つの抗体が得られた.
2.このうち2つは,正常リンパ球へのHIV-1感染
およびAIDS患者のリンパ球でのHIV-1の増殖にお
いて明らかな抑制効果が認められた.
3.この2つの抗体は,gp 120とCD4との結合部位
でないところを認識していることがわかった.
4.さらにこれらの抗体は明らかなシンシチウム形
成の抑制効果を示さなかった.
考察および結論
以上の結果より,CD4 V3/V4領域に対するモノク
ローナル抗体のうち,あるものはin vitroでHIV-1感
染抑制効果が認められることが明らかとなった.これ
らの抗体はCD4とgp 120の結合を阻害せず,さらに,
シンシチウム形成も抑制しなかったことより,HIV-1
がCD4陽性細胞に侵入するとき,既知の結合部位であ
るV1領域だけでなく,V3/V4領域も深く関わってい
ることが示唆された.
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論文審査の要旨
Human immunode丘ciency virus type-1(HIV-1)はCD4分子のV1領域と結合して細胞内に侵入すること
が知られているが,CD4分子の他の領域がHIV-1の感染においてどのような役割を担っているかは未解明であ
る.本論文ではCD4分子のV3/V4領域の役割を検討するためこの領域のCD4と反応する6つのモノクローナ
ル抗体をつくった.このうち2つの抗体は正常者およびAIDS患者のリンパ球におけるHIV-1の増殖を明ら
かに抑制した.またこれらの抗体はCD4とgp 120の結合を阻害せず,さらにシンシチウム形成も抑制しなかっ
た.以上により宜IV-1がCD4陽性細胞に侵入するとき,既知のV1領域のみではなく,V3/V4領域も深く関わっ
ていることを明らかにしたもので学術上価値ある論文である.
主論文公表誌
CD4 V3/V4領域に対するモノクローナル抗体の
HIV-1感染抑制効果の検討
東京女子医科大学雑誌第63巻第11号
136H366頁(平成5年11月25日発行)蓮沼智子
副論文公表誌
1)Region of the CD4 molecule not involved in
virus binding or syncytia formation are
required for HIV-1 infection of lymphocytes
(リンパ球へのHIV-1感染でウイルス結合やシ
ンシチウム形成に関与しないCD4領域). J Im-
munol 148(6):184!-1846(1992)Hasunuma
T,Tsubota H, Watanabe M, Chen ZW, Lord
CI, Burkly LC, Daley JF, Letvin NL
2)Simian imrnunode丘ciency virus-speci且。
cytotoxic T lymphocytes are present in the
AIDS-associated skin rash in rhesus monkeys
(サル免疫不全症候群ウイルスによる皮疹患部
より得られたウイルス特異的細胞性T細胞).J
Immuno1149(2):728-734(1992)Yamamoto
H,Ringler DJ, Miller MD, Yasutomi Y,
Hasunuma T, Letvin NL
3)Selective inhibition of cytotoxic T
lymphocyte proliferation by Mizoribine
(Bredinin),an adenosine analog(アデノシン
誘導体であるミゾリビンめ細胞性T細胞に対
する選択的抑制).Purine and Pyrimidine
Metabolism in Man VI, Pt. A 253A:
455-460(1989)Hasunu舶a T, Yamanaka H,
Terai C, Miyasaka N, Kamatani N, Nishioka
K,Mikanagi K
4)Rheumatic manifestation of human leukemia
virus infection(ヒト白血病ウイルス感染によ
る関節症状).Rheum Dis Clin North Am
19(2):489-503(1993)Nishioka K, Nakajima
T,Hasunuma T, Sato K
5)Overgrowth of human synovial cells driven
by the human T cell leukemia virus type l tax
gene(ヒトT細胞白血病ウイルスtax遺伝子に
よるヒト滑膜細胞の増殖機構).JCIin Invest
92(1):186-193(1093)Nakajima T, Aono H,
Hasunuma T, Yamamoto K, Maruyama I,
Nosaka T, Hatanaka M, Nishioka K
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