• 検索結果がありません。

PSA手法による交通事故推計と事故対策評価

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "PSA手法による交通事故推計と事故対策評価"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1998年反日本オペレーションズ・リサーチ学会 秋季研究発表会

P−2

PSA手法による交通事故推計と事故対策評価

東芝アドバンストシステム(株) 01009680東芝アドバンストシステム(株) 01506100東芝アドバンストシステム(株) 01002750政策研究大学院大学政策研究科 1.はじめに PSA(確率論的安全評価またはPRA)はこ宇 宙、原子力などの巨大システムの安全性(リス ク)を定量評価する目的で開発・整備された手 法であり使用実績もある。ところで安全評価の 対象は人工物に限らず人間の作った制度∴ テムのもたらす社会現象にも応用できる。一そこ で、PSAの応用として、交通事故死という現象 の定量的鳥轍を可能とする“交通事故死亡者数 決定ツリー” を作成した。このツリーをもとに すれば、現状の安全対策を含めた効果の定量評 価が図れるであろう。 ドイツなどでは、交通事故による死亡者数削 減のため、救急ヘリコブターを導入して交通事 故死亡者数を大幅に削減することに成功してい る。本稿でも、・例として救急ヘリコプターを導 入した場合の効果についても検討を加えた。 ★ 沼大平大

田内本山

雅正経遠

宏俊幸雄

NUMATA Masahiro

OHUCHI Masatoshi

HIRAMOTOTsuneyuki OYAMA Tatsuo ニ輪車 自転車 乗車中 乗用中 歩行中 1991人 1121人 2987人 自動車乗車中 4550人 図2 交通事故状態別死亡者の内訳 本稿では、一一番多い東車中の死亡者と乗車中 の重傷者数のデータを合計し(約31000人)、 死亡者数及び重傷者数を経過別に推計するモデ ルとして、交通事故死亡者数決定ツリーを作成 した(図3)。これは、死亡者と重傷者の合計数 をもとに、以下に示す項目の分岐を与え重傷者 数と死亡者数を推計したものである。 交通事故の場合、以下の事象が生死を分ける 可能性があるので分類の着眼■点とした。 ①シートベルト着用 シートベルト着用か非着用か。特に乗用屠甲 場合決定的である。 ②現場状況 現場の状況が即死状態か否か。 ③応急処置 応急処置が適切であるか否か。 ④収容時間 病院までの収容時間が短いか否か。 ⑤病院での処置 病院での処置が適切か否か。 重傷か死亡かの分叛は、図3めバ ている通り、以下の基準とした。 死亡:シートベルト着用非着用闘、かわうず 即死する場合と、即死には至らないが上記の③ ④⑤のそれぞれに失敗(ツリーの下方た分岐)‘ した場合 (千人.件) 1000 90 800 700 600 500 400 300 200 100 .0 事故件数(左目盛) 死亡者敷(右目盛) l_____…__ −_ = ■ −■ = ヽ − − − 一 」≡ 二・匡 の 一丁) の の の 采 冨 の の 図1交通事故発生状況

2.事故死亡考数、重傷者数の推計

(1)交通事故死七草数決定ツルーの作成 交通事故発生状況を図1に示す。交通事故に ょる死亡者はここ数年は年間約1万人で推稜し

■l ている。1995年の状態別交通事故死亡者数を図

2に示す。自動車乗車中による死亡者数が一一番 多く、約4550人と全体の約42%を占めている。 −84− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(2)

死一事曹 ■瞑での 合計 l l l l ∈ l F ・こ・ = ヽ 死亡 3 l.1E−0l 5 12 Ⅷ ユ.1∈◆01 0.5E−01 死亡 8 3.0∈一02 死亡 死亡 2 ユ.0E−Ol 暮廿 lt3 死亡 重傷 l 死亡 死亡 15E◆03 前に評価することができる。具体的には、各確 率値をある割合だけ変化させるの七必要なコス トを別途、モデルあるいは実験などから求め、 またその場合の死亡者数の変化をこのツリーか ら求めることによって、効果対コスト比として

把握できる。

都市計画や道路計画に織り込む対策は事象A に反映できる。車自体の安全の高度化、交通安

全教育の効果は事象A,Bに反映できよう。救急

救命士、医師の同乗については事象Dに、消防

署、病院、救急車の配置は事象Eに、高度交通 外科普及の効果は事象Fに反映できる。 (2)救急ヘリコブター導入の評価 救急ヘリコブタ⊥導入の効果を、作成したツ リーを用いて評価してみる。ツリー上の「非許 容収容時間となる確率」の値を50%減あるいは 70%減と.してこの効果を表現してみると、約 4500人であった死亡者数が、それぞわ、約3500 人、.約3100人に減少するという結果が得られ た。コストについては別途調査検討が必要であ る。 4.まとめ 本稿では自動車乗車中の事故を対象としたが、 他の“歩行中”などについて同様のツリー−を作 成することは容易である。 今後の課題は以下の通りである。 i)交通事故死亡者数決定ツリー構造の精緻化 ii)ツー」一における分岐確率値の確定 iii).事故対策の評価のためのツリーの適用方法 の具体的検討 さらには、作成したツリーの表明をこのよう に工夫改良して、多く を総合的に把握し、認識するのに役立つフレー ムワークにまで発展させたい。 参考文献

[1]Henly,EJ.aムdK、Imam。t。,

H.,:“ProbabilisticRiskAssessIT)ent.1. IEEE.Pre$S(1992) [2]総務庁編“交通安令白書†’∵ て平成9年 版).1997 [3]交通事故総合分新センター “交通事故統計年報M(平成7年版).1卵6 [4]小川和久“ヘリはなぜ飛ばなかったか” 文整春秋,19b8 死亡 45E−03 宰きミ…≧……; 図3 事故死亡者数決定ツリー (注)分岐1,2が従来の交通事故分析に関係する (2)分岐確率の推定 分岐確率の推定は、以下の考え方とした。 ・推定した分岐確率 シートベルトの着用確率及び現場状況で即死 となる確率は実績データを分析して求めた。収 容時間については、救急車の到着時間実績デー タの分布から、非許容収容時間となる確率とし て求めた。 ・想定した分岐確率 応急処置及び病院での処置が適切か否かの確 率は推定が難しいため想定した。 (3)死亡者数及び重傷者数の推計

約31000人の死亡者と重傷者の合計を、交通

事故死亡者数決定ツリーを用いて推計した。そ の結果、死亡者が約4500人、重傷者が約27000 人となった。このように、ほぼ実績に近い死亡 者数及び重傷者数に合わせることができた。 ツリーで推計した死亡者数をみると、シート ベルトを着用していないがため即死してしまう パスが最多である。次に重要なのは収容時尚が 長いために死亡に至るパスである。逆に収容時 間の短縮が死亡者削減に有効であると言・える。 このことは、ドイツで救急体制に救急ヘリコア タ ̄を導入して死亡者削減に成功したことから も、十分想定できる。 3.事故対策の評価 (1)交通事故死亡者数決定ツリ「の応用

作成したツり⊥を用いると、1各種の対策を事

−85− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

参照

関連したドキュメント

事象発生から 7 時間後の崩壊熱,ポロシティ及び格納容器圧力への依存性を考慮し た上面熱流束を用いた評価を行う。上面熱流束は,図 4-4 の

評価する具体的な事故シーケンスは,事故後長期において炉心が露出す

事象発生から 7 時間後の崩壊熱,ポロシティ及び格納容器圧力への依存性を考慮し た上面熱流束を用いた評価を行う。上面熱流束は,図 4-4 の

3.3.2.1.3.1 設置許可基準規則第 43 条第 1 項への適合方針 (1) 環境条件及び荷重条件(設置許可基準規則第 43 条第 1 項一).

地震 L1 について、状態 A+α と状態 E の評価結果を比較すると、全 CDF は状態 A+α の 1.2×10 -5 /炉年から状態 E では 8.2×10 -6 /炉年まで低下し

(Ⅱ) 貫通部での除染係数と実機への適用」 (渡部氏(Japan Nuclear Energy Safety Organization) ,山田氏,大崎氏(Toshiba Corporation)

実験に使用した装置を図 1 に示す。装置は照射容器,液相循環ライン,気相サンプリング ライン,ガス注入ライン等から成る。照射容器はステンレス製で,容量は

水難事 故時にパ ニックにな らず対処