Kobe Shoin Women’s University Repository
Title 追悼の辞
Author(s) 学長 黒澤一晃
Citation
キリスト教論藻（KIRISUTOKYO RONSO）Bulletin of the Institute for Research of Christian Culture，No.18： 1-2
Issue Date 1985
Resource Type Bulletin Paper / 紀要論文
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追
悼
の
辞
学長 黒 澤 一 晃 私 ど もの 敬 愛 す る花 木 正 和 先 生 に は 、 昭 和60年6月28日 逝 去 され ま した 。 ま こ とに 痛 恨 の 極 み で あ りま す。 享 年 わ ず か60歳 で あ りま した 。 先 生 は 、 昭和23年 京 都 大 学 文 学 部 文 学 科 を ご卒 業 後 、 昭 和24年9月 よ り松 蔭 女 子 学 院 に奉 職 さ れ 逝 去 さ れ る 日 ま で36年 の 長 きに わ た っ て 、 研 究 と学 校 行 政 の 両 面 に お け る そ の ご業 績 をつ う じて 学 院 の 発 展 に献 身 され ま した 。 先 生 は 、本 学 『研 究 紀 要 』創 刊 号 に 、「ア ル ベ ー ル ・カ ミュ にお け る《1'absur-de》 の 思 想 」 と題 す る論 稿 を発 表 され て 以 来 、 その 主 要 論 文 の 大 部 分 を 本 学 『研 究 紀 要 』 な ら び に 本 学 『文 林 』 に寄 稿 され ま した。 先 生 の 学 者 と して の 主 た る研 究 領 域 は 、 フ ラ ン ス の近 代 詩 と りわ け ボー ドレー ル 、 ラ ン ボ ー を 中 心 とす る フ ラ ン ス象 徴 主 義 の 詩 人 お よ び わ が 国 の 近 代 拝 情 詩 人 の 研 究 で あ り ま した が 、 と くに 中原 中 也 に関 す る研 究 業 績 は 学 会 に お い て高 く評 価 さ れ る もの で あ り ま した 。 先 生 は 、 松 蔭 高 等 学 校 部 長 を経 て 昭 和38年 以 降 は 、 同 短 期 大 学 教 授 ・大 学 教 授 を 歴 任 さ れ ま した が 、 そ の 間 、松 蔭 女 子 学 院 理 事 ・常 務 理 事 と して学 院 の 運 営 に 当 た られ る一 方 、 大 学 設 置 準 備 委 員 長 と して 大 学 新 設 の 中 心 と して 活 躍 さ れ ま した 。 大 学 発 足 と と もに 、 学 生 部 長 ・総 務 部 長 ・教 務 部 長等 を 兼 務 され 、 昭 和51年4月 よ り大 学 ・短 期 大 学 副 学 長 の 要 職 に つ か れ 、 その 任 期 満 了 の 同57年4月 か ら は 、 本 学 建 学 の精 神 の 具 現 化 の 一 環 と して 設 立 され た 「キ リス ト教 文 化 研 究 所 」 の 初 代 所 長 に就 任 さ れ 、 本 学 の 発 展 は も と よ りわ が 国 に お け る高 等 教 育 の 発 展 の た め に その 情 熱 を傾 け られ たの で あ りま す。 この30有 余 年 の長 き に わ た って 、先 生 は身 を も って 学 者 ・教 育 者 と して の 範 を示 さ れ ま した。 その 人格 の 高 潔 、 学 識 の 深 淵 、 教 育 に捧 げ る情 熱 は 、 学 生 ・同僚 教 職 貝 の 等 し く尊 敬 す る とこ ろで あ り ま した 。 先 生 の この よ う な ご功 績 に 対 して 、 昭 和60年7月26日 、政 府 よ り正 六 位 勲 1四 等 瑞 宝 童 が 遺 贈 さ れ ま した が 、 わ れ わ れ も また 先 生 の 生 前 の学 問 的 ご功 績 を 讃 之 る と と もに 、 先生 の ご 貢 献 に対 す る感 謝 の 念 を こ め てS謹 ん で 本 号 を r花 木 正 和 先 生 追 悼 号 」 と して 雌花 木 正 和 先 生 に 捧 げ る 次 第 で あ り ます4 {昭 和61年1月20日) 、 。 2
