地 下 鉄事 業 にお け る 関連 事 業
の必 要性 と
経 営 改 革 に 向 け て の考 察
山
田
晃
久
1は じ め に 1.1背 景 と 目 的 地 方 公 営 企 業 の 原 則 は,そ の経 費 負 担 は経 営 に伴 う収 入 を もっ て 充 て な け れ ば な らな い2)と 定 め られ て い る.つ ま り,災 害 の復 旧 そ の他 特 別 な理 由 に よ り一 般 会 計 等 か らの 補 助 を 必 要 と す る場 合 を除 き3),少 な く と も営 業 費 用 と支 払 利 息 が 営 業 収 益 に よ っ て 賄 わ れ な け れ ば な ら な い.し か し,2003年 度 の地 下 鉄 事 業 を 行 う地 方 公 営 企 業9者4)(以 下,「 地 下 鉄 事 業 者 」 とい う) の 総 収 益 が5,443億 円 に対 して,総 費 用 が6,135億 円 に嵩 ん で 純 損 益 が692億 円 の 赤 字`)と な っ て い る こ とか ら地 方 公 営 企 業 法 の 独 立 採 算 原 則 か ら は問 題 が あ る とい え る. この よ うな状 況 か ら地 下 鉄 事 業 者 は,総 務 省 の 指 導 に よ り経 営 健 全 化 計 画 を作 成 して 経 営 再 建 へ 向 け て 努 力 を始 め た と こ ろ で あ る が,そ の 計 画 の 中 に は大 手 私 鉄 やJRが 行 っ て い る 関 連 事 業 に よ る経 営 資 源 の有 効 活 用 に つ い て多 く書 か れ て い ない. これ に対 し,大 手 私 鉄 やJRは 駅 舎 や 鉄 道 線 路 に よ っ て 駅 周 辺 地 域 が 分 断 し,問 題 が 発 生 し て も,公 共 事 業 と して 地 元 行 政 に 費 用 負 担 を求 め,橋 上 駅 舎 化 や 自 由通 路 を 設 置 して解 決 して い る ケ ー ス が あ る.こ の 時 に一 部 費 用 を 大 手 私 鉄 やJRも 負 担 して い る が,橋 上 駅 舎 化 や 自 由 通 路 を多 角 化 した セ ク シ ョン に不 動 産 開発 させ て 関連 事 業 を行 い,そ の費 用 を捻 出す る 経 営 努 力 を行 っ て い る. この よ うに 多 角 化 した 事 業 組 織 の 展 開が 行 わ れ て お り,大 手 私 鉄 を始 め と した 企 業 の 多 角 化 に 関 す る研 究 は 多 数 存 在 し て い る が,地 下 鉄 事 業 につ い て は過 去 に数 例 が あ るだ け で あ る. 本 稿 で は,地 下 鉄 事 業 の 経 営 状 況 を財 務 的 に明 らか に し,単 一 事 業 型 企 業 と し て事 業 活 動 を 1)鉄 道事業の うち,鉄 道運輸 というコア事業以外の周辺事業のこ と. 2)地 方公営企業法第17条 の2第2項 3)地 方公営企業法第17条 の3 4)札 幌市,仙 台市,東 京都,横 浜市,名 古屋市,京 都市,大 阪市,神 戸市,福 岡市の9都 市 5)大 阪市,福 岡市は単年度黒字 となったが,累 積債務 の解消には至 っていない.行 っ て い る 地 下 鉄 事 業 者 に対 して 関 連 事 業 に よ る経 営 資 源 の 有 効 活 用 の必 要性 を論 ず る こ と と す る.ま た,地 下 鉄 事 業 を取 り巻 く規 制 緩 和 や ポ ジ シ ョニ ング に つ い て も併 せ て 紹 介 す る. 1.2本 稿 の 構 成 2章,3章 で は地 下 鉄 事 業 の現 状 を説 明 して 経 営 状 況 を把 握 す る.次 に4章 と5章 で は,東 京 地 下 鉄 株 式 会 社 と名 古 屋 市 営 地 下 鉄 の 経 営 状 況 と関 連 事 業 に よ る増 収 策 の 取 り組 み な ど を紹 介 し,6章 で は,地 下 鉄 事 業 を行 っ て い る地 方 公 営 企 業 にお け る 法 的 規 制 緩 和 の 現 状 を 紹 介 す る.そ して7章 で は,運 輸 事 業 に お け る鉄 道 事 業 の位 置 付 け及 び路 線 拡 大 とそ の 理 想 的 収 入 の 推 移 を確 認 し,そ の収 益 困 難 性 か らの 解 決 策 と してEU連 合 で 採 用 され た上 下 分 離 方 式 を紹 介 して,日 本 に お け る そ の 議 論 の発 生 要 因 を検 討 す る.そ の 上 で地 下 鉄 事 業 の パ ラ ダ イ ム 転 換 に つ い て,そ の 可 能 性 を 考 察 す る.最 後 に8章 で は,経 営 改 革 に 向 け て 経 営 資 源 の ポ ジ シ ョニ ン グ を確 認 し,経 営 改 革 の 必 要 性 と今 後 の 研 究 課 題 を述 べ る. 2地 下 鉄 事 業 の 現 状 地 下 鉄 事 業 は,大 都 市 の 基 幹 公 共 交 通 機 関 と して通 勤 通 学 等 の 輸 送 を担 っ て い る.し か し, 経 営 的 に は 資 本 費 用 が 多 額 で あ る こ とか ら投 下 資 本 の 回 収 に極 め て 長 い期 間 を要 して お り,国 及 び 地 方 公 共 団 体 等 か らの 救 済 措 置 が 講 じ られ て い る状 況 で あ る. 地 下 鉄 事 業 の 推 移 は 図 表1の とお りで あ る.2003年 度 末 に お け る 営 業 キ ロ は,486kmで 1960年 度 末 の18.7倍 とな って い る.ま た,年 間輸 送 人 員 も地 下 鉄 整 備 が 進 む に つ れ て 増 加 し, 2003年 度 末 に27億3,834万 人 とな っ て い る.こ れ を1日 平 均 で み る と750万 人 で,1960年 度 末 の10.5倍 とな っ て い る.地 下 鉄1km当 た りの 建 設 費 は 図 表2に あ る とお り,第1次 オ イ ル 図表1地 下鉄 事業 の推 移
図 表2地 下 鉄 建 設 費6)の 推 移 図表3地 下 鉄 にお け る企 業債8)償 還金 の推 移 シ ョッ ク以 降,建 設 資材 ・工 賃 の 高 騰 か ら急 騰 して い る.こ れ は 資 本 費 負 担 の 増 高 を 意 味 して お り,地 下 鉄 経 営 を圧 迫 す る結 果 と な っ て い る. 2001年 度 以 降 は,国 土 交 通 省 が 策 定 した 「公 共 工 事 コス ト縮 減 対 策 に 関す る新 行 動 計 画 」 に よ り公 共 工 事 の 総 合 的 な コス ト削 減7)を 行 っ た た め,地 下 鉄 建 設 費 は3分 の2に 圧 縮 され た. し か し,企 業 債 の 元 利 償 還 金 は 図 表3に あ る とお り,2003年 度 末 で3,296億 円(う ち 元 金 1,767億 円,利 息1,529億 円)に 達 し,料 金 収 入 に対 す る割 合 は,73.6%と な っ て い る.今 後, 低 金 利 に よ る 支 払 利 息 の 減 少 分 が あ る もの の,少 子 ・高 齢 化 の進 展 に よ り旅 客 の 輸 送 需 要 が 高 ま る こ と は期 待 で きな い状 況 か ら企 業 債 残 高 が 増 高 して い くこ とは 容 易 に推 測 で き,不 良 債 権 額 が 多 額 に積 み 上 が っ て い く極 め て 厳 しい経 営 状 況 に あ る と い え る. この よ うな こ とか ら地 下 鉄 事 業 の 設 立 目的 で あ る公 共 の 福 祉 を推 進 して い くた め に は,早 期 6)該 当年度に開業 した路線の総建設費(土 地,地 上権 の取得 を含 む.)よ り算 出した. 7)地 下鉄建設費は補助金 と起債 によ り資金が用意 されてい るため,財 政再建 に向けての政策 として進め ら れている. 8)借 換 分及 び建設改 良 ・投資以外 に充てた企業債は除 く.
に経 営 上 の 問 題 点 を把 握 し,経 営 の 健 全 化 ・効 率 化 を 進 め て 経 営 の 抜 本 的 な 改 善 を 図 る 必 要 が あ る.特 に 地 下 鉄 の 新 線 建 設 は,国,地 方 自治 体 が 厳 しい 財 政 状 況 に置 か れ て い る現 状 を踏 ま え,将 来 の 地 下 鉄 事 業 の 財 政 運 営 に 多 大 な影 響 を及 ぼ す 可 能 性 が 高 い こ とか ら,地 下 鉄 建 設 計 画 は,必 要 性,需 要 の動 向,採 算 性 を十 分 に検 討 した慎 重 な判 断 が 必 要 とな っ て い る. 3地 下 鉄 事 業 の 経 営 状 況 3.1経 常 収 支 図 表4の とお り,2003年 度 の 地 下 鉄 事 業 の 総 収 益 は5,443億 円,総 費用 は6,135億 円 とな り, 純 損 益 は692億 円 の 赤 字 と な っ て い る.こ の う ち,利 益 が 生 じた事 業 数 は2事 業 者9)あ り,合 わせ て73億 円 の純 利 益 とな っ た.残 る7事 業 者 は,純 損 失 が 生 じて そ の金 額 は764億 円 と な っ て い る.経 常 収 益 は5,441億 円,経 常 費 用 は6,119億 円 と な り経 常 損 益 は678億 円 の 赤 字 と な っ て い る.こ の う ち,経 常 利 益 が 生 じ た事 業 者 も前 述 の2事 業 者 で合 わ せ て71億 円 と な っ た.残 る7事 業 は経 常 損 失 が 生 じ,そ の 金 額 は749億 円 とな っ て い る.経 常 収 支 比 率 は88.9% とな り,依 然 と して多 額 の 経 常 損 失 が 生 じて い る た め 引 き続 き経 常 収 益 の 改 善 に 向 け た 取 り組 み が 必 要 で あ る.な お,全 て の事 業 者 が 累 積 欠 損 金 を 有 して お り,そ の金 額 は2兆832億 円 と な り累 積 欠 損 金 比 率 は437.9%に な っ て い る.ま た,不 良 債 権 も有 す る事 業 者 は7事 業 者 で, そ の 額 は925億 円 に達 して 不 良債 務 比 率 は19.5%と な っ て い る.総 費 用 の う ち減 価 償 却 費 支 払 利 息 の 合 計 が50%以 上 を 占 め て お り,多 額 の 初 期 投 資 を要 す る 地 下 鉄 事 業 の 特 色 を 表 して い る.ま た,地 下 鉄 施 設 の 改 良 工 事 を行 う費 用 は,国 庫 補 助 制 度 と相 ま っ て 各 自治 体 の 一 般 会 計 か ら繰 出基 準 に よ る補 助 金 が 支 出 され て お り,隠 れ た借 金 とな っ て い る. 3.2資 本 収 支 図 表5の とお り2003年 度 の 資 本 的 支 出 の総 額 は5,830億 円 で あ る.こ の う ち,建 設 改 良 費 は2,735億 円 で,企 業 債 償 還 金 は2,736億 円 で あ る.一 方,こ れ に対 す る 財 源 は 企 業 債 が 2,165億 円 で,地 下 鉄 事 業 へ の 補 助 金 等 の 資金 が1,690億 円,損 益 勘 定留 保 資 金 等 の 内 部 資 金 が1,395億 円 の 合 計5,251億 円 で あ る.こ の 結 果,財 源 不 足 額 は601億 円 とな っ て い る. 地 下 鉄 建 設 に お い て も前 述 と同 様 に,国 庫 補 助 制 度 と相 ま っ て各 自治 体 の 一 般 会 計 か ら繰 出 基 準 に よ る補 助 金 が 支 出 され,資 本 的 収 入 の401億 円 が 隠 れ た借 金 と な っ て い る. 9)大 阪市,福 岡市が単年度黒字 となった. -170一
図表5地 下鉄 事業 にお ける資本 収支 の推 移 3.3再 建 団 体 の 指 定 地 下 鉄 事 業 が 本 来 の役 割 を果 た す た め に は,規 制 緩 和 の 進 展,地 方 分 権 の 推 進 国 ・地 方 自 治 体 と と もに極 め て厳 しい 財 政 状 況 に対 応 した 事 業 の 見 直 しを続 け る こ とが 必 要 で あ る. 図 表6に あ る バ ス ・路 面 電 車 の 地 方 公 営 企 業6者 は,地 方 公 営 企 業 法 第49条 の規 定 に基 づ き, 交 通 事 業 準 用 再 建 団体 の 指 定 を受 け て 財 政 再 建 に取 り組 ん だ.こ れ ら の事 業 者 はモ ー タ リゼ ー シ ョンの 普 及 に よ り乗 客 数 が 落 ち 込 み,人 件 費 等 の費 用 を賄 う こ とが で きな くな っ た た め 事 業 破 綻 に至 っ た.こ の 経 緯 を地 下 鉄 事 業 者 は,一 つ の教 訓 と して覚 えて お か な くて は な らな い. また,2004年 に乗 合 バ ス 事 業 の 需 給 調 整 規 制 が 廃 止 され て,競 争 原 理 が 導 入 され た こ と に よ り
路 線 バ ス の参 入 と撤 退 が 自 由化 され た.こ の こ と に よ りバ ス 路 線 が 廃 止 さ れ た 場 合 に,駅 ま で バ ス で 来 て い た 地 下 鉄 利 用 者 が マ イ カ ー に流 出 す る可 能 性 が あ る こ と も忘 れ て は な らな い. これ らの こ とか ら地 下 鉄 事 業 者 は収 支 状 況 を 改 善 す る た め,大 手 民 鉄 やJRの 経 営 と相 互 比 較 を行 っ て 問 題 点 を把 握 し,抜 本 的 な経 営 改 革 を行 わ な け れ ば な ら な い.少 子 ・高 齢 化 の 進 展 や 公 共 交 通 に 対 す る ニ ー ズ の 多 様 化 な どに よ って,旅 客 輸 送 需 要 が構造 的 に 右 下 が り とな る 中 で経 営 改 革 案 を策 定 す る た め に は,こ れ ま で の 就 労 人 口 や 現 在 の小 中 学 生 の 人 口 を十 分 に踏 ま え た よ り厳 しい 見 通 しに 基 づ い た事 業 計 画 が 必 要 で あ る こ とは言 う ま で もな い. 4東 京 地 下 鉄 株 式 会 社 4.1東 京 メ トロ10)の 概 要 東 京 地 下 鉄 株 式 会 社 の 前 身 は,早 川 徳 次 が1927年 に 浅 草 ∼ 上 野 間 で 日本 初 の 地 下 鉄 を 開 業 し,1934年 に 上 野 ∼ 新 橋 間 を延 伸 させ た 「東 京 地 下 鉄 道 株 式 会 社 」 と1938年 に新 橋 ∼渋 谷 間 を 開 業 した 「東 京 高 速 鉄 道 株 式 会 社 」 の2つ の 民 間会 社 が 始 ま りで あ るn).地 下 鉄 建 設 は 巨 額 な 資 金 を必 要 とす る割 に収 益 力 が 低 い た め,新 た な建 設 が 困 難 な状 態 で あ っ た こ とや 戦 時 下 の 政 府 に よ る統 制 の た め,1938年 に交 付 され た 陸 上 交 通 事 業 調 整 法 に基 づ く交 通 事 業 調 整 委 員 会 の 答 申 にお い て,地 下 鉄 の建 設 ・経 営 を 目的 と した特 殊 法 人 を設 立 す る こ と とな っ た.1941年 に 帝 都 高 速 度 交 通 営 団法 に よ り帝 都 高 速 度 交 通 営 団 が 設 立 され,2004年 に東 京 地 下 鉄 株 式 会 社 が 設 立 され る まで8路 線183.2kmを 建 設 した. 現 在 は こ れ らの 路 線 を運 営 しな が ら,池 袋 駅 で 東 武 鉄 道 東 上 線 及 び西 武 鉄 道 池 袋 線 と,渋 谷 10)東 京地下鉄株 式会社であるが,愛 称の 「東京メ トロ」の方が一般的に使用 されているので本論文では, 東京メ トロを使用す る. 11)営 団設立時,上 で述べた路線 とその免許線以外 に京浜地下鉄道㈱及び東京市の免許線 も譲 り受 けて開業 した.
駅 で 東 急 電 鉄 東 横 線 と相 互 直 通 運 転 を 行 う た め,2007年 の 開 業 を 目 指 し て 池 袋 ∼ 渋 谷 間 8.9kmの 建 設 工 事 を行 っ て い る. 帝都 高 速 度 交 通 営 団 は 国 の 交 通 政 策 を執 行 す る機 関 とい う位 置 付 け,首 都 圏 にお け る 地 下 鉄 ネ ッ トワ ー ク の 整 備 拡 充 とい う使 命 を負 い な が ら公 営 交 通 の 運 営 を行 っ て きた.し か し,株 式 会 社 と な っ た 現 在 は ネ ッ トワ ー ク 拡 充 の 使 命 を終 え,鉄 道 経 営 に専 念 して 自 らの 意 思 決 定 に よ り経 営 を行 っ て 完 全 民 営 化 を 目指 して い る.こ の た め,民 営 化 が 決 定 して か ら は民 間企 業 と し て経 済 合 理 性 に 基 づ い た 企 業 経 営 を徹 底 し,自 立 す る に 足 る収 益 を継 続 して確 保 す る た め に コ ス ト削 減 業 務 の 抜 本 的 な見 直 し,新 た な収 益 源 の設 置 な どを行 って きた. 2003年 に は,こ れ らの 成 果 を取 り込 み なが ら 「東 京 メ トロ グ ル ー プ 経 営 計 画 の 骨 子 」 を取 り ま とめ,完 全 民 営 化 時 点 で 鉄 道 界 ト ップ ク ラス の 企 業 と な る こ と を 目標 と した 実 施 計 画 を策 定 した.翌 年,こ の 実 施 計 画 をベ ー ス と した経 営 計 画 「Dash!Tokyo Metro Plan 2006」 を発 表 した. また,民 営 化 に 向 け て職 員 の 関心 や 疑 問 に答 え る冊 子 『営 団 地 下 鉄 民 営 化 キ ック オ フ ブ ッ ク』 を作 成 して全 職 員 に配 布 し,役 員 ク ラス の管 理 職 が 現 業 職 場 を訪 れ て 民 営 化 につ い て 意 見 交 換 を行 っ た.そ して,全 職 場 に配 属 させ た意 識 改 革 リー ダー が 中心 と な っ て 各 職 場 に お け る民 営 化 に向 け て の 目標 を経 営 計 画 と して 策 定 し,同 時 に職 員 の 意 識 改 革,高 揚 を 行 っ た. 4.2東 京 メ トロ の 経 営 状 況 資 本 金 は581億 円 あ り,株 式 は 国 が53.4%,東 京 都 が46.6%を 所 有 して い る.2004年 度 決 算 は,営 業 収 益3,251億 万 円,営 業 利 益659億 円,経 常 利 益435億 円,純 利 益248億 円 とな り, 1株 あ た り47.76円 の 利 益 を計 上 して い る.従 業 員 は8,721人 が 所 属 し,8路 線183.2km, 168駅 を運 営 して1日 あ た りの 平 均 輸 送 人 員 は569万 人 と な っ て い る.大 手 私 鉄 と比 べ て 東 京 メ トロの 事 業構造 は,関 連 事 業 の 規 模 が 極 め て 小 さ く地 下 鉄 事 業 の 割 合 が 大 きい こ とが 特 徴 で あ る.2004年 度 の全 営 業 収 益 の う ち 関連 事 業 に よ る もの が143億 円(4.4%)あ る が,図 表7に あ る とお り,関 連 事 業 収 益 が30%以 上 あ る大 手 私 鉄 に 比 べ て あ ま りに少 な い と い え る. 営 業 収 益 の 大 部 分 を 占 め る地 下 鉄 事 業 に つ い て は,東 京 中心 部 とい う非 常 に人 口 や オ フ ィ ス が 集 中 して い る エ リ ア を営 業 基 盤 と して い る こ とやJR東 日本 や 大 手 私 鉄 と相 互 乗 り入 れ を 行 っ て い る こ と は大 きな 強 み で あ る.し か し,輸 送 人 員 が,長 引 く不 況 や少 子 ・高 齢 化 の 影 響 に よ り1992年 以 降 減 少 して い る こ とは不 安 要 因 で あ る. 1995年 に行 っ た 運 賃 改 定 に よ り継 続 して 純 利 益 を 計 上 す る こ とが で き て い る.こ れ に は 昨 今 の 低 金 利 が 大 き く影 響 して お り,1992年 度 に541億 円 あ っ た 支 払 利 息 が2004年 度 に は246 億 円 ま で 下 が っ て きて い る こ とや1兆82億 円 あ っ た 長 期 債 務 が9,137億 円 ま で 減 っ て きて い る こ とが 収 支 を維 持 して い る一 番 の 要 因 で あ る と い え る. -174一
図表7総 収入 にお ける関連 事業 収入 の割 合 金 利 上 昇 に よ り収 支 逆 転 が 起 こ らな い た め に 更 な る長 期 債 務 の削 減 に努 め,運 輸 収 入 以外 の 収 益 と し て地 下 鉄 駅 構 内 を大 手 私 鉄 の よ う に不 動 産 開発 して 新 た な 収 益 を確 保 す る な ど,財 務 体 質 の 強 化 が 大 き な経 営 課 題 と な っ て い る. 4.3東 京 メ トロ の 関 連 事 業 これ ま で鉄 道 事 業 に よ る収 入 が95%以 上 を 占 め,単 一 事 業 型 企 業 と して事 業 活 動 を行 っ て き た が,関 連 事 業 を収 益 基 盤 の 柱 の1つ に位 置 づ け,多 くの 人 が 集 ま る駅 空 間 を最 大 の経 営 資 源 と捉 え て 関 連 事 業 部 を 設 置 し,ス テ ー シ ョ ンサ ー ビ ス事 業,ビ ル事 業,広 告 事 業,メ デ ィ ア事 業,高 架 下 事 業 の5つ の 事 業 を 中 心 に,新 規 事 業 を含 め た 多 角 的 な 事 業 展 開 を行 っ て い る. グル ー プ会 社 が 設 立 され,関 連 事 業 に 関 わ る子 会 社 と連 携 を取 りなが ら鉄 道 事 業 との 相 乗 効 果 に よ り付 加 価 値 の 高 い 乗 客 サ ー ビス を提 供 し,関 連 事 業 にか か る営 業 収 益 は 図 表8の とお り 推 移 し て い る. (1)ス テ ー シ ョ ンサ ー ビス 事 業 駅 を便 利 に 楽 し く変 え る 「EKIBENプ ロ ジ ェ ク ト」 を推 進 し,乗 客 の 生 活 シ ー ンを サ ポ ー トす る サ ー ビス を提 供 す る.こ れ まで の小 型 売 店 とは 違 う 「メ トロ ピ ア 」 を66店 舗 設 置 し, コー ヒ ー シ ョ ップ,コ ン ビ ニ エ ンス ス トア,ベ ー カ リー シ ョ ップ,理 髪 店,ボ デ ィケ ア,リ ペ ア シ ョ ップ,ATMな ど通 勤 通 学 の 途 中 に気 軽 に使 え るサ ー ビス を提 供 して い る. (2)ビ ル事 業 駅 ビ ル 又 は駅 に 隣接 した場 所 で 不 動 産 事 業 を 行 っ て い る.「 メ トロ シ テ ィ南 池 袋 」 を 始 め
5つ の オ フ ィス ビ ル,「 ベ ル ビー 赤 坂 」 を始 め とす る6つ の 商 業 施 設 等 の 賃 貸 を 行 っ て い る. (3)広 告 事 業 車 内広 告,駅 構 内広 告,イ ベ ン ト広 告 を行 っ て い る.こ の メ デ ィ ア は 東 京 と い う巨 大 マ ー ケ ッ トに対 して 的 確 に ア プ ロ ー チ で きる こ とか ら広 告 掲 出料 も全 国 トップ ク ラ ス で あ る. (4)メ デ ィァ 事 業 光 フ ァイ バ ー ケ ー ブ ル を トンネ ル 内 に敷 設 し,道 路 を掘 削 しな くて も 「ど こか らで も取 出 せ,ど こへ で もつ な が っ て い る 光 ネ ッ トワー ク」 を合 言 葉 に取 り組 ん で い る事 業 で あ る.携 帯 電 話 事 業 者 や 無 線LAN事 業 者 が 駅 構 内 で サ ー ビス を 提 供 す る 際 の イ ン フ ラ と し て も光 フ ァ イバ ー 芯 線 を貸 出 し,無 線 機 器 設 置 ス ペ ー ス の 賃 貸 料 を含 め 高 い収 益 を得 て い る. (5)高 架 下 事 業 地 域 特 性 や 周 辺 環 境 等 を考 慮 して,鉄 道 事 業 と相 乗 効 果 が 期 待 で きる物 件 を設 置 す る. 図表8関 連事 業 にか か る営 業収 益 の推 移 5名 古 屋 市 営 地 下 鉄 5.1市 営 地 下 鉄 の 概 要 戦 前 よ り名 古 屋 圏 に お け る都 市 間 輸 送 はJR東 海(国 鉄),名 古 屋 鉄 道,近 畿 日本 鉄 道 が 担 い, 市 内 輸 送 に つ い て は,地 下 鉄 を整 備 す る以 前 は市 営 バ ス と路 面 電 車 が そ の役 割 を担 っ て きた. 人 口の 急 増 や 都 市 の発 展 に伴 っ て 朝 夕 に集 中 す る通 勤 通 学 客 等 の 輸 送 需 要 に対 応 す る た め, 大 き な輸 送 力 が 提 供 で き る地 下 鉄 の 整 備 が 不 可 欠 とな っ た.名 古 屋 市 は地 下 鉄 に よ る鉄 道 整 備 を 決 め て1957年 に 名 古 屋 駅 ∼ 栄 町 駅 を開 業 し,現 在 ま で に89.lkmに 及 ぶ 地 下 鉄 ネ ッ トワ ー ク を形 成 し た.地 下 鉄 ・市 バ ス の 一 体 的 な経 営 に よ り地 下 鉄 は24か 所 の バ ス タ ー ミ ナ ル を 中 心 に市 バ ス と接 続 し,相 乗 効 果 を発 揮 して市 内 全 域 へ の 輸 送 ネ ッ トワ ー ク を 形 成 して い るが,
乗 車 人 員 は1995年 度 の1,131千 人/日 を ピー ク と し,微 減 又 は 横 ば い に推 移 して い る. また,地 下 鉄 の 運 賃 は1人 当 た りの 単 価 が165.35円 で 基 本 運 賃 が 低 い 東 京 都 を 除 く8都 市 の 地 下 鉄 事 業 者 の 中 で は 最 も低 い状 況 に あ る12)が,JR東 海,名 古 屋 鉄 道,近 畿 日本 鉄 道 と比 較 して 高 く,安 い と い う認 識 は定 着 して い な い.名 古 屋 市 にお け る 公 共 交 通 と 自家 用 車 の 利 用 割 合 が3対7に な っ て お り,一 つ の 要 因 と考 え る こ とが で き る. 5.2地 下 鉄 事 業 の 財 政 状 況 名 古 屋 市 営 地 下 鉄 の 建 設 財 源 や 資 金 手 当 等 の 目的 で 発 行 し た 企 業 債'3)は,2004年 度 末 で 7,607億 円 に 上 っ て い る.こ れ に 伴 う企 業 債 の 元 金 償 還 額 は459億 円/年,支 払 利 息 額 は273 億 円/年 とな っ て お り,こ れ を合 わせ た 元 利 償 還 額 の732億 円/年 は2004年 度 の運 輸 収 益674 億 円 を大 き く上 回 っ て い る.地 下 鉄 事 業 は,減 価 償 却 費 の 算 定 基 礎 で あ る 資 産 の 平 均 耐 用 年 数 (約50年)に 対 し,企 業 債 償 還 期 間(30年)が 短 く,企 業 債 元 金 償 還 額 が 減価 償 却 費 を 上 回 っ て い る た め,資 金 収 支 に 大 き な影 響 を きた して い る こ とや 地 上 に建 設 さ れ た 鉄 道 と乖 離 した 運 賃 水 準 を設 定 す る こ とが 困 難 で あ る た め,原 価 を賄 う こ とが で き ない 水 準 の 運 賃 設 定 を せ ざ る を得 な い な ど様 々 な 資金 不 足 要 因 を抱 え て い る. この よ うな 地 下 鉄 事 業 の 特 徴 を 踏 ま え て,経 営 健 全 化 出 資 金,資 本 費 負 担 緩 和 分 企 業 債(資 金 手 当 債)や 資 本 費 平 準 化 債 の 資 金 手 当制 度 が 設 け られ て い る が,こ の 資 金 手 当 制 度 を 受 け る こ とが で きな くなれ ば,直 ち に 資 金 不 足 が 生 じて しま う収 支 構 造 と な っ て い る. 2004年 度 の 運 輸 収 益 は674億 円 あ り,一 般 会 計 補 助 金 の54億 円 を含 め て収 入 全 体 で789億 円 と な っ て い る.一 方 の 支 出 は,人 件 費269億 円,経 費143億 円,支 払 利 息 等276億 円,減 価 償 却 費224億 円 の 合 計911億 円 あ り,収 支 は122億 円 の 赤 字 とな って い る. 地 下 鉄 事 業 の 健 全 化 計 画(2003∼2005年 度)に お け る収 支 目標 は,「最 初 に 償 却 前 経 常 収 支 を 黒 字 化 し,そ の 黒 字 幅 を拡 大 す る こ とで 全 体 の 資 金 収 支 の 均 衡 を 図 っ て い く.最 終 的 に 単 年 度 の 資 金 余 剰 に よ り,実 質 不 良 債 務 を解 消 す る.」 と して い る.運 輸 収 益 が ほ ぼ横 ば い とな っ て お り,人 件 費 の 削 減 や 低 金 利 に よ る 支 払 利 息 の 減 少 等 に よ り収 支 改 善 を 図 っ て 目標 を達 成 す る見 込 み で あ る が,2005年 度 は,経 営 健 全 化 出 資 金60億 円 と借 入 額169億 円14)に よ る229億 円 の 資 金 手 当が で きた こ とに よ り単 年 度 の 資 金 不 足 を招 い て い な い.し か し,引 き続 き多 額 の 資 金 不 足 が 発 生 す る こ とに対 し,経 営 健 全 化 出 資 金 と 資金 手 当 債 の借 入 れ に頼 ら ざ る を得 な い 状 況 に 変 わ りは な い15).も し,こ れ らの 資 金 手 当 の措 置 を 受 け られ な くな っ た 場 合 は,人 件 費 等 の 12)名 古屋市 を除 く8都 市平均 は,175.67円 である. 13)地 方公営企業の場合,株 式 による外部か らの資金調達がで きないため,地 下鉄建設 に要する多額の資金 財源の一部 について有利子負債である企業債で賄っている. 14)長 期 の資金手当債である資本費負担緩和分企業債ll7億 円及び資本費平準化債52億 円である。 -177一
支 払 い の た め の 運 転 資 金 を 市 中銀 行 か らの 一 時 借 入 金 に頼 ら ざ る を 得 な くな り,単 年 度 に200 億 円 を超 え る 大 幅 な 資 金不 足 額 を ふ ま え る と,一 時 借 入 金 に よる 資 金 調 達 は 困 難 と な っ て 経 営 破 綻 を来 た す こ と とな る. 5.3新 た な 増 収 策 の 取 り組 み 駅 は市 民 や 利 用 者 が 日 々行 き交 う場 で あ る こ とか ら,利 用 者 の利 便 向上 及 び 収 益 拡 大 の 視 点 か ら ま だ まだ 活 用 で きる 可 能 性 が あ る.つ ま り,大 手 私 鉄 やJRの 例 か ら新 た な 収 益 を あ げ る 方 策 と して,駅 施 設 等 を新 しい技 術 や 民 間活 力 に よ り特 殊 立 地 を 活 か した情 報 発 信 の場 な ど と して 有 効 活 用 し,更 な る 関 連 事 業 収 入 の 拡 大 を図 る こ とが で きる と考 え る. 駅構 内店 舗 に つ い て は,地 下 鉄 道 の 火 災 対 策 基 準 の 改 正 に よ り制 約 要 因 が あ る もの の,地 下 街 に関 す る規 制 の 緩 和 に よ り改 札 外 に一 定 規 模 以 上 の 駅構 内 店 舗 の 設 置 が 可 能 と な る な ど多 様 な 店 舗 の 設 置 が 可 能 とな っ て い る. また,広 告 に つ い て も道 路 占用 規 制 の 緩 和 に伴 い,柱,床,壁 の 全 面 を広 告 と して 活 用 した 集 中 広 告,IT技 術 を活 用 し た 映像 広 告 等 の新 規 広 告 媒 体 の 開発 を行 う こ とが で き る よ う に な っ た. この よ うな こ とか ら地 下 鉄 施 設 の 再 点 検 を行 っ て 資 産 の 処 分 ・貸付,有 効 活 用 を行 い,利 用 者 の 利 便 性 向 上 と収 益 の 拡 大 の観 点 か ら取 り組 ん で い か な け れ ば な ら な い.ま た,名 古 屋 市 の 「な ごや 交 通 戦 略16)」は,公 共 交 通 利 用 推 進 の 柱 の 一 つ と して,駅 を中 心 と した 街 づ く りの 中 で 駅 勢 圏 を 中心 とす る生 活 圏(駅 そ ば)を 徒 歩 や 公 共 交 通 で 動 きや す く,生 活 に便 利 で コ ンパ ク トな ま ち に誘 導 す る た め,駅 そ ばへ の 都 市 機 能 の 集 積 や 土 地 利 用 の 見 直 しに よ る立 地 誘 導 等 を 図 る こ と と して い る.そ し て,地 下 鉄 を使 っ て 人 が 集 い,集 客 施 設 にお け る 各 種 イベ ン ト等 と 連 携 す る こ とな ど に よ り地 下 鉄 の 利 用 を促 進 す る仕 組 み づ く りを提 案 して い る. 6地 方 公 営 企 業 関 係 法 に お け る 規 制 の 緩 和 6.1地 方 自治 法 等 の 改 正 経 緯 地 方 自治 体 の 行 政 財 産17)に 対 して 私 権 を設 定 す る こ と は一 切 認 め な い と され て きた が,1971 年 に地 方 自治体 が 国,他 の 地 方 公 共 団 体 又 は そ の 他 こ れ に準 ず る 公 的 団体 と一 棟 の建 物 を区 分 して 所 有 す る 場 合 に 限 り,地 方 自治 体 が 所 有 す る そ の 土 地 を貸 付 け る こ とが で き る合 築 制 度 が 15)2005年 度の実質不良債務は,2,311億 円に達する という大変厳 しい状況となっている. 16)名 古屋市交通問題調査会 諮問第2号 答 申 17)地 方公共団体が保有する不動産,特 定の動産,物 件等の うち公共用,公 用 に供 しているものをいう. -178一
新 設 され た.ま た,公 共 性,公 益 性 が 高 い特 定 事 業 者 に 対 して も鉄 道,道 路,電 線 路 等 の 施 設 に使 用 す る場 合 に 限 っ て そ の 土 地 に 地 上 権 を設 定 で きる よ う に な った. 1986年 に 地 方 自治 体 の 普 通 財 産18)で あ る土 地 に つ い て土 地 信 託 制 度 が 導 入 さ れ た.こ れ は, 地 方 公 共 団体 を受 益 者 と し て信 託 した 場 合 に 限 り,そ の 土 地 に建 物 を建 設 し,そ の 土 地 の管 理 ・ 処 分 を行 う 目的 で信 託 す る こ とが で き る よ う に な っ た.1988年 に1971年 改 正 時 に導 入 され た 行 政 財 産 で あ る 土 地 の合 築 制 度 が 緩 和 さ れ,地 方 自治 体 が 資 本 金 等 を50%以 上 出 資 して い る公 益 法 人,株 式 会 社 等 並 び に地 方 自治 体 が 行 う事 務 と密 接 な関 係 を有 す る事 業 を行 っ て い る法 人 に つ い て も合 築 の 相 手 先 と して認 め られ た.1989年 に 地 方 公 営 企 業 法 施 行 令 の 改 正 が あ り,地 方 自治 体 の行 政 財 産 とな っ て い る 土 地 の 貸 付 は合 築 す る 場 合 に 限 られ て い た が,地 方 公 営 企 業 の用 に供 す る 行 政 財 産 で あ る土 地 に 限 り,そ の 土 地 の 用 途 と して 適 切 と認 め られ る建 物 や 施 設 に使 用 す る場 合 は,株 式 会 社,有 限会 社 等 につ い て も貸 付 け の 相 手 先 と して 認 め られ た.翌 年, 株 式 会 社 等 に加 え て 相 互 会 社 に 拡 大 した.1999年 にPFI法 が 施 行 さ れ,PFI事 業 に支 障 し な い 範 囲 内 で且 つ 安 定 的 な 収 益 を得 る こ とが で き る場 合 に 限 り,そ の 土 地 又 はPFI事 業 の 建 物 に 民 間 収 益 施 設 を複 合 設 置 す る こ とが 可 能 とな った. 6.2道 路 法 に お け る 規 制 緩 和 地 方 公 営 企 業 は,地 方 公 営 企 業 法 が 制 定 され て 以 来,企 業 と して の 経 験 や 実 績 を積 み,有 形 ・ 無 形 の 資 産 を 蓄 積 して きた が,そ の 利 用 方 法 につ い て は 一 定 の規 制 が か け られ て 十 分 に 活 用 し て きた と は 言 い が た い状 況 に あ っ た.し か し,地 方 公 営 企 業 を取 巻 く環 境 は社 会 経 済 情 勢 な ど に よ り大 きな 変 化 が 生 じ,赤 字 決算 で 推 移 して い る事 業 も多 くあ るた め,環 境 の 変 化 を確 実 に 適 応 させ て住 民 サ ー ビス の 維 持 ・向 上 を行 っ て 地 方 公 営 企 業 の健 全 化 や 活 性 化 を 図 っ て い くこ とが 企 業 管 理 者 に求 め られ て い る.こ の た め,地 方 制 度 調 査 会 や 地 方 財 政 審 議 会 を は じめ 各 方 面 か ら 附帯 事 業 の 推 進 が 要 請 さ れ,数 次 に わ た る制 度 改 正 や 事 務 通 知 に よ り資 産 の有 効 活 用 や 附帯 事 業 の 実 施 を積 極 的 に促 して きた. 特 に大 きな 流 れ とな っ た の は,地 下 鉄 が 道路 の 下 に あ る こ とか ら道 路 法 に 関 す る規 制 緩 和 で あ る. 道 路 法 第32条 第1項 で 「道 路 に工 作 物,物 件 又 は施 設 を設 け継 続 し て道 路 を使 用 す る 場 合 に お い て は,道 路 管 理 者 の 許 可 を受 け な け れ ば な らな い.」 と規 定 し て お り,そ の 物 件 等 に つ い て は 限 定 列 挙 と し,す べ て の 物 件 が 道 路 上 等 に 設 け られ る 制 度 とは な っ て い な い.こ れ は 必 要 以 上 の 道 路 占用 や 道 路 管 理 上 ・道 路 構 造 の 保 全 上 好 ま し くない 物 件 の 道 路 占用 を排 除す る た め の 制 度 で あ る.ま た,同 第33条 で は道 路 占 用 の 許 可 基 準 と して,「 道 路 の敷 地 外 に余 地 が な い た 18)地 方公共団体が保有す る不動産,特 定の動産,物 件等の うち行政財産に含 まれ ない ものをい う. -179一
め にや む を得 な い 場 合 」 に 限 っ て い る. しか し,鉄 道 事 業 法 第61条 で は,「 道 路 に 敷 設 しな い こ と を原 則 とす る が,や む を得 な い 理 由 が あ る場 合 に は建 設(国 土 交 通)大 臣 の 許 可 を受 け て 道 路 に敷 設 す る こ とが で きる.」 と な っ て お り,こ の 主 務 大 臣 の特 許 に該 当 す る道 路 占用 に つ い て は,道 路 管 理 者 の 許 可 が あ っ た も の と同 一 の 効 果 が 生 じる と と も に 道 路 管 理 者 が これ を任 意 に取 り消 し,又 は 変 更 す る こ とは 許 さ れ な い と さ れ て い る.こ の よ うに 道 路 占用 は 道 路 法 の 適 用 を受 け るの が 原 則 で あ る が,鉄 道 に つ い て は鉄 道 事 業 法 で特 例 が 認 め られ て い る. 道 路 管 理 者 は,鉄 道 事 業 法 第61条 に よ る鉄 道 に 関 す る道 路 占 用 を第 一 次 占用 物 件 と し,そ の 第 一 次 占 用 に付 随 した も の を第 二 次 占用 物 件 と して い る.法 的根 拠 は,道 路 法 第41条 に お い て,「 道 路 管 理 者 以 外 の 者 が 占用 物 件 に 関 し新 た に道 路 の構 造 又 は(道 路)交 通 に支 障 を 及 ぼす お そ れ の あ る 物 件 を添 加 し よ う とす る行 為 は,新 た な道 路 の 占用 とみ な す.」 と し,本 来 の 第 一 次 占用 に対 して 独 立 した 占用 とみ な して い る. この よ うな こ とか ら地 下 鉄 駅 構 内 で の 有 効 活 用 事 業 を行 う場 合,地 下 鉄 構 造 物 は鉄 道 事 業 法 第61条 の 道 路 占用 に よ り許 可 され て い るが,新 た な鉄 道 事 業 目 的 以 外 の もの が 添 加 さ れ る こ と と な る た め 道 路 法 第32条 に よ る道 路 管 理 者 の 道 路 占用 許 可 が 必 要 とな る. 1967年 に 定 め た建 設 省 道 路 局 内 規 「地 下 鉄 施 設 内 の 店 舗 の 取 扱 い に つ い て 」 は,歩 行 者 の 安 全 な 通 行 機 能 の 確 保 を理 由 に 第 二 次 占用 物 件 の 設 置 を極 力 規 制 す る と い う方 針 を示 して い た. しか し,宝 く じ売 り場 や コ イ ンロ ッ カー 等 の 内 規 制 定 当 時 に想 定 して い な い 乗 客 利 便 施 設 が 一 部 の 道 路 管 理 者 に よ り特 例 と して 許 可 さ れ て い た こ とや 国 の 規 制 緩 和 施 策 の ほ か,交 通 事 業 者 団体 等 か ら も乗 客 の 利 便 向 上,経 営 基 盤 の 強 化 の た め に 駅 構 内 の有 効 活 用 等 の 要 望 が 出 され た こ と を踏 ま え て,1997年 に利 用 者 ニ ー ズ を踏 ま え た新 た な道 路 占用 許 可 の 基 準 が 建 設 省 道 路 局 長 通 達 と して 発 出 さ れ た. 7パ ラ ダ イ ム 転 換 の 可 否 7.1鉄 道 事 業 の 位 置 付 け 交 通 事 業 の イ ン フ ラ建 設 と事 業 運 営 主 体 は,図 表9の よ う に な って い る.鉄 道 事 業 は 鉄 道 運 営 とい う上 部構 造 と線 路 建 設 とい う下 部 構 造 の 両 方 が 一 つ に な っ て 成 立 して い るが,そ れ 以 外 の事 業 は サ ー ビス の 提 供 者 と そ れ を支 え る イ ン フ ラ の 整 備 主 体 が 異 な っ て い る.鉄 道 事 業 以 外 の 下 部 構造 は 国 又 は地 方 公 共 団体 の 責 任 領 域 で あ り,道 路 に は道 路 整 備 特 別 会 計,港 に は 港 湾 整 備 特 別 会 計,空 港 に は 空 港 整 備 特 別 会 計 の 国 家 予 算 が 整 備 さ れ て い る.し か し,鉄 道 事 業 は 鉄 道建 設 公 団 や 鉄 道 建 設 ・運 輸 施 設 整 備 支 援 機 構 の仕 組 み が 用 意 され て い る だ け で,こ れ らは 民 間 活 動 を 支 援 す る枠 組 み に過 ぎず,自 ら多 額 の 投 資 を行 っ て イ ン フ ラ整 備 を行 わ な け れ ば な 一180一
らな い. 7.2路 線 拡 大 と理 想 的 収 入 地 下 鉄 事 業 者 は,自 らが順 次 建 設 した 複 数 の路 線 に よ っ て サ ー ビス を提 供 して い る.図 表10 は,地 下 鉄 事 業 の 理 想 的 な営 業 収 入 の 推 移 を表 して い る. 地 下 鉄 施 設 の 減 価 償 却 期 間 は50年 とな っ て お り,そ の 期 間 中 は経 済 成 長 や 人 口 流 入 が 右 上 が りに推 移 す る こ とを前 提 に して い る.図 表10で は,縦 軸 に営 業 収 入,横 軸 に年 次 を とっ て い る.直 線1,l,1"が 理 想 的 な営 業 収 入 の推 移 を表 して お り,第1号 線 に続 い てt、年 に 第2号 線 が,t、 年 に第3号 線 が 開 業 して い る こ と を表 して い る. 年 次 を3つ の 区 分 に分 け,地 下 鉄 施 設 の減 価 償 却 費 を考 え る と赤 字 に な る 期 間 を 第1期(創 設 期)と し,減 価 償 却 費 を含 め て 黒 字 とな る 期 間 を 第2期(投 資 回 収 期)と し,全 て の 施 設 費 用 を回 収 し終 え た 時 か ら を第3期(貢 献 期)と す る.直 線C1は 定 額 法 に よ り算 出 さ れ た 減 価 償 却 費 を含 ん だ 経 常 経 費 を簡 素 化 して 表 現 して い る.ま た,固 定 費 につ い て は 直 線Cと す る. この こ とか ら,投 資 回 収 期 の黒 字 △Pは,創 設 期 の 赤 字 △0を 補 填 す る し くみ とな っ て い る. また,施 設 費 用 を含 め て 収 支 が 均 衡 す る時 が投 資 回収 期 の 最 後 とな る. 投 資 回収 期 中 のt、年 に 第2号 線 が 開業 した こ と,同 様 に貢 献 期 中 のt、年 に 第3号 線 が 開 業 し た こ と に よ り営 業 収 入 が 増 加 す る.こ れ らの 効 果 は,営 業 収 入 直 線1が1'に,そ して1"に 変 化 して い く際 に で きた 口Sl,口S2で 表 して い る.口Qは 第1号 線 の超 過 運 賃 収 入 と考 え る こ と が で き るが,地 下 鉄 事 業 で は,総 括 原価 主 義'9)に よ る 収 支 均 衡 が 運 賃 認 可 の 条 件 とな る こ とか ら口Qが 超 過 利 潤 と な る こ と は な い.そ の た め 口Qは 第2号 線 第3号 線 の 建 設 費 や 運 営 費 19)地 方公営企業が提供するサービスの料金水準の決定 については,原 価主義 と価値主義の二つの考 え方が ある.原 価主義 とは,こ の料金がサービスに要 した原価に基づ いて決定されるという考 え方であ り,価 値 主義 とは,利 用者か ら見て,提 供 されたサー ビスに見合った と考 える水準 に基づいて決定 されるとい う考 え方である. 地方公営企業法第21条 第2項 は,地 方公営企業の給付 について 「料金は,公 正妥当なものでなければな らず,か つ,能 率 的な経営の下 における適正な原価 を基礎 とし,地 方公営企業の健全 な運営を確保するこ とができるものでなければな らない」 と規定 してお り,一 般に料金水準 にお ける総括原価主義を定めた も の と理解 されている。
図表10地 下鉄 事業 にお け る理想 的 な営業 収入 の推 移 (出所)名 古屋市交通局資料 を加字修正 用 を内 部 補 助 す る た め に 用 い る こ とが で きる. この よ うに 地 下 鉄 建 設 時 に お け る 先 発 路 線 か ら後 発 路 線 へ の 内 部 補 助 は ネ ッ トワ ー ク を拡 充 す る際 に有 効 な 手 法 と され,高 速 道 路 や 空 港 の 滑 走 路 整 備 に お い て も活 用 さ れ て きた.し か し, 少 子 高 齢 化 が 進 み,右 肩 上 が りの 経 済 が 終 焉 を迎 え た今 日で は この よ う な シス テ ム は維 持 で き な くな っ て い る.つ ま り,地 下 鉄 の 先 発 路 線 と後 発 路 線 にお け る 内 部 補 助 の バ ラ ンス が 成 立 し な い う ち に 地 下 鉄 需 要 が 停 滞 し,営 業 収 入 が右 肩 上 が りに推 移 で き な くな っ た た め,投 資 回収 期 にお け る黒 字 が 期 待 で き な くな っ た の で あ る. 7.3上 下 分 離 方 式 上 下 分 離 方 式 と は,も と も と上 下 一 体 の運 営 を行 っ て きた 鉄 道 事 業 者 を イ ン フ ラ整 備 事 業 と 列 車 運 行 事 業 に 分 割 す る 政 策 手 法 の こ とで あ る.前 述 の とお り 自動 車 運 送 事 業,海 運 事 業,航 空 事 業 に お い て は上 下 分 離 が 見 られ るが,鉄 道 事 業 で は 上 下 一 体 が 通 常 の 形 態 と な っ て い る. この よ うに 上 下 一 体 と な っ た理 由 は,専 用 通 路 で あ る 軌 道 が 必 要 な鉄 道 事 業 は施 設 の 不 可 分 性 か ら輸 送 主体 が 線 路 を所 有 し,効 率 輸 送 の た め に 支 配 す る 必 要 が あ っ た か らだ と考 え られ る. 上 下 分 離 方 式 の 起 源 は 鉄 道 創 設 期 の 馬 車 鉄 道 時 代 ま で 遡 り,通 行 料 と して 線 路 所 有 者 が 通 過 貨 物 量 に 応 じ て 料 金 を 徴 収 し て い た こ と に 始 ま る.1991年 にEUの 共 通 鉄 道 政 策 「指 令 91/440」 に よ りEU構 成 国 の 鉄 道 会 社 に対 して 上 下 分 離 方 式 とオ ー プ ン ア ク セ ス の 実 施 を義 務 付 け た こ ろ か ら注 目を 集 め る よ うに な っ た.ち なみ に,オ リエ ン ト急 行 を 運 営 す る ワ ゴ ン ・リ 社 は 自 ら線 路 を持 たず,通 過 す る 各 国 の 鉄 道 会 社 に対 して 線 路 使 用 料 に相 当 す る列 車 牽 引 料 を
支 払 う こ とに よ り鉄 道 事 業 を運 営 して い る. こ こか らは,上 下 一 体 に運 営 して き た鉄 道事 業 を上 下 分 離 方 式 にす る検 討 を行 う こ と に な っ た の か,そ の 背 景 を考 察 す る. (1)鉄 道 需 要 の 減 少 に伴 っ て事 業 採 算 が 赤 字 化 して い くもの の,鉄 道 輸 送 の 需 要 規 模 が 大 き く 代 替 手 段 へ の 転 換 が 困 難 で あ り,公 共 選 択 の 結 果,鉄 道 事 業 の 存 続 が 選 択 され る場 合. (2)社 会 ニ ー ズ と して鉄 道 輸 送 力 の 増 強 や 新 線 建 設 に よ る大 規 模 な イ ンフ ラ投 資 が 求 め られ て い るが,そ の 実 施 に よ る事 業 採 算 を図 る こ とが 困難 で あ る こ とか ら,投 資 活 動 が 実 現 され な い 場 合. (3)交 通 手 段 間 の 負 担 費 用 の 公 平 化,有 限 資 源 の 枯 渇 対 策 ・温 室 効 果 ガ ス対 策 に よ る鉄 道 利 用 へ の 転 換 を 目的 と して,鉄 道 運 賃 の 低 減 を図 ろ う とす る場 合. (4)供 給 独 占 に よ る非 効 率 経 営 な ど経 営 停 滞 の 打 破 を 目的 と して,列 車 運 行 事 業 につ い て 競 争 入 札 を行 い,競 争 原 理 に よ る コス トの 低 減 や サ ー ビス の 向 上 を 図 ろ う とす る場 合. (1),(2)のパ ター ン は経 済 学 で 言 う市 場 の失 敗20)に 該 当 す る可 能 性 が 高 く,輸 送 サ ー ビス と企 業 採 算 の 両 立 を図 る こ とが 困難 で あ り,公 的 補 助 投 入 を前 提 とす るケ ー ス で あ る.(3)は 交 通 政 策 論 にお け る 交 通 調 整 で あ り,こ の 政 策 を実 施 す る こ と に よ り鉄 道 輸 送 を 活性 化 させ て 人 間社 会 に対 す る環 境 負 担 を小 さ く し,地 球 環 境 の 改 善 に 資 す る こ とを 目指 して い る.し か し,こ の 議 論 は,上 下 分 離 方 式 に よ り安 い 鉄 道 運 賃 の 実 現 を 目指 す 政 策 理 由 を盾 に,公 的 補 助 投 入 を前 提 と し た安 価 な イ ンフ ラ使 用 料 を 求 め る経 営 的 議 論 に 摩 り替 っ て し ま う.こ の よ う な議 論 の 背 景 に は,(1),(2)の 問 題 が 潜 在 して 鉄 道 輸 送 の 将 来 に対 す る危 機 感 が 作 用 して い る と考 え られ る. 一 方,(4)は 経 営 非 効 率 要 因 を排 して 競 争 原 理 導 入 を 目的 と した もの で,鉄 道 事 業 よ りも電 力 事 業,電 気 通 信 事 業 で多 く採 用 され て い る.も し,地 下 鉄 事 業 者 の 経 営 シ ス テ ムが 非 効 率 で あ る とす る な らば,地 下 鉄 と相 互 乗 り入 れ を行 っ て い るJR,私 鉄 を 対 象 に運 行 委 託 先 募 集 の コ ン ペ を行 っ て 運 行 業 務 を 委 託 す るべ きで あ る.な お,こ の 民 間活 力 の 利 用 は,経 営 効 率 化 を図 る もの で 抜 本 的 な 経 営 改 善 を図 る もの で は な い. 7.4事 業 主 体 の パ ラ ダ イ ム 転 換 今 日の 交 通 需 要 は改 善 す る見 込 み が 低 く,地 下 鉄 事 業 の 理 想 的 な 営 業 収 入 を確 保 して独 立 採 算 で 運 営 す る こ と は難 しい 状 況 に な っ て い る.し か し,地 下 鉄 自体 の 有 効 性 は 否 定 さ れ る こ と は な い で あ ろ うか ら,事 業 と して は 成 立 しな くて も必 要 と さ れ て い る地 下 鉄 を建 設 ・維 持 して い く必 要 が あ る.そ して,そ の た め に は 図 表9に あ る よ う に 自動 車 運 送 事 業,海 運 事 業,航 空 事 業 を行 う場 合 と 同 じ考 え方,つ ま り,前 述 の(1),(2)の 背 景 か ら上 下 分 離 方 式 に よ るパ ラ ダ イ 20)市 場 において資源配分に非効率性が発生す ること,ま たその非効率性 を指す. -183一
ム転 換 につ い て 考 察 す る べ き で あ る. しか し,こ の 議 論 を進 め る た め に は今 ま で あ っ た特 定 国 庫 補 助 を一 般 国庫 補 助 に移 行 し,そ の残 額 の 大 半 を利 用 者 負 担 か ら市 民 全 体 で賄 う形 に変 更 す る必 要 が あ る.そ の た め に は 財 源 確 保 の た め の増 税 が 必 要 と な り,目 的 税 を採 用 す る の か,課 税 対 象 を ど うす る の か な ど,税 方 式 や税 負 担 の 考 え 方 につ い て 多 くの 議 論 が 噴 出 して しま い,実 現 まで に相 当 長 い 時 間 が か か る こ とが 推 測 さ れ る. 欧 州 で は,鉄 道 施 設 は 公 共 財 と して 整 備 す る とい う考 え方 が 浸 透 して い る こ とやEU統 合 と い う大 き な牽 引 力 に よ っ て1991年 のEU指 令 に 基 づ きEU加 盟 国 が 鉄 道 の 上 下 分 離 政 策 を推 進 して き た こ と に よ り,上 下 分 離 方 式 に よる イ ン フ ラ 整 備 につ い て 市 民 の 理解 が 得 られ た.し か し,日 本 で は,増 税 額 の 決 定 や 限 られ た財 源 を どの よ う に使 っ て い くか に つ い て,自 家 用 車 を利 用 して い る 人 も含 め て こ れ ま で 以 上 に検 討 しな け れ ば な らな い.そ の た め,日 本 に お け る 上 下 分 離 方 式 に よ る地 下 鉄 事 業 の 運 営 は,EUと 同 様 に 強 い リー ダー シ ッ プ か大 き な政 治 判 断 が な けれ ば 実 現 性 に疑 問 が 生 じる と こ ろ で あ る. そ れ に加 え て,も し上 下 分 離 方 式 に よ っ て 鉄 道 事 業 者 か ら鉄 道 イ ン フ ラ の 固 定 費 負 担 の 開 放 また は軽 減 を 行 え ば,鉄 道 運 行 者 の 市 場 参 入 が ス ム ー ズ に行 う こ とが で きる だ ろ うが,裏 返 し て 考 えれ ば,「 撤 退 も容 易 で あ る.」 とい う こ と に な る.東 北 ・上 越 新 幹 線 の 開 業 時 に,航 空 各 社 は 羽 田空 港 か ら花 巻 空 港 や 新 潟 空 港 へ の路 線 を容 易 に 撤 退 して い っ た.こ れ は利 用 者 を失 っ た 空 港 施 設 が 公 的 機 関 に よ り設 置 され て い た た め,各 空 港 会 社 は 空 港 施 設 の存 廃 と費用 負 担 に 直 接 関 与 す る 必 要 が な か っ た か らで あ る. これ らの こ とか ら上 下 分 離 方 式 に よ るパ ラ ダ イ ム転 換 は,長 期 ス パ ンで の 検 討 を要 す る こ と や鉄 道 事 業 へ の 参 入 ・撤 退 の ル ー ル を明 らか にす る必 要 が あ る た め 容 易 に は 成 立 しな い. 8経 営 改 革 に 向 け て 8.1経 営 資 源 の ポ ジ シ ョニ ン グ 利 用 者 の価 値 観 や ニ ー ズ の 多 様 化 ・高 度 化 と と もに 駅 の バ リア フ リ ー化 や ユ ニ バ ー サ ル デ ザ イ ン に よ る駅 施 設 整 備 の 必 要 性 が 高 ま り,駅 に求 め られ る機 能 は 大 き く変 化 しつ つ あ る.単 に 利 用 者 を電 車 に 昇 降 させ る だ け で な く多 くの 人 が 交 流 す る拠 点 とな り,地 域 の 中 核 を担 う位 置 づ け と して も重 要 性 を 高 め て い る.こ の よ う な社 会 的 背 景 を踏 ま え,経 営 改 革 に 向 け て新 た に 駅 に求 め られ る 施 設 や機 能 を 明 らか に して い くこ と とす る. JR東 日本 フ ロ ンテ ィ アサ ー ビス 研 究 所 が 東 京70km圏 内 の12,500人(有 効 回答10,013人) を 対 象 に調 査 した 結 果 に よ る と「電 車 に乗 る前 に消 費 行 動 を した 人 は全 体 の4%に 過 ぎな い が, 滞 在 時 間が20分 以 上 の 人 に 限 れ ば30%以 上 まで 高 ま る.」 と報 告 して お り,前 述 の とお り規 制 一184一
が緩 和 さ れ た こ と に よ り地 下 鉄 の 駅 にお け る 商 業 施 設 開 発 が で き る と い う こ と に な れ ば,そ こ で ビ ジ ネ ス を展 開 した い 企 業 が 多 す ぎ る ほ ど手 を上 げ て くる こ とが 予 測 さ れ る.そ して,地 下 鉄 事 業 者 は停 滞 す る運 輸 収 入 を補 完 す る方 法 と して駅 空 間 を最 大 に有 効 活 用 す る とい う行 動 に 移 るが,そ の 際 に利 用 者 の 顧 客 満 足 に も重 心 を置 き,利 益 重 視 に傾 き過 ぎな い よ う に しな け れ ば な ら な い.な ぜ な らば,街 に あ る 業 態 を駅 に取 り込 め ば 利 用 者 の 利 便 性 は 向 上 す る が,利 用 者 か らす る と引 き寄 せ られ る魅 力 も楽 しい驚 き も な い サ ー ビ ス や 商 品 だ け の 空 間 に感 じ られ る た め 必 要 最 低 限 の 消 費 行 動 に終 わ っ て しま うか ら で あ る.ま た,市 街 で熟 成 した ビ ジ ネ ス は地 下 鉄 駅 構 内 で も容 易 に大 き な利 益 を も た らす こ とが で き るで あ ろ うが,導 入 と同 時 に 陳腐 化 も 始 ま っ て い る こ と を認 識 し て お か な け れ ば な ら な い.つ ま り,市 街 に 出店 した と き よ りも効 率 の 良 い 売 上 げ に な る か も しれ な い が,新 し さ に は欠 く もの が あ り早 い ス ピ ー ドで 陳 腐 化 が 進 む こ と に よ り収 益 を上 げ られ な い 店舗 と な る リス クが 内 在 して い る の で あ る.駅 売 店 が 閉 鎖 空 間 に 設 置 さ れ て い る こ とか ら,利 用 者 に選 択 の 余 地 が な い た め 売 上 げ 坪 単 価 が 高 くな っ て い る. そ の 指 標 に よっ て 店 舗 開 発 担 当者 は 評 価 さ れ て お り,自 己 満 足 の構造 が 無 意 識 に潜 在 して 新 た な 店 舗 改 革 が 難 しい状 況 に あ る と も考 え られ る. この よ うな こ とか ら,地 下 鉄 事 業 者 は 「地 下 鉄 利 用 者 は,単 純 に駅 を通 過 す る人 」 と考 え る の で は な く,駅 を新 た な 賑 い ス ペ ー ス と考 え て 地 下 鉄 駅構 内 を有 効 活 用 す る 必 要 が あ る.そ の た め,駅 ビ ジ ネ ス に お い て 潜 在 して い る乗 客 ニ ー ズ に つ い て 次 の とお り分 析 をす る. (1)消 費機 能 か ら見 た 駅 ビ ジ ネ ス 駅 ビ ジ ネ ス の 展 開 を考 え る うえ で,そ もそ も地 下 鉄 利 用 者 が 駅 で どの よ う な消 費 行 動 を と るか を把 握 す る必 要 が あ る. 早 稲 田 大 学 ス テ ー シ ョ ン フ ォ ー マ ッ ト研 究 会 が,図 表11の とお り駅 の ポ ジ シ ョ ン と店 舗 立 地 に 着 目 し,移 動 ネ ッ トワ ー ク の 中 で 駅 を基 点 と し て発 生 す る消 費 を 対 象 と して 分 析 を 行 っ て い る. 出 発 駅 か ら 目的 駅 まで の 連 続 した 移 動 上 の 駅 とイ レギ ュ ラ ー な 途 中下 車 駅 で の主 な 消 費 機 能 は,乗 換 駅 の 「衝 動 性 ・待 合 せ 」,途 中 下 車 駅 の 「話 題 性,リ フ レ ッ シ ュ,バ ー ゲ ニ ング 」 に比 較 的 強 い 特 徴 が あ る.乗 換 駅 で は ホ ー ム か らホ ー ム へ の移 動 す る 際 に 店 舗 の魅 力 に引 き 寄 せ られ て 消 費 行 動 に つ なが っ た り,時 間 をつ ぶ す た め に店 舗 へ 入 っ て消 費 行 動 を行 う こ と が,途 中 下 車 駅 で は長 い移 動 時 間 の 一休 み と して 消 費 行 動 が 行 わ れ た り,期 間 限 定 キ ャ ンペ ー ンや 特 売 に 引 き寄 せ られ て消 費 行 動 を行 う こ とが わ か った. ま た,駅 構 内 で は 「ク イ ック コ ン ビ ニ エ ンス,待 合 せ 」,駅 周 辺 で は 「チ ャ ー ジ,衝 動 性 」 とい う よ うに 比 較 的 強 い 消 費機 能 の 特 徴 が あ る こ と もわ か っ た. この こ とか ら駅 構 内 に お い て発 生 す る消 費 の 多 くは,ワ ンス トッ プ ・シ ョ ッ ピ ング が で き る コ ン ビ ニ エ ンス 機 能,待 合 せ(時 間 つ ぶ し)機 能 に 関 連 して い る とい う こ とが で きる.実 際 大 手 私 鉄 やJRの 駅 構 内 に お い て展 開 して い る コ ン ビ ニ エ ン ス型 キ ヨ ス クや コ ー ヒー シ ョッ プ ー185一
等 は この こ とか ら説 明 で き る店 舗 戦 略 で あ る. 但 し,ほ ぼ 毎 日,駅 構 内 は 同 じ通 勤 通 学 の 利 用 者 が 多 くを 占 め るた め,こ の よ う な展 開 を進 め る に あ た り,提 供 す る サ ー ビ ス は 「一 度 経 験 して も らえ ば,必 ず ま た 利 用 して も ら え る.」 と い う ク オ リテ ィの 均 一 性 と リ ピ ー ター を増 や して い く取 り組 み が 必 要 で あ る. (2)SWOT分 析 図 表12は,地 下 鉄 事 業 者 の 関 連 事 業 をSWOT分 析 した 結 果 で あ り,次 の こ とが 言 え る. 強 み(S)と 機 会(0)を 重 視 す れ ば,コ ア ・コ ン ピ タ ンス21)で あ る地 下 鉄 ネ ッ トワ ー ク に基 づ く経 営 資 源 を活 用 す る.す な わ ち,地 下 鉄 事 業 者 の 経 営 資 産 で あ る駅 を 中 心 と した 人 の 流 れ が あ る た め,大 量 の 顧 客 を囲 い 込 め る駅 構 内 ス ペ ー ス を最 大 限 に 活 用 し,前 項 で 説 明 した 駅 で の消 費 機 能 に 着 目 して新 た な 関連 事 業 を展 開 して い く こ と(チ ャ ンス 領 域)に 経 営 資 源 を集 中 す る こ とが 得 策 と な る. また,弱 み(W)と 機 会(0)に 注 目す れ ば,現 在 実 施 して い る 関 連 事 業 の 拡 大 を 図 り民 間活 力 を活 用 して い く必 要 が あ る.例 え ば,地 下 鉄 事 業 者 の 外 郭 団体 に委 託 して 行 っ て い る 売 店 事 業 につ い て,ア ウ トソ ー シ ン グ や 流 通 業 者 と業 務 提 携 を行 う こ と に よ っ て,販 売 技 術 の 導 入 や 大 量 仕 入 れ に よ る コ ス ト削 減 な どが 期 待 で き るの で あ る. 一 方,強 み(S)と 脅 威(T)に つ い て は,運 賃 水 準 を維 持 しな が ら価 格 競 争 力 の改 善 を行 う た め,ス トア ー ドフ ェ ア カ ー ドを 導 入 して乗 継 割 引 き を行 っ て きた.ま た,運 輸 サ ー ビス 向 上 の た め に駅 改札 付 近 で フ リー ペ ー パ ー の 配 布 な ど も行 っ て い る.
21)G・ ハ メル とC・K・ プラハ ラー ドは,『Competing for the Future』(1993)の 中で 「顧客に対 して,他 社 には真似 できない自社な らではの価値を提供する企業の中核 的な力」であると定義 している.〔12〕
しか し,弱 み(W)と 脅 威(T)に お け る リス ク領 域 につ い て は,地 下 鉄 事 業 者 の経 営 改 善 計 画 に多 くの提 案 が 記 載 され て い る が,実 行 に 乏 しい と こ ろで あ り解 決 策 が待 た れ る と ころ で あ る.強 み を 生 か しなが ら市 場 機 会 を活 用 す る チ ャ ンス 領 域 に経 営 資 源 を投 入 し,弱 み を 打 ち消 しな が ら脅 威 を回 避 す る リス ク領 域 の 改 善 に 力 を入 れ,足 元 をす くわ れ な い よ う に ケ ア して い か な けれ ば な ら な い こ と は 当然 の こ とで あ る. 図表12地 下 鉄事 業 にお ける 関連事 業 のSWOT分 析 8.2経 営 改 革 の 必 要 性 地 方 公 営 企 業 で あ る か ら に は独 立 採 算 に よ る事 業 の展 開 を行 わ な け れ ば な ら な い.前 章 で 述 べ た 上 下 分 離 方 式 に よる パ ラ ダ イ ム 転 換 の実 現 困 難 性 か ら考 慮 す る と,原 則 に戻 り少 子 ・高 齢 化 に よ っ て 人 口 が 減 少 して い く逆 風 の 中,SWOT分 析 か ら導 き 出 さ れ た コ ア ・コ ンピ タ ンス の 最 大 活 用 を行 っ て 本 質 的 な需 要 増 加 を 目指 し,潜 在 した 利 用 者 の ニ ー ズ を発 掘 す る こ とで 増 収 策 を打 ち 出 さな けれ ば な ら な い.ま た,人 件 費 を含 ん だ コス ト削 減 策 や 職 員 の 意 識 高 揚 等 の 改 善 施 策 も実 施 し な け れ ば な らな い.合 理 的 な 経 営 体 質 に す る た め,従 来 の よ う に与 え られ た 枠 組 み の 中 で事 業 を粛 々 と遂 行 す る の で は な く,自 らの 問 題 と して 地 下 鉄 事 業 を ど の よ う に運 営 して い くべ きか に つ い て 主 体 的 な プ ラ ン を 考 え て,W.E.デ ミ ン グ が 考 案 したPDCAサ イ ク
ル22)を 繰 り返 し実 行 し,組 織 全 体 の 大 きな力 を生 み 出 す 経 営 形 態 に移 行 して い か な け れ ば な ら な い. つ ま り,組 織 が ラ ー ニ ン グ ・オ ー ガ ニ ゼ イ シ ョ ン(学 習 す る組 織)に 進 化 し,経 営 管 理 の 仕 組 み を整 備 した 上 で,明 確 な経 営 計 画 の 策 定 と こ れ に 基 づ く改 善 施 策 の検 討 ・実 施 を確 実 に推 進 して い く こ とが 必 要 で あ る.併 せ て,経 営 資 源 で あ り,組 織 の構 成 要 素 で もあ る交 通 局 職 員 が 高 品 質 な サ ー ビ ス を効 率 的 か つ継 続 的 に提 供 で きる よ う に育 成 して い く こ と も併 せ て 重 要 で あ る.す な わ ち,地 下 鉄 を利 用 す る 人 が 駅 に 来 る こ とに よ っ て賑 わ い が 生 まれ て 駅 ビ ジ ネ スが 成 立 す る の で あ るか ら,鉄 道 事 業 の サ ー ビス 内 容 につ い て も絶 え ず 向 上 させ る必 要 が あ り,少 子 ・高 齢 化 等 の 社 会 構 造 の 変 化 に お け る運 輸 収 益 対 策 と して 駅 ビ ジ ネ ス を安 定 し た収 入 の ひ と つ にす る た め に,中 長 期 的 な視 点 か ら も有 効 活 用 事 業 の 展 開 を検 討 す る必 要 が あ る. 今 後 は,こ の よ うな 分 析 結 果 を踏 ま え て 大 手 私 鉄JR及 び東 京 メ トロ等 の 先 行 事 例 か ら得 ら れ る情 報 を収 集 ・分 析 し,地 下 鉄 事 業 者 が 最 大 の 利 益 を享 受 で き る よ う に駅 構 内 ビ ジ ネ ス の 展 開 方 法 につ い て研 究 を進 め て い く必 要 が あ る.な お,地 下 鉄 事 業 者 に対 して 利 用 者 が 一 番 求 め て い る こ とは,「 安 全 で,時 間 に正 確 で,経 済 的 な価 格 で,快 適 に移 動 す る.」 こ とで あ り,経 営 組 織 が どの よ う に変 革 し よ う と も旅 客 の安 全 輸 送 が 主 体 で あ っ て,駅 構 内 を有 効 活 用 す る こ とが 従 属 関係 で あ る こ と は変 わ らな い.ま た,マ ー ケ テ ィ ング調 査 や 戦 略 不 備 の ま ま駅 ビ ジ ネ ス を計 画 す る こ と は慎 む べ き で,関 連 事 業 に お け る不 採 算 事 業 の展 開 に よる 赤 字 増 加 は 絶 対 に 許 され な い こ と を忘 れ て は な らな い. 参 考 文 献 [1]柿 原 幸 記,「 平 成15年 度 公 営 地 下 鉄 事 業 の 決 算 に つ い て 」,『SUBWAY』,2005.1号,2005 年,pp.17-pp.22 [2]加 藤 剛 司,「 新 規 事 業 の 展 開 に つ い て 」, 『SUBWAY』 ,2004.9号,2004年,pp.30-pp. 34 [3]金 澤 成 保,「21世 紀 型 交 流 都 市 を 目指 し て 」, 『み ん て つ 』 ,2005冬 号,2005年,pp.8-pp.ll [4]河 本 健 一,「 地 下 鉄 事 業 経 営 健 全 化 対 策 実 施 要 領 に つ い て 」,『SUBWAY』,2002.5号,2002 年,pp.30-pp.37 [5]九 鬼 令 和,「 東 京 地 下 鉄 株 式 会 社 ∼ 営 団 地 下 鉄 の 特 殊 会 社 化 に つ い て ∼ 」,『SUBWAY』,2004. 5号,2004年,pp.10-pp.23 [6]丸 茂 新 編 『関 西 学 院 大 学 産 研 叢 書 都 市 交 通 ル ネ ッ サ ン ス 』,お 茶 の 水 書 房,2002年,pp. 143-pp.173 [7]太 田 敦,「 民 間 鉄 道 事 業 者 の 不 採 算 路 線 再 生 モ デ ル 」,『Mizuho lndustry Focus』,2003年 Vol.ll,2003年,pp.1-pp.ll [8]太 田 和 博,「 地 下 鉄 経 営 の パ ラ ダ イ ム 転 換 と そ の あ る べ き 方 向 」,『SUBWAY』,2003.11号, 2003年,pp.8-pp.13 [9]正 司 健 一,「 都 市 と交 通 」,『み ん て つ 』,2002年 22)PDCAサ イク ル を実 行 す る場 合,業 務 プ ロ セ スの 現状 をつ か み,目 指 すべ き理 想 と現 実 の ギ ャ ップ を認 識 して対 策 を立 案す る.(Plan・ 計 画)こ の ギ ャ ップ を埋 め るた めの 対 策 を実 際 の 業務 プ ロセ ス に導 入 す る.
(Do・ 実 行)そ して,導 入 した対 策 が 問題 な く稼 動 す る か確 認 して(Check・ 評 価),カ イゼ ン(Act・ 改
APRIL号,2002年,pp.4-pp.7 [10]竹 内 健 蔵,「 地 下 鉄 事 業 か ら 見 た 特 別 会 計 制 度 の 方 向 」,『SUBWAY』,2004.5号,2004年, PP.6-PP.9 [ll]田 地 朗,「 営 団 地 下 鉄 か ら 東 京 メ ト ロ へ 」, 『SUBWAY』 ,2004.5号,2004年,pp,55-pp. 58 [12]HamelGandC.K.Prahaiad,Competing for
the Future, Harvard_Business_School_Press,
Boston,1993(邦 訳:一 条 和 生 訳 『コ ア ・コ ン ピ タ ン ス 経 営 』,日 本 経 済 新 聞 社,1995年) [13]堀 雅 通,「 鉄 道 の 上 下 分 離 と線 路 使 用 料 」,『高 崎 経 済 大 学 論 集 』,第47巻 第1号,2004年,pp. 45-pp.57 [14]早 稲 田 大 学 ス テ ー シ ョ ン フ ォ ー マ ッ ト研 究 会, 「「適 駅 」 「適 街 」指 標 に よ る 駅 の 分 類 と駅 型 業 態 開 発 の ア プ ロ ー チ 手 法 」,『 月 刊 レ ジ ャ ー 産 業 』, 2002年11月 号,2002年,pp.41-pp.49 (2005年ll月29日 受 領)