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JAIST Repository: 産業技術戦略の策定

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Academic year: 2021

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JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title

産業技術戦略の策定

Author(s)

兼谷, 明男; 中西, 宏典; 安栖, 宏隆

Citation

年次学術大会講演要旨集, 14: 261-265

Issue Date

1999-11-01

Type

Conference Paper

Text version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/10119/5763

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す

るものです。This material is posted here with

permission of the Japan Society for Science

Policy and Research Management.

(2)

2A05

産業技術戦略の

策定

0

兼谷

明男,中西宏典,

安栖宏隆 ( 通産省工業技術院 ) 1 .

産業技術戦略策定の

背景 通商産業省では , 現在, 新たな産業技術戦略の 策定に向け作業を 進めていると ころであ る。 その背景は以下のように 要約することが 出来る。 ①今回の行政改革によって , 通商産業省は 2 0 0 1 午 1 月から新たに 経済産業省 となる。 これに伴って , これまで産業技術政策を 担っていた工業技術院と 産業

政策局の一部

(

産業技術課

)

は産業技術環境局として 内局の一翼を 形成するこ

とになる。 今後, 経済構造改革に 取り組むとともに 経済全般の運営の 企画・

立 案に参画する 経済産業省にとって , フロンティア 市場創造や競争力強化のため

の基盤作りは 重要な課題であ り, その推進力となる 技術革新の担

役割は大で

る。 そのため, 今後, 産業技術環境局を 中心に展開されることになる 技術革

新を強力に推進, 促進するための 新たな産業技術政策の 確立が必要になって

い る 。 ②言 う までもなく産業技術の 主たる担い手は 民間企業であ る。 しかしながら , 研

究開発に伴

リスクやコストを 軽減したり,企業における 技術革新を環境問題,

高齢化, 高度情報化といった 社会的制約や 要請に適切に 対応するようにしてい

くことは国の 役割でもあ る。 今日, 我が国産業競争力の 危機が言われ , また 欧 米

諸国が競争力強化のための 政策を積極的に 展開している 中にあ

って,

産業界

からも, 戦略目標を明確にしつつ , 技術の企画・ 構想からその 創造, 伝播・ 普 及

,活用・事業化,受容に

至る技術革新の 全過程を視野に 納めた政策を 展開し,

重点的・集中的な 政策資源投入を

行 う

ことへの期待, すなわち戦略的な 産業技

政策展開への 期待が高まっている。

③技術が目覚ましい 発展を遂げた 2 0 世紀, 我が国もまた , 技術を最大限に 活用 しっ っ 経済発展を達成してきた。 しかしながら , 2 1 世紀を目前に 控え, 技術 を

取り巻く内外の 経済社会の環境も 大きく変化しつつあ る。 また, 技術自体や

技術革新のプロセスもダイナミックに

変化する

と と も

に, 経済社会等と 技術と

関係も相互に 影響を及ぼし 合う,より複雑な 関係になってきている。 したがっ

て , 産業技術政策もまた , こうした技術革新を 取り巻く変化を 充分に踏まえ , 適切な見直しを 行ってより効果的な 展開を図っていくことが 必要とな づてい る 。 こうした背景に 加え , 去る 6 月には, 産業競争力会議における 議論を踏まえた 一 261 一

(3)

政府産業構造転換・ 雇用対策本部において

, 「 2 0 1 0 年頃 をにらんで,バイオ , 情報通信, ・ ・ ・の分野毎に ,

技術開発目標を 設定する国家産業技術戦略を

産学 官の英知を結集して 策定し , 当該戦略を科学技術基本計画に 反映する」 ことが 決 定 されている。 これを受け, 産業界, 学界及び関係省庁が 参画して, 年内に中間 報告を作成することを 目途に国家産業技術戦略の 策定作業が進められており , 通

商産業省においても 自らの産業技術戦略策定作業を 踏まえ, この作業にも 積極的

に 参画しているところであ る。 2 .

産業技術戦略の

骨格 産業技術戦略は , 技術革新が活発に 起こっていくような 経済社会システムを 構 築していくためのく 基盤・環境整備戦略 ノ, 国として対応すべき 技術開発を戦略

的に行っていくためのく 重点化戦略

ノ , そして,

現在の産業をべ

スにした産業

技術分野ごとに 当該産業及び 技術の強み・ 弱みを分析・ 把握し, それを踏まえて

技術力向上に 向け産学官がそれぞれ 何を行 う べきかを明確にするく 分野別戦略 ノ の 3

層から構成される

( 図 1 参照 ) 。 図 1 .

産業技術戦略の

骨格 産業競争力の 強化 社会の持続可能な 発展の実現

A.

基抽 ・ 珪境史笘恩略

B.

重点化 戟略 l の Ⅱと 金 x. への 応 四の庇 尭祝 夕オ 甜 B7. な 金め 克才 ・ 刷 約への力石 (l) 企画・ 抽紀 (l) 田垣と拍 和した 在 Ⅰ 里億済 社会の 拍ま (2) 枝柿の 刮遁 ( カ エネルギー安定供億片 侯 . 地 群口 坑 保 全及び 旺 済成 Ⅱの同苗ま成

(3)

技綺 の 伝廿 ・ 甘及

共通

@

(3)

会の実現 ぼ済 安全・安心で 社会の新生の 甘の高い生活を 垂 Ⅰとなる六度 送ること 亜報 化社 (4) 技 蜥の活用・ウ 文化の がでさる 社 宝の形成 (5) 社会への受容 ム 止 Ⅰ ヨ 2%/ 授 舶の功労・ 伊 承仕による 方俺ま 坊の推 謄 (6) 枝折 の Ⅰ 理 (l) 革新的 桂桶 シーズ 尭桶 (2) 共丑王 d% 綺 の 拍ま (7) さ 牡の揺 括 (3) ( りぬ 憶 知的 笘苗 の竹田 的 ・几下句 接億 ・ 捷臣 の仮定 主文における 9% 廿 Ⅰ カと技蜥 の 現 % 分析 (1) 当接 産立の現状 と持む (2) 全ま拓生産 世 の推移

バイオ

㏄ 億

(5)

) ) 国 口才抗争力 当甘珪荻桂街 標柱多力 拮 め 珪の在日 の 比較 扶況 分析

分野

@

今伍 桂 の 百王 圧三と 新の ⅠⅠ 巨舶 ( 日 2 へ反 挨 ) (2) 社会的Ⅰ m . ㎝杓への 対弓 (B] へ反映 ) (3) は 略 的日 胆 の 皿定 (A B・ 82 へ五 %) 反映

(4)

①基盤・環境整備戦略

我が国を次々と 技術革新が活発に 起こるような 経済社会システムへと 変えてい くことが目標であ る。 技術革新を担 う 各主体・システムは 相互に影響を 及ぼし つつ,

その活動を行っており

これらが全体としては

, 技術の企画・ 構想, 創 造 , 伝播・普及, 活用・事業化, 受容という技術革新の 流れを複線的に 形作っ ていると考えられる。 したがって, それぞれの主体・システムが 有する創造性 を 十分に発揮させるとともに , 各主体・システム 間の相互作用を 活性化してい くことが重要であ り, そのための基盤・ 環境整備の在り 方を検討している。

②重点化戦略

国として戦略的に 重要性のあ る技術開発に 重点化して取り 組んでいく必要があ

る。 ここでは, 重点化を図る 切り口として , 現下の社会的要請・ 制約が何であ

るかを取り上げている。 具体的には, 今日的な課題を 「環境と調和した

循環型

経済社会の構築」, 「エネルギー 安定供給確保, 地球環境保全及び 経済成長の

同時達成」, 「経済社会の 新生の基盤となる 高度情報化社会の

実現」

及び「安

心・安全で質の 高い生活を送ることができる 社会の形成」 の 4 つの社会的な 要 ・制約の軸で 整理し,

それぞれの観点から 重要な課題を 抽出する事としてい

る 。 そして, それらの課題に 対応するために 必要とされる 技術への要請事項を

整理し記述することにより 重点的に取り 組むべき技術開発の 分野, 方向性を明

らかにする ( 図 2 参照 ) 。

一方,社会的要請・ 制約とは直接に 対応するものではないが ,将来のフロンティ

アを 切り 拓 いていくためにも 研究開発 ポ テンシヤ ル を維持・ 滴 養することが 重 要であ り, 国にとって成すべき 重要な責務であ る。 また, このような知的フロ ンティアを開拓して い くことは人類の 知的資産の拡充に 貢献し , 我が国の知的 存在感を増すことにもっながることが 期待される。 このため, 我が国が取り 組 むべき技術創造活動についての 大きな方向性を 探り , ①革新的技術シーズの 発

掘, ②共通基盤技術の 構築, ③知的基盤技術の 計画的整備, 及び④規範・ 標準

につながる技術基盤整備, の在り方を検討している。

③分野別戦略

産業技術分野によって

その世界における

位置づけや社会・

市場との関わり

方 また技術革新のパターンも 異なっており , これらを踏まえた 検討を行う必要が あ る。 具体的には, 情報, バイオ, 環境といった 分野 梅 ( 図 3 参照 ) に, 当該

分野の産業競争力と 技術の現状分析を

行 う

とともに, 当該分野において 技術革

新を阻害している 問題点を明らかにする。 更に, 今後の当該分野における 技術

革新の展望及び 前述した社会的要請・ 制約への対応の 在り方を踏まえ , 重点化

すべき技術領域とその

具体的進め方を 検討す

る 一 263 一

(5)

図 2 . 社会的要請・

制約への対応のイメージ

( 例 ) 佳境 と謂 和した 循珪型軽済 社会の拍 築 「

扶 システムの間 4 点 Ⅰ土コ・ ス Ⅰ 仁ヰ ・ ス ⅠⅠ クの ⅠⅠ片目システムのⅠ 界 木 Ⅰ 俺 ま社全からぬ 群生社会への 転技

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而 Ⅱ初夫Ⅰ 巧 @ 何 % づ ⅠⅠ生の シ ヌテⅠに 憶 ⅠⅠ 46 ⅠⅠ @ あ 4 祇ヨ拐ヰに Ⅰ る Ⅰ り 乃ヌと % ぬ生田ヌ の ⅠⅠ

0 俺コ拐 ・ⅠⅠ 拐 ⅠのⅠ 与 ・Ⅰ 仁 @0% Ⅰに 月 ⅠⅠ不肖 の ミス 且な ㍉宍の 4 世 モ p 力 @@ 半助 @ ユ在の甘 汗 石下・ 拍仁拍向 に月する圧す

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ヰ Ⅰ ヰ Ⅰの分析・卓立は 折い ( イ オセンサーⅠ 1 の Ⅰ 苑 @MSDS@-W'J-CM @ 牛 勒 Ⅰの 田示方 桂田のⅠ ワ化 図 3 .

分野別産業技術戦略策定分野

1 . 無機材料分野 非鉄金属分野 アルミニウム 8. 環境関連技術分野 半導体材料 琳境 全般 ファインセラミックス 技術分野 進水分野 耐熱材料技術分野 2. 鉄鋼分野 9. ェ ネルギ一分野 3. 化学分野 新エネルギー 技術 化学・プロセス 分野 省エネルギー 技術分野 化学技術者人材育成分野 電力技術分野 化学物質総合評価管理技術分野 石炭技術分野 4. バイオテクノロジ 一分野 5. 医療・福祉分野 ・ メ ティカ JL. ヘルスケア技術分野 ・人間生活工学分野 6.

機械分野

製造技術分野 工作機械分野 半導体製造 装 億分野 素形材分野 重電機器分野 員子 ヒ ・ - け D 奴 技術分野 7. 子 分 石油技術分野 ( 石油技術分身、 6 泊 肪尭 技術分身. LP ガス技術分野 ) ガス技術分野 原子力技術分野 資源技術分野 海洋関連技術分野 io. S@t@g

Ⅱ・航空機分野

12. 宇宙分野 13.

{UMl@g

14. 住宅産業分野

(6)

3 .

戦略策定と技術革新システム

産業技術戦略の 策定にあ たっては, 技術革新システムに 関する検討が 前提とな る 。

基盤・環境整備戦略を 考えるにあ たり, 国の技術革新システムをどうとらえる

のか, どこに我が国の 強み弱みがあ るのか, どこを整備, 改革することで 技術革

新が次々と起こるようなシステムを 構築できるのか

を考える必要があ

る。

現在の産業技術競争力を 比較することは

単なる技術水準の

比較ではなく , 如 何に優れた技術を 生み / 獲得し, 実用化し , 市場を獲得し 優位を形成していける のか,

という技術革新システムの 優位性を比較することでもあ

る。 かって優位を 占めていたかに 見えた日本の 技術革新システムが , 右肩上がりの

経済成長から

低成長へ,

キャッチアップからフロントランナー

へ ,

物的豊かさの

追求から多様な 価値の追求 へ , こうした価値を 反映することがより 求められる 社 会と 技術との関係の 変化, 情報技術やバイオテクノロジ 一等の台頭と 技術革新プ

ロセスの迅速化・ 多様化, 等々の環境変化の 中で, 何故に十分機能しなくなった

のかを分析する 必要があ る。 また,

今回の産業技術戦略における 重点化戦略では

前述のように

社会的要

・制約をいわば

国としての需要として 明確に示すことにより 技術革新を促そ

う としている。 もとより, こうした需要に 依らない将来のフロンティアを 開拓する ための技術の 創造も必要であ り, そのための環境整備を 図ることとしているが , 社会ニーズ と 技術シーズとの 関係をよりインタラクティブにとらえた 政策展開を 行 う ことも重要になってきている。

このような観点から

技術革新システムやプロセスについての 検討も十分に

まえ, 戦略策定を進めることとしている。

一 265 一

図  2  .  社会的要請・  制約への対応のイメージ  (  例  )  佳境  と謂  和した  循珪型軽済  社会の拍  築  「                         扶 システムの間 4 点 Ⅰ土コ・  ス Ⅰ 仁ヰ ・ ス ⅠⅠ  クの  ⅠⅠ片目システムのⅠ 界 木 Ⅰ 俺 ま社全からぬ  群生社会への  転技       こもⅠ  打 があ  ることモロ末夫  て  . d ⅠⅠ  年  システムをⅠ目とⅠ ぬ した   而 Ⅱ初夫Ⅰ  巧 @ 何 % づ ⅠⅠ生の  シ ヌテⅠ

参照

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