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看護研究15年の歩み

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Academic year: 2021

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看護研究15年の歩み

私は, 1994年 4月に, 国立大学東京医科歯科大学大学 院医学系研究科博士前期課程, 精神保 看護学 野に進 学しましたが, そのころ国内に看護系大学院は, 5 しか ありませんでした. 指導教官は, 精神障害の WHO診断 基準である「ICD-10」を翻訳された,東京医科歯科大学 名誉教授の小見山実先生 (医師) でした. 小見山先生は, 非常に優しく女子学生にも人気のある ダンディな先生で, 先生からは, 現象学に基づく論文の 書き方, 語句の い方について大変丁寧な指導を受けま した. その頃私は, 特に思春期に興味があり, 某小児精神専 門病院の「思春期デイケア」で,6ヵ月間にわたり参加観 察をして, そこで起きている現象を記述し 析する記述 現象学による質的研究をしました.「思春期精神障害者の リハビリテーションに関する研究」というタイトルで, 看護学修士の学位を取得し, 後に, 日本精神科看護学会 誌に発表しました. 1998年 4月, 東京医科歯科大学医学部保 学科精神保 看護学 野の助手 (後に学内講師) となり 8年間,東京 医療保 大学の准教授となり 3年間, 教育の傍ら, 研究 を続けてきました.助手になりたての頃は,研究・研修の ために週 2日ほど大学附属病院精神神経科病棟に入り, 精神 裂病 (現・統合失調症)・摂食障害・外傷後ストレ ス障害 (PTSD) 等の患者に対する看護について, 質的研 究をしました. その後,「精神科デイケアや精神障害者共同作業所に通 所する精神障害者の QOL に関する研究」,「大学生の精神 障害者に対するイメージの研究」,「大学生の孤独感や人 間関係に関する研究」,「ジェンダー・パーソナリティと共 依存の関係性に関する研究」,「精神障害者の自我態度と ストレスコーピングに関する研究」などの量的研究をし ました. その一方で, 看護管理を専門領域とする共同研究者と 科学研究費の助成金を受け, 褥 の介入研究, 看護職の 職務満足度に関する研究を行い, 論文に発表しました. また,歯学部の医師たちとは,老人を対象に「グミによる 口腔機能と記銘力・精神症状に与える影響に関する研 究」,小学生を対象に「グミによる口腔機能と心理状態に 与える影響に関する研究」などの介入・量的研究を,製薬 会社のサポートを受けながら行いました. また, 同時進行で博士論文の準備を進めて行きました. 精神科単科の精神病院の急性期病棟に月 1∼ 2回定期的 に 3年近く通い,「クリティカルパス法導入の治療看護の 標準化と早期退院への影響に関する研究」として, 研究 助成金をもらいながら介入研究をしました.「Effects of introducing a critical path method to standardize treat-ment and nursing for early discharge from acute psychia-try unit.」というタイトルで,Journal of Nursing Manage-mentに掲載されました. この論文のアウトカム評価に は, 患者の入院期間を介入群と対照群で比較, 介入前後 で比較し, また, 看護師の職務満足度調査を, 介入群には 4回, 対照群には 3回行い比較 析しました. この論文を, 博士の学位論文として大学に提出し, 2006年 3月, 東京医科歯科大学大学院保 衛生学研究 科・看護学博士の学位を取得しました. その他には, 今年で 8年目になりますが, 科学研究費 を 3回 (4種類) 受けている研究があります. 他大学の専 273 Kitakanto Med J 2010;60:273∼274 1 群馬県前橋市昭和町3-39-22 群馬大学医学部保 学科看護学専攻臨床看護学講座 平成22年5月31日 受付 論文別刷請求先 〒371-8511 群馬県前橋市昭和町3-39-22 群馬大学医学部保 学科看護学専攻臨床看護学講座 日下和代

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門領域も異なる研究者 4人と研究会を立ち上げ,「非配偶 者間人工受精 (以降 AID) に関する研究」をしています. 「AID で生まれた子どもの心理」,「告知に対する親の態 度―AID を選択した女性への聞き取り調査」,「AID を選 択した女性の認識・体験」,「AID で生まれた人の出自を 知る権利」などの質的研究をしました.現在は,AID で子 どもを出産する予定のカップルにカウンセリングのシス テムを提供するための研究を進めています. また, AID で生まれた子どもや, AID で子どもを出産しようとする カップルの自助グループ立ち上げのサポートもしてきま した. それから, 東京医科歯科大学で実習委員長をしている 頃 (2003∼2005年) には, 委員会のメンバーたちと共同 で, 学生に対する教育研究として「臨地実習における各 領域共通の看護技術チェックリスト導入の試み」「看護実 践能力育成の充実に向けた電子媒体による技術チェック リストの検討」「看護実践能力育成に向けた看護技術 チェックリストの検討」のタイトルで「看護教育 (雑誌)」 に,「実習記録の管理・取り扱いをめぐる対策」のタイト ルで,「看護展望 (雑誌」に論文を発表しました.また,そ の頃, 精神保 看護学の大学院生たちと共同で,「精神看 護領域の事例検討会における事例検討という体験の構 造」という質的研究をしました. 最近は,対人関係能力〔心の知能指数・Emotional Intel-ligence Quotient (EQ) 〕の育成を目指した教育を実践し ていますが, それを評価する目的で, 学生や看護師を対 象に対人関係能力 (EQ) と自律性に関する介入研究を行 い, 研究結果をまとめて雑誌に投稿中です. 以上のように, この 15年余り精神看護学に関する研 究を主軸に置きながら, 他領域の研究者と共同で, たく さんの研究を進めてきました. その結果, 幅広い知識を 身につけることができ, 多数の専門領域の研究指導に携 わることができるようになりました. 2009 年 11月,群馬大学大学院医学系研究科・医学部保 学科看護学専攻臨床看護学講座精神看護学 野の初代 教授として赴任し, 2010年 4月からは, 精神看護学 野 の卒業論文と大学院生博士論文の指導に携わっていま す. 一人でも多くの学生が研究を好きになり, 研究を続 けられるように, 学生とともに楽しみながら研究指導を 続けていきたいと えています. 看護研究 15年の歩み 274

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