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高校生の学校不適応を把握するための適応感要因の検討-学校の特性・生徒の特性に着目して-

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Academic year: 2021

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(1)高校生の学校不適応を把握するための適応感要因の検討        一学校の特性・生徒の特性に着目して一. 学校教育研究科 学校教育学専攻臨床心理学コース. 学籍番号  M08054F 氏   名  木村 達也           問題. なっている。例えば,浅川ら(2002)の『高校生活.  現在,高校においてさまざまな理由で不登校や退. 適応感尺度』では,「部活動への意欲」「家族関係」. 学などに至る生徒が数多く存在する。文部科学省に. 「教師との関係」「学業への意欲」「自己肯定感」「友. よれば,平成19年度における高等学校の不登校生. 人関係」の6つの要因が,大久保(2005)の『学校へ. 徒数は53,041人(在籍者のL6%),中途退学者は. の適応感尺度』では,「居心地の良さの感覚」「課題・. 72,854人(同2,1%)に上っている。それ以外にも. 目的の存在」r被信頼・受容感」r劣等感の無さ」の. 高校生活への不適応を示す生徒は,かなりの書1」合で. 4つの要因が学校適応感を支える因子として取り上. 見られる。不登校の実態調査を実施した森岡(1991). げられている。他にr居場所の有無」r社会的スキル. によれば,子どもたちの約70%が登校回避感情を. の有無」「学級との関係」「進路意識」等の因子を取. 抱いているという。高校生活を送る生徒の中に不適. り上げている研究もあるが,視点の違いをそのまま. 応感を持つ多くの生徒が存在することになる。高等. 反映した結果も多い。. 学校への進学率が97.7%(平成19年度)という数 字からも高等学校は該当年齢集団の主たる生活域で.           目的. あり,不登校・中途退学あるいはその前段階を含む.  これまでの先行研究の知見を活かした質問紙調査. 不適応状態の発生やその状態の維持を放置・看過で. を高校入学後間もない1年生に対して行い,学校適. きないと考えられる。. 応感を測るとともに適応感を支える要因を改めて整.  高等学校においては,学校の特色の違いが小学校. 理することを目的とする。また,この時示される適. や中学校以上に大きいため,それぞれの特性が適. 応感と生徒個人の過剰適応傾向および自我強度との. 応・不適応にも影響を与えていると考えられるが,. 関連を調査する。. そのことで対応が一般化しにくい一面もある。高等.  さらに,高等学校における学校の特性としての学. 学校ごとの特性に応じた適応と不適応を把握し,そ. 科・課程・学年制か単位制かの別・男女別か共学が. の学校に応じた個別の対応を行うことが求められる. の別・進学率・地域性等の調査から生徒の学校適応. が,こうした視点で研究された例は少ない。高等学. 感の学校間差を探り,生徒個人の特性との関連につ. 校は社会の入り.口としての側面を持つことから,高. いても明らかにすることを目的とする。. 等学校での不適応がその後の社会生活での不適応に つながる意味を持つことにもなり,こうした側面か.         調査方法. らの対応も必要である。. 1.一関東及び東北地方の高等学校12校に在籍する1.  高校生の学校適応感についての研究では,いくつ.  年生に対する質問紙調査。. かの尺度が使われ,適応感を支える要因も微妙に異.  時期は2009年6∼9月,対象者は1746名(男. 126一.

(2)  920名,女817名,性別不明9名)。. 有意差は見られなかった。.  質問紙の内容は. 3.r学校への適応感」に関する重回帰分析。.   I:r高校生活適応感尺度」(浅川ら,2002).  影響を与える要因を探るために重回帰分析(モ.  n:「青年期前期過剰適応尺度」(石津,2006). デルの調整済み山上を行った所,.  皿:「自我強度尺度」(Catt1e,RB.,1965). 対象者全体ではO.1%水準で標準偏回帰係数(β).  IV:r学校への適応感尺度」(大久保,2005). が「友人関係」で遡,「自己不全盛」で地,. 2.質問紙調査対象生徒が在籍する高等学校の特.  「自己肯定感」で197となり,適応感に大きな影.  性調査。. 響を及ぼしている。しかし,学校ごとに適応感要.  学校の特性と考えられるr課程」r科」「学年制・. 因が微妙に異なる結果も得られた。また,学校適.  単位制」r男女別・共学」r進学率」r出席率」r退. 応感の要因は大きく『外的・対人的側面』と『内.  学率」「地域」などについて調査。. 的側面』に分けられることが,使用した学校適応. 感の16の要因の主成分分析によって明らかにな.           結果 1.各尺度間相関.   使用尺度間の相関をみるためPearsonの相関. った。. 4.学校特性と生徒個人特性との関連。.  本調査対象校は,学校の特性から大きく3つの.  係数を求めた。. 学校群に分かれた。また,生徒の学校適応感から.   r高校生活適応感」とr学校への適応感」には. もほぼ同一の群に分類できた。学校の特性と生徒.  強い相関が認められた(∫=.701く.01)ため,よ. 個人の心理的特性には関連があり,同じ特性を持.  り心理的な側面の下位因子で構成された「学校へ. つ群の学校に心理的特性の似た生徒集団が在籍し.  の適応感」尺度得点をこの研究では適応感の指標. ていることが明らかになった。.  とすることとした。r過剰適応」とr学校への適応.  感」には相関が認められなかった(山).           考察.  が,「自我強度」と「学校への適応感」には比較.  r学校への適応碑」には,学校間で違いがあり,ま.  的強い相関(r=.417 く.01)が認められた。r自. た生徒の心理的個人特性とも関連があることから,.  我強度」と「過剰適応」には弱い負の相関(凶. 生徒の適応感の低い学校に対しては,生徒集団に対. p≦皿)が認められた。. する心理的教育が必要であると考えられる。その際,. 2 r学校への適応感」尺度の得点について. 適応感要因が学校により若干の相違もあることを鑑.   r学校」の違いについて,1要因の分散分析を. み,それぞれの学校に応じた取り組みが求められる。.  行った結果,次111698):=1789 く001で学校間. 例えば,r自己肯定感」が適応感に影響を与える学. 差が認められた。また,6検定を行い,r性」の違. 校と「自己不全盛」が影響を与える学校があり,求. いについては左幽Lで女性が有. められる対応は異なってくる。このように学校それ. 意に高い得点を,「部活動の加入」については. ぞれの特性への対応という視点が必要であることが. 左虹Lで部活動に加入している. 示されたが,このことは学校不適応への予防的対応. 生徒が有意に高い得点を,「第1志望か以外か」. としても重要であると考えられる。. については,左幽Lで在籍校を第1 主任指導教員 岩井 圭司. 志望としていた生徒が有意に高い得点を示した。. 指導教員岩井圭司. 「不安の有無」については,C(1531)=一.432n.s.で. 127一.

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参照

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