4. まとめ 本稿では、滋賀県北部の余呉型民家について、残存状況を調査すると共に、外観調査から防火性能の定量 的な把握と今後の防火対策の提案を行った。加えて、菅並集落の民家についても、全ての余呉型サンプルを 対象に同様の調査・分析・提案を行った。以上より得られた知見は次の通り整理される。 1)広域的に見た場合、1960~98年調査時に比して余呉型残存民家は約6割に減じており、結果的に分布域は 南北限で縮小傾向にある。 2)加悦伝建地区とデータ比較した場合、余呉型残存民家の防火性能は概して低い。とりわけ差の見られた部 位は、①屋根軒裏素材、②妻壁通気口、③妻側壁面素材、④平側上部の壁面素材の4点である。 3)菅並民家は余呉型残存民家に比べ、全般的に防火性能が優位である。とりわけ違いが見られるのは、①屋 根主屋素材、②軒裏主屋素材、③妻壁通気口、④壁面素材妻側シモ下部、⑤建具素材妻側シモ面の5点で ある。これにより、相対的に菅並民家のシモ面における高い防火性が明らかとなった。 4)湖北地方の余呉型残存民家に対する防火対策の提案として、①主屋屋根素材・軒裏部位の不燃化(トタン被 覆)、②下屋軒裏の木部露出防止(漆喰塗り等)、③妻壁通気口の閉鎖、④4壁面共に腰壁と壁面上部の不燃 化(燃え代設計等)、⑤シモ面大戸の不燃化とオモテ・ウラ面における木製建具の不燃化等がある。 5)4)と同様に、菅並民家については、①下屋軒裏の木部露出防止(漆喰塗り等)、②壁面上部の不燃化(燃え 代設計等)、③カミ・オモテ・ウラ面腰壁の不燃化、④明かり窓の孔の閉鎖、⑤オモテ・ウラ面の木製建具の 不燃化等といった対策が考えうる。 謝辞:本研究は私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「文化遺産を核とした観光都市を自然災害から守るた めの学術研究拠点」(研究代表:深川良一)ならびに歴史都市防災研究所研究施設補助(研究代表:大窪健之)に より行われたものである。また調査に協力頂いた関係者の方々に謝意を表する。 注釈 1)文献3)p.920には「ざしき列はオモテの空間、ねま列はウラの空間という対比的な空間意識や行動様式を反映した構成 をとった」とある。 2)文献4)pp.581・584:「この地方には相当古い形式を残した民家が残存し、その系譜も京都から北陸まで広く分布してい る形式の基本型を示している」「昭和13年に城戸久氏により発表された尾張地方の古民家が構造的に類似した点を持つ ていることは、余呉型が関ヶ原を越えて尾張地方まで広く分布していたことを示すものであろう」と言及される。 3)文献6)p.37に「防火対策が時代の変遷とともに町並みを個性化する、記号性を持った景観エレメント・建築部位となっ たもの」と定義されており、本稿においても同様とする。 4)文献15によれば、平成7~9年度にかけて①地域的特色があらわれているもの、②建築年代の明らかなもの、③意匠・構 造に特色のあるもの、④古い生活様式を残しているもの、⑤保存状態がよいもの、⑥優れた改修を行っているもの、 ⑦付属建物を含めた屋敷構えを残しているもの、⑧緊急の調査を要するものを対象に滋賀県全域において民家の調査 が行われた。 5)外観調査におけるカミ-シモ・オモテ-ウラ面の判別は、妻側は妻入の場合、大戸口のある面をシモ、その対面をカミ、 平入の場合オモテ面の大戸口がある方の妻側をシモ、その対面をカミとしている。また平側は目視により開口が大き い面をオモテ、その対面をウラとしている。 6)本報における屋根開口部は、主屋軒裏開口部・明かり窓・通気棟・妻壁通気口を総称したものとした。 7)壁面における可燃素材は、木部露出の構造(黄土真壁・漆喰真壁)と木製素材の板張(下見板張・木板張)である。 8)図9における各項目の集計合計数についても、図7と同様にデータ取得不可サンプルがあったため若干の変動がある。 文献 1)濱崎一志:余呉型民家の活用方策調査報告書、湖北古民家再生ネットワーク、2014.3. 2)藤田元春:日本民家史、刀江書院、1967.9. 3)吉見静子・室谷誠一:余呉型民家の空間構成上の特性、日本建築学会大会学術講演梗概集、pp.919-920、1990.11. 4)大岡実・鈴木充:湖北地方民家の類型、日本建築学会論文報告集第66号、pp.581-584、1969.10. 5)城戸久:尾張に於ける古農民建築、建築雑誌645号、pp.252-263、1938.12. 6)平尾和洋他:名古屋市緑区有松地区における防火意匠の現状調査、歴史都市防災論文集vol.6、pp.37-44、2012.7. 7)金子佳弘他:丹後加悦重伝建地区における防火意匠の現状調査、歴史都市防災論文集vol.7、pp.131-138、2013.7. 8)鈴木充:民家の編年的研究-民家史の成果とその課題-、建築雑誌893号、pp.39-44、1961.1. 9)大岡実・宮沢智士:湖北地方民家の編年、日本建築学会論文報告集第66号、pp.577-580、1960.10. 10)玉置伸俉他:余呉型住宅の構成と規模に関する考察、日本建築学会大会研究講演梗慨集(東海)、pp.841-842、1985.6. 11)鈴木充:湖北地方の民家、建築雑誌963号、pp.16-17、1966.1. 12)玉置伸俉・岡本通弘:北陸地方における農家住宅の起源とその発展過程に関する研究、日本建築学会北陸支部研究講演 梗慨集、pp.285-288、1985.6. 13)村上訒一他:日本の民家 重要文化財修理報告書集成5[農家Ⅴ]近畿地方1、東洋書林、2000.6. 14)川島宙次:滅びゆく民家ー間取り・構造・内部ー、主婦の友社、1979.9. 15)奈良国立文化財研究所偏・滋賀県教育委員会:滋賀県の近世民家 滋賀県近世民家調査報告書、滋賀県教育委員会、 1998.3. 16)玉置伸俉他:湖北地方・余呉型住宅に関する研究、日本建築学会北陸支部研究講演梗概集、pp.281-284、1985.6. 17)玉置伸俉・熊田康也:北国街道沿いの旧宿場集落に分布する住宅について、日本建築学会北陸支部研究報告集(30)、 pp.321-324、1987.6. 18) 滋賀県教育委員会:滋賀県緊急民家調査報告書、滋賀県教育委員会、1969 対策を提唱したい。さらに建具に関して⑤オモテ・ウラ面における木製建具の不燃化が必要となろう。 歴史都市防災論文集 Vol. 9(2015年7月) 【論文】
小地域地名の語尾と自然災害リスクの関連性
Relationships between Suffixes of Small-Area Place Names and Natural Disaster Risks
花岡和聖
1Kazumasa Hanaoka
1東北大学助教 災害科学国際研究所(〒980-0845 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉468-1) Assistant Professor, Tohoku University, International Research Institute of Disaster Science
The purpose of this study is to analyze relationships between small-area place names and disaster risks by using geographical information system. This study focused on the last letter (suffix) of Japanese place names because it often represents regional topographic characteristics. Gazetteers of Miyagi and Iwate prefectures were therefore constructed from the existing address database. The results of our statistical analysis suggest that the current place names still relate to topographic features and disaster risks. Small-areas with certain place names are more likely to have specific type of natural disasters. Place names shared by local residents are succinct labels for understanding multiple disaster risks. The importance of place names thus should be reconsidered and they should be used for disaster mitigation and education.
Keywords : place name, gazetteer, natural disaster, geographic information system, statistical analysis, Tohoku
1.序論 地名とは、「たんに土地を区別するための符号ではなく、その土地の立地環境や、地名発生時の歴史を反 映したものであり、地誌である」1)と言われる。日本の地名は、土地の位置や形状、寺社、人物に由来する ものがあるが、土地の自然環境に基づき命名される場合が多い。とりわけ東日本大震災以降は、災害を示唆 する地名、いわゆる「災害地名」が着目されるようになり、一般向けの書籍も数多く出版されてきた2)3)。 地名の中には、長期にわたり地域住民の間で共有され保存されるものもあるが、時代の移り変わりによっ て、これまで使用されてきた地名が全く別の地名に変更される。たとえば、1962年に施行された「住居表示 に関する法律」においては、多くの歴史的な地名が廃止され、新たな住居表示体系に基づいた地名に書き換 えられた。新たに開発された郊外住宅団地には、「○○丘」や「□□台」といった地域イメージを優先した 地名が好まれる。災害地名に話を戻すと、こうした新地名は、従来の地名に込められた土地の地誌とは無関 係なものである場合も多く、人々は知らずに災害に脆弱な土地に住宅を建ててしまう。また歴史的に共有さ れてきた地名であっても、地域住民の間で地名への関心が薄れ、それが命名された背景や意味が世代間で継 承されなくなってきた。 柳田國男をはじめ地理学や民俗学、歴史学の地名研究において、戦前の時期から、地籍図や歴史資料をも とに過去の小字地名を復原する試みが行われてきた4)。1940〜50年代にかけては、鏡味5)6)7)や松尾8)によって、 地名の全国分布図に基づき地名の広がりや由来を解読する一連の研究が発表される。特に鏡味6)による山峰 地名の解析においては地名別の標高分布を作成し、その山峰地名の定量分析が行われた。1990年代以降にな ると、デジタル技術の進歩とともに、広範囲を対象とした地名データベースの構築も進められる。木全1)は、 近畿圏内の複数の地域を対象に小字集成図から小地域地名を収集し地名データベースを構築すると同時に、 地名近傍の土地利用や寺社仏閣等を付加することで、地名とそれが指し示す土地環境特性との関連性を分析 できることを示した。近年では、アーカイブや歴史GISの観点から、『大日本地名辞書』や『古事類苑』、
仮製図・迅速図等から収集された地名の空間データベースを構築する桶谷9)等の取り組みも進められており、 複数箇所の同一地名からその意味や特徴を帰納的に類推できる可能性が広がった。 しかし、依然として、既往の地名研究の課題として、①個々の地名の意味解釈に重点が置かれ、個別事例 に基づく記述的な把握に留まる点、②歴史的な地名データベースはアーカイブとしての価値は極めて高いが、 その具体的な利用事例が進んでいない点を指摘できる。その結果、現在の地名と災害リスクの関連性やその 程度について十分に評価できていない状況にある。 そこで、本研究では、現在、一般的に使用される住居表示に基づく地名データベースを用いて、次節で述 べるように町丁・字程度の小地域の地名(以下、小地域地名)の語尾に着目し、それらと土地条件・災害リ スクとの関連性を定量的に把握することで、災害リスク評価や地域防災教育における地名利用の有用性を明 らかにしたい。なお、本研究では、地形起伏に富み、過去に津波や豪雨、地すべり等の多様な自然災害を経 験してきた岩手県と宮城県を研究対象地域とする。 2.研究方法 (1) 使用するデータ 地名データベースの構築に際して、町丁・字程度の小地域地名を収録した全国データベースを表1に整理 した。それぞれの特徴を整理すると、国土交通省が公開する「位置参照情報」(大字・町丁目レベル)は無 償でダウンロードできるが、収録件数が26万件と他データよりも若干少ない。また「国勢調査小地域集計」 (町丁・字等)は、境界ポリゴンが得られるが、国勢調査の集計目的に設定された境界であるため、複数地 区の統合や実際の境界との不整合等がある10)。残りのデータはすべて有償ではあるが、その中でもArcGISデ ータコレクションに収録される「Zmap-Area II」(株式会社ゼンリン製)の地名ポイントは比較的入手が容 易で、収録件数も株式会社ゼンリンが販売する「行政区分地図データ」と同程度と判断される。また Zmap-Area IIはポイントデータであるが、人口密度が高い地域には一つの町域内に複数のポイントが配置され、実 際の町域の広がりを部分的に把握できる。以上の理由から、Zmap-Area IIの地名ポイントデータを本研究で 使用する。宮城県と岩手県には、重複する地名も含めて85,084件の地名ポイントを確認できる。 次に、土地条件及び災害リスクを把握するために、次の空間データを使用する(表2)。土地条件に関し ては、標高と傾斜角、地形分類、土地利用をそれぞれ基盤地図情報や土地分類基本調査から得た。災害リス クに関しては、東日本大震災時における最大津波浸水深、国土数値情報から河川洪水浸水深、土砂災害危険 箇所のうち土石流危険渓流と地すべり危険箇所、急傾斜地崩壊危険箇所の指定範囲を用いる。いずれのデー タも50m×50mラスターデータとして作成し分析に使用する。 表1 全国の小地域地名を収録した主なデータベース 表2 分析に使用する指標のデータ一覧 資料名 発行機関 収録件数 整備範囲 年次 データタイプ 位置参照情報(大字・町丁目レベル) 国土交通省 約26万 全国 平成21年 ポイント 数値地図25000(地名・公共施設) 国土地理院 約30万(居住地名のみ) 全国 平成13年 ポイント 国勢調査小地域集計(町丁・字等) 総務省 約22万 全国 平成22年 ポリゴン 全国町・字ファイル(住所マスター) 国土地理協会 約65万(旧地名を含む) 全国 平成27年 テキスト 行政区分地図データ 株式会社ゼンリン 約38万 全国 平成27年 ポリゴン Zmap-Area II※1 株式会社ゼンリン 約155万(重複を含む) 全国 平成24年 ポイント ※1 ESRIデータコレクションスタンダードパック2014収録 データ 出典 作成年・発行年 タイプ 標高 基盤地図情報 平成21年 N 傾斜角 標高データより計算 N 地形分類 20万分の1土地分類基本調査 昭和47年(宮城)・昭和49年(岩手) C 土地利用 20万分の1土地保全基本調査 昭和58年(宮城)・昭和59年(岩手) C 津波浸水深 国土交通省都市局『復興支援調査アーカイブ』データ 平成23年 N 河川洪水浸水深 国土数値情報・浸水想定区域データ 平成24年 N 土石流 国土数値情報・土砂災害危険箇所 平成22年 C 地すべり 〃 〃 C 急傾斜地崩壊 〃 〃 C C:離散型、N:連続型
(2)集計対 桶谷論文 成される。地 しかし、それ 抽出する膨大 の漢字一文 はその前半 多く、その語 点が挙げられ い110種の漢 能性が高い 布が認められ (3)分析手 本研究の分 ① 地名デ 付く場合 第7地割 る場合、 ② 次に つ地名ポ イントが得 ③ 上記 隣の地名 川や海を跨 ④ 生成 計した。表 対象とする地 9)で構築され 地名がもつ本 れを実現する 大な作業が必 字(接尾辞) に土地の性質 語尾は複数の れる。本研究 漢字が地名全 。鏡味論文6 れる。 手順 分析は次の手 データベース は、該当する 」は「矢沢」 これらは空間 、ArcGISを用 イントをマル 得られた。 の地名ポイン ポイントのI 跨ぐような地 された地名領 表1に示す連 図1 地名 れた地名デー 本来の意味を るためには、 必要となる。 を分析の対 質を示す形容 の地名で共通 究で対象とす 全体の8割で使 )においても 手順で行う。 スに掲載され る文字列を地 、「舘野丙 間的位置関係 用いて、①の ルチポイント ントに対して Dを対象地域 地名領域が極 領域をベクタ 連続型の指標の 地名領域と東 地名が同一の タベースによ を理解するため 地名データベ そこで、地名 対象とする。 容詞、後半に土 通して用いられ する岩手県と宮 使用されてお 「山」や「森 れる小地域地名 地名から削除 丙」は「舘野」 係を示す可能性 の作業を施し トとしてグル てSpatial Analy 域のセル値に 極力設定されな ター化し、各ポ のうち、標高 東日本津波浸水 の場合、1つの地 よると、日本 めには、地名 ベースに収録 名と災害リス その理由とし 土地の利用形 れるため、そ 宮城県におい り、これら共 森」、「峯」 名に関して、 した。たとえ 」と変更した 性があり削除 た地名に対し ープ化した。 ystの「コスト に割り当てる ないように、 ポリゴン内に 高と傾斜角に 水深の重ね合 地名領域内に複 0 本の行政地名 名の漢字や読 録される地名 スクの関連性 して、関戸11) 形態や地形条 そこから地名 いて、小地域 共有される語 等が語尾に 数字や甲乙 えば、「緑ヶ た。ただし、 除していない してディゾル この結果、 トアロケーシ ことで、地名 水面セルに における土地 ついては地名 わせ(七ヶ浜 複数の地名ポ 1 0.5 の62%が二文 読み全体を踏ま を精査し、小 性を解析する導 )が指摘するよ 条件、位置関係 領域内の土地 域地名の語尾の 語尾から何らか くる地名に、 乙丙を用いた地 丘四丁目」は 上中下や東西 。 ルブの空間処理 宮城県と岩 ション」を実行 名領域を求め 対して大きな 地条件や災害 名領域内に含 町・多賀城市付 イントがある。 2 文字、33%が まえた解釈が 小地域を示す 導入として、 ように、一般 係を示す語を 地の共通性を の漢字のうち かの特徴が見 、特徴的な標 地区区分が地 は「緑ヶ丘」 西南北が地名 理を行い、同 岩手県で37,48 行し、当該セ めた(図1)。 なコストを与 リスクに関す 含まれるセル値 市付近) 。 2 km が三文字で構 が求められる す地名部分を 地名の語尾 般的に、地名 をとることが を見いだせる ち、頻度の高 見いだせる可 標高の頻度分 地名の語尾に に、「矢沢 名の末尾にあ 同一地名を持 6件の地名ポ セルから最近 ただし、河 与えた。 する指標を集 値の平均値 構 。 を 尾 が 高 可 分 に 沢 あ 持 ポ 近 河 集
を、津波浸水深と河川洪水浸水深に関しては最大値を採用した。カテゴリー指標については、各地名領域 内における該当セルの有無を判定した。 ⑤ 50件以上ある語尾を対象に各指標の平均値や割合を求めた。災害リスク指標に対してクラスター分析 を行い、地名の語尾を分類した。 3.分析結果 (1)土地条件及び災害リスクに基づく地名の語尾の集計結果 土地条件と災害リスク別に地名の語尾を集計した結果を表3に示す。まず、平均標高が低い地名は河川を 意味する「江」、「越浦」や「尾浦」等の「浦」、「沼」、「沖」、「浜」等が挙げられる。逆に、平均標 高が高い語尾は、「長洞」や「大洞」にある谷地形を意味する「洞」5)、山間部の河岸もしくは裾地を示す 「平」8)、窪地を意味する「久保」の「保」といった山地と関連する地形語が認められる。傾斜角に関して も、大半は平均標高が高い地名と重複するが、両県ではリアス海岸が卓越していることから「浜」地名を確 認できる。このことは、次の山地に立地する割合をみても、「洞」に続いて「浜」でその割合が高いことか らもわかる。丘陵地割合が高い語尾には「丘」の他、「入」や「沢」の谷地形、「坂」や「山」、「森」を 確認できる。扇状地性低地には、「江」、「沼袋」や「大袋」の「袋」、河畔林である「柳」等の地名が分 布する。自然堤防・砂州に立地する割合が高い語尾は、一関市と奥州市、金ケ崎町の北上川沿いに見られる 地名「谷起」の「起」、「丁」、「浦」、「沼」、「切」(開墾地)といった低地と地域の土地開発に関連 した語尾が認められた。三角州性低地では、「坪」(水田開発された土地)、「竹花」の「花」、「堀」、 「沼」等が多い。 土地利用に関して、水田と畑地は、地名において対照的である。水田は低地に分布する地名、畑地は山地 に分布する地名が多くを占める。特に、奥を意味する「沖」地名は、栗原市や一関市、奥州市、白石市等の 内陸の地域で多く、水田として利用される。宅地割合が高い語尾の代表は「丘」で、大半が郊外住宅団地の 地名と考えられる。その他にも「町」や「路」、「丁」、「通」、「城」等の市街地が連想される地名の語 尾が並ぶ。 標 高 ( 低 い 順 ) 標 高 傾 斜 角 山 地 割 合 丘 陵 地 割 合 台 地 段 丘 割 合 扇 状 地 性 低 地 割 合 自 然 堤 防 ・ 砂 州 割 合 三 角 州 性 低 地 割 合 水 田 割 合 畑 地 割 合 宅 地 割 合 津 波 リ ス ク 洪 水 リ ス ク 土 石 流 リ ス ク 地 す べ り リ ス ク 急 傾 斜 地 崩 壊 リ ス ク 1 江 洞 洞 洞 丘 丁 江 起 坪 江 洞 丘 浜 江 洞 保 丘 2 浦 平 平 浜 入 明 袋 丁 花 沖 浜 町 通 起 平 平 浜 3 起 保 山 平 沢 杉 柳 浦 堀 明 起 路 沼 沼 浜 瀬 岸 4 沼 子 浜 峯 堤 北 路 沼 沼 添 平 丁 塚 浦 入 舘 館 5 沖 村 峯 渡 森 子 巻 切 塚 刈 水 通 立 袋 山 切 洞 6 浜 倉 石 倉 巣 寺 王 境 井 堀 保 城 町 柳 峯 倉 里 7 丁 石 入 森 坂 泉 裏 後 堤 害 又 境 松 井 倉 子 渡 8 添 口 倉 立 山 家 害 塚 江 地 代 裏 生 境 岸 起 口 9 島 森 保 山 峯 南 本 添 手 幡 舘 郷 花 堀 保 村 平 10 害 立 岸 頭 石 原 町 生 切 前 里 台 浦 沖 里 宿 立 11 袋 屋 立 子 保 西 目 島 地 浦 野 柳 切 塚 子 口 台 12 明 山 沢 石 平 水 明 合 北 起 宿 頭 島 王 石 林 越 13 手 代 森 巣 向 宿 沖 渕 瀬 沼 泉 泉 尻 地 森 城 子 14 王 渡 子 又 越 通 代 原 通 後 林 堤 渕 島 沢 森 町 15 東 野 坂 上 倉 岸 後 泉 柳 手 坪 門 地 渕 渡 越 代 16 前 沢 向 沢 松 洞 宮 地 松 橋 生 南 川 目 畑 里 石 17 柳 又 口 口 坊 立 城 川 添 中 坊 岡 越 切 生 上 坂 18 塚 川 越 水 台 敷 門 南 東 北 柳 宿 谷 裏 坂 石 郷 19 路 向 巣 根 郷 端 橋 刈 丁 花 石 塚 岸 手 代 家 峯 20 町 峯 畑 道 窪 林 端 幡 南 目 合 東 丁 杉 谷 野 瀬 災害リスク 順 位 ( 高 い 順 ) 土地条件 50 件以上ある語尾を対象に集計。標高(低い順)を除いて、値が高い順に上位 20 位を抽出した。 表3 土地条件・災害リスク別にみた語尾上位 20 件
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0標高 津波リスク 洪水リスク 土石流リスク 地すべりリスク 急傾斜地崩壊 リスク 全体 1 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0標高 津波リスク 洪水リスク 土石流リスク 地すべりリスク 急傾斜地崩壊 リスク 全体 3 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0標高 津波リスク 洪水リスク 土石流リスク 地すべりリスク 急傾斜地崩壊 リスク 全体 6 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0標高 津波リスク 洪水リスク 土石流リスク 地すべりリスク 急傾斜地崩壊 リスク 全体 5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0標高 津波リスク 洪水リスク 土石流リスク 地すべりリスク 急傾斜地崩壊 リスク 全体 2 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0標高 津波リスク 洪水リスク 土石流リスク 地すべりリスク 急傾斜地崩壊 リスク 全体 4 クラスター 1 クラスター 2 クラスター 3 クラスター 4 クラスター 5 クラスター 6 図2 災害リスクに基づくクラスタープロファイル 赤色のグラフは全体の平均値を1.0 とした場合のクラスターに属する語尾群の指標平均値、 青色のグラフは全体での指標平均値(=1.0)を示す。 災害リスクに目を向けると、個々の災害を生じさせる土地条件にまつわる語尾が認められた。東日本大震 災で浸水深 2m以上の津波に被災した土地の地名は、「浜」や「通」、「沼」、「塚」、「町」等の標高が 低い地名もしくは市街化された地名が挙げられる。洪水リスクに関しても、河川沿いに分布する「江」や 「起」、「沼」等、低地に分布する地名でリスクが高い。土石流リスクに関しては、「洞」や「平」等の山 間部に分布する地名の他、リアス海岸の入り江に位置する「浜」でもリスクが高いことがわかる。 地すべりリスクは、地すべりで生じた窪地を意味する「久保」の「保」が第1位となり、また「断崖や崩 落谷あるいは峻険な斜面をもつ山」8)の意である「倉」地名も上位に挙がる。最後に、急傾斜地崩壊リスク に関しては、「丘」が第1位となり、丘陵地に開発された郊外住宅団地では、急傾斜地崩壊の危険性が大き い。ただし、洪水や土砂災害の区域指定は、一定程度の住戸がある地域を対象に行われるため、山間部等の 非居住地域の災害リスクが過小評価される可能性がある点に留意する必要がある。
(七ヶ宿町 河川 ( 市町 県境 対象 クラ クラ クラ クラ クラ クラ 空白 崎 崎 堀 林 下 柵 下 ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( (( 加美 色麻町 大 大和町 富 川崎町 村田町 蔵王町 柴田町 亘理 山 丸森町 仙 名 岩 大河原町 白石市 町 角田市 西和賀町 川 町村役場所在地 境 象外(50件未満) スター1 スター2 スター3 スター4 スター5 スター6 図3 丘 地 館 台 平 見 西 師 北 沢 坂 台 田 銘 上 沼 台 合 山 山 立 山 森 寿 森 石 原 山 森 平 山 央 東 田 山 西 屋 山 北 下 西 上 東 道 山 生 原 西 東 原 森 流 山 森 屋 入 田 田 向 崎 野 山 坂 田 原 子 山 畑 木 山 瀬 林 山 石 入 南 西 橇 里 山 山 東 地 崎 山 台 上 中 坂 澤 下 沢 山 沢 田 倉 刈 張 山 原 地 中 山 上 山 西 下 山 下 東 後 苑 針 山 山 山 田 木 挽 北 士 山 山 田 下 岩 下 沢 形 北 山 北 森 森 崎 荒 原 山 西 丘 夫 前 原 入 原 入 南 沢 西 山 東 畑 山 石 田 東 東 西 木 北 前山 山 堀 橋 林 山 西 沢 下 衣 倉 坂 前 山 山 山 田 向 見 幡 沢 東 南 野 下 沢 山 下 西 神 西 沢 坂 田 上 下 山 原 沢 沢 原 林 北 前 木 平 西 山 木 下 山 根 下 曲 西 木 上 込 倉 柵 台 東 原 口 北 山 堀 山 山 向 竹 沢 郷 向 沢 沢 上 向 田 沢前 西 場 原 沢 中 前 切 平 敷 沢 木 屋 坂 保 下 東 入 東 中 中 中 岸 橋 明 西 原 懐 沢 神 山 中 北 中 懐 沢 坂 舘 前 南 下 代 堂 下 岸 山 山 前 水 原 下 南 寺 前 神神 下藤 敷 田 沢 留 下 山 ( (( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( 美町 大衡村 富谷町 利府町 理町 山元町 雫石町 岩手 滝沢村 矢巾町 紫波町 平泉町 美里町 涌谷町 松島町 大崎市 台市 名取市 沼市 町 盛岡市 花巻市 北上市 金ケ崎町 奥州市 一関市 栗原市 登米 塩竈市 七ヶ浜町 八幡平市 東松島市 0 A C D 3 小地域地名 小地域地名の語 幡 台 師 山 監 見 山 町 丘 成 台 森 丘 丘 台 田 岡 丘 山 田 台 田 央 巻 町 田 立 水 森 南 原 敷 田 山 山 沢 白 岡 森 東 茂 山 通 山 た 桂 丘 林 台 生 賀 丘 丘 寺 平 刈 丘 杉 山 丘 南 山 峯 坂 沢 山 原 野 沢 台 水 南 沢 央 取 町 師 山 島 沢 町 寺 峯 殿 成 丘 師 根 畑 杜 町 森 立 泉 西 山 山 森 女 下 沢 南 岡 町 町 木 崎 郎 松 松 町 町 山 沢 町 松 央 沢 地 野 沢 寺 師 町 山 町 南 沢 森 平 下 成 北 沢 沢 丘 町 内 田 平 山 南 田 幡 切 丘 町 沢 森 峯 輪 橋 苑 町 山 田 塚 台 寺 台 樋 塚 袋 手 台 田 堤 田 梶 園 下 山 山 路 山 町 町 町 坂 北 通 田 平 畔 町 山 島 東 沢 沢 路坊 壇 町 江 徳 原 町 台 下 山 丘 下 町 野 宮 町 上 上 東 村 畔 町 南 前 原 前 沢 町 下 島 田 原 合 台 沢 塚 道 町 原 町 宿 堤 中 西 町 下 崎 原 松 通 東 町 田 東 町 南 南 舘 下 堂 霜 中 台 明 沢 下 南 西 丘 根 台 町 沢 田 明 部 東 西 原 本 向 原 東 沖 地 金 平 北 沢 敷 坂 町 平 訪 木 中 屋 原 田 町 原 沢 道 堂 高 山 館 沢 堤 地 沼 沢 敷 前 藤 合 沢 前 上 淵 家 神 沢 沢 タ 山 寺 田 院 ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( 軽米町 一戸町 九戸村 葛巻町 手町 町 住 女川町 二戸市 市 遠野 米市 南三陸町 石巻市 気 市 30 15 C 名の語尾とそ 語尾のクラスター 丘 山 台 町 上 野 谷 園 台 室 町 陵 原 田 田 子 沢 台 橋 東 沢 曽 元 田 町 沢 崎 林 園 目 東 東 下 沢 町 揚 野 切 竹 鳥 町 町 東 塚 沢 寺 栄 山 山 島 新 町 沢 場 東 王 田 砂 泉 泉 堀 町 沢 下 沢 南 館 東 原 東 境 堂 町 沢 台 台 沢 西 花 南 石 町 町 手 元 代 倉 中 戸 原 地 田 町 郷 城 央 崩 町 南 田 島 輪 町 野 巻 通 沢 下 田 塚 南 刈 畑 賀 発 猴 切 台 町 町 台 成 田 敷 口 田 下 梶 斎 町 浦 林 町 塚 舘 賀 場 南 田 敷 島 島 町 南 松 林 下 通 目 学 町町 東 田 後 前 盤 角 東 東 丁 地 江 舘 地 塚 地 岡 前 丁 地 川 野 北 外 裏 東 原 切 袋 田 南 東 杉 外 田 萱 沼 切 沼 地 田 地向 原 西 前 地 後 入 橋 沢 田 畑 浦 西 下 賀 堂 堂 寺 沢 北 前 田 前 原 手 境 江 谷 畑 藤 東 野 キ 田 堂 前 西 田 西 塚 木 町 前 勢 神 東 北 原 地 下 田 田 下 原 戸 前 中 西 口 堀 西 堰 本 谷 地 丁 東 榎 坂 倉 東 谷 妻 戸 堂 東 幡 北 枕 通 木 向 原 畑 松 押 原 西 中 東 下 沢 塚 田 谷 衛 台 堂 目 端 内 南 道 東 合 沢 府 原 地 ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( (洋野町 野田村 普代村 岩泉町 山 大槌 住田町 久慈市 田野 野市 釜石 町 大船渡市 気仙沼市 陸前高田市 60 km B
D
そのクラスタ ー分類に基づい 港 沢 台 崎 生 幡 地 下 栄 内 央 沢 森 原 馬 木 原 前 谷山 谷 口 町 松 中 沢 川 島 台 元 中 町 沢 町 岸 宮 堂 川 切 切 沢 地 町 崎 沢 坂 町 丘 東 妻 堂 通 上 田 田 掛 代 町 山 畑 栄 台 沢 港 間 北 道 屋 森 下 神 港 通 沢 山 沢 谷 台 入 山 沢 森 田 網 山 堂 山 王 入 台 浜 森 南 沼 敷 馬 原林 椚 影 田 沢 尻 谷 巣 倉 木 山 上 沢 水 原 町 倉 浜 沢 坂 山 欅 峯 蔵 沢 下 平 田 山 山 山 丘 田 下 平 丁 山 沢 北 塚 森 崎 畑 野 沢 八 町 沼 沢 入 沢 橋 田 田 山 中 沢 沢 山 沢 沢 中 巣 田 又 本 南 郎 南 森 上 原 廻 所 王 田 坂 田 渡 橋 前 田 坊 松 中 町 監 北 前 前 町 入 田 西 八 堀 田 浜 宮 場 山 沢 田 山 沢 反 場 沢 川 下 田 田 下 道 南 橋 岩 前 前 根 畑 山 原 向 下 前 塚 郎 倉 沢 丸 橋 地 崎 沼 向 地 神 地 沢 前 下 町 田 敷 東 森 向 沼 向 崎 敷 敷 沢 来 前 角 町 時 田 沢 賀 山 向 前 合 宮 道 裏 所 下 寺 江 浦 下 納 南 中 田 浜 浦 前 下 佛 田 当 明 沢 山 山 又 陀 前 田 沢 代 田 田 岩 敷 前 所 沢 前 目 田 屋 辺 入 田 田 山 天 袋 木 田 田 浜 前 敷 浦 又 根 田 内 石 側 沢 成 根 山 山 畑 川 又 木 森 切 側 戸 出 谷 前 谷 貫 沢 町 沢 越 越 山 取 沢 入 沢 窪 野 才 場 沢 中 田 渕 敷 石 滝 内 木 沢 倉 米 前 畑 瀬 川 沢 田 条 林 原 沢 山 取 町 松 木 谷 前 港 坪 沢 森 瀬 下 田 郷 平 知知 沢 川 町 生 沢 鱈 戸 根 下 森 原 貝 田 鱈 城 底 沢 町 集 貝 条 訪 田 沢 窪 町 家 沢 兜 町 沢 原 町 町 町 町 前 敷 切 沢 内 岸 沢 代 森 藤 場 田 沢 戸 木 保 木 保 口 又 田 原 沢 沢 袖 岸 沢 沢 敷 敷 平 平 沢 崎 庵 越 代 平 野 泉 畑 沢 沢 平 橋 沢 沢 近 本 堀 嶺 敷 目 保 田 舘 田 田 上 田 上 地 沢 地 沢 村 山田町 槌町 畑村 宮古市 石市A
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ーの分布(全 いて地名領域を色 巣 内 丁 平 崎 山 埣 野 号 沢 北 田 地 壇 西 沖 月 地 地 頭 北 地 平 田 口 沢 谷 籠 尻沖 裏 山 坂 地 名 田 浦 外 押 菅 久 名 東 崎 衛 内 坂 地 龍 荒 境 沢 沢 北 坂 南 塚 田 田 巻 敷 字 田 鰭 沢 江 島 守 林 懸 山 地 前 田 地 沢 南 寺 首 前 上 木 巣 根 浜 江 万 入 島 山 貝 神 場 沢 鰭 沢 町 田 町 浜 沢 東 崎 山 幡 東 山 前 下 蔵 打 東 崎 神 名 沢 木 前 前 鱗 平 田 敷 地 外 沢 口 橋 道 田 切 田 山 道 入 寺 山 場 沢 分 地 関 幡 沢 地 場 町 台 田 川 林 杉 芦 八 沢 沢 屋 沢 義 田 名 原 田 屋 切 岡 沢 田 内 沢 名 沼 巻 上 野 山 門 入 前 目 掛 東 沢 崎 沢 仏 橋 山 海 沢 簣 浦 島 沢 宿 浦 山 宿 舘 沢 本前 根 南 郎 沢 向 口 森 上 下 上 平 萩 裏 沢 坂 廻 地 門 手 中 乙 柳 合 沢 屋 沢 松 裏 渡 柳 沢 沼 田 敷 原 押 沢 道 井 崩 下 橋 田 嶽 台 地 入 下 神 里 号 入 沢 地 嶽 田 下 山 東 田 田 原 原 号 山 浜 原 木 保 田 地 井 島 下 沢 山 柳 壇 下 下 号 畑 地 地 沢 田 敷 穴 場 沢 松 木 敷 道 林 南 木 名 地 北 伝 町 田 岩 取 沢 島 方 浦 場 道 合 害 山 田 東 甲 宿 沼 浜 前 浜 沢 田 窪 坊 上 沢 北 崎 下 町 儘 倉 沢 号 山 沢 森 田 木 江 袋 地 原 崎 田 刈 礼 崎 荷 林 越 神 前 塚 主 田 椿 沢 神 敷 橋 行 下 郎 蒜 田 放 里 玉 戸 浜 北 面 尻 敷 町 浜 浦 裏 地 下 田 川 害 下 沢 崎 宕 原 原 官 川 田 山 蒲 浦 田 羽 頭 森 浜 浜 田 境 前 地 沢 前 賀 前 浜 山 森 天 窪 沢 色 岸 田 宕 田 塚 谷 木 浜 越 浜 随 崎 田 田 下 随 尻 浜 地 神 定 神 根 岸 山 軽 浦 田 場 随 畑 坂 沢 寺 沢 田 又 山 石 地 根 地 蒲 島 浜 地 浜 浜 籠 随 田 山 側 畑 境 隅 壺 部 行 才 野 下 洞 根 根 舘 市 沢 平 前 沢 下 代 汐 浜 前 根 浦 山 山 浦 口 子 山 草 浜 柳 谷 畑 田 谷 板 上 沢 浜 平 圃 伏 鯖 根 畑 前 木 貝 川 野 沢 山 越 倉 浦 崎 部 中 戸 立 尻 向 本 根 浜 米 田 井 浜 中 浦 山 沢 崎沢 浜 沢 鯖 浜 野 沢 沢 町 壺 浜 野 角 港 場 町 沼 洞 坪 川 瀬 田 畑 子 前 前 館 町 盛 害 田 沢 町 石 部 陽 浜 井 尻 館 嶋 崎 崎 谷 田 崎 山 沢 場 宿 形 集 浜 訪 沢 川 沢 浜 下 沖 宿 場 立 戸 沢松 口 量 沼 松 野 里 田 浜 口 湊 沢 野 沢 袖 舘 島 町 内 原 杉 沢 野 原 浜 前 原 下 原 町 宿 六 鈎 沼 森 田 田 瀬 町 崎 浜 沢 町 前 沢 町 町 山 町 山 敷 坂 山 島 山 地 切 代 羽 渡 向 友 沢 川 森 沢 沢 畑 保 井 端 保 上 保 沢 平 保 野 又 田 沢 倉 田 山 畑 田 木 沢 平 平 谷 尻 坂 内 沢 野 合 保 保 田 保 保 口 内 坊 前 舘 沖 子 沢 森 平 橋 内 郷 平 又 沢 保 沢 沢 境 当 平 本 塚 山 敷 下 敷 保 沢 沢 掛 山 森 保 沢 保 向 岸 地 沢 坂 代 村 沢 田 野 沢 沢 沢 沢 保 木 掛 舘 影 米 下 野 沢 畑 畑 田 沢 森 崎 葛 倉 橋 敷 田 字 沢 投 羽 池 沢 平 木 保 谷 保 田 保 平 頭 沢 沢 六 房 向 保 保 越 越 沢 保 越 沢 原 崎 保 前 海 本 原 羅 沢 沢 山 向 田 保 敷 田 沢 嶺 平 房 沢 平 倉 崎 木 田 平 保 平 田 子 田 水 沢 平 保 坂 保 坪 平 手 平 畑舘 田 地 舘 沢 平 袋 保 原 涯 全体図・拡大 色で塗り分けた。 巣 前 区 取 沼 崎 形 台 上 畑 水 渕 辺 森 北 山 南 地 地 沢 沢 丘 屋 地 田 沢 堀 料 田 返 前 北 郷 東 江 下前 南 畑 松 地 袋 返 前 崎 柄 下 洞 地 沼 沢 田 崎 畑 川 鰭 地 合 鰭 地 沢 江 島 堀 田 関 山 地 沼 沖 浦 沢 山 割 西 山 前 田 沢 北 島 崎 寺 銘 貝 石 迫 西 前 山 江 安 東 鰭 分 前 場 江 前 立 田 堤 田 上 松 打 原 地 下 合 振 下 畑 南 道 木 泉 堀 風 町 田 坂 景 台 山 江 返 歩 入 林 崎 沢 田 足 山 南 足 場 田 島 山 下 沢 鰭 田 田 添 神 田 沢 山 原 郷 沢 場 江 田 窪 江 沢 南 沼 崎 照 沼 浦 沼 浜 根 田 見 前 神 手 台 木 田 閑 下 前 迫 泥 田 野 丁 区 町 田 田 口 前 砂 口 沼 東 屋 東 上 浦 南 堀 田 張 江 田 江 畑 足 上 塚 浦 立 井 浦 崎 東 北 溜 沢 前 下 地 内 沢 田 宿 南 舘 立 神 地 筒 舟 通 谷 柴 殿 曲 前 水 坪 場 和 山 谷 沢 田 追 岳 敷 地 生 袋 山 日 九 田 下 坊 巣 浦 堀 台 田 溜 房 上 田 返 窪 柳 れ 池 山 川 木 下 泥 入 郎 沢 屋 沢 浦 景 二 台 嶽 山 崎 前 才 江 敷 原 山 才 南 山 田 号 沼 北 樋 道 中 前 田 倉 添 南 中 崎 口 巻 前 足 前 下 下 山 沢 浦 地 頭 巻 沢 沢 山 地 浜 埣 南 袋 前 口 田 崎 坂 沢 懸 地 木 山 屋 前 場 野 町 前 足 原 下 椿 台 丁 所 東 室 田 面 戸 生 前 木 崎 町 鮫 前 山 原 下 浦 田 出 山 山 戸 鮫 入 畑 出 足 頭 山 川 前 沢 浜 越 口 倉 畑 原 水 祝 崎 浜 頭渡 越 野 西 山 平 口 浦 堂 井 坂 荷 廻 集 道 敷 立 岸 沢 下 洞 田 里 野 田 浜 田 野 町 野 田 保 刈 崎 沢 田 浦 沢 浜 洞 田 山 浦 前 倉 地 坊 貝 陽 沢 井 林 坊 嶋 場 金 前 保 敷 町 崎 沢 浜 浦 下 根 出 向 洞 林 堂 里 谷 町 浜 館 森 市 沢 口 町 浜 水 花 舘 沢 崎 平 田 前 岸 前 沢 形 里 浦 集 島島 島 岡 子 切 越 尻 合 荷 水 木 友 沢 石 向 保 山 田 木 平 林 白 林 内 子 井 田 平 田 向 行 内 野 東 縁 沢 登 子 滝 倉 木 沢 平 狗 保 沢 平 野 平 保 敷 平 保 保 里 保 田 タ 平 峠 敷 荷 目 平 堂 沢 木 山 沢 沢 谷 繋 山 沢 瀬 舘 沢 平 保 沢 向 沢 保 峠 畑 口 行 崎 下 向 野 舘 本 目 山 支 沢 木 切 坊 沢 市 野 保 峰 沢 鹿 前 沢 保 木 反 木 舘 崎 保 前 場 折 山 窪 保 根 田 山 船 切 沢 舘 田 坂 敷 台 村 沢 保 陀 保 平 鳥 木 沢 崎 田 平 敷 岩 平 柳 敷 倉 野 敷 田 沢 越 羽 内 切 野 上 平 舘 上 村 敷 沢 木 平 沢 保 沢 木 保 地 保 平 口 洞 保 沢 平 川 井 山 沢 洞 野 米 平 中 越 上 又 越 坂 根 保 鹿 道 下 下 鹿 舘 田 保 地 黒 穴 上 野 野 平 又 保 頭 水 沢 里 上 村 道 倉 平 川 保 平 山 屋 保 沢 笠 中 田 沖 平 守 根 山 田 保 敷 敷 山 沢 保 梨 沢 字 村 面 木 田 窪 堂 水 山 向 里 戸 倉 平 平 友 平 野 敷 平 口 川 原 保 手 平 瀬 沢 長 野 沢 林 畑 沢 頭 村 嶺 渕 舘 繋 場 神 村 刈 牛 原 山 上 場 戸 渡 下 帯 舘 糠 大図) 。 津 土 迫 山 下 沢 山 沢 江 町 発 町 町 の 町 田 山 塚 田 前 折 平 南 江 柄 里 町 沢 辻 江 生 土 山 山 東 前 境 沢 江 町 前 江 山 江 町 北 北 道 向 臼 江 町 山 走 江 山 町 江 沢 畑 西 町 上 江 田 安 分 口 北 田 丘 崎 地 股 地 畑 田 橋 山 影 貫 田 町 堤 押 塚 沢 島 留 館 敷 前 本 前 田 島 敷 戸 前 沢 町 谷 枝 栄 崎 下 下 東 根 山 神 手 沢 前 町 根 原 東 前 田 下 口 前 屋 畑 口 南 下 江 根 田 井 峯 砂 町 前 筒 里 畑 沢 神 通 前 山 町 西 町 下 前浦 田 前 崎 町 田 切 生 沢 内 前 東 前 田 西 前 江 前 下 南 下 北 沢 外 木 切 入 山 山 柳 田 原 嶺 畑 橋 前 杉 崎 沼 杉 平 堤 塚 浦 沢 道 塚 田 前 首 幡 沢 西 入 崎 山 口 金 町 畑 切 外 前 地 前 木 賀 下 條 橋 前 表 井 神 助 地 下 山 目 樋 前 地 町 戸 地 田 井 上 向 山 前 田田 塚 町 町 山 前 本 嶺 浜 畑 浜 沢 下 森 森 舘 嶺 保 路 入 野浜 野 上 神 崎 形 田 内 山 家 田 谷 鶏 木 山 笠 寺 詰 孫 平 平 根 山 神 倉 水 山 沢 沢 戸 沢 場 倉 反 峠 森 野 詰 高 野 東 倉 沢 倉 谷 沢 内 内 里 平 沢 山 野 狗 上 畑 柳 森 福 沢 部 野 沢 口 通 沢 林 祝 形 塚 屋 平 巻 野 根 沢 淵 部 沢 張 沢 敷 屋 田 平 繋 田 敷 沢 上 高 場 里 端 塚 沢 敷 繋倉 野 端 沢 平 上 場田持 村 保 沢 保 根 窪 花 路 屋 帯 岸B
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(2)小地域地名の語尾に対するクラスター分析 平均標高と災害リスクの計6指標を標準化し、クラスター分析(平方ユークリッド距離、Ward法)を用い て、地名の語尾の分類を行った。その上で、デンドログラムをもとに6つのクラスターを抽出した。各クラ スターの特徴を把握するため、図2にプロファイルを示す。さらに、クラスター分類結果を図3に地図化し、 表4にクラスター別にみた語尾一覧を示す。これにより、地名の語尾から類推される災害リスクを視覚的、 定量的に把握できる。 第1クラスターは、河川沿いの低地部に分布する地名の語尾であり、河川氾濫に伴う洪水リスクが全体平 均の1.5倍と他のリスクよりも高く、それ以外の災害リスクは総じて低い。したがって、第1クラスターは 「低地の河川洪水地名」と言える語尾群である。第2クラスターは、平均標高や災害リスクのいずれも平均 値付近にあり、明瞭な特徴を持たない。つまり、このクラスターに分類される語尾をもつ地名は、災害リス クと関連がない地名である。その特徴として、主に「町」や「路」、「通」等の宅地割合が高く、集落を連 想させる語尾が並ぶ。これは、災害リスクの低い土地に集落が形成され存続してきた結果であろう。第3ク ラスターは、標高がやや高く、土石流や地すべり、急傾斜地崩壊リスクが複合的に高い傾向にあり、土砂災 害全般でリスクが高い特徴を持つ。その地理的分布も山地から丘陵地にかけて広く分布する。このクラスタ ーには「台」や「頭」、「宿」、「寺」、「山」、「沢」等と、人為的・自然的な土地利用を示す多様な語 尾が混在する。第4クラスターは、急斜面崩壊と土石流の災害リスクに特化して高い。郊外住宅団地が立地 する「丘」地名の地域であり、宅地割合も高いことから災害時に甚大な人的・住宅被害を生じやすいと考え られる。第5クラスターは、山間部の地すべりリスクが目立って高い地域でみられる地名であり、「久保」 の「保」や「倉」等の語尾をもつ地名の語尾が分類される。第6クラスターは、津波リスクが極端に高い (全体平均の10.5倍)。加えて、急傾斜地崩壊や土石流のリスクも高く、総じて高い災害リスクを呈する。 このクラスターには「浜」のみが分類される。第1・第4~第6クラスターのプロファイルの結果からは、地 名の語尾と特定の災害リスクが結びつく傾向にあり、こうした地名の語尾群から災害のタイプを類推できる 可能性が高いと指摘できる。 4.結論:小地域地名の語尾と災害リスクの関連性 以上、本研究では、地理情報システムを用いて、町丁・字程度の小地域地名データベースを構築し、土地 条件や災害危険箇所の空間データと重ね合わせて、小地域地名の語尾と土地条件や自然災害リスクの関連性 を定量的に分析した。その集計結果からは、地名の語尾に応じて、その土地条件や災害リスクにパターンが あることがわかった。加えて、その地名の語尾を災害リスクに基づき分類することで、災害リスクの低い地 名の語尾、複合的な災害リスクを有するもしくは特定の災害リスクに特化した地名の語尾に分類された。関 戸論文11)においては、地名の語尾は、社会的(人為的)要素を示すもの、自然的要素を示すもの、位置関係 を示すものに分類される。これに災害リスクの次元を考慮するならば、人為的要素を示す語尾は、災害リス クが低い場合が多い。それは、災害を避けて人々の生活が長年営まれてきた結果であろう。一方で、自然的 要素を示す語尾に関しては、災害リスクが中程度以上の場合が多く、特定の災害リスクと結びついた地名の 語尾群も確認できた。このようなタイプの語尾を有する地名を基にすれば、その土地の災害リスクの種類を 把握することが容易になる。本研究の意義として、個別事例的に行われてきた従来の地名研究に対して、複 表4 クラスター別にみた地名の語尾一覧 クラスター 災害リスク 宅地割合 高 低 1 低 丁 境 裏 柳 門 南 東 塚 袋 浦 目 西 害 王 北 島 明 沼 橋 杉 巻 前 沖 井 江 堀 地 添 坪 起 2 低 町 路 通 城 郷 泉 堤 岡 尻 脇 松 生 宮 端 手 谷 戸 原 場 堂 敷 後 中 幡 崎 渕 道 田 神 下 花 合 刈 3 中 台 頭 宿 寺 瀬 川 家 渡 又 里 舘 野 林 切 屋 坂 内 水 木 立 山 畑 根 石 上 本 森 坊 越 向 窪 沢 口 代 巣 4 高 丘 館 岸 入 峯 洞 5 高 子 平 村 倉 保 6 高 浜
数の地域で共有される地名の語尾に着目し、広範囲の空間情報を活用することで、土地条件や災害リスクを 定量的に整理し、小地域地名が有する災害リスク特性を帰納的に把握した点を指摘できる。 本研究では、このように現在の地名表記においても、地名が災害リスクを類推する上で有効であることが 示唆された。つまり、地名がさまざまな災害リスクを端的に理解するためのラベルとしての機能を果たしう る点が重要である。地域住民にとって地名は馴染みがあるものであるが、その意味について継承・共有され てきた訳ではない。地名の語尾を手がかりに、「この地名の土地では、こうした災害が生じ易い」ことを知 識として共有することで、地域防災力の向上に結びつくであろう。加えて、地名から災害の経験則を導き出 すことで、地域の土地条件や災害リスクを考慮した新しい地名を命名する際の参考になると期待できる。そ して、その実現には、精度が高く、より多くの小地域地名を収録した地名データベースの整備が第一に求め られる。 参考文献 1)木全敬蔵:地名データベース試案,地図,29-3,pp.1-12,1991. 2)遠藤宏之:地名は災害を警告する-由来を知りわが身を守る-,技術評論社,2013. 3)太宰幸子:災害・崩壊・津波 地名解-地名に込められた伝言-,彩流社,2013. 4)柳田國男:地名の話(上),地理学評論,8-5,pp.422-440,1932. 5)鏡味完二:河川の地名,地理学評論,20-2,pp.110-132,1944. 6)鏡味完二:日本の山峰の語尾名とその地理學的意義,地理学評論,25-1,pp.1-14,1952. 7)鏡味完二:峠の地名-タワ・コエ・サカ・トウゲ-,地理学評論,25-10,pp.383-391,1952. 8)松尾俊郎:崖を意味する地名,新地理,1-2,pp.1-10,1952. 9)桶谷猪久夫:地図・地名データベース,情報処理学会研究報告,2009-CH-83-3,pp.1-8,2009. 10)統計情報研究開発センター:町丁字別中間人口推計に関する研究,統計情報研究開発センター,2010. 11)関戸明子:山村社会の空間構成と地名からみた土地分類-奈良県西吉野村宗川流域を事例に-,人文地理,41-2, pp.22-43,1989.