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兵庫県丹波市南東部における超丹波帯の地質

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Academic year: 2021

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(1)兵庫県丹波市南東部における超丹波帯の地質 教科・領域教育学専攻 自然系コース (理科). M08180A 植田一男 I. はじめに. 超丹波帯は舞鶴帯と丹波帯の間に挟まれたペ ルム紀の砕屑岩を主体とする構造帯である。一 般に、超丹波帯は3帯に分けられることが多く、. 構造的に最上位のユニットは、ペルム紀中期中 頃∼後期の初めの付加体であることが明らかに されてきた。一方、それより構造的下位のユニ ットについては、年代のデータが乏しく、地層 の区分も研究者により異なるなど、その地帯と しての性質は明確でない。. 本研究の調査地域が含まれる兵庫県中東部に は、超丹波帯構成層のうち、不明な点が多い構 造的下位に位置する地層が広く分布している。. その中でも柏原層に関する情報は少なく、特に その年代はほぼ不詳の状態にある。そこで本研 究では、超丹波帯柏原層の分布域を中心に地質 調査を行い、その岩相、層序、地質構造を明ら かにした。また、堆積年代を決定するため、放 散虫化石による生層序学的な検討もあわせて行 った。なお、研究を進める際には、高等学校で の教育を考慮に入れて、基礎的な地質科学の研 究法や考え方を身に付けることも目的とした。. II、地質概説. 部白亜系有馬層群に不整合に覆われる。 III.地質各説. 1.柏原層の岩相・層序 柏原層は主に砂岩泥岩互層と塊状泥岩からな り、一部に塊状砂岩とチャートが存在する。本 調査地域で広い領域を占める砂岩泥岩互層を主 体とした地層はすべて柏原層である。. 柏原層は明確な鍵層を欠くが、調査地域の北西. 部では比較的整然とした地層が露出し、側方へ の連続性が良く、対比が可能である。柏原層全 体を対比し、模式的な柱状図を作成したところ、. 下部は主に砂岩泥岩互層、上部は塊状の泥岩と 砂岩からなる地層となっており、チャートが狭. 在される。層厚は約700mである。 砂岩泥岩互層は一般に整然とした地層からな るが、一部では層理面が破断している。砂岩泥 岩互層中の砂岩は極細粒∼中粒で、青灰色∼黒 色を呈し、一部に級化構造が見られる。砂岩は 砕屑片として石英、斜長石、カリ長石、流紋岩 片、緑泥石を含み、ジルコンなどの重鉱物を伴 う。砂岩泥岩互層中の泥岩は一部に珪質泥岩を 含む。赤褐色∼黒色を呈し、強い剥離性が認め られる。また、スレート壁開が発達している。. 調査地域は兵庫県丹波市南東部に位置する。本. 塊状砂岩は細粒∼中粒で、緑灰色∼青灰色を呈. 地域には超丹波帯の構成層である柏原層が広く. する。砕屑片として石英、斜長石、カリ長石が. 分布し、南東部には超丹波帯上滝層と丹波層群. 多く、流紋岩や泥岩の岩片を含む。一部のカリ. (丹波帯)が見られる。柏原層は主に砂岩泥岩. 長石は部分的に方解石に置き換わっている。塊. 互層からなり、上滝層は砂岩、丹波層群は主に. 状泥岩は褐色∼黒色を呈し、スレート努開が発. 砂岩、泥岩、緑色岩、チャートからなる。超丹. 達し、強い剥離性が認められる。チャートは褐. 波帯と丹波帯の構成層は、主に砂岩・泥岩から. 色、暗灰色を呈し、再結晶化している。. なる下部白亜系篠山層群と流紋岩類からなる上. 一334一.

(2) 今回、柏原層から17試料、丹波層群から2試料. 2.丹波層群の岩相・層序 調査地域の南東部は、地層の走向・傾斜が乱れ. を採取し、放散虫化石の抽出処理を行った。そ. ており、岩相的にも柏原層とは対比し難い地層. の結果、柏原層の泥岩1試料からは、〃わ∂〃θ〃. 群が存在する。それらの内、層理面の乱れた泥. sp.や肋肋血㎞∂ノ触知j泌ゴθ刀曲などが、珪質. 岩を主体とし、比較的厚いチャートや緑色岩を. 泥岩1試料からは〃わ∂〃θ肋μo広。ノθ沁や. 含む地層は、岩相から判断して丹波層群である。. 馳∂伽〃㎜∫8sp,〃加〃θ〃2cfノ肌8などが産. 本調査地域の丹波層群は緑色岩、チャート、砂. 出した。〃加〃θ肋〃。〃θ凶を含み、. 岩泥岩互層、塊状砂岩からなる。本調査地域内. ”わ∂”θ”∂刎8鵬佃や”加j地ル地〃を含ま. の丹波層群の柱状図を作成したところ、下位か. ないことから、Kuwahara(1999)の. ら緑色岩、チャート、緑色岩、泥岩優勢の砂岩. ル。∂ノ畑〃θ〃。㎜肋。伽㎜如帯に対比され、ペ. 泥岩互層、塊状砂岩となった。層厚は約170mで. ルム紀後期中頃に相当する。よって、柏原層の. ある。砂岩は細粒∼中粒で、緑灰色∼暗青灰色. 堆積年代の少なくとも一部は、ペルム紀後期中. を呈する。砕屑片として石英、斜長石、カリ長. 頃であることが初めて明らかとなった。. 石、流紋岩や泥岩の岩片、緑泥石のほか、方解 石を伴う。泥岩は黒色を呈する。緑色岩は、泥 岩と混在していたり、互層したりしている。チ ャートは赤褐色∼黒色を呈し、塊状である。再 結晶化が著しく、多数の石英脈が確認できる。. IV.考察. 本研究の結果、柏原層からλ伽〃θ肋 μo広。此泌などが産出し、柏原層はペルム紀後 期中頃の地層が含まれることが初めて明らかと. なった。柏原層を他の超丹波帯の地層と対比す. 3.調査地域に分布するその他の地層群. ると、岩相と年代から、柏原層は青垣層(丹波. 調査地域の東部に分布する圧砕された塊状砂. 市青垣町)の上部、猪名川コンプレックス(川. 岩からなる地層は上滝層に対比される。また、. 西市一猪名川町地域)の上部、淵垣層のBユニ. 南部に露出する泥岩を主体とした地層は、地層. ット(京都府福知山市)、高槻層(大阪府高. の走向・傾斜や岩相が周囲と大きく異なるため、. 槻市)に対比できる。本研究により、今まで不. 篠山層群に対比される。南西部に分布する流紋. 明点が多かった超丹波帯の構造的下位の部分に. 岩質凝灰岩からなる地層は有馬層群に対比され. ペルム紀後期中頃の地層群の存在が明らかとな. る。. った。. 本研究と菅森(2008a)などの研究より、本地. 4.地質構造 柏原層には調査地域の北西部に一組の向斜、背. 斜からなる榴曲構造が存在する。これらの榴曲 構造は層理面とズレ」ト壁開をともに曲げてい る。また、柏原層と丹波層群は、大局的に見て、. 走向は北西一南東で北傾斜を示す。. 域周辺の超丹波帯を構成する地質体の年代を再 構成したところ、柏原層の年代は漠然とペルム 紀ではなくペルム紀後期に限定される。また、 上滝層の年代はペルム紀ではなく三畳紀中期に、. 味間層の年代はジュラ紀ではなくペルム紀後期 から三畳紀前期となった。. 5.柏原層の年代. 本調査地域からは、柏原層の数地点において、. 主任指導教員  西村 年晴. 栗本ほか(1993)が放散虫化石を報告している。. 指導教員    竹村 静夫. しかし、その保存状態は非常に悪く、柏原層の 堆積年代は事実上、不明であった。そのため、. 一335一.

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