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知的障害特別支援学校の性教育における家庭や関係機関との連携のあり方

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Academic year: 2021

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(1)知的障害特別支援学校の性教育における家庭や関係機関との連携のあり方 特別支援教育専攻  障害科学コース.     M11097K  大 塚 紳 史 I.問題と目的. 性教育の実施している割合は、全体で88.6%であっ.  近年、知的障害児に対する性教育は、「セクシャリテ. た。性教育を行う理由は、子どもに必要であるといっ. ィ教育」としてその必要性と重要性はますます認識さ. た教員の意識が高い。教育課程は、r各教科(保健体育・. れてきている。しかし、学校現場において、r教育課程. 生活など)」で行っている割合が最も多く、r特別活動」、. に位置づけられていない」、「指導内容が不明確である」、. やそのほかr日常生活の指導」、r自立活動」などの課. 「指導方法が不明瞭である」などの問題から約3割の. 程で行われていた。実施頻度について、月や学期ごと. 学校でしか定期的に性教育が行われていない現状があ. に行われるよりも年単位で行われている割合が多かっ. る睨嶋・細渕,2011)。また一方では、教員や保護者の. た。. 中には知的障害児への性教育の必要性に疑問を抱き、. 2)情報共有. 否定する風潮が未だに残っている。.  情報共有を行っている割合は約9割で、情報共有を.  したがって、性教育指導の問題や課題に加えて、一. 行う場としてはr会議」が最も多く挙げられた。情報. 部の教員や保護者による否定的な姿勢や偏った考え方. 共有が『必要である」と回答したのは9割以上であっ. によって実施が困難である現状がある。. た。.  そこで、本研究は知的障害特別支援学校の性教育に. 3)研修・学習の機会. 関する家庭や関係機関との連携についてその実態を明.  約7割で研修・学習の機会が設けられている。学内. らかにし、今後のあり方について考察することを日的. で行われることが多く、年に1∼2回の頻度で外部講師. とする。. が主として行うことが多い。研修・学習の機会がr必 要である」と回答したのは9割以上であった。. 皿.研究I・質問紙調査. 4家庭との連携. 1.目的1性教育における家庭や関係機関との連携の実.  家庭との連携の有無は9割であった。連絡帳や電話. 態を調査することを目的とした。. による連携方法が最も多く、また、家庭からの要望の. 2.方法. 有無も7割以上であり、年に1∼2回の頻度であるよう. 1)調査対象・分析対象:. だ。要望内容は、性的な問題行動への具体的な対処法.  A県とB県の知的障害特別支援学校47校124学部. や対応策に関するものが多い。. を対象とし、返送のあった38校100学部(回収率. 5)関係機関との連携. 80.6%)を分析対象とした。.  連携している割合が約3割であった。関係機関の種. 2)調査期間:2012年6−8月であった。. 別は保健師や医師であることが多い。連携の方法は、. 3)質問項目1. 研修会や講演会でのやり取りが多い。教員の8割以上.  「調査対象の個人属性」、「性教育の実施状況」、「性. が連携を必要としており、理由の多くは、教員や家庭. 教育を実施していない学校の現状」帷教育を実施して. への専門知識の習得が挙がった。. いる学校の現状」r情報共有」、r研修・学習の機会」r家. 6)性教育に関する意見(自由記述). 庭との連携」、r関係機関との連携」、r自由記述」によ.  教育課程の見直しを求めている意見が約半数あり、. る全9区分、全30項目である。. 中でも性教育の目的や言十画、内容や方法の明確化が必. 3.結果および考察. 要という意見が過半数を占めた。. 1)性教育の実施状況.

(2) 皿.研究皿:インタビュー調査.  関係機関との連携を行っている学校と行っていない. 1.日的:性教育に関する指導の現状、情報共有や研修・. 学校の違いとして大きく懇談会の実施の有無の差がみ. 学習の機会の状況、家庭や関係機関との連携の現状を. られた。連携を行っている学校では家庭向けの懇談会. より詳細に現状を把握し、考察することを目的とした。. や講演会の実施が行われている。懇談会や講演会を行. 2.方法. うことで保護者が抱いていた悩みや問題を保護者同士. 1)調査対象・調査方法. で共有し、安心感を得て解決の手立てを得ることが期.  質問紙調査の結果から性教育の現状について異なっ. 待でき、関係機関の外部専門家による子ども性に関す. た3つの学校を調査対象とし、質問紙調査で回答を行. る知識や学校での指導の実態、家庭での性に関する子. った教員に対してインタビューを実施した。. どもへの指導の仕方など保護者が学ぶ機会として非常. 2)調査期間:2012年9∼10月であった。. に有効的である。. 3)調査内容=.  r共通理解」、r研修・学習の機会」、r家庭との連携」、. 「関係機関との連携」の4項目であった。. V.総合考察 1.家庭や関係機関との連携の必要性. 3.結果および考察.  性教育実践を向上させるためには、2点を推奨する。. 1)情報共有. 1点目は、「教育課程の見直し」である。指導の目的や.  情報共有が十分に行われていない学校では、教員間. 計画を明確にすることにより、実践上の問題や課題の. で情報共有を行う機会や意見交換する機会がないため、. 克服が期待できる。2点目は、r教員の性教育の意識や. 教員によって対処法に違いが生じ、結果的に児童生徒. 専門性の向上」である。1点目の教育課程の見直しに. が混乱を抱いてしまいかねない。情報共有が行われて. より性教育が教員にとって理解が容易なものとした上. いる学校では、情報共有が行われた内容が学部の会議. で、関係機関による研修・学習の機会を設け、教員間. やケース会議などにより性教育の実践に反映され、指. での共通理解を図ることにより意識や専門性の向上を. 導内容や指導方法の再検討の機会が必要である。. 図ることが期待できる。. 2)研修・学習の機会.  教育課程の見直しや関係機関による研修や学習の機.  研修・学習が行われていない学校について、行われ. 会により教員が知的障害児における性教育の重要性、. ない要因は、研修・学習の必要性を教員が認識できて. 必要性を充分認識した上で、知的障害児の性に関する. いないことと研修・学習を行うきっかけを作る中心と. 保護者や家庭との共通理解を図る必要性がある。家庭. なる教員が不在であることであると考える。研修・学. との共通理解を深め、連携をすすめることにより、子. 習が行われている学校では、教員の意識やきっかけと. どもの実態や二一ズに即した、子どもを中心とした性. なる教員が存在することから、学部会やケース会議な. 教育を実現することが可能となる。. どの共通理解を図る機会が設けられており、共通理解. 2.今後の課題. を図ることで教育課程を見直し、性教育の実践をより. (1)教育課程の再編成. 精選するために家庭からの意見や関係機関からの意見.  性教育指導の統一性や一貫性を実際の性教育実践か. を得るといった広い視点で性教育を向上させることに. ら検討を行い、編成案を考えていく必要がある。. つながると考える。. (2)性教育の研修・学習の機会の提案. 3)家庭との連携.  今後、研修・学習の機会と教員の性教育への認識の.  懇談会を行うことで、学校は家庭の性教育の捉え方. 変化と具体的な性教育実践の変化の関係について、実. を薩忍することができ、児童生徒の性に関する正確な. 証的に研究する必要がある。. 実態をより把握することができる。家庭と性教育の捉. (3)本人・保護者の二一ズの検証. え方を共有し、児童生徒の実態を共有することで、共.  家庭との共通理解を深めるために、本人や保護者ヘ. 通理解を図り、性教育の目的・内容・方法について検. ニーズを調査し、性教育の方法や内容の再検討が必要. 討することが期待できる。そして、学校と家庭とで相. である。. 互的に性教育を行っていくことが期待できる円.              主任指導教員 芝田裕一. 4)関係機関との連携.                指導教員 芝田裕一.

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