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黒豆の冷凍保存が性状や食味に及ぼす影響

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Academic year: 2021

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(1)Title. 黒豆の冷凍保存が性状や食味に及ぼす影響. Author(s). 村上, 知子; 蛭田, 眞一. Citation. 北海道教育大学紀要. 自然科学編, 54(1): 61-68. Issue Date. 2003-09. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/596. Rights. 本文ファイルはNIIから提供されたものである。. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(自然科学編)第別巻 第1号 JournalofHokkaidoUniversityofEducation(NaturalSciences)Vol.54,No.1. 平成15年 9 月. September,2003. 黒豆の冷凍保存が性状や食味に及ぼす影響 村上 知子・蛭田 眞一* 北海道教育大学釧路校家政教育研究室 *北海道教育大学釧路校生物学研究室. E鮎ctofFrozenStorageontheProperties andTasteofCookedBlackSoybeans. MURAMITomokoandHIRUTAShin−ichi* DepartmentofHomeEconomicsLaboratory,KushiroCampus,. HokkaidoUniversityofEducation KushiroO85−8580. *DepartmentofBiology,KushiroCampus,HokkaidoUniversityofEducation KushiroO85−8580. Abstract. Thisresearchwasconductedinordertoinvestigatetheef粘ctoffrozenstorageondriedblacksoybeans thathavebeencooked.Blacksoybeansweresoakedindistilledwaterorinadistilledwater;Sugarand. SOySauCeSOlutionandthencooked.Thesampleswerestoredfrozenforl,2,30r4weeksafterthey. COOked.Theywerethentestedfortheirratioofmoisture,hardnessandcolor;andwerealsoviewedusl. ascanningelectronmicroscope(SEM)andgivenasensoryevaluati・Dn. Theresultsobtainedwereasfo1lows:. 1)Therewasaslighttendencyfortheratioofmoisturetoincreaseandhardnesstodecreasewith frozenstorageforboththeblacksoybeanssoakedindistilledwaterorinadistilledwater,Sugarand SOySauCeSOlution.Frozenstorageonlyproducedaslightdif鞄reIICeincolor.. 2)TheSEMexaminationrevealedthattherewasnodistinctdi飽renceintheformandarrangement Ofthecuticle,COtyledonce11ulargroupbetweenthebeanssoakedindistilledwaterandthosesoaked inadistilledwater;Sugarandsoysaucesolution.. 3)Theresultsofthesensoryevaluationshowedasignificantdi鮎renceinhardnessandrichnessof tastebetweenthesamplebeanstastedimmediatelyaftercooking(withoutfrozenstorage)andthe. SamPlebeansthatwerefrozenfor4weeks.Inaddition,basedonourresults,therewasatende forthefrozenstoragesampletobepreferredoverthefreshlycoo・kedsample.. 61.

(3) MURAMITbmokoandHIRUTAShin−ichi. 10%)を加え,20±1℃の恒温器内で所定の時間 1.緒 呂. (浸漬時間検討の結果,黒大豆の吸水率が100%. に達する時間)浸漬した.村照として,黒大豆100 豆類は昨今の健康志向の高まりを背景に,食物. gに10倍量の蒸留水1,000gを加え,恒温器内で. 繊維をはじめ種々の機能性成分を有した植物性食. 所定の時間浸漬した試料を用いた.浸漬後600W. 品として,あらたに摂取の意義が認められてきて. の電熱器を用い,沸騰まで100V,以後はスライ. いる.豆類の伝統的な調理法である煮豆は,食卓. ダックで電圧を50Vに調整し,微沸騰状態で2時. に彩りを添え,栄養価を補い得る常備菜として,. 間加熱を行った.加熱終了後30分間室温で放冷し. 日本人の食生活に位置づけられていたが,近年の. た.. “食”の洋風化現象・簡便化・薄味晴好の下で,. 次に調味液加熱の場合,煮豆と煮汁に分別し,. 摂取頻度が低下し家庭における調理の機会も少な. 煮汁を糖度50%に煮詰めた.この煮汁に煮豆を加. くなってきた.煮豆は調理作業の省力化からみて. え,恒温器内(20±1℃)で24時間浸漬した(以. 一度に調理する量が多い食物であるが,使用量以. 下,この状態のものを調味液浸漬煮豆と記す).. 外は適切な保存が望まれる.そこで本研究では煮. また蒸留水加熱の場合,そのまま24時間恒温器内. 豆として黒豆を,保存方法には冷凍を取り上げる. で放置した(以下,この状態のものを水没漬煮豆. ことにした.. と記す).この段階の試料を調理直後(冷凍未処. これまで黒豆については,鉄鍋や鉄粉水を用し. 理)と表した.. て煮熟した場合,美しい黒色を呈すること1),圧. 2) 冷凍保存および解凍方法. 力鍋使用により煮熟時間が短縮されること2)や,. フリーザー. バッグ(ZipLoc,ダウ・ケミカル. 食塩水使用による煮豆の軟化効果3)等が報告され. 製)に1)の試料40gと煮汁20gを入れて封じ,. ている.しかし黒豆の冷凍処理に関しては,煮熟. 冷凍冷蔵庫の急凍室−(−19℃,松下電器産業,. 前に冷凍を行い豆の軟化効果を認めた報告4)があ. NR−D41W2)で150分放置後,冷凍室(−18±. るが,煮熟後の黒豆の冷凍保存に伴う品質変化に. 2℃,同上)で1,2,3,4週間保存した.解. ついてはほとんど報告されていない.ここでは黒. 凍は,測定に際し恒温器(20±1℃)で2時間放. 豆の冷凍保存が性状や食味にどのような影響を及. 置した.この段階の試料を冷凍保存と表した.. ぼすか明らかにすることを目的にした.. (3)吸水率. 黒大豆の浸漬前後の重量を測定し,増加量をも. 2.実験方法. との重量で険して吸水率を求めた. (4)水分率. (1)実験材料. 黒大豆はトカチクロ(39.7±0.38g/100粒,北 海道立十勝農業試験場産)を,粒の大きさをほぼ そろえて供試した.また,調味料として上白糖は. 試料20gを電子水分計(島津製作所,EB−280 MOC)により,設定温度400℃で測定した. (5)破断強度. レオメーター(不動工業,NRM−2005J)を用. 日本甜菜製糖製,しょうゆはキッコーマン製を用. い,アクリル樹脂板の上で試料を1粒ずつ測定. いた.. し,破断に要する荷重(g/c爪音)で示した.測定. (2)試料の調製. 条件はアダプター¢3mm,応力5kg,試料台速度. 1) 浸漬および加熱方法. 黒大豆100gを鍋(径18cm,ホーロー製)に入 れ,豆の10倍量の調味液(蒸留水910g,上白糖. 80g:原料豆の80%,しょうゆ10g:原料豆の 62. 5cm/minとした. (6)色調および色差. 測色色差計(日本電色工業,Z−1001DP)を用 いた.試料8gを国体用セルに詰め,明度(L),.

(4) Ef艶ctofFrozenStorageonthePropertiesandTasteofCookedBlackSoybeans 赤味度(a),黄味度(b)の測色を行い,試料間 の色差(』E)をN.B.S単位で表示した.. 水没潰煮豆と調味液浸潰煮豆を,それぞれかみそ. 00. 調理直後および1,2,3,4週間冷凍保存した. ︵誉 β巴U〇一言﹂OSq勺. (7)走査型電子顕微鏡(SEM)による形態観察. 50. り刃でほぼ中央部を輪切りにして,1%グルタル アルデヒド(0.2M燐酸緩衝液)で24時間固定し 0 2 4 6 8 10 12 14. た.. SOakjng tlme(h). その後エチルアルコールを用いて脱水を行い,. 引き続いて酢酸イソアミルで置換し,臨界点乾燥. 装置(日本電子,JCD−5)を用いて液化二酸化. Fig・l.Absorptionrateoftheblacksoybeans. + :Samples were soakedin distilled water at20℃ :Sampleswere soakedin distilledwater,. MOM. Sugarandsoysaucesolutionat20℃.. 炭素と置換・乾燥させた.種皮を除去した試料を 試料台に貼付後,イオンスパッタリング法により. 金蒸着し(日本電子,JFC−1100),走査型電子顕. (2)冷凍保存が黒豆の理化学的特性に及ぼす影響. 黒豆の水分率はTablelにみられるように,概. 微鏡(日本電子,JSM−T330A)を使用し,加速. ね,冷凍によりわずかに増加する傾向にあり,4. 電圧5kvで観察した.観察部位は切断面の表皮. 週間冷凍保存した試料は調理直後に比べて,水没. に近い部分,中心部,およびその中間部である.. 漬煮豆では1.8%,調味液浸漬煮豆では3.9%の増. (8)官能検査. 加率がみられた.これは試料を冷凍保存する際,. 調理直後(冷凍未処理)および冷凍保存4週間 の調味液浸漬煮豆を試料として,色の潰さ・つや. 煮汁を加えウェットバック6)を行ったため,解凍 時に流出するドリップとともに煮汁からの水分が. ・硬さ・味の濃厚さ・総合的な好ましさについて. 付与されたことによるものと思われる.また調味. 2点比較法による官能検査を行った.有意差検定. 液浸漬煮豆の水分率は水浸漬煮豆よりも調理直後. は二項検定(両側検定)5)によった.パネルは本学. 釧路校家政教育専攻学生20名である.. ・冷凍保存のいずれも低い率を示した.このこと. に関しては調味液浸漬煮豆の場合,調味料の添加 により液の浸透圧が高くなり,吸水が低下したた. 3.結果および考察. めと考えられる. Tab[el.Changeinratioofmoistureofcookedblack. SOybeanswithfrozenstorage. (1)黒大豆の浸漬時間の検討. (%). 一般に豆類は煮熱性を高めるために,浸潰・吸. 水後加熱することが多い.そこで20℃における黒 大豆の吸水率の変化について調べ,結果を Fig.1に表した.浸漬2時間までは浸漬液の違い による差は小さいが,浸漬4時間以降は蒸留水浸 漬豆が調味液浸漬豆より高い吸水率を示した.調. Weeks of frozen storage. Soaking treatment I. Ⅲ. 0. 71.38±0.18. 52.90±0.43. 1. 71.90±0.24. 54.40±0.72. 2. 72.23±0.21. 54.42±0.52. 3. 72.41±0.43. 54.43±0.53. 4. 72.67±0.40. 54.94±0.71. 味液浸漬豆の場合,糖が多量に加えられたことに. I:Samplesweresoakedindistilledwaterat20℃. より、吸水が抑制されたものと考えられる.黒豆. fbr6h. Ⅲ:Sampleswere soakedindistilledwater,Sugar. 調製の際に適当な浸漬時間は予備実験の結果,黒. andsoysaucesolutionat20℃for12h.. 大豆の吸水率が100%に達する時間であり,. Fig.1より蒸留水浸漬豆が6時間,調味液浸漬豆 が12時間であった.. 次に黒豆の破断強度はTable2に示したとお り,水浸漬煮豆と調味液浸漬煮豆のいずれの試料 63.

(5) MURAMITomokoandHIRUTAShin−ichi. も,冷凍により破断強度が低下する傾向が認めら. ずつ減少する傾向がみられたが,調味液浸漬煮豆. れた.特に調理直後から冷凍保存1週間の間の低. の場合a・bとも微量の増加傾向が認められた.. 下が大きく,その後4週間まで保存期間に伴う変. 調理直後(冷凍未処理)と冷凍保存の黒豆との色. 化はほとんど認められないことから,冷凍・解凍. 差は水浸漬煮豆の場合0.99∼1.24の範囲にあり,. 処理が黒豆の物性に影響を与えたものと考えられ. 感覚的には「わずかに」程度の差を示した.一. る.また水分率同様,水没漬煮豆と調味液浸潰煮. 方,調味液浸漬煮豆の場合0.30∼0.36の範囲で. 豆では顕著な差がみられた.中川ら7)は蒸留. 「かすかに」程度の差として表され,冷凍保存が. 水,0.5%食塩水,0.3%重曹水および調味液(0.5%. 色調に及ぼす影響は小さいことが認められた.. 食塩,20%上白糖液)浸漬黒大豆について加熱時. (3)冷凍保存に伴う黒豆の組織変化. 間による硬さを比較し,2時間加熱の場合,前三. 細胞間の接着状態が黒豆の硬さや冷凍保存に. 者はよく似た硬さを示すが混合調味液浸漬黒大豆. よる軟化に関与しているものと考えられることか. のみ硬さが大であったと報告している.本実験に. ら,SEMによる組織観察を行った.. Fig.2,3は水浸漬煮豆と調味液浸漬煮豆の調. おいても調味液浸漬煮豆の場合,破断強度が大き くなり上白糖やしょうゆを加えることで硬い試料. 理直後および1週間・4週間冷凍保存後のSEM. となることが明らかであった.. 観察像を示したものである.観察した倍率が低 く,細胞壁の微細構造は明らかでないが,水浸漬. Table2.Changeinhardnessofcookedblacksoybeans. 煮豆,調味液浸漬煮豆いずれの場合も,調理直後. Withfrozenstorage (×10二うg/cn盲). Weeks of frozen storage. から4週間冷凍保存試料まで,観察像の違いはほ. Soaking treatment. Il) 6.06±0.25. 0. とんど見られなかった.すなわち,子葉を形成す. Ⅲ2). 9.84±0.22. る表皮および子葉細胞群は,SEM像で見る限 り,それらの輪郭が明瞭に観察され,またその配. 4.96±0.22. 8.63±0.46. 4.68±0.38. 8.46±0.23. 4.67±0.32. 8.34±0.22. 4.64±0.20. 8.23±0.34. 置や配列にも変化が見られなかった.. 3. 1. 2 4. 1)2). 大豆はでんぷんを多く含むうずら豆などと比べ. て加熱による変化が少なく,たんばく質がやや膨. soaking treatment ofsamples arethe same as. 化して粒子の周囲に溶解像がわずかに認められる. thatshowninTablel.. にすぎない8)とされている.本研究で用いた試料 さらに色調についてはTable3に示したよう. の処理法においては黒豆の構造に変化がほとんど. に,水浸潰煮豆に比べて調味液浸漬煮豆はL・a. 認められず,加熱同様冷凍の場合も,でんぷんを. ・b値とも低く,肉眼的に濃い着色が認められ,. 多く含む豆に比べ組織の損傷が小さいものと考え. 調味料による影響が顕著に現れた.冷凍保存に伴. られる.. う変化については水浸漬煮豆の場合,aがわずか. (4)冷凍保存が黒豆の食味・食感に及ぼす影響. Table3. Changeincolorofcookedblacksoybeanswithfrozenstorage Il). weeksof. frozen storage. L. a. Ⅱ2). b. 0. 21.0±0.8. 5.5±0.2 ・5.3±0.2. 1. 20.7±0.5. 4.6±0.3. 5.2±0.2. ∠]E※. L. b. AE※. 14.2±0.9 1.8±0.22.4±0.3. 0.99. 13.9±0.8 1.9±0.32.4±0.3. 0.36. 2. 20.4±0.3. 4.6±0.3. 5.1±0.2. 1.13. 13.9±0.5. 2.0±0.3 2.5±0.2. 0.32. 3. 20.3±0.9. 4.5±0.3. 5.0±0.3. 1.24. 13.−9±0.4 2.0±0.3 2.5±0.3. 0.34. 4. 21.0±0.5. 4.4±0.3. 5.3±0.2. 1.06. 14.2±0.5. 0.30. 1)2)soakingtreatmentofsamplesarethesameasthatshowninTablel ※ AE(colordif艶rence):0∼0.5,traCe;0.5∼1.5,Slight.. 64. a. 2.0±0.2 2.6±0.2.

(6) EffbctofFrozenStorageonthePropertiesandTasteofCookedBlackSoybeans. C0lumnl. CePlumn 2. Column3. Fig・2・ SEMphotomicrographsofcookedblacksoybeanswhichweresoakedinwater RowA:immediatelyaftercooking;RowB:afterl−Weekfrozenstorage;RowC:after4−Weeksfroze StOrage・Columnl:centerpartofblacksoybean;Column2:peripheralpart;Column3:crosssection.. Scale:0.1mm(Columnsl,2),1mm(Column3).. 65.

(7) MURAMITbmokoandHIRUTAShin−ichi. G0lumnl. C0lumn2. Column 3. Fig・3・. R. storage・Columnl‥centerpartofblacksoybean;Column2‥peripheralpart;Column3:crosssectio Scale:0.1mm(Columnsl,2),1mm(Column3).. 66.

(8) EffbctofFrozenStorageonthePropertiesandTasteofCookedBlackSoybeans. Table4.Sensoryevaluationofthecookedblack. 課題である.. SOybeans Frozenstoragel) nostorage Depthofcolor Gloss Hardness. 4 weeks. 8. 12. 6. 14. 18***. 2. Richesoftaste. 4. 16*. Preference. 6. 14. 4.要 約. 蒸留水および調味液に浸漬後煮熟した黒大豆の. 冷凍に伴う品質変化を明らかにするために,物性 の測定,形態観察,官能検査を行い,次の知見を. Dataarebasedonthepair−teStby20panelists.Sta−. 得た.. tisticalsignificance was determined by two−Sided. (1)水浸漬煮豆・調味液浸漬煮豆のいずれにおい. test.. 1)soakingtreatmentofsamplesarethesameasthat showninmethodⅡofTablel.. *significantatthe5%1evel.***significantatthe O.1%1evel.. ても冷凍保存の経過に伴い,わずかに水分率が増. 加し,破断強度が低下する傾向が認められた.ま た色調の変化について,冷凍保存による影響は僅 少であった.. 冷凍保存の有無による黒豆の官能検査の結果を. (2)SEM観察の結果,水浸漬煮豆,調味液浸漬. Table4に示した.硬さについては2点比較法に. 煮豆いずれの場合も,調理直後から冷凍保存4週. より,調理直後(冷凍未処理)のものが冷凍保存. 間の試料まで,観察像(表皮及び子葉細胞群の形. (4週間)試料に比べて0.1%の危険率で有意に. 態及び配置)に明らかな違いが見られなかった.. 硬いと識別された.これはTable2の破断強度の. (3)官能検査の結果,調理直後(冷凍未処理)の. 測定結果において,冷凍期間の経過に伴い低下す. 試料と冷凍保存4週間のものとの間では,硬さ・. る傾向がみられたことと一致していた.また味の. 味の濃厚さに有意な差が認められ,冷凍保存試料. 濃厚さについては冷凍保存試料が調理直後のもの. は黒豆として好まれる傾向がみられた.. に比べて評価が高く,5%の危険率で有意差が認. められた.このことにより,松下らり)がこしあん. 本研究に際し,試料のトカチクロをご提供下さ. の冷凍貯蔵中の還元糖の変化について冷凍期間の. いました北海道立十勝農業試験場に厚くお礼申し. 経過に従い徐々に増加したと報告しているよう. 上げます.. に,黒豆も冷凍・解凍を行うことで調味料の浸透. 引 用 文 献. に影響を与えるものと考えられる.色の渡さ・つ やに関する識別については,冷凍保存試料に対す. る評価が多数を占めたが,試料間に有意な差はみ られなかった.さらに黒豆としての総合的な好ま しさは,冷凍保存試料が調理直後のものに比べて. 好まれる傾向がみられた.冷凍保存試料を好む理 由については,味が濃厚である,豆の硬さや味に ムラがない,皮のモソモソ感がない等の記述がみ. られた.このことから冷凍保存に伴う破断強度の. 低下や食感の軟らかさは,表皮の質感が関与する ものと推察される. 以上より,黒豆の冷凍保存(4週間)は合理的 な食生活を図る上で有効な手法と考えられる.さ. 1)河村フジ子,松崎紀子,北条順子:調理食品の品質におよぼ. す金属器具の影響(第1報)黒豆を鉄鍋で煮る場合,家政 誌,26,182−186(1975) 2)渋川祥子:圧力鍋による煮豆の特性について,家政誌,30,591 −595(1979). 3)松岡洋子,塩川美絵:食塩水浸漬・加熱黒大豆の性状,調理. 科学,23,311−314(1990) 4)宇山裕子,中川信子:黒豆の加熱調理に関する研究(第2 報)一浸漬条件並びにフリージング処理が煮豆に及ぼす影響. 一,四国女大紀要,5,81−90(1986) 5)福場博保,宮川金二郎共編:『調理科学実験ハンドブッ ク』,建吊社,束京,404(1990). 6)加藤舜郎:『食品冷凍の理論と応用』,光琳書院,東京,585 (1976). らに長期間の保存が品質に及ぼす影響は、今後の 67.

(9) MURAMITomokoandHIRUTAShin−ichi. 7)中川信子,宇山裕子:黒豆の加熱調理に関する研究(第1 報)ニ浸潰条件の違いによる煮豆への影響について−,四国女. 大紀要,4,63−68(1984) 8)青木 宏,伊束清枝:『調理と大豆』,学建書院,東京,66 (1979). 9)松下浩子,佐伯俊子,高木幸子:ホームフリージングによる 食品の変化(第1報)一加糖小豆について一,武庫川女大紀要 食物編,第31集(1983). (村上知子 釧路校助教授) (蛭田眞一 釧路校助教授). 68.

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