幼児期におけるブランコのりの発達
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(2) . 幼児期における ブランコのりの発達. 長 谷 川. 久. 子. は じめ に. ) 幼稚 ブランコは, 幼児期から小学校前半の時期の子ども達に最も 好まれている運動遊具である1 .. 園設置基準では, 必ず設置しなければからない遊具としてあげられている。 児童公園, ちびっ 子広 場など, 身近な所にもあり, よく遊ばれている. 反面, 落ちたり, ぶつけたりの事故が多い遊具で 4 3 ) ) ) 集団保育の場では 使用希望者が多数であることから 危険防止と 順番を守ることな もある2 , , , . どに指導の中心がおかれ, のりかたやこぎかたについての保育者の関心はうすいよう である. ブラ. ンコは, 主として自由あそびの時間に, 子どもの興味や自発的な学習意欲に 基ずいて使用されてい ) したがって ブランコのりは 幼児の自発的な模倣追試 模索的な実行行為によっ て習得され る5 , , , . ることとなり, 習得の時期は個 人差が大きいと考えられる. ブランコは, 一対の鎖 (縄) で腰板を懸垂した, 振り子運動を利用した遊具である。 遊具の構造. は単 純で, 遊びかたも限られており, 腰板に座っ たり, 立ったりして, ブランコを大きく振ること が基本となっている. ブランコのりは, 振り子運動の原理に支配される. 振り子は支点を中心とし て振り子の長さに規定された空間で弧を描いて移動し, 抵抗や摩擦がなければ位置エネルギー (重 力) によって一定の振幅で永久運動を行う。 振幅の両極での静止を含め角加速度は周期的に変化す る. 振 幅 の 増 加 は 力 が加 え ら れる こ と に よ っ て 生 ず る. そ して, ブラ ン コ のり は, の り 手 が, ブ ラ. ンコと共に振り子運動をすることから, 以下のような運動特徴をもつ. 1, 鎖と腰板によって, 身体が空中に保持され, 空中における身体操作が要求される。 身体の支. 持面は不安定で, ちょっ とした姿勢変化に敏感に反応し, 平衡がくずれる. 初歩段階の子どもは, ブランコを前に動かそうとして身体を前に移動させたり, 立ってのりこむことができ なかったりす る. 2. 全身が, ブランコと共に振り子運動を行 ない, 弧を描いて空間を移動する. 移動は, 振幅の. 両極の静止を含み, 加速と減速が交互に1往復に2回, 方向をかえて周期的に変化する. 振幅の増 加によって移動空間や加速度変化は 大きくなり, 変化しつづける位置や重力の作用方向, 急激な加 ) 速度変化に対応した姿勢調節が必要となる.この姿勢調節は,訓練によって可能になるとい われる6 。 3. ブランコの振幅は, 振り子の支点から重心ま での距離が周期的に変化する パラマウント励振 ) この距離の変化は のり手の重心の上下動と 前後動によって行なわれる. 最 によって増大する7 , , . も合理的なこ ぎ方は, 振幅の極限で低い姿勢をとり, 最下点ですみやかに高い姿勢に なり, 振幅の 9 ) ) また 振幅 極限で再び低い姿勢になる, これを 自主復に1回または, 2 回く り 返 す こ と であ る8 , . の極限で身体を遠方に投 げ出すことも, ブランコの振幅増加に有効 である. 逆に, 振幅減少に有効 な姿勢は, 振幅の極限で身体の投げ出しを防止すること, および, 重心の上下動を行なわず, 立ち 225.
(3) . 長谷川. 久. 子. 姿勢や座り姿勢を保持することである. 立ち姿勢は, 座り姿勢より 空気抵抗が大きく, 振幅減少に 利用しやすい. 振幅の増加, 減少は, ブランコの周期に対応したのり手の姿勢変化のくり返しによっ. て調節できる. 幼児用 ブランコの周期は 自主復2~3秒 であり, 振幅の両極限の間隔はおよそこの 杉の時間である. この周期に規定され, 短時間に姿勢を切りかえくり返しこぐためには, 正確な位 置判断とすばやい動作・力の配分が必要となる. ブランコのりに必要な以上のような身体の調節・タイミン グ, くり返しや切りかえを習得するこ. とは, いずれも幼児にとって難しい課題 である. しかし, 幼児は, ブランコの揺れを楽しみながら これらを自ら獲得してゆく, ブラ ンコのりは 多くの子どもに好まれ, 遊ばれているが, ブランコの りの研究はほとんど行なわれていないのが現状で, ブラ ンコのりの発達に関する資料は少ない. 通 )を示すと 次のようになる ブランコに座ってのれるのは2歳位と考えられ 過率からみた発達傾向1 , . るが, 座っ てじっ としているか, 押してもらって少しゆれる程度である. 3歳では, 押してもらっ てかなり大きくゆれる. 4歳では, ブランコの腰板に腰をかけると後に-ばいに引き, 足を地面か. ら離して振り出すが, こぐことはしない. 振れが小さくなると一度止めて, 再び後に引いて振り出 す. たちのりは, 少しの間できるが, ほとんどこげない. 5歳では, 4歳と同様腰かけて振り出し, 連続的に振る. たちのりは, 腰かけて大きく振りながら立ち上り, 再び腰かけにもどることができ,. 振りに安定性がでてくる. 6歳では, 腰かけて後へいっ ぱいに引き強くけり出すので, はじめから 振幅が大きい. 振りながら立っ たり座 っ たりをくり返す. たちのりは, はじめから ブランコを手前 に引き片足をのせ, 一方の足 でけって大きく振り出すことができる. 男児は, とび出しのりを好ん. で 行う。 ブ ラ ン コ の り は, 4 歳, 5歳で発達が大きく7歳までにほぼ習得される. 男児よりも女児. }は でき方の差に注目し の使用率が高く, 5~6歳では女児の方が技能的にすぐれている. 岡本1 , , す わ り の り に つ い て 4~6歳児の振れ角度を測定している. 年令発達が大きいこと, 女児の方がこ げ る こ と, 前 振 り の 方 が 大 き い こ と を 報 告 して い る が, 他 の の り か た に つ いて の 測 定 は な い.. 本研究ではブランコのりの代表的なのりかたである. すわりのり, たちのりをとりあげ, 振り角 度とこぎ姿勢から幼児期におけるブランコのりの発達過程を明らかにすることを試みた.. 方. 法. ブランコのすわりのり, たちのりについて次のような課題を設定し, 振り 角度の読みとりと観察. を 行 っ た. A. い つ も の の り か た での る (1 ~ 2 往 復 程 度). 0と表記する) 検者が後方に20度引いて起動させ15往復ま で最大限大きくこ ぐ. (以後-20 C 静止している ブランコにのり地面に足をつけない で15往復ま で最大限こ ぐ.(以後00と表記 する) B. 1. 振り角度の読みとり 振り角度は, 岡本の方法を参考に, 大分度器 ( 0×1 0ocm) を, ブ ラ ン コ の 振 り 子 の 支 点 に 固 定 5. し, 鎖の振れの極限の角 度を支点から50cm のところで読みとった. 大分度器は, 振り子の支点の oま での目盛をつけた 検者は側 方6mの位置から後振り角 鉛直線上を0とし, 前後方向に各々9o . (-) , 前振り角 (+)と振り角度を順次読みとり, テープレコー ダーに録 音した. 課題Aについて. は, 振 り 出 し の角 度 と 方 向, B お よ び C に つ いて は, 15 主復まで振り角 度を読みとった. 226.
(4) . . 幼児期におけるブランコのりの発達. 2. の り かた, こ ぎかた の 観 察. ←‐‐ ÷ 1 0 ocm÷ー→. 言 宣 誓 誓 震会議謬誓 言 重 琶謬り 三 に 、 い. ぶち , ,T ▼ y i聡慧三雲警醒鼻声壷 誓。餐 〒= = 蒙醐 姿 霊蹴ゐ / 灘驚歎瑠嘱望醸 緊 朝霞 畳 喜喜 そ 鎖 の 析 れ曲 がり の 有 無 を チ ェ ッ ク し, ま た 姿 勢 変. 〆. 化 が, ブラ ン コ に 伝 わ っ て い る か どう か を 腰 の 押. 〆. し出 しの 有 無 でみ た. 同 時 に, 左側 方 6 m か ら 毎. 秒 24 コ マ の ス ピー ド で, 奇 数 往 復 回 に つ い て 16. ′. 女 8). 3 歳 児 ク ラ ス 14名 (男 6, 女 8) の 計. . 図1. 51名 である. 対象児はいずれも各クラスからの無. =. =. =. =. =. =. 隻. . 使用 ブランコ. 作意抽出による, 年令は,1978年4月1日現在で 示したが, 測定時の名クラスの平均年令は, 6歳1ヶ月, 5歳0ケ月, 4 歳1 ヶ月 であ っ た. 場所 同保育園園庭 使用 ブランコ 対象児が日常使用している二連式鎖 ブランコ 鎖の長さ165cm 地上から腰板 までの高さ 25cm を用 い た. こ の ブ ラ ン コ の 固 有 周 期 は, 2.39 秒 であ っ た.. 対象園では必ず保母と一緒に ブランコを使用するよう指導しており, よく徹底されていた. 夏場 は ブランコの要求が一番多くなる, こぎかたの指導は, うまい子のやり方をよく見る程度である. すわりのりは全員経験しているが, たちのりは禁止されているの で, 対象児中3名が未経験であっ た. 対象児の体格については, 表1に示した,. 表‐1 対象児の体格の平均値と(標準偏差) 年令・男女 3. 才. 4. 才. 5. 才. 身. 長. cm. 体. 重. kg. 下 腿 長c m. 下 肢 長 cm. 99. 80(5.5 9) 16, 08(1, 43) 28. 00(2,ol ) 9 9 4 9 (4 1 8 4 4 1 ) 5. 0 (1, 6) 27, 3( . 65) 女 . ,04 36(5.2 男 104, 0) 17. 10(2.54 ) 29, 00(1. 94). 48, 16(1. 94). 男 112,81(4. 24) 19, 06(2.5 ) 31, 38(2.00) 7 0) 19. 13(1. 90) 32. 00(2.5 女 113.38(4,6 0). 55. 30(2.2 5). 男. 0) 15. 92(1. 36) 30, 00(1. 77) 女 103.11(4,1. 47. 50(1, 73) 51. 30(4.o ) 3 50. 75(3,4 1 ). 55. 67(2.2 5). 227.
(5) . 長谷川. 久. 子. 結果と考察 1. ブ ラ ン コ の り の 年 令 によ る 発 達. 1. の り かた. 課題A で, 日常ののりかたを観察し, 起動の方向と角 度を読みとった. すわりのりでは, ブランコを背面にして立ちそのまま腰をおろし, 下肢を伸 ばして後方に引いて. から足をはなして振りはじめる。 2名は, ブランコに向かって立ち, 鎖を引きよせてから腰板をま たいで腰をかけた. 起動は いずれも後方に引いて行なわれた. 起動の角 度は3歳~ 5 歳 では -16. o 6~-28 .8と,年令と共に大きく なるが3歳と4歳の差が大きい.下肢の長さは4歳と5歳の差の方 が大きいので, できるだけ振るうとする意欲による面が強いのではないかと思われる. たちのりで は, ブ ラ ン コ に 向 っ て 立 ち 手 前 に 引 い て 片 足 を か け て の る. ブラ ン コ を 背 面 に して 立 ち, 鎖 を も っ. て片足づつ後方に曲げてのせてのりこむ後むきのり ( 17名) や, すわりのりで振り出し, 動きはじ めてから立ち上る方法 (1名) もみられる. 大半は, 後方向に引いて起動させるが, 00または, 前 0 方に押し出してから振り出すケースもみられる.角 度は,年令と共に-6 3~-16 . .3 と大きくなり,す わりのりと同様, 3歳と4歳の差が大きい. たちのりは, 不安定な腰板の上に身体をうまくのせる ことがむずかしく, 3歳では, 何とか板上に立てる程度である. 4歳では板上にしゃ がんだ状態で の り こ み, 動 き は じめ て か ら バ ラ ン ス をと り な が らた ち 立 る. 後 む き の り の 半 数 は こ の 方 法 であ っ た.. ブランコの起動は, すわりのりの方が角度が大きく, のりこみやすさと, こげなくてもゆれを楽 0程度大きい しめる点でやさしく, 安定感がある。 角度は, どの年令においても男児の方が0.5 , 2. 振り角度の時間的変化. ブ ラ ン コ は, 繰 り 返 しこ ぐこ と に よ っ て, 振 幅 が, 増 大 して いく. 課 題 B お よ び C に よ る 15 往 復. までの振り角度変化を, 前方向 (+) と後方向 (-) に分けて読みとっ た. ブランコの振り角度は, 個人差が非常に大きいが, 発達の概要をとらえるために, 各年令の平均及び男女別平均を求めた. 0か ら 起 動 した 場 合 : -20. や大きい角 度である。. 0は 日 常 の 起 動 よ り も す わ り の り では 小 さ く た ちの り では や -20 , , ,. o程 度 に と どま て い る 4 歳 では す わ り の り では, 3 歳 の 場 合 は 15 往 復 の 変 化 は み ら れ ず. 20 っ , .. o程度である 5歳になると 14往復まで直線的に増加 往復回数に伴って, 振れが大きくなるが,30 , . oまで振れ 増加が著しい 4歳・5歳では振り角 度の最大は14~15往復で現われる 振り角 し67 。 , . oまで増えるがあ 度は3歳と4歳の差よりも, 4歳と5歳の差が大きい. たちのり では, 3歳では30. まり変化はなく, 4歳では8往復ま で増加し, その後40~4ずを保ち, 5 歳は, 7往復まで増加し, oを保持する たちのりでは 振り角 度の増加がみられる増加期と 振り角 度を保 てい 以後5 5~59 っ , . , 0からの起 る保持期とに区分さ れる、 振り角 度は, 年令に伴って増大し, 増加期は逆に短くなる. 2 0 動は, すでに振れが生じておりこ ぎやすい状態であるが, すわりのりよりもたちのりの方が振り角 度が著しく早く 最大に達する.. ブランコのりは, 女児の方が振れやすいことが指摘さ れているが, 年令別, 男女別に振り角 度変 化を示したものが図2 であ る. す わ り の り では, 5歳男女と4歳女児の振り角度は, 往復回数に伴って増大するが, 4歳男児と. 228.
(6) . 幼児期におけるブランコのりの発達. 60. ◎ 男 ◎ 女. o 男 o 女. 振 り 角 度O. 脊. を. 20. . 1 2 3 4 5 6 7 8 91 01 11 21 31 4I 5 往 復 回 数. 図2. 3. . 5 o. 3 0. . 5. シメ ″ メ 3 メ 〆 4 〆 . 1 2 3 名 5 6 7 8 9l l1 21 3論 篤 ol 往 復 回 数. -20 度からの年 令別・男女別振り角 度変化 (左図:すわりのり, 右図:たちのり) 図中の3, 4, 5は年令を示す,. 歳男女は, 増加がみられない。 どの年令でも女児の振り角度が大きい 5歳, 3歳は性差がみら 。 ないが4歳は, 性差が最も大きく有意な差がみられる(P<005 , ) 。 たちのりでも, 5歳男女と4 0の増加がみられる が 3歳男 女児は, 振り角 度の増大がみられる。 3歳女児, 4歳男児も2 0~1 0 , は減少傾向を示す. 5歳では, 男児の振り角度の増加 が女児を上まわっているが性差はみられな 。 4歳女児は, 振り角 度の増加がゆるやかで時間がかかるが, 保持期では, 5歳女 児と同程度振 る. 4歳男児は, ほとんど振れず, 4歳の性差が大きく有意 である(P<005 , ) 。 3歳では女児の り角 度が増加 しているが, 有意な性差は みられない。 まとめてみると, 振り角 度の増加 は大きいものから, 5歳、 4歳女児, 3歳女児 4歳男児 3 , , る。 4歳は, 男女の差が最も大きく認められた. ooから起動した場合: 静止した ブランコを動かすことは, 幼児にとってかなり難しい すわり 。 り では, 簡 単 に 地 面 に 足 が つ く の で, 足 を つ い て 地 面 をけ り 動 か そ う と す る た ち の り では , . ,. ゃにむに全身を動かし, 振れを生じさせようとするが, 振れはわずか で, 振れの周期はとらえに. . すわりのり では, 3歳はほとんど振れを生じないが, 4歳, 5歳では振り角 度の増加がみられる . o 歳で2ぴ , 5歳で40ま でゆるやかに増加 し,15往復で最大になる。 たちのりは, 3歳では15往復 oまで増加する 4 歳では12往復ま で増加し 30 o でゆるやかに20 , で, 5歳では,11往復まで増加 。 , , o 45程度で保持される.. 年令別, 男女別に示したのが図3 である。 すわりのりでは, 3歳男女, 4歳男児は振れを生じないが, 4歳女児 5歳男女は1扇主復ま で振 , 角 度が増大し, 各々,3ぴ, 3 , 4れこ達 す る. 4 歳 で は 性 差 が 大 き い。 た ち の り では, 3 歳 男 児は 0程度振れる 4歳女児は13往復まで れを生じないが3歳女児, 4歳男児は15往復まで増加 し20 . 0 0 り角度が増加 し5 0, 5歳女児では12往復まで増加し4 0, 5歳男児は最も増加が著しく,1 3往復 0に達する 4歳女児は 5歳男児に次いで振り角 度が大きい 性差は 6 0 , . , 4歳と5歳に有意に認 . ら れ た (P<0.05 )。. 0と00からの場合を比べて みる 振り角 度変化は すわりのりでは ともに5歳男女 -20 , 。 , , 4歳女 が1 5往復ま で徐々に増大し, 4歳男児, 3歳男女は減少または停 滞している 女児の方が振り角 。 が大きく, 4歳で性差が認められた. 00からの起動は, 振り角度が増加 しにくいが 起動分をさ , 引くと, 振り角 度の増加分は同程度であっ た。 たちのりでは, 5歳男女, 4歳女児に 急速な振 , 229.
(7) . 長谷川. 久. 子. o男. . . 0 度 3. 幾2o O. . 一 1 5 l121 3141 2 3 4 5 6 7 8 9lol. 5 2’ 31 41 l’ 1 2 3 る 5 6 7 0 9l ol 往 復 回 数. 往 復 回 数. 図-3 0 度からの年令別・ 男女別 振り角 度変化 (左図:すわりのり, 右図:たちのり) 図中 3, 4, 5は 年 令を示す.. り角 度の増加期とその後の保持期が区分さ れた. 3歳女 児, 4歳男児は, ゆるやかな長い増加期と oか 以後停滞または減少傾向がみ られ, 3歳男児は, 減少または停滞していた. ooからの起動は-20 0 0 こ達 ら起動した場合よりも振り角度は小さい傾向がみられるが,5歳男児4歳女児は振り角 度が20 した時点からの増加傾向は同 じである. 5歳女児は振り角 度の増加が少なく増加期も短い. 5歳で は男児が, 4歳, 3歳では女児の方が振り角 度が大きく, 4歳で性差がみられ, 00から起動した場 合に5歳でも性差がみられた. 3. 振り角度増加の方向性 ブランコは前方向がこぎやすい.15往復の 振り角度変化から振り角度の増加に方向性があること が示唆される. 振り角度を時間経過に従って後・前・後……の順に 比較し, 増加がみられる側の回. 数比から, 主に後側 で増加するもの, 主に前側 で増加するもの, 前後両側 で増加するものに 分け, 年令, 男女別の人数比で示した. oの場合では 3歳では後 4歳では後と前 5歳では前の 振り角度が大きい 振 すわりのり-20 , , , , 前はわずかしかみられない 両側 4歳男児では 6 5 %以上が後で 度が増加 しない3歳 り角 .4 , , , , 歳女児は前と後, 5歳男児は, 両側と前, 女 児は, 前と後がそれぞれ多い. 振り角度の増加に伴っ て後側は減少し, 両側, 前は増える傾向を示している. すわりのり00では, 3歳, 4歳は後と前, 5歳は前と後が 多く, 両側は少ない. 年令, 男女別ではほとんど振れない3歳男児は, 後, 前, 両. 側に分かれるが, 3歳女児は後と前, 4歳男児は前と後, 4歳女児では後, 5歳男女は前と後で, oの場合は 3歳では後 振り角度が増加するほど前側 が多くなる傾向がみられる.たちのり では,-20 , と両側, 4歳では後, 5歳では前と後が多い. 振り角 度の小さい3歳男児, 4歳男児は後が多く,. 3歳女児では両側, 4歳女児は後, 5歳女児は後と前, 5歳男児は 前と振り角 度の増加に伴って前 側 が多くなる. ooからでは, 3歳は後, 4歳は前と後, 5歳は両側 が多い. ほとんど振れない3歳 男児は後, すこし振れる3歳女児は後, 4歳男児は前と後, 5歳女児は両側と前, 4歳女児は前と 後, 5歳男児は両側 が各々 多い. 振り角 度の増加に伴って後-前-両側と増加方向が変化する.. 増加方向後側の子ども達は, 前にこごうとして前振りの 極限ま でこ ぎ姿勢を保ちすぎ, 持ち手を 二次支点とした鎖折れを生じ, ブランコの振れを抑制する結果に なる. 後振りではこの現象は少な い. 前振りでのこぎ姿勢の切りかえのまずさが増加方向が後側となる原因と考えられる. ooからの 230. ..
(8) . 幼児期におけるブランコのりの発達. 起動は振れを生じさせることが困難 で, 積極的にこごうとして様々なこ ぎかたが試行錯誤的になさ o附近 であり大半が後方であ た たちのり れるが, ブランコの周期をとらえられるのは振り角度25 っ . では増加期と保持期 で増加側が異なる傾向があり, 増加の著しい4歳, 5歳では今後区分してみる 必要がある. 4。 最大振幅 振り子の中心線から前と 後に分けて読みとった振り角 度から, 連続する振幅(後振り角)+(前振 り角) または, (前振り角)+ (後振り角) を求め, その最大のものを最大振幅として年令, 男女別 の平均を表2に示した. 0か ら の 場 合: -20. 0で起 動 分 40 0を 差 し引 く と ほ と ん ど振 れ を 生 す わ り の り では, 3 歳 では49,6 0 じな い が, 5 歳 で は 118.1 と 増 加 し て お り, 3 歳, 4 歳, 5歳の各年令間に差がみられ発達 が著し. い. 4歳では女児の最大振幅が大きく性差 がみられた(P<0.05 ) . 女児は3歳と4歳の間 で, 男児 は4歳と5歳の間での発達が著しく, 3歳~ 5 歳 で, 65.10~127.するこ増 加 し, 4 歳と 5 歳 の 間 で年 令差がみられた (P<0, ) 001 . 3歳, 4歳は女児が, 5歳では男児の振幅が大きいが, 4歳で性差 (P<0 ) 0 5 がみられた 男児は4歳と5歳の間 ) がみられたが, 女児では年 で年令差 (P<0,01 . . 0 令差はみられなかっ た.-20から起動した場合, すわりのりとたちのりの最大振幅の差はみられな か っ た が, た ち の り の 方 が 大 き い 傾 向 が み ら れる. oでゆ れ を 生 じ な い が 5 歳 では 75 2 o ooか ら の 場 合 : す わ り の り で は 3 歳 で7.5 , . で加 令 に 伴 っ. て最大振幅が増加し, 各年令間に差がみられた(P<0.05 ) . 男児では4歳と5歳の間で, 女児では 3歳と4歳の間で年令差がみられ, 男女の発達時期が異なる. 各年令とも性差はみられないが, 女 0と 増 加 し 児の方が最大振幅が大きい傾向がある. たちのりでは, 3歳から 5 歳 で, 35.40~107.5 , 表‐2. 年令・男女別の最大振幅、 最大振幅時、 平均こ ぎ量の平均と標準偏差. 紫. 42 5 ,. 4 5 9 ,. 4 2 度 S D 1 , ,. 2 9 6 ,. D 往復回数 S ,. 平均こぎ量. 3 5 , 5 6 5 , -2 4 8 ,. 度 S 1 8 D 3 , ,. 最大振幅 角. 4 9 0 , D 1 9 度 S , 1 ,. 最大振幅時. 4 3 ,. 平均こぎ量 D 度 S ,. 5 I , 6 0 6 ,. 4 男. 才 女. 5 5 ,. 1 4 4 , 0 8 6 ,. 4 2 0 -1 0 6 , , 4 6 0 4 6 , ,0. 4 0 1 ,. 5 9 ,. 5 男. 0 才 女. 4 1 4 1 5 7 9 8 5 1 2 1 4 5 , , , , 4 3 I 1 7 4 2 4 0 3 2 9 , , , ,. 4 5 9 ,. I 7 7 , 4 6 8 ,. ら. か. 2 8 4 ,. 4 1 0 1 3 6 , , 1 1 6 1 9 4 , , 5 7 9 , 1 5 ,4. 5 1 7 , 2 6 1 ,. 7 3 5 1 1 2 8 1 3 8 3 1 1 9 O , , , , 4 1 2 4 5 8 3 3 7 3 8 6 , , , ,. 5 8 4 ,. 6 6 1 0 3 , , 1 5 0 4 5 0 , ,. 2 2 3 ,. 3 2 8 ,. 5 0 2 ,. 2 5 9 ,. 5 7 5 ,. 6 2 2 ,. D 3 7 9 往復回数 S , ,. 角. 才 女. 最大振幅時. 角. 3. 度. 2 0. 男. 最大振幅 角. -. 9 6 ,. 1 1 4 ,. 3 ・才 男. 女. 度 4. 才. ら 5. 才. 女. 男. 6 I 4, 6 2 , 4 5 3 5 8 3 , ,. 0 4 6 , 4 1 5 ,. 7 0 3 ,. 9 7 7 ,. 2 9 3 ,. 3 3 5 ,. 7 0 , 4 8 6 ,. 4 2 , 4 6 0 ,. 1 4 6 ,. 1 4 9 ,. 1 3 7 ,. 5 0 0 ,. 0 8 8 ,. 1 0 8 ,. 3 3 1 ,. 1 3 3 , 1 1 ,0. 1 1 3 ,. 3 2 1 ,. 5 4 4 ,. 2 5 1 ,. 4 0 8 , 2 7 2 ,. 4 7 3 ,. 1, 1 9. 2 0 0 ,. 2 2 1 ,. 1 3 1 , 1 8 I ,. 1 8 3 ,. 男. か. 7 3 ,. 女. 4 4 6, I 6 9 ,. 4 5 7 1 1 0 I 1 2 8 6 , , ,. 9 0 6 ,. 4 1 5 ,. 5 2 9 ,. 5 1 I ,. 4 9 7 ,. 5 4 7 ,. 1 2 I ,. 1 2 5 ,. 1 0 5 ,. 1 2 9 ,. 1 0 3 ,. 1 0 5 ,. 3 4 9 ,. 2 2 0 ,. 3 9 4 ,. 3 9 4 ,. 3 6 4 ,. 1 7 2 ,. 2 8 3 ,. 3 1 0 ,. 1 4 7 5 1 2 9 , , 6 1 3 7 6 5 , ,. 7 5 2 ,. 1 5 0 ,. 4 4 3 ,. 5 2 6 ,. 0 5 0 ,. 0 8 9 ,. 4, 5 7. 4 5 4 ,. 8 5 9 1 2 0 9 , , 4 3 6 4 2 0 , ,. 8 8 4 , 5 9 1 ,. 0から) 平均こぎ量:最大振幅-4 0/最大振幅時 (一2 0 :最大振幅/最大振幅時 (00から) -は減少を示す。 231.
(9) . 長谷川. 久. 子. て ) 3歳と4歳の間で発達差がみられる(P<0.05 . 3歳と4歳男児は すこし振れる程度にとどまっ お り, 4歳女児と5歳に, 振幅の増加がみられる. 女児は, 3歳から4歳に, 男児は3歳から5歳 ) の各年令間で発達がみとめられる(いずれもP<0.05 . 3歳4歳は女児が, 5歳は男児の 振幅が大 o き く, 4 歳 で は性 差 が み ら れる. ooか ら の 起 動 は, す わ り のり, た ち の り と も に -20 か ら の 場 合 よ. りも個 人差が大きい. 各年令ともたちのりの方が最大振幅が大きい傾向を示している. oと00の最大振幅を比較 すると すわりのり では起動分 ( 40つ を差し引くと差はみられない. -20 , 0 0 たちのりでは0 からの場合は起動分を差し引くと20程度上まわっている. このことは静止状態か らの起動がすわりのりよりもやりやすいため, 最大振幅に達する往復回数を短縮し, 起動角にかか わりなく個人のもつ最大振幅レベ ルまでこく こ と が でき る こ と を 示 して い る.. 5。 最大振幅の出現時間 (往復回数) 最大振幅の出現時期を往復 回数で表わし, 年令, 男女別の平均を表2に示した. oか ら の 場 合 : す わ り の り で は 3 歳~ 5歳の間に44~1 4.0回に増え, 各年令間に差がみ -20 . , 年令差がみられた. 4歳は ) られた(P<0 .01 . 男児は4歳から5歳, 女児は, 3歳から4歳の間で 性差がみられ, 女児の回数が多い. たちのりでは, 3歳~ 5 歳 で 4.9~10.5 回に増加し, 3歳と5 ) 歳の間で差がみられた (P<0.001 . すわりのりもたちのりの方が最大振幅の出現が早く, 5歳で ). は 差 が み ら れ た (P <0.001 ooか ら の 場 合 : す わ り の り は, 5.4~14.3 回 に 増 加 し, 3 歳 か ら 5歳の各年令間で差がみられ. 差がみられた. 3歳, 4歳では女 ) た(P<0.05 . 男児は4歳と5歳の間, 女児は3歳と4歳の間に ) た (P<0.001 傾向がみられ 4歳 で性差がみられ 児が, 5歳では男 児の回数が多い . たちのりは , 3 歳~ 5歳で, 1 0.6~12.3回と, 年令差が少ないこと, 加令に伴い減少傾向を示すことが特徴 であ る. 静止状態からの 起動の困難さからくる最大振幅出現の遅れと積極的なこ ぎ動作の反復によるこ ぎ量の 多さからく る最大振幅出現の早さによるものと考えられる. ooからの起動では, 5歳男女と. 4歳女児はすわりのり, 4歳男児と3歳は たちのりの最大振幅出現がおそい. 0からより00からの起動の方が最大振幅に到達するのが遅い傾向がみられる すわりのり では,-20. oか ら は 加 令 に 伴 て 遅く な る が ). た ち の り では -20 っ が, 5 歳 男 児に の み 差 が み ら れた(P <0.05 ,、 0 0 0 か ら は 加 令 に 伴 っ て や や 早 ま る 傾 向 が あ り 異 な っ て い る. 3 歳 で は 0 か ら の 方 が 遅 い (P <0. ). 05. 6. 最大振幅までの平均こ ぎ量 最大振幅と最大 振幅時の往復回数から, 最大振幅に達するまでの一往復当りの平均こぎ量を算出 0を差し引いてある こ ぎ量の減少は マイ ナスで表示し 0から起動した場合は 起動分4 0 した.-20 , . , た. (表2) oの場合: すわりのりでは -14~57 で加令に伴って増加 し 各年令間に差がみられた -20 . , , .. 3歳と4歳男児は 減少傾向を示しており,振幅の増加がみられない.4歳女児と5歳男女は,4 .0~5. ) gで振幅が増加 しており, 三者の差はみられない. 4歳は性差が大きく有意であった(P<0 ,01 . o 女 児 は 3 歳と 4 歳 の 間, 男 児は 4 歳 と 5 歳 の 間 で増 加 が 著 しい. た ち の り では,2.8~12.5 で加 令 に. ) 伴っ て増加しており, 5歳と3歳の 間で差がみられた(P<0.01 . 3歳, 4歳は女児が, 5歳は男 かけて発達が著しく, れない 男児では4歳から5歳に 児のこ ぎ量が多いが, 各年令とも性差はみら . 年令差がみられたが, 女児は各年令間に差はみられなかっ た. すわりのりに比べてたちのりのこぎ 量が多い傾向がみ られ, どの年令でも男児はたちのりの方がよくこげる.. 232.
(10) . 幼児期におけるブランコのりの発達. ooか ら の 場 合:. 0と 加 令 に 伴 い 増 加 し 3 歳と 4 歳 の 間 に 年 令 差 が み ら す わ り の り は 1.2~5.11 ,. れた. 性差はどの年令でもみられず, 男女共に3歳から4歳にかけてこぎ量の増加が著しい たち 。 0と加 令に 伴 い 増 加 し 各 年 令 間 に 差 がみ ら れ た 3 歳 4 歳は 女 児 が の り では, 2.1~10,3 , , . , 5 歳は. 男児のこ ぎ量が多い傾向がみられるが, 性差は どの年令でもみられなかった. 男児は3歳から5歳 の各年令間で, 女児は3歳と4歳の間で年令差がみられ, 男児のこぎ量の発達が著しいことを示し ている. こぎ量はすわりのりよりもたちのりの方が多く, 4歳, 5歳と加令に伴って差が大きく な る.. すわりのりでは3歳, 4歳男児でooからのこ ぎ量が多いが5歳では差はみられな い。 たちのりでは, ooからの方がこぎ量が多い傾向を示す が, どの年令でも差はみられない 静止 . 状態からの起動は,振るうとするよ り積極的なこぎ動作を引き出しこ ぎ量を多くさせたと思われる . 起動角の差:. 1 1 . こ ぎ能力からみた習得過 程 ブ ラ ン コ の り は, 3歳から5歳までに著しい発達を示す 3歳ではほとんどこげず振れを楽しむ 。. 程度であるが, 5歳ではかなり大きくこぐことができるよう になる. 3歳4歳では女児の方がよく こげるが, 5歳では男女の差はなくなる. しかし, ブラ ンコのりは, 幼児自身の自発的な習得にま 0か ら の 資 料 を 用 い ブラ ン コ の り の 習 得 か さ れ て い る た め に 個 人差 が 大 き い. そ こ で, こ こ では -20 レ ベ ル を も と に 次 の 点 に つ いて ブ ラ ン コ の り の 量 的 ・ 質 的 発 達 の 傾 向 をさ く るうとした. . 1. 振り角度の読みとりから得た, 最大振幅, 最大振幅時の往復回数, 平均こぎ量, 15往復の振 り角度変化型, 振り角度の増加方向の量的変化 2。 観察から得たこぎ姿勢と ブランコの状況 1) ブ ラ ン コ. 持 つ 手 の 位 置. 2) 身体の使用部位. 3) ブランコをこごうとする方向 4) こ い でい る 時 の ブラ ン コ の 状 況. 0から起動した最大振幅を指標とし すわりのり たちのりともに ブランコのりの習 得レベ ルは-2 0 , ,. o~8ぴ 1 o~12び IV 121 o~16ぴ 次 の よ う に グ ルー プ分 け し た。 1 グルー プ 10~4び, 1 1 41 1 81 , 1 , , す わ り のり. 4 , ‐ 一 . ・ ー. 人数. こ ぎ能力 グルー プ 人数. (最大振幅区分). た ち のり. ’ さそ き ; 」 一 じ まき 三 14 ,15 5 きざ3ギミ ー きざそ ご11 璽 (ムト 80)1 16一 』 』 圏 デマ. ) . ‐ ‐‐ さ … : ,,. ,:,. ほご . .11 ..・. 一 13 ,. ,. ’ ~ , 5 . . ,. .. 100 0 / 。. 霊園3才. .も. ・ ‘ ゞ き 12 1→ 60)1 き 醒( : ’5i : ー. ′ 161一20の ブし I ▽( し′. 0. [コ 4才 図4. *. 風 (S」120) 6. 0. に副 5才. ’ .. ・ ・. 1 . ,. ′ ・ 1 .. .. . . 5 ・・ 1・ ,‐辱.,. %. 100. 圏園 女児の割合. こ ぎ能力別 グルー プの 人数比と年令構成 233.
(11) . 長谷川. 久. 子. す わり のり. 160. た ちのり. [s.p.. 最大振幅. 120. 幾 8o ム^ v 最 大振幅. 10. 時 ( 往復回. 5. ). 平 均こ. 義1O ぎ 量 ( 角 度). こ ぎ能力 グルー プ. 図5 V. こ ぎ能力 グルー プ. こ ぎ能力別の最 大振幅, 最大振幅時およ び平均こ ぎ量. 0~200 0 グルー プ の 人数 と 年 令 を 図 4 に 示 し た 160 . .. こぎ能力 グルー プ別の最大振幅, 最大振幅時の往復回数平均こ ぎ量を図5に示した. 最大振幅の 大きい グルー プほど平均こぎ量が増加しており, 最大振幅の出現は 一度遅く なり, 再び早まる傾向 を示している. たちのりはづ どの グルー プでもすわりのりより平均こ ぎ量が多く, 最大振幅の出現. 1~Vの上位 グループの平均こぎ量の増加が著しく, こぎ量の増加が最大 1 が早い. 特にたちのりの1 振幅を急速に早めている.15往復の振り角 度変化をA-D型に分けて示したのが図6である. A型 は, 振り角度の増加期とその後の保持期が区分されるもの, B型は, 15往復ま で増加しつづけるも. の, 時々保持しながら階段状に増加 するもの, C型は, 増加・減少がみられない保持型, D型は, 保持から減少, または, 減少型である. 最大振幅の大きい グループほど, A型が増える傾向があり, 増加期が短縮さ れる. すわりのりでは, こ ぎ量が少ないためにB型の割合が多いが, たちのりでは B型はほとんどみられない. 振り角 度の増加方向は, 最大振幅の大きい ブルー プほど, すわりのり 234.
(12) . 幼児期におけるブランコのりの発達. では前方向が多くなり, 後方向が減少する. たちのりでも後方向は最大振幅の大きい グルー プほど 減少するが, 前方向, 前後両方向が増えてくる. こごうとする方向は, 振幅の大きい グループほど. 前後両方向の割合が増え, 自主復に前と後に 2 度 こ い でい る こ と を 示 し て い る, す わ り の り に 2 度 こぎが多くみられ, こぎ量を大きくしようとしている, 振幅の小さい グループでは, 前方向に1回. こぐことが多いが, 振り角度の増加は後方向に みられ, 前にこごうとすることが結果的には前 方向 へ の 加 速 に ブ レ ー キ をか け て い る こ と を 示 し て い る.. こぎ姿勢については, ブランコを持つ手の位置, 腕の屈伸, 上体の屈伸, 膝の屈伸, および, 上 体の屈伸による身体の位置変化 がブランコに伝わるかをみた腰の押し出しについて観察し, 「あり」 「少しあり」 の人数比で示した. すわりのり では, ブランコの持ち手の位置は, のり手の身体位置で示すと振幅の大きい グループ. ほど首, 肩と低くなり, 腕・上体・膝の各関 節の屈伸および, 腰の押し出しが多くみられる. 身体 の部位の使用は高い順に, 腰押し出し, 上体, 膝, すわりのり. 腕屈伸の順 であり,部分使用から連動使用になる. また, ブランコの周期に対応してくり返し安定し. たちのり. てこげるようになる. すわりのり では, 腕と上体 の屈伸は最も重要な加速源であり, 持ち手の位置 は, 上体の伸展の度合を決定する. 膝屈伸は, 加 速源としてよりも 身体の位置や姿勢変化の安定に より有効と思われる. たちのりでは, 最大振幅が大きいほど手の位置. が肩附近に下がり, 腰の押し出し, 膝の屈伸が多 くみられる. 腕の屈伸は一時減少し再び増加し, 上体の屈伸は, 逆に一時増加して減少する. これ は振幅の小さい1・工 1グルー プと振幅が大きくな るIV・ V グ ルー プ で こ ぎか た が 異 な る こ と を示 し て い る. 1 1 1は 過 渡 期 と 考 え ら れ る. た ち の り は,. すわりのりに比べて板と持ち手の距離が大きく,. 足場が不安定で身体の重心点 である腰の部分の動 す わりのり. こ I ぎ 摺 能 一 力 亙. たちのり. - - r ‐ す ざb号さ r 二 c ごさ き , . 1 c 程 二 A- ,目・. F,BI.. A. . A A. A′. 10. . :Dも 二 ーCI A , 二. A J .. A. A. ′ 0 0 。0. 100. 図6. i 日 :. 1 , , ibきざ ,きj . .c .. B ノメC →. O. 100. D. 、、. こ ぎ能力 グ ループの15往復 振り角 度 変化の型. こぎ能力グループ. 口 前 図7. こぎ能力グループ. 圏 前と後 圃 後 こ ぎ能力 グルー プ別 の鎖折 れ(ゆこ ごう とする方向( B )増加方向( C }およ び増加 回 数( D ) 235.
(13) . 長谷川. 久. 子. 1グルー プの姿勢では身体平衡や姿勢の切りかえが難しい. 手と足の 的安定が重要になるが, 1・1 距離差を利用した全身の前・後傾のみを用いるもの, 腰だけが前後に移動し手と足で振れを相殺し V・V グルー プで てしまうもの, すわりのりと同様に腕と上体の屈伸によるものなどがみられる. I. V・V グループの腕屈伸は膝屈 は, たちのりの加速は, 主に膝屈伸による身体の上下動 で行われ, I 伸に伴う上下動と, 振れの極限での身体の投げ出しの過程とで用いられるようになる. 上体の屈伸 1 1グルー は, 振幅の小さいこぎはじめの時期では, 上下動と前後動を併用して用いる場合が多い. 1. プは過渡期で, 膝屈伸による上下動が多くみられるようになるが, 上半身は動かず, ブランコの振 幅増加につながりにくい.. こ ぎ能 力 の 異 な っ た 3 人の す わ り の り の こ ぎは じめ の 時 期 の こ ぎ姿 勢 を 図 10 に 示 し た. 例 1は,. 膝屈伸のみが用いられ, 他の身体部位は動かない. 例2は, 後振りの極限では腕を伸し上体が後方 に投げ出さ れており, 前振りは, やや後方に上体を伸展させながら加速し, 前振りの極限近く で, 腕を屈曲し, 上体を ブラ ンコと平行の位置にもどしている. 前振りの極限では, 頭部と脚がブラン コより遠方に投げ出さ れている。 後振りのは じめ で膝を屈曲させ背を丸め, 頭部と上体をやや前側 さ せ て 加 速 し, 後 半 で 上 体 は伸 展 し腕 が伸 ばさ れ,. こぎ能力 グループ. の伸 展に よ っ て 積 極 的 に 加 速 さ れ, 後 振 り では,. 上 体・ 膝 の 屈 曲 が 強 め ら れ 前 後両 方 向に こ い で い. る。 振れが大きくなるに従っ て, 前後の振幅の極. すわりのり. たちのり. 1. B. =. 、. すわりのり. ※ - : 贈 キ国国圏1園鰯襟認置 L ; こ圏 キキキ , ・. こ ぎ 能 力 グ. : 二 二 . 1 ー . ・ ,. 1- 1. 』} u. 1 l u肌1皿じ た1 皿 皿胆 T IE ◎ * や el ,=…H I I I I I I. たちのり. . ぎ. .. D. . . 皿. . グ. i レ ノ 1短評◎i ; loll ノ r 璽 L亘目1 ~mm則. プ Y 」 (%)◎. 図8. 236. 皿凶凶坦堕◎ 〆. や. ◎‐や ◎や」. 50 こ ぎ能力 グルー プ別 ブラ ンコの 持ち手の位置. I. 9 0( ′ )0 。. l oo 口 図9. あり. 100 圏 少Lあり. こ ぎ能力別の 身体使用部位 A:腕の屈伸 B:上体の前後屈伸 C:腰の押し出 し D:膝の屈伸.
(14) . . 幼児期におけるブランコのりの発達. . 例1. . . 29. 29. 5,. 41. 39. 4\. . 41. 例. ,. ,3. 鼻 例2. . 45. ヰ 、… 〆 、. 13. 47. /↑、 ′. / 、 . / ノ. が亀島 肇ず ハ. 1. ′. \ 、 、 、. 33. 45. 49. 19. ’. 図10 すわりのりのこ ぎ姿勢. 限で身体の投げ出しがみられるようになる。. たちのりのこ ぎ姿勢を図11に示した。 例1は, 脚でブランコを前に押し出した結果, 前振りの極 限では腰が後方にのこされ, 全身を腕でささえるために腕力が入る。 後振りではわずかに上体を前 傾させ平 衡を保っ ている。 例2は, 手と足の距離を利用した全身の前後傾とわずかな膝屈伸 で加速. している例 である。 身体は 前振りでは後方, 後振りでは前方に傾けられ, 振れの極限 では前後とも 身体の投げ出しがみられる。 ブランコの周期に対応した前後動による加速が行われており, こぎ量. は少ないが安定した姿勢変化をくりかえすことで振幅が増加している。 例3は, よくこげているも のの3往復目である. 後振りで膝を曲げ, 前振りは膝を前に押し出すように伸ばしなが, ら加速し後. 半では上半身を前方に大きく投げ出している。 後振りは膝を曲げ上半身を大きく投げ出したままで 加速し, 後半は膝をのばし上体をブランコと平行にもどし, 後振りの極限では腕をのばし, 膝を深 くまげて,全身の投げ出しが行われている。加速は膝屈伸に伴う上体の上下動と身体の投げ出しによ って前後方向に行われ,振りの極限での身体の投げ出しは,次の方向転換後の加速に利用され, 無理 のないスムーズな姿勢の変化がみられる.. 237.
(15) . . . 長谷川. 久. 子. . . い ′ \. ′ ′ \. 例1. . 濯 29. 25. 45. . . . 例2. 葛4. 13. 冷 へ. . 、 / \ ≠ ′、 ′ 、 呂 野 ぬ 影 も . 37. . 17. 45. ,3. 図11 たちのりのこ ぎ姿勢. ま. と. め. 3 歳か ら 5 歳の 幼 児の ブ ラ ン コ の り に つ い て, す わ り の り, た ち の り を 実 施 し, 振 り角 度 の 分 析. とこぎ姿勢の観察から次のような結果 を得た. 1. ブ ラ ン コ の り は, 3 歳 か ら 5歳まで発達が著しい. 発達の時期は男女で異なり, 女児は3歳 から4歳, 男児は4歳から5歳に発達が著しく, 4歳は男女差が最も大きい時期 である. 2. すわりのりは, こぎ量が少なく, くり返しこ ぐことが必要であり, 最大振幅の出現は遅く, 最 大振幅はたちのりより小さい傾向がある. 3. たちのり では, すわりのり よりこ ぎ量が多く, 最大振幅の出現が早く 最大振幅も大きい傾向 を 示 し, の り こ み が 困 難 で あ る が, こ ぎや す い.. 4. 最大振幅が増大するに伴って, こぎ量が著しく増え, 最大振幅の出現が遅く なるが, 上位 グ ルー プ では再び早まる傾向を示している. たちのりのこぎ量が大きく, 最大振幅に達するのに要す. る往復回数は著しく 少なくなる. 238.
(16) . 幼児期におけるブランコのりの発達. 5. 振幅の増加方向は, 後から前, 前後両方向へと変化し, 初歩的なレベ ルでは, こごうとする 方向と増加方向が異なる. 6. ブランコこぎは, うまく なるに従って, 持ち手の位置が, 首・肩に下り, 腰・上体・膝・腕. の屈曲伸展が多くなり, 連続的に用いられるようになる. たちのりのこ ぎかたは, 全身または上半 身の前・後傾や腕屈伸を伴う上体の屈伸による前後動から, 膝屈伸を主とする上下動へと変化する。. おわりに. 15年前, ブランコのりに関心をもたせてくれた姫路短期大学附属幼稚園児Yちゃん(3歳) , 取り くむきっ かけを与えて下さった卒業生米山勿保子さん, 手をまっ かにして, 必死でブランコをこい. でく れた東旭川保育園の園児達, 心よく御協力下さった東旭川保育園主任保母高木先生, 保母の皆 様に心から感謝いたします. 物理学的な助言をいただいた本学教授山形積治先生, 測定や整理を手. 伝っていただいた当時の本学学生, 伊藤由美子, 橋本美智枝, 岩崎邦彦, 橋克也, 榎本真佐美, 上 島恵子, 小岩亨, 篠原幸子, 谷村美方子, 鈴木由紀, 近藤和美, 前岡厚子, 鷹合勇の諸子に深謝し. ます. まとめが遅れ, 御教示を願いながら果せなかった, 本学名誉教授故沢田孝士先生, 前東旭川 保育園長故山地先生の霊前にこの小論文を捧げます。. 参考文献 1. 岡本卓夫 松田岩男 「幼児の遊びの体育的指導」 1 9 5 6 大修館書店. 2. 東和子 佐々木尚美 黒河久恵 畠山倫子 「幼児の安全指導について」 p 06~4 07日本保育学会第3 2回大会 .4 9 論文集 197 。 3. 細谷秀彦 谷田具公昭 菊地秀範他6名 「園庭の固定遊具の安全性について・1~5」p 4~9 3 日本保育学 ,8 会第33回大会研究論文集 1 80 9 . 4, 寺本令子 「保育環境に関する考察 〔1〕」p 6~37 日本保育学会第3 1回大会研究論文集 19 78 .3 . 5. 寺本令子「幼稚園に於ける事故発生と救急拠置の実態について」p 3 8~4 39 日本保育学会第34回大会研究論 .4 文 集 1981 .. 6. 福田精 「運動と平衡の反射生理」 1 957 医学書院. 3 日本評論社. 7. 戸田盛和 「おもちゃセミナー」 197 2 8, 沢田孝土 「ブランコの科学」 p 5 8~6 2 科学の実験第3巻11号 195 . . 9. 沢 田 孝土 「ブラ ン コ を漕 ぐ人形 をつく る」 p 11~15 科学 の 実 験 ,. 第6 巻2 号 1955 .. 1 0 , 福田邦三 松井秀治 正木健雄 本間茂雄 「ブランコの運動学的考察」 号 1954 .. 1 1 68 大日本図書. . 津守真 礎部景子 「乳幼児の発達診断法」 19. 4 42 体育学研究 第1巻7 35~4 p .. (本学講師・旭川分校). 239.
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