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女子学生の情報ネットワークサービス利用の意識について

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 76 回全国大会. 4E-1. 女子学生の情報ネットワークサービス利用の意識について 八城年伸† 安田女子大学現代ビジネス学部†. はじめに 現在、情報サービスのユーザー認証において は、本人しか知らない知識による認証(WYK 認証)と、本人しか持っていない所有物による 認証(WYH認証)が主流となっている。代表 的なWYK認証としてはパスワードがあるが、 従来のユーザー教育においては、ネットワーク 経由の不正利用を想定して、1)定期的に変更 する、2)他の情報サービスとの使い回しをし ない、とされてきた。 それに対して筆者がユーザー教育と利用相談 の現場で感じたのが、パスワードの変更に対す る拒絶反応で、従来のユーザー教育に対する疑 問から、ユーザーの意識調査を行ってきた。主 たる対象は、情報に関する詳しい知識を持ち合 わせていない段階の女子大学生である。 その結果、作成したパスワードは記憶するた めに身近な事項への関連づけをしており、なお かつそれが第三者に漏れやすい事項であるケー スが少なくない、という結果が得られた。さら には、年を追うごとにパスワードを使い回す傾 向が顕著となっていた[1]。この傾向が継続する 可能性があるのかを探るため、昨年度より調査 対象に女子中学生と女子高校生を加えて調査を 行っている。 調査の概要 定期的なパスワードの変更、および情報サー ビスごとにパスワードを作成することは、作成 や記憶することそのものがユーザーの負担とな るだけでなく、パスワードそのものが単純にな る可能性がある。すなわち、ソーシャルアタッ クに弱くなると考えられるため、調査において はパスワードの使い回し、記憶するために連想 した事項、パスワードの強度、パスワードに用 いている文字種に関する設問を多くしている。 調査は筆者が担当する講義の他、対象の学生 が出席するガイダンス等において、調査票方式 で実施した。調査の時期と調査票の回収数は以 下の通りである。 ---------Survey of use consideration of information service in woman student †Toshinobu YASHIRO, Yasuda Women's University. 前期 第1回 7月. 184. 7月 7月 6月 6月 6月 7月. 282 78 69 122 111 234. 2006年度 2007年度 2008年度 第4回 2009年度 第6回 2010年度 第8回 2011年度 第10回 2012年度 第12回 2013年度 第14回. 第2回 第3回 第5回 第7回 第9回 第11回 第13回 第15回. 後期 1月 196 12月 173 12月 99 1月 247 12月 285 12月 587 11月 301 11月 N/A. 使い回しの傾向 パスワードの使い回しについては、何種類の パスワードを使い分けているか、利用している 情報サービスの数、もっともよく使用するパス ワードを用いている情報サービスは何か、とい う設問から傾向を導き出した。 2006入学. 16.7%. 2007入学. 61.5%. 30.0%. 2008入学. 52.0%. 33.3%. 2009入学. 52.1%. 42.4%. 2010入学. 47.5%. 47.1%. 2011入学. 41.2%. 53.5%. 2012入学. 36.9%. 2013入学. 38.7%. 0.0%. 20.0%. できるだけ揃える. 39.5% 42.3% 51.4% 40.0%. 2~3種類. 60.0% 4~5種類. 80.0%. 100.0%. できるだけ別々. 2011 年入学生まで「できるだけ揃える」とす る回答が逓増傾向にあったが、2012 年入学生以 降においては変化が見られなくなっている。 ポータルサイト SNS PCへのログイン 電子メール ショッピング ネットバンキング 一般の企業サイト 懸賞への応募 その他. 0%. 20%. 40%. 60%. 80%. 100%. パスワードの使い回しに関しては、選択肢を 選んだ平均値は 2.71 である。利用している情報 サービスの数の変化が少ないこと、使い回しを. 3-547. Copyright 2014 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 76 回全国大会. してない学生は 22 名(19.6%)しかいないこと を考えると、使い回しが常態化していると言え る。. 教わってない 本など 友達. 中高生の使い回しの傾向 パスワードの使い回しは年を追うごとに常態 化している、すなわち若年層ほど使い回しに抵 抗がないとの仮説をたて、女子中学生と女子高 校生を対象とした調査を実施した。山陽女学園 非常勤講師の瀧本麻衣子氏の協力で、中等部1 年の 25 名、高等部1年の 115 名の回答が得られ た。比較対象は第 15 回調査の中で学年が近く、 習熟度の偏りが少ない、安田女子大学現代ビジ ネス学部の2年次生(2012 年入学)とした。 大学生. 46.7%. 高校生. 44.4%. 35.1%. 中学生. 28.6% 0%. 20%. できるだけ揃える. 41.2% 28.6% 40%. 2~3種類. 60%. 4~5種類. 80% できるだけ別々. 100%. 身近な大人 授業以外 授業 0%. 10%. 20%. 30%. 40%. 50% 大学. 60% 高校. 70% 中学. 連想記憶 パスワードを記憶するための、連想記憶の基 となった事項を複数回答で尋ねたところ、高校 生や大学生は「好きな言葉やフレーズ」など他 人から推測されにくいとされる事項を用いる割 合が増えている反面、ニックネーム、何らかの 記念日、好きなアーティストなど、日常的に話 題にする事柄も増え、ソーシャルアタックに対 する強度が二極分化していると考えられる。. 無回答. パスワードの使い回しについては、比較した 三者間で有意差が認められた。利用している情 報サービスの数については、情報サービスを利 用し始めてからの期間に比例する結果となった。 以上のことから、情報サービスを利用すること に慣れるに従い、記憶や管理のしやすさを優先 してパスワードの使い回しをするようになって いくと考えられる。. その他 好きな言葉 アーティスト ニックネーム 記念日 暗証番号 0.0%. 10.0%. 20.0%. 30.0%. 40.0% 大学. 高校. 50.0% 中学. まとめ 利用開始時期 情報サービスの利用開始時期の低年齢化に対 パスワードを必要とする情報サービスの利用 応するためには、かねてより必要性が指摘され 開始時期を学年で尋ね累積比率を求めた。学年 が不明な回答は、回答人数を基に比例配分した。 ている情報モラル教育と併せ、小学校において 実施することが急務である。しかしながら、現 100% 在の小学校の学習指導要領では、情報活用能力 80% は総合的な学習の時間において扱うとされてい 60% るため、環境面の整備が必要となる。 40% 今回の調査は標本数が限られていることから 20% 実態の一端を覗ったものでしかない。中学生の 0% 小1 小2 小3 小4 小5 小6 中1 中2 中3 高1 高2 高3 無効回答が多い設問もあり、改善の余地がある 中学1年 中学2年 高校1年 と考えられる。今後は、設問を改善の上で標本 高校2年 2012入学 2011入学 数や調査対象を拡大すること、同じ調査対象に 有意差はないが、若年層ほど情報サービスを 対する継続調査により、実態をより正確に把握 利用し始める時期が早くなっている傾向が認め することを今後の課題としたい。 られる。全体の半数が利用し始める時期が小学 5年まで低下していること、授業で教わったと 参考文献 する回答が 23.8%でしかないこと、その代わりを [1] 八城年伸、「女子大学生の在学中における 身近な大人達が担っていることを考えると、パ パスワード管理意識の変化について」、大学 ICT スワード管理教育を小学校で実施することが急 推進協議会 2011 年度年次大会論文集、pp441務であると言える。 444、2011. 3-548. Copyright 2014 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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