学齢期のスポーツ観戦および実施経験時期による成人期以降の直接観戦行動との相関関係の比較
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(2) 学齢期のスポーツ経験時期と現在の観戦行動の関係. 212. 1.目 的. の観戦経験」は,社会人になってからの観戦行 動(および意向)についての説明力が強くない.. スポーツ行動を説明する理論として「持ち越. このように,学齢期における観戦行動と社会. し効果」「再社会化」がある.これらは,過去. 人になってからの観戦行動には種目ごとに関係. にスポーツの特定の種目を実施していた者は,. が見られる.またこれよりやや弱いとはいえ,. その種目を継続したり,あるいは中断していて. 学齢期における実施行動と社会人になってから. も再開することを説明するものである(注1) .. の観戦行動にも関係がみられるのだが,実務家. これらの理論は,主にスポーツ実施行動を被. から指摘されるのはこの「学齢期」の年齢の幅. 説明変数とする研究により蓄積されてきた.筆. が広すぎるという点である.たしかに,小学生. 者のうちの一人は,これまで成人のスポーツ観. を対象とする場合と大学生を対象とする場合で. 戦行動を被説明変数とし,学齢期のスポーツ実. はマーケティング行動が異なるはずであろう.. 施行動・スポーツ観戦行動との関係を分析して. また成人期以降の実施行動については,期間の. きた.主要な結果としては. 空いた過去と比較し,より直近の身体活動との. ・ある種目の学齢期における実施経験と観戦経. 相関が高くなる傾向が確認されており3),日本. 験について, 成人期の観戦行動(および意向). の労働年代を対象とした研究では,女性におい. との関係を見ると,実施経験より観戦経験の. て高校期と大学期の運動実施経験が,現在の身. ほうが,観戦行動との相関が高い1). 体活動に有意な効果をもたらすことが示されて. ・ある種目の成人期の観戦行動(および意向). いる4).. と「別の種目の学齢期における観戦経験」の. 本稿は,実務的には上記のような問題意識に. 相関は,前者と「その種目の学齢期における. 対する解を提供できるかどうかを検討すること. 実施経験」と比べて低い2). を目的とするものである.学術的には表1の説. ことが示されている.すなわち,リーグなどの. 明変数における学齢期を細分化し,それぞれの. 競技団体は一般的に,当該の種目の実施経験者. 年代の実施経験・直接観戦経験が成人の直接観. が潜在的な観戦者として重要だと考えるが,上. 戦行動に関係するのかを検討することを目的と. 記1点目によれば,競技経験のない者でも観戦. する.. 経験があれば実施経験者より重視することに意 味がある.2点目からわかるのは,新興のリー. 2.研 究 方 法. グなどでは学齢期の観戦経験者がいないが,こ. 本稿で用いているのはアンケート調査のデー. の場合に他の種目の観戦経験者にアプローチす. タであり,ローデータとしては菅原1)2)と同じ. ることが有効かというとそうでもないというこ. ものである.よって方法についても同様のとこ. とである.換言すれば「種目を問わない学齢期. ろが多い.以下には原則としてこれまでの2つ. 表1 これまでの結果と本稿の位置づけ 菅原2019a. 被説明変数 種目Aの直接観戦 (現在,意向). 菅原2019b. 同上. 本稿. 同上. 説明変数 学齢期のAの実施経験と学齢期のAの観 戦経験を比較 学齢期のAの実施経験,学齢期のAの観 戦経験,学齢期のA以外の観戦経験の3 つを比較 学齢各期のAの実施経験 学齢各期のAの観戦経験を比較. 結果 観戦経験>実施経験 A観戦>A実施>A以外観戦.
(3) スポーツ産業学研究,Vol.31,No.2(2021) ,211 ~ 226.. 213. の研究と同じ記述を示し,本稿で用いた分析方. 2.3 調査項目. 法(過去の2つの研究とは異なる)については. 学齢期の実施経験に関する設問は,小学校期. その旨を明記する.. から大学期のそれぞれについて「学校の部活動 または地域のサークルやクラブチームで実施し. 2. 1 用語の定義. ていた(※マネージャー,トレーナー等のス. 本研究における直接観戦の定義は,テレビ視. タッフとして関わっていた場合も含む) 」種目. 聴による観戦を含まず,スタジアムやアリーナ. のうち実施期間が最も長かったものを,提示さ. 等の試合会場で観戦することとした.成人期以. れた種目名から1つ選択する形式であった.学. 降の直接観戦の対象は,全国的に観戦環境が整. 齢期の直接観戦経験に関する設問は,「競技場. 備されている団体球技種目のトップリーグとし. や体育館などで直接観戦したことがある(前身. た.具体的には,(一社)日本トップリーグ連. のリーグを含みます)」リーグを,小学校期か. 携機構に参画しているリーグのうち,2017年末. ら大学期のそれぞれについて提示されたリーグ. 時点で前身のリーグを含め50年以上のリーグ戦. 名称から複数選択する形式であった.なお,最. 開催実績を有する,Jリーグ(男子サッカー) ,. 終学歴を特定するため,高校期および大学期に. Bリーグ(男子バスケットボール) ,WJBL(女. ついては選択肢に「在学歴なし」が設けられた.. 子バスケットボール) ,Vリーグ(男女バレー. 現在の直接観戦行動に関する設問は「学生時. ボール) ,トップリーグ(男子ラグビー) ,およ. 代から継続して,1シーズンあたり1回以上は. び前述の条件を満たすプロ野球(男子野球)と. 競技場や体育館などで直接観戦している」 「過. した.. 去2年間について,1シーズンあたり1回以上. 学齢期は小学校期,中学校期,高校期,大学. は競技場や体育館などで直接観戦している」 「過. 期の4区分とした.成人期は日本における一般. 去1年間に,競技場や体育館などで直接観戦し. 的な大学卒業年齢を22歳と想定し23歳以上と定. たことがある」 ,直接観戦意向に関する設問は. 義し, 学齢期と明確に区別するために職業が 「学. 「競技場や体育館などで直接観戦してみたい」. 生」である回答者を除外した.また学齢期の直. 「近い将来(1年以内)に,競技場や体育館な. 接観戦経験を確認するため,小学校入学当時に. どで直接観戦したい」について,提示された. 検証対象のリーグ(前身のリーグを含む)が存. リーグ名称から複数選択する形式であった.な. 在していた58歳以下とした.. お,提示されたリーグ名称には「NPB(男子 プロ野球)」 「Jリーグ(男子プロサッカー)」 「な. 2. 2 調査方法. でしこリーグ(女子サッカー)」「Bリーグ(男. 本研究では,一般社団法人日本バレーボール. 子プロバスケットボール) 」 「WJBL(女子バス. リーグ機構による独自調査(2018)の結果デー タを二次利用した.調査は,性・年代別に均等. ケットボール)」 「Vリーグ(男子バレーボール)」 「Vリーグ(女子バレーボール)」「日本ハンド. 割付を行い無作為抽出されたインターネット調. ボールリーグ(男女ハンドボール)」「Fリーグ. 査会社登録モニターを対象に,2018年5月に行. (男子フットサル)」「トップリーグ(男子ラグ. われ,有効回答数は2,060件であった.本デー. ビー)」「日本卓球リーグ(男女卓球)」「S/J. タには,学齢期の区分ごとのスポーツ実施経験. リーグ(男女バドミントン)」「左記以外の国内. および種目と国内スポーツリーグの直接観戦経. トップリーグの試合」を含み,いずれの設問に. 験,直近1年間の国内スポーツリーグの観戦行. も「該当なし」が含まれた.. 動および意向に関する情報が含まれており有用. 現在のスポーツ実施行動に関する設問は, 「学. であると判断した.. 生時代から継続して月1回以上の頻度で実施し ている」「過去1年間に,月1回以上の頻度で.
(4) 学齢期のスポーツ経験時期と現在の観戦行動の関係. 214. 表2 対象者の属性 n 全体 男性 女性 年齢 23-29歳 30-39歳 40-49歳 50-58歳 最終学歴 ※1 中学校 高校 大学・大学院. 1,485 729 756. % - 49.1 50.9. 309 402 403 371. 20.8 27.1 27.1 25.0. 314 400 771. 21.1 27.0 51.9. 学齢期の実施経験 男性(有り) 女性(有り) 男性 × 野球 男性 × サッカー バスケットボール ※2 男性 × バスケットボール 女性 × バスケットボール バレーボール 男性 × バレーボール 女性 × バレーボール 男性 × ラグビー. n. %. 838 470 368 182 127 143 69 74 146 44 102 24. 56.4 64.5 48.7 25.0 17.4 9.6 9.5 9.8 9.8 6.0 13.5 3.3. ※1 「高校期」「大学期」に関する設問における「在学歴なし」の選択数により集計. ※2 「ミニバス」を含む.. 実施した」 , 今後の実施意向に関する設問は「今. 観戦してみたい」および「近い将来(1年以. 後実施してみたい」 「近い将来(1年以内)に. 内)に,競技場や体育館などで直接観戦した. 実施してみたい」に対し,提示された種目名か. い」を「関心期」, 「過去1年間に,競技場や体. ら複数選択する形式であった.なお,提示され. 育館などで直接観戦したことがある」を「準備. た種目名には「野球」 「サッカー(フットサル. 期」,「過去2年間について,1シーズンあたり. を含む) 」 「バスケットボール」 「バレーボール」. 1回以上は競技場や体育館などで直接観戦し. 「ハンドボール」 「ラグビー」 「卓球」 「バドミン. ている」「学生時代から継続して,1シーズン. トン」 「左記以外の球技種目」 「球技を除くスポー. あたり1回以上は競技場や体育館などで直接. ツ種目」が含まれた.. 観戦している」を「実行期」と定義した.な. 社会人口統計項目としては「年齢」 「性別」. お,「準備期」「実行期」は直接観戦回数により. を用いた.. 分別されるが,直接観戦回数については学齢 期の実施経験の有無による有意差が確認され. 2. 4 分析方法. なかった1)ことから,いずれも「実行期」に含. 2. 4. 1 これまでの研究と同様の部分. めた.飯島らが用いた設問には含まれていな. 本研究では,行動変容ステージを順位尺度. い「学生時代から継続して,1シーズンあたり. データとみなし,順位相関係数(Spearman). 1回以上は競技場や体育館などで直接観戦して. を用いた相関係数の差の検定を行った(注2) .. いる」は「継続期」と定義した.現在の実施行. 順位相関係数の算出にあたり,学齢期の各種. 動の分類についても同様に,未選択を「無関心. 経 験 を そ れ ぞ れ「 1:有り」 「0:無し」と. 期」,「今後実施してみたい」および「近い将来. し,現在の直接観戦行動の分類(行動変容ス. (1年以内)に実施してみたい」を「関心期」 ,. テージ)には,トランスセオレティカルモデ. 「過去1年間に,月1回以上の頻度で実施した」. ル(Transtheoretical Model)を応用した飯島. を「実行期」,「学生時代から継続して月1回以. ら 5)による枠組みを参考とした.飯島らの定. 上の頻度で実施している」は「継続期」と定義. 義とデータ取得時の設問を対応させ,未選択. した.以上の定義より,順位相関係数の算出に. を「無関心期」,「競技場や体育館などで直接. あたり,変容ステージは「4:継続期」「3:.
(5) スポーツ産業学研究,Vol.31,No.2(2021) ,211 ~ 226.. 215. 表3 学齢期ごとの実施観戦分類に関する基本統計量 プロ野球. Jリーグ. Bリーグ. n. n. n. %. %. WJBL. %. n. Vリーグ(男子) Vリーグ(女子) トップリーグ. %. n. %. n. %. n. %. 実施観戦分類 観戦有×実施有. 113. 7.6. 53. 3.6. 9. 0.6. 4. 0.3. 15. 1.0. 12. 0.8. 10. 0.7. 観戦有×実施無. 195. 13.1. 68. 4.6. 10. 0.7. 13. 0.9. 19. 1.3. 12. 0.8. 12. 0.8. 観戦無×実施有. 84. 5.7. 89. 6.0. 134. 9.0. 139. 9.4. 131. 8.8. 134. 9.0. 18. 1.2. 観戦無×実施無. 1,093. 73.6. 1,275. 85.9. 1,332. 89.7. 1,329. 89.5. 1,320. 88.9. 1,327. 89.4. 1,445. 97.3. 小学校期 観戦有×実施有. 83. 5.6. 33. 2.2. 2. 0.1. 2. 0.1. 3. 0.2. 2. 0.1. 0. 0.0. 観戦有×実施無. 156. 10.5. 34. 2.3. 6. 0.4. 10. 0.7. 5. 0.3. 2. 0.1. 6. 0.4. 観戦無×実施有. 81. 5.5. 68. 4.6. 66. 4.4. 66. 4.4. 48. 3.2. 49. 3.3. 5. 0.3. 観戦無×実施無 中学校期. 1,165. 78.5. 1,350. 90.9. 1,411. 95.0. 1,407. 94.7. 1,429. 96.2. 1,432. 96.4. 1,474. 99.3. 観戦有×実施有 観戦有×実施無 観戦無×実施有 観戦無×実施無 高校期 観戦有×実施有 観戦有×実施無 観戦無×実施有 観戦無×実施無 大学期 観戦有×実施有 観戦有×実施無 観戦無×実施有 観戦無×実施無. 50 135 51 1,249. 3.4 9.1 3.4 84.1. 24 31 57 1,373. 1.6 2.1 3.8 92.5. 2 7 78 1,398. 0.1 0.5 5.3 94.1. 1 6 79 1,399. 0.1 0.4 5.3 94.2. 7 7 90 1,381. 0.5 0.5 6.1 93.0. 6 5 91 1,383. 0.4 0.3 6.1 93.1. 1 5 5 1,474. 0.1 0.3 0.3 99.3. 32 98 28 1,013. 2.7 8.4 2.4 86.5. 19 26 43 1,083. 1.6 2.2 3.7 92.5. 5 3 54 1,109. 0.4 0.3 4.6 94.7. 1 4 58 1,108. 0.1 0.3 5.0 94.6. 5 9 49 1,108. 0.4 0.8 4.2 94.6. 6 8 48 1,109. 0.5 0.7 4.1 94.7. 4 5 12 1,150. 0.3 0.4 1.0 98.2. 19 106 20 626. 2.5 13.7 2.6 81.2. 15 45 18 693. 1.9 5.8 2.3 89.9. 2 9 15 745. 0.3 1.2 1.9 96.6. 0 2 17 752. 0.0 0.3 2.2 97.5. 3 10 18 740. 0.4 1.3 2.3 96.0. 2 3 19 747. 0.3 0.4 2.5 96.9. 3 8 5 755. 0.4 1.0 0.6 97.9. 表4 現在の行動変容ステージに関する基本統計量 プロ野球 n % 行動変容ステージ(直接観戦) 実行期 124 関心期 175 無関心期 1,186 行動変容ステージ(実施) 実行期 61 関心期 21 無関心期 1,403. Jリーグ n %. Bリーグ n %. WJBL n %. Vリーグ(男子) Vリーグ(女子) トップリーグ n % n % n %. 8.4 11.8 79.9. 61 142 1,282. 4.1 9.6 86.3. 14 46 1,425. 0.9 3.1 96.0. 3 18 1,464. 0.2 1.2 98.6. 5 48 1,432. 0.3 3.2 96.4. 7 61 1,417. 0.5 4.1 95.4. 8 43 1,434. 0.5 2.9 96.6. 4.1 1.4 94.5. 62 27 1,396. 4.2 1.8 94.0. 22 31 1,432. 1.5 2.1 96.4. 22 31 1,432. 1.5 2.1 96.4. 26 23 1,436. 1.8 1.5 96.7. 26 23 1,436. 1.8 1.5 96.7. 11 2 1,472. 0.7 0.1 99.1. 実行期」 「2:関心期」 「1:無関心期」とおいた.. 大学期の学齢期の4区分ごとに直接観戦経験お. 統 計 解 析 に は,IBM SPSS Statistics Version. よび実施経験と成人期の直接観戦行動の関係を. 25を用いた.. 検証した.調査対象種目のうち「野球」 「サッ. 2. 4. 2 方法上の追加的な措置. カー」「ラグビー」は女性の実施経験者が少な. これまでの筆者の研究1)2)では,小学校から. いことが想定されるため,「プロ野球」「Jリー. 大学までを一括して学齢期として分析を行った. グ(サッカー)」 「トップリーグ(ラグビー)」 (以. が,本研究では,小学校期,中学校期,高校期,. 降,グループAとする.)と,「Bリーグ(男子.
(6) 学齢期のスポーツ経験時期と現在の観戦行動の関係. 216. バスケットボール) 」 「WJBL(女子バスケット. 接観戦経験に関する項目で弱い相関が確認され. ボール) 」 「Vリーグ(男女バレーボール) 」 (以. たが,実施経験に関する項目では順位相関係数. 降, グループBとする. ) に分割し分析を行った.. は .02未満もしくは有意ではなかった[表6] .. また,学齢期の実施経験6)7)および直接観戦経. 女性では40-58歳の「直接観戦経験(大学期)」. 1). 験 は,性別による差が確認されていることか. が弱い相関を示したが,その他の項目では順位. ら男女で分けて分析を行った.. 相関係数は .02未満もしくは有意ではなかった.. 3.結 果. 直接観戦経験に関する項目のうち有意な相関 が認められたものについて,各学齢期間で順位. 3. 1 基本統計量. 相関係数の差の検定を行ったところ,グループ. 提供された2,060件のうち,23歳以上58歳以. Aの男性全体と男性23-39歳,グループBの全. 下であり,かつ「職業」が「学生」ではない. てのカテゴリーにおいて有意差が認められた. 有 効 回 答 数 は1,485件 で あ り, 属 性 は 男 性 が. [表7] [表8].ボンフェローニ法を用いて多. 49.1%,女性が50.9%であった.また,男性の. 重比較を行った結果,グループAの男性23-39. うち64.5%,女性では48.7%の回答者が学齢期. 歳では「D.学齢期の直接観戦経験(大学期)」. にスポーツ実施経験が有ると回答した[表2]. が他の時期と比較し直接観戦行動の変容ステー. [表3][表4].. ジとの相関が有意に高い傾向が確認された.グ ループBでは,男性全体で「D.学齢期の直接. 3.2 学齢期のスポーツ参画経験時期と直接 観戦行動間の順位相関係数の比較. 観戦経験(大学期) 」>「C.学齢期の直接観 戦経験(高校期) 」>「A.学齢期の直接観戦. 全ての対象者について学齢期ごとの直接観戦. 経験(小学校期) 」>「B.学齢期の直接観戦. 経験または実施経験と,直接観戦行動の変容ス. 経験(中学期)」の順に直接観戦行動の変容ス. テージ間の順位相関係数(Spearman)を算出. テージとの相関が有意に高い傾向が確認された. し,相関係数の差の検定を行った.. 一方で,女性全体では「D.学齢期の直接観戦. グループAについて学齢期ごとの各種経験と. 経験(大学期) 」が「C.学齢期の直接観戦経. 変容ステージ間の順位相関係数を算出したとこ. 験(高校期)」と比較し有意に高い傾向のみが. ろ,女性の実施経験に関する一部項目を除き,. 示され,他の項目について有意差は確認されな. 有意な相関関係が確認された[表5] .男性23. かった.. -39歳(学齢期の実施観戦分類の全体比率が類 似していたことから,23-39歳と40-58歳を分. 3.3 学齢期のスポーツ参画経験時期と直接. 別した.)では,経験時期を問わず直接観戦経. 観戦行動間の順位相関係数の比較(継続期. 験に関する項目が中程度の相関を,実施経験に. 群除外). 関する項目が弱い相関を示した.男性40-58歳. 直接観戦行動を離脱した後に再開する再社会. では, 「直接観戦経験(中学期) 」のみで中程度. 化ケースを検証するため,直接観戦行動の変容. の相関が確認され,その他の項目では弱い相関. ステージが「継続期」である群を除外し,前. を示した.女性では年齢によらず直接観戦経験. 項と同様の検証を行った.グループAについて. に関する項目が弱い相関を示したが,実施経験. は,男性では23-39歳の「D:直接観戦経験(大. に関する項目は全体と23-39歳における大学期. 学期)」のみ中程度の相関,その他の直接観戦. を除き順位相関係数は .02未満もしくは有意で. 経験に関する項目と40-58歳の「実施経験(高. はなかった.. 校期)」では弱い相関が確認され,その他の実. グループBでは,男性23-39歳の「直接観戦. 施経験に関する項目では順位相関係数は .02未. 経験(大学期)」で中程度の相関が,その他直. 満だった[表9].女性では,全体と23-39歳.
(7) スポーツ産業学研究,Vol.31,No.2(2021) ,211 ~ 226.. 217. 表5 順位相関行列(対象:プロ野球,Jリーグ,トップリーグ) 変容ステージ. 男性全体 A B C D E F G H 男性:23-39歳 A B C D E F G H 男性:40-58歳 A B C D E F G H 女性全体 A B C D E F G H 女性:23-39歳 A B C D E F G H 女性:40-58歳 A B C D E F G H. A. B. C. D. E. F. G. .438*** .491*** .470*** .538*** .260*** .247*** .243*** .238***. 1 .719*** .570*** .543*** .386*** .330*** .304*** .252***. 1 .713*** .585*** .343*** .345*** .330*** .267***. 1 .620*** .326*** .293*** .329*** .297***. 1 .262*** .239*** .274*** .259***. 1 .578*** .533*** .464***. 1 .651*** .560***. 1 .674***. .514*** .568*** .568*** .686*** .261*** .254*** .218*** .267***. 1 .742*** .608*** .581*** .412*** .396*** .372*** .309***. 1 .749*** .695*** .396*** .410*** .391*** .361***. 1 .695*** .366*** .345*** .386*** .355***. 1 .350*** .305*** .327*** .325***. 1 .661*** .665*** .564***. 1 .715*** .625***. 1 .699***. .369*** .421*** .372*** .395*** .260*** .246*** .276*** .212***. 1 .691*** .518*** .497*** .358*** .248*** .217*** .187***. 1 .659*** .456*** .285*** .258*** .248*** .160***. 1 .525*** .280*** .210*** .251*** .224***. 1 .179*** .165*** .220*** .187***. 1 .489*** .384*** .370***. 1 .564*** .490***. 1 .650***. .306*** .338*** .297*** .372*** .049 .067** .173*** .248***. 1 .670*** .521*** .487*** .130*** .092*** .151*** .142***. 1 .743*** .593*** .147*** .105*** .174*** .177***. 1 .644*** .149*** .219*** .212*** .313***. 1 .158*** .158*** .219*** .225***. 1 .601*** .209*** .260***. 1 .486*** .440***. 1 .641***. .350*** .370*** .347*** .391*** .087* .104** .200*** .295***. 1 .626*** .469*** .446*** .090*** .109*** .215*** .295***. 1 .684*** .521*** .108*** .058 .191*** .295***. 1 .568*** .139*** .260*** .272*** .503***. 1 .226*** .226*** .278*** .278***. 1 .429*** .126*** .175***. 1 .630*** .543***. 1 .663***. .257*** .304*** .243*** .351*** .011 .027 .142*** .208***. 1 .728*** .598*** .550*** .177*** .069* .065 -.022. 1 .814*** .672*** .191*** .161*** .153*** .072. 1 .723*** .159*** .177*** .146*** .153***. 1 .077 .077 .151*** .178***. 1 .790*** .303*** .347***. 1 .334*** .347***. 1 .628***. . ***p< .001, **p< .01, *p< .05 変容ステージとの相関係数は有意確率p< .05とし,ボンフェローニ法によ る補正を行った. A. 小学校期の直接観戦経験 B. 中学校期の直接観戦経験 C. 高校期の直接観戦経験 D. 大学期の直接観 戦経験 E. 小学校期の実施経験 F. 中学校期の実施経験 G. 高校期の実施経験 H. 大学期の実施経験 ※以降,表11まで共通..
(8) 学齢期のスポーツ経験時期と現在の観戦行動の関係. 218. 表6 順位相関行列(対象:Bリーグ,WJBL,Vリーグ) 変容ステージ 男性全体 A .288*** B .226*** C .296*** D .379*** E .136*** F .078*** G .083*** H .120*** 男性:23-39歳 A .335*** B .257*** C .301*** D .425*** E .182*** F .071* G .089* H .116** 男性:40-58歳 A .201*** B .173*** C .286*** D .273*** E .031 F .082** G .068 H .116** 女性全体 A B C D E F G H 女性:23-39歳 A B C D E F G H 女性:40-58歳 A B C D E F G H. A. B. C. D. E. F. G. 1 .370*** .417*** .246***. 1 .541*** .293***. 1 .512***. 1 .420*** .499*** .321***. 1 .604*** .390***. 1 .589***. 1 .610*** .279*** .215*** .115*** .014 .025 -.015. 1 .350*** .342*** .082*** .043* .085*** -.017. 1 .371*** .097*** .016 .071*** .104***. 1 .054* .022 .071** .097**. 1 .624*** .325*** .210*** .147*** .022 .039 -.024. 1 .381*** .419*** .108*** .045 .101** -.025. 1 .375*** .136*** .031 .081** .092*. .064 .032 .065 .077*. 1 .575*** .165*** .220*** -.006 -.013 -.012 -.007. 1 .281*** .163*** -.007 .032 .048 -.010. 1 .361*** -.008 -.016 .048 .121***. 1 -.007 -.016 .080* .134***. 1 .264*** .246*** -.011. 1 .438*** .089**. 1 .377***. .086*** .083*** .069** .157*** .093*** .126*** .065** .133***. 1 .255*** .219*** .118*** .092*** .083*** .107*** .120***. 1 .430*** .185*** .167*** .208*** .184*** .291***. 1 .450*** .114*** .158*** .243*** .276***. 1 .151*** .151*** .201*** .180***. 1 .339*** .256*** .324***. 1 .542*** .324***. 1 .430***. .167*** .104*** .026 .062 .111*** .139*** .009 .124**. 1 .197*** -.006 -.005 .080** .080** .050 .195***. 1 .294*** -.006 .080** .224*** .177*** .264***. 1 .219*** .017 .138*** .219*** .358***. 1 .127*** .138*** .228*** .195***. 1 .318*** .314*** .316***. 1 .592*** .342***. 1 .467***. -.010 .070* .112*** .243*** .070* .114*** .118*** .145***. 1 .314*** .449*** .264*** .106*** .087** .163*** -.008. 1 .529*** .333*** .243*** .202*** .188*** .328***. 1 .614*** .210*** .174*** .262*** .193***. 1 .184*** .166*** .184*** .177***. 1 .365*** .211*** .333***. 1 .503*** .301***. 1 .424***. 1. ***p< .001, **p< .01, *p< .05 変容ステージとの相関係数は有意確率p< .05とし,ボンフェローニ法によ る補正を行った..
(9) スポーツ産業学研究,Vol.31,No.2(2021) ,211 ~ 226.. 219. 表7 学齢期の直接観戦経験時期における順位相関係数の比較(対象:プロ野球,Jリーグ,トップリーグ) 標本数. 順位相関係数. Z値. .538*** .491*** .470*** .438***. .602 .537 .510 .470. .686*** .568*** .568*** .514***. .841 .645 .644 .568. .421*** .395*** .372*** .369***. .449 .418 .391 .387. .372*** .338*** .306***. .391 .352 .316. 1,758. .297***. .307. 567 1,101 1,101 888. .391*** .370*** .350*** .347***. .413 .388 .365 .363. 男性全体 D 1,215 B 2,187 C 1,755 A 2,187 男性全体:23-39歳 D 570 C 867 B 1,032 A 1,032 男性:40-58歳 B 1,155 D 645 C 888 A 1,155 女性全体 D 1,098 B 2,268 A 2,268 C 女性:23-39歳 D B A C 女性:40-58歳 D B A C. χ2値. 有意な効果†. 14.35** D>A 27.58*** D>C D>B D>A 2.68. 6.23. 1.18. 6.17 531 1,167 1,167 870. .351*** .304*** .257*** .243***. .367 .313 .262 .248. *** p< .001,** p< .01,有意確率p< .05とし,ボンフェローニ法による補正を行った.. の「A:直接観戦経験(小学校期) 」 「B:直接. 校期) 」 「D:直接観戦経験(大学期) 」で弱い. 観戦経験(中学校期) 」と,40-58歳の「B:. 相関が確認され,その他の実施経験に関する項. 直接観戦経験(中学校期) 」 「D:直接観戦経験. 目では順位相関係数は .02未満だった[表 10] .. (大学期) 」が弱い相関を示したが,その他の項. 女性では現在の行動変容パターンが「継続期」. 目では順位相関係数は .02未満もしくは有意で. に該当する回答者が存在しなかった.. はなかった.. 直接観戦経験に関する項目のうち有意な相関. グループBでは,男性23-39歳の「A:直接. が認められたものについて,学齢期間で相関係. 観戦経験(小学校期) 」 「D:直接観戦経験(大. 数の差の検定を行ったところ,グループAの男. 学期) 」 と, 男性40-58歳の 「C:直接観戦経験 (高. 女それぞれの全体と23-39歳,グループBにお.
(10) 学齢期のスポーツ経験時期と現在の観戦行動の関係. 220. 表8 学齢期の直接観戦経験時期における順位相関係数の比較(対象:Bリーグ,WJBL,Vリーグ) 男性全体 D C A B 男性:23-39歳 D A C B 男性:40-58歳 C D A B 女性全体 D A B C 女性:23-39歳 A B 女性:40-58歳 D C B. 標本数. 順位相関係数. Z値. 1,620. .379***. .399. 2,340 2,916 2,916. .296*** .288*** .226***. .305 .296 .230. 760 1,376 1,156 1,376. .425*** .335*** .301*** .257***. .454 .349 .311 .263. 1,184 860 1,540 1,540. .286*** .273*** .201*** .173***. .294 .280 .204 .175. 1,464 3,024 3,024. .157*** .086*** .083***. .158 .086 .083. 2,344. .069**. .069. 1,468 1,468. .167*** .104***. .168 .104. 708 1,160 1,556. .243*** .112*** .071*. .248 .112 .072. χ2値. 有意な効果†. 29.80** D>C D>A D>B C>B A>B 18.71*** D>C D>B 12.67** C>B D>B 8.04* D>C 14.44**. 33.81*** D>C D>B. *** p< .001,** p< .01,*p< .05 有意確率p< .05とし,ボンフェローニ法による補正を行った.. ける男性の全てのカテゴリーにおいて有意差が. 接観戦経験(大学期)」と比較し,直接観戦行. 認められた[表 11] .ボンフェローニ法を用い. 動の変容ステージとの相関が有意に高い傾向が. て多重比較を行った結果,グループAにおいて. 確認された.. は男性全体と23-39歳で「D.学齢期の直接観. グループBにおいては,男性全体では「継続. 戦経験(大学期) 」が, 「A.学齢期の直接観戦. 期」群を含めた場合と同様の傾向が確認された. 経験(小学校期) 」 「C.学齢期の直接観戦経験. が,男性23-39歳では「A.学齢期の直接観戦. (高校期) 」と比較し直接観戦行動の変容ステー. 経験(小学校期) 」が「C.学齢期の直接観戦. ジとの相関が有意に高い傾向が確認された.一. 経験(高校期)」と比較し,直接観戦行動の変. 方,女性全体と23-39歳では「A.学齢期の直. 容ステージとの相関が有意に高い傾向が確認さ. 接観戦経験(小学校期) 」 「B.学齢期の直接観. れた[表 12].また,男性40-58歳では「C.. 戦経験(中学校期) 」が「C.学齢期の直接観. 学齢期の直接観戦経験(高校期)」「D.学齢期. 戦経験(高校期) 」ないしは「D.学齢期の直. の直接観戦経験(大学期)」が,「A.学齢期の.
(11) スポーツ産業学研究,Vol.31,No.2(2021) ,211 ~ 226.. 221. 表9 順位相関行列(対象:プロ野球,Jリーグ,トップリーグ) 変容ステージ 全体:継続期群除外 A .282*** B .308*** C .275*** D .374*** E .174*** F .166*** G .153*** H .144*** 23-39歳:継続期群除外 A .308*** B .354*** C .340*** D .470*** E .147*** F .154*** G .104** H .143** 40-58歳:継続期群除外 A .266*** B .278*** C .225*** D .305*** E .197*** F .187*** G .207*** H .147*** 女性全体:継続期群除外 A .216*** B .227*** C .137*** D .180*** E -.023 F .007 G .121*** H .175*** 23-39歳:継続期群除外 A .255*** B .247*** C .173*** D .114* E -.021 F .034 G .126*** H .179*** 40-58歳:継続期群除外 A .176*** B .208*** C .103* D .238*** E -.025 F -.019 G .116** H .185***. A. B. C. D. E. F. G. 1 .631*** .423*** .401*** .332*** .264*** .222*** .153***. 1 .592*** .431*** .263*** .272*** .251*** .170***. 1 .454*** .228*** .191*** .239*** .187***. 1 .142*** .122*** .180*** .179***. 1 .546*** .500*** .414***. 1 .632*** .536***. 1 .630***. 1 .619*** .420*** .324*** .344*** .340*** .309*** .198***. 1 .615*** .490*** .316*** .356*** .330*** .269***. 1 .457*** .270*** .281*** .320*** .247***. 1 .174*** .142** .168*** .224***. 1 .626*** .645*** .480***. 1 .700*** .607***. 1 .637***. 1 .644*** .426*** .466*** .322*** .183*** .124*** .114**. 1 .563*** .382*** .211*** .172*** .153*** .079*. 1 .457*** .182*** .071* .136*** .129**. 1 .116*** .105** .189*** .143***. 1 .468*** .345*** .364***. 1 .545*** .472***. 1 .627***. 1 .609*** .340*** .330*** .138*** .082*** .124*** .046. 1 .616*** .428*** .078*** .045* .099*** -.011. 1 .494*** .052* .131*** .101*** .152***. 1 -.013 .052 .108*** .091**. 1 .611*** .095*** .144***. 1 .339*** .267***. 1 .500***. 1 .553*** .236*** .254*** .065* .075* .158*** .154***. 1 .510*** .261*** -.010 -.009 .099** -.007. 1 .285*** -.009 .148*** .111** .284***. 1 -.011 .129** .129** -.011. 1 .445*** -.005 -.004. 1 .514*** .406***. 1 .406***. 1 .678*** .475*** .434*** .214*** .090** .088** -.017. 1 .730*** .558*** .156*** .102*** .100** -.015. 1 .633*** .103** .117** .092** .099*. 1 -.016 -.016 .091* .141**. 1 .755*** .177*** .212***. 1 .200*** .212***. 1 .563***. ***p< .001, **p< .01, *p< .05 変容ステージとの相関係数は有意確率p< .05とし,ボンフェローニ法によ る補正を行った..
(12) 学齢期のスポーツ経験時期と現在の観戦行動の関係. 222. 表10 順位相関行列(対象:Bリーグ,WJBL,Vリーグ) 変容ステージ 全体:継続期群除外 A .223*** B .158*** C .222*** D .349*** E .116*** F .083*** G .088*** H .104*** 23-39歳:継続期群除外 A .266*** B .179*** C .178*** D .385*** E .154*** F .079* G .097** H .092 40-58歳:継続期群除外 A .146*** B .122*** C .286*** D .273*** E .032 F .084** G .068 H .116** 女性全体:継続期群除外 A .086*** B .083*** C .069*** D .157*** E .093*** F .126*** G .065*** H .133*** 23-39歳:継続期群除外 A .167*** B .104*** C .026 D .062 E .111*** F .139*** G .009 H .124* 40-58歳:継続期群除外 A -.01 B .071* C .112*** D .243*** E .070* F .114*** G .118*** H .145***. A. B. C. D. E. F. G. 1 .376*** .425*** .254***. 1 .541*** .298***. 1 .520***. 1 .430*** .511*** .335***. 1 .604*** .400***. 1 .602***. 1 .535*** .165*** .181*** .074*** .019 .030 -.014. 1 .259*** .326*** .040* .050** .093*** -.016. 1 .306*** .050* .023 .083*** .074**. 1 .022 .026 .078** .065**. 1 .547*** .167*** .163*** .094** .030 .049 -.021. 1 .246*** .409*** .053 .055* .117*** -.022. 1 .279*** .077** .047 .104*** .048. .024 .040 .074* .032. 1 .505*** .165*** .220*** -.005 -.011 -.012 -.007. 1 .281*** .163*** -.006 .036 .048 -.010. 1 .361*** -.008 -.016 .048 .121***. 1 -.007 -.016 .080* .134***. 1 .264*** .246*** -.011. 1 .438*** .089**. 1 .377***. 1 .255*** .219*** .118*** .092*** .083*** .107*** .120***. 1 .430*** .185*** .167*** .208*** .184*** .291***. 1 .450*** .114*** .158*** .243*** .276***. 1 .151*** .151*** .201*** .180***. 1 .339*** .256*** .324***. 1 .542*** .324***. 1 .430***. 1 .197*** -.006 -.005 .080** .080** .050 .195***. 1 .294*** -.006 .080** .224*** .177*** .264***. 1 .219*** .017 .138*** .219*** .358***. 1 .127*** .138*** .228*** .195***. 1 .318*** .314*** .316***. 1 .592*** .342***. 1 .467***. 1 .314*** .449*** .264*** .106*** .087** .163*** -.008. 1 .529*** .333*** .243*** .202*** .188*** .328***. 1 .614*** .210*** .174*** .262*** .193***. 1 .184*** .166*** .184*** .177***. 1 .365*** .211*** .333***. 1 .503*** .301***. 1 .424***. 1. ***p< .001, **p< .01, *p< .05 変容ステージとの相関係数は有意確率p< .05とし,ボンフェローニ法によ る補正を行った..
(13) スポーツ産業学研究,Vol.31,No.2(2021) ,211 ~ 226.. 223. 表11 学齢期の各種経験時期における順位相関係数の比較(対象:プロ野球,Jリーグ,トップリーグ) 標本数 男性:継続期群除外 D 1,162 B 2,117 A 2,117 C 1,694 男性23-39歳:継続期群除外 D 536 B 989 C 829 A 989 男性40-58歳:継続期群除外 D 626 B 1,128 A 1,128 C 865 女性全体:継続期群除外 B 2,245 A 2,245 D 1,078 C. 1,736. 女性23-39歳:継続期群除外 A 1,085 B 1,085 C 873 D 553 女性40-58歳:継続期群除外 D 525 B 1,160 A 1,160 C. 863. 順位相関係数. Z値. .374*** .308*** .282*** .275***. .393 .318 .290 .282. .470*** .354*** .340*** .308***. .510 .370 .354 .318. .305*** .278*** .266*** .225***. .316 .286 .272 .229. .227*** .216*** .180***. .231 .220 .182. .137***. .138. .255*** .247*** .173*** .114*. .261 .252 .175 .115. χ2値. 有意な効果†. 10.26* D>A D>C 13.32** D>C D>A 2.97. 9.99* B>C A>C 10.70* A>D B>D 8.19* .238*** .208*** .176***. .243 .211 .178. .103*. .104. *** p< .001,** p< .01,有意確率p< .05とし,ボンフェローニ法による補正を行った.. 直接観戦経験(小学校期) 」と比較し,直接観. 期以降の直接観戦において行動変容のレベルが. 戦行動の変容ステージとの相関が有意に高い傾. 高い傾向にあるか検証を行った.. 向が確認された. 4.考 察. 順位相関係数の差の検定による分析の結果, 「プロ野球」 「Jリーグ(サッカー)」 「トップリー グ(ラグビー)」の男性23-39歳, 「Bリーグ(男. 本研究では,直接観戦行動の「持ち越し効. 子バスケットボール)」 「WJBL(女子バスケッ. 果」を背景に,直接観戦の経験時期ごとに現在. トボール) 」 「Vリーグ(男女バレーボール) 」. の行動変容パターンとの順位相関係数の比較を. では男女の全体と女性40-58歳で,他の時期と. 行い,どの時期に直接観戦経験のある群が成人. 比較し「D.学齢期の直接観戦経験(大学期)」.
(14) 学齢期のスポーツ経験時期と現在の観戦行動の関係. 224. 表12 学齢期の各種経験時期における順位相関係数の比較(対象:Bリーグ,WJBL,Vリーグ) 標本数 全体:継続期群除外 D 1,617 A 2,911 C 2,336 B 2,911 23-39歳:継続期群除外 D 757 A 1,372 B 1,372 C 1,152 40-58歳:継続期群除外 C 1,184 D 860 A 1,539 B 1,539. 順位相関係数. Z値. .349***. .364. .223*** .222*** .158***. .227 .225 .159. .385*** .266*** .179*** .178***. .406 .273 .181 .180. .286*** .273*** .146*** .122***. .294 .280 .147 .123. χ2値. 有意な効果†. 43.72*** D>A D>C D>B A>B C>B 30.96*** D>A D>B D>C A>B 29.20*** C>A C>B D>A D>B. *** p< .001,** p< .01,有意確率p< .05とし,ボンフェローニ法による補正を行った.. と直接観戦行動の変容ステージとの相関が有意 に高い傾向が確認され,より直近の身体活動と の相関を指摘した成人期以降の実施行動に関す. 相関係数の差の検定を行った結果,「プロ野球」 「Jリーグ(サッカー) 」 「トップリーグ(ラグ ビー)」の男性全体と男性23-39歳においては,. る研究と類似する結果となった. 先行研究では, 「継続期」の除外有無に関わらず「D. 学齢期の 余暇活動量は教育年数と正の関連があること 8). 直接観戦経験(大学期)」が直接観戦行動の変. が示され ,一部のスポーツ実施行動において. 容ステージとの相関が有意に高い傾向は変わら. も年収が促進要因となる傾向が確認されたこと. なかった.一方,女性全体と女性23-39歳では,. 9). から学歴による効果が指摘されている .教育. 「継続期」群を除外した場合に「A.学齢期の直. 年数の増加による所得向上効果も検証されてお. 接観戦経験(小学校期)」「B.学齢期の直接観. り10)-12),入場料というコストを要する直接観. 戦経験(中学校期)」が「C.学齢期の直接観戦. 戦行動では, より若い世代において教育年数 (学. 経験(高校期)」ないしは「D.学齢期の直接観. 歴)が間接的に寄与している可能性がある.併. 戦経験(大学期)」と比較し,直接観戦行動の. せて,男性40-58歳で直接観戦経験の時期によ. 変容ステージとの相関が有意に高くなる傾向が. る有意差が確認されなかったことは,勤務年数. 確認された.身体活動に関する持ち越し効果で. に伴う昇給により所得にゆとりが生じることに. は男性と比較し女性は効果が低い傾向が報告さ. 起因することも考えられる.また,大学進学に. れてきたが 6 )7 ),ボランティア活動について. 伴い興行開催の機会が多い都市部へ移住しその. は女性において中学期の組織的スポーツ参加か. 後も居住し続けるケースや,保護者や教員の帯. ら成人期のスポーツボランティア活動へ有意な. 同が想定される他の学齢期とは異なり,会場の. パスが示されており13),本研究でも類似した傾. 検索やチケットの購入を自ら行うことで直接観. 向が確認された.小島ら14)は Telama6)による. 戦に関する知識が身に付き,心理的障壁が下が. 持ち越し効果に関する4つの仮説のうち,「若. ることも推察される.. 年期にしっかりした身体活動やスポーツを行. 直接観戦行動の「継続期」群を除外して順位. い,基本的な運動習慣を身に付けることが身体.
(15) スポーツ産業学研究,Vol.31,No.2(2021) ,211 ~ 226.. 活動の維持や後年になってからの再開を容易に する」とされる「能力・準備状態仮説」を引用 し,子どもの頃の遊び・運動と女性における高 齢期の健康運動との関係を示したが,直接観戦 行動やボランティア活動についても,学齢期に 身に付いた行動経験が心理的障壁を下げ,後年 になってからの再開を容易にすることが示唆さ れた. 「Bリーグ(男子バスケットボール) 」 「WJBL (女子バスケットボール) 」 「Vリーグ(男女バ レーボール)」においては,男性40−58歳では 「C.学齢期の直接観戦経験(高校期) 」 「D.学 齢期の直接観戦経験(大学期) 」が, 「A.学齢 期の直接観戦経験(小学校期) 」と比較し,直 接観戦行動の変容ステージとの相関が有意に高 い傾向が確認された一方で,男性23-39歳では 「A. 学齢期の直接観戦経験(小学校期) 」が「C. 学齢期の直接観戦経験(高校期) 」と比較し, 直接観戦行動の変容ステージとの相関が有意に 高い傾向が確認された.これはバスケットボー ルにおいて,ミニバスに代表される若年層の実 施機会の増加や2005年の bJリーグ開幕により 観戦対象としての認知度が向上したことが寄与 している可能性がある.実施行動に関する先行 研究では,12歳と20歳を基準に群の分割や測定 を行うケースが多く見受けられ4),中学校期で の部活動の選択を控える12歳(小学6年生)を 切り口としたアプローチも検討の余地がある. 他方,より若い年代の行動には,親や教員によ る影響が大きいことが指摘されており15),SNS の普及により若年層への直接的なアプローチ機 会が増えたとしても,経済力な決定権を握る監 督者へのアプローチは不可欠だろう. 本研究では,直接観戦の経験時期別に現在の 行動との相関を検証しているが,各時期間の相 関関係が確認されている.有意な傾向が確認さ れた時期をターゲットとして意識する一方で, 観戦者の再社会化を考慮した中長期的な視野が 求められる. (注1) 「持ち越し効果」「再社会化」の定義と先行. 225. 研究については菅原1)2)と記述が重複するので略 し,本稿本文で言及する際に必要な説明・指摘 を記述することとする. (注2)本データは, 1名の回答者に対し複数のリー グまたは種目について,現在の直接観戦行動お よび意向と,学齢期の直接観戦経験および実施 経験を調査しているため,1件の回答に対し7 リーグ(Vリーグは男女を分別し,2リーグと して扱った.)分のレコードを作成し,のべ人数 による分析を行った.. 参 考 文 献 1)菅原尚子;学齢期のスポーツ参画経験と成人 期以降の直接観戦の関係-直接観戦に関する 持ち越し効果の検討 , 修士論文(未刊行) , 2019. 2)菅原尚子;学齢期のスポーツ参画経験と成人 期以降の直接観戦行動の関係:スポーツ観戦 経験と対象種目の実施経験間の持ち越し効果 の比較 , スポーツ科学研究 (16) , pp.62-78, 2019. 3)鈴木宏哉;どんな運動経験が生涯を通じた運 動習慣獲得に必要か ?:成人期以前の運動経験 が成人後の運動習慣に及ぼす影響 , 発育発達研 究 , 2009(41) , pp.1- 9, 2009. 4)Itoh, H., Kitamura, F., Hagi, N., et al; Leisure-time physical activity in youth as a predictor of adult leisure physical activity among Japanese workers:a cross-sectional study. Environmental health and preventive medicine, 22 (1) , 37, 2017. 5)飯島沙織 , 庄子博人 , 岡浩一朗ら;球技系トッ プリーグを対象としたスポーツ観戦行動の変容 ステージ尺度-尺度の信頼性およびスポーツ 観戦行動指標との関連による妥当性の検討-, スポーツ産業学研究 , 22 (2) , pp.271-279, 2012. 6)Telama, R Tracking of physical activity from childhood to adulthood:a review. Obesity facts, 2 (3) , pp.187-195, 2009. 7)岡 浩一朗;あらためて運動部活動について考 える , 体育の科学 , 64( 4) , pp.222-224, 2014. 8)Kaplan, M. S., Newsom, J. T., McFarland, B. H et al.;Demographic and psychosocial correlates of physical activity in late life. American journal of preventive medicine, 21(4), pp.306-312, 2001. 9)束原文郎 , 石澤伸弘 , 山本理人ら;一般成人に.
(16) 226. 学齢期のスポーツ経験時期と現在の観戦行動の関係. おけるタイプ別スポーツ参加と社会経済的特. 13)青柳健隆 , 石井香織 , 柴田愛ら;学齢期の組織. 徴の関係 , スポーツ産業学研究 , 25(2), pp.253268, 2015. 10)Blomquist, G. C., Coomes, P. A., Jepsen, C, et al.;Estimating the social value of higher education:willingness to pay for community and technical colleges. IZA DP No.4086, 2009. 11)矢野眞和;教育家族の逆説(特集 ブラック化 する教育),現代思想 , 42(6),pp.173-185, 2014. 12)平成26年度「教育改革の総合的推進に関する 調査研究 , 〜教育の総合的効果に関する定量的 分析〜」報告書 , 株式会社三菱総合研究所. 的スポーツ参加と成人期のスポーツ参与の関 連:回顧的データに基づく持ち越し効果の検 討 , ス ポ ー ツ 産 業 学 研 究 , 27 (3), pp.245-256, 2017. 14)小島光洋 , 井原一成 , 大庭輝ら;高齢女性の健 康関連生活習慣と幼少期における身体活動の 関係 , 民族衛生 , 81 (4) , pp.105-121, 2015. 15)Whitebread, D., & Bingham, S.;Habit formation and learning in young children. London: Money Advice Service, 2013..
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