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風洞実験による着氷雪送電線の空力特性の検討

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Academic year: 2021

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主要な研究成果

背 景

着氷雪した送電線の風による自励振動現象、すなわちギャロッピングについて、非線形有限要素解析プログ ラム「CAFSS」を開発し、現象解明や対策法の合理化など、実務的な解析的検討を実施している。こうした 解析の入力条件となる空気力のモデル化については、これまで既往の風洞実験によって得られた着氷雪電線の 空気力係数に基づき、定常的な近似をしてきた。しかし、既往の風洞実験の多くは、着氷雪の形状が不明確で ある上、主に単導体を対象としており、多導体送電線に関するデータが少ないのが現状である。また、送電線 のギャロッピングについては、曲げねじれフラッターに近い性状となる場合があるため、空気力の非定常性の 影響を無視できない可能性がある。そこで、東京大学と共同で、風洞実験データに基づき、着氷雪単導体およ び多導体の定常および非定常空力特性に関する研究を実施することとなった。

目 的

着氷雪単導体および 4 導体送電線の部分模型を用いて風洞実験を実施し、空気力係数データを蓄積する。ま た、実験結果に基づき、空力特性における単導体と 4 導体の違いと非定常性の特徴を明らかにする。

主な成果

ギャロッピングが発生し易い典型的な着氷雪の断面寸法を明確にした上で、これを考慮した単導体および 4 導体の部分模型を用いて、風洞実験、すなわち 3 分力天秤実験および大振幅回転加振実験を、10m/s の一定風 速の条件下で実施した(図-1、表-1)。実験の結果得られた定常および非定常空気力係数から以下の成果を得 た。 1.定常空力特性(図-2) 抗力係数および揚力係数については、4 導体の導体 1 本当りの値は、単導体の値と概ね一致するが、迎え 角 90 度付近では、風上側の導体が風下側の導体に作用する風を遮り、4 導体の抗力係数は単導体のそれを 下回ることを明らかにした。また、単導体の空力モーメント係数については、代表径および導体本数の違 いを考慮した換算を行えば、迎え角 0 度近傍の極大値が 4 導体と概ね一致するが、 4 導体では風上側導体の 後流の影響を受けるため、上記以外の極値および極値に対応する迎え角の値は単導体と一致しないことを 明らかにした。 2.非定常空力特性の把握(図-3) 試験体を電線軸回りの回転方向に両振り加振させる実験により、非定常空気力係数を迎え角および電線 軸回りの換算角速度に依存する量として測定した。その結果、空気力の非定常性は、迎え角の増加時と減 少時との間の空気力係数の差として、揚力および空力モーメント係数に顕著に現れることを明らかにした。 また、単導体の揚力および空力モーメント係数の非定常性はほぼ一致するが、4 導体の空力モーメント係 数の非定常性は、後流の影響により、抗力および揚力係数のそれと大きく異なることを明らかにした。

今後の展開

本研究で得られた空気力係数とギャロッピング振動との関係を、数値シミュレーションによって明らかにす る。また、任意形状の着氷雪電線断面の空気力係数を、数値解析によって算出できる計算機システムを構築す る。 主担当者 地球工学研究所 構造工学領域 主任研究員 清水 幹夫 関連報告書 「時間−周波数分析によるギャロッピング時における送電線の応答特性評価」電力中央研究 所報告: U98058(1999 年 3 月) 「着氷雪 4 導体および単導体送電線の定常・非定常空力特性に関する風洞実験」電力中央研 究所報告: U03044(2004 年 3 月) 102

風洞実験による着氷雪送電線の空力特性の検討

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9.電力施設建設・保全/自然災害対策

103 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 -20 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 C D 4 :4-1.00D CL 4 :4-1.00D CD 1-4:1-1.00D CL 1-4 :1-1.00D CD , C L 迎え角(度) -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 -20 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 CM 4 :4-1.00D C M 1-4 :1-1.00D CM 迎え角(度) CD4 CL4 :同じく揚力係数 CM4:同じく空力モーメント係数 B4 :同じく代表長さ CD1 CL1 :同じく揚力係数 CM1:同じく空力モーメント係数 B1 :同じく代表長さ CD 1-4 =2 CD 1 ‥‥‥‥‥ CL 1-4=2 C L 1 ‥‥‥‥‥ CM 1-4 =2 CM 1・ B 1/B4 ‥‥ (3) :4-1.00Dの抗力係数 :1-1.00Dの抗力係数 (2) (1) 2 19 11.5° 23.5 1.9 38 11.5° R5 9.8 1 18.6 着氷雪高さ ↑4-1.00D (4本用いる) (単位:   mm) 4-1.00D 4 1270 19 19(=1.00D) 48260 247 1-1.00D 1 1270 30 30(=1.00D) 38100 30 備考 注*:着氷雪高さは、着氷雪先端から導体表面までの最短距離を表す。図-1(c)参照。 試験体 名称 導体数 試験体長さ L(mm) 導体外形 D(mm) 着氷雪高さ* (mm) 投影面積 A(mm2 代表長さ B(mm) 投影面積Aは上流側の導体2本分の 投影面積として2D×Lで換算し、 代表径Bは導体中心の間隔とした。 投影面積はD×Lで換算し、代表径 は導体外径Dと同一の値とした。 図-3 大振幅回転加振実験によって測定された非定常空気力係数 非定常空気力係数は換算角速度および迎え角に依存して変化し、加振方向(図中の矢印)により異なる値を示す。 図-2 3分力天秤実験によって測定された定常空気力係数 表-1 試験体の緒元 図-1 風洞実験の試験体・測定装置・断面寸法 (a)4導体部分模型の風洞内設置状況 (b)大振幅非定常空気力測定装置 (c)試験体の導体部と着氷雪断面 大振幅非定常空気力測定装置は試験体を支持すると同時に回転変位を与えて空気力係数の測定を可能とする。 上式によって4導入相当に換算された、単導体の抗力係数  、揚力係数  は、4導体のそれら  、  と概 ね一致するが、空力モーメントについては、単導体の  と4導体の  との一致は良好ではない。 CD 1-4 C L 1-4 C D4 CL4 CM4 CM 1-4

参照

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