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メンタルヘルスのセルフケアに向けたスマートフォンからのストレス状態推定の取り組み

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Academic year: 2021

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情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report

ⓒ2018 Information Processing Society of Japan 1

メンタルヘルスのセルフケアに向けた

スマートフォンからのストレス状態推定の取り組み

深澤佑介

†1

山本直樹

†1

落合桂一

†1

稲垣章弥

†1

木本勝敏

†1

霧生和樹

†2

上西康平

†2

太田順

†2

沖村宰

†3

寺澤悠理

†3

前田貴記

†3 概要:現在,精神疾患の患者数は年々増加傾向にあり,メンタルヘルスの不調を未然に防ぐことが社会的な課題とな っている.本講演では,スマートフォンで取得できるセンサや端末ログから生理情報を正解としたストレス状態を推 定する取り組みについて述べる.また,メンタルヘルスのセルフケアに向けた将来の展望についても述べる. キーワード:ストレス,メンタルヘルスケア, スマートフォンログ

1. ストレス状態推定の取り組み

厚生労働省の調査[1]によると,精神疾患の患者数は年々 増加傾向にあり,メンタルヘルスケアに対する社会的関心 が高まっている.メンタルの健康状態を維持するためには, 早い段階で個々人がメンタルヘルスの不調に気づくことが 非常に重要である.しかしながら,メンタルヘルスの不調 は目視で確認できるものではないために,個々が自身のス トレス状態を正確に把握することは非常に困難である. ユーザに負担を与えることなくストレス状態を評価す る手法として,スマートフォンを用いたストレス推定技術 が注目されている[2].スマートフォンは,個々が所持して いるものであり,かつ頻繁に持ち歩き,使用するものであ ることから,スマートフォンから取得できる各種センサや 利用履歴のログは,ユーザの精神状態を推定するために有 用であると考えられる.しかしながら,これらの研究はア ンケートの回答結果を教師データとしてストレス状態の推 定を実施しているために,ユーザ自身が気付いていないス トレスは推定することは不可能である.また,正解データ がユーザの主観的なものであるために,ストレス状態を正 しく捉えることができていない可能性がある.一方,生体 情報として血液や唾液,心拍を用いたストレス状態の評価 手法が報告されている.生体情報を用いることで,客観的 なストレス状態の評価が可能となる. われわれは生理指標の一種である心拍データを基に したストレス状態を教師データとして,スマートフォンロ グよりストレス状態を推定するモデルを提案した[3].具体 的には, ユーザのストレス状態を生体情報である心拍変動 を基にしたLF/HF で定義し,ユーザの LF/HF が平均以上か, 平均未満かを推定することを問題として設定した.提案手 法では,行動特徴量を基にユーザをクラスタリングし,ク ラスタ毎にストレス状態を反映した行動特徴量を選択し, †1 株式会社 NTT ドコモ NTT DOCOMO, INC. †2 東京大学

The University of Tokyo †3 慶應義塾大学 Keio University アンサンブル学習を適用している.検証データとして,39 名の研究参加者より,1349 日分のスマートフォンログと 724 日分の心拍データを収集した.検証結果から 71.1%の 精度でストレス推定が可能であることを示した.これによ り,特殊な装置を用いることなく,客観的かつ連続的なス トレス評価が可能になる.

2. メンタルヘルスのセルフケアに向けて

近年,健康維持のためのセルフケアを支援する方法の一 つとして「バイオフィードバック」が注目されている.バ イオフィードバックとは,体内状態を適切な計測器によっ て測定し,その情報を画像や音の形で自身が意識できるよ う呈示することにより,心や体の状態を希望の状態へと導 く技術である.バイオフィードバックには,人の状態のセ ンシング,有用な情報への変換,人へのフィードバックと いった3 種類の機能が必要になるが,それらを一つの機器 で実現する方法としてスマートフォンの利用が活発化して いる[4].メンタルヘルスのセルフケア実現に向けては,ス マートフォンからストレスを推定する技術にバイオフィー ドバックを組み合わせることが考えられる.これにより, 不安が高まっていることを検知・フィードバックし,自身 のメンタルヘルスの状態を意識させることで,過剰な不安 が生じることを防ぐことができると考えられる.

参考文献

[1] 厚生労働省 疾患調査. http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/14/dl/toukei.pdf [2] V. P. Corneta et al., Systematic review of smartphone-based

passive sensing for health and wellbeing, Journal of Biomedical Informatics 77, 120-132, 2018.

[3] 山本ら: 生体情報を教師データとしたスマートフォンログを 用いたストレス状態推定, 情報処理学会研究報告, 2018 [4] D. D. Luxton et al., mHealth for mental health: Integrating

smartphone technology in behavioral healthcare. Professional Psychology: Research and Practice, 2011.

参照

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