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地域包括ケアでの「病院と地域の看護師間の連携を深めるプログラム」とその効果

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Academic year: 2021

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(1)2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. 公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団 2018年度(前期) 一般公募「在宅医療研究への助成」完了報告書. テーマ:地域包括ケアでの 「病院と地域の看護師間の連携を深めるプログラム」とその効果. 申請者:福田裕子 所属機関:まちのナースステーション八千代 提出年月日:2019 年 8 月 31 日. 1.

(2) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. Ⅰ.研究の背景 超高齢者社会の日本では、地域包括ケアシステムの構築が推進されており、地 域内での多職種連携強化は推し進められて、行政からの働きかけも地域差はあ るが行われている。その中で、医療と介護両側面からの見解がある看護師には、 それぞれの施設の枠を超えて地域へ飛び出して活動することを大きく期待され ている反面、看護師同士の連携が図りづらい事がある。それは、病院、訪問看護 ステーションそれぞれが違う経営母体に勤務しており、それぞれの運営方針な どが異なるため同じ歩幅で進めていくことが困難で、率直に意見交換等が出来 ないことがあるからだ。しかし看護職は病院、訪問看護ステーションのみでなく、 行政・学校・福祉施設・企業等様々な場所に存在するため、看護師間の価値観を より分かち合い深めることで、同職種の連携強化になり、地域住民が病気や障害 をもっても安心して相談できる窓口となりえるのではないかと考える。 2016 年より有志による近隣(浦安市、八千代市、佐倉市、千葉市)の急性期 病院の看護師と訪問看護師とのインフォーマルな交流会(看護を熱く語る会:通 称:熱看)を行ってきた。その中で、病院看護師と訪問看護師の顔が見える関係 になることで、患者によい効果がみられることがあった。例えば、抗がん剤の治 療継続か中止かの狭間で気持ちが揺れている想いを外来通院時に医師へ伝えよ うと考えていても、いざ医師の前では言えないと言う患者がいた。そこで、訪問 看護師が病院看護師に外来時の同行を依頼し、患者の意向を一緒に伝える事で、 本人の意見を尊重した意思決定が出来たということがあった。また、在宅移行が 困難な事例を病院看護師から訪問看護師に気軽に相談し病院へ出向き直接患者 と話すことで、在宅生活がイメージ出来て在宅移行がスムーズに出来た事例が あった。これは施設の枠を超えて信頼関係の下に看護師同士が連携をすること でもたらす効果だと考え、顔の見える看看連携の必要性をメンバー同士が実感 する場面が多くみられた。今回、地域を千葉県下に広げ、より多くの病院看護師 と訪問看護師の顔の見える関係づくりを目的としたプログラムを行い、看護師 間の連携強化を図りその効果について検証した。 Ⅱ.研究方法 この研究は、 「病院と地域の看護師間の連携を深めるプログラム」を全 3 回開 催し、各回の参加者へのアンケート調査と複数回参加可能な看護師へフォーカ スグループインタビューを実施することで、プログラムの効果を実証し、更によ り具体的な看護師同士の連携の現状と課題を抽出する。 1.「病院と地域の看護師間の連携を深めるプログラム」 1) 対象者:千葉県全域の地域連携を図る病院と訪問看護ステーションへチラ 2.

(3) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. シやホームページ、また SNS 等で周知し賛同した参加者を募った。 2) プログラム内容とスケジュール <内容> 病院と地域の看護師同士の連携や教育等の先駆者である講師を招き、看 護師同士が語り合う参加型の研修プログラムでアドバイスを受けながら 看看連携を深める。 <スケジュール (全 3 回)> 第 1 回 2018 年 10 月 6 日(土)13:30~16:00 第 2 回 2019 年 2 月 2 日(土)13:30~16:30 第 3 回 2019 年 6 月 23 日(日)13:30~16:30 2.「病院と地域の看護師間の連携を深めるプログラム」の評価 1)対象者 ・「病院と地域の看護師間の連携を深めるプログラム」に少なくとも 2 回 は参加できる看護師 ・訪問看護歴 3 年以上で退院調整に関わったことのあるもの ・病院看護師で、退院調整に 3 年以上関わっているもの 2)対象者の選定方法 1)の対象者をスノーボールで選択し承諾を得た訪問看護師 5 名と病院 看護師 5 名 3)評価方法 選出された看護師 10 名をそれぞれ、訪問看護師 5 名、病院看護師 5 名 に分けグループインタビューを行った。インタビューは、各プログラムの 前に集まってもらい、1 時間以内で行った。そのインタビュー内容を質的 帰納的方法で分析した Ⅲ.結果 1.「病院と地域の看護師間の連携を深めるプログラム」 ①第 1 回 病院と地域の看護師間の連携を深めるプログラム 日時:2018 年 10 月 6 日(土) 場所:船橋市保健福祉センター大会議室 第 1 部 事例検討 テーマ「がん末期患者の最期の意思決定を病院看護師と訪問看護師が連携し、 患者・家族の思いをつないだ事例」 3.

(4) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. 事例提供者 東邦大学医療センター佐倉病院 医療連携患者支援センター入退院支援 高橋幸花 氏 まちのナースステーション八千代 訪問看護師 佐藤 翠 氏. 第 2 部 グループワーク 講義 ~Aging in Place~思いを繫げていますか? 講師 宇都宮宏子オフィス. 宇都宮宏子氏. <交流会の概要> 参加者は、合計 76 名(病院看護師 39 名 訪問看護師 20 名 教員 10 名 そ の他 7 名) 退院調整看護師と訪問看護師が実際に関わった 1 事例を通して、連携の大切 さを考えた。グループワークの進行は宇都宮宏子先生に行ってもらった。 事例 A 氏 膵頭部がん末期 89 歳 女性 本人に告知はしている。夫は 10 年前に 同疾患で病院にて死亡。その後、長女夫婦と同居していた。本人は自宅での療養 を希望していた。しかし、家族はもともと A 氏にはうつの既往があり、気分の 変動も大きいため家族では対応できないので、最終的には緩和ケア病棟での最 期を希望していた。本人の希望もあり、状態が不安定であるが、退院後の外来通 院を行う事と訪問看護師の導入をして退院となった。緊急で退院が決まったた め、いつも連携をしている訪問看護ステーションなので下記の概要を FAX と電 話で伝えた。 退院調整看護師からの事前情報 ・痛みはなく、落ち着いているが急な病状変化は起こりうる ・主介護者長女の介護負担が増大しているが、ご家族の介護力だとご自宅での看 取りもできるかもしれない ・本人の病状理解は乏しい ・夫の介護で訪問看護と訪問診療を利用していたが、最期は病院に搬送した経緯 があり、本人も在宅での療養継続が困難な場合は、入院を希望している ・緩和ケア病院も面談済みで、仮押さえしている 外来通院を希望されたため、退院 4 日後の訪問となった。訪問看護師が自宅 に訪問すると、A 氏は体動痛があり、眉間にしわを寄せており活気なく臥床して いた。長女はこのまま自宅でみていくことに不安を感じていたため、訪問看護師 4.

(5) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. は痛みなどをすぐに対応できるように調整した方が良いと考え、退院調整看護 師に、訪問診療導入と鎮痛剤の処方以来の連絡をした。その時、退院調整看護師 は、退院後の通院時も痛みの訴えがないため、そのまま自宅へ返したが、その直 後の訪問看護師からの連絡に「訪問看護師の一方的な提示」のように感じた。そ のため、電話越しであったが感情的になってしまった。 その後、退院調整看護師はその感情を振り返り、 ・何度も時間をかけて患者と話し合った自分の調整に何か問題はなかった ・外来では見せない顔も自宅だからこそ出たのかもしれない。 また、訪問看護師も、 ・初日の訪問で自分のアセスメントが足りなかったのかもしれない。 ・いつもは穏やかな退院調整看護師が感情的になるのには自分に知らない病 院での事情があったからかもしれない。 と両者振り返り、お互いに話し合って A 氏の現状を一緒に振り返り再調整を おこなった。その後、A 氏の体調が変化していき、病院に自分で行くことを 決め、病院で退院後 10 日目に死亡した。 以上の事例を通して下記の質問を投げかけて、訪問看護師、病院看護師それぞれ でグループ編成を行い、グループワークをした。 お互いの目標は一緒でも、自分達の思い入れも、ついついも入って、否定された 気持ちになる。みなさんは、こんなやり取りの経験はありませんか?それぞれ葛藤 が生じた時にどうしていますか?. グループワークの発表では、 ・働く場所が違うため、よくある状況である。 ・顔がみえていないと、感情的に言われるとただ「怖い」と感じてしまう ・顔がみえても、腹を割って話さないと感情論になってしまって、その後の連携 がうまくいかないことがある 等 お互いの立場を理解しながら、同じ専門職として繋がることが大切であると多 くの意見があった(アンケート結果参照)。. 5.

(6) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. 6.

(7) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. <アンケート結果> 問 1. 交流会をどこで知ったか 11 16 39. 14. 自施設職員からの紹介. 他施設職員からの紹介. Facebook. 在宅医学会の取り組み紹介. その他. 問 2.交流会の希望の時間帯 00 8. 63. 土曜日の午前. 土曜日の午後. 平日夜. その他. 問 3.交流会の時間配分 00 2. 68 ちょうどよい もう少しタイトでよい. 7. もう少し余裕がほしい その他.

(8) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. 問 4.宇都宮宏子先生の講義について 10 0 15. 49. 非常によかった どちらでもない. よかった あまりよくなかった. 問 5.今後の交流会への参加意向 0. 29 36. ぜひ参加したい. 都合が合えば参加したい. 参加したくない. 自由記載(抜粋) ・参加型で楽しかった ・他の病院や違う分野の方と話ができて違う視点を見ることが出来てよかった ・退院支援看護師と訪問看護師が顔の見える関係を構築するのは在宅療養者の 大きなメリットにつながることがわかり勉強になった ・ディスカッションで、日ごろ言わない自分の思いや問題点を語れた。自分では 気付かなかった意見も聞け、アセスメントや患者・家族とのかかわりをもっと 良いものにしたいと思った ・いろいろな話を自由にわいわいと話せるのは素敵。テーマも時間もすごくよか った ・講師(宇都宮氏)の進行がすばらしくてきぱきとスムーズで勉強になった ・目的の再確認ができ、いつも頑張ろうという気にさせてくれる ・同じ悩みや困難を持っている皆さんと話せて元気をもらった ・あまりかかわりがない地域で緊張したが参加してみてとても勉強になった。ま 8.

(9) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. たぜひ参加したい ・訪問看護師さんとも話がしたかった ② 第 2 回 看護を熱く語る会 日時:2019 年 2 月 2 日(土) 場所:千葉商工会議所 研修室 A 第 1 部 講演 地域の中でお互いの力を活かす看護 ~H30 年度の診療報酬により病院と地域の連携はどうなった?~ 講師 茨城県立中央病院看護局長 角田直枝氏 第 2 部 グループワーク 病院・在宅の看護師が連携するために私たちが考える理想の看看連携構想 <交流会の概要> 参加者は、参加者は、合計 52 名(病院看護師 27 名 訪問看護師 21 名 教員 2 名 その他 2 名) 第 1 部は、角田直枝先生に、「地域の中でお互いの力を活かす看護~平成 30 年度の診療報酬により病院と地域の連携はどうなった?~」というテーマで、看 護局長という立場で地域に向けた活動について講義があった。また、平成 30 年 度に退院調整加算が取れるようになったが、現状の課題を ・相変わらず続き作業としての退院支援 ・退院支援部門と病棟の一体的に運用に課題、退院支援が作業になっている ・加算が算定できるから病棟看護師が訪問することにどのような意義があるの か自分たちが見えていないのでは ・入院時情報提供の報酬算定の困難さがあり、病院側には効果がみえない として、現在先駆的に行っている看看連携の動きや、病院看護師の訪問看護への 出向などの紹介があった。 第 2 部は、グループワークで、訪問看護師と病院看護師混合グループで語り 合った。診療改定があって変わったことや、地域と病院看護師同士でどのような ことで困っているのか等について話し合い終始活発な意見交換となった。 アンケート結果参照). 9.

(10) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. 10.

(11) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. <アンケート結果> 問 1.交流会をどこで知ったか. 3. 11. 11. 27. Facebook. 自施設職員からの紹介. 他施設職員からの紹介. その他. 問 2.交流会の希望の時間帯 11. 48. 土曜日. 日曜日・祝日. 平日就業後. その他. 問 3.交流会の時間配分 0 0. 48. 丁度良かった. もう少し余裕が欲しい. 少しタイトでも構わない. その他. 11.

(12) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. 問 4.角田直枝先生の講義について 0. 0. 0. 6. 41. 非常によかった. よかった. どちらでもない. あまりよくなかった. 非常によくなかった. 問 5.今後の交流会参加の意向 0 14. 32. ぜひ参加したい. 都合があえば参加したい. 参加したくない. 自由記載(抜粋) ・共通のコミュニケーションがあるとよい ・看護サマリー、退院前カンファレンス等でお互いに必要な情報を理解し提供し 合うことが必要 ・病院は治療、在宅は暮らしの場所であることを理解し、それぞれの看護師の立 場を理解することが大切 ・病院内、ステーション内それぞれの組織の中での連携も重要になる ・病院、地域の看護師同士の連携を取ることで、看護師の役割を明確にでき、地 域の中での多職種連携が更に深まっていく ・同じ看護師でも、立ち位置が異なることによる考え(体験)の違いなどを共有 できてとても有意義でした。色んな立場の人の経験が聞けました。ポジティブ シンキングします 12.

(13) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. ・同じ看護職でも立場が違う所で、お互いの意見がきけて良かったと思う ・たくさん情報をもらいました ・年齢も色々な方の意見を色々と聞けて良かった ・時間が足りないくらい沢山お話が聴けました ・本音でいろいろ話し合えて楽しい時間になりました。学びはもちろんこの会に また来たいと思いました ・話し合うなかで、明日からできることが見出せました。可視化やってみます ・ファシリテーターの方が入って下さったのでスムーズに GW ができたと思い ますし、他メンバーの意見も聞くことができました ・本日初めての出席でしたが本日の様な内容(講演とグループワーク)が良かっ たと思います ・今、看護を語れる仲間が職場にいないので、今日はたのしかったです ② 第 3 回 病院と地域の看護師間の連携を深めるプログラム 日時:2019 年 6 月 23 日(日)13:30~16:30 場所:船橋市保健福祉センター大会議室船橋市保健福祉センター大会議室 第1部 講演 看護の新しい価値を見つけよう~枠にとらわれない自由な発想で~ 講師 東京医療保健大学 副学長 坂本すが 氏 第 2 部 交流会 新しい看護の価値を考えよう! ~楽しいワークショップもあります!~ <交流会の概要> 参加者は、合計 48 名(病院看護師 27 名 訪問看護師 20 名 教員 1 名 その他 2 名) 第 1 部は坂本すが先生から「看護の新しい価値を見つけよう~枠にとらわれ い自由な発想で~」をテーマに 1 時間の講義があった。看護の新しい価値 とは?これからの世の中はどうなっていくのだろうか?看護とは何か?私達は は何をめざし、何をなすべきか?を、坂本先生の経験をもとに話があった。 看護とは、生きる力を引き出すこと。また、これからの看護は見えていない自 分・見えていない看護を引き出すこと。これからの看護のポイントは“見えな い”ところにあると、具体的な事例や現状を話されて、参加者は、再度看護の 役割について感じ学ぶことがあった。 第 2 部は、坂本先生の話をうけて、「新しい看護の価値を考えよう!明日から 13.

(14) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. の私たちの取り組み」をテーマに、交流会で感じた事、新たに思ったことを語 り、また数回参加された方は、交流会を通して変化したことはあるか、話をし てもらった。その後、10 分間個人作業で今後自分が取り組んでいきたいことを 紙に書いてもらい、その後グループで発表をした。発表後には「がんばれ」を 込めて拍手やエールを送り合っていた。最後に感想を 3 人の参加者に述べても らったが、「看護とは何かを考えさせられた」「最近、忙殺されて忘れていた大 切なものに気づいた」等意見があった(感想はアンケート参照)。. 14.

(15) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. <アンケート結果> 問 1.交流会をどこで知ったか. 4. 11. 4. 自施設職員からの紹介. 他施設職員からの紹介. 問 2.交流会の希望の時間帯. 5. 6. 3. 7. 初めて. 2回. 3回. すべて. 問 3.交流会の時間配分 00 1. 20. ちょうどよかった もう少し余裕のある時間配分にしてほしかった もう少しタイトな時間配分でも構わなかった もう少しタイトな時間配分でも構わなかった. 15. その他.

(16) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. 問 4.坂本すが先生の講義について 0. 0 0 2. 19. 非常によかった. よかった. どうちらでもない. あまりよくなかった. 非常によくなかった. 問 5.今後の交流会参加の意向 0 3. 14. ぜひ参加したい. 都合があえば、参加したい. 参加したくない. 問 6.交流会に参加されてご自分の中、若しくは仕事場で変化はありましたか? (複数回参加している人に). 1. 17. あった. なかった. 16.

(17) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. 自由記載 ・考え方を変える。知りたいことがあるなら、自分から発信していく ・人の心に働きかけられる看護が重要なことを学んだ ・他施設の状況をきいて方向性を考えることができた ・自分の心が少し楽になった。皆さんも同じ悩みや疑問を持っていることがわか ったり、自分が行っていることが間違いじゃないことがわかったから ・明瞭で、気持ちが晴れ晴れしました ・時間が短く感じました ・看護とは・・を新しい目線で考えられた。自分自身の看護の力を引き出せる方法 をみつけることが出きた・・・ ・坂本先生の話も勉強になり、また自由に話せる時間もあったので、満足しまし た ・気軽に話せるネットワーク作りも引き続き継続していけたらと思います ・同じ悩みや不満があり、自信やモチベーションにつながりました ・他の職種や、立ち場が違う NS の輪はとても大切だと感じました ・1 回目→2 回目→3 回目とつながりのある会だとよいと思いました。課題→解 決策をみつけていく感じ <全 3 回を通して> 全て参加の人数は 21 人だった。 2.「病院と地域の看護師間の連携を深めるプログラム」の評価 ①対象者の属性 退院調整看護師 5 名. 訪問看護看護師. 5名. <退院調整看護師の概要> 年齢. 性別. 看護師歴. 退院看護師歴. 訪問看護師歴. 病床数. 平均在院日数. 退院支援担当人数(前月). A. 35 歳. 女. 13 年. 1 年 6 ヶ月. なし. 810 床. 12 日. 15 名. B. 39 歳. 女. 16 年. 2 年 10 ヶ月. なし. 464 床. 16 日. 80 名(病院全体). C. 52 歳. 女. 28 年. 5年. 7年. 501 床. 11 日. 無回答. D. 34 歳. 女. 12 年. 3 年 8 ヶ月. なし. 451 床. 11 日. 無回答. E. 42 歳. 女. 18 年. 6年. なし. 785 床. 無回答. 無回答. 17.

(18) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. <訪問看護師の概要> 年齢. 性別. 看護師歴. 退院看護師歴. 訪問看護師歴. ステーションの特徴. F. 40 歳. 女. 18 年. なし. 9 年 9 ヵ月. 成人中心で医療依存度が高い。看護体制強化加算Ⅱ. G. 41 歳. 女. 20 年. なし. 5年. 利用者 200 名。看取り率 51.5%。ターミナル中心. H. 54 歳. 女. 5年. なし. 5年. 医療:介護=1:3. I. 49 歳. 女. 21 年. なし. 4 年 8 ヶ月. 主に成人. J. 45 歳. 女. 22 年. なし. 6年. 小児、精神、ターミナル対応. 介護予防に力を入れている. ②インタビューガイド 1 回目 退院調整看護師(5 名参加) 1.退院時の患者の情報はどこまで(何が)必要だと考えて訪問看護に引き継 いでいますか 2. 訪問看護師と連携する際に、「こうしてもらえるとスムーズだ」「病院のこ ういうところを理解してほしい」等あれば教えて下さい 3. 退院調整をする際に、なかなかスムーズに退院できないケースはどんなケ ースですか?また、カンファレンス後に打ち合わせと違う状況に患者がな った場合、どのようにして訪問看護師と連携していますか? 訪問看護師用(3 名参加 F と J 欠席) 1. 退院時の患者の情報はどのような内容が含まれると在宅ケアで役立てるこ とができますか? 2. 退院調整が長引いてカンファレンス時と状況が変わることがあるというこ とだが、病院ではどこまでの調整をして欲しいですか?また、どのような患 者だったら早めに帰すことができて、どのような患者だったら調整を丁寧に する必要があると思いますか? 3. 病院の看護師と連携する際に、どのようなことが整っていたら安心できま すか? 2 回目 退院調整看護師(5 名参加)・訪問看護師(5 名参加)共通 ・1 回目のインタビューに追加することはないですか 自由に話をしてください ・プログラムを受けてからの変化はあったかを教えて下さい. 18.

(19) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. 3 回目 退院調整看護師(5 名参加)訪問看護師(4 名参加 J 欠席)共通 ・3 回のプログラムを受けて、変化はありましたか ・今後、病院看護師、訪問看護師が地域で連携するためにどのような 事が必要となると思いますか ・最後のインタビューなので、言いたかった事などあれば話してください. ③3 回のフォーカスグループインタビューの結果 1 回目は、今までお互いの連携を通しての話が多く、退院調整看護師は訪問 看護師との連携で困ったこと、訪問看護師は病院看護師との連携で困ったこと を忌憚なく語ってくれた。2 回目、3 回目は、現状の課題は継続して語り合わ れたが、徐々に改善策や自分たちの行動変容に話が出てくるようになった。3 回を通して、病院看護師と訪問看護師の連携を深めるために、以下の A. 現状 の課題と B.今後の対策をあげて語ってくれた。 A.現状の課題 現状の課題については、 【お互いの状況を理解していない】 【連携手段が分から ない】 【各施設内の看護師に温度差がある】 【お互いに知りたい情報共有ができて いない】4 つのカテゴリーがあがった。 【お互いの状況を理解していない】 退院調整看護師は、訪問看護師に対して患者が揺れている時に、その時々で 対応をして欲しいのに、細かく指示を欲しがり医師も引くときがあった。また、 訪問看護師も退院調整看護師に報告をした時に「そういうのは良いです」と言 われ落ち込んだことがあった。それぞれの看護師たちがお互いのことを「怖い」 という言葉で話した。また、退院調整看護師はそのように感じた時、次に新規 の依頼をするときに、そのステーションに頼みにくいという意見があった。 【連携手段が分からない】 主に、訪問看護師が語った。酸素を利用している方の受診時、酸素ボンベを どの位持っていけば良いのかをどこに相談したら良いのか。日々の患者の細か い対応をどのようにしたら良いか迷っていた。また、病院医師と訪問診療医で 主治医が二人いる場合、どのように連携したらよいのか病院の看護師に聞いて もなかなかスムーズに連携がとれないことがあった。. 19.

(20) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. 【各施設内の看護師に温度差がある】 主に、退院調整看護師が語った。病院の中で退院調整看護師は少数派なので、 病棟看護師に退院調整の役割を理解してもらえない。退院時に様々な対応を お願いしても理解していないので、結局在宅側に迷惑をかけることがある。な ど病院内での温度差があると語った。訪問看護師の中には、所長がすべての退 院前カンファレンスに行くので行ったことがないという者もいた。また、両者 とも医師との関わりを通して連携が困難になることもあることを語った。 【お互いに知りたい情報共有ができていない】 訪問看護師は、患者の今までの生活状況や今後の病状の事など、意思決定 がどこまで行われているか知りたいが、行われた治療等だけで、具体的な事 が書かれていないという話があった。また、退院調整看護師も色々と在宅が 知りたい内容を伝えたり書いたりしているが、カンファレンスの時には聞か ないで、退院後に聞いて来たりするため、知りたい情報を教えて欲しい等の 発言があった。 B.今後の対策 今後の対策については、A.課題で述べた事に対比していることが多く、」 【ポ ジティブフィードバックをする】 【違う立場の看護師の状況を理解する】 【自施 設以外の外に出て、自分の看護の振り返りをする】【お互いに知りたい情報共 有ができる】の4つが挙げられた。 【ポジティブフィードバックをする】 訪問看護師からは、 『時々病院の看護師と話す時に、 「この前の対応とても良 くて・・・」とか褒めてもらうと、「よし!またやろう!」とおもってしまい ますね・・・。 』また、退院調整看護師からは、 『退院後、訪問看護師から順調 に生活できている報告を受けると、自分たちの調整で良かったと振り返るがで きる。』とお互いに良いフィードバックを受けることが日々にケアへの自信に つながることが分かった。 【違う立場の看護師と話をする機会をつくる】 「今回のように、何度か顔を合わせて話す機会があると「そうだったのか」 と思う事もある。」「初めて他の病院の退院調整看護師と話をすることができ て、自分たちがやっていることに間違いはなかったと思うことがあった」 「病 院と地域の看護師同士だけの話し合いって、今回が初めてのような気がする」 等、違う施設で働く看護師同士が現状どうしているのかをフランクに話し合 20.

(21) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. い共感し合えるような機会を持つことを希望していた。 【自施設外に出て、自分の看護の振り返りをする】 退院調整看護師は、 「退院後訪問に診療報酬がついて、自宅に行けるように なって、スタッフが在宅のイメージがついたと思うことがある。」 「退院後訪問 や訪問看護ステーションに研修に行くと、在宅での生活を見て自分たちの調 整に必要なことが分かることがある」。訪問看護師は、 「研修で他の訪問看護ス テーションに行くと、自分たちの行っていることが間違いじゃないんだと思 えることがある」等、自施設外に実際に行くことで自分達の見解が広がった経 験を話して今後は、お互いの交換研修をしたらいいのではというような意見 もあった。 【お互いに知りたい情報共有ができる】 「知りたい情報が違うことがあるから、お互いに知りたいことを出して共通 シートを一緒に作ってもいいかも」とお互いの情報共有を有効にしていくと いう意見もあった。また、実際に退院前から病院に行って、在宅でのケア方法 を病院看護師と一緒に行い、必要な情報共有を行っている訪問看護師もいた。 Ⅳ.今後の取り組み 「病院と地域の看護師間の連携を深めるプログラム」を通して、千葉県下 の病院看護師、訪問看護師、教員等、様々なフィールドの看護師同士が顔を 合わせて本音で語りあう機会ができて、概ねアンケート結果も好評で、今後 も継続して欲しいという意見が多かった。また、プログラムに参加可能の退 院調整看護師と訪問看護師をそれぞれに分け、フォーカスグループインタビ ューを行う事で、より具体的な現状の課題と、今後の対策を明らかにするこ とができた。この結果を踏まえて、今後も、看護師同士の語る場を継続して 行う必要があると考えている。 共同研究者との話し合いを通して、今回の様に講師を呼んでホームページ を利用して広報しながら看護師を集める会を 1 年に 1 回。また、小さな話し 合いや事例検討を年に数回行っていくことを決めている。また、病院看護 師、訪問看護師の混合での合宿、認定看護師・専門看護師などの専門家を呼 んでの相談会等、今後も企画運営していこうと検討中である。 Ⅴ.おわりに 今回、病院看護師と訪問看護師との連携を図るためにプログラムを行った が、日頃同じ患者に関わり合う看護師同士の連携の重要性が分かった。今後 21.

(22) 2018 年度 在宅医療助成 勇美記念財団. もこの連携を継続していくことで、看看連携が深まり、より多職種連携の強 化にも繋がっていくと考える。また、看護を語り合うことが看護のやる気に 繋がることも分かり、熱い想いを持った看護師のやる気が持続できるように 看護師同士の共感し合える場を今後も提供していきたい。. この研究プログラムは、公益在宅法人在宅医療助成勇美記念財団の助成により 行われた. 共同研究者 佐々木 ゆかり 佐藤 知子 林 弥生 大桐 四季子. 船橋市在宅医療支援拠点 順天堂大学浦安病院 東邦大学医療センター佐倉病院 ふたわ訪問看護ステーション. 研究指導者 角川 由香 磯貝 咲子. 東京大学医学系研究科 コミュニティホームみさき. 22.

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