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Academic year: 2021

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P-47

1984 年長野県西部地震域周辺での自然電位観測(序報)

○ 吉村令慧・山崎健一 御嶽山南東麓の長野県王滝村周辺は、群発的地 震活動が活発な地域である。同地域周辺では、 1976 年に群発的地震活動が開始し、1984 年には 長野県西部地震(M6.8)が発生(図参照)、それ 以後も活発な地震活動が継続している。特に震源 断層北東端付近では、近年M4 クラスの中規模地 震(2002 年 12 月 4 日 M4.7、2003 年 5 月 18 日 M4.9)が頻発している。また、1979 年 10 月には、 御嶽山南西の山腹で水蒸気爆発が発生している。 木股他(2003)は、この地域で 1999 年より繰 り返し水準測量を実施し、顕著な地表面の隆起を 検出した。予備的解析によると、この隆起は御岳 湖の北約5km(図参照)、深さ約 2km に圧力源を 考えることで説明可能であることが示され、その 位置はKasaya et al. (2002) が広帯域 MT 探査に より推定した低比抵抗領域に驚くべき一致を示 している。これらの結果より、低比抵抗領域には 流体が存在し、その供給・流動に伴い圧力が増加 し、当該地域で地殻変動・地震活動を励起してい る可能性が強く推察される。 このような流体の移動を確認する有効な手段 の一つとして、自然電位観測が挙げられる。自然 電位測定は、熱水対流系、あるいは地下水の流動 を推定する目的で、火山、地熱地域、断層周辺な どでしばしば実施される物理探査である。地下で の流体流動が存在すれば、界面導電現象により電 位が発生し(例えば石戸他、1997)、地表で自然 電位異常として捉えられることが期待される。 本研究では、木股他(2003)により推定された 圧力源を中心として、地表の自然電位分布を広範 囲・高密度で調査し、電位異常の有無、ならびに ソースの位置・強度の推定を行い、この地域の流 体流動を考察することを目指している。調査は現 在進行中であるが、本発表では、2003 年 7 月 25 日~8 月 4 日の期間に実施した自然電位観測の概 要・予備的な解析の結果を報告する。また、今後 の観測・解析計画を紹介する予定である。 図:2003 年に実施した自然電位観測の測線を示 す。図中には、木股他(2003)により推定され た圧力源の水平位置(灰色の丸印)、ならびに 1984 年長野県西部地震の震央(赤色の星印)を 示している。(国土地理院2万5千文の1地形図 に加筆。) 今回の自然電位観測は、測線長約30km の図に 示した領域で測定を実施した。電極は銅‐硫酸銅 電極を用い、測定間隔100m でのいわゆる“尺取 虫方式”を採用している。

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