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国際的な規制改革の全体像について

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Academic year: 2021

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(1)金融規制改革と市場. 国際的な規制改革の全体像について 翁 百 合 目 1.はじめに 2.バーゼルⅢ―自己資本比率規制の一層の強化― 3.破綻処理制度の整備とTLACの導入. 次 4.銀行の業務範囲規制の強化 5.シャドーバンキングの規制強化 6.国際的な金融規制改革の評価. 世界金融危機後7年が経過した現在もなお、国際的に規制強化が進んでいる。銀行の自己資本比率規制等の一 層の強化、G-SIFIsの破綻処理を可能とする制度の整備、銀行の業務範囲規制強化、シャドーバンクへの規制強 化等である。全体として、リスクテイクを直接制限したり、画一的な規制が強化される方向にあり、金融機関の 経営環境の不確実性拡大や経済成長への制約、金融機関のインセンティブの歪み、市場取引や市場流動性へのネ ガティブな影響などの副作用も懸念される。今後規制の全体像を視野に入れた十分な検討が望まれる。. して金利リスク規制が強化されようとしている。. 1.はじめに. これらの動きは、欧米のみならず日本の金融機関. 2008年9月15日に起こったリーマンブラザー. の経営や金融市場にも大きな影響を及ぼしつつあ. ズ証券破綻に伴う金融危機は、世界経済に深刻な. る。本稿では、いわゆるリーマンショック以後の. 影響を与えた。この危機を契機として、 10年以降、. 金融規制改革について、最近の動きをフォローし. 国際的に様々な金融規制の強化が進んだが、15. て全体像を整理するとともに、現段階でその評価. 年現在においても、国際的なレベルでも、また欧. を試みることとしたい。. 米など国レベルでも、 更に規制強化が一段と進行、 具体化しようとしている。例えば、最近ではグロ ーバルに重要な銀行に対して、破綻時に損失を吸 収する債券の発行を義務付ける規制が公表された 他、16年にかけては国際的に活動する銀行に対. 2.バーゼルⅢ―自己資本比率規制の 一層の強化― 国際的な規制強化の流れは4種に大別できる。. 翁 百合(おきな ゆり) 1982年慶應義塾大学経済学部卒、84年同大学大学院経営管理研究科修士課程修了。京都 大学博士(経済学)。84年日本銀行入行。92年日本総合研究所、2014年より同研究所副 理事長(現在に至る)。14年より、慶應義塾大学特別招聘教授兼任。主な著書に、 『金融 危機とプルーデンス政策』(日本経済新聞出版社 2010年)等。. 6. 証券アナリストジャーナル 2016. 2.

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