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ラットにおける妊娠時1,5-anhydroglucitol (1,5-AG)の変動 : 第2報 14C 標識1,5-AGを用い正常ラット妊娠経過に伴う1,5-AGの母体内分布と胎仔相関

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原 著 〔東女医大誌 第63巻 第2号頁196∼201平成5年2月〕

ラットにおける妊娠時1,5−anhydroglucitol(1,5−AG)の変動

第2報 14C標識1,5−AGを用いた正常ラット妊娠経過に伴う

1,5−AGの母体内分布と胎仔相関

東京女子医科大学 第三内科学教室(主任         モリ    タ     ユウ    コ         森  田  祐 子 大森安恵教授) (受付 平成4年10月24日) Fetal alld Maternal 1,5・Anhydroglucito1(1,5・AG)in Pregnant Rats    Part H:Distdbution of 1,5・AG in Nomlal Pregnant Rats・          Yuko MORITA Department of Medicine III(Dir㏄tor:Prof。 Yasue OMORI)       Tokyo Women’s Medical College   In succession to the first report, to clarify the reason why serum 1,5−anhydroglucito1(1,5・AG) decreases in pregnant women, distribution of 1,5・AG in normal pregnant rats was observed with 14C・1,5・anhydroglucito1(14C・AG).   Normal pregnant Sprague・Dawley rats on the 10th(n=7)and 20th(n=6)days of gestation were injected with 14C・AG痂αjugular vein. Normal non・pregnant Sprague−Dawley rats(n=4)were used as contro1. After this treatment several organs and tissues were removed from the animals. Then radioactivities were measured and recoveries of 14C・AG were calculated for each of the organs and tlSSULes.   In normal non・pregnant rats, the recovery of 14C−AG in uterus and fetus was O.2±0.01%(mean± SD)..In normal pregnant rats on the 10th and 20th days of gestation, it was O.5±0。3%and 16.7±2.3%respectively. The recovery of l4C・AG in uterus and fetus in normal pregnant rats on 20th day of gestation was significantly higher than that in non−pregnant rats and pregnant rats on 10th days of gestation. In other organs and tissues there were no differences between non・pregnant rats and pregnant rats.   These data suggest that in pregnant rats 1,5・AG transfers across the placenta from mother to fetus. This might be one of the causes of the decrease in serum 1,5−AG during pregnancy.        緒  言  1,5−anhydroglucitol(以下1,5−AGと略す)は非 妊娠時血糖コントロールの指標として用いられて いる.しかし,妊娠時には妊娠と同時に急速な低 下を示すため,血糖コントロールの指標には用い られないD2).  第1報で,ラットにおいてもヒトと同様に正常 妊娠時,血中1,5−AGが低値を示すことを明らか にした.  本研究では,妊娠時に血中1,5−AGが三値を示 す理由を明らかにするため,14C標識1,5−AGを用 いて正常ラットにおける1,5−AGの胎盤通過性お よび母体内と胎児の分布について観察した.         実験動物および方法  1.実験動物

 未経産,8∼10週齢,体重180∼220gの雌性

(2)

Sprague・Dawley(以下SD)系ラットをCRF−1(オ リエンタル酵母)の同一飼料下で1週間飼育した 後,雄性SD系ラットと交配させ正常妊娠ラット を作製した.  コントロールとして,非妊娠ラットを用いた.  2.方法  妊娠8日目のラット(n=7),妊娠18日目の ラット(n=6)に対し,14C標識1,5−AGを投与 し,各・々妊娠10日目と妊娠20日目における,14C標 識1,5−AGの体内分布を測定した.コントロール として,非妊娠雌性ラット(n=4)における14C標 識1,5−AGの体内分布も同様に測定した.  正常妊娠ラットは非妊娠時,妊娠中とも1∼2 日毎に血糖と体重を測定した.14C標識1,5−AG は14C標識グルコースを出発物質として赤沼らが 合成したものを用いた.14C標識1,5−AGは生理食 塩水に86,615μCi/mlの濃:度で溶解し,ネンブ タール麻酔下で,頸静脈よりシリンジで6μCi注入 した.  14C標識1,5−AGを投与したラットを,1匹ずつ 代謝ケージ(metabolic cage CT10・S:日本クレ ァ)で48時間飼育し,ネンブタール麻酔下で,大 動脈を切断して採血,脱血死させた.直ちに,肝 臓・腎臓・膵臓・脾臓・心臓・肺・胸腺・胸骨下 部の軟骨および全脳を摘出し,腹腔内後壁の脂肪 と大腿部の筋肉の一部を採取した.  非妊娠ラットは子宮を全摘出し,妊娠10日目と 20日目のラットについては,胎仔胎盤を含んだま ま子宮を摘出した.  尿と糞は各々への14C標識1,5−AGの排泄を測 定するため別々に採取した.  飼料からの1,5−AGの影響をみるため,飼育期 間における飼料摂取量を測定した.  採取した各組織および臓器は,14C標識1,5−AG の放射活性を測定するため亀谷ら3)の方法に従い 下記のような処理を行った.  1)尿  48時間蓄尿した尿は,尿量を測定し,0。1mlをガ ラス製バイアルビンに取り,溶解液(Soluene

350;PACKARD社)1.Om1を加えて,45℃恒温

槽内で振撮させ,12時間incubateした.その後, 液体シンチレーター(Hionic Flour:PACKARD 社)10mlを加え,24時間室温放置し,放射活性を 測定した.  2)糞  48時間採取した糞は,秤量後,蒸留水50mlを加 え,更にホモジナイザー(POLYTRON PT 10) にて溶解させた.溶解液1mlを加えて,45℃恒温槽 内で2時間振猛させた後,イソプロピルアルコー ル0.2mlおよび過酸化水素0.2mlを加え,10分間 室温放置した.その後,2時間45℃恒温槽内で振 渥させた.更に,蒸留水2mlと液体シンチレーター 10m1を加え,24時間室温放置し,放射活性を測定 した.  3)血液  血液は0.1mlをガラス製バイアルビンに取り, イソプロピルアルコール0.5mlと溶解液0.5m1を 加えて,45℃恒温槽内で30分間振回させた.その 後,過酸化水素0.5m1を加えて,10分間室温放置 し,放射活性を測定した.  4)肝臓・腎臓・膵臓・脾臓・心臓・肺・胸腺・ 胸骨下部の軟骨および脳  肝臓・腎臓・膵臓・脾臓・心臓・肺・胸腺・胸 骨下部の軟骨および脳については,秤量後100mg 以下の切片に切断した.各切片をガラス製バイア ルビンに取り,溶解液1.Omlを加えて,45℃恒温槽 内で12時間振回させた.その後,液体シンチレー ター10mlを加え,24時間室温放置し,放射活性を 測定した.  5)子宮および胎仔  非妊娠ラットの子宮については,秤量後20mlの 蒸留水を加えてホモジネートし,糞と同様の処理 を行い放射活性を測定した.  妊娠ラットについては,子宮と子宮内の胎仔・ 胎盤・羊水を一緒にホモジネートし,同様の処理 を行った.  放射活性は,β線シンチレーションカウンター (LSC−3500型:Aloka)で測定し,各臓器および組 織への14C標識1,5−AGの回収率を計算した.  14C標識1,5−AGの回収率については次の計算 式によって算出した.

(3)

回収率(%)ま      14C標識1,5−AG投与量(dpm)  但し,脂肪,筋肉および血液の総重量について は,非妊娠ラットにおける,重量/体重(%)の値 を用い1),脂肪5.0%,筋肉40.0%,血液6.4%とし て算出した.  3.統計処理  有意差検定には,Kruskal−Wallis検定, Mann −Whitney検定を用いた.          結. 果  1.各群における母体体重  各ラットとも妊娠後体重は順調に増加し,処置 時の平均体重は,非妊娠ラット212.0±20.2g (mean±SD),妊娠10日目のラット259.6±22.8g, 妊娠20日目のラット307.8±50..7gであった(表 1).  2.血糖値  飼育開始から処置までの血糖値は,非妊娠ラッ ト.で60∼150mg/d1,妊娠10日目に処置したラット で70∼150mg/dl,妊娠20日目で処置したラットで 50∼150mg/dlを推移した. .処置時の平均血糖値は,非妊娠ラットで128.5±

18.1g(mean±SD),妊娠5日目のラットで

116.6±16.Og,妊娠10日目のラットで94.0.±12.4 gであった.妊娠20日目のラットでは,非妊娠ラッ トと比較して,血糖値は有意に聖旨を示した(p< 表1 実験動物 妊娠日数 n(匹) 体  重@(9) 血糖値img/dl) 胎仔数@(匹) 胎仔重:量@(9)  非妊娠 D娠10日目 D娠20日目 476 212.0±20,2 Q59.6±22.8 R07.8±50.7 128.5±18.1 P16.6±16.0 X4.0±12.4  一 P3.4±4.4 P2.6±2.3   一 Z.13±0.02 S.94±0,18        mean±SD 正常ラットにおける非妊娠,妊娠10日目,妊娠20日目 の体重,血糖値,胎仔数,胎仔重量. 妊娠20日目のラットにおいて,血糖値は非妊娠の ラットと比較して有意に低値を示した(p<0.01). r%♪ 100  80 回 収60 率40  20  0 1.尿

;量倉

    △ r%ナ 100    農・・ 率40  20  0 2.筋肉

轟毒蛋

r%ノ  50   む 腰・。 率20  10  0 3,子宮&胎仔

非妊娠 妊娠,O日妊娠20日 r%♪  20  15 回 目10 率  5  0 非妊娠  妊娠1β日 妊娠2D日 非妊娠 妊娠10日妊娠2D日 4,血液

瀞墨田

非妊撫妊娠10日妊娠20日 で%,  20  15 回 収10 率  5  0 5.肝臓

・ゆ瀞蟻

非妊娠 妊娠,0日費…娠20臼 (魏 回15 肇1。  5  0 6.腎臓 ●Jb ooび∫や 非妊娠 妊娠10日妊娠20日 で制  20  15 目  10 率  5 o 7.膵臓 非妊嬢 妊娠10日妊娠20日 r%♪ 20  15 回 収10 率  5 0 8,脾臓 非妊娠 妊娠10日妊娠20日 ‘薮1 回15 暴1・  5  0 9.心臓 非妊娠 妊娠10日妊娠20日 r%,  20 ‘  15 回 収10 率  5 o 10,肺 非妊娠 妊娠10日妊娠20日 ぐ%♪  20 回15 呈1・  5  0 嘩で..

ケ腺

非妊娠 妊娠10日妊娠20日 r%,  20 回15 肇1。  5  0 12.脳 で%♪  20 回15 肇1・  5  0 招.軟骨 ‘%♪  20 回15 肇1・  5  0 .14.脂肪 非妊娠 妊娠10日妊娠20日 ‘%♪  20 回15 畢1。  5  0 非妊娠 妊娠↑O日姪娠20日 非妊娠 娠娠10日妊娠20日 15.糞 非妊娠 妊娠10日妊娠20日   図 正常ラットにおける妊娠経過に伴う14C標識1,5−AGの臓器・組織別の回収率の変化 ●:夢ド女壬娠ラッ ト, ○:女壬娠10日目ラッ ト, △:女壬娠20日目ラッ ト, *:p<0.01. 子宮および胎仔の回収率は,妊娠20日目で非妊娠および妊娠10日目のラットと比較して,有意に高 値を示した.

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0.01)(表1).  3.14C標識1,5−AGの回収率(%)  正常ラットの非妊娠,妊娠10日目,妊娠20日目 における各組織および臓器別の14C標識1,5−AG 回収率を図に示した.  正常非妊娠ラットでは,筋肉の回収率が26.1± 5.1%(mean±SD)と最大であり,次いで尿18.7± 8.8%,血液4.2±0.7%,肝臓2.5±0.5%の順で大 きな回収率を示した.他の臓器の回収率は0.004 ∼0.7%に分布していた(表2).  正常妊娠10日目のラットにおいては,回収率が 最大であったのは筋肉であり26,0±6.6%であっ た.次いで尿24.5±6.6%,血液4.9±1.1%,肝臓 3.4±0.7%の順であった.非妊娠ラットと同様, 尿と筋肉への回収率は,他の臓器および組織に比 べて非常に大ぎかったが,他の臓器への移行は少 なく0.005∼1,0%であった.胎仔および子宮への 移行も特に大きくなかった(表3).  正常妊娠20日目のラットにおいては,筋肉への 回収率が28.4±6.2%と最高であり,尿19.0± 7.5%,次いで子宮および胎仔16.7±2.3%と大き な回収率を示した.続いて血液5.0±1.3%,肝臓 3.4±0.7%の順で,他の臓器への移行は妊娠10日 目と同程度であった(表4).  4.飼料よりの1,5−AG摂取量  48時間の飼料よりの1,5−Aの摂取量は,非妊娠 ラットで142±53.2μg(mean±SD),妊娠10日目 のラットで196.7±36.8μg,妊娠20日目のラット で179,6±80.2μgであり,各群で差は認められな かった.  5.回収率の妊娠経過に伴う変化  各臓器および組織別に,妊娠に伴う14C標識 1,5−AGの回収率の変化をみると,子宮および胎 仔への回収率が,妊娠20日目で非妊娠および妊娠 10日目のラットと比較して,有意に高値を示した (p<0.01).非妊娠および妊娠10日目,妊娠20日目 表2 正常非妊娠ラットにおける組織・臓器別14C標識1,5−AGの放射活性   および回収率        n=4 組織および臓器 重  量@(9) 重量/体重 @(%)  放射活性idpm/9)×10−3 回収率@(%) 1.尿 12.3±6。3 6.1±2.3 164.0士80.8 18.7±8.8 2.筋肉 84.8±8.1 40.0   ※ 44.5±11.9 26.1±5.1 3.子宮&胎仔 0.37±0.04 0.2±0.1 74.4±9.6 0.17±0.01 4.血液 13.6±1.3 6.4   ※ 44.3±9.9 4.2±0.7 5。肝臓1 8.7士1.1 4.1±03 41.7±9.4 2.5±0.5 6.腎臓 1.6±0。2 0.8±0.1 60.3±24.0 0.7±0.2 7.膵臓 0.6±0,1 0.28±0.03 29.8」=8.1 0.12±0.02 8.脾臓 0.5=ヒ0.1 0.25±0.05 40.7±11.0 0.12±0.02 9.心臓 0。72±0.05 0.34±0.02 36.2±13.8 0.16±0.03 10,肺 0.9±0.1 0.44±0.02 45.9±9,0 0.30±0.04 11.胸腺 0.4±0.1 0,2±0.1 38.5±8.9 0.12±0.03 12。脳 1.6±0.1 0.8±0.1 24.6±4,2 0.3±0.1 13.軟骨 0.018±0.009 0.008±0.005 42.2±22.6 0.0043±0.0005 14.脂肪 10.6±1.0 5.0   ※ 5.0±0.8 036±0.03 15.糞 4.6±3.0 2.1±1.4 18.8±10.0 0.5±0.1       mean±SD 回収率が最大であったのは筋肉であり,次いで尿血液,肝臓の順で大きな回 収率を示した.

(5)

表3 正常妊娠10日目ラットにおける組織・臓器別’4C標識1,5−AGの    放射活性および回収率 n;7 組織および臓器 重  量@(9) 重量/体重@(%)  放射活性idpm/9)×10−3 回収率@(%) 1.尿 19.4±6.2 7.6±2.8 134.5±75,0 24.5±6,6 2.筋肉 103.8±9.2 40,0   ※ 32.4±10.7 26.0±6.6 3.子宮&胎仔. 1.8±0.5 0.7±0.2 38.9±20.2 0.5±0.3 4.血液 16.6±1.5 6.4   ※ 37.9±11.3 4.9±1.1 5.肝臓 13.0±1.3 5.0±0.2 33.5±8,5 3.4±0.7 6.腎臓 2.1±0.2 0.8±0.05 42.5±17.0 0.7土0.2 7.膵臓 0.9±0.2 0.3±0.1 24.0±8.5 0.2±0.1 8.脾臓 0.7±0.2 0.4±0.2 32.8±9.0 0.2±0.1 9.心臓 0.9±0.1 0.33±0.02 29.1±10.5 0.2±0.1 10,肺 1.0±0.1 0.41±0.02 34,7±11.3 0.3±0.1 11.胸腺 0.5±0.1 02±0.1 30.4±6.0 0.13±0.04 12.脳 1,5±0.4 0.6±0.1 25.3±13.0 0.3±0.2 13.軟骨 0.03±0.01 0.008±0.003 16.2±3.9 0.004±0.002 14.脂肪 13.0±1.1 5.0   ※ 4.8±12 0.48±0.09 15,糞 10.6±3.2 4.1±1.4 10.0±4.6 1.0±0.3        mean±SD 回収率が最大であったのは筋肉であり,次いで尿,血液,肝臓の順で大きな回 収率を示した. 表4 正常妊娠20日目ラットにおける組織・臓器別14C標識1,5・AGの    放射活性および回収率 n=6 組織および臓器 重  量@(9) 重:量/体重 @(%)  放射活性 idpm/9)×10−3 回収率@(%) 1.尿 18.5±3.5 6.1±1.4 127.8±69.3 19.0±7.5 2.筋肉 123.1±20.3 40.0  ※ 28.2±6.4 28.4±6.2 3.子宮&胎仔 62.0±8.0 20.4±2.9 32.7±5.7 16.7±2.3 4.血液 19.7±3.2 6.4   ※ 30.4±5.5 5.0±1.3 5.肝臓 14.1±1.6 4.6±0.4 28.9±5.7 3.4±0,7 6.腎臓 1.9±03 0.6±0.1 31.5±10.9 0.5±0.1 7.膵臓 0.8±0.2 03±0.1 21.9±3.3 0.16±0.05 8.脾臓 0.6±0.1 0.22±0.05 28.7=ヒ5.5 0.16±0.03 9.心臓 0,81±0,05 0.27±0.05 26.2±5,4 0.18±0.03 10.肺 1.0±0.1 0.3±0.1 30.7±7.7 0.2±0.1 11.胸腺 0.3±0ユ 0.2±0.1 27.1±6.7 o.07±o.02 12.脳 1.5±0.4 0,5±02 23.0±6.3 0.3±0.1 13.軟骨 0,027±0.008 0,1±0.0 18.4±13.9 0.004±0.002 14.脂肪 15.4±2.5 5。0   ※ 3.3±1,3 0.4±0.1 15.糞 10.5±4.9 3,4±:1.5 13.9±4.2 1.1±0.4       mean±SD 回収率が最大であったのは筋肉であり,次いで尿,子宮および胎仔,血液,肝 臓の順で大きな回収率を示した.

(6)

のいずれの時期においても,筋肉と尿への回収率 は大きく,血液と肝臓への回収率も比較的高値を 示した.尿への回収率は,有意差は認められなかっ たが,妊娠10日目に増加し,妊娠20日目に減少す る傾向がみられた(図).          考  案  妊一時における血中1,5−AG低下の原因を解明 する一つの方法として,14C標識1,5−AGを用い, 正常妊娠ラットにおける妊娠に伴う1,5−AGの体 内動態の変化および胎盤通過性の検討を行った.  正常妊娠経過において,子宮および胎仔への14C 標識1,5−AG移行は妊娠20日目に著しく増大し た.  尿への1,5−AGの移行は対照非妊娠ラットの数 が少ないため有意差の検定はできないが,妊娠10 日目で増加し,20日目で減少する傾向を示した. ヒトにおける妊娠時の尿中1,5−AGの変化につい ては,佐中らが報告しているように,妊娠初期に 増加し,その後減少する傾向を示す1).今回の実験 で,妊娠ラヅトにおいてもヒトにみられる傾向と 同じ結果が得られた.このことから,妊娠10日目 の血中1,5−AG低下の原因としては,尿中への 1,5−AG排泄の増加が関与していると推測され た.また,佐々木ら4)も,妊娠時の血中1,5−AG値 とNAGが逆相関を示すことから,妊娠時の尿細 管機能異常が血中1,5−AG低下の要因の1つであ ると指摘している.  筋肉・血液・肝臓・腎臓・膵臓・脾臓・心臓・ 肺・胸腺・脳・軟骨・脂肪・糞への移行について は,明らかな変化は認められなかった.  第1報で述べたように,ラットにおいても正常 妊娠経過とともに血中1,5−AG濃度が減少するこ とを認めたが,血液をはじめ殆どの組織および臓 器での放射活性(dpm/g)も低下していた.このこ とは,胎仔の成長に伴い,母体中の1,5−AGが胎仔 へ移行したためと考えられた.  これらの結果より,母体から胎仔へ1,5−AGが

移行していることが証明され,妊娠時の血中

1,5−AG低下の一因と考えられた.更に,母体ラッ トが高血糖を示す場合の血中1,5−AGの妊娠時母 体内動態および胎仔との相関について観察中であ る.          結  語  母体血中1,5−AGが低下する原因について検:回 するため,14C標識1,5−AGを用い,ラット妊娠時 の1,5−AGの体内動態を明らかにした.  正常妊娠ラットにおいて,母体に投与した14C 標識1,5−AGは,子宮および胎仔へ移行し,妊娠20 日’目に最も強い移行を示した.  以上より,妊娠時の血中1,5−AG低下の原因の 1つとして,胎仔への1,5−AGの移行を実証した.  稿を終えるにあたり,御指導,御校閲を賜りました 大森安恵教授に深謝致します.また,日夜実験の御指 導を頂きました佐中真由実講師,嶺井里美学士に厚く 御礼申し上げます.14C標識1,5−AGを提供して頂きま した東京大学教養学部赤沼宏史教授,1,5−AGの測定 に関して御協力を賜りました日本化薬(株)藪内正彦 氏,亀谷俊一氏,高崎研究所の皆様に心から感謝致し ます.          文  献  1)佐中真由実,大森安恵,森田祐子ほか:糖尿病妊   婦におけるコントロール指標としての血中1,5−   anhydroglucitoL糖尿病 36:印刷中,1993  2)Omori Y, Sanaka M, Morita Y et al:Serum   1,5−anhydrog豆ucitol(1,5・AG)can not be used as   an index of diabetic control in pregnant diabet・   ic women, Excepta Medica(in press)  3)Kametani S, Hashimoto Y, Yamano腿chi T et   al: Reduced renalreabsorption of 1,5・   anhydro−D−glucitol in diabetic rats and mice. J   Biochem 102:!599−!607,1987  4)佐々木公則,石川睦男,西脇邦彦:正常および軽   度耐糖能異常妊婦における1,5・anhydroglucito1   (AG)低値の意義.産婦の世界 44:77−82,1992

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工場設備の計測装置(燃料ガス発熱量計)と表示装置(新たに設置した燃料ガス 発熱量計)における燃料ガス発熱量を比較した結果を図 4-2-1-5 に示す。図

1 100超え 191 75超え~100以下 233 50超え~75以下 267 20超え~50以下 186 10超え~20以下 129 5超え~10以下 145 1超え~5以下 51 1以下 1203 計 102.69

1 100超え 191 75超え~100以下 233 50超え~75以下 267 20超え~50以下 186 10超え~20以下 129 5超え~10以下 145 1超え~5以下 51 1以下 1203 計 102.69