Title
Clinical outcomes of combined anterior and posterior spinal
fusion for dystrophic thoracolumbar spinal deformities of
neurofibromatosis-1‒ Fate of non-vascularized anterior fibular
strut grafts( 内容と審査の要旨(Summary) )
Author(s)
岩井, 智守男
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学) 甲第895号
Issue Date
2012-09-12
Type
博士論文
Version
none
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/48041
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与要件 学位論文題目 審 査 委 員 岩 井 智守男(千葉県) 博 士(医学) 甲第 895 号 平成 24 年 9 月 12 日 学位規則第4条第1項該当
Clinical outcomes of combined anterior and posterior spinal fusion for dystrophic thoracolumbar spinal deformities of neurofibromatosis-1 – Fate of non-vascularized anterior fibular strut grafts
(主査)教授 飯 田 宏 樹
(副査)教授 星 博 昭 教授 松 岡 敏 男
論 文 内 容 の 要 旨
1 型神経線維腫症(以下 NF-1)における dystrophic type の脊柱変形は,短く急峻かつ進行性のカー ブ,骨破壊による骨減少,硬膜拡張や局所の脱臼・亜脱臼を伴い,偽関節も多いなど,そのコントロ ールは困難である。Dystrophic type の NF-1 では,生涯にわたる骨破壊により bone stock の減少が進 行性に持続するため,本症による脊柱変形の手術治療目標は脊柱変形の程度によらず,信頼性のある 前方支柱再建と全周性の脊柱の bone stock 増加におくべきである。言い換えれば,一旦,生じた変形 の矯正より骨量の多い強固な脊柱を再建し,潜在的脊髄損傷を予防することに主眼が置かれるべきで ある。 我々は dystrophic type の NF-1 に対し,上述のような目的で,遊離自家腓骨による前方支柱再建と 後方インストゥルメンテ−ションによる前後合併手術を行ってきた。Dystrophic type NF-1 の脊柱変形 に対する前後合併手術の長期成績,とりわけ再建した前方支柱の長期成績を報告した論文は数少ない。 本研究の目的は,dystrophic type NF-1 の脊柱変形に対する前後合併手術の長期成績を分析し,遊離 腓骨による前方支柱再建の意義を検討することである。 【対象と方法】 1984〜2008 年の dystrophic type の NF-1 による脊柱側弯症ないし後弯症に対し,自家腓骨による前 方支柱再建を行った 10 例を対象に後方視的に調査した。性別は男性 4 例,女性 6 例,手術時年齢は平 均 21.6 歳(6〜46 歳)であった。 脊柱変形は側弯:3 例,後側弯:7 例であった。変形の高位は,胸椎:9 例,胸腰椎:1 例であった。 カーブの大きさは,側弯 Cobb 角:平均 63.9°(11〜98°),後弯 Cobb 角:平均 70.6°(50〜99°)であ った。カーブのパターンは短椎間での角状変形を呈する例が多く,カーブに含まれる椎数は平均 4.6 椎(3〜8 椎)であった。 術式は二期的ないし三期的前後合併脊柱再建術が施行された。全例,後方インストゥルメンテ−ショ ンならびに自家腸骨移植を行った。前方固定は,全例,遊離自家腓骨をストラット・グラフトとして 用い,前方支柱再建(“Hot dog procedure”)を行った。Dystrophic 変化が強い症例では後方再骨移 植も行った。この 10 例に対し,臨床成績として,出血量,手術時間を調査した。一方,X線学的パラ メータとして術前後・経過観察時の側弯,後弯 Cobb 角を計測した。移植腓骨の定性・定量評価として, 腓骨の形態学的変化や,横径・長さの推移を Central/peripheral ratio と length ratio にて算出し た。さらに術前と経過観察時に CT を撮影できた 7 例では,カーブ頂椎の椎体中部における椎体横断面 積(術前)と経過観察時の同レベルの仮想椎体横断面積を計測し,比較した。 統計検定には Mann-Whitney U 検定,Wilcoxon 符号順位検定を用い,有意水準は p<0.05 とした。 【結果】 経過観察期間は平均 9 年 9 ヵ月(1〜30 年),推定術中出血量は平均 1958ml(500〜4365ml),手術時間 は平均 590 分であった。 X 線学的には,側弯 Cobb 角(n=10)は術後平均 44.5°(7〜68°),経過観察時平均 41.8°(10〜75°) であった。平均側弯矯正率は 34.6%で,術前と比し,側弯は有意に改善された(p=0.0029)。後弯 Cobb 角(n=9)は,術後平均 56.4°(33〜79°),経過観察時平均 60.6°(35〜87°)と有意に改善した (p=0.0352)。骨癒合は最終経過観察時の単純 X 線写真・X 線 CT で評価し,偽関節例はなかった。 前方支柱として用いた自家腓骨の定性評価としては,経過中 scalloping などの dystrophic change が観察された例はなかった。また,移植された腓骨の最終/直後腓骨長比は 0.98(0.93-1.09),自家腓
骨横径の中央・頭尾側端比(中央/(頭側端+尾側端)/2)は,術後平均 1.02(0.92-1.10),経過観察時平 均 1.01(0.92-1.07)と有意差はなかった(p=0.937)。一方,頂椎の椎体横断面積は術前 3.80 cm² (1.83-5.43),経過観察時の仮想椎体横断面積は 4.87 cm²((2.46-7.00)で(p=0.0078,最終/術前比は 1.31(1.10-1.43)であった。 【考察】 Dystrophic type NF-1 による脊柱変形の治療目標を,変形矯正より信頼性のある前方支柱再建と全 周性の脊柱の bone stock 増加におき,生涯にわたり安定した脊柱を維持できる前後合併脊柱再建術の 治療成績は良好であった。 NF-1 の脊柱変形に対する腓骨を用いた前方脊柱再建術に関する報告で,厚い皮質を有する移植腓骨 の転帰,すなわち,術後経過により生じる前方支柱の dystrophic change に着目した報告はない。平 均経過観察期間 117 ヵ月の本シリーズでは,移植腓骨に対する dystrophic change は確認されず,安 定した前方支柱が再建され長期間維持されていた。 生涯にわたり安定した脊柱を保持することは本症の最も catastrophic consequence である脊髄損傷 に対する潜在的リスクを減じるために大きな意味を持つ。将来の dystrophic change に抵抗する潜在 的能力を有すると考えられる移植腓骨は椎体ホスト骨と一体となり頂椎での仮想椎体横断面積が増し た状態となっていること,二期にわたる大量の後方骨移植を行っていることにより全周性に bone stock の多い,信頼できる脊柱を再建することが可能となった。このことにより骨癒合完成後の変形進 行も長期にわたり予防するものと期待される。 【結論】 Dystrophic type NF-1 に伴う脊柱変形に対し,遊離腓骨による前方支柱再建と後方インストゥルメ ンテ−ションを併用した前後合併手術にて安定した脊柱再建が達成できた。特に前方支柱再建として使 用した遊離腓骨は,平均 117 ヵ月後でも骨吸収や骨折が生じずに局所の安定性に寄与し続けた。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 申請者 岩井智守男は,神経線維腫症 1 型の dystrophic type の脊柱変形に対する前後合併手術の長 期成績を分析し,とりわけ移植腓骨の腓骨長・横径・横断面積の定性・定量的な検討から遊離腓骨に よる前方支柱再建の意義をあきらかにした。本研究の結果は,神経線維腫症 1 型に伴う脊柱変形の外 科的治療の発展に寄与するところが大であると思われる。 [主論文公表誌]
Chizuo Iwai,Hiroshi Taneichi,Satoshi Inami,Takashi Namikawa,Daisaku Takeuchi, Nakayuki Kato,Takahiro Iida,Katsuji Shimizu,Yutaka Nohara:
Clinical outcomes of combined anterior and posterior spinal fusion for dystrophic thoracolumbar spinal deformities of neurofibromatosis-1 –Fate of nonvascularized anterior fibular strut grafts