要性
著者
神馬 駿逸
著者別名
Shinme Shun-itsu
雑誌名
経営論集
巻
29
ページ
145-176
発行年
1987-03-23
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005763/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8.
長 期 利 益 計 画総 論
一
長期利益計画策定の必要性-神
馬
駿
逸
はじ めに 経営計画について , 長期 計画の目的,必要性,その担当者の役割につい て 長期 計画策定の方法 長期利 益計画策定上の問題点 長期 目標利益の設定方式 長期 資金 計画の策定 おわ り 1. は じ め に 経営計pj (managementplanning )は, 企業 の将来 の進 路 の指標 とな る経営 者 の 指針を 示し た も のであ る。し た がっ て,経営 計 画 の一 つ であ る利 益計画 (profitplanning) も又, 企業 の 目標利益(率)の達成を 意 図 す る指針を示し た 経営 者の意思 決定 であ るが, この利 益 計画は, 計 画期間 の長 短 に もとづ いて 長 期利益 計画(long-rangeprofitplanning)と短 期利 益計 画 (short-rangeprofitplanning )とに 区 別 され る。 と ころ で, 利 益計 画といえば ,通 常短期利 益計 画が指 さ れ る。 それは, 昭 和31 年通産 省産業 合理 化審議 会 の「経営 方針遂行 のた め の利 益計 直」 の答申 書 が短期利益 計 画を 中心とし て公表 された こと, 多 くの企 業 が長 期利益 計画 策 定 の困難性 と経営 者の長期利 益計 画につ いて の認識 の 欠如 とがあ い まって 短 期利 益計 画に よる利 益管理を 中心に 実施され て きたこ とにあ るが, その結 果 は,充 分な成 果を え るにい たった といいがたい。 そ れは , 短 期利 益計画が 当 座 の経 済 情勢, 当 該期間 の員 益予想 等を勘案し てそ の状 況 に即応 す る応急 措置 とし て企業 当 面の問 題解 決に腐心し, 経営 者 の確固 た る経営 目標, 経営 方 針に もとづ く 一貫し た経営 活動が展開 されな かった こ とに そ の事 由 の一 端が あ る 。 そ の 結 果 , 経 営 の 貴 重 な 資 本 を 浪 費 し , 不 能 率 な 径 営 活 動 を 招 来 し , 獲 得 し う べ き 利 益 を 喪 失 し , 従 業 員 は 経 営 者 に た い し て 信 頼 感 を 失 う に い た っ た と い っ て よ い 。 ニ / か く し て , 経 営 者 は 当 該 企 業 の 欠 陥 を 認 識 し , 企 業 の 長 期 的 展 望 の も と に 長 期 に わ た っ て の 安 定 成 長 を は か り う る 利 益 を 獲 得 す る た め , 経 営 の 問 題 点 を 解 消 し , そ の 体 質 改 善 を 策 す る こ と が 必 要 で あ り , こ こ に 長 期 計 画 策 定 の 必 要 性 が 生 じ て き た と い え る 。 さ て , 長 期 計 画 と い っ て も そ の 内 容 は , 極 め て 広 範 囲 に お よ ん で い る 。 そ ■ ■ − こ で 本 稿 で は , 経 営 計 画 の 意 味 す る と こ ろ , 長 期 計 画 の 意 図 す る と こち お よ び そ の 必 要 性 を 指 摘 し , 次 い で 目 標 利 益 の 算 定 と そ の 達 成 を 希 望 す る 長 期 利 益 計 画 の 策 定 に つ い て , 以 下 論 述 す る こ と に す る6 な お , 長 期 計 画 は 長 期 期 間 計 画 と 長 期 個 別 計 画 と に 分 け ら れ る が , 後 者 の 長 期 個 別 計 画 と し て は , 設 備 投 資 , 要 員 , 研 究 開 発 , 市 場 開 拓 , 原 価 引 下 げ 等 の 個 々 の プT3 ジ ェ ク ト 計 画 が あ り , 長 期 計 画 と し て は , 両 計 画 に わ た っ て 論 述 す る 必 要 性 が あ り , 又 長 期 利 益 計 画 は 短 期 利 益 計 画 を と お し て 実 施 さ れ る も の で あ る か ら , 両 利 益 計 画 の 関 係 に つ い て も 論 述 し な け れ ば な ら)な い が , 紙 面 の 制 約 が あ り , こ れ を 割 愛 す る こ と に し た 。 し た が っ て , 本 稿 で は , 長 期 利 益 計 画 総 論 と も い う べ き も の に つ い て 論 述 す る こ と に な る 。 コ2. 経営計画について ∧y ・・・。。 ・・ ここでは,計画の内容とその種類について論述することにする。 (1) 計画の内容 : ニ 計画とは,一般的に何時, 如何にし て, どこで,誰が何を行なうかを事前 に決定することであ るといわれてい る。これについてB.E. ゲッツ(BillyE.Goetz )は,「経営計画は政策の方式化,組織構想, 資源の選択, 技術と手続 の確立をいうもので,……基本的には選択の問題である。 ど の よ。う な 変 更 をなすべきか,何時変更すべき か,経営者は如何に決定するかである。そし て計画問題は,代替可能な 士− スが発見されたときに発生するものである。 たとえば,古いトラックを修繕すべきか,取替え るべきかのような問題は計 画の問題である。経営者は将来 の行動についてのプログラ ムとし て代替案を 提案し,企業利益にお よぼすそれら のプl=zグラム間の相違を認識することで
惑乱 と計 画を 代替 案の選択 簡題 と理 解し てい る。 し このよ うな見 解 からすれ ば, そ れは 企業 の計 画設 定に あた って, まず 企業 の 目的, 部門 の 目標とそ の実施プ ロ グラ ムの うち達成 可 能な代替案 の選択 に あ るとい って よい。 ところ で, 計画に は, 如何 な る内容を 含む べ きであろ うか。 これについ て の 代表的見 解 の十つ であ る クンツ ・オド ン ネル(HaroldKoontzandCyrilO ’Donnel )は, 計画は 目的, 方針, ノ手続, 規則, 予 算, プl=2グラムお よび戦略 を 含む もの であ ると述べ てい るが, そ の大 要を 略述す る と, 次 の如 くであ る。 す なわち, 「 目的又 は 目標 組織化 された 企業 グル ープ活 動が 狙 う終点 であ る。 そ れ は 計画の終点 であ るだけ でな く, 組 織, 人 事, 指 揮, 統制 の終点 でもあ る。 企業9 日的 は企業 の基 本計 画にあ るが, 部門 も又, 目的 , 目標を もってい る。 し かし, 部門 の 目標は, 当 然企業 の 目的 達成 に寄 与す る ものであ る。 …… 方 針 方 針 も又, 計画 であ る。 方 針は企業 各 部門にお け る部下 の意思 決定-を 指導す る記述書 であ る。 思 考 と行 動 の基 本的 指導 とな るから, 企業 の 目的 は 方 針であ るといえる が, 目的 と方 針との 相違を 強 調す るた めに区別 され る。 方 針は, 少 か くとも組織上 の多 くの階 層 にお よんでい る。 全社 的に適用 され る主 要方 針がら大 部門 方針又は 組織上 の最小区 分 に適用 され る小方 針まであ る。‥方針は 部下に 意思 決定を なす権 限 の付与 から生 ず るが,そ れは企業 目的 の実 現に寄与 す るよ う調整 されなけ れば なら ない が, 困 難な ことが多い。 モ の理 由は, 方 針は 第1 に記述 され る ことが 少な く, 正し く理 解さ れてい る こ と が少い こと。 第2 は 分権化 に よる権 限 の委譲 に よって 方針設定 は多 くのも の が参加し , そ の結果, 意 図す る方針 とかけ は なれ た個 人 別の相違 がでて く ること。 第3 は意 図す る方 針と実 際のそ れ とを 比 較す る ことが できず, 方 針 の コV ト ロ ール が容易 でない ことにあ る。ヽ ・。’ 手続 手 続 も又, 計画 であ る。 そ れは 行動 ■―*ー スの選択 と将 来 の行動 に適 四 ’ ・3 用 されるが, 思考 よ りも行動 にたい す る指 標であ る。 そ し てあ る行動が遂行 さ れなけ れ ば なら々 い方 法を 時間的 順 序に よって述 べた ものであ る。ニ 手続と方 針 の比 較につ いてB.E ・。 ゲ ッツ(BillyE.Goetz )の 言を 引用し, 「 方針牒一般 的 であ り, 合理的にし て永続的 な計 画であ るが, 手続は 永続的 な ものが少 ない。 方針は行動 領域 を 計画し, 目的を 決定し ,行動 領域を制限
はするが,手続は確定せる行動の順序を規定し,方針の通ずる領域を記録す るものであって, 事務上の選択決定の手がかりとなるものである。 方針は 目 的を定め,行動領域を限定するが,手続は目的又は領域 の経路を定めるもO である」と両者 の相違を指摘し ている。 規則 規則 も又,手続と混同されかちであ るが,この二つは全く異ってぃ ー る。規則はある状態に関し て具体的 な確固たる行動をとることを要求し てい る。それは行動を指示す る点において手続とは異ってい る。けれども,規則 は手続とば別に特定行動に関する手続の一部分であ る場合もある。…・・・ 予篁 予算も本質的には計画である。期待される成果は多 くの用語 で表示 される。それは全て財務的用語,すなわち,人時間,製品単位,機械時間又 はその他の用語で示され,測定尺度とし て期待される成果を示す。予 算は費 用,収益予算の如く業務活動について計画されるが,それは予期せる資本支 出を計画し, 現金予算の如 く現金の流れを示す形で表示される。 要するに,予算編成は明らかに計画であり,それは多 くの企業における基 本的計画設定の用具でもある。 務予算に よって支 えら れ, 行動 コ ースに影響をあ たえ る よ う計画さ れ る。 予 算は,一 般的 には プ=i グラ ム遂行 の手段 であ り, プl=Zグ ラ ムとし て 役立つ も のであ る。 財務上 困難 な状 況にお かれてい る会社 では,経 営 の コントP2 ール だけ でなく, 経営 者 に原 価 意識を もたせ る予算統制 プ ロ グラ みとし て 設定さ れ ることがあ る。 こ かくし て, 企業 の計 画設 定 の主 要プl==Zグラムは, それ 自身 独立し てい るこ とはほと んど なく, あ るプ1=2グラムに依 存し, 他に 影響を あ たえ るプ1==Zグラ ムの 混成物 であ る。・・…・ 戦略 戦略 は分 析的 な計 画 とし て, 又 競争者の 計画 の観 点 から なさ れる。 一 競争に含 まれ てい る多 くのヶ − スは, 競争 者が二人ないし それ以 上 の人 々の 達成し がたい条 件 の もとで 同じ 目標 に向 って行動す ると きに 発 生す る^C-/i^1_^/-J ・●--.^^Ii ”XJ! ― ∼I!Ji^1-1 レt;< ∼I  ̄j’ノ トIJ=tj ノ フ ’i51しC 筆乙7t ニizny ゛aノ○ は 競 争 相 手 の 計 画 し た 特 別 計 画 と い っ て よ い で あ ろ う 。 … … 」 戦 略 この ように, 経営 計 画は, クン ツ・ オドソ ネルに よる と極 め て幅広 く理 解 さ れてい る。 す な わち, 企業 目的 の設 定, そ の 目的達成 の ため の方 針, 手続, 規 則, さら に 予算お よび細 目プ=t グラ ムと戦略を含 み, そ れは, 経 営 のあ ら
ゆ る階 層 に お よん で い る こ と が 理 解 さ れ る の であ る が, 経 営 計 画 の一 つ であ る 利 益 計 画 もか か る 意 味 , 内 容 を もつ と い っ て よい。 (2) 計画の種類 計 画は 観点 を 具 に す る こ と に よ づて 種 々 の計 画 に 区 別 す る こ と が で き る。 す な わ ち, 計 画 の 対 象 を 個 々 の 問 題 に お く か, あ る い は 一 定 期 間 を 総 括 し た 期 間 に お くか に よ っ て個 別 計 画(projectplanning )と期 間 計 画 (periodplanning ) に, 又 そ の 計 画期 間 が 一 年 以 上 数年 に わ た る長 期 間 の 計 画 か , 一 年 以 内 の 短 期 間 の計 画 か に よ っ て長 期 計 画 (long-rangeplanning )と短 期 計 画 (short-rangeplanning ) に, さ ら に 計 画 が 経 営 構 造 側 面 を 対 象 とす る か, あ る い は 日常O 業 務 活 動 側 面 を 対 象 とす る か に よ っ て 構 造 計 画 (structureplanning)又 は 基 本 計 画(fundamentalplanning ) と業 務 計 画 (operatingplanning) とに 区 別 さ れ る如 く種 々 の 計 画 に 区 別 す る ご とが で き る。 以 下 , そ れ ぞ れ の 計 画 内 容 を 概 説 し てお く。 ① 個 別 計 画 と期 間 計 画 個 別 計 画 と期 間 計 画 とを 提 唱し た の は,A../ \.J\レの1955 年 の 「原 価 概 念 お よび 基 準委 員 会 」(committeeoncostconceptsandstandards ) の 「経 営 目的 の た め の 報告 の基 礎的 原 価 概 念 の 試 案 報 告 」(tentativestatementofcostconceptsunderlyingreportsformanagementpurposes ) で あ り, そ の報 告 は 計 画 設 定 に あ た っ て多 大 の 影 響 を あ た え るに い た っ た。 そ こ で の 報 告 の 要 旨 を 略 述 す る と,「 目的 に よ っ て 企 業 の 計 画 は, (1)個 別 計 画, (2)期 間 計 画 に 分 類 さ れ る。 個 別 計 画は , 経 営 者 が 特 定 の 問 題 に 直 面 し , 将 来 の 行 動 コ ー スに つ い て の 意 思 決 定 を な さ ん が た め の 各 代 替 案 の 評 価 であ る。 こ れ に た いし て 期 間 計 画 ぱ , 特 定 期間 に た いし て 企 業 の 全 て の 将 来 活 動 に た い し て承 認 さ れ た 一 組 の 計 画 又 は 機能 的 従 属 部 門 に よ っ て 承 認 さ れ た 一 組 の 計 画 を 組 織的 に 発 展 さ せ た プI=z セ スであ り, 計 画 設 定 に あ た っ て こ の二 つ の タ イプ は 同 時 に 行 な わ れ る こ と もあ るし , 発 生 す る こ と も あ る。 個 別 計 画 を 要 求 す る もっ と も重 要 な 問題 は , 散発 的 に 起 り や す く, 長 期 間 に お よ ぶ代 替 案 を 含 ん でい る こ と であ る。 他 方 , 期 間 計 画は 一 定 の 時 間 に 従 うこ と であ る。 第 二 は , 経 営 者 は 代 替 案を 実 行 す る時 間 を 統 制し うる こ と で あ る。 そし て時 間 に よ っ て 期 間 計 画 の サ イ クル を 選 択 し う る こ と で あ る 。 こ れ ら の事 由 か らし て期 間 計 画 の 過 程 の 多 く は , 実際 に は 個 別 計 画 で あ り, 代 替 案 の選 択 の 必 要 な 場 合 は 個 別 計 画 を 包 摂
3) す る も の で あ る 」 と 論 述 さ れ て い る が , 個 別 計 画 は √ 経 営 者 が あ る 特 定 の 問 題 に 直 面 し , そ れ に た い し て 将 来 の 進 路 に つ い て の 意 思 決 定 を な す に あ た り , 各 代 替 案 を 評 価 す る プ ロ セ ス で あ り , 期 間 計 画 は , 特 定 期 間 に た い し て 全 社 的 お よ び 機 能 別 部 門 に よ っ て 承 認 さ れ た 将 来 の 行 動 を 容 認 し た プ ロ セ ス で あ る と い う こ と で あ る 。犬 ② 長 期 計 画 と 短 期 計 画 長 期 計 画 (long-rangeplanning) と 短 斯 計 画 (short-rangeplannning ) は , 何 れ も 企 業 の 将 来 の 進 路 を 示 し , 最 終 的 欧 達 成 目 標 を 明 示 す る も の で あ る が , 前 者 の 長 期 計 画 は , そ の 計 画 期 間 が 一 年 以 上 数 年 , な が き は 十 年 に お よ ぶ 期 間 を 対 象 と す る の に た い し て , 後 者 の 短 期 計 画 は , 通 常 一 年 以 内 の 期 間 を 対 象 と す る 如 く 計 画 期 間 の 長 短 に よ っ て 区 別 さ れ る 。 し か し , そ こ に は , 両 計 画 に 根 本 的 な 相 違 が あ る 。 こ の 点 に つ い てN .A.A . の 調 査 報 告 書 (researchreport,No.42 ) の 「 長 期 利 益 計 画 の 設 定 」(long-rangeprofitplanning,1964 ) は , 次 の 如 く 論 述 し て い る 。 す な わ ち , 「 長 期 計 画 と 短 期 計 画 の 特 色 は , こ の 二 つ の 計 画 設 定 活 動 を 比 較 す る と 明 ら か で あ る 。 マ ッ ク ア ラ ソ(D.H.Macallan ) 氏 の 論 述 を 引 用 し , 「 短 期 計 画 は 現 在 の 環 境 と 現 在 利 用 で き る 物 的 , 人 的 資 源 を 認 め , そ の 最 善 の 方 法 で 需 要 供 給 の 市 場 問 題 に 対 処 し よ う と す る も の で あ る 。 比 較 的 弾 力 性 が 乏 し く , 経 営 活 動 の 目 的 に た い す る 結 果 は , 比 較 的 効 果 の あ が ら な い 期 間 を 対 象 と し て い る 。 他 方 , 長 期 計 画 は 将 来 の 問 題 に つ い て 期 待 し う る 機 会 を 経 営 者 に あ た え る ほ ど の 余 裕 の あ る 期 間 で あ り , 問 題 を , 。4) ‥ 解 決 す る の に 自 由 な 行 動 の と れ る ほ ど の 長 期 間 を 対 象 と し て い る 」 と 論 述 し て い る が , そ れ は レ 長 期 計 画 が 将 来 の 達 成 目 標 , そ の 方 針 の 決 定 , さ ら に 目 標 達 成 の た め の 計 画 の 設 定 に あ る が , そ れ は 短 期 計 画 と 異 っ て 極 め て 弾 力 的 性 格 を も っ て い る と い う こ と で あ る 。 し い③ 基 本 計 画 と 業 務 計 画 丿 計 画 を 基 本 計 画 と 業 務 計 画 と に 区 別 す る に い た う た の は , わ が 国 原 価 計 算 基 準 の 示 す と こ ろ セ あ る 。 そ こ で は 次 の 如 く 説 述 さ れ て い る6 す な わ ち , 「 経 営 め 基 本 計 画 を 決 定 す る に 当 り , こ れ に 必 要 な 原 価 情 報 を 提 供 す る こ と 。 と こ に 基 本 計 画 と は , 経 営 の 動 態 的 変 化 に 適 応 し て 経 営 の 給 付 目 的 た る 製 品 , 経 営 立 地 , 生 産 設 備 等 経 営 構 造 に 関 す る 基 本 的 事 項 に つ い て , 経 営 意 思 を 決 定 し , 経 営 構 造 を 合 理 的 に 組 成 す る こ と を い い , 臨 時 的 に 行 な わ れ る 決 定 で
あ る。……業 務計 画は, 日常の業務 分 野に お汁 る執行 計画 であ っ て, それは 基 本 計画 の前提に立脚し, 常時 繰返し 行 な われ る計 画であ るが, 原価 計算基 準は予算 の型 で示さ れてい る。 す なわ ち, 予算 の編成 ならび に統制 のために 必要 な原価 情報を 提供す る こと, ここに予 算 とは, 予 算期 間に おけ る企業 の 各業 務分野 の具 体的 な計 画を 貨幣 的 に表示し , これを 総合 編成し たも のをい い, 予算期 間に 企業 の 目標利 益を 指示し, 各業 務 分野 の諸 活動を調整し, 企 業 全般に わた る総合的管 理 の要 具 とな る ものであ る。/予算は, 業務 執行 に関 す る総合的 期間計 画であ るが, 予 算編 成 の過 程 は,た とえ ば, 製品 組合せ の 決 定,部品を 自製 するか外 注す るか の決定 等 個 々の選択的 事項に関 する意思5) 決定 を含む ことはい うまで もない」 と論 述し てい るが,業 務上 の個別 計画を 包摂し た期間 計画は執行 計画 とし ての性 格を もっ てい る。 こ れを要 す るに,基 本計 画, 業 務計 画 の区 別は, 前 者は 経営 力基 本構造に 関 す る計画 であ り, 長期 計画 の対象 とす るところ であ り,後 者は 日常 の業務 活 動に関 す る反 覆的活動を対 象 とす る計 画であ り,基 本計 画を 前提 とし て設 定さ れた短 期 計画 の対 象とす ると ころ であ る。 い 室, 両計 画の特色を対 比し てみ る と, 第1 表 の如 くに なるy 。 以上, 経営 計画 の意義,分類 に つい て論述し て きたが, 本稿では, 長期利 益 計画を 考案 の対象 とす るこ とから, 主 とし て基 本計画を 中心 に論述す るこ とに なる。 第1 表 基本計画・業務計画の比較 区 分 基 本 計 画 業 務 計 画 性 質 基本構造の計画 執行条件の計画 頻 度 原則として一回限りの計画 日常活動に関する繰返計画 期間計画 長期経営計画 短期経営計画 個別計画 1. 新製品計画2. 設備投資計画3. 要員計画4. 研究開発計画5. 市場開拓計画6. 経営位置計画7. 資本構造計画等 1. 販売計画2. 製造高計画3. 在庫計画4. 操業度計画5. 製品組合せ計画6. 自製又は外注計画7. 人員配置換計画等
3. 長 期 計 画 の 目 的 , 必 要性 , そ の 担当 者 の 役 割 に つ い て (1) 長期計画の目的 長 期 計 画 は , 一 年 以 上 数年 な い し 十 年 の長 期 にお よぶ 将 来 の 見 透し の も と に 企 業 の安 定 的 生 長 を は か るた め に 長 期 目 標を 設定 す る が, こ れ を 達 成 す る た め , 長 期 プi=1ジ ェ クト 計 画を 策 定 し , そ れを 総 合 調 整 し て 長 期 期 間 計 画を 策 定 す るプ ロ セ ス を と る も, そ こに は, 経 営 の 体質 改 善 , 経 営 構 造 の 改 変 を は か る 戦略 的 計 画 の 性 格を も っ てい る。 こ の点 , 短 期 計 画 が 現 在 の 経 営 構 造 の も と で の 経 営 目 標 の 達 成 を 意 図 す る 戦 術 計 画 で あ る の と 極 め て 対 嘸 的 であ る 。 さ て, こ の 長 期 計 画 は , 前 述 の 如 く戦 略 的 計 画 (strategicplanning)とい わ れ て い るが,R.N. アソ ソ ―− (RobertN.Anthony )は , 企 業 組 織 活 動を 戦 略 的 計 画 (strategicplanning), マ ネ ジ メン ト ・ コ ン トpt ール (managementCO-ntrol ), オペ レ ーシ ョ ナ ル ・ コン トpt ール (operationalcontrol)に 区 分 し , こ の うち 戦 略 的 計 画 と マ ネ ジ メン ト ・ コ ン ト ロ ―ル は, そ の思 考 に お い て相 通 ず る と ころ が あ る が , そ の 内 容 は 異 っ て い る。 そし て , 以 下 の如 くそ れ ぞ れ の 内 容 を 説 述 さ れ て い る。 す な わ ち,「戦略 的 計 画 は , 組織 の 目的 , こ れ ら 第2 表 事業 組織における活動 の例 戦 略 的 計 画 マ ネ ジ メ ン ト ・ コ ン トμ − ノレ オ ベ レ ー シaト ロ ー ル ナ ル ・ コ ン 全社目的の選択 組織計画 人事方針の設定 財務方針の設定 マーケティング方針の設 定 研究方針の設定 新製品品種の選択 新工場の取得 臨時資本支出の設定 予 算 の 編 成 ス タ ッ フ 人 事 の 計 画 人 事 手 続 き の 制 定 運 転 資 本 計 画 広 告 計 画 の 作 成 研 究 計 画 の 決 定 製 品 改 善 の 選 択 工 場 配 置 換 え の 決 定 経 常 的 資 本 支 出 の 決 定 オペ レ ーシa ナ ル ・ コ ン トpi ー ル に 対 す る 決定 , 規 則 の 作 成 , 経 営 実 績 の 測 定 , 評 豚 お よ び 改 善 雇 用 の コ ン トa ― ル 各 方 針 の 実 施 信 用 拡 張 の コ ン ト= − ル 広 告 配 分 の コ ン ト= ―ル 生 産 ス ケ ジ ュ ー ル の 作 成 在 庫 管 理 作 業 工 員 の 能 率 測 定 , 評 価 , お よ び 改 善
の 目的 の変更, これら の 目的 達 成のために用いら れる諸 資源, お よびこれら の資源の取得, 使 用, 処分 に 際し て準拠すべ き方 針を決 定す るプ ロセス であ7) る」 といい, マネ ジ メン ト ・ コント= −ルは,「マネジ ャーが 組織 の 目的 達 成 めために資 源を 効果的 か つ 能率的に取得し, 使用 するこ とを 確保 す るプ ロ セス七あ6 )」, オペレ ーシ ョナル ・コント ロ ール は,「特 定 の課 業が 効果的 か つ 能率的に遂 行 され るこ とを 確保す るプロセ スであこ と説述し , 事業 組織10) に おけ るそ れぞ れの機 能を 第2 表 の如 く対比され てい る。 第2 表からし て戦 略的 計 画に おけ る各項 目は, 意思決 定 活動 であ り, マネ ジ メント ・コン ト ロ ール におけ る各項 目は, 意思決定 と コント ロール活動 で あ り, オペレ ーシ ョナ ル ・コン ト ロ ルにおけ る各項 目は, コ ント ロ ール を 対象とし てい ることが 明らか であ る。 そし て戦略的 計画 は長 期 計画 の対 象 と す るところ であ り, マネ ジ メント ・コント= ―ル と オペ レ ーシ ョナル ・ コン トp ールは 短期 計画 の対象 とす る ところ であ る。 い ま, 以上 の関係 を経 営 の各階 層 と関連づけ て図示 す る と, 第1 図 の如 く である。 これを 要す るに, 長期 計 画は, 企業 の長期的展望 のも とに達 成 目標を 設定 し, その 目標 の達成 を 意図し て 組織編成, 設備投資, 新製 品 の研 究開発, 市 場 開拓, コスト引 下げ, 長期 資本支出等 の経営 構造 の改 変 のた め の個別計 画 を 包摂し, そ れを総 合 調整し た期 間計画 であ り, それは 戦略的 計画 の性格を もってい るとい うこと であ る。 獣 ブyj で77- 戦略的計画 マネジメ ント ーコ ントロ ール 短 期 計 画 オ ペ レ ー シ ョ ナ ル・ コ ン ト ロ ー ル 第1 図 経営階層と計画との関係
(2) 長期計画策定の必要性 長 期 計画 策定の必要性 が認 識さ れるにい だ った のは, 企業に おけ る売上 高 の減 少,利 益率 の低下, マーケット ・シ=^y の低落, 消 費市場 の変化,不 況 の影 響, 固定 費 の重圧 等経営に悪 化現 象が みら れ るに い たった から であ り, こ こに 長期的 展望 のもとに達成 目標を 設定し , これに もとづ い て経 営を 誘導 し, 企業 の持続的 発展をは かる必要 性を 痛感 す るにい た った から である。 こ れについ てN.A.A 。の調査 報告書 「長 期利 益 計画 の設定j(long-rangeprofitplanning.No.42 」は, 長期 計画設 定 の必要 性 の生 じ た事由 とし て, 次 の 諸点を 指 摘し てい る。 (theacceleratingpaceoftechnology) 工場 お よび事務所に おけ る急 速な機械 化 が行 な われた こと。 … … 消費 市場 の変化(changingend-usemarkets ) 生 活様式 や消費者 の消費内容 の変化 に よって マ ー ケテ ィン グ計画を 変更す るこ とを 会社に 要請す るにい た ったこ と。・・・・・・ 業 務 活動 の規模 の拡大 と複雑化(growingscaleandcomplexityofbusiness operations) 大 規模化 さ れた会 社は,大 規模企業 の 拡散 され た活動 を調 整する手段 とな る長 期計 画 の使用に よって恩恵を うけ るこ とが で きる。・・・・・! , 激 化せ る競争 と競 争構造 の変 化(intensifiedcompetitionandchangesincom-petitivestructures) \ 十 一・ 激 化 せ る 競 争 に お い て は, そ の 徴 候 は, し ば し ば 利 益 の 減 少 と過 剰 設 備 の 存 在 と な る 。 … … 労 務 費 の 相 当 部 分 が 変 動 費 か ら 固 定 費 へ と 急 速 に 転 換 す る(rapidtransfor-mationofasubstantialproportionoflaborcostsfromvariabletofixed) 給 料 で雇 傭 さ れ て い る 労 務 者 の増 加 は , 労 働 力 の 弾 力性 を 減 少 さ せ た。 … ・ ・● 職 員 の不足は 会社 の資 源 とな る傾向 (tendencyforpersonal-tobecomeascarecorporateresource )……… 技 術 者, 研究専門家, 熟練 せ る幹 部の如 き技 術を もった従業員 の減少に よ っ て, 会 社は 長期にお よぶ計画を た て, これに 応じ てそ の組織に職員を 配 置し なけ ればなら ない。 ……
長期にお よぶ先行時間 の必要 性(theneedforlongerlead-time ) 経営を行 な うには, 物的 施設 と組織を 使用し うる準備 もし なけ ればなら な い。そ れは 製造, 販売 の能力 を 提供 す る ものであ る。 ……施 設 め計 画と 準 備は, 通常短 期間 では なし え ない から, 経 営者は, こ れら の要 望に答え る ために先 行時間を 必要 とす る。・・・・・・ 長 期に関 連す る主な る意思決 定 の影響 (impactofkeydecisionswithlong-rangeimplications) 労働が オゞ ト メーシ ョンに とっ て代ら れ, 生産は。 なお一 層資本 集約的 と な り, 新工 場 の投資は増 加す る。 … …こ れは原 価構成 におい て間接費 の割 合を増大し, 当 座の操業 度に よって コy ト= −ルし う る変動 原価を 少な く す る。 十 キ ャパシテ ィ・ コスト は, 通 常長 期 間にわ た って投下 され るの で, 日 々の11 ) 意 思決定 より も長 期にわ た る意思 決定 が重 要 であ る。 ……」 以 上の諸点 は, 長 期計画策 定 の必要 性を 要請 され るに いた った事 由といっ て よい であ ろ う ○ (3) 長期計画策定手続と担当者の役割 ① 長期 計画 策定 の手続 長 期計画は, 如何 なるプ1==,セ スを 経 て策定 さ れ るかとい うと, それ は, 通 常 次 の手続 に よるといっ て よい であ ろ う。 す な わち, (イ) 発想 ……社長, 副社長 等 のト ップ ・ マネジ メン ト の提案に よる。犬 ↓ (ロ) 調 査 ・立案……企 画室等 の長 期 計画 担当 ス タッフ, 会 計担当者, 各種← 委員等による調査・立案 0 審議 ……常 務会お よび取締 役 会にお け る審議 ↓ ニ 岡 決定 ……常 務会お よび取締 役 会に て決定 レ 困 実 施…… 各 ラ イン部門 責任 者に よる実 施 お お よそ, 以上 のプl==Zセスを経 て長 期 計画 が策定 され るとい って よい であ ろ う。 この点 につい て通産 省産業合 理化 審 議会 の 「内部統 制の実施 に関す る手続 要 領」 におけ る資本予 算の編成 手続 は,「資 本予算 は, 通常経常予 算 よりも 長 期にわたっ て,設 備の拡張 また は投 資に たいし て編成さ れる ものであ る。 し た がって, そ れは一営業 期間 に たい する予 算 編成 とは, お のず からそ の手
各 部 門 各種委員会 計画スタッフ 常 務 会 取締役会 ト社長等のップ ●一 一 検討 − 原案作成 承認 − 発案 一 ● -承認 決定 − -W W 第2 図 長 期 計 画 策 定 の 手 続 続を 異に す る。 こ め資本予 算の編成 は, そ の性質 上, 多 くは常 務会に よって 発 案され る。 予 算課 は, それに もとづい て予算編成 の原 案を 作成 する6 この 予算案 は, さらに予 算 委員会におい て審議 され, そ の結 果は 常務 会 の承認を12) 経 て, 最後に 取締 役会 にお いて 決定 され るもの とす る」 と述 べてい るが,づ長 期計画 の策定 も か かる手続を 経 て決定さ れるもの と考え る。 い ま, そ の作成 手続を 図示す ると, 第2 図の如 くであ る。 ② 計 画担当 者 の役割 ニ (イ) ト ップ ・ マ ネジ メント の役割 長 期計画 は経営 の 体質改善を は かり, 経営刷新を 意図 す る経営 者 の意思決 定 であ る。 それ ゆえ, 経営者 自身が積 極的 にそ の構 想を 発案し , 率先し て リ ー ダーシ ップ を とら なけ れば なら ない。 そ こに経営者 の 長期 計画 につ いて の 充 分 な理 解 が要請 され る。し たが って, 経営 者が長 期計 画の 目的 を 理解せず, 積 極的 に 計画 担当 ス タッフ等に支 持支援をあ たえ なけ れ ば, そ れは, たんに 机 上 の空論 とな り, かえ って 日常業 務を 阻害 するこ とに なり か ねない。 この こ とは,前 掲書N .A.A. の調査 報告 書におい て,「長 期計 画がト ップ ,マ ネジ メント の発案 で なく, た とえば, 予算 部長又は コン ト ロ ーラ ーに よって 提 案さ れた会 社 では, 上 層の首脳者 の側におい て計 画は ト ップレ ベルの支援 を 欠 き力辻
の 七あるト と論 述 されてい るが, 理解さ れる ところ であ る。 し たが って, 経営者は長 期計画を充 分理 解し, そ の策定 が 自己 の責務であ ることを 自覚し, リーダーシ ップを とるこ とが, 長 期 計画 の策 定を 成功に 導 ぐ秘訣とい っ て よい であろ う。 … …… (ロ) 長期 計画 担当 スタッフ の役割 ‥ ブ 長期計画策 定 の任務は社長 にあ るとはい え, 社長 自身 でそ の計画を策定し うるものでは ない。 そ こで, 社長 直属の計画 担当 ス タッ フの援 助に またなけ ればなら ない。 わが国 では, 通常社長 直属 の企画 室又 は社 長 室等 の計画ス タ ッフの担 当す る と ころであ るが, 企 画室等 のス タ ッフ とい っ て も短 期計画 担 当 ス タッフ よりも長期 計画担当 スタッフを置 き, 彼 ら に担 当 させ ることが の ぞ ましい。 ところ で, 計画担当 ス タッフは, 彼ら 自身 の思 考, 構想に もとづい て長 期 計 画を策定 す る もので は ない。 社長 の指示す る 目的 , 方 針等を 理解し ,他 の スタッフ, ラ イン管 理者 の意見を 充分聴 取し て作成し なけ れば なら ない こと は当然の ことで あ る。 これについ てN.A.A. の前調 査報告 書は 計画担 当 部長 の職 務とし て, 基 本的職務 と付 属的 職務 とに区 別し,「基 本的 職 務 とし て は, 販売 と利益につ い て継続的, 規 則的 に 活発な生 成を なすた めの全 般的 会社 の 戦略 から構成 さ れ てい る長 期 計画を 開発し , 維持す る上 で本社 と部 門管 理者 を 援助す ること。 付 属的職 務とし ては, 各部門 管理者 の計画設定を 援 助し14) 期 戦略 目標の概 要書をト ップ ・マ ネジ メント のた めに 作成 す るこ と等にあ る」 と述べてい る が, 計画担当 スタ ッフの職務は, 社長 の経営 方 針に 準拠し , 全社的 立場 から 事業 部そ の他 部門 の計 画設定業 務を援助 す ることに あ る。 ㈲ ラ イン部門 管理者 の役割 計画設定 は 計 画 担当 スタッフの主 なる業 務であ るが, 計画 担 当ス タッフだ け で完結す る ものでは ない。 そ の設定 され た計 画を 実 施す る のは ライン部 門 であ るから, ラ イン 部門管理者 も 自己部門 の計 画設定業 務を 担当 すべ きであ る。 そし て 計画設 定業 務に参 加し たラ イン部門 管理者 ゆ, 長 期 計画に関心を もち,積極的 に 計画を 推進し てい く気持を いだ かせ る ことに な る。 い わゆる 参 加の原 則が 適用 さ れるべ きであ る。 ト (≒) 会 計担 当者 の役割 ユ
会 計 担 当 者 の 提 供 す る 会 計 , 財 務 関 係 の 資 料 は , ノ経 営 者 の 意 思 決 定 を 援 助 す る 有 力 な 情 報 た る こ と は い う ま で も な い 。 し た が っ て , 会 計 担 当 者 は , 他 の ラ イ ン 部 門 管 理 者 , 計 画 担 当 ス タ ッ フ と と も に 長 期 計 画 の 策 定 業 務 に 参 加 す る 必 要 が あ る 。 さ て , 会 計 担 当 者 は , 計 画 設 定 に あ た り 如 何 な る 貢 献 を な す べ き で あ る か 。 こ れ に つ い てN.A.A. の 前 調 査 報 告 書 は , 次 の 諸 点 を 指 摘 し て い る 。 す な わ ち , ㎜ ■ ■ ■ ト 「1. 計 画 設 定 の 前 提 と し て 役 立 つ 背 景 情 報 を 提 供 す る こ と 。 会 計 担 当 者 は , 過 去 の 実 績 , 製 品 の 組 合 せ , 設 備 と そ の 投 資 に 関 す る 研 究,C.V.P. 関 係 , 製 品 別 利 益 , キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー 分 析 に よ る 計 画 設 定 領 域 に お い て 価 値 あ る 貢 献 を な し う る こ と 。2. 代 替 案 の 評 価 に お い て 経 営 者 を 援 助 し , 提 案 さ れ た 行 動 コ ー ス の 財 務 上 達 成 可 能 性 を 評 価 す る こ と 。 関 連 デ ー タ を 分 析 し , 財 務 上 の 用 語 で 表 示 す る こ と , そ し て 経 営 上 の 意 思 決 定 を な し う る 信 頼 し う る 基 礎 た ら し め る こ と 。3. 細 目 的 計 画 を 会 社 の 全 般 的 計 画 へ と 収 集 , 総 合 , 調 整 す る こ と 。4. こ の 計 画 は , 全 般 的 損 益 計 算 書 と 貸 借 対 照 表 を 作 成 さ せ る が , そ の 後 , 業 務 予 算 作 成 の 基 礎 と な る こ と 。5. 将 来 の 活 動 に た い し て 財 務 表 に 計 画 の 結 果 を 表 示 す る こ と 。6. 将 来 の 活 動 を 指 導 し , 統 制 す る 基 礎 と し て 経 営 者 を し て 計 画 を 検 討 し , 批 判 的 に 分 析 し , そ の 改 訂 を 援 助 す る こ と 。7. 計 画 目 標 の 達 成 に あ た っ て 業 務 活 動 を 統 制 し , 監 督 す る こ と 。 こO 計画設定 の重要 な部 分は, 短 期, 長 期の計 画の統合化にあ る。 長 期計画 の15) 実績を規制し ,それを経営者に報告することにある。」 以上の諸点の指摘は,会計担当者の長期計画策定に果す任務が如何に重要 であるかを意味するものといってよいであろ う。 4. 長 期計画策 定 の方 法 長期 計画 の策定 には, 二 つ の方 法があ る。 そ の一 つは, 天降 り方 法であ り。 他は 積上げ 方 法であ る6 (1) 天降り方法
天降 り方法(The “top-down"approach )は, 経営 者が長 期的 見透し のも と に 経営全般に わた る経営 方 針を 設定し , 全般的達成 目標を 指示 す る。 これに よって 各部門は, こ の目標を 達成 す る よ う部門計画を 設定し , これを 総合調 整し て長 期 計画を設定 す る方法 であ る。 こ の方法 では, 経営 者 の達成し よう と する強い 意思表示 が表 明 され る。 (2) 積上げ方法 積上げ方 法(The “bottom-up"approach )は, 各部門 が独 自の立場 で 自部門 の 計画を 設定し , それを 総合 調 整し て全 般的長期 計画を設定 す る方法 であ る。 そ こには, 経営者 の経営 目標 は 明示 さ れず,部門 計画を総 合集 計す る ことに よって自動的 に長 期計 画が 設定 さ れ る方 法 であ る。 さて,長 期 計画は, 経営 者が そ の達 成を 希願す る強い 意思決定 であ ると考 え るならば, 天降 り方法 に よるべ き であ り,N.A.A. の前 調 査報告書 も次 の 如 く論述し てい る。 す なわ ち,F 天降 り方式 (The “top-down"approach ) 計画 設定 は, 組織を とおし て上部 から下部に流 れ る。 分 権化 され た業 務 部門は, ト ップの指示 に より 自部門 の計 画を たて, 本社 の方 針に よって仝 般的 目的 の達成を は か る ものであ る。(たとえば,資本利益率)…… 積上げ 方法(The “bottom-up"approach ) この方法 の特長は, 分権管 理単 位 が独 自に長 期 計画を 作成し , 全般的 計 画目的を 確立す る もの であ る。 … …と述 べ, 結局 これら二 つ の方法 の うち16 ) ・天降 り方法が一 般的 であ る 。」 と論 述され てい るが, 理 解 さ れ ると ころ であ る。 5。 長期 利益 計画 策定 上 の問 題点 長 期利益 計画 の策定 にあ た っ ては,(1)計画策定 の前提 の吟 味 検討,(2)目標 利 益( 率) の決定,(3) 大綱的 長期利 益 計画 の策定,(4) 長期 プ ロジェ クト 計画 の策定,(5) 長 期利益 計画 の策 定( 確定的長期利益計画), お よび(6) 長 期資金計 画 策定の プロセ スを と る ものと 理 解す る。 こめ点に つ い て 吉 田弥雄 氏は・, 「(1)外部的 環境 と内部的 情況 の分 析 と予 測,犬(2)長 期利益 目標 の設 定,(3) 長期 利 益 計画 大 綱 の策 定 ,(4)長 期 プT=,ジ ェ クト 計 画 の 策定 ,(5)長 期 部 門 計 画 の策17 ) 定,(6)長期 総合 計画 とし て の長 期利 益計 画 と長 期資金 計画 の策 定」:のプ1=2セ
スを と っ て い るが , ほ ぼ 私 見 とそ の 見 解 を 一 に し て い る と い っ て よい 。し た が づ て, 長 期 利 益 計 画 の策 定 に あ た っ ては , 前 述 の プp・セ スに 準 拠し て論 述 す る 必 要 が あ るが , こ こ で は √ 紙 面 の制 約 が あ る の で, そ の うち ,(1)計 画 策 定 の 前 提, (2)長 期 目標 の設 定,(3) 長 期 目標 利 益 (率) の 設定 に つ い て, 以 下 。 そ の 大 要 を 論 述 す る こ と に す る。 (1 ) 計画策定の前提 計 画 策 定 の 前 提 とし て は, ま ず 需 要 予 測 であ る。 こ の 需 要 予 測 に つ い てN.A.A. の 前 調 査 報 告 書 は ,「外 部 の 経 済的 条 件 は , 企 業 の状 況 に 影 響を あ た え , 経 営 活 動 に 波 及 す る も の であ る。 そ れ ゆえ , 経 営 者 は, 企業 将来 の 状 況 に た いし て 会 社 の長 期 戦 略 と計 画 目 標 を 設 定 す る 前 提 指 標 とし て 信 頼 の お け る 情 報 を 必 要 と す る。 経 済 的 状 況 は , 会 社 の コ ン ト ロ ー ル す る こ と の で き な い 外 部 要 因 で あ る から ,会 社 生 存 の た め に こ れ に 順 応 し な け れ ば なら な い。 正 確 な 長 期 経 済 予 測 は , 会 社 を 成 功に み ち び く た め に 長 期 計 画 の 重 要 な要 素 であ り, 経 営 者 を し て 合 理 的 , 適 時 的 意 思 決 定 と 計 画 を 行 な わ せ る こ とに な18) る 」 と 計 画 策 定 の 前 提 とし て 将来 の需 要予 測 を 求 め て い る。 そし てこ の需 要 予 測 を 行 な うに は , 人 口増 加 率, 消 費 者 の 嗜 好 , 技 術 の 進 歩 , 景気 の動 向 , 価 格 の 趨 勢 等 心経 済 状 勢 の検 討 , 製 品 の成 長 率 , 所 得 の 増 加 率 , 購 買 力 の増 加 率 等 の 検 討 , さら に 他 企 業 の生 産, 販 売 状 況 等 か ら す る 自 己 の 市 場 占 拠 率 等 の 検 討 を 行 な う マ クロ 的 需 要 予 測 と 販 売 員 , 販 売 管 理 者 等 の 見 積 に よる ミ ク ロ的 需 要 予 測 を 行 な い , こ の両 側 面 か ら の 検 討 に よっ て総 合 的 需 要 予 測を 決 定 す る方 法 を と る こ と が のぞ まし い。 (2 ) 長 期目標の設定 前 項 の 計 画 策 定 の 前 提 に もとづ い て企 業 は , 全 般 的 目 標 達 成 の た め の長 期 目標 を 設定 す る こ と が 必 要 であ る。 そ れ は 企 業 の 今 後 の進 路 を 指 示し , そ の 方 向 づけ を 行 な うも の で あ る が, 企 業 の 長 期 目 標 の 決 定 に あ た っ て は , まず 企業 の生 産 , 販 売 の特 色 とそ の 弱点 を認 識し , 特 色 を い かし , 弱点 を 是 正 す る 態 度 を と る こ とが 必 要 で あ るが , そ れ が た め に は √ 企 業 の 過 去 の 実 績 を 検 討し , 現 状 を 的 確 に 把 握 す る こ と が 肝 要 で あ る。 さ て , 企 業 の 長 期 目標 は, 極 め て多 面 的 にし て 各 領 域 に お よ ぶ もの で あ る が , そ の一 例 とし てN.A.A. の 前 調 査 報 告 書 記 載 のそ れを 示 す と 第3 表O19) 如 く であ る。 参 考 に な る と こ ろ が多 い 。
第3 表 達 成 目 標 達 成 目 標 1. 目標概要 化学防腐剤 の製造,販売の.; ーダーシップた ること。 強力, 有益にし て多角的 であり, よく統合化されること。2. 利益 a b C ・ ・ ︱I' 皿 ●慟・ Ⅲ 年間税引後の利益 総資本利益率,12 % 自己資本利益率,16 % 売上高利益率,5 % 純利益の5% を社内留保し,株主には,年8 %の配当をすること 各工場,各製品,各販売地域から利益を獲得すること d. 毎 年 , 少 な く と も 税 引 後 利 益 を10% 増 加 さ せ る こ と3. 市 場a.1961 年 −1966 年 の 間 に カ ナ ダの 市 場 占 拠 率 を16 % か ら40 % に 引 上 げ る こ とb.1961 年 一1966 年 の 間 に カ ナ ダ の 洗 剤 市 場 の マ ― ケ ッ ト ・ ジ ェ ア ーを3% か ら16 % に 引 上 げ る こ とc. プ ラ ス テ ィ ッ ク業 界 の 占 拠 率 を 引 上 げ , 塗 装 業 界 の 占 拠 率 を 維 持 す る こ とd.1966 年 ま で に 輸 出 を 総 売 上 高 の15% か ら20 %を 確 保 す る こ とe.1966 年 ま で に 家 庭 用 品 部 門 の 直 接 販 売 費 を 売 上 高 の9% に 引 下 げ る こ と ・。 £. 競 争 業 者 の 使 用 す る 製 品 や 販 売 方 法 を 研 究 す る こ と4. 製 品 ‥a ニ1963 年 ま で に 木 材 防 腐 剤 を 完 成 し , 市 場 に 出 す こ とb. 顧 客 に 強 く 訴 え る よ うな 家 庭 用 品 に た い し て 新 し い 包 装 を 開 発 し , 原 価 を 引 下 げ る こ とc. 製 造 部 門 の 副 産 物 を 販 売 し う る よ う 開 発 す る こ と5. 生 産 性a. 製 造 時 間 当 り 毎 年2% あ て 生 産 高 の 増 加 を は か る こ とb. 従 業 員1 人 当 り 毎 年5 % の 販 売 量 を 増 加 す る こ とc. 改 良 さ れ た 包 装 お よ び 輸 送 方 法 に よ っ て 製 品 の 配 給 費 を 引 下 げ る こ と ト6. 財 務 a. 1 a11 資産め回転について 受取勘定一 年10回転 丿 棚卸品(素材,仕掛品,製品)一 年3 回転
b. 規 模 の 拡 大 , 又 は 経 営 の 多 角 化 に た いし て , 資 本 費 用 を 税 引 後12 % の プ ロ ジ ェ ク ト の 利 益 を 確 保 す る こ と7. 設 備a. 新 設 備 の 建 設 ま で に 現 設 備 の85 % の 操 業 を 少 く と も 維 持 す る こ とb. 現 在 使 用 し て い な い , 又 こ れ か ら3 年 間 使 用 さ れ な・,ヽ固 定 資 産 は , 売 却 又 は 賃 貸 す る こ と ( そ れ ら が 競 争 力 を 維 持 す る も の で な い な ら ば )8. 経 営 管 理 者 の 職 務 と 研 究a. あ ら ゆ る 部 門 管 理 者 は , 彼 ら の 責 任 領 域 に お け る 業 績 に よ っ て 報 酬 を うけ る こ とb 。1966 年 ま で に , 少 な く と も ト ッ プ と 中 間 管 理 者 の2 人 の 欠 員 を 補 充 す る た め 有 用 な 人 材 を 雇 傭 す る こ とc. 労 務 者 の 作 業 と 工 場 お よ び 原 材 料 の 利 用 に つ い て の 管 理 方 式 を 導 入 し , 利 用 す る こ と9. 従 業 員 の 職 務 と 態 度a. 当 社 の あ る 地 域 の 指 導 的 会 社 の 支 払 う賃 金 を 支 払 い , 従 業 員 の 利 益 を 保 証 す る こ とb. 生 産 性 の 向 上 に よ る 利 益 を 配 分 す る こ と ■c.1964 年 ま で に 年 間 の 従 業 員 の 移 動 率 を14 %か ら8% に 引 下 げ る こ と10. 技 術 革 新a /: そ の 他 の 目 標 が 達 成 さ れ た 場 合 , 会 社 の 資 源 開 発 又 は 他 会 社 の 買 収 又 は 合 併 に よ り 成 長 目 標 を 実 現 す る こ と ( 利 益 お よ び 市 場 に つ い て )b. 新 製 品 , 新 市 場 の 研 究 開 発 を 行 う こ と。1966 年 ま で に 現 在 の 売 上 高 が 総 売 上 高 四25 % を 占 め る よ う に 。PatrickH.Irwin,"HowtomakeaprofitPlan, ”SocietyofIndustrialandCostAccountantsofCanada,1961,pp.53-4 よ り 第3 表の達成 目標からし て明らかなる如く,それは, 企業 の全領域にわた る多面的 目標た ることが理解 されるが,との達成目標のうちでも最も基本的 目標は,利益目標といってよいであろう。それは,利益 目標以外の他の業務 目標を達成することに よって成就し うる最終目標であるとい う意味での基本 的目標であり, ここに長期利益計画策定の必要性がある。 (3) 長期目標利益の性格 企業 の目標利益は,長期利益計画策定の焦点であるが,この利益は,如何 なる性格をもつであろ うか, これについて通産省産業合 理化審議会の「経営 方針遂行 のための利益計画」 では。 「長期の利益計画は, 短期計画とことなり, 必ずし も目前の利益を最大
ならし め るこ とに 主 眼を お くものではない。 それはむし ろ長 期 に わた って 安定し た適正 な利 益率を 確保す る ことを主 眼 とすべ き であ る。 これは不 況 期におけ る 目標利 益率 の低 下を 相殺す るため であ って, かか る配慮な くし ては, 長期に わた る平均 的 目標利益 率は確保し えない であ ろ う。 一 般に長 期の 目標利 益率 とし ては, 最大 の率を 目指 す よりも, むし ろ 企業 の継続的 維持, さらに そ の発展 に必要 な最 低限度 の利 益 率 の確保 に主 眼をお くべ きであ る。 一般に 企業 の利 益は,(1) 企業努 力 の報償(2) 将来 の不測に 対 す る保障(3) 将来 の発 展更新 に対 す る準備 とし て企業 の生命を 支え るに 必 要な機能を もつ ものであ る ことを 認識し な20) ければ なら ない」 と論述し てお り, 又N.A.A . の 前調査報告書 も, 「(1) 営業 上 の固有 の 危険 を 補 償す る こと(2) 株主 にた いし て 適正 な配当支 払を 準備する こと(3) 企業 株主 の持分 の実質 価値を 確保す るよ うイン フレ ー-y ョンに よる コスト 高騰 にた いし て 準備 する こと 貨幣 価値 の浸 蝕に よる購 買力を 補償するために 利益 の増 加が必要 で あ る。(i) 企業 の拡張に たいし て自 己資本の追 加を 準備す る ことa. 必要 な時 に有 利 な条 件 で自己資本 の追 加を誘 因す る ことb. 自己資 本に よる会社 の生成を は かるため, 企業 へ の 再投資 のた め の利 益留 保を もたら す こと 2幻 (5 ) 必 要 な 場 合 , 借 入 資 金 コ ス ト を 低 減 さ せ る こ と 」 と論述している如く,短期計画におけ るそれが,当座り 利益極大化を意図す るのにたいし て,長期計画におけ るそれは. 企業の長期にわだっての成長発 展をはかるに必要な安定せる利益の確保を意図し,企業 の永続的生命の維持 を可能にするもQ であるとい うことであ る。 (4) 長期目標利益の表示方法 このような性格を もつ目標利益は,どのよう に表示すべきかとい うことで
あ る が , そ の 表 示 方 法 に は 種 々 あ る 乱 吉 田 弥 雄 氏 は ,「(1)期 間利 益 額 ,(2) 売 上 高利 益 率,(3) 資 本 利 益 率( 総資本利益 率, 経営資 本利益率, 自己資本利益 率√資 本金利益率,貢献差益対業務区分資本比率),(4) 一 株 当 り の 収 益 力( 利益額), (5)配 当 率 を あ げ て お り , … … 資 本 利 益 , そ め う ち で も 総 資 本 利 益 率 が 当 期 利22) ‥ ‥ 益 目標とし て 選択すべ き亡あ る」 と論 述し 七い るが, 総 資本利益 率は, 資産 の増 加につ れ て 目標利 益が増加し てい くか ど うかを判 断し た り, 資 産の能率 的 活 用を測 定 す ることがで きること から であ るが, 青 木 茂男氏 が指 摘する如 く,「……そ れ と組合 せて,そ の他 の資 本利益 率(経営資本や自己資本など)や 売上 高利 益率 な ども併 用す ることは 実 際的 だ といえ るであろ ‰ また全社的 目標利 益率 に対し て, 部門別, 活動 単位 別 め資 本利 益 率を 関連的 に もつ こと が望 まし い。 \また最近 の ように各 企業 の業績が 低下し, 経営者 とし て も配当率 の維持に 相 当 の 関 心 を 示 さ れ ば な ら な く な る と , ど う し て も 自 己 資 本 な い し 払 込 資 本23) 利 益 率 に も 相 当 の 注 意 を 向 け ね ば な ら な く な る と 思 う 」 と 論 述 さ れ て い る が 。 理 解 さ れ る と こ ろ で あ る 。 し た が っ て , 目 標 利 益 は 総 資 本 利 益 率 を 主 軸 と し て そ の 他 の 資 本 利 益 率 等 を 併 用 す る こ と が 必 要 で あ ろ う。 (5 ) 長 期 目 標 利 益 の 設 定 方 法 長 期 利 益 計 画 に お け る 目 標 利 益 の 設 定 方 法 に つ い てN.A.A レ の 前 調 査 報 告 書 は , 次 の 方 法 を 示 し て い る 。 す な わ ち , 「(1) 演 絆 法 (Theapriorimethod) こ の 方 法 は , 計 画 設 定 に 先 だ っ て 目 標 利 益 を 定 め る こ と で あ る 。 最 初 か ら 経 営 者 は 長 期 に わ た っ て 達 成 す べ き 一 定 の 利 益 率 を 指 示 し , そ の 目 的 に た い し て 計 画 を 設 定 し , 実 現 を は か ら ん と す る も の で あ る 。 こ の 長 期 の 利 益 目 的 は , 企 業 の 理 論 的 な 可 能 性 に 関 連 さ せ て 決 定 さ れ る 。 こ の 適 切 な 利 益 基 準 に マ ッ チ す る 長 期 利 益 の 目 的 は , 経 営 活 動 に 即 応 す べ き 利 益 目 標 で あ るo … … ノ (2 ) 帰 納 法 (Theaposteriorimethod ) こ の 方 法 は , 一 定 の 利 益 率 と し て の 長 期 利 益 を た て ず , 利 益 目 標 は 計 画 設 定 に よ っ て 決 定 さ れ る が , そ れ は 計 画 設 定 の 副 産 物 で あ る 。 … …(3) 実 用 的 方 法 (Thepragmaticmethod ) 実 践 上 は , 以 上 二 つ の 方 法 は , ほ と ん ど 採 用 さ れ て い な い 。 多 く の 会 社
では,多 少 と もこの二つ の方 法 の折衷 法に よってい る。 経営者 は, 将来 の 経営 活動の指 針 とし て長 期利 益 目標を 考え てい ない。 そ れは, 計 画 設定 か ら どの ような利 益 が示 され ようとも, そ れを かなら ず 承認 す るも のでは な い。 経営者 は, 利益 目標を 経験的テ スト と経験に よっ て利 益標 準を 使用す24 ) る。 これが 目標 利益 率 であ る。 …… 」 犬 と論述し てい る。 以上, 三つ の方 法 の うち理 論的 には 演譚法を採 用す べ き であ る。け だし, 企業 の永続的 生命 を 維持し , そ の生成 発展をは か るに は, 経営 者 が 希求す る 目標利益を達 成す るこ とが 必要であ るから であ る。 だが, 実践 可能 性を考慮 す るとき実 用的 方法を 採用 す ることにな るであ ろ う。 ■■ ■■ なお,上 記 の見 解と類 似し た ものとし て, 古田弥雄 氏は ,総 括 法, 積上 法。 折衷 法の三づ の方 法を とりあ げ,「積上法 に よっ て算定 さ れた 目標総資本利 益 率を総 括法に よっ て求めら れた利 益 率と相互調 整し て, 最終的 に 目標利 益25 ) 率を 決定 す るも のであ る」 と論述 され てい るが, 私見 とそ の見 解を一 にす る ものといっ て よい。 そし てこの よ うな見解 の うえ にた っ て算定 さ れた長期 目 標利 益(率)が 大綱 的長 期利 益計 画策定 め 目標利益 (率)とな り, 又 長期プl=Z ジ ェクト 計 画策定 の手 がか りに な るとい うことであ る。 6. 長期目標利益の設定方式 長期目標利益の設定方法は,前述の演謬法,帰納法および実用的方法,あ るいは総括法,積上法お よび両者の折衷法によることを論述し てきたが,こ れらの何れの方法を とるにし て 乱 費用を如何に分類し,表示するかが問題 である。その費用の区分表示する方法とし ては,種々の方法が提唱されてき たが,西滓脩氏は, これを次の九つの方法に整理されている。 すなわち,f"(l) 財務会計方式(2) 直接原価計算方式/(3) 貢献差益法(4) 利益パターン分析法(5) キャパシ テ ィ・コステ ィンダ方式(6) 事業部制方式(7) 段階的固定費回収計算方式
(8) 成 果 配 分 計 算 方 式 (9) シ ミ ュレ ーシ ョ ン 方 式 を 示 し て い る。 そし て 長 期 利 益 目 標 の 細 目 スヶ デ ュ ー ル は , 売 上 高 か ら 製 品 原 価 を 控 除し て 限 界 利 益 を 求 め , こ れ か ら 期 間 原 価 であ る キ ャ パシ テ ィ・ コ ス ト を 差 引 い て 純 利 益 を 算 出 す る方 式 に よ り設 定 す る。 限 界利 益 と マ ネジ ド ・ キ ャパシ テ ィ ・ コ ス トは , 主 とし て短 期 利 益 計 画 で 管 理 し , コ ミテ ッ ド ・キ ャ パシ テ ィ ・ コ ス ト と ポi; シ ー ・ コ ス ト は , 主 とし て長 期 利 益 計 画 で 管 理 す るが , 前者 の基 本 趨 勢 の 管 理 は 長 期 計 画 の対 象 とす る。 長 期 利 益 計 画 では, 戦 略 的 観点 か ら 決 定 さ れ た キ ャパ シ テ ィ・ コ ス トを 限 界 利 益 計 画 に よ っ て ど う 回 収し , かつ 目 標 利 益 を 生 み 出 す べ き か を 使 用 資 本26 ) と の関 係 か ら 創 出 す る こ と が 課 題 と な る 」 と 論 述 さ れ て い る。 な お。 キ ャ パ シ テ ィ・ コ ス ト に つ い て は,N .A.A. の調 査 報 告 書 ,「キ ャ パ シ テ ィ ・ コ スト の会 計 」(accountingforcostsofcapacity,1963 )に お い て 説 述 さ れ て い る。 そ こ で は ,「継 続 企業 は , 常 時 使 用し う る よ うに 物 的 設備 , 経 営 組 織 を 維 持し な け れ ば な ら な い 。 そ し て こ れ か ら 製 造 , 販 売 の キ ャパ シ テ ィが 提 供 さ れ る。 将 来 の 活 動 に そ な え る た め の キ ャ パ シ テ ィを 保 有 す る こ27 ) とに よ っ て 発 生 す る費 用 が キ ャ パ シ テ ィ ・コ スト であ る」 と 論 述 し , さ ら に 『 キ ャ パシ テ ィ ・ コ ス ト と い う用 語 は , 原 価 を 構 成 す る各 グル ープ の 源 泉 を 明 ら か に す るた め に 選 ば れ た も の で あ る。 固定 原 価 , 期 間 原 価 とい う用 語 は , 原 価 の 源 泉 とは 無 関 係 であ り, そ の 発 生 状 態 を 示し た も の で あ る か ら , キ ャ パ シ テ ィ・ コ ス ト と は 異 な る も の で あ る。 個 々 の キ ャパ シ テ ィは , そ れ の固 定 化 し て い る時 間, 営 業 量 の範 囲は か な り 異 な る が, キ ャ パ シ テ ィ ・ コ ス ト は , 通 常 営 業 量 が変 る と き固 定 費 の 性 格を も っ て い る。 又 キ ャ パシ テ ィ・ コ ス ト は, キ ャ パシ テ ィの利 用 に よ り原 価 を 回 収 す る機 会 が , 当 該 期 間 の 営 業 量 に 比 例し か い で, 時 間 の 経 過 にし た が っ て 消 滅し て い く こ と が 多 い ので 。283 か か る 意 味 で 時 間 原 価 と い うこ と が で き る」 と そ の性 格 を 明ら か に し てい る が , そ れ は , 経 営 の 人 的 組 織 , 物 的 設 備 (お よび政 策)等 に 関 す る も の で,能 力 費 と もい うべ き も の であ る。 そ し て こ の キ ャ パシ テ ィ・コ ス ト は, コ=−バ ソ ズ(MarshallK.Evans, “Profitplanning,"HarvardBusinessReview,July-August,1959,pp.45 ∼54」 氏 に よ り, コ ミ ッ テ ッ ド ・キ ャ パ シ テ ィ・ コ ス ト
(commit-)とマ ネジ ド ・キ ャパシ テ ィ・コ スト(managedcapacitycost) に区 分し, 後者は, さらに ポ リシ ー・コ スト (policycost)とオペレ ーテ ィン グ・コスト(operatingcost)とに分 類し てい る。 又シ リン グロ ー(G.Shillin-glaw )は, 滞留 原価(care-takercosts), 能 力付与 原価 (enablingcosts),自由 裁 29)  ̄ ”  ̄’ ̄ 量 原 価 (discretionarycosts) に 区 分 し て い る が , 滞 留 原 価 は コ ミ テ ッ ド ・ キ ャ パシ テ ィ・ コストに 該当 す る もの とい っ て よい。 さて, 西洋脩氏は, 長 期利 益計 画 の設定 方式 とし て,「原価を発 生 源泉を 基 準 とし て, まず製品 原価 とキ ャパシテ ィ・コストに 二大 別し た後, キャ パ シ テ ィ・コストを コ ミッテッド ・ コスト とマ ネジド ・ コ ス ト に れをさらに ポリシー コストとオペレ ーティング・コストに区分する)に 細分し, これに売上 高30 ) お よび純利益を 計画数値 と比較す る方 法が 最 も よい」 と論述し , 次 の如 き全 社的 利益 計 画表(第4 表)を 提 唱し て い る。 又事業 部制採 用 の場 合は,貢 献 差 益法に よるべ き であ るとし て業 務 区分 別長期利 益 計画表(第5 表)を 提唱 さ れてい る。 第5 表 の業 務区 分別利 益 計画表 に おけ るキ ャパシ テ ィ・ コストを より細分 化し たものとし てア クテ(K.Aghte ) の段 階的 固定費回 収計算 (stufenweisefixkostendechung )があ る。 す なわ ちレ「ア ダテは固定費 を製品 固定費 (Erzeugs-nisfixkosten )一特 定製品 の生産 に役 立つ生 産 設備− , 製品群 固定 費(Erzeugnis-gruppenkosten )一一つ の製品 群だけ 直接 帰 属 され うる固定 費, た とえ ば,電機 メーカーの各種製品 群の中 の 「テレビ 」 とい う製品 群にたいす る研究 開発 費。 そ の製造設備, 建物 の資 本費 等− , 原価部 門固定 費(Kostonstellesfixkosten)一 。 特定 部門に 直課し うる固定費> 大部 門固定 費 (Bereichskosten)―, 事務部 門 直課固定費−, 企業固定 費 (unternehmangsfixkosten)―, 企業 全般に関す る 固定費等− に区分し ,固定 費 を段 階的 に 回収し てい く 方 法を 提唱 さ れ て い る。 い ま, そ の計算方法を示 す と, 第6,7 表 の如 くであ る。 ア クテの固定費 回収計算 は, 固定費 を よりキ メ細か く区 分し, 固定 費 の段 階的 回収 過程を示 すが,そ れ ぞれ の区分 ご と の貢献 額を 示 すも のとし て, 利31 ) 益計 画の設定 に設立つ ところ が大 きい。 こ のよ うな考え 方は, わが 国通 産 省産業 合理 化審議会 編 の「事業部制 に よ る利 益管理」 の答 中書におけ る固定 費 の管理 可 能性 の観点 からす る区 分にー
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n
原 価 負 担 者 A B C D 製 品 回 収 貢 献 額 製 品 固 定 費 19,000 5,000 9,500 23,500 10,000 14,200 8,000 66,200 23,000 回 収 貢 献 額 製 品 群 固 定 費 14,0009,500 \/23,5005,00013,5006,200\/19,7008,000 43,200 13,000 回 収 貢 献 額 18,500 11,700 30,200 大 部 門 固 定 費 3,100 7,000 10,100 回 収 貢 献 額 15,400 4,700 20,100 企 業 固 定 費 10,000 純 利 益 10,100脈相通ずる ところがあ るとい って よい であ ろ ‰ 要 するに, 長期利益 計 画 の設定 方式 とし ては,原 価を 製 品原価 と キ ャパシ テ ィ・コストに区別し, 売 上 高 より製品 原価を差引 いて限 界利 益を 計算し , 次い でキャパシテ ィ・n ストを 直課 キ ャパシ テ ィ・コス トと共 通 キ ャパシ テ ィ・コストに区分し , 各製品 の限 界利 益 より直課 キ ャパシ テ ィ・コ ストを 差 引 い て貢 献差益を 計算し , そ れ から共通 キ ャパシテ ィ・ コスト お よび本社費 を差 引い て純利 益を 計算 す る貢 献差 益法 に よることが, 変 動原価 とキ ャパシ テ ィ・コストを分別 把握す る ことに よって計 画設定 に役立 つ のみなら ず, そ の管理に も貢 献す るこ とからし てのぞ まし い方式 であ る。 7. 長期資 金計画 の策定 長 期利 益 計画は, 長 期 目標利 益を設 定し, そ の 目標利益 達成 のために 長期 期間 計画お よび 長期 プロジ ェ クト計画 を 策定し ,そ れを 実 施す る ことになる が, それに ともたっ て当 然資 金 の支 出を 必要とす る。し た がって, そ こに長 期 資金計画(long-rangefinancialplanning) の策定 が要請 され る。 そ れは, 長 期利益計 画と表裏一 体,不 可 分 の関係 にあ るとい ってよい。 以下, 財 務方 針と長期 資金 計 画等に つい て考 察し てみ ることに す る。 (1) 財 務 方 針 犬 ・。 長 期資金計 画を 策定す るに あ だ って は, まず 財務方針を 決定し , それに 準 拠し て長 期資金 計画を策 定す べ きであ るが, そ の財務方針につ い てはN.A.A. の前調査 報告 書は, 次 の諸点 を 指摘し てい る。 参 考に な る点 があ るの で, そ の要点を 摘記す ると, 次の如 くであ る。 ・’ 「(1) 危険に たいす る態 度 犬 経営者 は 負債比率, 運 転資 本状態 そし て経験 からし て 会社 の円滑 な経 営 活動, その 他 財務構成に 着目す るこ と。 (2) 企業 の統轄権 の維持 経営者 は 配当支払 の制 限, 企 業 の経営 活動に たいす る外部 からの干渉を 排 除す るた め, 他人 資本依 存策を とら ない ことがあ る。 そこ で経営者は, 自 己資本政策を と り。 財 源を 内部留 保に 求めた りする。(3) 営業 活動の拡大 に よる資 金 調達 経営者は 配当 の支払, キ ャッシ ュ・ フ ロー,利 益率を 規制し た り, 自 己