開発(3)
著者
森 彰
著者別名
Mori Akira
雑誌名
経営論集
巻
38
ページ
159-188
発行年
1992-03-30
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005708/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja研究ノート
大 学 に お け る教 授 法 と教 育 シ ス テ ム の 開 発(3)159大学 にお け る教 授法 と教育 シ ステ ムの開 発(3)
森
彰
Ⅲ. 大人数講義 のすすめ
1. 少人数講義の問 題点 と大人 数講 義の導 入1)
(1) 少人数パ ラダ イ ム
文科系の私立大学 は大 人数講義 を 行な わざ るを得 ない状況 にあ る。そし て。
「大 人数講義 が教 育の質 を低下 させ てい る」 とい う誤認 があ る。 こ の誤認 に
基 づ いて大 人数講義 の弊害 を打破 す るた めの解 決策を多 くの大学で 探っ てい
るが,根本的 な解決策 は見あ た らな い, 次善 の策 として,1
つの大 人数講義
を100 人 とか200人 とかの コー スに分 割 して, 可能 な限 り少 人数講義 を導入 し
よ うとしてい る≒ その 結果, 教員1 人めな りの講義の持 ちコマが増大 した。
教 員は持 ちコマ が増 え る とい う多大 の犠牲 を払っ てい るに もかか わらず, 大
学教 育が大 きく改善さ れた とは考 えられない。なぜ なら,
「大 人数講義 より も
少 人数講義の方 が, より教育 効果 を挙げ るこ とが出来 る」 といっ た,量的 な
側面 のみを重視 した伝統的 な少人数 パ ラダ イ ムが教員 や職員 の頭の 中 に頑固
にこびりつ いてい るか らで あ る。 このパ ラダ イ ムが存在 す る限 り, 教 育の効
果 と効率を高 め るこ とぱぱ かれな い と考 えてよいであろ う。
この少人数パ ラダ イムは, 情報技 術 が未熟で, 教員 と学 生 との コ ミュニ ケー
ションが対面で しかは かれ なかっ た時代 の遺 物 という性 格を持っ てい る。 す
なわち,教員 も学生 も少 な く, 教 員 と学生 とが膝 を突 き合 わせ て対 話 し, 教
材 も教員が持 つ何冊 かの 本の みであ る, といっ た時代 に成 り立っ た方式 とい
える。 しかしなが ら, 今 日は, 教員 も学生 もその数 は多 く, 放送大 学や通信
教 育に見 られるよ うに遠 くは なれた場所 にい る学 生 に も教 育す る事 も可能で
あ り, さらに多 様 な教材 が社 会 にあ ふ れてい る時代 となっ てい る。 こ うした
時代で は, 大人 数講義 の教 育 システ ム とハ イテクを活用 した教 育支援 システ
ム とを導入す る事 に より, 大 人数講義で 効果的 かつ 効串 的 な教 育が可 能で あ
る と考 え られ る。
(2) 松 下村 塾3)
前稿4)で 記述 した学生が勉学 に励 まない 第6 番 目の原 因 は
「私立 のマ スプ ロ
大学 と呼ば れている大学 に見 られるこ とで あ るが, 教員 数 に比 べて学生 数が
多 す ぎて,個別指導 が不可能で あ る,と思い こ んで い るこ と」5)で あっ た。そ
の ような思 いこ みの原因 は教員の教 育 に対 す る イメー ジ, す なわち「松 下村
塾方式 が教 育 の理 想」 にあ る と考 えられ る。O
大学 の教員 や法人 は,江戸時代 か ら続 いて い る寺子 屋教 育の概念で教育 を
し よう と考 えてい るこ とで あ る。松 下村塾 の よ うに, 素晴 らしい教員 と情熱
あふ れる学 生 が膝 を突 き合 わせて研学 す る方式 が潜在 意識の中 にあ る。
こうし た教 育の方式 は「 すば らしい教員」,「情熱 あ ふ れ る学生」 と「少 人
数 講義」 といっ た3 つの条件 が必 要にな る わけで, こ れらの3 つの条件が満
たさ れるこ とは非 常に難 しい と考 えら れる7)。
東洋 大学 経営学部 の場合,専任 教員数 は約30 名, 学 生 数は ほぼ2800 名であ
り,専任教 員一 人当 りの学 生数 は100人程 度 とな り,かつ一 人の専任教員 は平
均 で5 コマ ないし6 コマ と多 くの科 目を担 当 してい る。 松下村 塾方式 は本質
的 に無 理で あ るこ とは明確であ る。 竹槍精 神で 教育 を す れば, 専任教員 はす
べて玉砕 し,その後 には学生 にも専任教 員 に も虚無感 しか残 らないであ ろう。
現在 が まさ に そう した状況 に近い。 こ れを改 善 す るた めには,逆 説的で はあ
るが,
「大人 数(受 講者数が300 名 とか800 名)教 育の シ ステ ム化」を図 る必要
があ る。 とと もに, 徹底的 な「少 人数 (受 講者 が5 名以 下 )教育」 を推進す
るこ とも不 可 欠で あ る。
本論で は, 効果的 かつ 効率的な大 人 数講義 を実現 す るた めの教育 システム
を構 成 す るい くつ かの実用化 されてい る教 育技術 を紹 介 す る。 現時点で は大
人数 講義 のた めの完成さ れた教育 シ ステムは出来上 がっ てい ない。 ここ に示
す よう な効果 的 な教 育技術 を ま とめあ げ て行 くこ とによ り,新 しい教育シ ス
テ ムの構 築 が可能 となる と考 えられる。
づ
(3) 大人 数講義 のメ リット
効果的 かつ 効率的 な大 人数講義の方法 を検 討す る前 に, 大 人数 講義 の もた
らす メリ ット を明 らかにしよ う。
●教員 の持 ちコマ数の削減3
コマ に分 けていた講義を1 コマで 出来 るのであ れ ば,1
コマめな りの受
大学における教授法と教育システムの開発(3)161 講 生 が増 大 す る が, 全 体 的 な 負担 ぱ減 少 す るで あ ろ う。 ●作 業 時 間 の削 減1 コマ あ た りの 人 数 が 増 えれば , 出 席 ・ 採 点 , な どの 作 業 を機械 化 す るこ とが 出 来 るだ ろ う。 その ぶ ん , 時 間 の 浪 費 が 削 減 で き る。 ●少 人数講 義 の充 実 とカ リキ ュ ラ ムの 多 様 化 削 減 さ れ た 時 間 を 少 人 数 講 義 の充 実 とカ リ キ ュ ラ ムの 多 様 化 の 努 力 に向 け るこ とが出 来 , こ の面 で 教 育上 の 大 き な効 果 を得 る こ と が出 来 る。 ●教 育 効果 の 向 上 カ リ キュ ラ ム や教 育 支 援 機 器 と連 動 さ せ る形 で 大 人 数 講 義 の教 育 シ ス テ ム を作 り出 す こ とに よ り, レベ ル の 高 い 教 育 が 可 能 とな る。 こ れだ け の メ リ ット が あ る大 人 数 講 義 が 実 現 で き れば , シ ステ ム開 発 の た めの 若 干 の 投 資 と努 力 は, 十 分 報 わ れ る と考 え ら れ る。 大 人 数 講 義 の充 実 は 大 人 数 で の 教 育 効 果 を上 げ る こ とを 目的 とし て い るの で あ る が, 実 は, 少 人 数 講 義 を充 実 さ せ るた めの 不 可 欠 な 前 提 条 件 と もな っ て い る。 (4) 大 人 数 講 義 の 導 入 の 基 本 的 な 考 え方 大 人 数 講義 の 技 術 を 考 える前 に, 基 本 的 な 教 育 技 術 の あ り方 を 説 明 す る。 ① 大 人数 講 義 と少 人 数 講義 の本 質 的 な差 ∧ 少 人 数講 義 の 充 実 の み を 叫 ぶ 人 は, 大 人 数 講 義 と少 人 数 講 義 の 教 育 技 術上 の 差 を理 解 し て い な い とい え る。特 に私 学 の 場 合 , 設 備 ,施 設, 人 員 ,予 算 , な ど非 常 に 多 く の制 約 の 中で 教 育 が 行 な わ れ て い る が, 一 律 に少 人 数 講義 を 主 張 し それ を 実 行 す る な ら,そ れ らの 制 約 の 壁 に す く≒ 私 学 の 場 合 は と り わ け大 人 数 講 義 と少 人 数 講 義 とを う ま く組 み合 わせ た 教 育 を 行 う こ とが 不 可 欠 で あ る。 こ の 場 合 に は, 次 の 原 則 を 守 る必 要 があ る。
大 人数講義の主 た る目的 は,
少人 数講 義の主 た る目的 は,
「ボト ムアップ 」で あ る。
「ト ッププ ル」 であ る。
大 人数講義 は, 主 として基 礎論,総 論 な どの必修 的 要 素の 強い科 目, な ら
びに情報処理実習や英 語教育 といっ た技 能修 得的 な色彩が 強い科 目8)で採用し,
学生 全体の学力 レベ ルを底上 げ する事, すな わち「 ボト ムアップ 」を目的 と
するこ とが望 ましい。 少人数 の講義 の典型 は演習 と考 えられ る。 特定の一 部
の学 生を対 象 とした応 用研究 の色彩 が強 く,また全人 教育 的 な内容 となろ う。
その他の科目は, その科目の特性や担当教員の考え方,カリキュラムのなか
での位置づ け等の条件で,大人数講義であっ たり,少人数講義であったり,
さらには中人数講義であっ たりするだろう。このことを分かりやすく図 一1
で示す。
学 力 高 い ↑ ↓ 学力 低 い小人数のトップ は更 に水準が上
がるとともに、 その割合は増え
る。
多 くの平均的 な学生 は上 に引 き づ られ、下 から押 し 上げ ら れる。サイレント・マジョリティーは
否応なく学力が身につけさせら
れる。最低レベルが底上げされ
るとともに、ボトム層は減少す
る。
図 一1
トッププルと ボトムアッ プ
②
教員の学生時代の経験は「トッププ ル」であっ た
本学教員の多くが大学教員になるために経験した教育は「トッププル」教
育であっ た。教員の多くは,本学での教育において も自分の指導教官・教員
の指導の方法 を無意識の内に採用している。 そうした意味からすると,本学
に必要 とさ れるボトムアップ 教授法を十分蓄積してきたとは言えないであろ
う。したがっ て,演習や特殊な少人数講義を必要とす る領域においては, そ
の持てる「ト ッププル」技術は十分発揮されると考えられるが, ボト ムアッ
プ教育においては「トッププ ル」技術は障害になると考 えられる。
③
教育の基本は動機 付けであ る
大学教育で は,知識の伝達 という目的を果 たすことは不可欠であるが,み
大学における教授法と教育システムの開発(3)163 ず か ら学 習 す るた めの 動 機 付 け も不 可 欠で あ る。 こ の動 機 付 け は, 新 入生 の 時 期 に行 わ な け れば な ら な い。 そ う した 意 味 で は,1 年 生 に対 す る教 育 の 善 し 悪 しが その 学 生 の 一 生 に影 響 を 与 え る とい えよ う。 大 学 教 育 の 改 善 を は か ろ う とす る な ら, まず着 手 す べ き戦 略 的 なタ ーゲ ッ ト は1 年 生 で あ る こ とを 認 識 すべ きで あ ろ う。1 年 生 そし て2 年 生 に対 す る教 育 が 不 充 分 で あ る間 は, い か に3,4 年 生 に対 す る教 育 に力 を 入 れ て も, その メ リ ッ ト を受 け る学 生 ぱ ほ んの わず か とな ろ う。 大 人 数 講 義 の 問題 点 を 解 決 す るた め の技 術 は次 の よ う に整理 で き るだ ろ う。 こ れ ら の技 術 は 経営 学 部 で 実 際 に導 入 さ れ, 大 き な効 果 を挙 げ て い る ○ 問 題 点 学生は講義 に出席 し なし マ イク・黒板 ・チョークを 使った刺激 の無 い講義 講義に出席 して もお しゃべ りが多1
解 決 の た め の 技 術
バーコードを活用した出席調査
教 室の イン テリジェ ント化 講義時間以 外 には勉強 しない こ とが多い 試験前に も勉強 しないこ とが多し お し ゃ べ り で き な く す る 常 にレ ポート作 成を課 する 試験問題 に工 夫 を こ らす図 一2
問題点と解決のための技術
2 。おしゃべり対策……大教室の利用
束洋大学朝霞校舎 にぱ339教室 という定員が約700名の大教室があ る。この
教室は朝霞校舎が建設されて以来いくつかの講義にしか使われてこなかっ た
という曰く付きの教室であ る。経営学部ではこの教室のイン テリジェント化
を数年 前 より法人 に要望 して きたが,平 成3 年6 月 に必要最小 限の機器 が設
置 さ れた。 この詳細 に関して は次稿 で 論述 す る予定で あ る。
この教室 に機器が設置され る前 に実験 した講義 方式9)が想像以 上 に大 きな効
果 を挙 げたのであ る。大 教室で の講義で最 も困 るこ とは学生 のお しゃべ りで
あ る。 教 室が 常にザ ワザ ワし, 講義 す る側 も不愉 快だ し,受 講す る側 も講義
が聞 き取 りにくい。90 分の 講義時 間中 に何 回 も注 意す るが効果 ぱ少 ない。受
講 者は1 年毎 に変 わる。 しかし, 教 員 は10年,20 年 と毎年同 じこ とを注意す
るだ けの根気 はない。 その結果 √教 室のざ わめ きぱあ きらめて, マ イクの力
に頼っ て一 方的 な講義 をせざ るを得 な ぐな る。 教 室のざ わめ きを抑 える方法
は簡 単であ る。
一 人 お き に 座 ら せ るだ けで あ るこれだけで,講義中の学生のおしゃべりは皆無 となった。この大教室でマ
イク も使わず,普通の会話よりも若干大 きめの声で講義するだけで十分であ
る。前々より論者は「マイク不要論」 を唱 えてお り,大学からマイクの追放
を主張してきた。
ニ
教室がざわめくメカニズムを論者ぱ次のように考えていた。
「教員がマイクで講義する」
↓
「学生の少々のおしゃべりは大丈夫」
↓
「学生はさ らにおしゃべりをする」
↓
「教員は学生のおしゃべりに負けないようにマイクで大 きな声で講義する」
↓
「学生はさらに安心しておしゃべりする」
↓
「教員は注意す るが,学生は講義はおしゃべりする場所 と思いこんでいる」
↓
「教員は学生のおしゃべりをあきらめる」
↓
「学生はさらにおしゃべりする」
大学におけ る教授法 と教 育 シ ステ ムの開発(3)165 こ の 筋 道 を さ ら に 単 純 化 す る と , 図 一3 の よ う に フ ィ ー ド バ ッ ク ル ー プ を 描 い て い る こ と が わ か る 。 お し ゃべ りが で き る 座 席 配 置 学生のおしゃべ りが 絶 えない 教員はマイクで大 き な声で 講義 する 教員はマイクを利用 す る
図 一3
おし ゃべりが発生す るメ カニ ズム
この図 から容易 に理解で きるが, マイクを追 放す るより は√ マ イクが不必
要 に なる方式 が発見で きたのであ る。 この方式 を導 入す るに は予 算 は必要 な
い。受 講者の人数 よ り教 室定員 の多 い教 室10)を割 り当て るだ けで 問題 は解決
す る。 この方式 が根本的 な効果 を生 み出すた めには, ほ とん どの大 人数講義
で この方式 を導 入 し, 学 生 に条件反射 とも言 えるような「お しゃべ りをし な
い受 講態度」 を身 につ けさせ るこ とが不 可欠であ る。
2 。不正ができな い試験
こ れは論者の考案で ぱ ないが11)非常に有効 な方式であ る と考 えられるので,
ここで 紹介した い。 少人 数講義 で は個 々人に対 応 しか教 育がで きるた めに,
試験で のカ ンニ ング は一般 にぱ発生 しない と考 えられる。 し かし なが ら, 大
人数 講義科 目で の 試験で は, 試験 時間中 の教員 の役 割 はカン ニング 防 止であ
る と言っ ても過 言で はな いだ ろ う。
一 部 の学生 はカンニングを前提 とし て試験 前 にす ら勉 強し ない, といっ た
状況 も無 い わけで はない。 こ うした ほんの僅 か な学生 の存在 が教育 に悪い影
響 を与 えてい るこ とも事 実であ ろ う。
「悪 貨 が良 貨を駆 逐 す る」といっ た状 況
が 発生 しない ようにす るこ とは教育上 きわめて重要 なこ とと考 えられる。
「学生 がカンニング す るのを防止 す るた めに監督 す る」 といっ た状況 は避
け ねば なら ない。で は, どうす るか。 さ きに「一一人お きに座 らせ るこ とによ
りお しゃ べりを防止 す る」 の と同 じ よ うに, 物 理的 に もカン ニングが不 可能
な環境 を作 り出せば良 い と考 えられ る。
「隣 の受 験 生 の答案 を見て もカンニ ン
グ には ならない」 ようにす るだ けで問題 は解 決 す る。 具体 的 には,
試験 問題を複数種12)用 意 し, 交互 に配布 す る
だ けで, 問題 は解決 す る。 図 一4 に示 す よう に, 試験 問題X を割 り当てられ
た学 生 の両隣 と斜 め前の試験問題 ぱY とす る。 したがっ て, 不正 を働 きよう
がな い。 重要 なこ とは, 不正を 防止す るこ とで はな く,学生 が勉強 に励 むよ
うにす るこ とで あ る。 こ うした不正 防止 の方式 を採 用 す るこ とにより, 学生
の頭 の中 には「カン ニング」 といっ た概 念 が無 くな り, 試験 に合格す るた め
には勉強 す る必要 があ るこ とが植 え付 け られ る。
X
Y
X
Y
X
Y
X
Y
X
Y
X
Y
X
Y
X
Y
X
Y
X
Y
X
Y
X
Y
図一4
試験用紙の配布パターン
3. 丸 写しレポート の防止
剛
丸 写 しレ ポート の存在
一般 に大学 のレ ポート提出 とい う と, 紙2 ∼3 枚 の レポート も含 まれるよ
うで≒わる。 その ような枚数の少 ない (少 ない時 間で 作 成が出来 ると学生 は思
いこ んで い るこ とが多 い)レ ポートで す ら, 丸 写し もし くは丸写 しに近いレ
ポート が かな り多 く出現 す ると言 われて い る。 数 百人 の受 講者 の多 くは自 ら
大学における教授法と教育システムの開発く3)167 レ ポ ー ト を 作 成 す るが , か な りの 部分 の学 生 は すで にで きあ が っ て い る友 人 の レ ポ ー ト を 写 し た り, それ を 参 考 にし てレ ポ ー ト の 体 裁 を つ く り出 す。 そ うし て作 ら れ たレ ポ ー ト が更 に流 通 し コピ ー版 が 多 数 作 ら れ る。 東 洋大 学 経 営 学 部 の レ ポ ート は一 般 的 に字 数 は8000 字 以 上, ワ ープ ロ使 用, となっ て い る13)た め に,コピ ー さ れ る可 能性 が 高 い と考 え ら れ る。 ところ が, こ こ数 年 の 間 の 論 者 の 個 人 的 な経 験 に よ れば , レ ポ ー ト の コピ ー は 殆 ど発 生 し て い ない 。 論 者 た ちが 開 発 した 教 育 方式 が 優 れ て い る が 故 に レ ポ ー トの コ ピ ーが 発 生 し な い ので あ る と考 え ら れ る。 学 生 が レ ポ ー ト を コピ ー す る原 因 と, その 原 因 を 取 り除 くた め の技 術 とを考 え て み よ う。(2) 自 らの 勉 学 とし て の レ ポ ー ト作 成 第1 の 原 因 は, 学 生 が レ ポ ー ト を 自 ら作 成 し よ う とす る動機 付 け が なさ れ て い な い こ とで あ ろ う。 人 間だ れし も楽 し い こ とは 積 極 的 にす るが, 楽 し く な い こ とは最 小 限 の 時 間で 済 ま そ う とす る。別稿 で 説 明 し た14)よ う に,レ ポ ー ト 作 成 が 楽 し くな る よ う な テ ー マ を 設 定 す る こ とが 肝 要 で あ る。 具 体的 に は, 自 分 が 関 心 を持 っ て い る テー マ を と りあ げ て 勉 学 さ せ れば良 い 。 た とえ ば, マ ー ケ テ ィン グ の4P(product,promotion,place,price) を学 習 す る の に, 一 般 論 で 勉 強 さ せ て もあ ま り効 果 は な い。 し か し, 個 々の 学 生 が興 味 を持 っ て い る製 品 な りサ ービ スを1 つ の研 究 対 象 と 七 て とりあ げ さ せ , その 製 品 な りサ ービ スな り に関 す る4P を研 究 さ せ る こ とに よ り, 自 発 的 かつ積 極 的 な勉 学 が促 進 さ れ る。 さ ら に, そこで 研 究 し た 内 容 ぱ学 生 の 頭 の 中 に染 み 込 ん で く れ る と言 う効 果 もあ る。(3) 基 礎的 なレ ポ ー ト作 成技 術 第2 の 原 因 は, レ ポ ー ト を作 成 す る技 術15)を 学 生 に体 系 的 に修 得 さ せ てい な い こ とだ ろ う。 研 究 テ ー マ の 設 定, 文 献 ・ 資 料 の 収 集 , 結 論 の 出 し方, 論 述 の形 式 , 日 本 語 の 書 き方 , な ど, レ ポ ー ト を作 成 す る た め に は か な りの技 術 が 必要 とさ れ る。 レ ポ ー ト作 成 の 基 礎 技 術 が な い 場 合 に は, 表 紙 が ない, タ イト ル が な い , 目次 が な い, 序 文 が な い, 研 究 テー マ の 説 明 が な い, 本文 中 に 見 出 しが な い, 参 考 資 料 を丸 写 し し た だ け の もの , 参 照 や 引 用 の 注 は な い,そし てゼ ム ク リ ップ で 綴 じ た レ ポ ート が 作 成 さ れ るだ ろ う16)a 質 の高 い 学 術 的 なレ ポ ー ト を学 生 に作 成 さ せ るた め に ぱ, 上 記 し た よ う な問 題 点 が ま ず無 くな るこ とが 不 可 欠 で あ る。 極 端 な表 現 を す る と と, 研 究 内 容 を云 々 す る前 に, レ ポ ー ト の 形 式 を 教 え込 み, その形 式 が 完 全 に 守 ら れ て い るレ万ポ ー
トを何回か作成するこ とが必要であ る。
そのために,経営学部では「レポート執筆要綱」を『履修要覧』に掲載し,1
年生には4 回から7 回程度8000字以上のレポートを作成させてい る。さら
に,同要綱にぱセルフチェ ックシートが盛 り込まれてお り,レポートが完成
した ときに,学生自らがこのチェックシートで自分のレポートを自己評価す
るようになっている。
なお,レポートの内容の高度化 をはかるために,「経営学小論文執筆要綱」
を作 成している。これらの2 つの要綱 を前提 とした「卒業論文執筆要綱」 も
作成する必要があ ると思っ ている。
(4) 大量の文章を書くこ とが不可欠
第3 の原因は,
「レポートは簡潔にして論理がしっかりしており,結論が明
示されているものが良い」 という考え方を単純 に大学教育に適用しているこ
とだろう。 たしかにレポートは簡潔なものがよい。 といって,学生に簡潔な
レポートを紙数枚 にまとめさせて提出させることには大 きな問題がある。
「簡
潔なレポート」の背後には膨大 な研究成果があ るわけで,膨大な研究成果を
踏 まえた上で簡潔なレポートを作成するのであ れば良い。 しかし,実際にぱ
紙数枚のレポートを提出させ る場合,学生はほとんど研究せずに,頭の中に・
入っ ている断片的な情報を紙に書き出したり,泥縄的 に仕入 れた文献から丸
写しすることが多いだろう。 こうしたレポートは, 単位の取得 には役立っ て
も,本来の勉学にはまったく役に立だない。もし,簡潔で少ない枚数のレポー
トを提出させたいのであ れば,背後 の膨大な研究成果なり資料を添付させる
ことが必要だろ う。8000
字レポート というのは,こうした考え方から導 き出された ものである。
論者の経験によれば,累積で数万字 から10万字程度になるよう,レポートを
数回から10回程度経験しなければ大学生らしいレポートを作 ることはで きな
い と思っている。卒業論文ぱ一般的 に400字詰め原稿用紙で100枚から200枚程
度 とも言われているが,字数に換算すると4 万から8 万字 となる。したがっ
て, まともな卒業論文を作成した学生は社仝にで てからも評価 に耐 えられな
くはないレポートを作 るこ とがで きるのである。 こうして,レポートを作る
ことに習熟すれば他人のレポートを丸写しするようなつまらない作業はしな
くな る。
(5) 研究を積み重ねるこ との楽しさ
大学における教授法と教育システムの開拓s)169 一 般 的 に, 大 学 で の レ ポ ー ト 提 出 は, 提 出 す る とそ の 研 究 は 完 了 した 扱 い とな る。 なぜ な ら, 一 般 的 にレ ポ ー ト提 出 は年 度 末で あ るこ とが 多 い か らで あ る。 した が っ て, 学 生 の 手 元 に はレ ポ ート が残 ら ず, その 研 究 を 続 け る動 機 も まっ た く無 く な り, 研 究 した 成 果 を学 生 が感 じ る こ とは な い。 さ ら に, 科 目毎 にパ ラパ ラ なレ ポ ー ト テー マ が 設定 さ れ るた め に , 学 生 は 体 系 的 な研 究 を す る機 会 に 恵 ま れ な い。 こ れで は 大学 で の勉 強 に楽 し み を覚 え るこ とは で きない だ ろ う。 大 学教 員 が 研 究 者 とし て 論 文 を 作 成 す る場 合, その 人 の専 門 分 野 もし くは その隣 接 す る分 野 で の 論 文 しか 書 く力 は な いだ ろ う。 と こ ろ が , 学 生 の場 合 には,あ る時 は マ ー ケ テ ィ ン グ,あ る時 は生 産 管 理 ,あ る時 は 情 報 シ ス テ ム, あ る時 は 労 務 管 理, そ し て その 他 様 々 な専 門 分 野で レ ポ ー ト を 作 成 す るこ と が要 求 さ れ る。 その 度 に学 生 は ゼ ロ か ら出 発 せざ るを 得 な い。 し た がっ て, 品 質 の高 い レ ポ ー ト が 作 成 さ れ る可 能性 は極 めて低 い と 言 わざ る を得 な い。 こ れを 解 決 す るた め に は, 学 生 個 々 人 が そ れ ぞ れの 研 究 テ ー マ を持 ち,1 年 間 もし くは4 年 間 の受 講 科 目 と連 動 す る形 で 研 究 が 進 め ら れ る よ う に し た い。た とえば ,「 ト ヨ タ 」 を研 究 し た い学 生 は,最 初 は ト ヨ タ の 経 営 実 体 を 調 べ る。1 年 生 の絶 対 必修 科 目で あ る「商 学 基 礎 論 ② 」 で は,1 年 間 に3 回 の レ ポ ート提 出 を 課 し て い る が, 第1 回 のレ ポ ー ト を も と に 第2 回 の レ ポ ー ト を作 成 し, さ ら に 第2 回 の レ ポ ー ト を も とに 第3 回 の レ ポ ー ト を作 成 さ せ て い る。 こ うす る こ とに よ り, その 学 生 は ト ヨ タ の 経 営 に 関 し て は 素 人 の域 を は る かに越 え た情 報 を蓄 積 す る こ とに な る。 マ ー ケ テ ィ ン グ 論 で は 「ト ヨ タ の マ ー ケ テ ィ ン グ戦 略 」 を, 生 産 管 理 論 で は 「ト ヨタ の カ ン バ ン 方 式 」 を, 情 報 シ ステ ム論で は 「 ト ヨ タ の 情 報 戦 略 」 を研 究 す る よ う な仕 組 み を作 れば 良 いだ ろ う。 最 終 的 に は, こ う し て研 究 を 進 めた 結果 に得 ら れ た資 料 が 土 台 となっ た 卒業 論 文 を作 成 す る こ と もで き よ う。 そう す るこ とに よ り, 図-5 に示 す よ うに, そ れ ぞ れ の科 目 内 お よ び科 目 間 で のレ ポ ー ト作 成 に は 相 乗 効 果 が 発生 す る よ う に な るだ ろう 。 さ ら に, 第1 回 のレ ポ ー ト が 丸 写 しで な い 限 り, そ れ以 後 の レ ポ ー ト は 丸 写 し を す る 事 は不 可 能 と な る。 仮 に 第1 回 の レ ポ ー ト が 丸 写 しで あ っ た とし て も, 何 回 もレ ポート を作 っ て い る内 に は興 味 も湧 い て き て自 発的 に勉 学 す るよ うに なっ て い く。
卒
統一 テー マ:ト ヨタ の経 営研究
業
論
図 一5
研 究の 統一テ ーマの 例
文
本来, 大学の4 年 間のカリ キュ ラムはこ うした体系的 な研 究が積 み重 ねら
れ るように整 備さ れねばな らない。残 念 なが ら, 経営学 部で はカリキュ ラム
の 多様化 は促進 さ れて きてい るが, 科 目間の 連動 に関 しては検 討に着手 した
段 階 と言 わざ るを得 ない。具体 的 には,進 級制 の導入,コー ス制の導 入検 討,
そし て一 部の科 目で のシラバ ス(講 義 計画) の交換 がなさ れたにすぎ ない。
(6) 丸 写しレ ポート のチェ ッ ク
こ うした教 育上 の配慮 に も関 わらず, 丸写 しレ ポ ートが 発生 す るこ ともあ
る。 第1 のケー スは, 同一 科 目内 の受 講生間 のコピ ーで あ る。 これへの対 処
は, レ ポート のテーマ毎 に分類 して, ざっ と目を通 すだ けで 検 査で きる。
第2 の ケー スは他の類 似科 目のレ ポ ート を その科目のレ ポート として提 出
す る場 合で あ る。 論 者の場 合 は, 他 の教員 に疑 わしきレ ポート が発生した場
合 には そのレポート を論者 に提 出 して もら うよ う依 頼してあ る。
第3 の ケー スは先輩 のレ ポート の氏 名 と提 出 日の部分 だ けを修正 して提 出
大学における教授法と教育システムの開発(3)171 す る場 合で あ る。 レ ポ ー ト は何 回 か 修 正17)さ せ てお り, コ ピ ー機 で コ ピ ー し た 場 合 は修 正 が 効 か な い た め に,こ の方 式 は不 可 能 とな る。毎 年 若 干 の レ ポ ー ト の テ ー マ の 変更 を し て い るた め に, 本 年 度 の レ ポ ー ト と前 年 度 の レ ポ ー ト の 内 容 は変 わ らざ るを 得 な く し て あ る。 し た が っ て, 前年 度 の レ ポ ー トが 提 出 さ れ て もほぼ チェ ッ クで き る。 第4 の ケ ー ス は ワ ープ ロな りパ ソ コ ン の フ ロ ッピ ーぶ ー スで コ ピ ー す る場 合 で あ る。 経 営 学 部 で は ワ ープ ロ な りパ ソ コ ン の機 種 は統 一 し て お らず, 学 生 個 々 人 の機 種 は 様 々で あ る。し た が っ て,異機 種 や 異 な っ たOS で の ファ イ ル 変 換 は学 生 の 手 には 負 えな い た め, こ う し た コ ピ ー もか な り防 げ る。
4 。 バーコ ード出席調 査票の活用
(I) 大人数講義 の問題点
大 人数講義の場合, 受 講者の出 席状 況の把握 や試験の採 点, さ ら に試験の
点数管 理など, 大変 な作業 が待 ち受 けてい る。 実際 に, 毎 週出席調査 をし,
年 に数回の小 試験 を実施 し, 出席 状 況 と試験 の点 数を勘案 して期末評価 をす
る とい うこ とは不可能 に近 い。 し たがっ て, 多 くの大 人数 講義で は, 一 方的
な講義,年1 回 の定期 試験, とい うパ ターン に成 らざ るを得 ない。
それで は, こ うした教 育は効果 を挙 げて い るだろ うか。 少 な くと も, 前向
きに受 講してい る学生 には それな りの効果 がで てい る とは思 われ る。しかし,
論 者 の個人的 な経験 によれば, 教員 が黙っ て い れば, 多 くの学生 は講義 に欠
席 し たり, 講義 に出席して いて もノート を とるこ とす らせ ず, 教育効果 はほ
とん ど無い と思 われる。 実際 に翌週 に抜 き打 ちテ ストをし て, 前週の講義内
容 に関す る問題 を出す と, 回答 は ほ とん ど書 けない状況で あ る。
この ように記述 す ると, 大学 の教員 は教育 に努 力してい ないよ うに誤解さ
れ そうだが, そうで はない。 論者 の こ れまで に書 いて きた小論 を読 んで 頂 け
れば わか るが, 根源 的 な問題 は, 大 学 の教育 シ ステムが無 いこ とであ る。 教
員 が どんなに教 育努力を しよ う と, 教育 シ ステ ムが無い時 にはほ とん ど効果
は挙げ られない。その反対 に,巧妙 な教 育 シス テムが構築 さ えされてい れば,
教員 は普通の努 力さ えす れば, 大 きな効果 が得 ら れるので あ る。
大 人数講義で も学生 の年 間 を通 しての学 習状 況 ( もっ とも具 体的 なの は出
席状況であ る) を受 講生個 々人毎 に把握 す る必要 があ ろ う。 しかしなが ら,
出席調 査票 を回収 し, い わゆ る「エ ン マ帳 」 に出席状況 を人手で 記入す る と
いっ た作業 は多大 な時 間を喰 い, 勧 められる もので は ない。
とな ると, 出席状 況 の管理 をパソ コンを使っ て機械 化 す るこ とが考 えら れ
る。 ところで, 東 洋大学 の学籍 番号 は図 一6 に示 す よ うに, 学部学科 コード
を入 れる いO 桁 と長 く,10 桁 の学籍 番号をキー ボード か ら入力 す るので は,
まちが え も発生 し, さ らに入力時 間がかか り, 効率的で はない。 そこで, 学
籍番号の 入力方式18)としてバーコードを利 用 した。
出
席
調
査
票
月 日 曜 時 限昼
学部
学科
年
組
夜
科
目
氏
名
学 籍
番 号
*学籍 番号は下6 桁記 入のこ と 東 洋 大 学図 一6
出席調査票 の例
(2) 学籍番号バーコード
図一7 が学生に配布する元票である。学生はこの元票をコピーし1 枚ずつ
切 り離して提出する。
講 義 日 講 義 名 一一一一一一一一 こ れ は 、 講 義 日 講 義 名 大 学 に お け る教 授 法 と教 育 シ ステ ムの 開 発(3)173
圓
ヅレ
a1320910355 氏 名 lb= 4 年 間 使 い ま す 。 コ ピ ー を 提 出 下 さ い 限 − ︲ ︲ ︲− − − − − −− − − − − − 洲 32091 一一一一一一一一こ れ は 、4 年 間 使 い ま す 。 講 義 日 講 義 名圖
lb −− =5 −1513 − =0 − コ ピ ー を 提 出 下 さV ・・ 」.・・ 千 万 al3209t035 氏 名 15 − lb 一一一一一一-- こ れ は 、4 年 間 使 い ま す 。 コ ピ ー を 提 出 下 さ い 講 義 日 講 義 名 = a − 限 − − ︲ ︲ ︲ ︲ ︲。 ︲ ⋮ ︲ 。 − − 3 − − 1 − − − − − − ︲ ︲︲ − − − − ︲ − ︲︲ − ︲ i − − ︲ ︲ ︲ 209 氏 名 10355 - 一一一一一一一こ れ は 、4 年 間 使 い ま す 。 講 義 日 講 義 名 限 lb コ ピ ー を 提 出 下 さ い I5 −5 13 =011 =9 =O 名 =2 氏 =3 −IIla 一一一一一一一一こ れ は 、4 年 間 使 い ま す 。 講 義 日 講 義 名 − 1 − = a − | ・一・, 千 レ ヤ 限 lb コ ピ ー を 提 出 下 さ い I川則 ・li ・ 1 1 1 111 320910355b 氏 名 一一一一一一一一こ れ は 、4 年 間 使 い ま す 。 コ ピ ー を 提 出 下 さ い図 一7
バーコー ド元票
5 lb 35 寺 キ リ ト リ …‥-………-‥-……-- 害Jりep
図 一8
レ ポート提出表
キ リ ト リ ー…- …---−-また,図 一8 に示 すように,レポート提出票にもこのバーコードを貼 り付
けて提出することになっている。
1遜
・`'.
・.
・
お
お 言 猟 ≒ 万 万言 言ご 宍 .
︱ ︱III 卜 レ ポ ー ト 提 出 票 東 洋 大学 経 営 学部_ ・_ _・_ __ _ 注 意 事項 ・ こ の提 出 票は4 年 間使 用 する 重 要 な 原 紙で す ・ バ ーコ ード を き れい に 貼 りつ け て 下 さい ・ 学 部, 学科 ,氏 名 を楷 書 で記 入し て下 さい ・5 枚 程 度,B5 サ イ ズで ヨ ピ ーして 下 さい ・ コピ ーをさ ら にコ ピ ーす る とバ ーコ ード が 読 み 取 れな くな り ま す ・ 汚 れない よう に 原紙 と コ ピ ー を保管 し て 下 さい ¬ - W ・ 四・ mm^ 商 々 基 礎 諦t 、 ●= ●. Jlj . ●−‥ 4 ● 4 ¶ や● I●●・・ 1 - 申 ・ 限 a回│
132 氏 名 11j j19 =0 り ヽ石 該 当 す る 学 科 を 赤 く 塗 る 経 営 学 科 商 学科 その 他□
一一−−−一一一一−−−− 事 務 保 符 用 夕n 七 日 タロ 々A qEぼ痩 学部 商 学科 / 年 組 科 目商年番雁論
学 部 学 科コ ード / に 球2_ \o11 ・ 学 籍 番号9
/
と)j
ダ
y
昏
小石 修
学 生 保 存 用ダn2/
日
夕 四
(砂 が 聡 学部 商 学科 /年 ・ 科 目冷削り節論
学 部 学 科コ ード/ 夕
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学 籍 番 号ク
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ダ
y
貨
小 几 ノ
ケ`
大学における教授法と教育システムの開発(3)175 さ ら に, 小 テ スト の 場 合 には 回 答 用 紙 の下 にバ ー コ ー ド を ホ チ キ スで 留 め さ せ てい る。 試 験 開 始 と と も に小 さ な ホチ キ スを10 ヶ程 度 配 布 す るが, 試 験 終 了時 に 全 数 が 回 収 さ れ な い こ と もあ る。 平 成元 年 の4 月 に 全学 生 に バ ー コ ー ド を配 布 し た。 そ の後 √ バ ー コ ー ド は 毎 年3 月 に新 入 生 用 の もの を作 成19)し,1 年 生 の 絶 対 必 修科 目 (経 営 学 基 礎 論 お よ び商 学 基 礎 論 )の 時 間 に配 布 す る20)。この バ ー コ ー ド を 活 用 し て い る教 員 は現 在 は4 人だ けで あ るが , その 効 果 が 知 れ るにつ れ て将 来 は 増 え る もの と予 想 さ れ る。 本 来 ぱ こ う した バ ー コ ー ド に 加 えて クレ ジ ッ トカ ード 方 式 の 学 生 証 を 導 入 し, 駅 の自 動 改 札 と同 じ よ う な改 札 口 を イン テ リ ジェ ン ト教 室 (次 稿 で 検 討 を 予 定 し て い る) の 入 口 に 設 置 す る こ とが望 まし い。 た だ し, こ う し た 方 式 には 多 くの 問 題 が あ り, その 導 入 に は十 分 な 検 討 が 必要 で あ ろ う。
5. 出席・成績 管理システ ム
剛
システムの概 要
出席・成績管 理シ ステムは大 人数講義で の受講生各 人の出席状 況 ど成績状
況 を管理し, 年 度末評 価の た めの資 料 を自動的 に作成 す るためのパソ コン・
ソフトで あ る。 学年末 評価 の方法 に関 してぱ, 教員毎 に大幅 に異な る。 その
ため に,現時 点で は,教 員個 々人 が それぞ れ,dBASE-m,R:BASE,LOTUSI
−2 −3 , な どの 言語を使 っ てパ ソコン・ アプ リ ケー ション・ ソフトを開 発
し て運用してい る。
こうし た方式で あ れば, なに も東 洋大学 経営 学部の特 色には ならないだろ
う。 これ まで に も多 くの大 学で 多 くの教員 がこ うした努 力をし てきてい るの
であ る。 東洋大学経営 学部 の特 色 は, 先 に説明 したバ ー コード を入力媒体 と
して学 部の全学生 に配布す る といっ た シ ステム的 な運用 をして い るこ とであ
る。 ここで紹 介す るシ ステムは論者 が開 発したパ ソコン ソフト21)で あ り, こ
の シ ステ ムで はいろ いろ な出 力帳 票 が得 られる≒
②
①
出力帳票
成績不良 者一 覧表
任意の時点で の指 定 した点数以 下 の学生 の一 覧表であ る。6 月 とか10 月 に
この帳票 を作成 し, 掲示板 に掲示 す るこ とによ り, 学生 の注 意を喚起 す る。
成績 不良 者一 覧表
商学基 礎論②
担当
森
彰
以 下の受 講生 は十分な勉学成果 が得 られていない と思 われ ます。
この まま行 きます と, 単位 の取得 は困難 にな る と思 われ ます。
今後 は講義 に出席 し,所 定のレポー ト も提 出す るよ う努力 して
下 さい。 なお, これまで の失点 をカバ ー す るた めの機会 を提供
し ます ので,
月
日の講義 には必 ず出 席 し て下 さい。
1320890005
1320890006
星野
克己
俵
総太郎
1320890010 梶 原 一 気成績不良者は,B :BAD.JXW
に記録されました。
一太郎で4 倍角に変換して印刷して下さい。
図 一9
成績 不良者一 覧表
②
年 度末の採 点表1
年 を通じ て, 学生の出席状況 や小試験の 結果 をパ ソコン に入力し てお く。
そうす ると,1
年の内で最 も忙しい時期 にパ ソコン を1 時 間程度働 かせば,
学 年末評価 の た めの資料 が自動的 に得 られ る。 パ ソコンで 計算さ れた評価の
点 数を参 考 として, その他 の情報を加味 して学年 末の最 終評 価 をす る。
採点表1320890001
山田1320890002
山中1320890003
中島
太郎
克明
望
大 学 にお け る 教 授 法 と教 育 シ ス テ ムの 開 発(3)177 103 67 67 A C C図 一10
年 度末採点 表
③
個 人別 の得点明 細表
出 席や小試験 の成績 の明細表で あ る。 こ れ まで の登録 し た, 出席調査, り
テ スト, 試験, レ ポ ート, などの試験一 覧表 が まず印刷 さ れる。
試 験 一 覧 表試験 番号
試験内容
1 2 2 3 4 5出席調 査
第1 回 レポート
第1 回レ ポート(1 週間遅 れ)
出席
出席
小 テ スト
図 一11
試験一覧表
日 付 点 数890401
890501
890508
890601
890608
890616
LOO CO 20 L O i n 5ついで,学籍番号順, 試験番号順に得点 と試験実施 日が印刷さ れる。個人
別の最下行にぱ点数合計が印刷さ れる。
学籍 番号
1320890001学籍番号1320890001132089000213208900031320890004
氏名
山田
田中
中島
川島
● 太郎 克 明 望 幸彦 占 い3735500 得 103 号 番 123457 ︵ ︰ぴ 験 試図 一12
個人別得点明細 表
合計 点 1 C O L O I に o o C O 7 7 7 0 C D C O 0 3 1 2 27 22 17 27 3COLOI にo 5 4 L O C 5 L O図 一13
個人 別得点 一覧表
日付890401890501890601890608890616891020891215
L f t L O I に o 5 6 0 0③
個人別の得点ノ
前述の試験一覧表がまず印刷さ れ,ついで得点明細表 が印刷さ れる。 試験
番号は30番までB4
用紙横置きに印刷される。
7 …………30
。03030
大 学にお ける教授法 と教育 シ ステムの開発(3)179 ④ 試 験 毎 の 点 数 明 細 表 個 々 の 試 験 ( レ ポ ー ト , 出 席 を 含 む ) 毎 の 個 人 別 の 点 数 一 覧 表 で あ る 。3 つ の 帳 票 が 得 ら れ る 。「 試 験 毎 の 受 験 者 一 覧 表 」,「 試 験 毎 の 個 人 別 得 点 一 覧 表 」, お よ び ,「 試 験 毎 の 点 数 分 布 の 一 覧 表 」 で あ る 。
図一14
試験毎 の受 験者一覧 表
学籍 番号
1320890001
1320890002
1320890003
試験 番 号
C S I C S l C ^点数
日付27
22
17
890501
890501
890508
図 一15
試 験毎 の個 人別 得点 一覧表
図 一16
試験 毎の点数分布 の一覧 表
(3) 処理 メニ ュー
シ ステ ムが立 ち上 が ると次の基本メニュー が表示 さ れる。
R:BASE5000
成績管理システム
O 業務終了・ファイル更新EXIT.CMD
9 プ ログラムの印刷PROG,CMD1011
成績不良者一
一覧表BAD,CMD12
採点表の作成SAITEN,CMD13
ファイル圧縮PACK.CMD1415
新ファイルの作成CLEAR,CMD16RBEDIT
呼び出し17
取扱説明書の印刷
1 データ入力INPUT.CMD2
成績一覧表作成LIST.CMD3
試験毎の一覧表作成TRANS.CMD4
各種統計の作成STAT.CMD5
原データの修正EDIT.CMD6
点数調整MODIFY.CMD7
受講生台帳MAST.CMD8
コマンドモード(R〉QUIT
番号を入力して下さい
:
■
図 一17
基本メニュー 画面
大学における教授法と教育システムの開発(3)181 基 本 メ ニ ュ ー の 内 容 は 表 示 さ れ た通 りで あ るが , 若 干 の 説 明 を し てお く2. 成 績 一 覧 表 作 成 蓄 積 さ れ た デ ー タ を すべ て 印 刷 す る3. 試 験 毎 の一 覧表 作 成1 回 の 入 力 毎 に 印 刷 し て お く4. 各 種 統 計 の作 成 出 席 者 数 , 得 点 分 布 等 を見 る5. 原 デ ータ の修 正 出 席 調 査 票 等1 枚 ず つ , デ ー タ を 修正 す る6. 点 数 調 整 ゲ タ を 履 か せ る な ど 十 − * で 点 数 を加工 す る7. 受 講 生 台帳 聴 講 生 名 簿 を作 成 す る (本 来 は事 務 用 コ ン ピ ュ ー タ か らデ ー タ を もら う の が普 通 で あ るが , 現 時 点で は, キ ー ボ ード 入 力 せ ざ る を得 な い。)8. コ マ ン ド モ ード (R 〉)R :BASE の コ マ ン ド モ ー ド に戻 る。 一 般 の ユ ーザ ー は 使 用 し な い。 もしプ ロ ン プ ト がR 〉 し とな っ て し まっ た らR 〉INPUTB:M と入 力 す る と, 基 本 メニ ュ ー が, 表 示 さ れ る。9. プ ロ グ ラ ムの 印 刷R:BASE の コ マ ンド プ ログ ラ ムを印刷で き る。 興 味 あ る方 は 自 由 に印 刷 で きる。11. 成 績 不良 者 一 覧 表 それ まで の 得 点 で , 指 定 し た点 数以 下 の 学 生 の, 学 籍 番 号, 氏 名, 点 数 , を印 刷 す る。12. 採 点 表 の作 成 年 度 末 の採 点 表 を作 成 す る。A80 点 以 上B70 点 以 上C60 点 以 上D40 点 以 上E20 点 以 上 /20 点 未 満
13. ファ イル圧縮
15. 新 ファ イルの作 成
16.RBEDIT
呼 び出 し
17. 取 扱説明 書 の印刷
フロッピ ーの未使 用領域 が少 くなっ た時
に使用 す る
別の科 目や年度 が変 わっ た ときに,新 し
いフロ ッピ ーを作 る。B
:BASE のコマンドプ ログラ ムを修 正す
るた めのエ ディ ターで あ る。
これを実行 して,マ ニュ アル を作成 す る。
(4) 成績デ ータの 入力
デ ータの入力 メニ ュー を選択 す る と, 図 一11 に示 した こ れまで の 試験 実施
の一覧 が表示 さ れ る。 点数 の入 力 にあ たっ ては, 本シ ステ ムで は点数 は次 の
ような考 え方で 設定 し でい る。O
個々 に点数 を人力 す る( た とえば, テストの点数) 方式O
一 律の点数 を付与 す る(た とえば, 出席点)方式
前者の方式 は一 般的で あ り, 説 明は必要 ないであ ろ う。 本 シ ステ ムが大 き
な効果 を挙げ るための方式 は後 者であ る。以下 √後 者の 方式 に関 して詳 しく
説明 してお く。 まず, 個 々の 試験 毎 の評価 の基 準は「1 −O 」 とか「オール
オア
ナッ シン グ」 といっ た考 え方 を採用 してい る。
一応出来 て い る と見 なせ る もの
満点
どう見 て も出来 てい ない ものO
点, もしくは登録 しない。
この システムで 点数 を設 定す る場 合の参考を示 してお く。
●出席を重視 す る場合1
回の出席 点数 が5 点 の場 合 は20 回の出席で100 点 とな る。3 点 とす る と20
回で最 低合格 点数 の60 点 とな る。
●小 テ スト を何 回 かす る場 合
! 回 の点数 ぱ10 点 ∼20 点 とす る。 こ の場合, テ ストの評 価 が非常 に悪い も
の に関し ては, 入力 し ない方法 もあ る。
●1 年 に数回のレ ポ ート 提出 の場合
内容 の評価 が伴 うので一 律 には決 められない。 しかし, レ ポ ート作成 に関
して,十分 な指導 をし,受 け取 る時 も十分 な点検 をす れば, 提 出 さ れたレ ポー
ト の品質 には差 ぱあ れ, 一 定の評 価 をして も良 い とも考 えられ る。た とえば,
合格の最低点 を30 点 とした場 合,30 点以上 のレ ポート の評 価点 はすべ て30点
大学における教授法と教育システムの開発(3)183 とす る。そうす る と,評価 点 は, 提 出さ れた日 によっ て左 右 さ れ る と も考 え ら れる。 提 出締 切 日 よ り も前 に提 出40 点 提 出締切 日 に提 出30 点1 週間 遅 れ20 点 ト2 週 間遅 れ10 点 とい っ た点 数 設定 も可 能 とな ろ う。 こ うし た 点 数 を設 定 し,1 年 間 の 点 数 を 合 計 す る と, 論 者 の 個 人 的 な 経 験 で は次 の よ う に な る こ とが多 い。A101 点 以 上 全 体 の 半 分 もし く は それ以 上A80 ∼100 点 全 体 の1 ∼2 割B70 ∼79 点 全 体 の 数 %程 度C60 ∼69 点 全 体 の 数 % 程 度 に 二 } 全 体 の1 割 程 度 / 採 点 不 能 全 体 の1 ∼2 割 程 度 こ の とき, 各 々 の 評 価 は 次 の よ う に解 釈 さ れ る。A 講 義 で 当 初 設 定 し た 目標 を達 成 し た 学 生B,C 目 標 は 達 成 し て い な い が, 多 少 の 努力 は し た 学 生D,E 全 く努 力 し な か っ た 学 生 / 最 初 か ら勉 強 し な かっ た 学 生 (5 ) 学籍 番 号 の 入 力 バ ー コード で 学 籍 番 号 を 入 力 す る場 合 は, 学籍 番 号10 桁 全 て が 自 動 的 に 入 力 さ れ る。 バ ー コ ード が う ま く読 み取 れ な い場 合 や 学生 が バ ー コ ー ド を添 付 し な い場合 に は キ ー ボ ー ド よ り 人 力 す る。 こ の場 合 には10 桁 を 入 力 す るの は 大 変 なので,6 桁 な り4 桁 で 短 縮 入 力 出 来 る よ う に なっ て い る。 な お, 学籍 番 号 の構 造 は 次 の 通 りで あ る。xxxxXXXXXX 3 桁1 桁2 桁4 桁
学科・ コー ス内の 連 番
コー ス番号(社会学 部 のみ)
入学年 (西暦下2 桁)
学部学科 コード
(6) 導入効果
もっ とも理解 し易 い「 講義 への出席 率」 を とりあ げ て,導 入効果を測定 す
る。 このデ ータ は平成2 年度 の3,4
年生 の商学系列 の講義科目で得 られた
ものであ る。出席調査 をしていない年度の はじ めの出席者数 は80 名程度であっ
た。 出席 を採 るこ とが口コミで 学生 に伝 わ るにつ れて出席 者は徐々 に増 えて120
名程 度 と5 割 増し となっ た。一 般的 には出 席者 数は 日を追っ て少 なくなる
と思 われ るが, 出席調査 をする事 で 出席者 が増 え, さ らに欠席者の増加 を防
ぐ こ とがで きた ようであ る。
ニ
講 義 月 日
出席 者数
60708090100110120130
5 月18
日5
月25
日6
月15
日6
月22
日6
月29
日7
月13
日10
月5
日11
月9
日11
月30
日1
月11
日
82 名79
名113
名104
名115
名116
名!2!
名100
名119
名125
名
図一183
,4 年生科目の出席者の年間推移
図 一19 に示 すデータ は1 年生 の絶対 必修科 目であ る商学基 礎論②の出席状
況で あ る。 受 講者数合計 は481
名で あ り, その内訳 は次 の とお りであ る。1
年 生383
名2
年 生52
名3
年生18
名4
年生28
名
合計481
名
最 初 の出席調査で の310 名は総受 講者数 の64 %で し か ない。し かし,新入生
大学におりる教授法と教育システムの開発(3)185 オ リエ ン テ ー シ ョン へ の 出 席 率 の 低 さ√ 運 動 や サ ー ク ル 活 動 を 目的 とし て 入 学 し た 学生 の 存 在, 再 履 修 学 生 の 出 席 率 の 悪 さ な どを 勘 案 す る と, 実 質 受 講 者 数 の8 割 程 度 の 出 席 率 と考 え ら れ る。 出 席 者数 は 時 間 と と もに低 下 し, 夏 休 み 後 に は202 名 まで 低 下 し た。そこで , 出 席 調 査 を す る と明 言 した 結 果,3 週 間 の 連 続 調 査 で249 名 まで 出 席 者 数 は 回 復 し た。
講 義 月 日
出席 者 数
200250300
5 月7
日5
月14
日6
月18
日10
月15
日10
月22
日10
月29
日
310 名292
名281
名202
名229
名249
名
小 テ スト
図 一191
年生 の絶対 必須科 目の出席者数 の推移
こうした事例 から判断する と, 次のような対処の方式が効率的であると考
えられる。
・
開講の時点で「出席調査をする」こ とを明言する。
・5
月の連休前に1 回調査す る。
・5
月の連休後に1 回調査する。
・
その後,6
月,9
月,10 月に それぞれ1 回ずつ調査する。
このように年間5 回程度の出席調査で十分な効果が挙げられるとも考えら
れる。 また,受講生が多い科目で,月曜日から金曜日まで毎日少なくとも1
科目で出席調査をする事 により,科目間の相乗効果が生じ,全体的な出席率
は大幅に向上するとも考えられる。
〈注〉1 )下 記の資 料 に大幅に加筆 した ものであ る。 「効果 あ る大人数教育 の推進」『基礎論資料 集』東洋 大 学経営学 部教学 第1 委 員仝, 平 成元年1 月。 また は,同上 『学術通信 実験 室 にお ける実験成果 に 関す る報 告』東洋大学 経 営学部, 平 成2 年3 月。2 ) 改正 さ れ る前の大学設置基準で は,文科系 の講義 の受 講者数 の上 限 としては50 人 もし くは200 人が考 えら れていた。なis, 改正 後 はこ うし た基 準は削 除さ れて い る。3 )松 下村 塾 の主 宰者であ る吉田松 陰は,短 い期 間 に多数 の人材 を養成したこ とで 有名で あ る。松 陰の研究・教育 のあ り方は経営 学部で の教育 に もおおいに参考 とな る。 実態 を調べ るための行動力(た とえば 九州 ・ 東北 ・北陸 の巡遊,佐久 間象山 へ 入門, 外 国艦で の密航 の企 て, など), 理論 研 究 (た とえば,《孟 子》 や《武教 全書》の論 講な ど),そして将 来へ の見通 しを たて る,などは経営学 を 学ぶ者 の 見本 ともな るだ ろ う。 なお, 教育 の場 ぱ6 帖1 間 に文机だ けであ り, 後 に8 帖 が増 築さ れただ けであ る。4 ) 森 彰「大 学 におけ る教授法 と教育 シ ステ ムの開発(2)」『経営 論集』37号,東洋 大学,1991 年3 月。 5) 6 )7 )8) 9 )10 ) 同 資料,142 頁。 同資 料,142 −143 頁。 同所。 この種 の科 目は,こ れまで は少人数教育が 不可欠 と考 えられて きた。た とえば, 英 語で は50 人, 情報処理 実習で はパ ソコン 教室のパ ソコン の 台数の2 倍の人数, とい う例 が多 いよ うに考 えら れる。 ところ が,こ うし た少 人数クラ スで も十 分 な教育効果 は原 則的 には得 られていない こ とが多 い。その最大 の原因は,「レ ベ ル の低 い学 生 に合 わせた教育 となっ てい る」こ とと,「 講義 時 間だ けの勉 強で, 講義時 間以外 にはほ とんど予習 も復習 も,さ ら には 自発的 な勉学 もしていない」 こ とが挙げ ら れる。 実験 した講義 は商学基礎論 ② と経営情報 論であ る。 論理的 に は受 講者数2 倍以上 の定員 の教室 を割 り当 て る必 要があ るが,実際 に は受講者 数 の1.5 倍の定員 の教 室で十分で あろ う。 11) この方式 は簿 記基 礎論⑤で導 入さ れてい る。
大 学 に お け る 教 授 法 と 教 育 シ ス テ ム の 開 発(3)187 12)具体的 な試験問題 の例 を示 そう。 【問題1 】 次 の空欄の ( ) の中 に適切 な金額 を記 入し なさい。 な 払 △印 は純損失 を示 す。 問題用紙1 期 末資産 期末 負債 期 首資本 総 収 益 総 費 用10,0007,0002,000 ( )5,000 ( )9,0004,00010,000 ( )80,00050,00044,000 ( )50, )00 問題 用紙2 期末資産5,000 40,000 期末負 債3,5004,50025,000
期首資本1,0002,00022,000
総 収
(
益 5,000総 費 用2,500
(
25,000
純 損 益
(
)3,000
(
)
純 損 益 ( )1,500 ( ) 13)森,前掲資 料。14 )同上。15 )論文やレ ポート を作 成す る技術 に関 して は多 くの文献 が あ る。学部学生 に役 に たつ と思 われる文献 としては次 の もの があ る。 佐 藤孝一 『博士・修士 ・卒業 論文の書 き方』同 文館。 杉原四郎・ 井上 忠司・榎 本隆司 『研究レ ポートの すす め』有斐閣。 末武国弘 『科 学論文 をどう書 くか』講 談社。16 ) 学術的 な論 文 になり にくい文章 のタ イプ として は, ルポ タ イプ, 作文タ イプ, 感想文タ イプ, 文学作品 タ イプ, 社 史タ イプ , 伝記 タ イプ, などが多い。17) レポートの修正指 示 に関 してぱ下記 を参照さ れたい。 森, 前掲資料,144 頁。18 ) 出席調 査票 やレ ポート に添 付して回収 す る必要があ るこ とか ら,クレ ジット・ カード 方式 は無 理で あ る。マ ークカード やマ ーク シート もハンド リングの手間 がかかり, さ らに学生 の記 入ミ スも多 く実用的で は ない。19 )バ ーコード 印刷用のソフト は日興通信 のBC −1 デ バ イス・ド ライバを組み込ん でBASIC で開 発しすこ。700人分 のバ ーコ ード の印 刷 には論者 の自宅 のPC9801 と レ ーザ ー・プ リン タ とを使 用して, 約7 時 間程 度か けて い る。20 )本来 は新 入生 オリエ ン テー ション の時 間 に配布 した く,要望 を出してい るが実 現 はなかなか しない。21 )本 システムの使用環境 ぱ次の通 りであ る。① ハ ード ウェ アPC9801, メモ リー640KB 以上,ハードデ ィ スク,フロ ッピ ー2 台,プ リンタ ーPCPR-201H およ び その互換機,キャッシュデ ィ スクIMB 以上(無 い場 合 は処 理 スピ ード は相 当遅 くな る) ② ソフトウェ アOSMS-DOS2.11 以上 データペー スソ フトR :BASE5000 バ ーコード印 刷デバ イスド ライバ ーBC-1.SYS (日興通信 )N88BASIC22 ) ここで は, 『出席管 理 シ ステム(Ver.1 )取 扱説明書』東 洋大学経営 学部 学術通 信実験 室,1990 年4 月。 の内容 を中心 にす る。