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<シンポジウム1>脳梗塞UP TO DATEオーバービュー

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Academic year: 2021

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49:797

<シンポジウム 1>脳梗塞 UP TO DATE

オーバービュー

座長

国家公務員共済組合連合会立川病院 岡山大学大学院脳神経内科学

篠原 幸人

阿部 康二

(臨床神経,49:797, 2009) 入院を要する神経疾患の中でもっとも高頻度にみられるの は脳血管障害である.その約 3!4 を占める脳梗塞の近年のト ピックスをその領域で最近御活躍中の先生方に紹介していた だくのが本シンポジウムの目的であった. 北川一夫先生は脳梗塞の引き金となる血栓形成のメカニズ ムを,動脈血栓と静脈血栓に別けて,抗血小板薬と抗凝固薬の 効果の差異やその限界について解説された.また高感度 CRP や各種マーカーの意義と共に,血栓の病態に基づく治療戦略 の必要性を強調された. 豊田一則先生からは近年,本邦でもポピュラーにおこなわ れるようになった t-PA(アルテプラーゼ)静注療法の功罪を, 本邦 10 施設の共同研究の結果を中心に,欧米の新しい臨床研 究の結果とも比較しながら解説された.新しい t-PA 製剤で あるデスモプラーゼの欧米における報告や,従来は 3 時間と されるアルテプラーゼの発症後投与可能時間を 4.5 時間まで 延長した欧州の研究の紹介もあった.今後,MRI 所見の治療 適応検討基準や,t-PA 投与量,副作用軽減の問題が更に検討 されるべきであろう. 古幡博先生からは,今後の臨床応用が期待される t-PA 静 注法と経頭蓋的超音波照射の併用療法が紹介された.t-PA 静注療法単独の効果は期待された程ではないとの考えは当然 であり,今後,超音波の強度を上げることによる血管内皮障害 やそれにともなう脳内出血の問題が解決されれば,本療法に よる閉塞血管の再開通率向上が期待される. 内科医が従来,脳外科医に任せきりであった血管内治療の 進歩は宮地茂先生により紹介された.脳梗塞に対する血管内 治療には超急性期のレスキュー治療と予防的治療があるが, 前者は一部の t-PA 非適応例や無効例を対象におこなわれて いる.一方,予防的治療としての CEA と共にすっかり市民権 をえた CAS はますます応用の場を広げつつある.またアジ ア人に多い頭蓋内動脈狭窄に関しても,そのデバイスと治療 手技に関して詳しい解説があった. 脳血管障害の診療には内科医といえども,基礎的・救急的 のみならず脳神経外科的知識が必要である.神経内科医とし ては脳卒中はわからない,診られない,治療できないでは済ま されない時代である.今回のシンポジウムは脳卒中を専門に はされていない一部の神経内科医にとっても,大変参考にな るものであったと思われる. (受付日:2009 年 5 月 21 日)

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