難分解性羽毛分解酵素生産菌の探索
著者 小島 未央 学位授与大学 東洋大学 取得学位 博士 学位の分野 生命科学 報告番号 甲第159号 学位授与年月日 2006-03-25 URL http://id.nii.ac.jp/1060/00003972/’ 【 bl一 .脱 ザ「 陛 じ .必 ¶ 9 ’ 、ξ , 1
難分解性羽毛分解酵素生産菌の探索
目次
第1章 序論 第1節羽毛分解酵素に関する研究動向 第2節ケラチンについて 第3節既往の羽毛分解酵素について 第4節羽毛分解酵素研究の課題 頁 1 1 4 7 13 第2章 羽毛分解酵素生産菌の検索 第1節序 第2節実験材料及び方法 第3節実験結果 3.1 羽毛分解菌の分離 3.2 羽毛分解酵素生産菌株の分類学的解析 3.3 アルカリケラチナーゼ酵素の性質(粗酵素) 3.4 耐熱性ケラチナーゼ酵素の性質(粗酵素) 3.5 考察 3.6 まとめ44477268451112244566
第3章 Bacillus pseudOLfir〃lus FA30−Ol株生産アルカリケラチナーゼの 精製と酵素学的性質 第1節 第2節 第3節 3.1 3.2 3.3 3.4 序 実験材料及び方法 実験結果 アルカリケラチナーゼの精製 アルカリケラチナーゼ酵素の酵素学的性質 考察 まとめ 67 7’7’く∨く∨0/0/0 /010つ1可17180ノ 第4章 Bci〃〃5戸%4φr%∫FA30−01株生産羽毛分解酵素遺伝子の解析 第1節 序 第2節 実験材料及び方法 第3節 実験結果 3.1FA30・・Olケラチナーゼ遺伝子のクローニング 92 92 93 101 1013、 2FA30−Ol株生産アルカリケラチナーゼの内部アミノ酸配列の 102 解析 3.3 PCR法による目的遺伝子の増幅 105 3.4 考察 114 3.5 まとめ 118 第5章 Brevibacillus thermoruber FN60−8214株生産耐熱性ケラチナーゼ 酵素の精製と酵素学的性質 第1節 序 第2節 実験材料及び方法 第3節 実験結果 3.1 耐熱性ケラチナーゼの精製 3、2 耐熱性ケラチナーゼ酵素の酵素学的性質 3.3 考察 3.4 まとめ 第6章総括 引用文献 謝辞 119 119 119 123 123 127 131 132 133 137 144
第1章
序論
第1節 羽毛分解酵素に関する研究動向 世界中では年間数百万トン以上の廃羽毛が家禽工程から副産物として 大量に生じている。羽毛には非常に有用なタンパク質源およびアミノ酸が 含まれており、家畜飼料やその他多くの用途への利用が考えられる。羽毛 は、ほとんど純粋なケラチンタンパク質(90%またはそれ以上)で構成さ れており、その主要成分はβ一ケラチンである。ケラチンは、高度のジスル フィド結合、水素結合、疎水性相互作用による架橋の構造により不溶性で あり、動物、植物および多くの微生物プロテアーゼ等の酵素分解に抵抗性 を有する。そして廃羽毛は大量に蓄積されることになり、深刻なゴミ問題 となっている。 日本では、生じた廃羽毛は堆肥に混ぜるなどの処理を行っているが、多 くは焼却処理されている。羽毛は家畜飼料に粉末として添加する以外に一 部物理的または化学的に処理され、肥料、接着剤や燃料などに変換される か、またはアミノ酸やペプチドの原料として使用されている。しかし、細 かくした羽毛を得るための現在の工程は、コストが高いことやアミノ酸を 壊してしまうなどの問題点があり、安価でより付加価値の高いものへ変換 する処理法が望まれている。そこで、微生物由来ケラチナーゼは、バイオ テクノロジー応用分野で興味ある方法である(1)。 家畜飼料の栄養価の向上については、様々に検討されており、羽毛分解 酵素生産菌株Strepto〃myces fradiaeにより発酵させた羽毛粉末を飼料に添加 すると、大豆のみを飼料として与えたニワトリと同等以上の成長がみられ たことが報告されている(2)。また、Baci〃us licheniformisの生産するケ ラチナーゼ酵素を用いて、家畜飼料へのアミノ酸供給を目的とし、羽毛を可溶化して飼料に添加した場合、大豆粉末の飼料と同様な成長効果を示し た。本酵素の使用により、無処理の羽毛と処理羽毛粉末の比較をした場合、 全アミノ酸の消化率を著しく増加させた(3)。本酵素は羽毛粉末の消化率 を82%も向上させることができ、さらに成長期のニワトリに必要な食物タ ンパク質も7%増加させたことが報告された。このようなケラチン分解酵 素の使用により、不溶性のケラチンをセリンやシステイン、プロリンなど の価値のあるアミノ酸に変換することは、商業的な利用において非常に優 れていると考えられる。 ケラチン分解酵素の利用は羽毛粉末の家畜飼料への利用以外に、家禽か らのケラチン含有廃棄物の処理や、皮革産業への応用、化粧品産業への新 しい応用展開などが挙げられる。微生物由来ケラチナーゼ研究は、各種産 業における環境に優しい技術として有用であると考えられる。 本研究を開始した2000年までに報告された羽毛分解酵素の活性範囲は、 至適温度30∼55℃、至適pHはpH7.0∼pH8.0であり、pH9以上でかつ60℃
以上の範囲内に活性をもつ羽毛分解酵素は報告されていなかった
(Fig.1−1)。そこで、本研究では、新しい工業展開を目的に、好アルカリ・ 好熱条件で酵素活性を有するケラチン分解酵素の探索をした。このような 領域で活性を有する酵素は、工業への潜在的な応用展開が期待される。現 在までに報告された羽毛分解酵素の至適反応条件をFig.1−2.にまとめた。 2000年4.月までに報告されていた酵素の活性範囲(Fig.1−1.)と比較する と、アルカリ領域および好熱領域(点線で囲まれる領域)で、多くの酵素 が報告された。つまり、好熱・好アルカリ領域は注目され始め、現在活発 に研究が進められている領域であることが示唆された。全§目貧○ 12 ノ High aikalineダ を., 握鰍.趨 11 10
Q18
7 6∼▼ [: ‡‘ .・ 薄High temp6謝u i’.三こ亘窪η
… ’ tl i { ∫ } {‘ i ‘ % 1 ; ‘ , 、 ’ : 30 40 50 60 70 80 90 100 Qpti㎜m temp㎝蜘e(℃) Bのd伽ぶ友力の耐b’硫PWD4(1990) Bac■itlus’k’he雇formis f’1Y∼}9:1 ㎞印r〃m.1;ces pactum DSM40SL 30川995)ぷか印ω〃ぴ¢ε8㎝姉v近(1999) Baei’拠5p. DB100(1998) ..、.、,..、,,、 Fig.1−1。The optimum pH and temperature for feather・・degrading enzyme ユ日日蓑δ 12 11 10876
54
30 40 50 60 70 80 90 100 110 Qptimum tempera加re(℃) BaCi勘旋み¢冗ifer坊is PWI)−1 8Ctei〃」益sp. FK46 f・c’,・vまz∠θ力’∫(’tt’川‘ノ川)〆η月‘‘、w頒A β磁伽ぶsp.㎞16 βα酉勘ぶρび側4ψ =AL89 ・.・.、「』・」ソ、・… 、・い ノtttC‘’1」ハ(w・’‘イ・v バ「.・ノ・∪,.1 : 』)1 7為一aenebgcter kerntinopみilue BaciLbtS sp・ 日わパo平、ぶ8’鋤▲’2 S昨ρ畑〃ぴくtes th−Violaceus SD8 Baぐ∫〃us lieん£・nijert,榔 !:’∵…㍉一/t・.…べ一・・∴・・’ピ sかePtcnnPtaes a〃幽v婬 ・・二1…’i・∴’ Xan功o㎜僻↓…繊 5ぴ∂ρω〃秒’ces pa ctztm DSM40§30 Ba eiU“s’ichei”iformis RG1 Fig.1−2. The optimum pH and temperature for feather−degrading enzyme reported since 1990 一3一第2節 ケラチンについて 一般にタンパク質は約20種類のアミノ酸から構成されている。羽毛、 羊毛、毛髪中には、種々のタンパク質が存在するが、主なタンパク質 はケラチンと呼ばれ、約18種類のアミノ酸からできている。絹や繊維 などの他のタンパク質にはほとんど含まれないシスチンを7∼15%も 含有していることを特徴としている。その中では、羽毛は羊毛、毛髪 よりもシステイン含量は少ない(Table l−1.)。通常ケラチンの主骨格は、 アミノ酸同士のペプチド結合により形成されている。これに側鎖間の ①シスチン結合、②水素結合、③塩結合、④疎水結合などが加わり、 立体構造が決定される。しかし、現在のところ、羽毛、羊毛の三次元 的構造は解明されていない。 1932年からイギリスの生物物理学者William Thomas Astburyにより、 毛髪、羊毛、羽毛などの高分子のX線解析による研究が行われ、羽毛 はポリペプチド鎖間に水素結合したβ構造をつくっているβ一ケラチン から構成され、羊毛、毛髪はα一ヘリックスを形成したものが9+2本の 形でローブ上に螺旋を形成しているα一ケラチンで構成されることが示 された(Fig.1−3.)(4)。
Table l−1.Amino acids conformation of various proteins Amino acid Fowl feathera mol% woolb mol%
human
hairb mol% silkb mol% Glycine Alanine Valine Leucine Ile Phe Pro Serine Thr TyhAsn
Gln Arg Lys His Trp CysMet
13.7 8.7 7.8 11.518﹂1169862781
鋭944456王ααα7ぴ
ー
84719284202﹄868057
4鋭472エ6&666国9つ;2mα
&鋭4&2之鋭76ZγB&2α0“α
87450541794潟9487﹄9
34﹂30798643438963500
Q7sα02α13LoゐZLαα0α仕0
aData from Harrap and Woods(1964) bData from Ajico News, No.204(2002)(Ajinolnoto Co., Japan)OC / NH \ OC NH RHC CI−IR / \ \NH l /CO RHC \NR l /CO CHR
一
①⋮
lco︸
∠
\ < NH − ‘ハCIIR cO② / \ NH l CHR l ev −keratin teHsion looseneSS \⑦ /CO 叉 CHR / CO \ NH / CHR \ CO / NH \ CHR /②CO
\ / CHR \ CO / NH \ CHR/
ノへN.〇一11箇×寸.㊦ ︵ NH−一一一一一一一 β一keratin Fig.1−3. conformation ofα一1(eratin and β一keratin第3節 既往の羽毛分解酵素について 3.1 羽毛分解酵素生産菌について 現在までに羽毛分解酵素生産菌は、菌類、放線菌、細菌で報告され ている。それらはpH6∼8の中性域で生育する菌株が多く、アルカリ性 菌ではあまり報告されていない。また、pH7.0∼9.0、30∼65℃で至適酵 素活性をもつ羽毛分解酵素の報告が多い。ほとんどが好気性細菌であ るが、好熱条件下(80℃以上)活性を持つ羽毛分解酵素を生産する菌 は全て嫌気性細菌であった。これらのほとんどが羽毛のみを分解する が、羽毛以外にも羊毛を分解するもの(5)または,それ以外に爪、角 などを分解するものも報告されている(6,7)。続いて各種の羽毛分解 酵素生産菌およびその生産酵素について説明する。 1) 糸状菌類 糸状菌類では、Chrysosporium georgiae(8)が報告されている。 C. georgiaeはニワトリの羽毛から分離された。本菌は9日間の培養で添加 したケラチンを完全に分解し、特に30℃、pH6∼8で3週間培養した後 に高いケラチナーゼ活性を示した。ニワトリの羽毛片を分解すること ができるが、牛の毛やヒトの毛髪、羊毛は分解することが出来なかっ た。ケラチンを含んだ培地中にグルコースを1%添加すると,菌の生育 が良くなり、酵素生産も増加した。本ケラチナーゼはケラチン非存在 下では、酵素生産が乏しく、誘導酵素であることが示唆された。菌糸 体ホモジネート中の細胞内酵素分析で、培養上清中の菌体外酵素より も菌体内酵素のほうがケラチナーゼ活性が高いことが示された。C. georgiaeはグルコース存在下で、他のOhl・ySOSPOI・ium属の菌よりも優 れたケラチナーゼ酵素を生産することが分かった。
2) 放線菌類 放線菌属、特にStreptomycetes属細菌は多種類のプロテアーゼを分泌
することで知られている(9)。これらのプロテアーゼは、主に
Strepto〃n.yces griseus(10,11,12,13)とStrepto〃lyces/cradiae(14,15,16) から生産されるセリンプロテアーゼが報告されており、構造決定や酵 素学的な性質検討がなされている。またその他には、Strepto〃zyces属で 生産されるアルカリプロテアーゼなども多く報告されている(17,18, 19,20,21) ○ プロテアーゼ生産菌株では、菌体外酵素は大きなポリペプチド基質 を、細胞内で吸収可能な小さいペプチドへと加水分解する能力を有す る(22)。菌体外酵素の生理学的な性質は、Streptomyces属間で異なって いることが報告されている(23)。これらの酵素は通常、低い基質特 異性を持ち、非構造的なタンパク質を分解する(24,25)。そのうちケ ラチナーゼは自然界のケラチン物質や他の不溶性タンパク質を分解す ることができる(26)。 このようにプロテアーゼ生産菌やプロテアーゼの性質検討は多く報 告されているが、羽毛分解酵素生産菌は現在のところ、3菌株しか報告 されていない(Streptomyces pactum DSM 40530(17)、Streptomyces αlbidoflavus(27、28)、Streptomyces thermoviolaceus SD8 (7))。 1995 年に報告されたS.pactu〃1は、羽毛を炭素源として利用する(17)。S。 pactumが生産する羽毛分解酵素はセリンプロテアーゼであり、カゼインアガロースゲルクロマトグラフィーにより精製された。分子量は
た。 Streptomyces albidoflαvusは、ニワトリ小屋の土壌から分離された菌 株で、羽毛を炭素源・窒素源として生育した(27)。本酵素(以下SAKase) は、至適条件は40℃から70℃、pH6.0から9.5であることが報告され た。N末端アミノ酸配列で、 Streptomjyces griseus protease B(SGPB)と非
常に相同性が高かった。しかし、SAKaseはSGPBよりも羽毛分解力が
強かった。本酵素が完全に羽毛を分解するには、付加的な活性または DTTなどの試薬を必要とした。この点はケラチンベースの基質の加水 分解反応の開発で重要であると考えられた(28)。 Streptom:yces thermoviolaceus SD8はアルカリ湖から分離された(7)。 本菌の至適生育条件は55℃、pH8.0で、上述のとおり、羽毛以外に、 筋、爪などの分解も報告されている。本酵素の分子量は40kDaであり、 至適活性は55℃、pH8.0であった。酵素活性は65℃以下、 pH6.5∼8.5 で安定であった。 3) 細菌類 細菌類では、Bacillus属、Vibrio sp. kr2(29)、Xanthomonas maltophilia (30)、Nesternkonia sp.(31)などが報告されている。 中性で生育する菌株がほとんどで、好アルカリ菌では2菌株報告さ れている(31)。これらは、アルカリ性細菌Bacillus pseudofir〃ius AL−89、 ノVesternkonia sp. AL−20でいずれもアルカリ土壌から分離された。この2 菌株は羽毛を炭素源・窒素源として利用することができ、培地に0.5% のグルコースを添加すると、プロテアーゼ生産が増大した。それぞれ のプロテアーゼの分子量は24、25kDaであった。これら酵素の活性はカ ゼインを基質としたプロテアーゼ活性方法(32)で、酵素の至適pHは反応温度50℃の時、AL−89株はpH11、 AL−20株はpHlO.0であった。 また、至適温度はpHlO.0の時、それぞれ、60℃、70℃であり、Ca2+を 添加すると、AL−89株生産プロテアーゼは、至適温度が70℃に上昇し た。AL−20株生産プロテアーゼは熱安定性にCa2+を必要としなかった。 さらに、幅広いpH(pH75∼ll,5)で高いプロテアーゼ活性を維持した ことなどから、さらにこの酵素の立体構造を解明することができれば、 Ca2+に依存しない耐熱性のメカニズムについてタンパク質工学を通じ て新しいアルカリプロテアーゼの論理的な見識が得られる可能性が考 えられる。また、洗剤に添加し、通常の酵素では落ちにくい襟の汚れ 等を落とす洗剤の開発や、家畜飼料に羽毛をアミノ酸として添加し、 栄養価を上げる等の応用展開も考えられている(31)。 これまでに多くの羽毛分解酵素生産菌よる羽毛分解酵素の性質検討 がなされているが、羽毛分解酵素生産酵素をコードする遺伝子のクロ ーニングは、今のところBaci〃us lichen i∫br〃lis PWD−1株の羽毛分解酵 素遺伝子kerA(31)およびBaci〃us lichenifor〃lis RG1株の羽毛分解酵 素遺伝子(32)で報告されている。kerAは、 PWD−1株の生産する羽毛 分解酵素のN末端アミノ酸配列および部分分解した断片のアミノ酸配 列からプライマーを作製し、クローニングに成功した。
kerA遺伝子はN末端アミノ酸配列で相同性が高かったsubtilisin
Carlsbergのコードするプロテアーゼ遺伝子と97%の相同性があった kerAとCarlsbergでは、102番目のアミノ酸がセリンとスレオニン、 128番目がアラニンとプロリン、211番目がアスパラギンとセリンで異が異なる培養条件でのkerA発現をコントロールしていることが明らか になった(33)。 4) 嫌気性好熱菌 嫌気性細菌の羽毛分解酵素生産菌はFervidobacteriu〃1 pennavorans(1)、 Thermoanaero方acter keratinophilus(5)、Feridobacterium islandicum AW−1 (35)が報告されている。 近年、耐熱ケラチナーゼは織物産業等、様々な産業で必要とされて いる。羊毛やシルクなどの繊維を軟らかくする新しい酵素の発見は、
環境にやさしい技術として特に織物産業において、注目されている
(36)。セルラーゼやアミラーゼ、リパーゼなどのプロテアーゼはす でに産業に利用されている(37)。ケラチナーゼに関しては、商法性 で安定なケラチナーゼの発見することが、織物産業(羊毛繊維の柔軟) や食品産業(動物・植物由来のタンパク質の加水分解)、製薬産業(対 生体作用活性ペプチドの生産)には必要とされている(6)。 Fervidobacterium pennavorans(1)が1996年にFriedrichとAntranikian らによって、嫌気性および高温で活性を持つ羽毛分解酵素生産菌株と して初めて報告された。F. pennavoransはThermotogales属に属する好 熱菌であり、アゾレス諸島の温泉から分離された。本菌は70℃、pH6.5 に至適生育条件を持ち、羽毛粉末をアミノ酸やペプチドに変換した。 生理学的、形態学的特徴および16S rDNAの系統解析により、分離菌株 はThermotoga∼e属に属するF. pennavoransであることが同定された。さ らにFervidobacteriu〃1 islandicumと Fervidobacterium PU〃UlanolytiCU〃1 の近縁種であることがわかった。本菌の生産するケラチナーゼは細胞 結合型酵素であり、CHAPS(3−[(3−cholamidopropyl)−dimethyl−ammonio]一1−propanesuIfonate)と sodium dodecyl sulfate− polyacrylamide gel electrophoresisにより32倍の精製度で精製することができた。本酵素は セリンプロテアーゼで、分子量は130kDaまた等電点は3.8であった。本 酵素の至適活性は80℃、pHIO.0であった。 Ther〃ioanaerobacter keratinophilus(5)は、温泉から分離された至適 生育条件として70℃、pH7.0をもつ嫌気性好熱菌で、羽毛と羊毛を分解 した。Th ermoan ct erobacter reの生産する酵素では初めてのケラチナーゼ として初めて報告された。本菌の生産するケラチナーゼは、 ハイドロ キシアパタイトクロマトグラフィーで精製され、分子量135kDaのセリ ンプロテアーゼであった。 酵素の至適条件は85℃、 pH8.0であった。 以前に、ケラチン中のジスルフィド結合を還元することでケラチナー ゼの加水分解が増大することが報告されており(17,38,39)、本酵素 も還元剤の硫酸ナトリウムの添加により、本菌は羊毛を加水分解する ことができた。しかし、酵素の分子的な作用の詳細は今のところ解明 されていない。 Feridobacterium islandicum AW−1(35)は、熱水鉱から分離された。 酵素の至適活性条件は100℃、pH9.0であった。本酵素はDEAE陰イオン 交換クロマトグラフィーおよびゲルろ過クロマトグラフィーにより精 製された。精製酵素は、ゲルろ過クロマトグラフィー後、ケラチナー ゼ活性が低下したが、予備変性させたケラチンを用いた場合、活性が 向上したことから、ゲルろ過クロマトグラフィーにより、ジスルフィ ド結合を還元するために必要な酵素または物質が除かれてしまったた
第4節 羽毛分解酵素研究の課題 現在までに多くのケラチナーゼ活性を有する酵素生産菌が報告され ているが、好熱・好アルカリ条件で活性を有するケラチナーゼの工業 利用は、今のところ報告されていない。このような条件で働く、より 強固で特殊なケラチナーゼは、織物産業や食品産業、製薬産業では必 要とされており、化粧品産業にも応用展開が期待される。また、その ような条件で働く酵素は、新しい用途開発が考えられえる。 また、ケラチン分解機構やケラチン分解に関わる因子については今 のところわかっていない。また、ケラチンを完全分解には、チオグリ コール酸などの還元剤を必要とする酵素が多く報告されている。還元 剤を添加しないでケラチンを分解できる酵素がみつかれば、その2つ の酵素性質の比較により、ケラチン分解能にかかわる情報を得られる かもしれない。
第2章 羽毛分解酵素生産菌の検索
第1節序
2000年までに報告されていなかった領域(好アルカリ・好熱)でケ ラチン分解活性を持つ酵素を新しい工業展開することを目的に、本研 究をスタートした。羽毛分解酵素の工業的利用としては、家畜飼料へ の添加による消化率の向上や、皮革産業への応用、化粧品産業への応 用のほか幅広い範囲での応用展開が考えられている。そこで我々は、 アルカリ性(pHlO〈)、好熱(60℃〈)条件下でニワトリの羽毛を対象 に、自然界から新規の羽毛分解酵素の探索を行い、その酵素の精製お よび諸性質の解析を行った。第2節実験材料及び方法
2.1 羽毛分解酵素生産菌の分離 1) 使用培地 (1)掘越改変培地 可溶性デンプン(Wako pure chemical) グルコース (Wako pure chemical) ポリペプトン(Difco) 酵母エキス(Difco) K2HPO4 0.5% (w/v) 0.5% (w/v) 0.5% (w/v) 0.5% (w/v) 0.1% (、w/v)(2)MNB培地 Nbroth(Difco) 硝酸アンモニウム 硫酸アンモニウム Na2CO3* (pHlO.5) 0.8% (w/v) 0.5% (w/v) 0.5% (w/v) 1.O% (w/v) pH7.0, 10.5 *別滅菌 (3)プロテアーゼ生産菌分離培地(掘越改変培地) 森永スキムミルク* 寒天 LO% (w/v) 1.5% (w/v) pH7.O、 IO.5 *別殺菌(lo5℃,51nilD (4)10倍希釈掘越改変倍地 可溶性デンプン グルコース ポリペプトン 酵母エキス K2HPO4 Mgso4・7H20 O.05e/, (w/v) 0.05% (w/v) 0.05% (w/v) 0.05% (w/v) 0.01% (w/v) 0.005% (w/v) pH7.0
(5)羽毛粉末入り掘越改変寒天培地 (掘越改変培地,10倍希釈掘越改変培地) 羽毛粉末* 寒天 1.0% (w/v) L5% (w/v) pH7.0,10.5 *別殺菌(適当量の水に懸濁し滅菌) (5−D羽毛粉末調製法 水洗いした羽毛を風乾させた後、適当な長さ(lcm 以下)にカソトし、ミキサーミル(MM301 ACIOOV 50/60Hz, Retsch製)を用い、 28,0Hz,2分間を3回行 い粉砕した。 2) 羽毛分解酵素生産菌の分離方法 各地で採集した土壌サンプルを5mlの蒸留水で懸濁した後、オート クレープ滅菌した羽毛片(約5mm)の液体培地に接種し、恒温振とう
培養機(TAITEC製PERSONAL−11)を用い、150rpm/minで1週間振と
う培養を行った。培地は掘越改変培地を使用し、30℃、pH10.5及び、 60℃ではpH7.0とpHIO.5の培養条件で行った。液体培地中の羽毛分解 が確認できた集積培養液をプロテアーゼ生産菌平板寒天培地に接種し、 ハロー形成菌を分離した。さらに、純粋分離し、再び羽毛入り液体培 地に接種し羽毛分解の再現性を確認した。次に分離菌の効率的取得及 び方法について述べた。スクリーニング方法については、Fig.2−1に示(1)スクリーニング方法1 羽毛はオートクレープ前に培地に入れておく場合(土壌が付着したま ま)とオートクレープ後に滅菌していない羽毛(水洗い)を入れる場合 の二通りで行った。各土壌サンプルの懸濁液は培地液量に対し、10%接 種し、恒温振とう培養機(TAITEC製PER.SONAL−ll)を用い、各温度 条件下で150rpm/minで振とう培養を行い、培養は1週間行った。 ①使用培地; ②培養条件(培養温度・培地pH); ③培地液量, 掘越改変培地, プロテアーゼ生産菌分離培地 30℃,pHlO 60℃,pH7またはpHlO sml(試験管10φ×105mm) (2)スクリーニング方法II 羽毛は前もって水洗いし、適当な大きさ(約5mm)にカットした後、 水に浸しオートクレープ滅菌(121℃,10min)した。滅菌後、培地を分 注した試験管にカットした羽毛を適宜加えた。そして、各土壌サンプ
ルの懸濁液は培地液量に対し、10%接種した。恒温振とう培養機
(TAITEC製PERSONAL−11)を用い、各温度条件下で150rpm/minで1 週間振とう培養を行った。 ①使用培地; ②培養条件(培養温度・培地pH), ③培地液量; 掘越改変培地, フenテアーゼ生産菌分離培地 30℃,pHlO 60℃,pH7またはpHlO 3ml(試験管10φ×105mm, 培養チューブ10φ×105mm)(3)スクリーニング方法皿 羽毛の処理はスクリーニング方法Hと同様に行った。そして,各土壌 サンプルの懸濁液は培地液量に対し10%接種した。恒温振とう培養機
(TAITEC製PERSONAL−11)を用い、各温度条件下150rpm/minで1
週間振とう培養を行った。本方法では、使用培地を栄養の限られたMNB 培地を使用し、特に高温条件下での羽毛分解酵素生産菌株の分離を試 みた。 ①使用培地; MNB液体培地, プロテアーゼ生産菌分離培地 ②培養条件(培養温度・培地pH); pH7, pHlO(30℃) pH7, pHlO(60℃) ③培地液量; 3ml(試験管10φxlO5mm, 培養iチューブ10φ×105mm) (4)スクリーニング方法IV(好熱菌の探索) 羽毛は前もって水洗いし、適当な大きさ(約5mm)にカットした後、 水に浸しオートクレープ滅菌(121℃,10min)した。滅菌後、培地を分 注した試験管にカットした羽毛を適宜加えた。培地に採取した堆肥の 上清液を200μ1接種し、恒温振とう培養機(TAITEC製BR・・40LF)を用 い、60℃、180rpmで振とう培養を行った。培地中の羽毛が柔らかく、 または微細状態の培地を、新たに羽毛添’ チ液体培地に200μ1ずっ接種し、 振とう培養を続けた。羽毛分解の再現性が認められたものは、培養液 をプロテアーゼ生産菌培地に塗布し、羽毛分解酵素生産菌の分離を試 みた。 ①使用培地1 掘越改変培地,10倍希釈掘越改変培地eO
scrnpte Suspended to sterilized water Liquid modium {pH7,10.5) Incubated at 30 or 60℃ To{曲一agar plates which were㎞㎝bated at 300r 60℃ Fea創be手degradiロ9 ba《晩1憎a were isolated 缶6
−−−”x Isolates hydrolyzed feathers Single colonies仁 were iselated 栖 亘 Fig.2−1. Screening procedure of microorganisms which produce feather degrading enzyme.2.2 羽毛分解酵素生産菌株の分類学的性質 1) 16SrDNA遺伝子を用いた系統学的解析 (1) 使用培地 アルカリ菌、好熱菌の培養にはそれぞれ基本培地として前述(第2 節1))の掘越改変培地、10倍希釈掘越改変培地を用いた。 (2) ゲノムDNAの調製 FA30−Ol、 ll株、 FN60−8214株の液体培養を行い、遠心分離により集
菌しSaitoとMiuraの方法(36)に従って染色体DNAを分離した。
(3) 16SrDNA遺伝子の増幅DNAポリメラーゼにLaTaqTM(TaKaRa)を用い、テンプレートには
FA30.01株のゲノムDNAを用い、プライマーには27Fおよび1492R
(Table 2−1.)を用いて、 PCR反応(反応条件:Table 2−2.)を行った。PCR反応後,PCR産物の電気泳動を行い約1.5kbpの位置に16SrDNA遺
伝子の増幅を確認した。16S,DNA遺伝子の増幅を確認した後、Wiza,dR SV Gel and PCR CIearn−Up Systeln(Promega)を用い、 PCR産物の精製を 行い、シークエンス反応に使用した。 Table 2−1.Base sequence ofthe primer B27F5−AGAGTTTGATCMTGGCTCAG−3
Table 2−2. Reaction condition of PCR 1 ︵∠3 94°(:)for 20sec 50°(⊃for 20sec 72℃for 2min 30cycles (4) 塩基配列の決定
テンプレートには16S rDNA遺伝子の増幅を確認後、精製したPCR
産物を使用し、プライマーには16S rDNA遺伝子の内部保存領域より作 製した8種類のシークエンス用プライマーを(Table 2−3.)を用いてシ ークエンス反応を行った。シークエンス反応にはAmersham Biosciences 製のDYEnamicET Terminator kitを使用した。また、Applied biosystems のDNAシークエンサーABI model 377を用いて電気泳動を行った。 電気泳動の結果をDNAsequencing software(Applied biosystems)を用いて解析を行い、FacturaTM(Applied biosystems)およびAuto
AssenblerTM(RERKIN ELMER)を用いて、結合編集を行った。Table 2−3.nucleotide sequences ofthe primer B27F B338F U515F B927F U518R B785R B927R Ul492R 5LAGAGTTTGATCMTGGCTCAG−・3t 5’−ACTCCTACGGGAGGCAGC−3’ 5’−GTGCCAGCMGCCGCGGTAA−3’ 5’−ACACCACAGGTCAAATAAACAGATG−3T 51−ATTACCGCGGCTGCTGG−3’ 5’−CTACCAGGGTATCTAATCC−3, 5’−ACTTTTAGTGCACAGAGCACACAGT−3’ 5’一一GGTTACCTTGTTACGACTT−3’ 2) 生理・生化学試験 (1) 生育pHの測定 pH6∼11までの範囲で、培養温度30℃で生育の確認を行った。pH5、
6、7はHCI、 pH8、9はNaHCO3、 pH10、11はNa2CO3でpHの調製
を行った(使用培地:LB培地)。 (2) オキシダーゼ活性試験 チロクローム・オキシダーゼ試験用ろ紙「ニッスイ」(日水製薬株 式会社)に培養液を滴下し、色の変化でオキシダーゼ活性を確認した。(4) 糖資イヒ’性言式験 日本ビオメリュー社製API50CHキットを使用して実施した。 2.3 羽毛分解酵素の酵素化学的性質 1) 使用菌株 (1)好アルカリ性羽毛分解酵素生産菌株・FA30−Ol (2)好熱性羽毛分解酵素生産菌株 FN60−8214 2) 使用培地 (1)掘越改変培地(pHlO.0);好アルカリ性羽毛分解酵素生産菌 (2)10倍希釈掘越培地(羽毛片,pH7.0);好熱性羽毛分解酵素生産菌 3) 粗酵素の調製 (1)培地を5ml入れたシリコ栓をした滅菌試験管(24φ×200mm)に羽 毛分解酵素生産菌(好アルカリ性菌・好熱性菌)を植菌し、18時
間種菌培養した。培養は恒温振とう培養機(TAITEC製
PERSONAL−ll)を用いて、好アルカリ性菌は30℃,好熱性菌は55℃ で振とう培養(150rpm/min)したものを種菌とした。 (2)100mlの培地(pH10, pH7.0)が入った500ml容三角フラスコに、 前培養iした種菌を培地液量に対して2%植菌した。pH7.0の培地に は滅菌した羽毛片を添加した。 (3)恒温振とう培養機(TAITE製BioShaker BR−12FH)を用い、30℃、 または55℃で回転振とう培養i(180rpm/min)した。培養は24時間 行った。 (4)培養液を6000rpm,10minで遠心し、その上清を粗酵素液とし、酵素活性の測定に使用した。 4) プロテアーゼ活性測定法 プロテアーゼ活性の測定は、アンソン法(44)に準じて行った。 (アンソン法) アンソン法は基質にハマステインカゼイン(メルク社製)を用い、酵 素による分解産物のトリクロロ酢酸(TCA)可溶性画分にふくまれる アミノ酸及びペプチドをローリー法により測定する方法である。なお、
酵素活性は1分間に1pgのチロシンを生じるのに必要な酵素量をIU
(unit)として定義した。ハマステインカゼイン6gを各pH緩衝液12に溶解し、溶解後再度pH
を調整し、基質溶液とした。酵素液0.5mlに基質溶液2.5mlを加え、各 反応温度で20分間反応し、TCA溶液(0.llMTCA,0.22M CH3COONa、 0,33M CH3COOH)2.5mlを加え反応を停止した。反応液は素早く撹絆 し、反応温度にて沈殿を形成させた後、東洋ろ紙No.5Cにてろ過した。 ろ液0.5mlを2.5mlの0.5MNa2CO3溶液と混合し、さらに2倍希釈した フェノール試薬(ナカライテスク社製)を05ml加えて即座に撹拝後室 温で30分間放置した。発色した反応液の波長660nmでの吸収を測定し た。5) ケラチナーゼ活性測定法 ケラチナーゼ活性はX.linらの方法(4,45)に準じて行った。調製 アゾケラチン5mgを緩衝液(50mM GIycine−NaCI−−NaOH, pH10.5)をO.8ml に懸濁し、酵素液を0.2ml加え混合し、50℃、160rpmで15分振とう培 養を行った。振とう機はBioshaker MBR−024(タイテック社製)を使用 した。反応後10%TCA溶液(ナカライテスク)を0.2ml加え,反応を 停止し,15000rpmで15min遠心し沈殿を除いた後、上清の吸光度(A450) を測定した。コントロールには基質と酵素を混合した後、すぐに10%
TCAをO.2ml加えたものを使用し、酵素活性のIUは反応15分あたり
A450での吸光度を0.Ol上昇させるのに必要な酵素量と定義した。 (アゾケラチンの作製法)以下に示す溶液Aと溶液Bをそれぞれ調製し混合した。混合物を5
分撹拝した後、冷却水道水によって一晩透析した。透析後15mlコニカ ルチューブに入れ、4℃、9000rpmで15分遠心し上清を除き、数箇所穴 を開けたパラフィルムで蓋をし、−80℃で4時間以上冷凍した後、凍 結乾燥を行った。 (1)溶液A ①羽毛粉末5gをイオン交換水30mlに溶かした。②lgのNaHCO3をイオン交換水10mlにとかし①に撹拝しながら加
えた。 (2)溶液B ①最終液量100mlに対して0.025Mとなるようにスルファニル酸を イオン交換水30mlに溶かした。 ②5.ON NaOHを500μ1、5.OM NaNO2を500μ1加えた。③②を撹拝しながら、5.ON HCIをlml加えた。 ④溶液を2分間撹拝し、5.ON NaOHを1ml加えた。 ⑤5秒間撹幹した後、一度に溶液Aを加えた。 6) 使用緩衝液 ・ pH3.0−4.0 ・ pH5.0−6.0 ・ pH7.0−8,0 ・ pH9.0−11.0 ・pHI2.0−13.0 50mM citric acid−sodium citrate :50mM aceticacid−sodium acetate :50mM 3−(n−morpholino)propanesulphonic acid(MOPS)−sodiumMOPS :50mM glycine−50mM NaCl−NaOH 50mM KCI−NaOH
第3節実験結果
3.1 羽毛分解酵素生産菌の分離 少しずっ改変を加えたそれぞれのスクリーニング方法から、中温アルカリ菌では4菌株、好熱中性菌では8菌株の羽毛分解酵素生産菌が
分離できた。以下にスクリーニング結果の詳細について示した。 1)スクリーニング方法 1 5種の土壌サンプル(牛堆肥:4,養鶏場の土:1)を使用して、羽 毛分解酵素生産菌の探索を試みた。各サンプルを薬さじで小さじ1杯とり、5mlの滅菌水に懸濁した。その懸濁液を羽毛の入った培地に
5001.tlずつ接種し、それぞれの培養条件下で1週間振とう培養を行った。 結果をTable 2−4.に示した。羽根堆積下の土壌(養鶏場)を接種し た羽毛入り培地で羽毛の分解が認められた。しかしながら、集積培養 での再現性は認められなかった。しかし、この結果によって土壌から 羽毛分解酵素生産菌の分離できる可能性が推察された。Table 2−4. Screening result of feather degrading bacteria (1) Results ofgrowth No. S姻ple Growth モ盾獅р奄狽奄盾 Treatment of
@允athers growth pH degradation of
@ 允ather 1 ① 甘 8.8 土 2 ② 十 8.5 一 3 ③ sterilization iaut㏄1ave) 什 7 一 4 ④ 什 9 一 5 ⑤ 30℃ 垂glO 十 8 十 6 ① 枯 10 一 7 ② 十 10 一 8 ③ washed 十 10 一 9 ④ 十 10 一 10 ⑤ 十 10 一 ll ① 土 】0 土 12 ② 士 10 ± 13 ③ sterilization iaut㏄lave) 十 8 一 14 ④ 十 10 土 15 ⑤ 60℃ 垂glO 土 10 土 16 ① 土 10 一 17 ② 士 10 一 18 ③ washed ± 10 一 19 ④ 士 10 一 20 ⑤ 圭 10 一 21 ① 十 7 一 22 ② 十 8 一 23 ③ sterilization iaut㏄1ave) 十 8 一 24 ④ 十 8 一 25 ⑤ 60℃ 垂g7 ± 6 一 26 ① 士 8 一 27 ② ± 8 一 28 ③ washed 十 8 一 29 ④ 十 8 一 30 ⑤ 十 8 一 note)(i)Sample No,;(1)attle compost I,②cattie◎ompost H,(li att]e◎ompostnI,(i㎞tle◎omposdV,
2) スクリーニング方法II l3種の土壌サンプル(鶏堆肥:9,牛堆肥:4)を使用して羽毛分解 酵素生産菌の探索を試みた。土壌懸濁液をオートクレープ滅菌した羽 毛の入った培養液に接種した。その結果をTable 2−5.に示した。いくっ かの羽毛入り培地で羽毛がやや柔らかくなったのが確認できた。羽毛 の変化が確認できた培養液をプロテアV−・一一一ゼ生産菌分離培地に塗布し、 ハロー形成菌株を単離後、再び羽毛入り培地に接種し羽毛分解の再現 性を試みた。そのうち、鶏堆肥を接種した培養液から羽毛分解酵素生 産菌株を分離した。この菌株は30℃、アルカリ条件下で分離されたの で、それぞれE(Feather)△(Alkaline)30−010205株とした。
Table 2−5. Screening result of feather degrading bacteria (2) Resul50fgrowd1 62 ⑥ 一 10 一 No, Salllple Grow山 モ盾獅р奄狽援p ’胎“ube gowd) pH DF 63 ⑦ 一 10 一 31 ⑥ ± 7 十 64 ⑧ 一 10 一 32 ⑦ ± 8 ± 65 ⑨ 15m| モ?撃P血fUg │etube 一 10 一 33 ⑧ ± 9 士 66 ⑩ 一 10 一 34 ⑨ 土 7 一 67 ⑪ 十 8.96 一 35 ⑩ ± 8.5 一 68 ⑫ 土 9.02 一 36 ⑪ 杵 8.72 一 69 ⑥ 十 7 一 37 ⑫ 18ψ 狽?唐煤@tube 廿 8.53 一 70 ⑦ 十 7 一 38 ⑬ 十← 8.61 一 71 ⑧ 十 6.5 一 39 ⑭ 圭 8.48 十 72 ⑨ 十 7 一 40 ⑮ 30℃ 垂glO 杵 9.02 一 73 ⑩ ± 7 一 41 ⑯ 什 8.35 一 74 ⑪ 18(P 狽?唐煤@tube 什 4.44 ± 42 ⑰ 十 8.41 十 75 ⑫ 60℃ 垂g7 土 4.54 一 43 ⑥ ± 7 一 76 ⑬ 杵 4.59 一 44 ⑦ 十 7 一 77 ⑭ 杵 4.42 一 45 ⑧ 土 8 一 78 ⑮ 什 4.43 一 46 ⑨ 15ml b㎝tnfUg ッtu』 十 7 一 79 ⑯ 什 4.45 一 47 ⑩ ± 7.5 一 80 ⑰ 什 4.82 一 48 ⑪ 士 9.95 一 81 ⑥ 十 7 一 49 ⑫ ± 7.95 一 82 ⑦ 十 6.5 一 50 ⑥ 土 10 一 83 ⑧ 十 6.5 一 51 ⑦ 60℃ 垂glO 十 10 一 84 ⑨ 60℃ 垂g7 15m1 t11trifUg Xube 十 7 一 52 ⑧ 十 10 一 85 ⑩ 十 7 一 53 ⑨ 十 10 一 86 ⑪ 十 4.34 一 54 ⑩ 十 10 一 87 ⑫ ± 6.64 一 55 ⑪ 十 927 土 56 ⑫ 18(P 狽?唐煤@tube 土 9.47 一 57 ⑬ 士 9.68 一 58 ⑭ 十 9.56 士 59 ⑮ 十 9.58 ± 60 ⑯ 十 9.65 ± 61 ⑰ 十 9.61 ± mte)(i)stmnple No.二⑥chicken compost 1,⑦cattle compost 1,(鋤ttle compost江, (Si)tattle conlpost皿、(111hattle colllpostl▽, (9)thicken co|npost 2 (steallly), (征hicken compost 3,
3) スクリーニング方法皿 7種の土壌サンプル(鶏堆肥)を使用して羽毛分解酵素生産菌の探 索を試みた。スクリーニング方法1と同様に土壌懸濁液を調製し、羽 毛片の入った培地に接種した。その結果をTable 2−6.に示した。 MNB 培地を使用した結果、30℃、pH10の培養条件から、羽毛分解酵素生産 菌を1菌株分離した。この菌株はFA30’11株とした。また、60℃、pH10 の培養条件で羽毛が柔らかくなった培地について集積培養を行なった が、羽毛分解菌の分離には至らなかった。 Table 2−6。 Screer血g result offeather degrading bacteria (3) result 102 18 古 一
No. sample Growth
モ盾高р奄狽奄盾 103 19 →十 一 growth Degradation 盾?@feather 104 20 杵 一 88 18 十十 十 105 21 30°C 垂g7 杵 一 89 19 什 土 106 22 什 一 90 20 什 ± 107 23 十← 一 91 21 30°C 垂glO 杵 士 108 24 十ト 一 92 22 十 ± 109 18 杵 一 93 23 什 ± llO 19 十 一 94 24 杵 ± llI 20 十 一 95 18 十 ± 112 21 60°C 垂g7 十 ± 96 19 十 土 ll3 22 十 ± 97 20 十 士 ll4 23 杵 土 98 21 60°C 垂glO 十 ± ll5 24 廿 土 99 22 十 ± 100 23 十 土 101 24 十 ± 110te)(i)sample No.;⑥chick以1 compostl,⑭chicken compost 5. @ chicken compost 6,⑱compost 7 (ii)growth;土く十く一←十 (iii)degradation of 俺ather:一 (not degradation) <▲ (sort ofdegradation) <+ (dispersion) <十十 (degradation)
4) スクリーニング方法IV
新たに採取した鶏堆肥を用い、60℃でpH7またはpH10の条件で掘
越培地、10倍希釈掘越培地、MNB培地、10倍希釈MNB培地で羽毛分
解酵素生産菌株の分離を試みた。pH7、60℃の培養条件では、10倍希 釈掘越培地の培養液で羽毛の分解が確認された。また、pH10,60℃の培 養条件下では、MNB培地の培養液で羽毛の分解がみられた(Table 2−7.)。 Table 2−7. Screening result of feather degrading bacteria (4) CUItUre reSUItS A−1 11 一 5.79 一 A−2 11 一 5.83 一 sample mediUm ipH)day growt pH Degradation
盾? at ? B−1 MNB 高?р奄浮香 @(7) ll 一 5.98 一 B−2 ll 一 6.ll 一 A−1 ll 一 4.94 一 A−1 7 十 9.46 十 A−2 |1 十 5.24 一 A−2 十 MHS lcdium @(7) 7 954 十 B−1 川 十 S.75 十 B−1 MNB 高ョd山m o1{1) 4 十 9.37 十 B−2 Il 土 626 一 B−2 4 十 9.18 十 A−1 ll 十 995 一 A−1 18 土 7.96 一 A−2 ll 十 9.41 一 A−2 18 一 MHS ledium i10) ± 6.86 B−1 ll ± 9.93 一 B−1 MNB 高?р奄浮香 i|OdMon) @(7) 18 圭 5.96 一 B−2 11 ± 9.81 一 B−2 18 士 6.76 一 A−1 4 一 8.77 一 A−1 18 士 10.13 土 A−2 4 十 &92 十 A−2 MHS 高?р撃浮香 i10dilulion) @(7) 18 ± 10.25 ± B.1 18 十 9.25 十 MN8 高?р奄浮香 i10dilutbn) i10) B−1 18 ± 10.44 ± B−2 18 十 8.69 十 B−2 18 圭 10.25 ± A−1 18 ± 10」6 ± A−2 18 士 10.43 土 B−1 MllS 高モр奄浮香 i|Odllutlon) i10) 18 土 10.41 ± B−2 18 ± 10.28 土 note) (i)ggrONNth ; 土く十く十一ト (U)degradation of Ieather:一 (not degradation) 〈士 (sort ofdegradation) <十 (dispersion) <十十 (degradation) (iti)MHS medium ;MOdified horikoshi medium
(1) 培養条件60℃,pH7での羽毛分解酵素生産菌の単離 集積培養を繰り返し行うと、羽毛分解力は徐々に弱くなる傾向にあ った。そこで、羽毛入り液体培地(pH7,10倍希釈掘越培地)に室温で 保存しておいた羽毛分解集積培養液(土壌サンプルA−−2,B−2)を200μ1 植菌し、60℃、160rpmで2日間振とう培養した。羽毛状態が柔らかく なった培養液と羽毛分解状態の結果のみTable 2−8.に示した。続いて、 プロテアーゼ生産菌分離培地を用いて、羽毛分解酵素生産菌株の分離 を試みた(Table 2−9,)。 Table 2−8. Screening result offeather degrading bacteria (pH7.0,60℃)
Culture No. growth Degrad誠ion of @ 允ather 人↓0フ30 十 十 A.ニー{〕801 ± 十 A−2−0803 十 十 B−}06二二 ヱ 十 B−2−0801 ± 十 B−20803 十 十 Table 2−9. Protease activity ofhalo f∼)rmation offea廿ler degradhlg bacte亘 Culture No. Dilution ratio of @ culture Colony ?b高≠狽奄盾 Halo fb㎜ation A−2−0730 106 4 十 107 0 一 106 4 十 A−2−0801 107 0 一 106 2 十 A−2−0002 107 0 一一 B−2−0622 106 18 一 107 5 一 106 4 十 B−2−0801 107 0 一一 106 10 十 B−2−0002 107 0 一
(2) 羽毛分解力の再現性の確認 羽毛が分解された集積培養から単離した(上記に示した)コロニー を10倍希釈掘越羽毛培地に植菌し、60℃、pH7で振とう培養し、羽毛 分解力の再現性を確認した。増殖と羽毛状態の結果をTable 2−10.に示 した。 Table 2−10、 culture results of feather degradation Culture @No、 Colony @No. Culture results growth Degradation 盾???≠狽?? A−2−0730 1 十 十 2 十 十 3 十 十 4 十 十 A−2−0801 1 十 十 2 十 十 3 十 十 4 十 十 A−2−0002 1 一 一 2 一 一 B−2−0622 1 十 十 2 十 十 3 十 十 4 十 十 5 一 一 B−20002 1 十 十 2 十 十 3 十 十 4 十 十 5 十 十 5−1 一 一 6 十 十 壺1 十 十 7 十 土 8−1 十 十 8−2 十 十 8−3 一 一 9 十 一 10 一 一 10−1 十 十 B−2−0801 1 十 一 2 十 十 3.1 十 十 3−2 十 十 4 十 一 note) (i)growvth : ±<十く十十 (il)degradation of feather;一 (not degtadation) <± (sort ofdegradation) <十 (dispersion) <十十 (degradation) (ili)the bOld−faced t}1)e:−80°C glycerol st㏄k
(3) 羽毛分解能を持っ菌の保存法の確立 15%グリセロール保存した分離菌を液体培地に接種し、羽毛分解力 の確認を行った(Table 2−1L)。グリセロール保存したものは分解力が 落ちる傾向がみられた。このうち、コロニーのNo.0−8−1、0−8−2は、 15%グリセロール保存したものからも羽毛の分解が認められた。ゆえ に、No.O−8−1、0−8−2を羽毛分解酵素生産菌とした。これらをそれぞれ、 F(Feather)N(Neutrality) 8223、8231とした。 60−8110、 8211、 8212、 8213、 8214、 8222、 Table 2−11. Degradation of feather of isolates 0−1 十 十 ± 土 0−2 土 十 ± 土 0−3 一 十 一 一 0−4 一 十 0−5−c 十 十 0−5−w 一 一 0−6−c 土 十 0−6−w 一 十 0−7 土 十 (1−8−1 iFN6{}−81 十 十 十 十 0,8−2 iFN60−82 十 十 十 十 0−8−3 一 一 0−9 一 一 0−10−c 一 一 0−10.w 十 十 十 十 note) (i) ( if) (hi) growth ;±〈十く十十 degradatioll of feather: 一 (not degradation) <土 (sort ofdegradation) <十 (dispersion) <十十 (degradation) c:halo formation, wlnot halo formation (iv) G:growth. D:degradation of feather plate glycerol stock strain No. G D G D A−2 30−1 十 十 ± 土 30−2 十 十 一 一 30−3 十 十 ± 一 30−4 十 十 ± ± 1−1 十 十 土 一 1−2 十 十 一 一 1−3 十 十 十 土 1−4 十 十 十 土 0−1 一 一 0.2 一 一 B−2 22−1 十 十 土 一 22−2 十 十 一 一 22−3 十 十 } 一 22−4 十 十 ± 土 22−5 一 一 1−1 十 一 1−2 十 ± 1−3−1 土 士 1−3−2 十 ± 1−4 一 土
(4) 培養条件60℃,pHIOでの羽毛分解酵素生産菌の単離 pH10、60℃の培養条件では、 MNB培地で培養したA−1、 A−2、 B−1、 B−2で羽毛の分解が確認された。続いて集積培養を行なったところ、 培地中の羽毛の分解は肉眼で確認することできた。しかし、徐々に羽 毛分解力が低下した。数日間室温に放置した集積培養を新しい培地に 添加し、培養したところ羽毛が分解されたことから、この菌は胞子を 形成することが示唆された。顕微鏡観察(×1000)を行ったところ、 ほとんどが球菌で運動性を有し、菌体内が光っていた。 1つの分離菌 では羽毛分解が確認されないことから、共生菌である可能性が考えら れた。そこで、堆肥に含まれる栄養分の関与〔培地中に滅菌(オート クレープ,フィルター滅菌)堆肥を添加〕や、培地栄養分の関与(MNB 培地にC源を添加)について検討を行ったが、いずれも単離には至ら なかった。羽毛分解が確認された集積培養液は菌株の単離をせず、 −80℃にてグリセロール保存した。
5) 羽毛分解酵素生産菌の分離 (1)好アルカリ性羽毛分解酵素生産菌(pHlO,30℃) pHlO、30℃の培養条件下では、約40種の土壌サンプルから羽毛分 解菌を4菌株、分離することに成功した。これらの菌株はすべて養鶏 場の堆肥(鶏糞;Fig.2−2.)から分離された。これらの菌株(FA30−Ol、 −02、−05、−ll株)は、ニワトリの羽毛をpH10、30℃の培養条件にお いて、ニワトリの羽毛を微細状態に分解した。 Fig.2−2. The compost ofpoultry farm where feather−degrading bacteria were isolated
前項のスクリーニング方法1、II、皿から単離された好アルカリ性 羽毛分解酵素生産菌の培養条件、増殖結果についてTable 2−12にまと めた。また、培養写真をFig.2−3.に示した。分離した4菌株のうち、 FA30−01、05株はグラム陽性細菌、FA30−02、11株はグラム陰性細菌だ った。4菌株すべて胞子形成能を有する桿菌で、運動性を有していた。 このうち、FA30−01株は増殖が安定しており、羽毛分解も良好であっ たので、本菌の生産する酵素について以後検討することにした。 Table 2−12. Characterization(culture condition)of feather−degrading bacteria culture No. Sample .唐狽窒≠撃 Gram @ ・唐狽窒≠撃
Motility Spores medium
pH growth degradation 盾?@fbather 31 ⑥ FA30−Ol 十 十 十 8.88 十 十 74 ⑭ FA 30−02 一 十 十
HS
8.90 十 十 77 ⑰ FA30−05 十 十 十 8.93 十 十 88 ⑱ FA30−ll 一 十 十MNB
8.96 十 十 note)(i)Sample No.;⑥compost 1,⑭compost 5,⑰compost 6,⑱compost 7 (ii)groWth ; ±〈十く十十 (iii)degradation of feather; 一 (not degradation)〈±(sort of degradation)〈+ (dispersion)<十十 (degradation) (W)pH:pH ofthe cultUre (initial pH:pHlO.2) (v)medium;HS:modified Horikoshi medium, MNB:modified NB brothFig.2−3. Observation of fbur bacteria isolated from soils of the poultry farm. (30℃,pH 10) A.after 24h B.after 24h C.a負er 24h (30℃) (30℃) (30℃,160rpm) A.On feather meal plate B.On milk−agar plate 漢論 C.In liquid feather medium
(2) 好熱性羽毛分解酵素生産菌(60℃,pH7) pH7、60℃の培養条件下で、約30種の土壌サンプルから羽毛分解菌を 8菌株分離することに成功した。これらの菌株(FN60−8110、−8211、−8212、 −8213、−8214、−8222、−8223、−8231株)は、Table 2−13.に示した土壌サン プルB−2を接種した集積培養iからグリセn一ル保存後も羽毛分解活性を 有していたコロニーから分離した(Fig.2−4.A.)。8菌株はそれぞれ、ニ ワトリの羽毛を60℃、pH7の培養条件において、ニワトリの羽毛を微細 に分解した。羽毛の分解が確認された培地では、培養液が桃色に変化す るものが多かった(Fig.2−4.B.)。羽毛入り集積液体培養は8菌株すべて に同じような変化が見られたため、5菌株のみ培養結果を示した。これら の菌は一80℃でのグリセロール保存で、生存が確認され、羽毛分解力が 維持された。しかし約1年間した菌株を60℃で培養したところ、生育で きなかった。そこで、生育温度について試験したところ、40∼57.5℃で 生育し、40∼55℃で羽毛分解活性が見られた。顕微鏡観察さらに、羽毛 分解活性などから、55℃で生育する菌株は60℃で分離した菌株と同じで あると考えられた。したがって、続いて行う試験では、55℃で培養を行 うことにした。8菌株はすべて、グラム陽性で胞子を形成し、運動性を有 した桿菌であった。このうち、FN60−8214株は増殖が安定しており、 羽 毛分解も良好であったので、本菌の生産する酵素について以後検討する ことにした。
Table 2−13. The results of feather degradation cluture (pH7.0,60℃) culture
Sample medium Test tube Treatment of
@ 飴athers day pH growth degradation 盾?@feather A−2 4 8.92 十 十 B−2 HS i10dilution) 18(ptest 狽浮b sterilized* 18 8.96 十 十 note)(i)Sample;compost(chicken droppings) (li)groWth;±<十く十十 (皿)degradation of feather; 一(not degradation)〈土(sort of degradation)<+(dispersion)<++(degradation) (iNr)pH;pH ofthe culture (initial pH:pH7.0) (v)HS;Horikoshi medium(Carbon source:so[uble starch)*sterilized:autocleaved Fig.2−4. Observation ofbacteria isolated from soils ofthe poultry farm. (60℃,pH7.0) A.after 18h(55℃) B.after 24h(55℃,170rpm) A.On milk−agar plate(cluture No.:FN60−81) ≦一吟ずO已⇔㊤⇔﹃S一目 ’“ b,e o力吟﹃曽一目]﹃7∼ひOl◎θN︼O oom旨 ●om芯 Q●m印U 俺・. 警㌧、院. 《 ⑭ ●6z︼▲ 馳ク. ⇒∼刷婚L、・べ∼」 ’tw 』噸ぷ・・ B.In liquid feather medium
3.2 羽毛分解酵素生産菌株の分類学的解析 1)好アルカリ性羽毛分解酵素生産菌(FA30−Ol株)
羽毛分解活性が安定していた好アルカリ性羽毛分解酵素生産菌
株FA30−Ol、05、川株について、16S rDNA塩基配列の決定を行い、NCBIにより相同性検索を行った結果、分離株はそれぞれBacillus
pseudofir〃lusと98%、92%、 Lutei〃lonas〃iephitisと92%の相同性を 有していた。この結果をもとに、いくつかの近縁種および羽毛分解酵素生産菌を選択し、近隣結合法により系統樹を作製した(Fig.
2−5)。 分離株FA30−01株は、長さ2.0∼3.0μm、幅1.Oμmの好気性グラム 陽性の桿菌で周鞭毛を有し、胞子形成能を有していた。生育温度は10℃∼38℃で、最適温度は30℃であった。生育pHはpH8∼llで最
適pHは9∼10.5であった。本分離株は、カタラーゼ、カゼイン、
デンプン、Tween60の加水分解陽性を示した。また、10℃での生育
性陽性で、pH7.0での生育性は不良だった。 Baci〃us pseudofir〃7usにっいては、カゼイン、ゼラチン、デンプン、Tween60の加水分解
陽性、硝酸還元能陰性、10℃での生育性陽性などの性状から他のア ルカリ性Bacillus属細菌と区別されている。この試験結果から、本菌の性状はB.pseudofirmusに類似すると考えられた。また、16S
rDNA塩基配列を使った相同性検索とあわせて考慮すると、B.
pseudofirmusに帰属する菌株と考えられた。以上の結果より、
Feハ/idiObacteriumρeηηavoraηs Luteimonas Sρ. Lγ⑤obac拍r⑤ρ, FA30・11 PsettdiOxanthomo 7as 914 ♪く合ηfカomoηas S.ρactum S.a∫b∬dlOfiavus B.ρseudtOfirηus ioOO FA30・01 603 FA30・05 B.〃C∫τeη旅)πηjs B.subti〃S β.a〃(θioρ力〃口S B.halOdurans B.cereUS u.1 Fig.2−5. Phylogenetic tree based on l6S rDNA sequence comparisons of strain FA30−Ol,05,11 and selected bacteria. The tree rooted with Fervidobacterium pennavorans was generated by the neighborjoining method. Bootstrap Valued based on l,000replications are given at the nodes. Bar 10−base substitutions per 100 amino acid positions. red:feather−degrading bacteria 一43一
Table 2−14. Characteristics ofBacillus sp. FA30−O I
Spore 十 glycerol
一
Form Rods erythrito1
『 Size(mm) 1.0×2.0−3.0 D−arabinose 一 Motility 十 L,arabinose 十 Growth temp.(℃) 10−38 ribose 十 Optimum growth temp.(℃) 30 D−xylose 一 pH fbr growth(pH) 8−ll L−xylose 一 Optimum pH fbr growth(pH) 9−|0.5 adonitol 一 ()xidase activity 十 β一methyl−D−xylose 一 Catalase activity 十 galactose 『 acid/gas(Glucose) 一/一 glucose 一 O−Ftest(Glucose) 一/一 廿uctose 一 mannose 一 sorbose 一 rhamnose 一 medium:nutrient agar(pHlO) モ浮撃狽奄魔≠狽奄盾氏@time:48h р奄≠高?狽?秩F0.5−1.Omm モ盾撃盾秩Fcream q)rm:circular 撃?獅刀C circle, smooth, turbid, butter dulcitol 一 inositol 一 mannitol 一 sorbitol 一 α一rnethyl−D−mannose 一 α一methyl−D−glucose 『 N−aCetylglUCOSamin 一 β一galactosidase 一 amygdalin 一 arginine dihydrolase 一 albumin 一 1ysine decarboxylase 一 ceUoniose 一 ornithine decarboxylase 一 maltose 一 Utilization ofcitric acid 一 lactose 一 Reduction ofnitrate 一 trehalose 一 urease 一 ra箭nose 『 Tryptophan deamylase 一 Starch hydrolysis 『 1ndoletest 一 glycogen 『
2)好熱性羽毛分解酵素生産菌(FN60−8214株) FN60−8214株は、好気性グラム陽性の桿菌で周鞭毛を有し、胞子形成
能を有していた。また16Sr DNA系統解析では、Brevibaci〃us
ther〃ioruberと97%の相同性を有していた。この結果をもとに、いくつかの近縁種および羽毛分解酵素生産菌を選択し、近隣結合法により系
統樹を作製した(Fig.2−6)。 8.brevis O1 Feハ〃dobacter’um ρe刀navorans Fig.2−6. Phylogenetic tree based on 16S rDNA sequence comparisons of strain FN60−8214and selected bacteria. The tree rooted with Fervidobacterium pennavorans was generated by the neighborjoining method. Bootstrap Valued based on l,000 replications are glven at the nodes. Bar l O−base substitutions per 100amino acid positions red:feather−degrading bacteria 一45一3.3 アルカリケラチナーゼ酵素の性質(粗酵素) 分離した好アルカリ性羽毛分解酵素生産菌株4菌株のうち、最も羽 毛分解活性が安定していたFA30−Ol株についてその生産酵素の性質検 討を行なうために、酵素生産の最適培地条件および最適培養条件につ いて検討した。 3.3,1羽毛分解酵素生産におよぼす各培養条件検討(培地・通気条件) 1)最適培地成分の検討 掘越改変培地で分離したFA30−Ol株の酵素生産における最適培地を 検討するため、培地中に含まれるC源、ポリペプトン、酵母エキスの 濃度を変えて培地を作製し、培養後の酵素活性を測定した。 掘越改変培地 可溶性デンプン グルコース ポリペプトン 酵母エキス K2HPO4 MgSO4・7H20 Na2CO3* (pH10.5) 0.5% (w/v) 0.5% (w/v) 0.5% (w/v) 0.5% (w/v) 0.1% (w/v) O.05% (w/v) 1.0% (w/v) pHlO.5 *別滅菌
(1) C源をグルコースとしたときの最適培地の検討 検討する培地組成のみをそれぞれの濃度にとり、それ以外の組成は 掘越培地の割合で培地を作製した。培養容器は、500ml容三角フラスコ に培地液量100mlを入れ、30℃、170rpmの回転振とう培養で行い、24 時間後の倍地上清の酵素活性を測定した。 ①グルコース濃度の検討 グルコース濃度0.5,1,2,3,4,5%の培地を作製し培養後、酵素活性 を測定した。結果をFig.2−7.aに示した。グルコース濃度の増加に伴 い、酵素活性は増加したが、1%∼5%まではほとんど差のない状態 であったので、グルコース濃度を1%とした。 ②ポリペプトン濃度の検討 前述の試験の結果より、グルコース濃度を1.0%とし、ポリペプト ン濃度0.1、0.5、1、1.5、2%で培地を作製し、酵素活性を測定した。 結果をFig.2−7.bに示した。活性はポリペプトン濃度が1%と1.5%で 高かったため、ポリペプトン濃度を1%とした。 ③酵母エキス濃度の検討 ①、②の試験結果より、グルコース濃度、ポリペプトン濃度をそ れぞれ1%と決定し、酵母エキス濃度を0.1、0.5、1、1.5、2%で培地 を作製し、酵素活性を測定した。結果をFig。2−7.cに示した。o.1、o.5、 1.0%において活性に差が認められなかったので、酵母エキス濃度は 0.5%とした。
a ヘ へ ︵=にー.⊃︶㌧乙で’鳴O恒の口[・勇︼山 7、0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 O.O 0.0 LO 2、0 3.0 4.O Ghlcose(%) 5.0 0 0 1 0 8 b 怠﹀る;ξ目口 6.0 4.O 2.0 O.O O.O 0.5 1.0 15 Polypepton(%) 2.O C ρ[︻5二拾芝§ΦρH・雪ω 12.0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 O.O O.5 1.0 1.5 Yeast extract(%) 2.0 Fig.2−7. Examination ofthe optimum medium composition fbr enzyme production(carbon source:glucose) a:glucose ;b:polypepton;c:yeast extract,
(2)C源をデンプンとしたときの最適培地の検討 前述の試験と同様に、C源がデンプンでの培地検討を行なった。 ①可溶性デンプン濃度の決定 可溶性デンプン濃度0.5、1、2、3、4、5%の培地を作製し培養後、 酵素活性を測定した。結果をFig.2−8.aに示す。最も活性の高かった のは1%であった。 ②ポリペプトン濃度の検討 前述の検討で、可溶性デンプン濃度をLO%とし、ポリペプトン濃 度0」、0.5、1、1.5、2%で培地を作製し、酵素活性を測定した。結 果をFig.2−8.bに示した。0.5%での活性が高かったので、ポリペプト ン濃度はO.5%とした。 ③酵母エキス濃度の検討 ①、②の検討で、可溶性デンプン濃度、ポリペプトン濃度をそれ ぞれ1%、0.5%とし、酵母エキス濃度をO.1、05、1、1.5、2%で培 地を作製し、酵素活性を測定した。結果をFig.2−8. cに示した。酵母 エキス濃度はLO%の時に最も活性が高かったので、1.0%とした。
a ︵=口⊃︶・乙一﹀ロo已2口目︻山 10.0 6.0 6.0 4.O 2.o 0.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.O Stii1’cll(9・6) 5.0 b ︵肩[⊃∵嘗亘。儒巴行 7.0
00
6⊂﹂0043
2.O S’1.。田 0.0 0.0 0.5 1.0 1、5 Polypepton(%) 2.0 C 二ρ﹁°・⊃︶・乙﹁﹀βo巳の戸ご目︻山 7.0 0∩︶0654
3.000
つんー 0.0 O.O 0.5 1.0 1.5 Yeast extract(9・’6) 2.0 Fig.2−8. Examination ofthe optimum medium composition for enzyme production(carbon source:soluble starch) a:soluble starch ;b:polypepton ;c:yeast extract,以上の結果よりC源グルコース、デンプンそれぞれでの酵素生産優良 培地について下表に示した。 酵素生産最適培地①(C源 グルコース) グルコース ポリペプトン 酵母エキス K2HPO4 MgSO4・7H20 Na2CO3* LO% (w/v) 1.0% (w/v) 0.5% (w/v) 0.1% (w/v) 0.05% (w/v) 1.0% (w/v) pHIO.5 *別滅菌 酵素生産最適培地②(C源 可溶性デンプン) 可溶性デンプン ポリペプトン 酵母エキス K2HPO4 MgSO4・7H20 Na2CO3* 1.0% (w/v) 0.5% (w/v) 1,0% (w/v) 0.1% (w/v) 0.05% (w/v) 1.0% (w/v) pHIO.5 *別滅菌