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県外 海外の企業等に中堅人材を出向させながら研修プログラムが受けられるような支援制度の創設 企業によるプロデューサー人材の発掘 誘致の取組への支援 3 農林水産業 農林水産業を行っている者が自ら商品の企画立案機能を高められるような実践販売する機会の提供など支援する仕組みの充実 経営力 や 仕事の基礎

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産業人材育成方策等検討調査

本調査結果のポイント

本 調 査 は、アンケート調 査 及 びヒアリング調 査により、沖 縄における産 業 人 材 育 成の現 状を把握し、課題を整理した上で、それを解決するための施策の方向性を示した。 【主な施策の方向性】 総 論 ① 「仕事・人生に対する基本姿勢」に関する施策 ・ 小・中・高校生を対象とした交流プログラムに企業から人材をスムーズに派遣で きるような支援体制の充実 ・ 大学生等のインターンシッププログラムを教育機関等と企業が連携して充実化 ・ 大学等において海外留学を積極的に推奨するとともに、単位認定の仕組みを整 える ② 「仕事の基礎的能力」に関する施策 ・ 大学等教育機関、行政、企業が連携して共同の教育プログラム等を開発する仕 組みの構築 ・ 企業 人 材 や新 卒 人 材 を県外・海 外の企 業 等 に出 向させながら人 材 育 成のプロ グラムが受けられるような支援制度の創設 ・ 大学等における中国 語等の教育 プログラムを強化、ビジネス講座 へのアジアビ ジネス枠の設定 ③ その他の施策 ・ 県内の産業人材育成に関する総合的な情報発信・相談対応を担うワンストップ 窓口機能の創設 ・ 産業人材育成に取り組む教育機 関等と連携し、中小企 業における産業人材の 育成を総合的にサポートするワンストップ窓口機能の創設 業種別 ① 観光産業 ・ 大学等が持つ教育リソース(科目、施設等)を連携させて、観光経営の理論を学 ぶとともに現場の接遇サービスを身につける教育プログラムの強化 ・ ホテルと連携したインターンシップの充実化による教育プログラムの強化 ・ 行政等により実施されている企業経営者や中堅社員向けのセミナー、大学生等 を対象とした次世代の高度人材育成事業等の継続・強化 ② 情報通信業 ・ 企業の中堅人材等を対象に、営業・マーケティング、プロジェクトマネジメント等の 「経営力」を育成目的とした事業間の連携による人材育成事業の機能強化

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1.調査の目的

本調査は、沖縄のリーディング産業等(観光産業、情報通信業、農林水産業、 金融・保険業)に求められる人材像(資格、技術力、語学力等)や人材育成メニ ューのニーズを明らかにするとともに、教育機関等の産業人材育成の取組、成果、 課題等を整理・分析し、その整合状況(ギャップなど)を明らかにすることによ り、沖縄における産業人材育成方策の拡充の方向性をとりまとめ、今後の沖縄の 産業人材育成に対する取組のあり方や国の支援方策の検討に必要な資料を得るこ とを目的として実施した。 ・ 県外・海外の企業等に中堅人材を出向させながら研修プログラムが受けられる ような支援制度の創設 ・ 企業によるプロデューサー人材の発掘・誘致の取組への支援 ③ 農林水産業 ・ 農林水産業を行っている者が自ら商品の企画立案機能を高められるような実践 販売する機会の提供など支援する仕組みの充実 ・ 「経営力」や「仕事の基礎的能力」について、事業者と教育機関等が共同し、産 業人材育成のための教育プログラムを開発していく体制の構築 ・ 学生等のインターンシッププログラムを教育機関等と企業が連携して企画するこ とにより、プログラム内容や期間を充実 ④ 金融・保険業 ・ 県内大学等の金融実務・関連資格に関する単位制の講座を、金融特区進出企 業に求められる人材像に応じた講座内容等に充実 推進体制 ① 産業人材育成プラットフォームの創設 ・ 運 営 事 務 局 を設 置 し、産 業 人 材 育 成 に関 する様 々な施 策(教 育 リソース)の情 報を収集・整理・蓄積して、総合的に情報提供していく体制を整備 ・ 運営事務局は、人材育成に取り組む企業経営者からの相談(育成ニーズ)に一 元的に応じるワンストップの窓口機能を担う ・ 運営事務局は、関連施策の様々な情報を収集・整理・蓄積するとともに、産業人 材を育成する多様な指導者との人的ネットワークを構築 ・ 教育委員会、県教育関係機関についてもプラットフォームの構成員に参加しても らうことが重要 ② 市町村単位の地域連携体制の構築 ・ 企業と教育機関等が共同で人材育成の研修を行う仕組みを、市町村単位の地 域の連携体制内でも推進

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2.調査の方法

① 企業(2,512 社)、大学等教育機関(53 機関)、行政機関・団体等(331 組織) を対象にアンケート調査を実施した。 ② 企業(20 社)、大学等教育機関(4機関)、行政機関・団体等(8組織)を対象 にヒアリング調査を実施した。 ③ 本調査に対する検討・指導を行う機関として有識者等により構成された検討委 員会を設置し、沖縄の産業人材育成の今後の方向性について有意義な意見・指 導を得た。 ④ 既存の資料やインターネット等による文献調査を実施した。

3.調査の概要

(1) 沖縄振興計画等における産業人材育成の位置づけ

○ 沖縄振興計画(平成 14 年 7 月策定)では、競争優位性や産業展開の可能性の 観点から、「観光・リゾート産業」、「情報通信関連産業」、「農林水産業」等を、 県経済をけん引する重点産業として位置づけるとともに、国内唯一の金融業務 特別地区制度により金融業務の集積を進めることとしており、それを支える産 業人材の育成が重要な戦略課題となっている。 ○ 沖縄県がとりまとめた「沖縄21世紀ビジョン」(平成 22 年 3 月策定)におい ても、「観光・リゾート産業」、「情報通信関連産業(金融関連業務を含む)」、「フ ロンティア型の農林水産業」が「新・リーディング産業」として位置づけられ ており、それぞれの産業においてマネジメント力を含む高度な産業人材の育成 を進めていくこととしている。 ○ 沖縄のリーディング産業等における産業人材について、「沖縄振興計画」と「沖 縄21世紀ビジョン」を比べてみたところ、一部の業種を除き、位置づけが変 化していることがわかった。 ・ 観光産業では、高度な接遇人材に加えて、新たな方向性として経営・マー ケティング人材の育成が追加されている。 ・ 情報通信業では、コールセンター等の需要に応えた技術人材の大量育成及 び高度化に加えて、新たな方向性としてクラウド関連ビジネス、BPO、ソ フトウェア開発等多様な分野でアジアにビジネス展開できる人材の育成が 追加されている。 ・ 農林水産業では、就農促進に加えて、マネジメント能力の養成が追加され ている。 ・ 金融・保険業では、高度な金融知識という点に変わりはないが、金融ビジ ネスの担い手という人材像が追加されている。

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(2) 沖縄の企業から求められる人材像と人材育成メニューのニーズ

人材像

○ 沖縄の企業から求められる人材像について、文献調査、アンケート調査(発送 企業数 2,512 社―うち県外からの進出企業 269 社、有効回答数 441 社)、ヒア リング調査(20 社―うち県外からの進出企業 5 社、業種内訳は観光産業 6 社、 情報通信業 5 社、農林水産業 5 社、金融・保険業 4 社)を実施した結果、全業 種に共通して、県外市場開拓の戦力となるマーケティング・営業人材、海外市 場展開に対応できる「語学力(英語、中国語等)」を備えた人材が求められて いる。 ○ 特に、県外・海外展開をしている企業群では、「マーケティング・営業力」、「商 品企画・開発力」、「マネジメント力」、「語学力」を持つ人材が求められている。 ○ 業種別に見ると、観光産業では経営系の人材と「語学力」を備えた人材、情報 通信産業ではマーケティング・営業人材と「語学力」を備えた人材、農林水産 業ではマーケティング・営業人材、金融・保険業では金融関連の専門知識を持 つ人材が求められている。

人材育成メニューのニーズ

○ 沖縄の企業から求められる人材育成メニューのニーズについて、文献調査、ア ンケート調査(発送企業数2,512 社―うち県外からの進出企業 269 社、有効回 答数 441 社)、ヒアリング調査(20 社―うち県外からの進出企業 5 社、業種内 訳は観光産業 6 社、情報通信業 5 社、農林水産業 5 社、金融・保険業 4 社)を 実施した結果、全業種に共通して、「専門的能力」を育成するメニューに比べ、 「基礎的能力」を育成するメニューが求められている。 ○ 「基礎的能力」を育成するメニューについては、業種に共通して、課題解決力 では「業務遂行力」、チームワーク力では「協調性」、コミュニケーション力で は「交渉力」、自己形成力では「責任感」に対するニーズが高い。 ○ 「専門的能力」について業種別に見ると、観光産業では接客待遇や顧客対応・ 継続的な関係構築のほか、語学力の育成メニュー、情報通信産業では営業・マ ーケティング、プロジェクトマネジメント、アプリケーションソフトの設計・ 開発などの育成メニュー、農林水産業では生産管理技術、安全・衛生管理技術、 加工食品の企画・開発などの育成メニュー、金融・保険業では金融実務の知識 の育成メニューのニーズが高い。

(3) 沖縄の産業人材育成の取組状況

大学等教育機関

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○ 大学等教育機関における産業人材育成の取組状況について、関連資料調査、ア ンケート調査(53 機関)、ヒアリング調査(4 機関―うち観光産業関連 1 機関、 情報通信業関連 2、農林水産業関連 1 機関)を実施した結果、全体的に「キャ リア教育、就職指導」に重点を置いた取組を行っており、今後は「産学連携に よる人材育成プログラム」を重要視している機関もある。 ○ 大学等教育機関では、自主性、社会性をもった人材や実践的な知識や技術をも った人材の育成を目指している。また、「基礎的能力」について、特に「目標 設定・管理力」(「課題解決力」)、「協調性」(「チームワーク力」)、「パソコン活 用」(「コミュニケーション力」)、「向上心」(「自己形成力」)に力を入れた教育 が実施されている。 ○ 「専門的能力」について業種別に見ると、観光産業では、大学で高度な専門知 識・ノウハウをもった人材、専修学校や職業訓練機関で現場を支える人材の育 成を目指している。「基礎知識」、「接遇待遇」、「旅行商品の企画」に力を入れ た教育が実施されており、「語学力」にも力が入れられている。 ○ 情報通信業では、大学や高専で実践的な技術者、専修学校では即戦力となる人 材、職業訓練機関で仕事につながる技術、技能をもった人材の育成を目指して いる。「プログラミング」、「アプリケーションの設計・開発」、「コンテンツ制 作、「ネットワークの設計・構築」に力を入れた教育が実施されており、「資格」 や「技術力」にも力が入れられている。 ○ 農林水産業では、大学、職業訓練機関で専門的な知識を習得した人材、応用力・ 実践力を身につけた人材の育成を目指している。生産関連技術に力を入れた教 育が実施されている。 ○ 金融・保険業では、「金融実務の知識(財務等)」、「基礎知識(数学、会計学 等)」に力を入れた教育が実施されている。

行政・団体

○ 行政・団体における産業人材育成の取組状況について、関連資料調査、アンケ ート調査(331 組織)、ヒアリング調査(8 組織―うち観光産業関連 2 組織、情 報通信業関連 3 組織、農林水産業関連 2 組織、金融・保険業関連 1 組織)を実 施した結果、全体的に、地場産業としての性格も強い観光産業、農林水産業に 関する人材育成を実施する組織が相対的に多い。また、行政・団体では、各現 場で即戦力となる具体的な能力をもつ人材の育成を目指している。 ○ 行政・団体では、「基礎的能力」について、特に「業務遂行力」(「課題解決力」)、 「協調性」(「チームワーク力」)、「向上心」(「自己形成力」)に力を入れた教育 が実施されている。 ○ 「専門的能力」について業種別に見ると、観光産業では、観光現場で即戦力と なる実践的な人材の育成を目指している。「地域プロデュース」、「顧客対応・

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継続的な関係構築」、「接客待遇」、「旅行商品の企画」に力を入れた教育が実施 されており、団体では「旅行商品の販売促進」にも力が入れられている。 ○ 情報通信業では、中核的な人材からサポート人材の育成も目指している。「ア プリケーションソフトの設計・開発」、「組込みソフトの設計・開発」、「コンテ ンツの制作」、「ネットワークの設計・構築」、「プログラミング」に力を入れた 教育が実施されており、「資格」や「技術力」にも力が入れられている。 ○ 農林水産業では、新規就農者の育成や地域、農商工連携の担い手の育成等を目 指している。「栽培、漁獲等の生産技術」、「安全・衛生管理技術」、「生産性を 高める生産管理技術」に力を入れた教育が実施されており、「技術力」、「資格」 にも力が入れられている。 ○ 金融・保険業では、関連知識・技術を身につけた人材育成を目指している。「金 融実務の知識(財務等)」、「バックオフィスのオペレーター」、「IT スキル」、「基 礎知識(数学、会計学など)」に力を入れた教育が実施されており、「技術力」、 「資格」にも力が入れられている。

(4) 沖縄の産業人材の課題と解決方策

○ 本調査では、産業人材に求められる能力を、下記のような「三層のピラミッド 構造」で捉える。下の層は自らの仕事や人生にどう向き合うかという「仕事・ 人生に対する基本姿勢」、中の層は仕事をする上での基本的な素養・能力とし ての「仕事の基礎的能力」、上の層はプロとして求められる「仕事の専門的能 力 」 で あ り 、 こ れ は さ ら に 「 技 術 力 」 と 「 経 営 力 」 に 分 か れ る 。( 図 表(概)-1 参照) ○ 産業人材育成に関する課題のうち、「仕事・人生に対する基本姿勢」と「仕事 の基礎的能力」に関する課題は、各業種に共通的なものとして捉えられ、一方、 仕事の「専門的能力」である「技術力」や「経営力」に関する課題は、業種毎 に固有なものとして現れると考えられる。本調査では、沖縄の産業人材育成の 課題について、「共通の課題」と「業種別の課題」に分けて整理する

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図表(概)-1 産業人材に求められる能力のピラミッド構造

総 論

① 「仕事・人生に対する基本姿勢」に関する課題 (課題) ・ 教育機関等においてより一層、「自己形成力」に注力した取組を実施してい くことが必要である。 ・ 高校生より前の段階からやりたい仕事を見つけられるようなキャリア教育 の充実・強化が必要である。 ・ 「仕事に対する基本姿勢」が涵養されるようなインターンシップ制度の強 化が必要である。 ・ 海外留学等を経験してグローバルな視野と人脈を持った人材を育成する取 組を実施していくことが必要である。 ・ キャリア形成の一つの選択として、自らやりたい仕事を起こすという方向 性もあり、起業家精神やノウハウを身につけるような人材育成の取組も必 要である。 (解決方策) ・ 企業の第一線で活躍する人材との交流や、企業見学等により実際に仕事を 体感する場及び機会づくりを含めたキャリア教育の強化について教育機関 等が教育委員会や学校と連携を図りながら進めていく。 ・ 企画から営業、生産、販売までの現場を一通り体験できるような長期間の インターンシップ制度を教育機関等と企業が連携して構築していく。 ・ 基本的な「お金の知識」を、小・中・高校段階から身につけるための講座 を教育機関等と企業が連携して実施していく。 ・ 小・中・高校段階からの産業人材としての意識付けを教育機関等が教育委 各産業分野の市場環境 (グローバル化の進展など) 新卒人材 企業人材 企 内 育 成 教 育 機 関 等 で の 育 成 仕事の 専門的能力 経 営 力 技 術 力 仕事の基礎的能力 仕事・人生に対する基本姿勢

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員会や学校と連携を取りながら教育プログラムを実施し、親等への産業人 材の育成に対する理解度向上を図る。 ・ 大学等において海外留学を積極的に推奨する。 ② 「仕事の基礎的能力」に関する課題 (課題) ・ 教育機関等においては、より一層、「コミュニケーション力」、「自己形成力」 に注力した教育を実施していくことが必要である。 ・ 企業のニーズと教育機関等の取組のギャップが少なくなるように連動した 取組を実施していくことが求められている。 ・ 沖縄の人材に不足がちな「競争心」や「積極性」を涵養するための仕組み が必要である。 (解決方策) ・ 企業、行政、教育機関等が連携して共同の教育プログラム等を開発し、そ の普及啓発を図る。 ・ 県外・海外の企業等と連携しながら、県外・海外への企業への派遣等の人 材育成プログラムが受けられるような支援制度の充実を図る。 ・ 教育機関等において英語以外の「語学力(中国語等)」が向上するような教 育の強化や、実際に海外でビジネスしている企業人が講師となって教える ような実践的なビジネス講座を開講し提供する。 ・ 大学教員の育成を図り、大学等においては事業プラン作成のコンテストを 行うほか、事業化の可能性が高いプランについて実際に事業化の体験がで きるよう支援する。 ③ その他の課題 (課題) ・ 教育機関等が実施する取組の情報をいかに効果的に発信していくかという ことが求められている。 ・ 企業経営者における産業人材育成に対する理解や取組をすすめてもらうた めには一元的に相談を受け付ける体制の整備が求められている。 ・ 県内の事業者の多数を占める中小企業や小規模零細企業が、産業人材の育 成に取り組めるように、業界団体等による研修提供などの環境を整備して いくことが求められている。 (解決方策) ・ 教育機関等が実施している産業人材の育成に関する取組(教育リソース) を整理し、県内の企業に一元的に情報発信するような仕組みをつくる。 ・ 人材育成に取り組もうとする企業経営者の相談(育成ニーズ)に一元的に 応じるワンストップの窓口機能を構築する。

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人材育成に対する相談等に取り組む総合的な支援体制を構築する。

業種別

① 観光産業における課題 (課題) ・ 教育機関等においては、どんな国の方に対しても接客対応がスムーズに行 くよう英語以外の「語学力」(例えば中国語など)についてもビジネス会話 ができるような教育が求められている。 ・ 教育機関等において、アジア地域をはじめとする「異文化に対する理解」 や「寛容性」を向上させるための教育が求められている。 ・沖縄の観光産業を発展させていくためには、旅行商品の企画を担う高度な人 材が必要とされることから、企業と教育機関等とで産業人材の育成につい て積極的な情報交換が求められている。 ・ 今後は、経営者に産業人材育成の重要性を認識してもらうことが求められ ている。 (解決方策) ・ 教育機関等において、「語学力(英語・中国語等)」の向上とともに、外国 の異文化に対する理解度を高め、高度な「ホスピタリティ力」を取得でき るような教育プログラムの構築・充実化を図る。 ・ 商品企画力など企業側の取組意欲が必ずしも高くないテーマについては、 教育機関等において専門教員の養成を図るとともに、教育機関等と企業が 情報交流をするような場を設け、その能力育成を促進する。 ・ 産業人材の育成に対する重要性を経営者が理解し、積極的に取り組むよう 促す。 ② 情報通信業における課題 (課題) ・ 教育機関等においては、より一層、「自己形成力」に注力した教育を実施し ていくことが求められている。 ・ 県外・海外などの高い人材レベルの中で仕事の「基礎的能力」や「専門的 能力」を培っていく環境が特に求められており、そうした環境づくりに企 業と教育機関等が連携して取り組む必要がある。 ・ 教育機関等においては、より一層、「経営力」に注力した教育の実施が求め られている。 ・ コンテンツ分野に関して、教育機関等がプロデューサー人材等を育成する プログラムを作成し推進していくことが求められている。 ・ 小規模な企業でも産業人材の育成に取り組め、業界全体の人材の底上げが 行われるような環境の整備(例えば業界団体等による研修の提供など)を

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推進していくことが求められている。 ・ 産学連携の推進体制の構築が求められている。 (解決方策) ・ インターンシップにおいて、大学生・高校生等が企業現場で企画・開発や 営業・マーケティングまで携われるよう教育機関等と企業が連携してプロ グラムの充実化を進める。 ・ 企業人材または新卒人材を県外・海外などの高い人材レベルのチームに派 遣して、実践的な仕事の中で「仕事の基礎的能力」特に「積極性」、「競争 心」や「仕事の専門的能力」をより一層養えるような取組を促進する。 ・ 「営業・マーケティング」、「プロジェクトマネジメント」等の「経営力」 の育成が県内企業により一層広がるように、企業の人材育成メニューのニ ーズを踏まえ教育機関等の既存支援の改良等を図る。 ・ 県内の小規模企業が産業人材育成に取り組めるように、業界団体等におい て企業における人材育成の課題を類型化し、その類型に応じた研修プログ ラムを開発するとともに、その支援策の周知及び利用拡大を図る。 ・ コンテンツ業界において求められるクリエイター人材を育成するために、 教育機関等とキャリア教育(職業意識の涵養及び就職支援)とが一体とな った教育プログラムの充実を図る。また、プロデューサー人材を育成する ために、県内外から有能なプロデューサーを企業が発掘し、誘致する取組 を産業支援機関等が支援する。 ③ 農林水産業における課題 (課題) ・ 教育機関等においては、「コミュニケーション力」特に「交渉力」に注力し た教育の強化が求められている。 ・ 教育機関等においては、「加工食品の企画・開発」に注力した教育の強化が 求められている。また、企画・開発と一体となった「マーケティング力」、 「営業力」に注力した教育が求められている。 ・ 企業及び教育機関等が一体となって産学連携を推進していくことが求めら れている。 (解決方策) ・ 「交渉力」等の「コミュニケーション力」、「加工食品の企画・開発」、「マ ーケティング力」や「営業力」の向上を図るため、教育機関等と企業とが 連携して、人材育成プログラムの作成や研修の場を提供していく。 ・ 教育機関等と企業とが連携して、人材育成プログラムを作成し、実施して いく。 ④ 金融・保険業における課題

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・ 教育機関等においては、「交渉力」に注力した教育の強化が求められている。 ・ 教育機関等においては、「語学力(英語、中国語等)」を向上させる教育の 強化が求められている。 ・ 教育機関等においては、金融に関する研修や講習会などの機会を増やし、 具体的な企業ニーズに応じた取組を進めていくことが求められている。 (解決方策) ・ 育成強化が必要とされる「交渉力」について、教育機関等と企業とが連携 して、学生や社会人など育成対象ごとに具体的な人材育成プログラムを作 成し実施していく。 ・ 金融特区に進出する企業に対応した、「語学力(英語、中国語等)」により 金融関連の専門用語等ビジネスに対応できる程度まで高めることができる 人材育成プログラムを、教育機関等の連携により作成し、研修等の機会を 提供していく。 ・ 「社外研修」は、教育機関等の連携により、具体的な研修プログラムを作 成し、研修等の機会を提供していく。

(5) 沖縄の産業人材育成の今後の方向性

総 論

① 「仕事・人生に対する基本姿勢」 ・ 小・中・高校生を対象とした交流プログラムに企業から人材をスムーズに 派遣できるような支援体制の充実が考えられる。 ・ 大学生等のインターンシッププログラムを教育機関等と企業が連携して充 実化するとともに、教育機関等において単位認定の仕組みを整えることが 考えられる。 ・ 金融知力普及協会や県内銀行において、県内の一部の学校で行われている 「お金の学習」プログラムを全県に拡大することが考えられる。 ・ 小・中・高校段階からの産業人材教育に対する家庭や親の理解促進を図る ために、マスコミを効果的に活用することが考えられる。 ・ 大学等において海外留学を積極的に推奨するとともに、単位認定の仕組み を整えることが考えられる。 ② 「仕事の基礎的能力」 ・ 大学等教育機関、行政、企業が連携して、企業人材及び新卒人材を対象と した共同の教育プログラム等を開発する仕組みの構築が考えられる。 ・ 企業人材や新卒人材を県外・海外の企業等に出向させながら人材育成のプ ログラムが受けられるような支援制度の創設が考えられる。 ・ 大学等における中国語等の教育プログラムを強化するほか、企業人を講師 に迎えたビジネス講座にアジアビジネス枠を設定することが考えられる。

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・ 県内大学が行っているビジネスアイディアコンテストを他の大学と連携し て拡充するとともに、事業化の可能性が高いアイディアの事業化支援を行 うインキュベーション機能を大学間の連携で構築することが考えられる。 ③ その他 ・ 県内の産業人材育成に関する取組(教育リソース)の情報を総合的に発信 するとともに、人材育成に取り組む企業経営者からの相談(育成ニーズ) に一元的に応じるワンストップの窓口機能を創設することが考えられる。 ・ 産業人材育成に取り組むさまざまな教育機関等と連携し、中小企業におけ る産業人材の育成を総合的にサポートする機能を有するワンストップの窓 口機能を創設することが考えられる。

業種別

① 観光産業 ・ 県内大学や職業訓練機関等が持つ教育リソース(科目、施設等)を連携さ せて、観光経営の理論を学ぶとともに現場の接遇サービスを身につける、 新卒人材及び企業人材を対象とした教育プログラムの強化が考えられる。 ・ ホテルとの連携によりインターンシップを充実化して、教育プログラムの 強化をさらに推進することが考えられる。 ・ 教育プログラムの強化にあたって、企業との情報交流の仕組みをつくるこ とが考えられる。 ・ 行政等により実施されている企業経営者や中堅社員向けのセミナー、大学 生等を対象とした次世代の高度人材育成事業等を継続・強化し、参加者の 拡大を図っていくことが考えられる。 ② 情報通信業 ・ 企業の中堅人材等を対象に、営業・マーケティング、プロジェクトマネジ メント等の「経営力」を育成目的とした事業間の連携による人材育成事業 の機能強化を図っていくことが考えられる。 ・ 県外や海外の企業等に中堅人材を出向させながら研修プログラムが受けら れるような支援が考えられる。 ・ 学生等のインターンシッププログラムを教育機関等と企業が連携して企画 することにより、プログラム内容や期間を充実させるとともに教育機関等 で単位認定が認められるような仕組みの整備が考えられる。 ・ 企業によるプロデューサー人材の発掘・誘致の取組を産業支援機関等にお いて支援するとともに、その下で県内人材の育成を促進することが考えら れる。

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③ 農林水産業 ・ 農林水産業を行っている者が自ら商品の企画立案機能を高められるような 実践販売する機会の提供など支援する仕組みの充実が考えられる。 ・ 企業人材及び新卒人材の「経営力」や「仕事の基礎的能力」について、事 業者と教育機関等が共同し、産業人材育成のための教育プログラムを一緒 に開発していく体制の構築が考えられる。 ・ 学生等のインターンシッププログラムを教育機関等と企業が連携して企画 することにより、プログラム内容や期間を充実させるとともに教育機関等 で単位認定が認められるような仕組みの整備が考えられる。 ④ 金融・保険業 ・ 県内大学等が学生を対象とし共同で行っている金融実務・関連資格に関す る単位制の講座について、今後、金融特区への企業集積度に合わせ、進出 企業に求められる人材像に応じた形でその講座内容等を充実していくこと が考えられる。

推進体制

○ 沖縄県、市町村、大学等教育機関、民間企業組織などが取り組んでいる産業人 材 育 成 関 連 の 施 策 の 情 報 共 有 が 図 れ る よ う な プ ラ ッ ト フ ォ ー ム の 創 設 が 考 え られる。(図表(概)-2 参照) ・ 運営事務局を設置し、産業人材育成に関する様々な施策(教育リソース) の情報を収集・整理・蓄積して、総合的に情報提供していく体制を整える。 ・ 運営事務局は、人材育成に取り組む企業経営者からの相談(育成ニーズ) に一元的に応じるワンストップの窓口機能を担う。 ・ 運営事務局は、関連施策の様々な情報を収集・整理・蓄積する。また、産 業人材を育成する多様な指導者との人的ネットワークを構築する。 ・ 運営事務局は、継続的に運営していくことが重要であり、民間人も参加し た中間支援組織の設立など安定した組織体制が望まれる。 ・ 産業人材を育成する指導者として、企業人を教育指導者に育てていくプロ グラムも実施する。 ・ 「仕事・人生に対する基本姿勢」や「仕事の基礎的能力」を養うためには、 小・中・高校の段階から産業人材育成の教育を始める必要があるため教育 委員会、県教育関係機関についてもプラットフォームの構成員に参加して もらうことが重要と考えられる。

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図表(概)-2 産業人材育成プラットフォームの体制図案 ○ 小・中・高校における企業人との交流プログラムの実施等がスムーズに行くよう に、市町村単位の地域において「仕事の基礎的能力」を向上させるための連携体 制の確立が考えられる。(図表(概)-3 参照) ・ 企業と教育機関等が共同で人材育成の研修を行う仕組みを、市町村単位の 地域の連携体制内でも進めていくことが重要と考えられる。         【産業人材育成のワンストップ窓口】 ○ 関連施策の情報収集・整理・蓄積(データベース) ○ 企業経営者からの人材育成相談への一元的対応 ○ 企業人を教育指導者として育てるプログラム 等 企業 産業団体 大学等 教育 委員会 産業人材育成 ワンストップ窓口 行 政

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図表(概)-3 市町村単位の地域連携体制図案        【市町村単位の地域連携体制】 ○ 企業と教育機関等の共同による人材育成の研修 等    (企業人との交流プログラムの実施など) 地域企業 商工会議所 /商工会 小・中・高校 教育委員会 地域の連携窓口 行 政

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