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サンゴ礁生態系を取り巻く脅威 サンゴ大規模白化緊急対策会議 沖縄県のサンゴ礁は, 陸域に接した裾礁タイプが多く, 市街地からの生活排水や畜舎排水, 農地からの赤土流出に伴う化学肥料の流出などによって, サンゴ礁池内の栄養塩類濃度や濁度が上昇しやすいため, 貧栄養環境を好むサンゴ

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沖縄県衛生環境研究所

1

陸域からの環境負荷対策について

(2)

サンゴ礁生態系を取り巻く脅威

富栄養化 赤土等の流入 赤土等の堆積 サンゴが窒息死 海草類の繁茂 サンゴの生息 範囲が減少 沖縄県のサンゴ礁は,陸域に接した裾礁タイプが多く,市街地からの生 活排水や畜舎排水,農地からの赤土流出に伴う化学肥料の流出などによっ て,サンゴ礁池内の栄養塩類濃度や濁度が上昇しやすいため,貧栄養環境 を好むサンゴに影響を及ぼしていると指摘されています. 白化現象 植物プランクトンの増加 濁り↑ 光↓ 白化現象 2

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トピック① 赤土流出

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大宜味村アザカの滝

(通常時)

(降雨時)

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海底の様子 赤土等の流入がほとんどない海域 赤土等が流入した海域 透明度が高い 底質の舞い上がりがほとんどない 海水は濁り、透明度は悪い 底質を撹乱すると泥が舞い上がる 5

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海底(川底)に堆積した赤土等の濃度を測る簡易測定法

・SPSS:海域底質中懸濁物質含量

content of

S

uspended

P

articles in

S

ea

S

ediment

底質1立方メートルあたりに含まれる懸濁物質(赤土等)の量。

単位をkg/m

3

で表す。

赤土汚染モニタリング

海域の底質を用いて簡便な 器材・手法で赤土等の堆積 度合いを測定する「SPSS 簡易測定法」により把握。 6

(7)

下限 ランク 上限 定量限界以下。きわめてきれい。 白砂がひろがり生物活動はあまり見られない。 水中で砂をかき混ぜても懸濁物質の舞い上がりを確認しにくい。 白砂がひろがり生物活動はあまり見られない。 水中で砂をかき混ぜると懸濁物質の舞い上がりが確認できる。 生き生きとしたサンゴ礁生態系が見られる。 見た目ではわからないが、水中で砂をかき混ぜると懸濁物質で海が濁る。 生き生きとしたサンゴ礁生態系が見られる。透明度良好。 注意して見ると底質表層に懸濁物質の存在がわかる。 生き生きとしたサンゴ礁生態系のSPSS上限ランク。 底質表層にホコリ状の懸濁物質がかぶさる。 透明度が悪くなりサンゴ被度に悪影響が出始める。 一見して赤土等の堆積がわかる。底質撹拌で赤土等が色濃く懸濁。 ランク6以上は、明らかに人為的な赤土等の流出による汚染があると判断。 干潟では靴底の模様がくっきり。赤土等の堆積が著しいがまだ砂を確認できる。 樹枝状ミドリイシ類の大きな群体は見られず、塊状サンゴの出現割合増加。 立つと足がめり込む。見た目は泥そのもので砂を確認できない。 赤土汚染耐性のある塊状サンゴが砂漠のサボテンのように点在。 <5 3 SPSS  kg/m3 底質状況、その他参考事項 1 <0.4 2 <1 <10 5a <30 <50 6 8 400≦ 0.4≦ 1≦ 5≦ 10≦ 30≦ 4 50≦ 200≦ 5b 7 <400 <200

SPSSと底質の状況およびサンゴなどとの関係

サンゴ礁生態系を保全す るために必要なランク 明らかに人為的な赤土流 出あったと考えられる 赤土等の 堆積 少 多7

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沖縄県内海域のSPSSランク状況 およびモニタリング地点

【参考資料】平成23年度内閣府補助事業 「赤土等に係る環境保全目標設定調査」(沖縄県)

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9 0 10 20 30 40 50 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 生サ ン ゴ 被度 (% ) Year 6 2 2 6 7 9 5 5 4 4 6 7 10 5 4 8 8 5 4 6 4 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 0 2 4 6 8 10 12 14 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 (mm) (海域数) ランク5b以下海域 ランク6以上海域 年間総雨量(那覇) 図 モニタリング地点におけるSPSSランク6以上の経年変化 図 モニタリング地点におけるサンゴ被度の経年変化 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 水温( ℃ ) 石垣島 本島北部 図 H28年7月から9月にかけての海水温 赤土等流出防止海域モニタリング事業調査報告書 (沖縄県環境保全課)より引用 サンゴ被度の大幅な低下(10%以上)が 石垣島(白保海域) 慶良間諸島(阿嘉島)でみられた 石垣島のほうが30度を超える時間、日数 ともに多い

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32.1 30.5 25.5 16.7 4.6 2.5 2.5 2.3 1.1 0.7 0.8 0.7 52.1 38.2 29.8 0 10 20 30 40 50 60 農地 開発事業 米軍基地 その他 沖縄全体 条例施行前(平成5年度) 条例施行後(平成13年度)    〃   (平成23年度)

USLEによる赤土等流出量の推定

主要流出源

赤土等の年間流出量

(×104 ton/year)

※ USLE : Universal Soil Loss Equation

(11)

農地, 25.5 (86%) 開発事業, 2.5 (8%) 米軍基地, 1.1 (4%) その他, 0.7 (2%)

流出源ごとの赤土等年間流出量

(平成23年度 単位:万トン)

農地からの赤土等流出防止対策が課題になっています!

(参考資料:平成23年度 赤土等に係る環境保全目標設定調査 報告書:沖縄県) 11

(12)

沖縄県赤土等流出防止対策基本計画

これからの行政施策

赤土等流出防止対策基本計画の策定

2013年(平成25年)9月に策定

計画の期間は

2021年(平成33年)まで

どこから優先的に防止対策を行えばよいか? どの程度まで流出を削減したらよいか?

1.重点対策実施地域(監視海域)の選定

2.赤土等に係る環境保全目標の策定

3.具体的な流出削減目標量の算出

4.削減目標達成に向けた取り組みの検討

※2013年9月3日付 「沖縄タイムス」 12

(13)

1.重点対策実施地域(監視海域)の選定 76の監視海域から 22重点監視海域を選択 2海域 3海域 9海域 8海域 13 重点監視海域は毎年3回のモニタリング調査を実施 サンゴ大規模白化緊急対策会議 2017.04.23

(14)

14

(15)

赤土等流出防止対策 -農地 編-

ハード対策

・勾配修正 畑の傾斜を緩やかにする(8% → 3%) その他には・・・ ・斜面長を短くする (100m → 50m) ・法面の保護 ・砂防ダムの建設 など ・沈砂池の設置 土木工事を伴う対策 ・排水路の整備 (写真は農道兼水路) 15

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赤土等流出防止対策 -農地 編-

ソフト対策 営農的な対策 ・マルチング 切り取ったキビの葉やススキなどを畑に敷き詰める ・畑面植生(緑肥) 休耕期の畑に植物を植えて裸地になるのを防ぐ ・横畝栽培 傾斜に垂直に畝立てする 傾斜 畝方向 クロタラリア ソルゴー 16

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赤土等流出防止対策 -農地 編-

ソフト対策 ・グリーンベルト(植生帯) 畑の周囲に植物を植え、赤土等の流出を防止する ゲットウ ハイビスカス ベチバー その他には・・・ ・サトウキビ作型の変更 (夏植え→株出し、春植えへ) ・輪作、間作を行う ・水路や沈砂池の維持管理 など 裸地になる期間 を短くする 17

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トピック② 栄養塩

(19)

背景

サンゴ礁が受ける生活排水(栄養塩)からのストレスを抑え,沿岸水質環

境を良好に保つためには,目標となる水質環境指針値の設定が必要であ

る.水質を定期的にモニタリングして環境指針値を超える事があれば、当

該サンゴ礁海域に隣接する流域の流出源を管理して適切な水質環境を保つ

事が可能になると考えられる.

海域の水質基準として

環境基準

が定められている (環境基本法で定められた海域における水質汚濁に係る環境基準)

琉球諸島のサンゴ礁海域に最も厳しいⅠ類型の環境基準を公共用

水域測定結果にあてはめても・・・

ほとんどの地点で基準を達成している

環境基準よりもさらに厳しい、サンゴ礁 生態系を保全するための水質目標値の設 定が必要! 19

(20)

調査地点: 22海域、45地点 (2009年~2010年は104海域) 調査期間: 2009年~2015年 (モニタリングは継続中) 分析項目: 全窒素、全リン、濁度、水平透明度、サンゴ被度 ※水平透明度およびサンゴ被度は、「赤土等流出防止海域モニタリング調査」の調査結果を引用 調査時期: 年3回、梅雨後(6月頃)、台風期後(11月頃)、冬季(2月頃) 図 調査位置図 ※宮古島の海域は年1回 ※慶良間諸島の海域は年1回 20

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0 20 40 60 80 100 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 生サンゴ被度 (% ) 全窒素 (mg/L)

全窒素と生サンゴ被度の関係

富栄養状態 貧栄養状態 生 き た サ ン ゴ 多 生 き た サ ン ゴ 少 環境基準(海域:全窒素,全燐に関するもの) Ⅰ類型:自然探勝等の環境保全 Ⅱ類型:底生魚介類を含め多様な水産生物が バランス良く、かつ、安定して漁獲される 環境基準 Ⅰ類型 環境基準 Ⅱ類型 21 サンゴ大規模白化緊急対策会議 2017.04.23

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0 20 40 60 80 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 生サンゴ被度 (% ) 全窒素 (mg/L)

全窒素と生サンゴ被度の関係

生サンゴ被度によるサンゴ礁状態の評価目安 (スポットチェック法) 生サンゴ被度(%) 評価 0 ~ 9 極めて不良 10 ~ 24 不良 25 ~ 49 やや不良 50 ~ 74 良 75 ~ 100 優良 生サンゴ被度 およそ50% 50% 0.08 mg/L 22

(23)

0 20 40 60 80 100 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 生 サ ン ゴ 被 度( %全窒素( mg/L) 0 20 40 60 80 100 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 生 サ ン ゴ 被 度( %全リ ン( mg/L) 0 20 40 60 80 100 0 0.5 1 1.5 2 生 サ ン ゴ 被 度( % ) 濁度 0 20 40 60 80 100 0 5 10 15 20 25 30 生 サ ン ゴ 被 度( %水平透明度(m)

トピック①

水質目標値の検証

調査結果 (分析項目とサンゴ被度の関係) 50% 0.08 0.01 0.31 9 50% 50% 50% 23 サンゴ大規模白化緊急対策会議 2017.04.23 ・栄養塩濃度や濁度が低下するにつれて、サンゴ被度も上昇する傾向がある

(24)

水質項目 被度50%以上を 保つのに必要な水質 被度24%以下となる水質 TN < 0.08 mg-N /L > 0.11mg-N /L TP < 0.01 mg-P /L > 0.02 mg-P /L 硝酸+亜硝酸 < 0.01 mg-N /L > 0.03 mg-N /L リン酸 < 0.006 mg-P /L > 0.01 mg-P /L 濁度 < 0.3 ポリスチレン度 > 0.6 ポリスチレン度 水平透明度 > 9 m < 5 m スポットチェック法によるサンゴ礁の評価で 「良」 「不良」 類型 基 準 値 全窒素 全燐 I 0.2mg/L以下 0.02mg/L以下 II 0.3mg/L以下 0.03mg/L以下 III 0.6mg/L以下 0.05mg/L以下 IV 1 mg/L以下 0.09mg/L以下 環境基本法に基づく環境基準 サンゴ礁生態系を保全するのに必要な水質目標値を考察 24

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水質指標

指針値

SPSS

(底質中懸濁物質含量) 年間最高 30kg/m3未満 全 窒 素 年間平均 0.08 mg/L以下 全 燐 年間平均 0.01 mg/L以下 濁度 年間平均 0.31度以下 水平透明度 年間平均 9 m以上 25

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ご清聴ありがとうございました

参照

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