オープンデータへの期待
2012.10.25.
株式会社イプシ・マーケティング研究所 代表取締役社長
高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部) 有識者本部員
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1
Agenda
1.
なぜ今、オープンデータか?
1. 公共データのオープン化の意義と可能性 2. オープンデータの概念図 3. 公共データのオープン化がもたらす市場規 模試算2.
日本におけるオープンデータの現
状と課題
1. 日本における公共データオープン化状況 2. 公共地図データ等の利用における問題点 3. 公共航空写真の利用における問題点 4. 政府統計データの利用における問題点 5. 国土地理院による地理情報のオープン化 6. 公共データ利用による国内のサービス事例 (1) 7. 公共データ利用による国内のサービス事例 (2)3.
海外におけるオープンデータ
1. 米国Data.govの取組み 2. 米国政府がインドと協力してdata.govをオープ ンソース化 3. 各国でdata.gov公開 4. data.govの主な構成要素 5. 米国の気象情報を活用した保険ビジネス事例 6. 公共データを活用した民間サービス事例4.
IT戦略本部、各省庁での検討状況
1. IT戦略本部の体制 2. IT戦略本部で決定した「電子行政オープン データ戦略」 3. 経産省の取り組み 4. 経済産業省の取り組み5.
公共データオープン化の進め方
1. 電子行政TFでの公共データオープン化の課題 2. 公共データオープン化の最重要施策Copyright ©2012 IPSe Marketing, Inc. All Rights Reserved.
1-1.公共データのオープン化の意義と可能性
情報通信技術の進展により、多種大量データの生成・収集・蓄積・解析
等が可能・容易に
⇒ 各種データ利活用プラットフォームによる多様なサービスが増加
¾
ITの進化;CPU、HD容量、通信速度、DB等の性能が向上
¾
利用環境の進化;端末多様化、各種センサー普及、クラウド化、ソーシャルメディア普及
¾
ナビゲーション、渋滞情報、天気情報、グルメ情報、運動記録、人材情報、
SNSなど
公共データの活用によるさらなる新サービスへの創出への期待
¾
多種多様なデータの一つとして、公共データをオープン化
¾
公共データを活用できる環境を作ることで、新サービスを創出し、ビジネスチャンスを
広げ、イノベーションを起こす契機に
オープンガバメントの一環としての公共データオープン化とその可能性
¾
オープンガバメントは、開かれた政府を目指し、政府・政策・情報の「透明性」、「市民
参加」、政府内および「官民の連携」を推進
¾
オープンガバメント⇒民主主義の質向上
¾
オープンデータ(公共データオープン化)
⇒行政サービスの効率化・高度化
⇒新サービス創出
3
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(参考)公共データのオープン化により期待されるサービス例
5
IT戦略本部 第23回電子行政に関するタスクフォース(2012/4/25)
1-3.公共データのオープン化がもたらす市場規模試算
欧米を中心とする先進各国は、成長戦略の一環として、公共データの開放と民間利活用促進を実
施。例えば、EUでは、
2003年に公共データ利活用に関するEU指令を制定し、各国は、同指令に基
づき、公共データ民間利活用の制度を整備。
EUの研究機関は公共データ民間利活用によるEU域内の経済波及効果を年間1400億ユーロと
試算。
欧州におけるオープンデータがもたらす市場の規模の試算(年間)
5.4兆円の経済波及効果
仮に、
GDP比で日本に置き換えると、
公共データ活用 サービスの 市場規模320億ユーロ
公共データ活用サービスに付随
するサービス開発
(直接的経済効果)
400億ユーロ
経済波及効果(直接+間接経済効果)
1400億ユーロ
1.5兆円の直接的経済効果
1.2兆円の市場規模
出展:vickery,2011
出展:vickery,2011
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2. 日本における
オープンデータの現状と課題
2-1.日本における公共データオープン化状況
一応公開されているが、各組織・情報がバラバラに公表。
¾
何が公開されているのか、わからない
¾
どこに何があるか、わかりにくい
¾
公開方法がバラバラで、各種データおよび情報を連携させて利活用しにくい
¾
レベル
1~レベル2で、利活用しにくい状況
公共データオープン化のレベル
レベル
1
;透明性確保のため、
とりあえずの情報公開
–
情報の内容さえ伝わればよい。情報掲載場所がわかれば、情報の形式・使いやすさは問わな
い。
レベル
2
;情報内容・フォーマット・利用規約等がバラバラのまま、
各情報ジャ
ンル毎にポータルサイト等を構築
し一ヶ所に集約して公開
レベル
3
;政府全体(あるいは自治体全体)でオープンソース化
⎯
データ収集・更新が自動化可能な形式でマッシュアップ可能にして、アプリも提供し、各組織横
断で一ヶ所に集約して公開
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2-2.公共地図データ等の利用における問題点
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IT戦略本部 第23回電子行政に関するタスクフォース(2012/4/25) 資料1-1:国や行政が所有する地理空間情報の利用の状況について(JIPDEC提出資料)参考資料集より
複数データ保有者への申請・許諾が困難・煩雑
商用利用は不可
提供する際のルールが未定
デジタルデータ化されていない
■「gコンテンツ流通推進協議会」で利活用者に課題点をヒアリング
レベル
1:とりあえず公開
利活用に甚大な手間が発生
利活用不可能
2-3.公共航空写真の利用における問題点
レベル
2:各組織のデータをポータルサイトに集約
¾
国土交通省が国や自治体等が保有する航空写真の統合的検索システムを提供
¾
提供形式がバラバラでマッシュアップできない
¾
利用規約がバラバラで横断的利用に甚大な手間がかかる
http://airphoto.gis.go.jp/aplis/Agreement.jsp●
国土交通省
「航空写真画像情報所在検索・案内システム」
・ 国や自治体などの各機関・組織が保有している航空写真(空中写真)を統合的に検 索することができるシステム。2012年5月現在で103団体が登録。 103団体が保有す る航空写真を集約 地図と連携させて 写真を検索。保有 者サイトへリンク。Copyright ©2012 IPSe Marketing, Inc. All Rights Reserved.
2-3.公共航空写真の利用における問題点
利用規約がバラバラ
提供形式が不統一
サイトの使い勝手が悪い
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IT戦略本部 第23回電子行政に関するタスクフォース(2012/4/25) 資料1-1:国や行政が所有する地理空間情報の利用の状況について(JIPDEC提出資料)参考資料集より利活用に甚大な手間が発生
2-4.政府統計データの利用における問題点
レベル
2;各組織が実施した過去の調査データをポータルサイトに集約
¾
総務省統計局が整備し、独立行政法人統計センターが運用管理
¾
印刷時レイアウト優先で、文字間のスペース、空白の行などがあり、マッシュアップしにくい
¾
ファイル形式はエクセル、
csv、pdf等が想定されているが、バラバラ
電力調査統計e-Stat;平成20年度から運用を開始した政府統計のポータルサイト
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2-5.国土地理院による地理情報のオープン化
レベル
2.5;国土地理院「電子国土ポータル」
¾
数値化された国土に関する様々な地理情報を位置情報に基づいて統合し、コンピュータ上で再現
¾
それぞれの地理情報の作成者がその情報を発信し、利用者は必要な情報を探し、目的に応じて加工
し利用できる機能を備えている
マッシュアップ可能なデータ及び環境を提供、地理情報のみ
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・国土地理院サーバーに背景地図 ・利用者サーバーに追加地理情報 ・自動的に重ね合わせ ・複数箇所にある地理情報を 重ね合わせて表示可能2-6.公共データ利用による国内のサービス事例(1)
カーリル;全国の図書館の蔵書情報と貸し出し状況を簡単に検索できるサービス
¾
全国
6,024館(2012/5時点)の図書館に対応
¾
一度の検索で、エリア内複数図書館の蔵書と
Amazon等の書誌データベースを同時に検索
■書名「グーグル」と検索
■書名「グーグル」と検索
蔵書の有無・
貸出可否を表示
Amazonの在庫・
販売価格等
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2-6.公共データ利用による国内のサービス事例(2)
●アサヒ地水探査(株) G-Space I DB Pro 日本全国の地質 地盤情報データベース 総合評価 ←活断層 データ ベース ←ゆれやすさ の情報 ←液状化 しやすさ の情報 ●(株)ジオネット・オンライン 住環境サステナブルレポート 産総研地質調 査総合セン ターや国土交 通省、国土地 理院の公開 データを利用し て、一般向け の地質情報等 を、有償サー ビスとして提供 ジオネット・オンラ インは、住所を指 定すると、指定住 所のジオ情報と地 震や災害に関する 安心度レポートを 提供。レポート(P DF:A3版裏表)は 「2営業日内」にダ ウンロード可。 アサヒ地水は、地形図、傾斜 角・法幾分図、地質図・土地条 件図などの地形・地質情報、液 状化履歴、地震予想最大損失 率などの地質リスク情報等、13 のデータを使い、地盤情報、 ボーリング情報を提供。(月額 5,250円/1ユーザーID) 日 本 の 活 断 層 に 関係する文献デー タ 、 文 献 に 採 録 さ れている調査地点 ご と の 調 査 結 果 データ、産総研の 調査結果データを 収 録 し た デ ー タ ベース。9,000を超 える文献データと1 万地点を越える調 査結果データを収 録し、インターネッ トからの検索が可 能となっている。活断層データベース
新 潟 (20万分の1地質図幅の例) 表土や植生を取 り除いて、その下 に分布する地層 や岩石の特徴、 地質時代、地質 構造などを表現 した地質図を、 国土地理院発行 の地形図の区画 に合わせて作成 したもの。地質図幅
基本情報(地質情報)
二次利用(例)
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経済産業省商務情報政策局情報政策課情報プロジェクト室室長補佐 守谷学氏資料よりCopyright ©2012 IPSe Marketing, Inc. All Rights Reserved.
3-1.米国Data.govの取組み
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IT戦略本部 第23回電子行政に関するタスクフォース(2012/4/25)
3-2.米国政府がインドと協力してdata.govをオープンソース化
米国は自国方式をインドにも提供
¾
米国政府が、インドの国立情報学センターと協力して、米国の政府機関データ公
開ポータルサイト
data.govで使われているシステムを用いて、インドの政府文書
公開ポータルサイト“
India.gov.in”のオープンソース版を開発中。
¾
プロジェクトは
2011年夏から開始され、2012年9月にインド政府機関のオープン
データポータルサイト“
data.gov.in”のベータ版が公開された。
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3-3.各国でdata.gov公開
各国で政府機関のオープンデータポータルサイト
data.govを公開
¾
2009年5月21日、米国政府が“data.gov”を開設
¾
2009年12月、英国政府が“data.gov.uk”を試験運用
¾
2011年3月までに、オーストラリア政府機関の“data.gov.au”が公開
¾
2011年12月5日、フランス政府機関の“data.gouv.fr”(ベータ版)が公開
¾
2011年11月24日、ポルトガル政府機関の“Dados.Gov”(ベータ版)が公開
¾
2012年5月4日、ブラジル政府機関の“dados.gov.br”が公開
¾
2012年9月5日、インド政府機関の“data.gov.in”のベータ版が公開
http://www.data.gouv.fr/ http://www.dados.gov.pt/pt/inicio/inicio.aspx3-4.data.govの主な構成要素
¾
データセット
¾
メタデータ
¾
アプリケーション
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3-5.米国の気象情報を活用した保険ビジネス事例
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IT戦略本部 第23回電子行政に関するタスクフォース(2012/4/25)
3-6.公共データを活用した民間サービス事例
・出発空港と到着空港を指定し、過去の実績データに 基づき、航空会社別、天候別、曜日・時間帯別など で遅延確率や、平均遅延時間を検索するサービス。 ・どの航空会社が遅延が生じやすいか、天気が悪い時 はどの程度遅延する確率があるか、どの曜日に移 動すると遅延確率が低いか等を知ることができる。 ・①航空機の到着実績データ(交通統計局)、②現在の 空港状況に関する情報(連邦航空局)、③現在・過 去の天候データ(海洋大気圏局・国立気象局)を利 用。 ・有志の一般市民によるプロジェクト。 ・セキュリティチェックの待ち時間情報を、ユーザーから 集め(WebサイトまたはTwitterで投稿してもらう)、 平均待ち時間(曜日・時間帯別)の情報を提供する サービスも試行中。Fly on Time(米国)
http://flyontime.us/ ・薬局の検索アプリケーション。GPS情報や住所のキーワード入力 から、最寄りの薬局を検索できる。 ・保健・社会福祉情報センターが所有する薬局の住所データを利用。 ・iPhone用、アンドロイド用アプリをElvatrop社が有料で販売 (US$0.99 (€0.79, £0.69))UK Pharmacy(英国)
IT戦略本部 第23回電子行政に関するタスクフォース(2012/4/25) ・郵便ポストの検索ア プリケーション。曜日 別の最終集配時刻の 情報も掲載。 ・ロイヤル・メールが 所有するポストの位 置情報、集配時刻 データを利用UK PostBox(英国)
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4. IT戦略本部、各省庁での検討状況
4-1.IT戦略本部の体制
■IT戦略本部 有識者本部員
飯泉 嘉門
徳島県知事
伊藤 穣一
MIT メディアラボ所長
金丸 恭文
フューチャーアーキテクト株式会社
代表取締役会長兼社長
野原 佐和子 株式会社イプシ・マーケティング研究所
代表取締役社長
三浦 惺
日本電信電話株式会社代表取締役社長
村井 純
慶應義塾大学環境情報学部長
矢野 薫
日本電気株式会社代表取締役会長
渡辺 捷昭
トヨタ自動車株式会社相談役
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(参考)
IT戦略本部 タスクフォース等の構成員
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4-2. IT戦略本部で決定した「電子行政オープンデータ戦略」
27
3-6.
4-3.総務省の取り組み
(
1)「クラウドテストベッドコンソーシアム」
¾
総務省が
2011年度に設立した「クラウドテストベッドコンソーシアム」では、独立行政法人統計セ
ンターと連携し、「政府統計の総合窓口」(統計情報のポータルサイト
http://e-stat.go.jp)で提供
している国勢調査や家計調査などの代表的な統計データを機械判読可能な形で提供する実証
実験を開始
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4-3.総務省の取り組み
(
2) 「オープンデータ流通推進コンソーシアム」
2012年7月、オープンデータの流通を促進する環境を整備するため、産官学が共
同で取り組む活動母体として「オープンデータ流通推進コンソーシアム」を設立
¾
公共情報を始め民間情報も含む様々なデータのオープン化、共有化を進め、分野横
断的なデータの連携による新たな利便性を提供するための仕組み作りを目指す
¾
標準
API等の利用技術の共通化、データガバナンス等の利用ルールの共通化、オー
プンデータの新たな利活用イメージの提供を主要な課題として活動を推進
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Copyright ©2012 IPSe Marketing, Inc. All Rights Reserved. 2012年8月経済産業省資料より
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4-4.経済産業省の取り組み~「DATA METI構想」の概要
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4-1.電子行政TFでの公共データオープン化の課題整理
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電子行政タスクフォース(
2012/5/12)資料より
4-2.公共データオープン化の最重要施策
公共データオープン化のためには、政府が
data.gov.jp/を構築すべき
省庁A 省庁B 外郭団体C ポータル http://data.gov.jp データセット データセット データセット データセット リンク付け 地図情報 環境情報 交通情報 データセット データセット シェアリング自転車の 空き情報 公共交通機関を含めた 乗換案内 企業向け環境情報提供 サービス サービスA サービスB サービスC 利活用データの選定・提供 集約、ポータルでの提供 データを活用した民間サービスの提供
各政府機関が保有するデータをポータルに集約(リンク)し、民間はデータを組み合わせて活用
メタデータ アプリケーション リクエスト窓口/フォーラムCopyright ©2012 IPSe Marketing, Inc. All Rights Reserved.
(参考)意識啓発のためのコンテスト事例
■ The Open Data Challenge(コンテスト)
・オープンデータを使ったアプリ開発、アイデア募集などのコンテスト。
・欧米では賞金付のオープンデータ活用コンテストが盛んに開催されている。
http://opendatachallenge.org/ Bike Share Map(視覚化部門第1位) ・バイクシェアシステムの空き状況がわかる。
Europe’s carbon dioxide emissions (視覚化部門第2位)
・工場や発電所の二酸化炭素排出量を可視化。 Evolution of European Union legislation
(視覚化部門第3位)