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第 2 章免許 3 第 2 章免許 3 4 知事免許の申請方法は? 4 都道府県知事に直接申請します 5 では 国土交通大臣免許の申請方法は? 5 主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して申請します 第 2 章免許 4 第 2 章免許 年間待たずに 直ちに免許を受けることがで

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1 第1章 宅建業の意味 1 第1章 宅建業の意味 1 1 宅地建物取引業を行うためには何が必要ですか。 1 宅建業の免許が必要です。 2 では、宅地とは? 2 ①現在建物が建っている土地、②建物を建てる目的で取引する土地、③用途地域内の土地です。 ただし、現在、道路・公園・河川・広場・水路である土地は宅地ではありません。 3 では、取引に当たらない行為は? 3 自ら貸借です。自ら貸借には、自ら転貸を含みます。 4 自ら貸借の具体例は? 4 賃貸アパートやマンションの大家さんです。 5 では、業とは? 5 ①不特定多数人に対して、②反復継続して行うこと、です。 6 では、10 区画の宅地を一括して売却する場合と、10 区画の宅地の売却の代理を一括して依頼 する場合では、業に当たるかどうかに違いはありますか。 6 はい、あります。一括して売却する場合は、一人の買主に対して、一度にすべてを売却するた め、不特定多数性も反復継続性もありません。従って、「業」に当たりません。これに対し、売 却の代理を一括して依頼する場合は、代理の依頼を受けた者は、区画1つひとつを不特定多数 の買主に売却していきます。土地の所有者は、その都度買主と売買契約を結んだことになりま す。土地の所有者は、自ら不特定多数人に対して反復継続して宅地の売買を行っていることに なりますから、「業」に当たります。 第1章 宅建業の意味 2 第1章 宅建業の意味 2 7 例外的に、宅建業の免許がなくても宅建業ができる者は? 7 国・地方公共団体、一定の信託会社・信託銀行などです。 8 では、国・地方公共団体と一定の信託会社・信託銀行の違いは? 8 国・地方公共団体については、宅建業法の適用が一切ないのに対して、一定の信託会社・信託 銀行については、免許や免許の取り消し以外の宅建業法の規定の適用はある点に違いがありま す。 9 一定の信託会社・信託銀行が、宅建業を行うにはどのような手続きが必要ですか。 9 国土交通大臣に届出が必要です。この届出をした信託会社・信託銀行は、国土交通大臣の免許 を受けた宅建業者とみなされます。 第2章 免許 1 第2章 免許 1 1 知事免許か国土交通大臣免許かは、何を基準に決まるのですか。 1 1つの都道府県内に事務所がある場合が知事免許、2以上の都道府県に事務所がある場合が国 土交通大臣免許になります。 第2章 免許 2 第2章 免許 2 2 事務所とは? 2 ①主たる事務所、②宅建業を営む従たる事務所、③継続的に業務を営むことができる施設を有 する場所で、宅建業に係る契約締結権限を有する使用人を置くもの、です。 3 主たる事務所は、必ずしも宅建業を営んでいなくても事務所に当たるのですか? 3 はい、従たる事務所の1つが宅建業を営んでいれば、主たる事務所で宅建業を営んでいなくて も、主たる事務所も「事務所」に当たります。

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2 第2章 免許 3 第2章 免許 3 4 知事免許の申請方法は? 4 都道府県知事に直接申請します。 5 では、国土交通大臣免許の申請方法は? 5 主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して申請します。 第2章 免許 4 第2章 免許 4 6 5年間待たずに、直ちに免許を受けることができる場合は? 6 後見開始の審判・保佐開始の審判が取り消された場合、執行猶予期間が満了した場合です。 7 懲役や禁錮刑に処せられた者は、いつから免許を受けられますか? 7 刑の執行が終わった日から5年経過したら受けられます。 8 罰金刑で、免許欠格となるのはどのような場合ですか。 8 ①宅建業法に違反して罰金、②暴力的犯罪を犯して罰金、③背任罪を犯して罰金の刑に処せら れた場合です。 9 では、それらを理由に罰金の刑に処せられた場合は、いるから免許を受けられますか。 9 罰金の刑に処せられてから5年経過したら受けられます。 10 免許取消処分を受けてから5年経過しなければ免許を受けられないのは、どのような理由で免 許取消処分を受けた場合ですか。 10 ①不正手段で免許取得、②業務停止処分に該当し情状が特に重い、③業務停止処分に違反、以 上の3つのいずれかの理由で免許が取り消された場合です。 11 では、宅建業を1年間休業したことを理由に免許を取り消された場合は、その翌日から直ちに 免許を受けることができますか。 11 はい、できます。 12 では、宅建業者の役員や政令で定める使用人が、懲役刑に処せられた場合、必ず宅建業者の免 許は取り消されますが、再度免許を受けることができるのはいつですか。 12 その役員や政令で定める使用人を、平社員に降格させたり、解雇すれば、直ちに免許を受ける ことができます。5年間待つ必要はありません。 13 20 歳未満の者は、免許を受けることができますか。 13 はい、できる場合があります。 14 それは、どのような場合ですか。 14 まず、①婚姻歴のある場合、②法定代理人から宅建業に関し営業の許可を得たことにより、成 年者と同一の行為能力を有する未成年者となった場合です。これらの場合は、本人が免許欠格 でなければ免許を受けることができます。次に、③法定代理人から宅建業に関し営業の許可を 得ていない、つまり成年者と同一の行為能力を有しない未成年者の場合でも、本人および法定 代理人が免許欠格でない場合には、免許を受けることができます。 15 10 でお答えいただいた、3つのいずれかの理由で宅建業者(法人)の免許が取り消された場 合、宅建業者と運命をともにするのは誰ですか。 15 取消処分の聴聞の日時・場所の公示日からさかのぼること 60 日間に「役員」をしていた者で す。宅建業者の免許が取り消された日から5年間は、この役員も免許を受けることができませ ん。 16 政令で定める使用人は運命をともにしないのですか? 16 しません。会社が3つのいずれかの理由で免許取消処分を受けたときに影響を受けるのは役員 だけです。 17 ある法人が宅建業の免許を申請しようとする場合、誰をチェックしますか。 17 その法人の「役員」と「政令で定める使用人」をチェックします。これらの者に免許欠格の者 が一人でもいれば、その法人は、免許を受けることができません。 第2章 免許 5 第2章 免許 5 18 免許権者は、免許をしたときは、何を交付し、何を備えなければなりませんか。 18 免許証を交付し、業者名簿を備えなければなりません。

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3 第2章 免許 6 第2章 免許 6 19 変更の届出事由は? 19 名前5つに場所1つです。①会社・②役員・③政令で定める使用人・④事務所・⑤専任の宅建 士の「名前」、①事務所の「所在地」、以上のいずれかに変更があったときは、宅建業者は、30 日以内に変更の届出をする必要があります。 第2章 免許 7 第2章 免許 7 20 たとえば、東京都知事免許の宅建業者が、沖縄や北海道で案内所を設置して宅地や建物の取引 を行うことはできますか。 20 できます。宅建業の免許の効力は、全国に及ぶからです。 第2章 免許 8 第2章 免許 8 21 免許の有効期間は? 21 5年です。 22 更新申請の手続きは? 22 更新の申請は、有効期間満了の日の 90 日前から 30 日前までに行わなければなりません。 23 では、その期間内に更新申請をしたにもかかわらず、新たな免許について処分がないときは、 どうなりますか。 23 従前の免許の効力が存続します。 24 では、その後、新たな免許が交付された場合、その免許の有効期間は? 24 従前の免許の有効期間の満了日の翌日から5年です。新たな免許が交付された日から5年では ありません。 第2章 免許 9 第2章 免許 9 25 たとえば、東京都知事免許を受けている宅建業者が、神奈川県内に新たな事務所を設置した場 合、どのような手続きが必要ですか。 25 免許換えの手続きが必要です。2以上の都道府県に事務所があることになるため、国土交通大 臣に免許換えの申請をする必要があります。 26 たとえば、東京都知事免許を受けている宅建業者が、東京都内の事務所をすべて廃止し、神奈 川県内に新たな事務所を設置した場合、どのような手続きが必要ですか。 26 この場合も、免許換えの手続きが必要です。神奈川県知事の免許が必要になるからです。 27 では、新たな免許が、知事免許の場合と大臣免許の場合、それぞれの免許換えの申請方法は? 27 新たな免許が知事免許の場合は、直接申請します。新たな免許が大臣免許の場合は、主たる事 務所の所在地を管轄する知事経由で申請します。 28 免許換え後の免許の有効期間は? 28 新規5年です。 29 25、26 の例ともに、事務所の所在地が変更になっていますが、変更の届出は必要ないのです か。 29 免許換えが必要な場合は、新たな免許権者が、新たに業者名簿を1から作成します。ですから、 業者名簿の一定事項に変更があった場合に行う変更の届出は不要です。 第2章 免許 10 第2章 免許 10 30 廃業等の届出事由、届出義務者は? 30 個人業者が死亡した場合は、相続人。法人業者が合併消滅した場合は、消滅会社の代表役員で あった者。破産した場合は、破産管財人。破産・合併以外の理由で解散した場合は、清算人。 廃業した場合は、個人業者であれば本人・法人業者であれば代表役員であった者です。 31 では、個人業者が死亡した場合、届出はいつまでにしなければなりませんか。 31 相続人がその事実を知った時から 30 日以内にしなければなりません。 32 免許の失効時期は? 32 死亡・合併の場合は、死亡時・合併消滅時ですが、その他の場合は、廃業等の届出時です。

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4 第3章 宅地建物取引士 1 第3章 宅地建物取引士 1 1 宅建士になるまでの3つのステップは? 1 ①合格、②登録、③宅建士証の交付、です。 2 それぞれの有効期間は? 2 合格した身分と登録した身分は、合格の取消しや登録の消除がなされない限り、一生有効です。 宅建士証の有効期間は5年です。 3 では、登録するためには何が必要ですか。 3 2年以上の実務経験があること、又は国土交通大臣の登録を受けた講習(登録実務講習)を修 了していることが必要です。 4 では、宅建士証の交付を受けるためには何が必要ですか。 4 原則として、登録を受けている都道府県知事が指定する講習で、交付申請前6か月以内に行わ れるもの(法定講習)を受講しなければなりません。ただし、試験合格の日から1年以内に宅 建士証の交付を受けようとする者等は、この講習を受ける必要はありません。 第3章 宅地建物取引士 2 第3章 宅地建物取引士 2 5 宅建士の法定事務は? 5 ①重要事項の説明をすること、②重要事項説明書(35 条書面)に記名押印すること、③37 条書 面に記名押印すること、以上の3つです。 6 それらの法定事務は、専任の宅建士でなくてもできますか。 6 できます。専任でなければできない事務はありません。 第3章 宅地建物取引士 3 第3章 宅地建物取引士 3 7 宅地建物取引士の業務処理の原則とは? 7 宅建士は、宅建業の業務に従事するときは、宅地・建物の取引の専門家として、購入者等の利 益の保護および円滑な宅地・建物の流通に資するよう、公正かつ誠実にこの法律に定める事務 を行うとともに、宅建業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければなりません。 8 信用失墜行為の禁止とは? 8 宅建士は、宅建士の信用または品位を害するような行為をしてはなりません。この行為には、 職務として行われるものに限らず、職務に必ずしも直接関係しない行為や私的な行為も含まれ ます。 9 知識および能力の維持向上とは? 9 宅建士は、宅地・建物の取引に係る事務に必要な知識および能力の維持向上に努めなければな りません。 第3章 宅地建物取引士 4 第3章 宅地建物取引士 4 10 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者は、宅建士の登録を受けることができ ますか。 10 できません。法定代理人をチェックするまでもなく、成年者と同一の行為能力を有しない未成 年者は、宅建士の登録ができません。 11 事務禁止期間中に、本人の申請に基づいて登録が消除された場合、いつから再度登録をするこ とができますか。 11 事務禁止期間が満了すれば、登録をすることができます。 第3章 宅地建物取引士 5 第3章 宅地建物取引士 5 12 変更の登録事項は? 12 宅建士本人の①氏名、②住所、③本籍、勤務先の宅建業者の④商号・名称、⑤免許証番号です。 13 変更の登録はいつまでにしなければなりませんか。 13 「遅滞なく」しなければなりません。

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5 14 では、たとえば、東京都知事免許の宅建業者が、新たに千葉県内に事務所を設置した場合、そ の宅建業者の宅建士は、何をしなければなりませんか。 14 遅滞なく、変更の登録をしなければなりません。勤務先の宅建業者が免許換えをすると、免許 証番号が変わるからです。 第3章 宅地建物取引士 6 第3章 宅地建物取引士 6 15 登録の移転で、試験対策上注意すべき点は? 15 まず、登録の移転は、任意であって、義務ではない点です。次に、登録の移転ができるのは、 登録先以外の都道府県に所在する宅建業者の事務所で業務に従事し、または従事しようとする 場合である点です。住所を他の都道府県に移転しただけでは登録の移転はできません。 16 事務禁止期間中は? 16 事務禁止期間中は、登録の移転ができません。 17 登録の移転の申請手続きは? 17 現に登録を受けている都道府県知事を経由して、移転先の都道府県知事に対して行います。 第3章 宅地建物取引士 7 第3章 宅地建物取引士 7 18 死亡等の届出事由、届出義務者は? 18 死亡のときは、相続人。成年被後見人になったときは、成年後見人。被保佐人になったときは、 補佐人。破産したときは、本人。それ以外の登録欠格事由に該当したときも本人が届け出ます。 19 では、宅建士が死亡した場合、届出はいつまでにしなければなりませんか。 19 相続人がその事実を知った時から 30 日以内にしなければなりません。 第3章 宅地建物取引士 8 第3章 宅地建物取引士 8 20 宅建士証の交付申請先は? 20 登録を受けている都道府県知事です。 21 宅建士証の有効期間は? 21 5年です。 22 では、更新の方法は? 22 登録を受けている「都道府県知事」が指定する講習(法定講習)で、更新申請前6か月以内に 行われるものを受講しなければなりません。 23 では、更新後の新たな宅建士証はどのように交付されますか。 23 現に有する宅建士証と「引換え」に交付されます。 第3章 宅地建物取引士 9 第3章 宅地建物取引士 9 24 宅建士の住所または氏名に変更があったときは、遅滞なく、変更の登録をするとともに、何を しなければなりませんか。 24 宅建士証の書換え交付を申請しなければなりません。 第3章 宅地建物取引士 10 第3章 宅地建物取引士 10 25 宅建士証を提示しなければならない場合は? 25 ①取引の関係者から請求があったとき、②重要事項の説明のとき、です。 26 重要事項の説明のときは、請求がなくても提示しなければなりませんか。 26 はい。請求がなくても、提示しなければなりません。 27 宅建士証を提出しなければならない場合は? 27 登録を受けている知事または業務地の知事から事務禁止処分を受けたときです。 28 誰に提出しなければならないのですか。 28 登録を受けている知事から事務禁止処分を受けたときも、業務地の知事から事務禁止処分を受 けたときも、宅建士証の交付を受けた都道府県知事に、速やかに提出しなければなりません。 29 宅建士証を返納しなければならない場合は? 29 登録消除処分を受けたとき、または宅建士証が効力を失ったとき、です。 30 誰に返納しなければならないのですか。 30 宅建士証の交付を受けた都道府県知事に、速やかに返納しなければなりません。

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6 31 では、宅建士証の提示・提出・返納をしなければならない場合で、違反したときに罰則がない のは? 31 取引の関係者から請求があったにもかかわらず、宅建士証を提示しなかったときは、罰則(過 料)がありません。その他の提示・提出・返納義務違反のときは、罰則(過料)があります。 第3章 宅地建物取引士 11 第3章 宅地建物取引士 11 32 登録の移転があったときは、従前の宅建士証の効力はどうなりますか。 32 失効します。 33 登録の移転とともに宅建士証の交付申請を行った場合、新たな宅建士証の有効期間は? 33 新たな宅建士証の有効期間は、従前の宅建士証の残存期間です。新規5年ではありません。 34 登録の移転とともに宅建士証の交付申請を行う場合は、登録を受けている「都道府県知事」が 指定する講習(法定講習)を受講する必要はありますか。 34 ありません。 35 登録の移転後の宅建士証の交付方法は? 35 従前の宅建証と引換えに交付されます。 第3章 宅地建物取引士 12 第3章 宅地建物取引士 12 36 成年者である専任の宅建士の設置義務のある場所と設置人数は? 36 設置義務のある場所は、事務所と契約行為を行う案内所です。事務所には、当該事務所の業務 に従事する者の数の5分の1以上、契約行為を行う案内所には1名以上設置しなければなりま せん。 37 では、成年者である専任の宅建士の数に不足が生じた場合は? 37 2週間以内に必要な措置をとらなければなりません。 38 婚姻歴がなく、成年者と同一の行為能力も有しない未成年者は、宅建士の登録を受けることが できませんでした。では、成年者と同一の行為能力を有する未成年者は、宅建士の登録を受け ることができるわけですが、成年者である専任の宅建士になることはできますか。 38 成年者と同一の行為能力を有する未成年者は、宅建士の登録はできますが、原則、専任の宅建 士になることはできません。ただし、その未成年者が自ら宅建業を営んでいる場合、または宅 建業者の役員である場合、つまり経営者の立場にあるときは、主として業務に従事する事務所 の専任の宅建士とみなされます。 第4章 営業保証金 1 第4章 営業保証金 1 1 事務所を設置し、免許を受けても宅建業を開業することはできません。開業するには、何が必 要ですか。 1 保証金の供託・届出が必要です。 第4章 営業保証金 2 第4章 営業保証金 2 2 宅地・建物の取引により損害を受けたお客さんが、供託所から営業保証金の弁済を受けること を何といいますか。 2 還付といいます。 3 では、宅建業者は、廃業等したことにより、営業保証金を供託しておく必要がなくなったとき は何ができますか。 3 取戻しができます。 第4章 営業保証金 3 第4章 営業保証金 3 4 営業保証金の供託額と供託場所は? 4 主たる事務所につき 1,000 万円、従たる事務所1か所につき 500 万円の合計額を一括して、主 たる事務所の最寄りの供託所に供託します。

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7 第4章 営業保証金 4 第4章 営業保証金 4 5 営業保証金は有価証券でも供託できます。では、その評価額は? 5 国債証券額面金額どおり(100%)、地方債証券・政府保証債証券は 90%、その他の有価証券は 80%です。 第4章 営業保証金 5 第4章 営業保証金 5 6 営業保証金を供託すれば、届出をしなくても事業を開始できますか。 6 いいえ、できません。供託し、免許権者にその旨の届出をしてはじめて開業できます。 7 では、その届出は、免許権者が国土交通大臣のときは、主たる事務所の所在地を管轄する都道 府県知事経由で行うのでしょうか。 7 いいえ。免許権者が国土交通大臣の場合も、営業保証金を供託した旨の届出は、国土交通大臣 に「直接」行います。 第4章 営業保証金 6 第4章 営業保証金 6 8 供託した旨の届出がない場合、免許権者は何をしなければなりませんか。 8 免許をした日から3か月以内に届出がないときは、免許権者は、催告をしなければなりません。 9 では、催告したにもかかわらず、その後届出がないときは? 9 催告が到達した日から1か月以内に届出がないときは、免許権者は、免許を取り消すことがで きます。 第4章 営業保証金 7 第4章 営業保証金 7 10 事務所を新設した場合、その事務所で新たに事業を開始するためには、何をする必要がありま すか。 10 新設した事務所1か所につき 500 万円の営業保証金を、主たる事務所の最寄りの供託所に供託 し、その旨を免許権者に届け出なければなりません。 第4章 営業保証金 8 第4章 営業保証金 8 11 主たる事務所が移転し、最寄りの供託所が変更になっときは、どのような手続きが必要ですか。 11 全額金銭のみで営業保証金を供託している場合は、保管替え請求をしなければなりません。有 価証券のみ、または金銭と有価証券で営業保証金を供託している場合は、移転後の供託所に新 たに供託し一時的に二重供託状態にしなければなりません。その上で従前の供託所から取戻し を行います。 12 営業保証金の変換のため新たに供託したときは、どのような手続きが必要ですか。 12 遅滞なく、その旨を、免許権者に届け出なければなりません。 第4章 営業保証金 9 第4章 営業保証金 9 13 営業保証金から還付を受けることができる者は? 13 宅建業者と宅建業に関し取引をし、その取引により生じた債権を有する者です。ただし、宅建 業者は、還付を受けることができません。 14 還付の限度額は? 14 供託されている営業保証金の範囲内です。 第4章 営業保証金 10 第4章 営業保証金 10 15 還付後、宅建業者は、いつまでに不足額を供託しなければなりませんか。 15 「免許権者から不足額を供託すべき旨の通知書の送付を受けた日から」2週間以内に不足額を 供託しなければなりません。なお、その供託から2週間以内に免許権者に、その旨を届け出な ければなりません。

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8 第4章 営業保証金 11 第4章 営業保証金 11 16 営業保証金を取り戻すための手続きは? 16 原則として、還付請求権者に対し、6か月を下らない一定期間内に申し出るべき旨を公告し、 その期間内に申出がなかった場合でなければ、取戻しはできません。 17 では、例外的に公告をせずに取り戻せる場合は? 17 ①主たる事務所の移転により移転後のもよりの供託所に新たに供託したとき(一時的に二重供 託の状態のとき)、②保証協会の社員となったとき、③取戻し事由が発生してから 10 年経過し たとき、です。 18 そうすると、事務所の一部廃止により超過額が生じた場合の取戻しには、公告は必要ですか。 18 不要です。17 の①~③に該当しませんので、公告が必要です。 第5章 弁済業務保証金(保証協会) 1 第5章 弁済業務保証金(保証協会) 1 1 営業保証金の 100 分の6の資金で開業するには? 1 保証協会に加入する必要があります。 第5章 弁済業務保証金(保証協会) 2 第5章 弁済業務保証金(保証協会) 2 2 弁済業務保証金制度を利用する場合、宅建業者と供託所が直接関わりをもつことはあります か。 2 ありません。必ず保証協会が介在します。 第5章 弁済業務保証金(保証協会) 3 第5章 弁済業務保証金(保証協会) 3 3 保証協会とは? 3 宅建業者のみを社員とする一般社団法人で、国土交通大臣の指定を受けたものをいいます。 4 保証協会は、2つの団体がありますが、同時に2つの保証協会の社員になれますか。 4 なれません。1 つの保証協会の社員の宅建業者は、同時にほかの保証協会の社員になれません。 5 新たに社員が加入し、または社員がその地位を失ったときは、保証協会は何をしなければなり ませんか。 5 直ちに社員である宅建業者の免許権者に報告しなければなりません。 第5章 弁済業務保証金(保証協会) 4 第5章 弁済業務保証金(保証協会) 4 6 宅建業者は、弁済業務保証金分担金を、いつまでに、いくら、どのように保証協会に納付しな ければなりませんか。 6 保証協会に加入しようとする日までに、主たる事務所 60 万円、従たる事務所1か所につき 30 万円の合計額を、全額金銭で保証協会に納付しなければなりません。 7 では、弁済業務保証金分担金の納付を受けた保証協会は、弁済業務保証金を、いつまでに、い くら、どのように供託しなければなりませんか。 7 弁済業務保証金分担金の納付を受けた日から1週間以内に、納付を受けた弁済業務保証金分担 金の額に相当する額を、金銭または有価証券で供託しなければなりません。 第5章 弁済業務保証金(保証協会) 5 第5章 弁済業務保証金(保証協会) 5 8 事務所を新設した宅建業者は、弁済業務保証金分担金を、いつまでに、いくら、どのように保 証協会に納付しなければなりませんか。 8 事務所新設の日から2週間以内に、事務所1か所につき 30 万円を全額金銭で保証協会に納付 しなければなりません。 9 では、弁済業務保証金分担金の納付を受けた保証協会は、弁済業務保証金を、いつまでに、い くら、どのように供託しなければなりませんか。 9 弁済業務保証金分担金の納付を受けた日から1週間以内に、納付を受けた弁済業務保証金分担 金の額に相当する額を、金銭または有価証券で供託しなければなりません。

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9 10 事務所を新設した宅建業者が、事務所新設の日から2週間以内に、弁済業務保証金分担金を納 付しない時はどうなりますか。 10 社員の地位を失います。 11 では、その場合、宅建業を続けるためには何をしなければなりませんか。 11 社員の地位を失ってから1週間以内に営業保証金を供託しなければなりません。 第5章 弁済業務保証金(保証協会) 6 第5章 弁済業務保証金(保証協会) 6 12 弁済業務保証金から還付を受けることができる者は? 12 社員である宅建業者と宅建業に関し取引をし、その取引により生じた債権を有する者です。た だし、宅建業者は、還付を受けることができません。 13 では、社員である宅建業者が社員となる前、つまり営業保証金制度を利用していた際に取引を した者は、弁済業務保証金から還付を受けることはできますか。 13 はい、できます。 14 還付額は? 14 社員である宅建業者が社員でないとしたならば供託すべき営業保証金の範囲内です。 15 還付の手続きは? 15 還付を受けようとする者は、保証協会の認証を受けなければならなず、この認証を受けた後、 供託所に還付を請求します。 第5章 弁済業務保証金(保証協会) 7 第5章 弁済業務保証金(保証協会) 7 16 還付後の補充手続きの流れは? 16 ①保証協会は、国土交通大臣から不足額を供託すべき旨の通知書の送付を受けた日から2週間 以内に、還付額に相当する弁済業務保証金を供託し、その旨を当該供託に係る宅建業者の免許 権者に届け出なければなりません。その上で、②保証協会は、社員である宅建業者に対し、還 付額に相当する還付充当金を納付するよう通知しなければなりません。③通知を受けた社員で ある宅建業者は、その通知を受けた日から2週間以内に還付充当金を保証協会に納付しなけれ ばならりません。 17 では、保証協会から還付充当金納付の通知を受けた日から2週間以内に還付充当金を保証協会 に納付しなかったときはどうなりますか。 17 社員の地位を失います。 18 では、その場合、宅建業を続けるためには何をしなければなりませんか。 18 社員の地位を失ってから1週間以内に営業保証金を供託しなければなりません。 第5章 弁済業務保証金(保証協会) 8 第5章 弁済業務保証金(保証協会) 8 19 弁済業務保証金の取戻し事由は? 19 ①社員である宅建業者が社員でなくなったとき、②社員である宅建業者がその一部の事務所を 廃止したとき、です。 20 では、それらの取戻しには公告が必要ですか。 20 社員である宅建業者が社員でなくなったことを理由に取り戻す場合は、公告が必要ですが、事 務所の一部廃止を理由に取り戻す場合は、公告は不要です。 第5章 弁済業務保証金(保証協会) 9 第5章 弁済業務保証金(保証協会) 9 21 社員から還付充当金の納付がなかった場合に備え、保証協会に積立義務が課されている金銭等 を何といいますか。 21 弁済業務保証金準備金といいます。

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10 22 不足額の供託において、弁済業務保証金準備金を充ててもなお不足する場合に、その不足額に 充てるため、保証協会が社員に対し、その納付している弁済業務保証金分担金の額に応じて納 付を命ずる金銭を何といいますか。 22 特別弁済業務保証金分担金といいます。 第5章 弁済業務保証金(保証協会) 10 第5章 弁済業務保証金(保証協会) 10 23 保証協会の必須業務にはどのようなものがありますか。 23 ①苦情の解決、②研修、③弁済業務、があります。 24 では、保証協会の任意業務にはどのようなものがありますか。 24 ①一般保証業務、②手付金等保管業務、③宅建業の健全な発達を図るために必要な業務、④宅 建士等に対する研修の実施に要する費用の助成、があります。なお、任意業務の①~③は、国 土交通大臣の承認を受ける必要があります。 第6章 媒介契約・代理契約 1 第6章 媒介契約・代理契約 1 1 貸借の媒介・代理に、媒介・代理の規制は適用されますか。 1 貸借の媒介・代理に、媒介・代理の規制は適用されません。 第6章 媒介契約・代理契約 2 第6章 媒介契約・代理契約 2 2 媒介の種類にはどのようなものがありますか。また、それぞれの内容は? 2 ほかの宅建業者に重ねて依頼できる媒介契約を一般媒介契約、重ねて依頼できない媒介契約を 専任媒介契約といいます。一般媒介契約には、依頼したほかの宅建業者を明示する義務のある もの(明示型)と明示する義務のないもの(非明示型)があります。専任媒介契約には、自己 発見取引が認められているもの(専任媒介契約)と認められていないもの(専属専任媒介契約) があります。 第6章 媒介契約・代理契約 3 第6章 媒介契約・代理契約 3 3 一般媒介契約には、有効期間の制限、業務処理状況の報告、指定流通機構への登録・通知に関 する規制がありませんが、専任媒介契約や専属専任媒介契約では、それらについてどのような 規制があるのでしょうか。 3 有効期間については、専任媒介・専属専任媒介ともに、3か月が限度です。3か月を超える定 めをしたときは、3か月に短縮されます。更新は依頼者からの申出がある場合に限り、3か月 を限度に認められます。業務処理状況の報告については、専任媒介では、2週間に1回以上、 専属専任媒介では、1週間に1回以上の頻度で行う必要があります。なお、報告の方法に規制 はありませんので、口頭やメールなどにより行うことが可能です。指定流通機構への登録につ いては、媒介契約締結日から休業日を除いて、専任媒介では7日以内、専属専任媒介契約では 5日以内に登録をしなければなりません。 4 媒介の依頼を受けた物件について、売買等の申込みがあったときは、宅建業者は何をしなけれ ばなりませんか。 4 遅滞なく、依頼者に報告をしなければなりません。 5 一般媒介の場合は、その報告はないのでしょうか。 5 一般媒介の場合も、売買等の申込みがあったときは、依頼者に報告をしなければなりません。

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11 6 指定流通機構への登録事項は? 6 ①宅地・建物の所在、②規模、③形質、④売買すべき価額(交換の場合は評価額)、⑤都市計画 法その他の法令に基づく制限で主要なもの、⑥専属専任媒介契約の場合はその旨、です。 7 指定流通機構への成約通知事項は? 7 ①登録番号、②取引価格、③契約成立年月日、です。 第6章 媒介契約・代理契約 4 第6章 媒介契約・代理契約 4 8 媒介契約を締結したときは、宅建業者は何をしなければなりませんか。 8 遅滞なく、媒介契約書面(34 条の2書面)を作成し、記名押印したうえで、依頼者に交付しな ければなりません。 9 媒介契約書面への記名押印は宅建士が行う必要がありますか。 9 いいえ、宅建業者の記名押印です。宅建士の記名押印ではありません。宅建士の法定事務は、 ①重要事項の説明をすること、②重要事項説明書(35 条書面)に記名押印すること、③37 条書 面に記名押印すること、以上の3つだけです。それ以外で、宅建士が行わなければならないと 出題された場合は、すべて誤りです。 第6章 媒介契約・代理契約 5 第6章 媒介契約・代理契約 5 10 媒介契約書面の記載事項は、媒介契約の種類によって異なりますか。 10 いいえ。媒介契約書面の記載事項は、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介契約で異なりません。 ですから、一般媒介契約では、記載不要と出題されたら誤りです。 11 売買の媒介の依頼物件が既存建物であるときは、依頼者に対する建物状況調査を実施する者の あっせんに関する事項を記載しなければなりません。では、あっせんをしないときは記載する 必要はないのでしょうか。 11 いいえ。媒介契約書には、建物状況調査を実施する者のあっせんの「有無」について記載する 必要があります。ですから、あっせんをしないときは、「あっせんをしない」と記載する必要が あります。 第7章 広告等に関する規制 1 第7章 広告等に関する規制 1 1 現在の環境や交通の利便等について、著しく事実に相違する表示または実際のものよりも著し く優良または有利であると誤認させるような表示をすることは禁止されています。では、将来 の環境や交通の利便等についてはどうでしょうか。 1 現在のみならず、将来の環境や交通の利便等についても、誇大広告・虚偽広告は禁止されてい ます。 2 代金・その支払方法やローン条件などについては、誇大広告等は禁止されていますか。 2 禁止されています。 3 誇大広告等の禁止の対象となる「おとり広告」とはどのようなものですか。 3 ①存在しない物件、②存在するが取引の対象となり得ない物件、③存在するが取引する意思の ない物件を広告する場合です。 第7章 広告等に関する規制 2 第7章 広告等に関する規制 2 4 工事完了前の物件の広告はどのタイミングで可能になりますか。 4 建築確認や開発許可が下りれば広告が可能です。 5 貸借の媒介の依頼を受けた宅建業者が、その賃貸物件を広告する場合も同じですか。 5 はい。貸借の媒介の場合に、賃貸物件の広告をする場合も、その物件が未完成であれば、建築 確認や開発許可が下りなければ、広告を開始することはできません。

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12 第7章 広告等に関する規制 3 第7章 広告等に関する規制 3 6 取引態様の明示は、いつしなければなりませんか。 6 広告をするときおよび注文を受けたときです。広告時に明示したからといって注文時に省略す ることはできません。 7 取引態様の明示方法に規制はありますか。 7 いいえ、ありません。口頭でも可能です。 8 では、誇大広告等の禁止、広告開始時期の制限、取引態様の明示義務に違反した場合に、罰則 があるのはどれですか。 8 誇大広告等の禁止に違反した場合のみ、罰則があります。 第7章 広告等に関する規制 4 第7章 広告等に関する規制 4 9 宅地建物取引業者の業務処理の原則とは? 9 宅建業者は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行なわなければなりませ ん。 10 宅建業者は、その従業者に対し、その業務を適正に実施させるため、必要な教育を行わなけれ ばなりませんか。 10 いいえ。宅建業者は、その従業者に対し、その業務を適正に実施させるため、必要な教育を行 うよう努めなければなりませんが、必要な教育を行わなければならないわけではありません。 第8章 重要事項の説明(説明・告知義務) 1 第8章 重要事項の説明(説明・告知義務) 1 1 重要事項の説明の目的・趣旨は? 1 買主や借主となろうとする者に、契約するかどうかの判断材料を提供する目的で行われます。 第8章 重要事項の説明(説明・告知義務) 2 第8章 重要事項の説明(説明・告知義務) 2 2 では、その目的・趣旨から考えてください。重要事項の説明をするタイミング、相手方は誰で すか。 2 契約が成立するまでの間に、権利を取得しようとする者(売買の買主、貸借の借主、交換の両 当事者)に対してしなければなりません。ただし、買主等が宅建業者の場合は、重要事項説明 書面を交付すれば、説明は不要です。 3 説明義務を負うのは誰ですか。 3 宅建業者です。 4 宅建士ではないのですか。 4 説明義務を負うのは、宅建士ではありません。宅建士は、説明担当者に過ぎません。重要事項 の説明を予定していた宅建士が、急病等で説明ができない場合でも、宅建業者は、別の宅建士 をして説明させる義務を負っているのです。 5 重要事項説明書面には、誰の記名押印が必要ですか。 5 宅建士の記名押印が必要です。 6 重要事項説明書面を説明した後で、交付することはできますか。 6 できません。説明後に、書面を交付したのでは、書面に記載されている内容と説明された内容 が同一かどうか分かりません。ですから、書面を交付し、それを読み上げる方法で、説明をす る必要があります。ですから、必ず重要事項書面を交付の上、説明をしなければなりません。 7 重要事項説明をするときは、宅建士は、請求がなければ宅建士証の提示をする必要はありませ んか。 7 いいえ、請求がなくても宅建士証を提示の上、説明をしなければなりません。 8 重要事項の説明をする場所は規制されていますか。 8 規制されていません。どこで行ってもかまいません。

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13 第8章 重要事項の説明(説明・告知義務) 3 第8章 重要事項の説明(説明・告知義務) 3 9 建物の貸借の媒介・代理において、法令上の制限事項の概要を説明しなければならないのは、 どのような場合ですか。 9 ①新住宅市街地開発法、②新都市基盤整備法、③流通業務市街地整備法、以上3つの法律によ る制限のみ説明が必要です。これらの法律においては、一定の建物について、建物の使用・収 益を目的とする権利の設定・移転について都道府県知事の承認が必要とされています。建物を 借りる者であっても、借りるに当たって知事の承認が必要となるという制限があるのであれば、 そのような制限があることをあらかじめ知っておきたいはずです。 10 では、それ以外の建築基準法上の建蔽率や容積率などの法令上の制限については説明は不要で すね。 10 はい、そうです。たとえば、アパートの1室を借りる者にとって、そのアパートの敷地にどれ くらい大きな建物が建てられるかとか、どのような建物が建てられるとかは、どうでもよいこ とです。ですから、建蔽率、容積率、用途制限など、上記3つの法令上の制限以外の説明は不 要です。 11 建物の貸借の媒介。代理において、私道負担について説明する必要はありますか。 11 いいえ、ありません。宅地・建物を購入する者や宅地を借りる者にとって、私道負担があるか 否かは重要ですが、アパートの1室を借りる者にとっては、どうでもよいことです。仮に私道 負担があったとしても、大家さんが負担しているからです。 12 造成宅地防災区域、土砂災害警戒区域、津波災害警戒区域内にあるときは、建物の貸借の媒介・ 代理のときも、その旨の説明が必要ですか。 12 必要です。建物を借りる者であっても、借りるに当たって、危ない場所に建っている建物であ ることはあらかじめ知っておきたいはずです。 13 石綿が使用されていないとの調査結果が記録されているときは、その内容を説明する必要はあ りませんか。 13 説明する必要があります。石綿の使用の「有無」の調査結果が記録されているときは、その内 容を説明しなければなりません。使用されていないとの調査結果が記録されているのであれば、 使用されていない旨説明しなければなりません。石綿が使用されているか否かではなく、あく までも、記録されているかどうかが説明の要否の決め手です。 14 昭和 56 年6月1日以降に新築工事に着手した建物については、耐震診断を受けたものであっ ても、その内容の説明は不要ですか。 14 不要です。昭和 56 年6月1日以降に新築工事に着手した建物は、現在の耐震基準で建築されて いるためです。 15 では、説明が必要となるのはどのような場合ですか。 15 昭和 56 年5月 31 日以前に新築工事に着手した建物で、かつ、耐震診断を受けたものです。 16 住宅性能評価を受けた新築住宅の場合に、その旨を説明しなければならないのは、どの取引の 場合ですか。 16 新築住宅の売買の場合だけです。貸借においては説明は不要です。 17 契約の解除や損害賠償額の予定・違約金については、当事者間で特に定めていなければ、説明 は不要ですか。 17 いいえ。当事者間で特に定めていなくても、説明が必要です。この点、37 条書面と異なります。 18 瑕疵担保責任の履行に関する措置を講じない場合は、説明は不要ですか。 18 いいえ。瑕疵担保責任の履行に関する措置を「講ずるかどうか」、および講ずる場合の措置の概 要を説明しなければなりません。この点、37 条書面と異なります。ですから、講じない場合は 「講じない」と説明しなければなりません。講ずる場合は「講じる」と説明の上、講じる「措 置の概要」を説明します。

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14 19 住宅ローンのあっせんについては、住宅ローンが承認されなかったときの措置を説明するだけ でよいですか。 19 いいえ。重要事項の説明においては、あっせんの内容(金融機関、融資額、利率、返済方法等 の融資条件)も説明しなければなりません。この点、37 条書面と異なります。 20 工事完了前の物件の説明においては、必ず図面を交付して説明しなければなりませんか。 20 いいえ。説明に当たって「必要なとき」だけです。常に図面を交付した説明が要求されている わけではありません。 21 では、図面を交付した場合は、説明を省略することはできますか。 21 いいえ。図面を交付しても説明は省略できません。 22 では、図面を交付したときでも、その図面に記載されている事項を、あらためて重要事項説明 書に記載する必要がありますか。 22 いいえ。ありません。 23 事業用の建物の貸借の場合、台所・浴室・便所その他の当該建物の設備の整備の状況の説明が 必要ですか。 23 はい、建物の設備の整備の状況の説明は必要です。ただし、台所・浴室・便所は、居住用建物 を念頭に置いた例示に過ぎません。事業用の建物であれば、OA床になっているかとか、空調 設備はどうなっているかとか、セキュリティーはどうなっているかとか、台所・浴室以外の設 備の整備状況の説明が必要となるのが一般的です。 24 宅地や建物の貸借の媒介・代理において、契約期間や更新に関する事項を当事者が特に定めな かった場合は、その点について説明する必要はないのでしょうか。 24 いいえ、説明が必要です。定めがない旨の説明が必要になります。 25 敷金など契約終了時に精算することとされている金銭の精算に関する事項を当事者が特に定 めなかった場合は、その点について説明する必要はないのでしょうか。 25 いいえ、説明が必要です。定まっていない旨の説明が必要になります。 26 区分所有建物の場合の追加説明事項についてお伺いします。売買の場合の追加説明事項はいく つありますか。 26 9つです。 27 では、貸借の媒介・代理の場合は? 27 そのうち2つだけです。区分所有建物、つまり一般的には分譲マンションですが、分譲マンシ ョンの購入者が自ら居住せず、賃貸する場合(分譲賃貸ということがあります)は、①専有部 分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めがあるときは、その内容、②一棟の建物およ びその敷地の管理が委託されているときは、管理受託者(管理会社)の氏名・住所を説明しな ければなりません。 28 区分所有建物の売買の場合の9つの追加説明事項のうち、「規約」事項は、いくつありますか。 28 5つです。(ア)共用部分に関する規約の定めがあるときは、その内容、(イ)専有部分の用途 その他の利用の制限に関する規約の定めがあるときは、その内容、(ウ)専用使用権の規約の定 めがあるときは、その内容、(エ)修繕積立金や管理費用などを特定の者にのみ減免する旨の規 約の定めがあるときは、その内容、(オ)計画修繕積立金の規約の定めがあるときは、その内容 および既に積み立てられている額、以上の5つです。 29 では、それ以外、たとえば、管理組合の総会の議決権に関する規約の定めがあっても、その点 については説明は不要ですね。 29 はい、不要です。規約事項で説明が必要なのは、上記(ア)から(オ)までの5つに限定され ています。

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15 30 既存住宅の場合の追加説明事項についてお伺いします。建物状況調査を実施後1年を経過して いる場合、建物状況調査を実施しているかどうかについて説明する必要がありますか。 30 ここで説明の対象となっている建物状況調査は、実施後1年を経過していないものに限られま す。ですから、実施後1年を経過している場合は、「実施していない」と説明しなければなりま せん。 31 では、建物状況調査を実施後1年以内の既存住宅については、何を説明しなければなりません か。 31 建物状況調査を「実施している」旨、およびその「結果の概要」を説明しなければなりません。 32 では、建物状況調査(実施後1年を経過していないものに限る。)を実施しているかどうか、 及びこれを実施している場合におけるその結果の概要は、売買の場合のみならず、貸借の媒介・ 代理の場合にも説明が必要ですか。 32 売買の場合のみならず、貸借の媒介・代理の場合にも説明が必要です。 33 では、設計図書等の保存の状況については、売買の場合のみならず、貸借の媒介・代理の場合 にも説明が必要ですか。 33 既存住宅の購入者の中には、リフォームを前提に既存住宅を購入する場合が少なくありません。 リフォームをする際には、設計図書等があると工事をスムーズに行うことができます。そのた めに、設計図書等の保存の状況が説明事項となっています。これに対し、賃借人は、賃借する 住宅については、そもそもリフォームを想定していませんので、説明は不要です。 34 割賦販売の場合の追加説明事項には、何がありますか。 34 現金販売価格、割賦販売価格、引渡しまでに支払う金銭の額と賦払金の額、その支払時期と支 払方法です。 第8章 重要事項の説明(説明・告知義務) 4 第8章 重要事項の説明(説明・告知義務) 4 35 供託所等の説明は、いつまでに、誰が行う必要がありますか。 35 契約が成立するまでの間に、宅建業者が行います。宅建士が説明する必要はありません。宅建 士の3つの法定事務ではありません。 36 では、誰に対して行う必要がありますか。 36 保証金の還付を受ける可能性のある人です。ですから、買主のみならず、宅地・建物の売買の 媒介・代理の依頼者に対しても、説明する必要があります。 37 買主のみならず売主にも説明が必要になるのですね。では、それらの者が宅建業者の場合でも、 供託所等の説明をする必要はありますか。 37 宅建業者に対しては説明をする必要がありません。宅建業者は、そもそも営業保証金や弁済業 務保証金の還付を受けることができません。ですから、宅建業者に対しては、供託所等につい て説明する必要はないのです。 38 保証協会の社員である宅建業者は、供託所とその所在地のほかに、保証協会の社員である旨、 および保証協会の名称・住所・事務所の所在地も説明しなければなりません。なぜですか。 38 保証協会の社員である宅建業者と宅地・建物の取引をして損害賠償請求権などの債権を有する 者は、還付を受けるに当たって、まず、保証協会に認証請求する必要があります。その上で、 供託所に出向き還付を受けます。ですから、供託所のほかに、保証協会の事務所の所在地等に ついても説明が必要です。

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16 第8章 重要事項の説明(説明・告知義務) 5 第8章 重要事項の説明(説明・告知義務) 5 39 重要な事実の不告知等の禁止の対象となっている項目は? 39 ①35 条書面の記載事項、②供託所等に関する説明事項、③37 条書面の記載事項、④その他、相 手方等の判断に重要な影響を及ぼす事項、以上の4つの項目です。これらの項目については、 契約の勧誘の際、または申込みの撤回・契約の解除・債権の行使を妨げるため、故意に事実を 告げず、または不実のことを告げる行為をしてはいけません。 第9章 37 条書面 1 第9章 37 条書面 1 1 37 条書面を交付する目的・趣旨は? 1 契約成立後のトラブルを防止するためです。 第9章 37 条書面 2 第9章 37 条書面 2 2 では、その目的・趣旨から考えてください。37 条書面を交付するタイミング、相手方は誰です か。 2 契約締結後、遅滞なく、契約の両当事者に交付しなければなりません。 3 説明は必要ですか。 3 不要です。契約成立後のトラブルを防止するため、当事者が約束したことを書面化するのが趣 旨だからです。 4 37 条書面の記名押印は、専任の宅建士が行わなければなりませんか。 4 いいえ。専任の宅建士である必要はありません。 5 37 条書面の交付場所は規制されていますか。 5 規制されていません。どこで交付してもかまいません。 第9章 37 条書面 3 第9章 37 条書面 3 6 売買の場合の 37 条書面の必要的記載事項はいくつありますか。 6 6つあります。 7 では、貸借の媒介・代理の場合は? 7 そのうち、①所有権移転登記の申請時期、②既存建物であるときの、建物の構造耐力上主要な 部分等の状況について当事者双方が確認した事項、を除いた4つです。 8 解除や損害賠償額の予定・違約金について定めがないときは、その内容を記載する必要はない のでしょうか。 8 記載する必要はありません。定めがあるときのみ記載します。この点、35 条書面と異なります。 9 売主の瑕疵担保責任について、引渡しから3か月間責任を負う旨の特約を定めた場合、その内 容を 37 条書面に記載する必要はありますか。 9 はい、記載する必要があります。瑕疵担保責任についての定めがあるときは、その内容を記載 しなければなりません。35 条書面には、この特約の内容を記載する必要がない点も重要です。 10 では、37 条書面の任意的記載事項のうち、貸借の媒介・代理において記載が不要な事項は? 10 8つの任意的記載事項のうち、⑤住宅ローンのあっせんに関する定めがあるときは、そのあっ せんが成立しないときの措置、⑥瑕疵担保責任についての定めがあるときは、その内容、⑦瑕 疵担保責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置について定めがあるとき は、その内容、⑧租税公課の負担に関する定めがあるときは、その内容、以上4つの事項です。

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17 第 10 章 8種制限 1 第 10 章 8種制限 1 1 8種制限の適用場面は? 1 宅建業者が自ら売主となり、宅建業者でない買主と宅地・建物の売買契約を締結する場合です。 2 では、媒介・代理業者を介して売買契約をする場合には、売主である宅建業者には、8種制限 の適用はないのでしょうか。 2 その場合でも適用があります。媒介・代理業者が介する場合でも、宅建業者は売主であること に変わりはありません。ですから、宅建業者でない買主と宅地・建物の売買契約を締結するの であれば、8種制限の適用があります。 第 10 章 8種制限 2 第 10 章 8種制限 2 3 自ら売主である宅建業者と宅地・建物の売買契約を締結した宅建業者でない買主は、自己都合 で買受けの申込みの撤回や契約の解除ができます。これを何といいますか。 3 クーリング・オフといいます。 4 では、例外的に、宅建業者でない買主がクーリング・オフできなくなる場合は? 4 ①宅建業者の事務所のように落ち着いて申込みや契約の締結ができる場所で、申込みや契約を 締結した場合は、クーリング・オフができません。②喫茶店のようにクーリング・オフができ る場所で、申込みや契約の締結をした場合であっても、クーリング・オフについて書面で告げ られた日から起算して8日を経過したときは、クーリング・オフができません。③また、引渡 しを受け、かつ代金全額を支払った場合も、クーリング・オフができません。 5 では、①のクーリング・オフができなくなる場所とは? 5 (ア)宅建業者の事務所、(イ)専任の宅建士の設置義務のある土地に定着した案内所等、(ウ) 買主から申し出た買主の自宅や勤務先です。 6 (ア)と(イ)の事務所や案内所等について伺います。その事務所や案内所等は、売主業者の 設置した事務所や案内所等に限定されますか。 6 いいえ、媒介・代理業者の事務所や案内所等で申込みや契約の締結をした場合も、クーリング・ オフできません。ただし、媒介や代理の依頼を受けていない、単に売主業者の知り合いの宅建 業者の事務所や案内所で申込みや契約の締結をした場合は、クーリング・オフが可能です。 7 (イ)の案内所等について伺います。たまたま専任の宅建士が不在のときに、申込みをした場 合はクーリング・オフが可能ですか。 7 クーリング・オフはできません。あくまでも、専任の宅建士の設置義務のある案内所等です。 つまり、契約行為を予定している案内所等という意味です。このような案内所等で申込みをす ると、たままた専任の宅建士が不在であっても、クーリング・オフはできなくなります。 8 では、テント張りの案内所で申し込んだ場合はどうですか。 8 クーリング・オフできます。土地に定着した案内所ではないからです。あくまでも、クーリン グ・オフできなくなる案内所等とは、「専任の宅建士の設置義務のある」「土地に定着した」案 内所等です。 9 では、②のクーリング・オフができなくなる期限について伺います。クーリング・オフについ て口頭で告げられた日から起算して8日経過してもクーリング・オフは可能ですか。 9 可能で。書面で告知されない限り、8日の起算が始まりません。 10 では、書面で告げられた日から8日経過するまでは、クーリング・オフできますか。 10 いいえ、書面で告げられた日から8日目は、書面で告げられた日から起算すると9日目になる からです。あくまでも、書面で告げられた日から「起算して」8日経過するまでしか、クーリ ング・オフはできません。

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18 11 では、③の引渡と代金支払いについて伺います。引渡しを受け、代金の一部を支払ったにすぎ ない場合は、クーリング・オフは可能ですか。 11 可能です。クーリング・オフできなくなるのは、引渡しを受けた、かつ、代金全額を支払った 場合です。 12 では、クーリング・オフの方法について伺います。クーリング・オフをする場合の方法と効果 は? 12 必ず、書面で行わなければなりません。民法では、意思表示は相手方に到達した時点で効力が 生ずるとしていますが、クーリング・オフでは、例外的に、書面を発した時に、クーリング・ オフの効力が生じます。また、クーリング・オフをしても、お金は一切取られませんし、係り ません。ですから、宅建業者は、クーリング・オフした買主等に対し、損害賠償や違約金の請 求はできませんし、受領済みの手付金等の変換を拒否することはできません。 第 10 章 8種制限 3 第 10 章 8種制限 3 13 保全措置の対象となる手付金等とは、いつからいつまでの間に支払われる金銭をいいますか。 13 契約締結時から引渡し前までに支払われる金銭をいいます。 14 では、契約締結前に支払われる申込証拠金は手付金等ではないのでしょうか。 14 はい。契約締結前に支払われる申込証拠金は、手付金等ではありません。ですから、受領する 際には、保全措置を講ずる必要はありません。しかし、契約締結後、代金に充当されると手付 金等と扱われるため、保全措置の対象となります。 15 保全措置が不要な場合は? 15 まず、買主が所有権の登記、すなわち所有権保存登記または所有権移転登記を備えた場合は、 宅建業者は保全措置を講ずる必要がありません。次に、受領しようとする手付金等の額が一定 額以下のときも、保全措置を講じることなく受領できます。 16 では、保全措置を講じる必要のない一定額以下とは? 16 未完成物件の場合は、代金の5%の額と 1,000 万円を比較して、低い方の額以下であれば、保 全措置を講ずることなく受領することができます。完成物件の場合は、代金の 10%の額と 1,000 万円を比較して、低い方の額以下であれば、保全措置を講ずることなく受領することができま す。 17 未完成物件か完成物件かは、いつの時点を基準に判断しますか。 17 売買契約締結時を基準に判断します。ですから、たとえば、契約締結後、中間金を受け取る時 点で、完成していたとしても、未完成物件として、保全措置が必要な額を判断することになり ます。 18 では、たとえば、手付金は、保全措置の必要のない額であったため、保全措置を講じずに受領 しました。その後、受領する中間金も、保全措置の必要のない額であるときは、保全措置を講 じずに受領することができますか。 18 保全措置を講じなければならない場合もあれば、不要な場合もあります。保全措置を講じずに すでに受領している手付金と、これから受領しようとしている中間金の合計額が、保全措置が 必要な額になるときは、手付金と中間金の合計額について保全措置を講じてからでなければ、 中間金を受領することができません。 19 完成物件の保全の方法は? 19 ①銀行等との保証委託契約(保証)、②保険事業者と保証保険契約(保険)、③指定保管機関と の手付金等寄託契約(保管)の3種類あります。 20 では、未完成物件の保全の方法は? 20 完成物件の場合の③指定保管機関との手付金等寄託契約の方法は使えません。

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19 第 10 章 8種制限 4 第 10 章 8種制限 4 21 宅建業者が、自ら売主となり、宅建業者でない買主と宅地・建物の売買契約を締結する際に授 受される「手付」の額に制限はありますか。 21 はい。代金の2割までという制限があります。 22 では、代金の2割を超える手付を宅建業者が受領した場合、その手付はすべて無効になります か。 22 いいえ。代金の2割を超える部分が無効となります。ですから、手付として扱われるのは、代 金の2割まで、それを超える部分は、買主に返還する必要があります。 23 では、代金の2割を超える手付は、保全措置を講じても受領できないのですか。 23 はい、受領できません。保全措置の要否を問う問題に見せかけて、実は手付額の制限を問うて いる出題が過去に何度か出題されています。保全措置の問題を解く際は、「手付金」については、 必ず代金の2割を超えていないかどうかをチェックする必要があります。 24 中間金や内金などには、額の制限はないのでしょうか。 24 ありません。あくまでも、代金の額の2割までという制限があるのは、「手付金」だけです。 25 手付には、①契約を締結したことを証明する性質を有する証約手付、②買主が約束違反を犯し たときはペナルティーとして没収するという性質を有する違約手付、③売主・買主が同額を損 すれば自己都合で契約を解除できるという性質を有する解約手付があります。では、宅建業者 が、自ら売主となり、宅建業者でない買主と宅地・建物の売買契約を締結する際に授受される 「手付」が、必ず有する性質はどれですか。 25 ③の解約手付としての性質です。たとえば、当事者が②の違約手付と定めている場合であって も、違約手付としての性質とともに解約手付としての性質を必ず有することになります。 第 10 章 8種制限 5 第 10 章 8種制限 5 26 自己の所有に属しない物件の契約制限には、①他人物であるため自己の所有に属しない場合と ②未完成であるためまだ所有権が発生していないことにより自己の所有に属しない場合に分 けて考える必要があります。では、宅建業者が、自ら売主となり、宅建業者でない買主と、他 人物売買ができるのはどのような場合ですか。 26 現在の所有者と売買契約や売買の予約契約を締結しているときは、宅建業者でない買主と他人 物売買契約を締結できます。ただし、現在の所有者と停止条件付きの売買契約を締結している 場合は、条件が成就するまでは、宅建業者でない買主と他人物売買契約を締結することができ ません。 27 現在の所有者との間に売買契約や売買の予約契約があれば、宅建業者が所有権移転登記を受け ていなくても、引渡しを受けていなくても、代金を支払っていなくても、宅建業者でない買主 と、他人物売買契約ができますか。 27 はい、できます。現在の所有者と売買契約や売買の予約契約を締結してさえいれば、宅建業者 でない買主と他人物売買契約を締結できます。宅建業者が、登記を受けているか否か、引渡し を受けているか否か、代金を支払っているか否かは、関係ありません。 28 では、未完成物件を宅建業者が自ら売主として、宅建業者でない買主と売買契約をするために は何が必要ですか。 28 まず、開発許可や建築確認を受けている必要があります(契約締結時期の制限)。その上で、手 付金等の保全措置を講じていれば、宅建業者でない買主との間で売買契約が可能となります。 第 10 章 8種制限 6 第 10 章 8種制限 6 29 損害賠償額の予定や違約金の額に制限はありますか。 29 宅建業者が、自ら売主となり、宅建業者でない買主と宅地・建物の売買契約を締結する場合、 損害賠償額の予定や違約金の額に制限があります。「合算して」代金の2割までです。 30 では、代金の2割を超える約束をした場合は? 30 超える部分が無効です。

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