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ボリビアのウユニ塩湖畔における劣悪環境下でのキヌア栽培

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2018 年 5 月 28 日受理 連絡責任者:安井康夫(yasyas@kais.kyoto-u.ac.jp)

ボリビアのウユニ塩湖畔における劣悪環境下でのキヌア栽培

安井康夫

1)

・藤倉雄司

2)

・藤田泰成

3) 1)京都大学農学研究科(〒 606-8502 京都市左京区北白川追分町) 2)帯広畜産大学地域連携推進センター(〒 080-8555 北海道帯広市稲田町西 2 線 11) 3)国際農林水産業研究センター生物資源・利用領域(〒 305-8686 茨城県つくば市大わし 1-1) 要旨:キヌア(Chenopodium quinoa Willd.)はヒユ科に属するアンデス地方原産の擬穀類である.子実は 2-3 mm と比較的小さいものの,その高い栄養価が FAO(国連食糧農業機関)において高く評価されており,世界的に栽 培規模の拡大が進んでいる.さらにキヌアは優れた環境ストレス耐性を有しているため,イネやコムギなどの主 要作物の栽培が不可能な乾燥地や塩害土壌においても栽培可能であり,食糧安全保障の観点からも注目されてい る.我々は,キヌアの優れた栄養特性や環境適応性に関わるメカニズムの解明を目指して,世界に先駆けてキヌ アゲノムのドラフト配列を解読し,ゲノムデータベースを構築した.そして今回,ボリビアのウユニ塩湖畔で劣 悪環境下におけるキヌアの栽培方法の現地調査,および聞き取り調査を行うことができた.本資料では,現地で のキヌアの栽培管理,生産性,および育種目標について報告する.またラクダ科家畜リャマ(Lama glama)を用 いた耕畜連携とマメ科野生植物(Lupinus pubescens)などの土着遺伝資源を利用したキヌアの持続的生産への取り 組みについても報告する. キーワード:キヌア,ボリビア,ウユニ塩湖,耕畜連携,持続的生産

はじめに

キヌア(Chenopodium quinoa, 2n=4x=36)はヒユ科に属す る一年生植物で,子実が食用に利用される擬穀類である. その起原はアンデス地方とされており(Wilson 1988),現在 でも南米のアンデス諸国において広く栽培されている.日本 においてはなじみの少ない作物であったが , 藤倉らにより現 地における栽培や利用の方法が紹介された(藤倉ら 2007).

キヌアは耐乾性(Vacher 1998, Razzaghi et al. 2011),お よび耐霜性(Jacobsen et al. 2005)などの優れた環境適応 性を持つことから,チリの湿潤な海岸地帯からペルー,ボ リビアのアンデス高山地帯までの広い気候帯で栽培され, ま た 耐 塩 性 (Jacobsen and Mujica 2003, Hariadi et al. 2011, Yasui et al. 2016)にも優れているため,ボリビアのウユニ 塩湖周辺においても盛んに栽培されている.一方,キヌア は優れた栄養特性をもつことでも知られており,エネル ギー源となるデンプンと必須アミノ酸を網羅的に含む高品 質なタンパク質の含有量が高く,さらにミネラル類とビタ ミン類も幅広く含有する (Vega-Galvez et al. 2010).このよ うにキヌアは極めて高い環境適応性と栄養特性を有するた め,FAO から「世界の食糧安全保障に寄与する古来作物(an ancient crop to contribute to world food security)」とされ(FAO 2011),国連は 2013 年を国際キヌア年(International year of quinoa)に定めた.これを契機にキヌアは有用作物とし て広く知られるようになり,2015 年には国連加盟国数の ほぼ半数に相当する 95 カ国において栽培(試験栽培を含 む)されるまでに広がった(Bazile et al. 2016).こうして アンデスのマイナークロップから潜在的メジャークロップ と呼べるまでに生産規模が拡大したが(Bazile et al. 2016), その遺伝育種学的研究は進んでいなかった.そこで我々を 中心とする日本の研究グループは京都大学で 20 年以上維 持されてきたキヌアの自殖系統(Kd 系統)を材料として, 世界に先駆けてドラフトゲノム解読を完成し,ゲノムデー タ ベ ー ス(Quinoa Genome DataBase, QGDB; http://quinoa. kazusa.or.jp)を公開した(Yasui et al. 2016).その後にサウ ジアラビア(Jarvis et al. 2017),中国(Zou et al. 2017)の 研究グループから相次いでキヌアのゲノム解読結果が公開 され,遺伝学的研究基盤が一気に整備された.これらのツー ルを利用すれば,既存の品種や育種母本の遺伝子型をゲノ ム ワ イ ド で 決 定 で き る 状 況 と な っ た(Jarvis et al. 2017, Zhang et al. 2017).今後,品種を育成するためにはキヌア の栽培体系と農業形質の評価体系を構築する必要がある. そのためには,まず,原産国であるアンデス諸国でのキヌ ア栽培の現状を実地に学びたいと考え,2017 年 2 月 18 日 から 28 日までの 10 日間にわたって,キヌアの主要生産国 であるボリビアおよびペルーにおいて,キヌア研究に関わ る情報収集とキヌアの栽培状況の現地調査を行なった.こ の調査において,ボリビアでは PROINPA(Fundación para la Promoción e Investigación de Productos Andinos, アンデス 製品の推進のための調査研究財団)の協力を得て,ウユニ 塩湖周辺の過酷な環境下でのキヌアの栽培を実際に観察 し,聞き取り調査を行うことができた.本資料ではウユニ 塩湖周辺でのキヌアの栽培の様子と PROINPA の活動を紹 介する.

短 報

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調査隊の構成

JIRCAS の藤田泰成を隊長とし,藤倉雄司(帯広畜産大 学),安井康夫(京都大学)が隊員として日本から参加した. これまでに藤田は植物の環境ストレス耐性に関わる分子遺 伝学的研究を,藤倉はキヌアおよびその近縁種であるカニ ワ(C. pallidicaule)の栽培に関わる作物学的研究を,安井 は未利用植物に関わる遺伝学的研究を展開してきた.また 上述のようにボリビア側からは PROINPA の協力を得るこ とができた.PROINPA は研究と技術革新により,自然資 源の保全とその持続可能な利用のもと,食料安全保障や農 産物の競争力の強化,農村地域の貧困の削減を推進する財 団である.当財団から Alejandro Bonifacio 氏,Raul Saravia 氏,Genaro Aroni 氏が参加し,計 6 人の調査隊となった(第 1 図). 第 1 図 ウユニのキヌア調査隊の隊員 左から,Bonifacio 氏(PROINPA),藤倉(帯広畜産大学),藤田 隊長(JIRCAS),Saravia 氏 , Aroni 氏,安井(京都大学)

ボリビアでのキヌア栽培の概要

2013 年の国際キヌア年の影響を受けて,5 万 ha 程度で あったキヌアの栽培面積が一時的に 15 万 ha 程度まで増加 した.しかし,2017 年では 10 万 ha 程度まで減少したと のことである.国際キヌア年を機にウユニ周辺では,それ まで農耕地として利用されていなかった土地がキヌア栽培 のために新たに開墾された.このような本来農耕に向かな い土地では,キヌアの栽培により土壌エロージョン(浸食) の問題が深刻化している.また,最近では雨期にこれまで になかった豪雨がみられたり,干ばつが続いたりするなど, 気候変動により降雨が安定しないためにエロージョンが生 じ や す い 状 況 に な っ て い る と の こ と で あ る. そ こ で PROINPA とウユニの地域コミュニティが共同し,①地域 の農民の食の安全保障,②農村地域の持続的な農業の確立 およびコミュニティの維持,③土着の植物利用によるエ ロージョン防止を推進している.

ウユニのキヌア圃場での調査

1)ウユニの気候とキヌア栽培の概要 ウユニ(標高約 3800 m)は,首都ラパスの南方 400 km 程度に位置しており,世界的に有名なウユニ塩湖の湖畔に 位置する.ウユニにおける年平均降水量は 201.2 mm,平 均気温は 7.7℃であり,降雨は雨季の 10 月から 3 月に集中 する(第 2 図).今回,我々は 2017 年 2 月 22 日にウユニ 湖畔東部にある PROINPA のキヌア圃場を訪れた.圃場面 積は 6 ha ほどであり,さまざまな区を設定した栽培試験 が行われていた.今回調査した区画の栽培概要は以下の通 りである. ・耕起:2016 年 1 月∼ 2 月 ・播種時期:2016 年 9 月 ・栽培品種:Real Blanca,Pandela ・播種密度:畝間 100 cm,株間 80 cm  (一か所に 50 ∼ 100 粒程度を播種) ・播種深度:約 15 cm ・収穫:2017 年 3 月∼ 4 月(予定) ・収量:600 kg/ha(予定) 㝆Ỉ㔞㸦PP㸧 Ẽ 㸦Υ㸧                   㸯᭶ 㸰᭶ 㸱᭶ 㸲᭶ 㸳᭶ 㸴᭶ 㸵᭶ 㸶᭶ 㸷᭶ ᭶ ᭶ ᭶ 㝆Ỉ㔞 Ẽ  第 2 図 ウユニの月別平均気温と降水量 ウユニの 2001 年から 2011 年までの月ごとの平均気温を折れ線グ ラフで示し,平均降水量を棒グラフで示す.Sieland 2014(Table B-3)のデータより作成した. 2)ウユニ圃場での栽培管理体系 耕起は毎年 1 月から 2 月に行われ,播種は 9 月末,収穫 は翌年の 3 月から 4 月頃である.すなわち,栽培期間はほ ぼ半年で,耕起から収穫までは 1 年を超える長い期間が必 要となる.また区画の緩衝地帯にはエロージョン防止に向 けた野生の灌木を用いた緑地帯が設けられていた.我々が 調査した区画の畝間は 120 cm,播種間隔は 90 cm 程度であ り,播種深度は 15 cm 程度と深かった.伝統的にこの地域 では一カ所に多数の種子を播種するとのことであり,調査 区画においても一カ所に 50 ∼ 100 粒程度が播種され,各播 種地点から複数の植物体が生育していた(第 3 図).20 ヶ 所の播種地点を調べたところ,播種地点あたり 14.9 ± 2.4 個体の植物体が育っていた.この地域は砂質土壌の乾燥地

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であり,畑の表層は鳥取砂丘を彷彿とする乾いた砂になっ ている.しかし 30-40 cm 程度の深さまで穴を掘ると砂に強 い湿り気が見られた(第 4 図).おそらく播種深度を深くし なければ,発芽に必要な水分を与えることができないので あろう.播種深度が深いので,地上部で子葉が展開できる までに胚軸を伸長させることが難しくなると思われる.この ため多数の種子を播種することにより各播種地点での発芽 数を確保しているように思えた.また,地上部まで育たな かった植物体が栄養分となり,生存個体の初期成長を助長 している可能性もある . 今後,播種からの育成を詳細に観察 することにより,この地域での砂質土壌の特性を生かした 伝統的農法の合理性を科学的に説明できると考えている. 第 3 図 複数播種によるキヌアの育成 この地域では伝統的に 1 カ所に多数(50-100 粒)の種子を播種す るため,1 地点から複数のキヌアが育つ. 第 4 図 PROINPA ウユニ圃場の砂質土壌と藤田隊長 砂質のために素手で簡単に畑に穴を掘ることができる.30-40 cm ほど掘り下げると砂が強い湿気を伴った.拡大写真では藤田隊長 の手が水分で濡れていることが分かる. 3)ウユニ圃場のキヌア品種 アンデス高地で育成される大粒子実を着生する品種群は レアルと呼ばれており,この区画ではレアル品種群に属す る Real Blanca 品種と Pandela 品種が別々に育成されていた (第 5 図).貧弱に見える砂質土壌の乾燥地において,キヌ アが立派な穂をつけている光景には,一同大いに感銘を受 けた.両品種の穂軸には,花序が長い Amantiforme 型と花 序が短い Gromertada 型が見られた(第 6 図).Gromertada 型は Amantiforme 型に比べて,霰や雹の被害が少なく,穂 軸が短いために収穫が容易となり,また小花が密であるた めに昆虫による食害を物理的に受けにくいなどの利点があ る と の こ と で あ る. こ の た め,Gromertada 型 の 形 質 は PROINPA での育種プログラムの対象とされている.また 害虫対策としては,フェロモン誘因による補虫が実施され ていた.よく探してみると,キヌアの穂の奥深くに潜り込 んでいる蛾の幼虫などが見られることもあったが,葉も含 め,外からの目視でわかるほどの虫害・病害は,ほぼ確認 できなかった.温暖湿潤な日本に比べて,虫害・病害は圧 倒的に少ないと思われる.

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第 5 図 PROINPA ウユニ圃場で見られたキヌア品種 左手の赤い穂色のキヌアが Pandela 品種,右手の黄∼緑の穂色の キヌアが Real Blanca 品種. 第 6 図 キヌアの穂軸の形態 拡大図の左手が Gromertada 型,右手が Amantiforme 型のキヌア. 品種は Real Blanca. 4)ウユニ圃場の生産性 ウユニ地域のキヌア収量は 500 kg/ha とされているが, 試験地では 600 kg/ha 程度と見込まれている.リャマの糞 とキヌアの収穫残渣を投入した試験区画のキヌアの生育 は,顕著によい傾向がみられ,この区では,1,200 kg/ha 程 度の収穫が見込まれるとの説明があった.ただし安定した

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栽培は難しく,特に発芽は降雨量に大きく左右されるとの ことである.実際に調査区画より 2 週間ほど遅く播種され た区画では区画全体で発芽がみられず,収穫がほぼ見込め ない状況であった(第 7 図).現在ではキヌアの栽培に 6 ヶ 月程度の長い期間が必要であるために追播が難しいとのこ とである.また栽培期間の短縮は雹や霰などの気象被害を 緩和できるとも考えられており,現地では早生品種の育成 が強く望まれている. 第 7 図 発芽に失敗した区画のキヌア

ウユニの圃場休閑地

ウユニ湖畔では,塩害,干ばつおよび低温などにより, キヌア以外のジャガイモなどの作物は基本的に栽培でき ず,輪作が不可能である.キヌア圃場の表土を維持し(エ ロージョン防止),緑肥やリャマの餌としても利用するた めに,ウユニ湖周辺に自生するマメ科 Lupinus 属の野生種 (L. pubescens)が休閑地に栽培されていた(図 8).発芽を 促すために,キヌア収穫前の雨季のうちに圃場の畝間に L. pubescens が播種されるとのことであった.L. pubescens が青く美しい花を咲かせることから,休閑地を観光資源と しても利用できる可能性が考えられた. 第 8 図 ウユニの休閑地の L. pubescens

おわりに

ボリビアでの劣悪な環境における持続的なキヌア栽培に はリャマを用いた耕畜連携による生産向上,および野生種 を利用したエロージョンの防止が不可欠であると思われ た.キヌアのゲノム配列が解読されたことから,現地で求 められている Gromertada 型形質やわせ(早生)形質を有 した品種が効率よく作出されていくと考えられる.これと 同時にキヌアを取り巻く生物の遺伝資源を整備,運用する ことが重要となるであろう.土着の有用作物とこれを取り 巻く遺伝資源を包括利用した劣悪環境の克服と持続的生産 の試みは,世界各地でも実施可能であろう.ボリビアでの 試みは今後に起こり得る食糧問題解決への試金石になると 期待できる.

謝辞

現 地 調 査 に ご 協 力 頂 い た ボ リ ビ ア PROINPA 財 団 の Alejandro Bonifacio 氏,Raul Saravia 氏 ,Genaro Aroni 氏 , お よび本原稿を校正頂いた豊島真実氏(JIRCAS)に感謝の 意を表する . なお,本調査研究は JIRCAS 運営交付金の助 成により行なわれたものである .

引用 文献

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ス高地の雑穀 - キヌアとカニワ -, アンデス高地 山本 紀夫編,京都大学学術出版会,京都.155-181.

Quinoa Cultivation in a Harsh Field Neighboring the Salt Flats of Uyuni in Bolivia

Yasuo Yasui1), Yuji Toukura2), Yasunari Fujita3)

1) Graduate School of Agriculture, Kyoto University (Oiwake-cho, Sakyo-ku, Kyoto 606-8502, Japan)

2) Center for Regional Collaboration in Research and Education, Obihiro University of Agriculture & Veterinary Medicine (Inada-cho, Obihiro, Hokkaido 080-8555, Japan)

3) Biological Resources and Post-harvest Division, Japan International Research Center for Agricultural Sciences JIRCAS (Ohwashi, Tsukuba, Ibaraki 305-8686, Japan)

Summary:Quinoa (Chenopodium quinoa Willd.), a member of the Amaranthaceae family, is a pseudo-cereal crop that originated from the Andean region of South America. Although the seed grain is relatively small (2-3 mm in diameter), the Food and Agriculture Organization of the United Nations (FAO) has classifi ed quinoa as a food of high nutritive value, and the harvested area of this crop is expanding rapidly globally. In addition to its excellent nutritional profi le, quinoa plants are able to tolerate stressful environments and can thrive in arid and salty soils that would not support the growth of major crops such as rice and wheat; therefore it is considered an important crop with the potential to contribute to food security worldwide. Recently, with the aim of understanding the mechanisms underlying the superior nutritional characteristics and environmental adaptability of quinoa, we determined the fi rst draft genome sequence of quinoa and then provided the open access Quinoa Genome DataBase (QGDB; http://quinoa.kazusa.or.jp). Subsequently, we conducted field investigations and interviews to learn about the quinoa cultivation system used in an arid field around the salt flats of Uyuni in Bolivia. In this paper, we describe the cultivation management and productivity of quinoa, and list phenotypic traits that are targeted in quinoa breeding programs in the Uyuni region. We also report on an integrated crop-livestock system with llama (Lama glama) seen in this region, and effective utilization of indigenous genetic resources such as a wild legume, Lupinus pubescens, for sustainable production of quinoa.

Key Words:Chenopodium quinoa, Bolivia, salt fl ats of Uyuni, crop-livestock integrated farming system, sustainable production Journal of Crop Research 63: 25-29 (2018) Correspondence: Yasuo Yasui (yasyas@kais.kyoto-u.ac.jp)

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