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30 経営学論集第 84 集 統一論題サブテーマ 2 危機の時代の企業経営 日本企業の危機と株主価値志向経営 日本的経営の解体と再生をめぐって 創価大学國島弘行 キーワード 株主価値 (shareholder value), 市民価値 (civic value), 投資ファンド (investmen

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【経営学論集第 84 集】統一論題 サブテーマ② 危機の時代の企業経営

1.はじめに

 株主価値としての株価という「鉄の檻」の中 で,経営者は,今や「精神なき専門人」に成り 果て,働く人々を使い捨てすべきとする「精神 なき」雇用,そして「思い」が宿らない「精神 なき」製品やサービスを氾濫させている。所有 権に基づく市場契約に埋め込まれた社会は,企 業を株主価値志向経営に追い込み,リスクを暴 走させることで利益を生む「リスク社会」を生 み出している。今日,何のため,誰のための 「社会と企業」かが問われ,人権を持った「生 きた人間」である「市民」が生活する市民社会 に埋め込まれた所有権と市場契約,すなわち市 民価値志向の企業経営のあり方が検討されるべ き段階に来ている。

2 .「思い」が宿らない



「精神なき」製品やサービス

2 ─1.低価格競争と「脱安売り製品」  エレクトロニクス業界を中心に,モジュール 化や組合せ型化によりコモディティ化が広が り,その結果として低価格競争に陥っていると 言われている。日本企業は,低価格競争を克服 すべく高付加価値化を志向しながらも,低価格 競争に巻き込まれている。しかし,「価格が高 いにもかかわらずユーザーに支持されている 『脱安売り製品』」(大森・根津 2012,12 頁)も 見ることができる。  『日経エレクトロニクス』特集「脱安売りの 極意」は,「安物しか売れない」と思われてい たコモディティ化分野で「飛び抜けた魅力」と 「従来の数倍という価格」でヒットし,分野全 体の平均単価を押し上げた製品群が登場し,そ

日本企業の危機と株主価値志向経営

─ 日本的経営の解体と再生をめぐって ─

創価大学 國 島 弘 行 【キーワード 】 株主価値(shareholder value),市民価値(civic value),投資ファンド(investment   fund),外国人投資家(foreign  investor),企業統治(corporate governance) 【要約】1990 年代後半以後,1980 年代型アメリカ的経営モデルの導入は,日本企業の製品開発力,競争 力,雇用力を衰退させた。日米政府は,生きた人間を無視し,財産・所有権を絶対視する新自由主義的 立場での「資本と労働のグローバルな流動化」を,日本の経営に組み込んだ。その結果,投資ファンド を中心とする外国人投資家は,所有比率,さらに売買比率を急増させた。日本の大企業は,株価下落に よって敵対的買収の標的になることからの防衛として,短期的視点での株価上昇を追求する株主価値志 向経営に陥ることになった。それは,労働条件を大きく引き下げ,設備・研究開発投資の削減・抑制ま でもたらし,内部留保と,配当や自社株買いによる株主還元とを激増させた。旧制度学派経営学等が強 調してきたように,市民社会を構成する一つの制度として企業を捉え直し,株主価値志向経営から市民 価値志向経営へ転換することが,今日求められている

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のような製品群には「製品に込めた思いが明確 であること」が共通していると指摘する(同上 論文,30 頁)。英 Dyson 社のサイクロン掃除機 には「吸引力が落ちない」,羽根のない扇風機 「エアマルチプライアー」には「ムラのないス ムーズな風」,米 iRobot 社のロボット掃除機 「ルンバ」には「人を単純作業から解放した い」,バルミューダの扇風機「GreenFan2」に は「 心 地 よ い 自 然 の 風 を 再 現 し た い 」, 米 Tivoli Audio 社のラジオ「Model One」には 「良質な音」という思いが込められている。こ のような製品は,「ユーザーのどんな問題を解 決したいかという開発者の思いが明確」であ り,「『ユーザーにこれを届けたい』という思 い」に基づいて機能が開発され,機能を追求し た結果として「利用シーンを実現するためのデ ザイン」が開発されている。したがって,「高 価格に見えるのは,あくまで結果でしかない。 実際には適正な価格を付けているだけである。」 と指摘される(同上論文,30~33 頁)。つまり, 商品における「使用価値」を問うことを出発点 とし,新しい市場を生み出し,脱安売りを可能 にしている。  「高い価格で売りたい」という「交換価値」 を目的とし,ユーザーの「使用価値」を無視し た,差別化のための「高級家電」や,見た目だ けの「デザイン家電」は失敗を余儀なくされて いるという。とくに,高い価格を付けたいがた めの高付加価値化戦略の下での高機能競争は, いずれ他社が追随することになり,価格競争を 招くことになっている。  さらに,流通も問題である。在庫リスクを負 担する量販店(カテゴリーキラー)への販路の 依存は出荷額全体の 6~7 割を占めている。こ れにより,価格の主導権は量販店に移行し,さ らに量販店間やインターネット通販との価格競 争によって値崩れをもたらし,メーカーの収益 が圧迫される。また,「量販店の店員を飽きさ せないため」に,必要性を無視して,頻繁にモ デルチェンジされていると指摘される(同上論 文,47 頁)。量販店のターゲットである「価格 重視型」の顧客に製品開発も引きずられ,社会 的ニーズを掘り起こすことができていないので ある。 2 ─ 2.1980 年代の日本企業の製品開発力と その解体  日本エレクトロニクス企業は,1970 年代プ ロセスイノベーションで優位性を持っただけで なく,1980 年代プロダクトイノベーションで も主導権を持ち,日本が開発したエレクトロニ クス製品が相次いで登場し,ソニーの携帯型プ レーヤー「ウォークマン」,8 ミリ VTR・ハン ディカム,CD,VHS  ビデオ,DVD,インク ジェットプリンター,オートフォーカスカメ ラ,富士フィルムのレンズ付きフィルム「写ル ンです」等が世界を席巻した。  表 1 に見るように,1980 年代研究開発のプ ロジェクトの発生源は,日本企業では開発部門 以外の製造部門や顧客から得られる比率が高 く,とくに電気機械(エレクトロニクス)では 顧客が日本 27%,米国比で 26 ポイント高く, 自動車等では製造現場が日本 26%,米国比で 14 ポイント高かった。日本のエレクトロニク ス企業の競争力には,営業や製造,さらには販 売店や下請の現場によって自律的に問題を把 握・提案し,顧客への「思い」を製品にまで反 映する仕組みがあった。それは,企業集団内の 株式持ち合い,終身雇用,下請企業との長期取 引等による資本・労働・取引の固定化に基づ く,大企業・会社本位主義ではあったが,長期 信頼関係と現場主義を基礎にしていた。  他方で,1980 年代アメリカのエレクトロニ クス等多くの大企業は,LBO による敵対的買 収を特徴とする第 4 次 M&A ブームでの買収 や そ の 圧 力 の な か,『Made in America』 (Dertouzos etc. 1989 訳書 1990)が指摘したよう に,株主価値志向経営,短期的視野,人的資源 の軽視等を強め,従業員から企業との信頼関係 や顧客への思いを奪い,事業を衰退させた。被

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【経営学論集第 84 集】統一論題 サブテーマ② 危機の時代の企業経営 買収企業での買収資金の返済と,買収防衛のた めに株価上昇をもたらす配当や自社株買いとの 資金捻出は,事業・人員整理,長期雇用解体, 設備や研究開発軽視,EMS や量販店への依存 による短期的視点でキャシュフローを拡大する コスト削減経営と株主価値志向経営をもたらし た。  1990 年代後半以後の日本のエレクトロニク ス企業も,1980 年代のアメリカ型経営モデル の導入によって,短期的投機資本へ従属し,株 主価値志向で短期的視野の経営を強め,日本的 経営の企業内外での長期的信頼関係を破壊し た。同時に,もう一つの日本的経営であった大 企業・会社本位主義は,株主価値志向経営と合 流することで,雇用や取引における長期的信頼 関係を解体し,働く人々や下請・中小企業の使 い捨てと所得低下をもたらしている。そこで は,利益の V 字回復のための赤字事業整理と いう長期的視野がない「選択と集中」,非正規 の不安定就業層拡大,正社員の人員数や権限の 削減,成果主義による組織協働能力低下,信頼 関係のない疲弊した「不機嫌な職場」を生み出 し,多くの業種で営業や製造での現場提案力と 仕事への誇りを衰退させた。さらに,量販店依 存やオフショアリングにより,地域に密着した 販売店や下請企業は,企業・雇用数も事業提案 力も衰退することになった。

3 .外国人投機的投資家の拡大と



株主価値志向経営

3 ─1.アメリカに向かって走る日本企業の経営  宮内義彦氏は,日本企業の経営課題を「アメ リカに向かって走れ」(宮内,2001)であると主 張した。『2002 年日米投資イニシアティブ報告 書』は,「80 年代前半のスタグフレーションの 困難の中で,これまでの長期雇用システムや大 企業組織を解体させ,規制緩和などの構造改革 を推進させ」(23 頁)た「米国経済・事業モデ ル」と「米国の優れた経営手法」の日本への適 用を,「日本経済の再生のために刺激を与えて いる」と賛美し,1990 年代後半からの,企業, 雇用,土地,会計,司法等の法制度改正が「投 資家により多くの機会を創出してきた」(9 頁) 表 1 日米企業の研究開発プロジェクトの発生源 (構成比:%) 産業/国 研究・開発部門 マーケティング部門 製造部門 顧客 化学 日本 49 23 15 3 アメリカ 45 25 14 8 電気機械 日本 47 21 5 27 アメリカ 90 7 1 1 一般機械 日本 44 22 11 20 アメリカ 56 21 4 18 自動車,機械器具,金属 日本 48 8 26 13 アメリカ 51 25 12 11 合計 日本 47 18 15 15 アメリカ 58 21 9 9 (備考)1.  Mansfield, E. “Industrial R&D in Japan and the United States : A Comparative Study”  American Economic Review, May 1988, 78 により作成。     2.  調査企業はアメリカ企業 65 社,日本企業 35 社。 (資料)経済企画庁『平成 2 年年次経済報告』1990 年。

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と評価した。つまり,バブル崩壊後の深刻な不 況,とくに 1997 年銀行危機を利用して,1980 年アメリカで行われたように,欧米の投資銀行 や投資ファンドが,敵対的買収や証券化によっ て,翼下の買収・メザニン・不動産・ヘッジフ ァンドを連携させ,事業や企業を買収し,事業 縮小や従業員解雇後に再上場,転売,仲介等 で,あるいは事業や不動産の資産売却で金融利 得を得ることを可能にした。  アメリカ政府,とりわけその交渉機関である 米国通商代表部(USTR)は,1985 年日米構造 協議以後,1990 年「直接投資の開放性に関す る声明」,1996 年「M&A に関する対日投資声 明」等によって,「株主権の一層の尊重や株式 持ち合いの見直し」を行い,投資ファンドによ る敵対的買収を可能にする「新自由主義的構造 改革」を要求した。1996 年以後の「金融ビッ グバン」では,金融機関を政府が保護する 「『護送船団方式』からの脱却」による金融機関 整理・解体,「貯蓄から投資へ」による投資フ ァンドの自由化と活性化,外資とりわけ外貨建 国際短期資本のための「フリー,フェア,グロ ーバル」による海外投機資金の国内流出入,国 内外の多様な機関からの金融業界への参入自由 化がなされ,資本がグローバルに流動化するこ とが可能になった。  「対日年次改革要望書」第 2 回 1995 年,第 3 回 1996 年では,投資障壁を解体し,外国法人 の投資を規制緩和によって促進するために, 「対内直接投資」とりわけ敵対的買収を含む 「合併・買収(M&A)」,その際に不動産と雇用 の流動性を向上させる「土地及び施設の取得可 能性」と「雇用政策」を取り上げた。すなわ ち,投資ファンド等が,敵対的企業買収を自由 に行い,大量解雇や資産売却を行い,株式を上 昇させて売却するか,清算すること等で金融利 得を獲得できるように日本政府に求めた。とり わけ,「雇用政策」では,労働・雇用の流動化 を進めるための規制緩和として,民間職業紹介 業や労働者派遣の自由化,そして雇用の固定化 を促してきた日本の年金制度や退職金制度の見 直しを要求した。その後,1995 年経団連『新 時代の「日本的経営」』での財界の支持表明を 経て,1997 年職業紹介業の民間業者の参入や 手数料等の原則自由化等「職業安定法」改正, 2001 年「確定拠出年金制度」導入,「労働者派 遣法」改正では 1996 年専門性が高い特殊な 13 から 26 業務への拡大,1999 年禁止業務列挙の 原則自由化,2003 年製造業務解禁が行われ, 企業にとって自由な「労働の流動化」が著しく 進められた。アメリカでの第 4 次 M&A ブー ム期に形成された,投資ファンド等による金融 利得獲得モデルの日本への適用は進展すること になった。 3 ─ 2.国民生活の向上のための「日本的経営」 改革への盛田提案とその逆行  盛田昭夫ソニー会長(当時)は,日本企業に よる「集中豪雨的輸出」によって深刻化した 「貿易摩擦」を克服するため,国民生活の向上 による内需拡大策を提案し,従業員における労 働時間や給与水準等の労働条件,株主配当性 向,取引先との納期や納入価格等の取引条件, 地域社会への貢献を改善することを求めた(盛 田,1992)。しかし,永野 健経団連会長(当時) 等経団連主流派は,購買力でなくドルベースで 日本の賃金は世界一高いという論理によって, 国民生活に犠牲を求める大企業の輸出至上主義 の維持を主張した(永野,1992)。財界主流派 は,過剰な対米輸出を認めさせる代わりに,外 貨建国際短期資本移動等の資本と労働の自由 化・流動化を積極的に受け入れた。株主・財産 権主権のアメリカ的新自由主義は,大企業・会 社本位の日本的クローニー(縁故)資本主義の 身勝手さを利用し,金融・労働規制を緩和し, 資本と労働の流動化を新自由主義的に促進し た。

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【経営学論集第 84 集】統一論題 サブテーマ② 危機の時代の企業経営 3 ─ 3 .バブル崩壊以後の所有構造における 株式持ち合い後退と  外国人投資家の拡大  資本と労働がグローバルに流動化する経済構 造が整備される中,バブル崩壊による深刻な不 況,とりわけ 97 年銀行危機以後,日本企業の 所有構造は「第二の財閥解体」ともいうべき大 きな転換を迎えた。銀行危機などでの「株式持 ち合い解消」売りにより,安定株主である事業 法人と都市銀行等との株式市場における所有比 率は低下し,不安定株主としての外国人投資家 (外国の法律に基づき設立された外国法人等)や信 託銀行は急増した。東証『株式分布状況調査』 によれば,都銀・地銀は,1990 年 15.7%から 2012 年 3.8%へと,11.9 ポイント低下した。事 業法人等も,1987 年 30.3%から 2006 年 20.8% へと 9.5 ポイント低下した。企業集団の株式相 互持ち合いは,大和総研の調査によれば,1991 年 27.7%から 2009 年 6.5%へと急落し,銀行の 保有する持ち合い株は 1997 年度の 11.06%から 2003 年 3.74%に,事業会社の保有する持ち合 い 株 も 1991 年 度 14.57 % か ら 2008 年 度 に は 3.99%に低下した。  対して,外国人投資家は,1978 年 2.7%から 99 年 に は 18.6 % を 越 え,2012 年 28.0 % へ と 25.3 ポイント急増した。外国人投資家の株式所 有比率は,2006 年度には銀行と事業会社の総 計 25.3%を越えた。また,信託銀行も 1986 年 7.3%から 2002 年 21.4%へと所有比率と影響力 を拡大した。2001 年年金積立金の自主運用開 始を受けて,株式保管の代行業務(カストディ) やマスタートラスト(信託口)を大規模に行う 日本トラスティ・サービス信託銀行や日本マス タートラスト信託銀行等が 2000 年前後に設立 されることで,信託銀行は所有比率を拡大し た。この信託銀行に名義譲渡し,議決権を行使 する中核投資家といわれる国内の年金基金は, 運用目的が公共の利益から運用益となり,株主 議決権を本格的に行使し,経営者へのガバナン ス力を拡大した。しかも,信託銀行は,買収フ ァンドやヘッジファンド等の隠れ蓑になってい る場合もあるといわれる。  そのような株式所有の変化は,企業の所有権 としての会社支配権のグローバルな流動化をも たらし,「M&A 市場は,80 年代に米国で,90 年代後半に欧州で形成されたが,21 世紀に入 り日本も M&A 市場を形成しつつある」(企業 価値研究会 2005,23 頁)状況を生み出し,アメ リカ的企業統治構造をもたらした。 3 ─ 4.アメリカ的企業統治構造と 株主価値志向経営  外国人投資家は,日本全国の株式市場におけ る年間株式売買の委託内比率において 2012 年 に は 65.8 % を 占 め( 東 証『 投 資 部 門 別 売 買 状 況』),これまでにない影響力を持ってきてい る。外国人投資家の年間株式売買代金回転率 (年間取引額を時価総額で割ったもの)は,図 1 のように他の投資家と比べて圧倒的に高く, 2008 年には 403.9%まで引き上げた。結果とし て,図 2 のように東証全体の回転率を 1991 年 21%から 2008 年約 180%にまで上昇させ,ニ ューヨーク証券取引所との差をなくした。外国 人投資家の株式売買代金回転率の異常な高さ は,その大きな部分が,ヘッジファンド等の短 期・瞬時に金融市場を流動化するグローバルな 投機資本で構成されていることを示している。 外国人投資家増加に伴う株式の流動性の増大 は,経営者への支配権を不安定化し,株価下落 が敵対的買収を誘導する可能性を高め,敵対的 買収からの防衛のため株価上昇を企業に求め る。その結果,短期資本にヘゲモニーを握られ た株式市場が経営者を統治するアメリカ的株主 価値志向企業統治構造を定着させ,企業は投資 ファンドの標的になりにくい株主価値志向経営 を追求せざるを得なくなった。  図 2 のように,資本金十億円以上の大企業 (金融・保険業を除く)における従業員給与総額 は,1995 年に比較すると,2007 年度の全産業 では 77%に縮小し,とくに製造業では 2009 年

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度 66%に縮小し,正社員縮小,非正規不安定 就業者拡大,正社員を含め「日本だけ賃下げ」, 働く人々を理不尽に使い捨てる「ブラック企 業」の通常化という状況をもたらした。さら に,中小企業や自営業者の取引単価や所得水準 も大きく引き下げた。国税庁『民間給与実態統 計調査結果』において 2011 年を 1997 年と比較 すれば,1 年以上勤続の給与所得者の平均年間 給与額は 358 万円で 60 万円 15%減少した。給 与階級別では 200 万円以下が 1,069 万人で 255 万人増加し 31%,200~400 万円が 1,634 万人 で 218 万人増加し 15%,低い所得層が急増し た。 他 方 で 400~700 万 円 が 1,320 万 人 で 184 万人減少し 12%,700~900 万円が 291 万人で 126 万人減少し 30%,900~1,500 万円が 207 万 人で 114 万人 36%減少し,中間所得層の大幅 な縮小を見ることができる。他方,2,500 万円 超は 9 万人で 2 万人 32%(2009 年 12 万人 73%) 増加した。この層は,株式所有やストックオプ ションなどの他の所得も持つ。総務省『労働力 調査』によると 2013 年の雇用構造は,正規従 業員が 3,281 万人で 1994 年に比べて 524 万人 減少し,非正規従業員は 1,870 万人で雇用者割 合の 36.3%となり,899 万人 16 ポイント増加 した。総務省『就業構造基本調査』では,2012 年に非正規従業員は 2,043 万人で 38.2%になっ た。  それに対して,1995 年に比較して,株主配 当総額は 2006 年度の全産業で 418%,製造業 で 447%に増加し,役員報酬(給与と賞与の総 計)は 2005 年度全産業で 174%に増加した。 ま た, 内 部 留 保 総 額 は 2009 年 度 に は 257 兆 7,183 億円で 192%に増加した。投機的投資家 によるアメリカ型企業統治構造は,従業員や地 域等の生活を犠牲にし,事業を衰退させ,短期 的な株価を追求するために配当,役員報酬,内 450 (%) 400 350 300 250 200 150 100 50 0 2 0 0 3 2 0 0 4 2 0 0 5 2 0 0 6 2 0 0 7 2 0 0 8 2 0 0 9 2 0 1 0 2 0 1 1 2 0 1 2 外国法人等 個人・その他 投資信託 信託銀行 生・損保 都銀・地銀等 事業法人等 合計  (資料)東京証券取引所『株式分布状況調査』および『投資部門別売買状況』より筆者 が計算・作成。  (注)  事業法人等と都銀・地銀等は低率のため,重複してみえる。 図 1  投資家別売買代金回転率

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【経営学論集第 84 集】統一論題 サブテーマ② 危機の時代の企業経営 部留保を増加する株主価値志向経営をもたらし ている。  人員削減を含む総人件費の削減,仕入れ単価 の削減,国内での設備投資削減,研究開発投資 抑制により,内部留保や現預金での手元資金も 拡大し,自社株買いと配当等の「株主への還 元」も強めた。2006 年に施行された会社法で 配当は「利益の配当」から「剰余金の配当」へ と変更され,赤字での配当が増加し,配当性向 (赤字企業を除く日本:TOPIX 構成企業,米国: S&P500 構成企業)は 2008 年度以後ほとんどの 年でアメリカをうわまわっている(生命保険協 会 2013,18 頁)。1994 年に解禁された自社株買 いは,株式発行額を大きく越え,東京証券取引 所(一部・二部・マザーズ総計)2007 年は 4 兆 4,943 億円にまで至っている。2012 年度の自社 株買いと配当の合計額である「株主への還元」 は 5 兆 8,330 億円,純利益に占める比率は 68% となり,米国企業の株主配分額の利益に対する 比率約 8 割に迫ってきている(『日本経済新聞夕 刊』2012 年 4 月 10 日)。

4 .株主価値志向企業統治・経営から 

市民社会志向企業統治・経営へ

4 ─1.海外機関投資家による株主価値志向企 業統治・経営の要求  カルパース,ハーミーズを初めとする欧米と アジアの年金基金や投資ファンド運用会社等の 68 の海外有力機関投資家を会員とする非営利 団体である ACGA(Asian Corporate Governance  Association)は,『日本のコーポレート・ガバ ナ ン ス 白 書 2008 年 』 を ま と め た。 そ こ で, ACGA は,海外機関投資家の立場から日本企 業の企業統治について,第一部コーポレート・ ガバナンスの主要原則で「企業所有者としての 株主の明確化」,「資本の効率的活用」,「独立性 の高い経営監督」,第二部株主の権利と保護で 200 180 ニューヨーク証券取引所 東京証券取引所 160 140 120 100 80 60 40 20 0 (%) 1 9 9 2 1 9 9 0 1 9 9 4 1 9 9 8 1 9 9 6 2 0 0 0 2 0 0 2 2 0 0 4 2 0 0 6 2 0 0 8 2 0 1 0 2 0 1 2

 (資料)World Federation of Exchanges(WFE)DOMESTIC MARKET CAPITALIZATION お よ び T O T A L V A L U E O F S H A R E T R A D I N G (http://www.world-exchanges.org/statistics/time-series)より筆者計算・作成。  注:2008 年ニューヨーク証券取引所の売買代金回転率はリーマン・ショックの影響で

365%となり,図に入りきらない。

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「新株引受権」,「ポイズンピル(ライツプラ ン)」,「株主総会と議決権行使」について論点 整理と提案を行い,株主価値志向経営を強く要 求している。  「企業所有者としての株主の明確化」では, 日本の資本主義モデルは“ステークホルダー・ キャピタリズム”の一種であり,「経営者こそ すべてのステークホルダー(従業員,納入業者, 顧客,債権者,株主)の究極の調整人」とし, 「株主をコーポレート・ガバナンス構造の最高 位に置くという体系」を受け入れないという時 代遅れの現状認識が,日本では広く受け入れら れているという(ACGA, 2008, 11 頁)。しかし, この 20 年間で,「将来の大きなキャピタル・ゲ インの暗黙の約束と引き換えに,わずかな配当 所得や無配を黙って受け入れている」株主との 関係性は解体し,投資信託,個人投資家,国家 レベルの年金基金や個人年金基金の激増により 「株式の所有と機能」が変化していることから, 彼らのプロフェッショナルな代理人である投資 専門家(投資ファンド運営会社)による経営へ の介入を受け入れるべきとしている。日本国は 「株主が正当な法的,経済的権利を有する」「世 界的な金融システムの一部」であり,すべての 上場企業は「国際的ルールに従って業務を行な うよう義務づけられているはずである」。した がって,「“所有者としての株主”という包括的 な原則を明確に認める企業方針を進展,開示, 実施し,すべてのステークホルダーとの利益均 衡を図る」(同上書,14 頁)こと,すなわち投 資ファンドのための株主主権の下での,他のス テークホルダーとの利益調整原則が提案され 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 (%) 1 9 9 7年度 1 9 9 5年度 1 9 9 9年度 1 9 9 8年度 1 9 9 6年度 2 0 0 0年度 2 0 0 1年度 2 0 0 2年度 2 0 0 3年度 2 0 0 4年度 2 0 0 5年度 2 0 0 6年度 2 0 0 7年度 2 0 0 8年度 2 0 0 9年度 2 0 1 0年度 2 0 1 1年度 2 0 1 2年度 配当金額 役員賞与・給与 内部留保総計 従業員給与総額 図 3  株主価値志向経営の動向 〈資本金10億円以上の金融保険業を除く全産業(1995年を100%)〉  (資料)『法人企業統計調査 時系列データ』より筆者作成。  注1:新会社法(2006年施行)にともない,役員賞与は利益扱いでなく費用扱いになり, 2006年は不明値。  注2:内部留保総額は,資本準備金,その他資本剰余金,利益準備金,引当金(流動負債), 引当金(固定負債),特別法上の準備金,積立金,繰越利益剰余金の当期末額の総 計で算出。

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【経営学論集第 84 集】統一論題 サブテーマ② 危機の時代の企業経営 る。  「資本の効率的活用」では,日本の企業方針 は,特にバランスシートの肥大と,不適切な企 業買収と多角化戦略との 2 点で,「経営者は株 主価値の最大化を図らねばならない」という基 準を満たさないことが多いと主張する。多くの 日本企業では,資金繰りの備えや将来の企業買 収の可能性を口実にし,バランスシートを肥大 化する日本型「貯金箱」,すなわちキャッシュ と有価証券が無制限に保持される価値の蓄積モ デルになっている。故に,過剰キャッシュを株 主に増配や自社株買いを通じて還元すべきと提 案する。また,キャッシュリッチな企業の経営 者は,不適切な企業買収・多角化戦略を取り, 速やかな撤退・売却戦略を欠落させ,「過剰な 内部留保金を意のままにし,売上高を伸ばし, 雇用を守ろうとする」経営者の無駄遣いが行わ れ,「その結果,収益性や株主価値の低下を招 く」(同上書,19 頁)。新規投資には合理的最小 値の ROE 閾値(いきち)を設定し,執行取締 役報酬と連動させ,独立社外取締役の意見を聞 き,投資を節約し株主還元に回すこと等が提案 される。そこでは,雇用拡大や長期的視点の投 資が否定されている。  さらに,「独立性の高い経営監督」では株主 のための独立社外取締役が最低 3 人,長期的に は半分以上という統治システムの導入が,「新 株引受権」と「ポイズンピルと買収防衛策」で は株主の権利を侵害するホワイトナイトやポイ ズンピル等の買収防衛策に対する規制が,「株 主総会と議決権行使」では,投資ファンドと外 国企業が自由にアクセスするための公平性と透 明性の確保・充実,そのための株式持ち合いの さらなる削減が提案される。 4 ─ 2.市民社会による 企業統治に関する経営理論  ロナルド・ドーアは,会社を株主のものとす る「所有権絶対優先の原理」を「敵対的企業買 収と傍若無人なリストラを正当化する原理」 (ドーア,2004,173 頁)として批判している。 このような企業統治は,企業不祥事を引き起こ すアクセルとなり,短期的視点で事業や工場な どを整理・撤退・海外移転し,地域解体や労働 者解雇を進め,投資を抑制し,株主還元を拡大 することで株価を引き上げる株主価値志向経営 をもたらし,定着させた。しかも,その企業統 治は「物言う株主」を活性化し,内部統制は 「物言えぬ従業員」をもたらし,「思い」のある 製品や事業の創造や育成を困難にしている。  株式会社は,社会に有用な事業を拡大するた めに,「有限責任制度」によって遊休資本を社 会から広く集め,リスクを社会で受け入れる 「社会的公器」としての社会制度である。企業 で働く人々は,社会的業務を遂行する者とし て,市民社会の一つの制度である企業を構成す る組織市民としての権限と責任を持ち,企業自 治を担い,「すべてのステークホルダーの究極 の調整人」であるべきである。経営学も,市民 社会による企業統治を広く議論してきた。  バーリとミーンズは,株式会社の統治が株主 支配から経営者支配へ移行でなく,「公共の利 益」による経営者への支配へ移行すべきと主張 した(Berle& Means, 1932)。M. フォレットは, 企業所有権に基づき支配する権力を削減し,協 力的で強制的でない「共同権力」を構築するた めに,企業の基本的目的を社会への公的サービ スと捉え,それを実現するための仕事である職 能から権限と責任が生じ,職能を担当する企業 構成員は社会に奉仕するための権限と責任を負 うべきであると考えた(Metcalf & Urwick, ed.,  1940)。  P.  ドラッカーは,19 世紀の「商業社会」で は市場が社会的目的を実現する社会的制度とし て市民に「位置」と「役割」を与え,財産権が 市場に「権力の正統性」を与えたが,20 世紀 には企業を基盤とする「産業(企業)社会」へ の移行を見出し,自由で機能する産業社会を模 索した。機能する企業社会は企業が企業構成員 である従業員に社会的な地位と役割を付与する

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ことで構築され,自由な企業社会は企業内の権 力が企業構成員である従業員の責任と意思決定 を基盤とする企業自治によって正統性が確保さ れるとした(Drucker, 1942)。ドラッカーは, 市民社会,企業=社会的制度,個人=市民との 関係を従業員による企業自治・統治で整理し た。  アメリカの政治学者 R. ダールは,資本主義 か社会主義かでなく,民主主義を市民社会に徹 底することが問題であり,そのためには企業を 市民社会の構成機関として位置付けるべきであ り,従業員による「企業市民の自治」によって 民主主義的企業統治を構築すべきと主張した (Dahl, 1985)。イギリスのドラッカーと言われ る C. ハンディは,従業員代表制や大量解雇規 制等の EU 指令のイギリスへの適用が議論され た時期に,企業内での市民権確立を主張する。 投資家に踊らされる資本主義と企業を克服し, 信頼を社会,企業,そして個人の人生に取り戻 すために,企業市民としての従業員の市民権確 立と,従業員自治による企業議会制民主主義と いう新しい企業統治とを主張した。「法人企業 が,国家より大規模であるとき,だれがだれの ために,こうした企業国家を統治するのかを問 う必要が」あり,「企業の将来に関わる主要な 意思決定について意見を言う権利」が従業員に 保障されるべきとした。さらに,市民の居住の 自由と労働移動の自由は同様のものであり,そ こでは労働者が移動する自由は保障されるが, 企業が移動を強制する自由はないと主張した (Handy, 1997)。  ドーアは,企業の構成員である従業員が組織 市民として社会的責任を遂行するためには, 「非権威主義的な雰囲気で上下のコミュニケー ションが活発で,トップが孤立せず,部下が自 由に上司を批判できること」で「会社を憂う」 抗議を可能にすることが必要であると指摘し た。その上で,市民社会に相応しい企業統治と して「企業議会」を推奨し,各階層の従業員・ 労働組合等の経営参加による企業統治,取引 先・顧客・地域等による事業所統治を提案した (ドーア,2006)。

5 .むすび:市民社会による企業統治と

市民価値志向経営

 企業が株主等の財産権以前に社会の公共性の ためにあると理解すれば,フォレットやドラッ カー等が指摘したように,企業の事業目的を達 成するためのなすべき仕事である職能の遂行者 は,公共性の立場からすべての利害関係者を調 整し,多様な利害関係者が参加する企業統治・ 自治を機能させる社会的責任を果たさなければ ならない。財産権や市場等の経済を市民社会に 埋め込むために,新しい市民価値志向の企業統 治・自治・経営の仕組みが必要になっている。 そこでは,企業・事業活動に「精神」を吹き込 む「人間的な解放と回復」という「生きた人 間」のための「精神」と,世界のすべての人に 自由権・社会権とが保障される「社会と企業」 や資本と労働のあり方かが問われる。グローバ ルな「社会と企業」を一元的で貧困な関係性か ら多様な個人・生命・組織・文化・地域社会の 自律性を尊重する多様で豊かな関係性へと転換 することが,日本の「社会と企業」にはさらに 株主・財産権主権のアメリカ的新自由主義と大 企業中心・会社本位の日本的クローニー資本主 義とを克服することが,今日求められているの である。 〈参考文献〉 ACGA(Asian Corporate Governance Association) (2008)『日本のコーポレート・ガバナンス白書』 http://www.acga-asia.org/public/files/ACGA_ Japan_WP_May2008_(Japanese2).pdf 2013 年 12 月 20 日アクセス。 大森敏行,根津 禎(2012)「脱安売りの極意」『日経 エレクトロニクス』第 1074 号。 企業価値研究会(2005)『企業価値報告書─公正な企業 社会のルール形成に向けた提案─』経済産業省。 社団法人生命保険協会(2013)『平成 24 年度 生命保険 協会調査:株式価値向上に向けた取り組みについ

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【経営学論集第 84 集】統一論題 サブテーマ② 危機の時代の企業経営 て』。 ドーア,R. (2004)「半世紀かけて米国文化圏に編入さ れたが…」『週刊エコノミスト』2004 年 2 月 9 日 号。 ─(2006)『誰のための会社にするか』岩波新書 永野 健(1992)「日本的経営から東洋的経営へ」『文 芸春秋』1992 年 6 月号。 宮内義彦(2001)『経営論』東洋経済新報社。 盛田昭夫(1992)「日本型経営が危ない」『文芸春秋』 1992 年 2 月号。 國島弘行(2009)「社会と企業の経営学─新自由主義的 グローバル化との関連で─」國島弘行,重本 直 利,山崎敏夫編著『「社会と企業」の経営学』ミネ ルヴァ書房。 ─「(2010)日本的信頼の現代意義とセオリーZ」 明治大学経営学研究所『明治大学 経営論集』第 57 巻第 4 号。 ─(2011a)「日本的企業社会と日本的経営の再 編─開発主義と新自由主義を超えて─」日本比較 営学会編『比較経営研究 35 巻 世界同時不況と企 業経営の新たな胎動』文理閣。 ─(2011b)「アメリカ経営学における組織と管 理の理論の展開」重本直利編著『社会経営学研究 ─経済競争的経営から社会共生的経営へ─』晃洋 書房。 ─(2011c)「日本企業の所有構造とコーポレー ト・ガバナンス」林 正樹編著『現代日本企業の 競争力』ミネルヴァ書房。 ─(2012)「『制度学派経営学』における社会と 企業─バーリー&ミーンズとフォレットを中心と して─」中央大学商学研究会『商学論纂』第 53 巻 第 5・6 号。 ─(2014)「1980 年代アメリカにおける企業経営 と経営労務─新自由主義的資本蓄積モデル確立の 画期として─」『労務理論学会誌第 23 号 労務理論 の再検討』。 B e r l e , A . A . a n d G . C . M e a n s (1932) T h e M o d e r n Corporation and Private Property, Transaction  Publishers, New York.(北島忠雄訳『近代株式会 社と私有財産』文雅堂銀行研究社,1958 年) Dahl, R.A. (1985) A Preface to Economic Democracy, 

Berkeley, University of California Press. (内山秀 夫訳『経済デモクラシー序説』三嶺書房,1988 年) Dertouzos, M.L., Solow, R.M., Lester, R.K. and the MIT  Commission on Industrial Productivity (1989)  Made in America, Regaining the Productive Edge, MIT  Press, Massachusetts, ( 依 田 直 也 訳『Made in  America:アメリカ再生のための米日欧産業比較』 思想社,1990 年)

Drucker, P. F. (1942) The Future of Industrial Man, New  York, The John Day Company.(上田惇生訳『ド ラッカー名著集 10 産業人の未来─改革の原理とし ての保守主義─』ダイヤモンド社,2008 年) USTR (The Office of the United States Trade 

Representative) (1995, 1996) Submission by the Government of the United States to the Government of Japan Regarding Deregulation, Administrative Reform and Competition Policy in Japan. (『日本における規制 緩和,行政改革および競争政策に関する日本政府 に対する米国政府の要望書』(略称「対日年次改革 要望書」在日米国大使館,1995 年は英語版のみ) Metcalf, H.C. and L.Urwick, ed. (1940) Dynamic

Administration : The Collected Papers of Mary Parker Follett, New York, Routledge.( 米 田 清 貴, 三 戸    公訳『組織行動の原理─動態的管理─』未来社, 1972 年)

Handy, C.B (1997) THE HUNGRY SPIRIT: Beyond Capitalism A Quest for Purpose in Modern World,  London, Hutchinson.(埴岡健一訳『もっといい会 社,もっといい人生─新しい資本主義社会のかた ち』河出書房新社 1998 年)

図 2  東京とニューヨークの証券取引所における売買代金回転率

参照

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