• 検索結果がありません。

(1) 調査目的と背景 イエメンにおける確認埋蔵量は原油 40 億 bbl 天然ガス 17 兆 ft 3 である 2001 年における原油の日産は 43 万 8,502 bbl であったが 2007 年は 31 万 9,637 bbl となり 近年は生産量の減退が著しい 天然ガスは石油回収率向上のた

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "(1) 調査目的と背景 イエメンにおける確認埋蔵量は原油 40 億 bbl 天然ガス 17 兆 ft 3 である 2001 年における原油の日産は 43 万 8,502 bbl であったが 2007 年は 31 万 9,637 bbl となり 近年は生産量の減退が著しい 天然ガスは石油回収率向上のた"

Copied!
10
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

平成 20 年度 石油資源開発等支援事業

イエメン・イエメン東部

石油・天然ガス未探鉱地域における探鉱の促進と協力

調査報告書

平成 21 年1月

委託先:独立行政法人日本貿易振興機構

株式会社地球科学総合研究 所

禁転載

(2)

1

(1) 調査目的と背景

イエメンにおける確認埋蔵量は原油 40 億 bbl、天然ガス 17 兆 ft3である。2001 年にお ける原油の日産は 43 万 8,502 bbl であったが、2007 年は 31 万 9,637 bbl となり、近年は 生産量の減退が著しい。天然ガスは石油回収率向上のためにほぼ全量が地下に圧入されて いる。 イエメンの石油政策の基本政策(マスタープラン)は、積極的な外資導入による石油・ 天然ガス開発の推進である。 国際鉱区入札については、2004 年以降合計3回の探鉱鉱区公開入札が行われ、2007 年に は第4次探鉱鉱区入札が実施されている。今後も毎年 10 鉱区を公開し、積極的に外資導入 を推し進める計画である。なおイエメンには西から、サバタイン(Saba ’tayn)、サユン-マシラ(Sayun-Masilah)、それにジザ・カマール(Jiza’-Qamar)と呼ばれる 3 つのリフト 型堆積盆が存在する。これまでの探鉱活動の中心はマリブとマシラ堆積盆に集中して行わ れており、同国東部地域は未探鉱地域が広く、残されたエリアとなっている。 このような背景のなか、本調査はイエメン東部の石油・天然ガス未探鉱地域における新 規油ガス田の発見に貢献することを目的として計画した。具体的には、イエメン東部陸域 に位置するジザ・カマール堆積盆を対象として、衛星画像解析によるフラクチャー/リニ アメント解析ならびに石油システム解析を行うことにより、近年注目されているフラクチ ャー型基盤岩貯留岩の探鉱可能性について検討する。さらに必要な評価技術をイエメンに 紹介して我が国の技術力を示すとともに、今回の調査で得られたデータのうち、重要なも のを選んで地理情報システム(GIS:Geographic Information System)化し、我が国企業の 鉱区参入につながるよう、同国の探鉱プログラムに貢献することを目的とする。

(2) 調査内容

下記内容について、要点を逐次ジェトロに報告するとともに、最終報告書としてまとめ た。 1. 国内調査 a. 事前準備 b. 衛星画像解析

(3)

2

衛星画像手配・処理 衛星画像判読・リニアメント解析 c. 石油システム解析 坑井データ手配・解析 地化学データ手配・解析 堆積盆シミュレーション 堆積盆ポテンシャル評価 d. GIS データ構築 e. 石油探鉱生産局(PEPA)との協議(於:東京) f. 調査結果まとめ g. 報告書作成 2. 現地調査 a. 石油探鉱生産局との協議(於:サナ)

(3) 調査実施方法、体制、スケジュール

1. 調査実施方法 イエメンの石油政策(マスタープラン)の根幹を支えるうえで最も重要な課題は、未探 鉱地域の探鉱ポテンシャルを評価することである。今回の調査対象となるジザ・カマール 堆積盆は未探鉱ではあるが、基盤岩貯留岩が存在する可能性が期待される地域であり、同 国の探鉱ポテンシャルを評価する上では非常に重要な地域である。以上のことを踏まえて 次の調査を実施し、マスタープランの検討を行った。

(4)

3

a. 現地調査 イエメン石油鉱物省・石油探鉱生産局と現地でキックオフ会議を開催するとともに、 関連機関を訪問して意見交換を行い、情報収集に努めた。 出張期間:2008 年 11 月 7 日〜11 月 14 日 出 張 者: 大沼 巧(環境技術部) 加藤 新(環境技術部) 場 所:イエメン サナ 日 程: 11 月 7 日〜8 日 :移動(東京→中部国際→ドバイ→サナ) 11 月 8 日 :石油探鉱生産局 :日本大使館 11 月 9 日 :石油探鉱生産局 :石油鉱物省 11 月 10 日 :石油探鉱生産局

11 月 11 日 :Yemen Remote Sensing and GIS Center :石油探鉱生産局 11 月 12 日 :KNOC 社(韓国) :石油探鉱生産局 11 月 13〜14 日 :移動(サナ→ドバイ→中部国際→東京) b. 探鉱ポテンシャル評価 石油探鉱生産局と協力し、衛星画像解析、石油システム解析、GIS データの構築を行 うことにより、ジザ・カマール堆積盆の探鉱ポテンシャルを評価し、マスタープラン策 定のための基礎技術データを作成した。 衛星画像解析では、Landsat 7 ETM 画像による解析用ベース画像マップを作成し、地 質判読とリニアメント判読・解析を実施した。リニアメント発達頻度のより正確な推定 に資するデータを得るため、Terra ASTER 画像ならびにさらに解像度の高い QuickBird 画像によるリニアメント判読を行った。以上の衛星画像解析結果に基づき、地下におけ るフラクチャーの発達状況を推定し、良好な貯留岩がどこに分布する可能性があるか検 討を行った。 石油システム解析では、重要な坑井を選出し、物理検層データならびに地化学データ の解析を行い、地化学シミュレーションを実施し、同堆積盆における石油・天然ガスの 生成・排出状況の推定を行った。衛星画像解析結果と石油システム解析結果から得られ

(5)

4

た知見をもとに探鉱ポテンシャル評価を行った。さらに技術評価の基礎となる重要なデ ータについては、GIS データパッケージの作成を行った。 c. 関連法制調査 双日株式会社サナ駐在員事務所の協力を得て、現地情報とあわせて、本事業に係る法 制および環境社会的側面について調査を行った。 d. 東京会議 取りまとめた調査結果について協議するため、石油探鉱生産局と東京で会議を開催し た。 招聘期間:2008 年 11 月 29 日〜12 月 6 日 招 聘 者:Adel AL–HAZMY

(Manager of Geology Department, PEPA) Abdal-Qawi Ahmed MOHAMMED

(Head Section of Wells Activity Exploration, PEPA) Esam Mohammed Yousef HAIDAR

(Chief of Oil Fields Operations, PEPA) 場 所:日本 東京 日 程: 11 月 29 日〜30 日 :移動(サナ→ドバイ→東京) 12 月 1 日 :ジェトロ表敬訪問 :各種書類作成 ㈱地球科学総合研究所 12 月 2 日 :新規データチェック 12 月 3 日 :解析結果報告および議論 12 月 4 日 :解析結果報告および議論 12 月 5 日 AM :今後の予定および議論 12 月 5 日 PM〜6 日:移動(東京→ドバイ→サナ) e. 報告書作成 2009 年 1 月 30 日(金)に調査報告書を提出。

(6)

5

2. 調査実施体制 a. 調査管理体制 部長 部長 部長 部長 営業部 部長付 担当部長 グループリーダー (GL) GL GL GL GL 営業部 環境技術部 環境地質G  リモートセンシングG 土木地質G 情報地質G 社長 常務取締役 常務取締役 地質部 環境技術部 総務部 b. 調査実施体制 部門代表 リモートセンシングGL 部門代表 情報地質GL 部門代表 環境地質GL 部門代表*2 環境地質GL データ準備・処理/ 画像判読/解析 リモートセンシングG GISデータ準備/構築 情報地質G 坑井データ準備・解析/ 探鉱ポテンシャル評価 環境地質G 関係法制情報分析 来日者対応 環境地質G データ準備・処理/ 画像判読/解析 リモートセンシングG GISデータ準備/構築 情報地質G 坑井データ準備・解析/ 探鉱ポテンシャル評価 環境地質G 関係法制情報分析 来日者対応 環境地質G データ準備・処理/ 画像判読/解析 リモートセンシングG データ準備・処理/ 画像判読/解析 環境土木G *2:環境社会分野担当 *3:エネルギー分野担当 衛星画像解析 部門担当 GISデータ 部門担当 石油システム解析 部門担当 国内法制・環境関連法 部門担当 (来日者対応含む) 調査業務 担当部署 環境技術部 プロジェクトマネージャー*1 部長 技術リーダー(総括) *3 担当部長 *1:財務・経済分析担当

(7)

6

3. 調査実施期間とスケジュール a. 調査実施期間 2008 年 9 月 19 日から 2009 年 1 月 30 日 b. 調査スケジュール 08/9月 10月 11月 12月 09/1月 【国内調査】  ①事前準備  ②衛星画像解析   衛星画像手配・処理   衛星画像判読・リニアメント解析  ③石油システム解析   坑井データ手配・解析   地化学データ手配・解析   堆積盆シミュレーション   堆積盆ポテンシャル評価  ④GISデータ構築  ⑤石油探鉱生産局との協議(於:東京)  ⑥調査結果まとめ  ⑦報告書作成 【現地調査】  ①石油探鉱生産局との協議(於:サナ)

(4) 調査結果

衛星画像解析ならびに石油システム解析を実施し、次のような結果が得られた。衛星画 像解析から、ジザ・カマール堆積盆南縁部では、リニアメントが高密度に分布するエリア の存在が確認された。検出されたリニアメントと地下のフラクチャーの関係は、衛星画像 の分解能の限界から不明であるが、リニアメントが地下のフラクチャーの存在を示唆する 場合、フラクチャー型基盤岩貯留岩が存在する可能性が示唆された。 石油システム解析結果からは、ジザ・カマール堆積盆では、炭化水素の生成能力が期待 される根源岩が白亜系に存在する可能性が確認された。炭化水素生成・排出時期ピークは、 前期白亜紀から後期白亜紀である。ただし、堆積盆の周縁部では最近まで炭化水素の生成・ 排出が行われていることが明らかとなった。 2つの解析結果から、堆積盆東部の海域では堆積物が最も厚く、炭化水素の生成・排出 量が多いことから、探鉱ポテンシャルが高い。また最近まで炭化水素の生成・排出が起こ ったジザ・カマール堆積盆周縁部では、断層により根源岩層と基盤岩が直接するような構 造トラップが存在する可能性があることから、フラクチャー型基盤貯留岩の探鉱ポテンシ

(8)

7

ャルが期待される。 イエメンでは既存油田からの原油生産量が急激に減少する可能性が高い。今後原油だけ でなく、特に LNG プロジェクトへのガス供給源の確保という意味でも、天然ガス埋蔵量 の新規追加が不可欠である。特にジザ・カマール堆積盆は探鉱初期の段階であり、10 km を超える厚さの堆積物が分布しており、探鉱ポテンシャルが期待される。原油ならびに天 然ガス埋蔵量の新規追加のためには、新規データを検討することによって、ジザ・カマー ル堆積盆の探鉱ポテンシャルの評価精度を向上させていく必要がある。 ジザ・カマール堆積盆の探鉱ポテンシャルの評価をマスタープランに組み込んで行うこ とにより、政府が保有する大量かつ貴重な既存データを十分生かし、新規データを取得し つつ、経済性を含めた探鉱価値の評価までを一貫して行うことが重要である。このため、 石油探鉱生産局が実施者となることが望まれる。これにより、新規参入会社が実施した評 価結果をもとに迅速にデータを更新し、その結果を公開することで、鉱区権益者をバック アップしつつ、ファームインなどにより、探鉱・開発プロジェクトへの企業の参加をより 一層促進することが可能となる。

(5) 調査結果の活用と見込み

イエメンで近年注目されている探鉱対象は、フラクチャー型基盤貯留岩プレイである。 探鉱熟成堆積盆にあって、同プレイでの新規発見が現在も継続していることから、今後原 油生産量回復の鍵を握る探鉱対象として期待される。本調査によって、未探鉱であるジザ・ カマール堆積盆においても、探鉱ポテンシャルが期待されるとともに、フラクチャー型基 盤貯留岩が存在する可能性が示唆されている。 本調査で明らかになったジザ・カマール堆積盆の探鉱ポテンシャル評価を元に、本調査 で実施された探鉱ポテンシャル評価の精度向上を行うことが課題であることを石油探鉱生 産局に説明した。さらに今後イエメン政府が同堆積盆の評価をマスタープランの一部に組 み込むよう提案を行った。 石油探鉱生産局では、ジザ・カマール堆積盆の追加評価に関心を示している。今回の調 査で確認されたリニアメントと地下のフラクチャーの関係をより明確にするために、石油 探鉱生産局は、同地域で地表地質調査を行うことを前向きに考えている。ただし、同局は 調査に必要な資金が不足しており、今後どのように調査を実現していくかを検討する見込 みである。なお、本調査実施中に Gallo Oil 社がガスを発見したことにより、石油探鉱生 産局のジザ・カマール堆積盆に対する興味が増している。 一方、フラクチャー型基盤貯留岩では、岩石のフラクチャーの中に石油・ガスが貯留さ れている。フラクチャー型貯留岩は、様々なオペレーション上のノウハウが必要である。

(9)

8

日本石油企業は既にフラクチャー型基盤貯留岩の探鉱・開発・生産事業に着手しており、 その評価・開発技術の経験やノウハウを有している。イエメンにおいて今後フラクチャー 型基盤貯留岩の探鉱が活発化すれば、日本石油企業の有する経験やノウハウを生かすこと によって、探鉱・開発プロジェクトへ参入する機会が増大することものと期待される。 具体的に、日本企業がイエメンでの石油権益に参入するケースとしては、新規公開鉱区 への参入と既存鉱区への参入の2パターンが想定できる。新規公開鉱区への参入の場合に は、国際公開入札が重要である。今回の調査のカウンターパートである石油探鉱生産局は、 国際公開入札を運営・管理するとともに既存の探鉱・生産鉱区の管理を行っている。さら に石油探鉱・生産に関わるデータバンクを保有している。日本企業が同局との地質共同研 究が技術交流の形で関係を強化することにより、イエメンにおける地質情報の入手や国際 入札に関する情報、さらに最新の探鉱・生産動向を迅速に入手することが可能となる。一 方、既存鉱区への参入の場合には、ジザ・カマール堆積盆では、既に鉱区が開放され、権 益保有者が探鉱活動を開始している。このような鉱区について日本企業が参入しようとす る場合、オペレーターやパートナーにファームインすることが想定される。試掘に際して、 権益保有者は探鉱資金の軽減化やリスク分散のため、ファームアウトなどにより権益譲渡 を行う可能性が高く、特に先述したフラクチャー型基盤貯留岩を得意とする日本石油企業 の参入機会が増えることが期待できる。

(6) 環境社会的側面の検討

イエメンの社会構造は部族社会が基礎となっているため、プロジェクトとこれが及ぼす 潜在的な環境社会への影響は、情報公開を含む適切な手順に基づいて十分に地域住民に対 して説明し、理解を得ることが重要である。

イエメンの環境保護法(Environmental Protection Law:EPL)第 26 号 は、プロジェク トに対して環境影響評価(Environmental Impact Assessment:EIA)の実施を明記してい る。環境影響評価は各事業者によって実施され、プロジェクトが始動する前に、環境保護 局(Environment Protection Authority)の承認が必要である。さらに、環境破壊に対し て損害賠償の義務を確立しており、損害賠償は、損害を除去するためにかかる経費だけで なく、資産損害の賠償と環境への損害の賠償を含んでいる。しかし、環境規制についての 知識不足と関係各所の連携が不足していることにより、実際には環境保護法が十分に適用 されているとはいい難い。 本調査自体はマスタープラン作成を目的に対象地域に入らずに地質解析を行うものであ ることから、環境社会面での影響を伴う現地活動はスコープに入っていない。今後、本調 査が発展的に進展し、マスタープランが実行に移され、現地での石油・天然ガス開発が実

(10)

9

現した場合に予想される環境社会面での影響について、本報告書ではサユン-マシラ堆積盆 で発生した事例を参考にして検討を行った。 その結果、石油・天然ガス開発プロジェクトにおける主要な環境問題として、掘削現場 では掘屑や廃油の処理問題および地下水の汚染の可能性があることが判明した。また生産 現場では廃油とそれに伴う水やスラッジの処理問題が懸念されることも明らかとなった。 このため、将来プロジェクトサイトがより具体化された段階で、慎重な事前調査を行う とともに、場合によってはその影響について緩和策などを検討する必要がある。

参照

関連したドキュメント

上げ 5 が、他のものと大きく異なっていた。前 時代的ともいえる、国際ゴシック様式に戻るか

LPガスはCO 2 排出量の少ない環境性能の優れた燃料であり、家庭用・工業用の

今年度は、一般競技部門(フリー部門)とジュニア部門に加え、最先端コンピュータ技術へのチ ャレンジを促進するため、新たに AI

原子力・立地本部 広報グループ 03-6373-1111

生活環境別の身体的特徴である身長、体重、体

区部台地部の代表地点として練馬区練馬第1観測井における地盤変動の概 念図を図 3-2-2 に、これまでの地盤と地下水位の推移を図

運輸部門では 2020 年までに 2000 年比 40%程度の削減を目指します。.  東京都では、 「東京都環境基本計画」 (平成 20 年

 地表を「地球の表層部」といった広い意味で はなく、陸域における固体地球と水圏・気圏の