102 103 株 式
配当課税の仕組み
上場株式等の配当所得に対しては、 20.315%(所得税15.315%・住民税5%) の源泉徴収が行われます(配当所得の収入 すべき時期は、配当を支払う法人の株主 総会や取締役会などの決議があった日と なります。くわしくは 104ページ参照)。 源泉徴収の後、上場株式等の配当所得 について確定申告をする場合には、総合 課税または申告分離課税のいずれか一方 を選択します。確定申告をしない場合に は、源泉徴収のみで課税関係が終了する 申告不要制度を選択することができます。 ただし、上場株式等の配当所得であっ ても、大口株主(内国法人の発行済株式 数の3%以上を保有している個人株主) が支払いを受けるものについては、課税 上は一般株式等の配当所得と同様の扱い となり、源泉徴収税率は20.42%(所得税 のみ)で原則として総合課税となります。◆確定申告する場合
確定申告をする場合、申告する上場株 式等の配当所得の全額について、総合課 税と申告分離課税のいずれかを選択しな ければならず、申告する上場株式等の配 当所得のうちの一部を申告分離課税、残 りの部分を総合課税にすることはできま せん。 総合課税を選択した場合、配当控除 ( 105ページ参照)が適用されます。 一方、申告分離課税を選択した場合、上 場株式等の譲渡損との損益通算ができま すが、配当控除の適用はありません。 一般株式等の配当所得や大口株主が受 け取る上場株式等の配当所得について総 合課税が適用されている場合でも、上場 株式等の配当所得(大口株主の受取配当 等を除く)について、申告分離課税を選 択することも可能です。◆申告不要を選択した場合
申告不要を選択した場合、源泉徴収の みで課税が終了するため、実質的に源泉 分離課税と同じといえます。申告不要の 利用に手続きは必要ありません。単にそ の配当を確定申告しなければよいのです。 申告不要については、銘柄ごと、1回 に支払いを受ける配当等の額ごとに選択 できます。ただし、源泉徴収ありの特定 口座内に受け入れた配当等については、 口座ごとに選択します。◆所得税と住民税で異なる課税方式の選択可
なお、上場株式等の配当所得における 総合課税・申告分離課税・申告不要制度 の3つの課税制度は所得税と住民税でそ れぞれ選択することも可能です。 所得税の確定申告書のみを提出した場 合、または所得税で申告不要制度を選択 し住民税の申告書を提出しなかった場合 は、自動的に所得税で選択した課税方式源泉徴収と課税方法
上場 一般
■
上場株式等の配当所得
-3
4
非居住者の区分 所得の種類 恒久的施設を有する者 恒久的施設 を有しない 者 所得税の 源泉徴収※2 恒久的施設 帰属所得※1 その他の 所得 ⑭定期積金の給付補填金等 ⑮匿名組合契約等に基づく利 益の分配 【源泉徴収の上、 総合課税※3】 【源泉分離課税】 15.315% 20.42% ⑯その他の国内源泉所得 【総合課税※3】 【総合課税※3】 無 ※1 恒久的施設帰属所得(非居住者が恒久的施設を通じて事業を行う場合において、当該恒久的施設が 当該非居住者から独立して事業を行う事業者であるとしたならば、その恒久的施設が果たす機能等 を勘案して、当該恒久的施設に帰せられるべき所得)が、①から⑯の国内源泉所得に重複して該当 する場合があります。 ※2 源泉徴収税率のうち一定の所得に係るものについては、軽減又は免除される場合があります。 ※3 総合課税の対象とされる所得のうち一定のものについては、申告分離課税又は源泉分離課税の対象 とされる場合があります。 ※4 上場株式等の配当等の源泉徴収税率は原則15.315%です。 ※5 ②資産の譲渡により生ずる所得のうち恒久的施設帰属所得に該当する所得以外のものについては、 所得税法令で規定するもののみが課税対象です。104 105 株 式
■
一般株式等の配当所得
一般株式等の配当所得に対する税金 は、20.42%(所得税のみ)の源泉徴収 が行われます。一般株式等の配当所得は、 所得税について1銘柄あたり1回に受け る配当額が10万円(年1回配当の場合) 以下のときにのみ申告不要を選択できま す。住民税の特別徴収は行われず、総合 課税となります。所得税において確定申 告を行っていない場合には、住民税につ いて申告書の提出が必要となります。
◆配当所得の計算
株式の配当による配当所得の金額は、 原則として、その年に受け取った配当金 額がそのまま配当所得の金額となります。 ただし、株式を取得するために要した 借入金の利子(譲渡した株式等を取得す るために要した借入金の利子は除きま す)がある場合には、その借入金の利子 のうちその年に元本を有していた期間に 対応する金額を控除した額が、配当所得 の金額となります(確定申告する場合)。◆配当所得の収入すべき時期
配当所得の金額は、配当を支払う法人 の株主総会その他正当な権限を有する機 関の決議があった日に収入があったもの とすることとされています。配当所得の計算と収入時期
上場 一般
総合課税の対象となる配当所得(源泉 徴収される前の配当金額、負債利子があ る場合は負債利子控除後の金額)は、配 当金額に応じた税額控除を受けることが できます。これを配当控除といいます。 申告分離課税・申告不要を選択した上場 株式等の配当所得は、配当控除の適用は ありません。 配当について源泉徴収された所得税と 配当控除額が、納付税額の計算上、控除 されます。 配当控除額は、配当所得の12.8%(所 得税10%・住民税2.8%。課税総所得金 額等(注1)(注2)が1,000万円を超えている 部分は所得税5%・住民税1.4%)です。 例えば、配当所得以外の課税所得金額 が930万円の人に150万円の配当所得があ るとすると、1,000万円以下の部分に対 応する配当所得70万円についてはその 12.8%の8.96万円、それを超える部分に 対応する配当所得80万円についてはその 6.4%の5.12万円、全体で14.08万円を算 出税額から差し引くことができます。上 場株式等の配当所得について配当控除を 受けるために総合課税を選択するか、申 告不要を選択するかについては、 次 ページのQ&Aをご覧下さい。総合課税と配当控除
上場 一般
(注1)課税総所得金額等が1,000万円を超えるか どうかは、土地・建物等の課税譲渡所得、 株式等にかかる課税譲渡所得等、申告分離 課税を選択した上場株式等にかかる課税配 当所得の金額、先物取引にかかる課税雑所 得等の金額を課税総所得金額に加えた合計 額によることになります。課税退職所得や 課税山林所得の金額は含まれません。本書 では、これらを「課税所得金額」といいます。 (注2)所得税と住民税では、扶養控除などの人 的控除額に差があることから、同じ収入 金額でも住民税の方が、通常、課税所得 金額は大きくなりますが、ここでは、便 宜的に同じ金額として取り扱っています。 が住民税の課税方式とみなされます。 住民税において所得税と異なる課税方 式を選択するには、所得税の確定申告書 とは別に住民税の申告書を提出する必要 があります(詳しい手続きについては 72ページ参照)。●配当控除額の計算例
課税所得金額 1,000 万円 所得税 15 万円 住民税 4.2 万円 合計 19.2 万円 所得税 10% 住民税 2.8% 所得税 ⓐ について 7 万円 ⓑ について 4 万円 住民税 ⓐ について 1.96 万円 ⓑ について 1.12 万円 合計 14.08 万円 所得税 ⓐ について 10% ⓑ について 5% 住民税 ⓐ について 2.8% ⓑ について 1.4% 所得税 7.5 万円 住民税 2.1 万円 合計 9.6 万円 所得税 5% 住民税 1.4% 配当控除率 配当控除額 1,000 万円以下 配当所得を 加えると 1,000 万円超 1,000 万円超 その他の所得 800 万円 150 万円配当 その他の所得 930 万円 その他の所得 1,050 万円 ⓐ=70 万円 ⓑ=80 万円 配当 150 万円 配当 150 万円 ⓐ ⓑ ●配当所得の課税方式 所得区分 所得税の課税方式 住民税の課税方式 備考 上場株 式等 大口株主に該当しない場合 ・申告不要制度 ・申告分離課税 ・総合課税 から納税者が選択 ・申告不要制度 ・申告分離課税 ・総合課税 から納税者が選択 所得税と住民税で 異なる課税方式と することも可能※2 大口株主(発行済み株式の3% 以上保有)に該当し、少額配 当※1に該当しない場合 総合課税 総合課税 ― 大口株主かつ少額配当※1に該 当する場合 ・申告不要制度 ・総合課税 から納税者が選択 総合課税 所得税のみ申告不 要とすることも可 能※3 一般株 式等 少額配当※1に該当しない場合 総合課税 総合課税 ― 少額配当※1の場合 ・申告不要制度 ・総合課税 から納税者が選択 総合課税 所得税のみ申告不 要とすることも可 能※3 ※1 少額配当とは、1銘柄1回あたりの配当額が次の基準額以下となる配当所得をいいます。 基準額=10万円×配当の計算期間の月数12 配当の計算期間の月数…直前の配当に関する基準日の翌日から今回の配当に関する基準日までの月数(12ヵ月 超の場合は12ヵ月とし、1ヵ月未満の場合は1ヵ月とする) ※2 所得税と住民税で異なる課税方式とするには、所得税の確定申告書と住民税の申告書の両方の提出が必要です。 手続きについては 72ページを参照してください。 ※3 所得税で申告不要とする場合は、住民税の申告書の提出が必要です。手続きについては 72ページを参照して ください。106 107 株 式 上場株式等の配当所得につ いては、総合課税・申告分 離課税・申告不要の選択制になって います。また、所得税と住民税で異 なる課税方式を選択することも可能 となっています。 申告分離課税を選択した場合、そ の年や過年度の上場株式等の譲渡損 と損益通算(繰越控除)することが できます。 いずれの適用も受けない場合は、 上場株式等の配当所得について、総 合課税か申告不要のいずれかを選択 することが有利になるものと考えら れます。所得税と住民税で異なる課 税方式を選択することも考慮に入れ ると、考えうる選択肢は、(A)「両 方とも申告不要」、(B)「両方とも 総合課税」、(C)「所得税は総合課 税で住民税は申告不要」の3つが挙 げられます。 ここでは、これら3つの課税方式 について、商品別にどの方式が最も 税率が低くなるかを検討します。 なお、ここでは単純な税率の比較 を紹介しますが、申告不要を選択し た配当所得が合計所得金額などに含 まれないのに対し、総合課税を選択 した配当所得はこれに含まれる点に も注意が必要です( 120ページ 参照)。
◆正味税率の比較
配当控除率(表1)を考慮して、 商品の類型ごとに課税所得金額別に 3つの課税方式による正味税率を試 算したものが表2〜表5です。これ らをまとめた表が表6になります。 表6を見ると、課税所得金額が 330万円以下の場合は、上場株式等 となる全ての商品の配当所得につい て、(C)「所得税は総合課税で住民 税は申告不要」を選択すると最も正 味税率が低くなります。 他方、課税所得金額が900万円超 の場合は、上場株式等となる全ての 商品の配当所得について、(A)「両 方とも申告不要」を選択することで 最も正味税率が低くなります。 悩ましいのが、課税所得金額が 330万円超900万円以下の場合です。 この場合は、商品類型ごとに、課税 方式の有利・不利が変わってきま す。配当所得は原則として1銘柄・ 1回の配当・分配金ごとに申告の有 無を選択できますが、源泉徴収あり の特定口座に配当所得を受け入れて いる場合は、当該配当所得は特定口 座単位で申告の有無を選択しなけれ ばなりません。 なお、所得税で確定申告し総合課 税を選択した場合、住民税の申告書 を提出しないと自動的に住民税も総 合課税となってしまいます。このた め、「所得税は総合課税で住民税は 申告不要」という課税方式を選択す るには、所得税の確定申告書のほか に、住民税の申告書の提出も必要で す。住民税の申告書の提出方法につ いては 72ページを参照してくだ さい。総合課税と申告不要の選択
上場株式の配当について、総合課税とすべきか申告不要
とすべきか迷っています。どのようにして判断すればよ
いのでしょうか? また、投資信託やETFの分配金は、
上場株式の配当の場合と同じと考えてよいのでしょう
か?
●[表1]商品類型ごとの配当控除率 商品 類型 商品の種類 配当控除率※1 所得税 住民税 Ⅰ 日本株、日本株ETF※2 10% 2.8% Ⅱ 公募株式投資信託のうち株式以外の割合・外貨建資産の割合がい ずれも50%以下のもの 5% 1.4% Ⅲ 公募株式投資信託のうちⅡ・Ⅳのいずれにも該当しないもの 2.5% 0.7% Ⅳ 公募株式投資信託のうち株式以外の割合・外貨建資産の割合のい ずれかまたは両方が75%超のもの 0% 0% Ⅴ 配当所得を生じさせる上場株式等のうちⅠ〜Ⅳのいずれにも該当 しないもの(外国株、REIT 、ETN 、国内ETFでⅠ〜Ⅳに該当し ないもの、外国ETFなど) 0% 0% ※1 課税所得金額が1,000万円以下の場合の率です。課税所得金額が1,000万円超の場合はこの半分です。 ※2 日本株ETFとは、正確には、「特定株式投資信託のうち特定外貨建等証券投資信託以外のもの」をい います。 ●[表2]配当所得の課税方式の選択(商品類型Ⅰの場合) 課税所得金額 (A)両方とも 申告不要 (B)両方とも総合課税 (C)所得税は総 合課税で住民 税は申告不要 最も税率 の低い 課税方式 所得税・ 復興特別 所得税 (①) 住民税 (②)(①+②)合計 所得税 (復興特別所得税除く)復興特別所得税込みの 所得税の正 味税率(③) 住民税 正味税率 の合計 (③+④) 正味税率の 合計 (③+②) 税率 配当控除率 正味税率 税率 配当控除率率(④)正味税 195万円以下 15.315% 5% 20.315% 5% 10% 0% 0% 10% 2.8% 7.2% 7.2%※1 5%※1 上記 (C) の方式 195万円超 330万円以下 10% 0% 0% 7.2% 5% 330万円超 695万円以下 20% 10% 10.21% 17.41% 15.21% 695万円超 900万円以下 23% 13% 13.273% 20.473% 18.273% 900万円超 1,000万円以下 33% 23% 23.483% 30.683% 28.483% 上記 (A) の方式 1,000万円超 1,800万円以下 33% 5% 28% 28.588% 1.4% 8.6% 37.188% 33.588% 1,800万円超 4,000万円以下 40% 35% 35.735% 44.335% 40.735% 4,000万円超 45% 40% 40.84% 49.44% 45.84% ※1 配当所得に係る税額から控除し切れない分は、他の所得に係る税額から控除する形となります。 ※2 配当控除以外の税額控除はないものとして計算しています。 ※3 0.001%未満の端数が出る場合は四捨五入により0.001%単位で表示しています。上場 一般
108 109 株 式 ●[表3]配当所得の課税方式の選択(商品類型Ⅱの場合) 課税所得金額 (A)両方とも 申告不要 (B)両方とも総合課税 (C)所得税は総 合課税で住民 税は申告不要 最も税率 の低い 課税方式 所得税・ 復興特別 所得税 (①) 住民税 (②)(①+②)合計 所得税 (復興特別所得税除く)復興特別所得税込みの 所得税の正 味税率(③) 住民税 正味税率 の合計 (③+④) 正味税率の 合計 (③+②) 税率 配当控除率 正味税率 税率 配当控除率正味税率(④) 195万円以下 15.315% 5% 20.315% 5% 5% 0% 0% 10% 1.4% 8.6% 8.6% 5% 上記 (C) の方式 195万円超 330万円以下 10% 5% 5.105% 13.705% 10.105% 330万円超 695万円以下 20% 15% 15.315% 23.915% 20.315% (A)と(C)が同値 695万円超 900万円以下 23% 18% 18.378% 26.978% 23.378% 上記 (A) の方式 900万円超 1,000万円以下 33% 28% 28.588% 37.188% 33.588% 1,000万円超 1,800万円以下 33% 2.5% 30.5% 31.141% 0.7% 9.3% 40.441% 36.141% 1,800万円超 4,000万円以下 40% 37.5% 38.288% 47.588% 43.288% 4,000万円超 45% 42.5% 43.393% 52.693% 48.393% ※1 配当控除以外の税額控除はないものとして計算しています。 ※2 0.001%未満の端数が出る場合は四捨五入により0.001%単位で表示しています。 ●[表4]配当所得の課税方式の選択(商品類型Ⅲの場合) 課税所得金額 (A)両方とも申告不要 (B)両方とも総合課税 (C)所得税は総合課税で住民 税は申告不要 最も税率 の低い 課税方式 所得税・ 復興特別 所得税 (①) 住民税 (②)(①+②)合計 所得税 (復興特別所得税除く)復興特別所得税込みの 所得税の正 味税率(③) 住民税 正味税率 の合計 (③+④) 正味税率の 合計 (③+②) 税率 配当控除率 正味税率 税率 配当控除率 正味税率(④) 195万円以下 15.315% 5% 20.315% 5% 2.5% 2.5% 2.553% 10% 0.7% 9.3% 11.853% 7.553% 上記 (C) の方式 195万円超 330万円以下 10% 7.5% 7.658% 16.958% 12.658% 330万円超 695万円以下 20% 17.5% 17.868% 27.168% 22.868% 上記 (A) の方式 695万円超 900万円以下 23% 20.5% 20.931% 30.231% 25.931% 900万円超 1,000万円以下 33% 30.5% 31.141% 40.441% 36.141% 1,000万円超 1,800万円以下 33% 1.25% 31.75% 32.417% 0.35% 9.65% 42.067% 37.417% 1,800万円超 4,000万円以下 40% 38.75% 39.564% 49.214% 44.564% 4,000万円超 45% 43.75% 44.669% 54.319% 49.669% ※1 配当控除以外の税額控除はないものとして計算しています。 ※2 0.001%未満の端数が出る場合は四捨五入により0.001%単位で表示しています。 ●[表5]配当所得の課税方式の選択(商品類型Ⅳ・Ⅴの場合) 課税所得金額 (A)両方とも申告不要 (B)両方とも総合課税 (C)所得税は総合課税で住民 税は申告不要 最も税率 の低い 課税方式 所得税・ 復興特別 所得税 (①) 住民税 (②)(①+②)合計 所得税 (復興特別所得税除く)復興特別所得税込みの 所得税の正 味税率(③) 住民税 正味税率 の合計 (③+④) 正味税率の 合計 (③+②) 税率 配当控除率 正味税率 税率 配当控除率率(④)正味税 195万円以下 15.315% 5% 20.315% 5% 0% 5% 5.105% 10% 0% 10% 15.105% 10.105% 上記 (C) の方式 195万円超 330万円以下 10% 10% 10.21% 20.21% 15.21% 330万円超 695万円以下 20% 20% 20.42% 30.42% 25.420% 上記 (A) の方式 695万円超 900万円以下 23% 23% 23.483% 33.483% 28.483% 900万円超 1,000万円以下 33% 33% 33.693% 43.693% 38.693% 1,000万円超 1,800万円以下 33% 33% 33.693% 43.693% 38.693% 1,800万円超 4,000万円以下 40% 40% 40.84% 50.84% 45.84% 4,000万円超 45% 45% 45.945% 55.945% 50.945% ※1配当控除以外の税額控除はないものとして計算しています。 ※2 0.001%未満の端数が出る場合は四捨五入により0.001%単位で表示しています。 ●[表6]配当所得の課税方式の選択(商品類型Ⅰ~Ⅴのまとめ) 課税所得金額 最も税率の低い課税方式 商品類型Ⅰ 商品類型Ⅱ 商品類型Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ 195万円以下 所得税は総合課税で 住民税は申告不要 (C) 所得税は総合課税で 住民税は申告不要(C) 所得税は総合課税で 住民税は申告不要(C) 195万円超 330万円以下 330万円超 695万円以下 (A)と(C)が同値 両方とも申告不要 (A) 695万円超 900万円以下 両方とも申告不要 (A) 900万円超 1,000万円以下 両方とも申告不要 (A) 1,000万円超 1,800万円以下 1,800万円超 4,000万円以下 4,000万円超
110 111 株 式 ◆(2)損益通算の順序 上場株式等の譲渡損失の損益通算を行 う場合に、上場株式等の譲渡による所得 および申告分離課税を選択した上場株式 等の配当所得(および利子所得)がある ときには、次の順序で控除の対象とする こととされています。 ◆(3)繰越控除 上場株式等の譲渡損については、同じ 年の上場株式等の配当等だけでなく、翌 年以降3年間の上場株式等の配当等と通 算することも認められます(注)。 繰越控除の順序については、 次ペ ージCheckPoint!を参照して下さい。 (注)通算する前の上場株式等の配当等の金額が 「 合 計 所 得 金 額 」( 47ペ ー ジCheck Point!参照)に含まれます。 ◆(4)損益通算・繰越控除と適用税率 例えば、上場株式等の配当所得(申告 分離課税)が年150万円あり、他に上場株 式等の譲渡損が60万円ある場合、控除後 の配当所得90万円に対して20%(所得税 15%★・住民税5%)の税率が適用され ます。税負担は18万円(=90万円×20%、 他に復興特別所得税)となります。 繰越控除の適用がある場合、つまり、 前年以前から繰り越されてきた上場株式 等の譲渡損失がその年の上場株式等の譲 渡所得等や配当等から控除しきれた場合 には、その控除後の金額に対して、20% (所得税15%★・住民税5%)の税率が 適用されます。 平成29年において上場株式等の譲渡所得等および配当所得・利子所得があ り、平成26年分から平成28年分の各年から繰り越された上場株式等の譲渡損 失を控除する場合の取り扱いについては以下のようになります。 この場合、平成26年に発生した損失から順次控除にあてていきます。また、 繰越損失を控除する際には、譲渡益に限らず、上場株式等の配当からも控除 することが可能です。その際、繰り越した損失は、次の①→②の順に控除し ます。
上場株式等の譲渡損失を繰越控除する
場合の取扱い
◆(1)損益通算 申告分離課税を選択した上場株式等の 配当所得については、上場株式等の譲渡 損と通算することができます。 申告分離課税を選択した場合も、総合 課税を選択した場合と同様に、上場株式 等の配当等は、「合計所得金額」( 47 ページCheck Point!参照)に含まれる ことになります。損益通算が行われる場 合、損益通算後の金額(利益の場合に限 ります)が合計所得金額に含まれます。 上場株式等の配当所得であっても申告 不要や総合課税を選択した場合は損益通 算の対象となりません。譲渡損失の損益通算・繰越控除
上場 一般
①上場株式等の譲渡による所得 ②申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得および利子所得 ●繰り越された各年の上場株式等の譲渡損失の金額 平成26年発生分 平成27年発生分 平成28年発生分 500,000円 200,000円 100,000円 ●平成29年分の上場株式等の譲渡所得等および申告分離課税を選択した 上場株式等の配当所得・利子所得の金額 ①上場株式等の譲渡所得等 ②申告分離課税を選択した上場株式等の 配当所得および利子所得 700,000円 200,000円 ①上場株式等の譲渡所得等 700,000円 平成26年分の損失 500,000円 平成27年分の損失 200,000円 ②申告分離課税を選択した上場株式等の 配当所得・利子所得 200,000円 平成28年分の損失100,000円 申告分離課税を選択した上場株式等の 配当所得・利子所得100,000円上場 一般
112 113 株 式 みなし配当は、法人に留保されていた 利益が、企業組織再編や自己株式取得な ど一定の事由を契機として、その法人の 株主に移転したと考えられる場合に発生 します。具体的には、以下の事由に伴い 株主に対して交付される金銭等の額が、 その交付の基因となった株式に対応する 資本金等の額を超える場合の、その超え る部分の金額をいいます。 みなし配当に対する課税方法は、通常 の配当と基本的に同じです。ただし、み なし配当に関しては、その計算期間は12 ヵ月と取り扱われます。したがって、大 口株主が保有する上場株式等に係るみな し配当や、一般株式等に係るみなし配当 に関しては、1回当たりのみなし配当金 額が10万円以下である場合に限り、申告 不要を選択できることとなります。
みなし配当
上場 一般
例えば、自己株式の取得の場合、上記 計算式の(A)は、株式発行法人が1種 類のみの株式を発行しているか、2種類 以上の株式を発行しているかにより、次 のように計算します。 (1)みなし配当の算出方法 ◆みなし配当と譲渡益の計算方法総合課税、申告分離課税、申告不要の
比較(上場株式等の配当等)
①合併(適格合併を除く)②分割型分割(適格分割型分割を除く) ③株式分配(適格株式分配を除く) ④資本の払戻し(剰余金の配当のうち分割型分割によるもの以外のもの) または解散による残余財産の分配 ⑤自己の株式の取得(金融商品取引所の開設する市場における購入による 取得等を除く) ⑥社員の退社又は脱退による持分の払戻し ⑦組織変更(組織変更をした法人の株式以外の資産が交付されるものに限る) みなし配当額 =交付された金銭その他の資産の 価額の合計額 − その法人の資本金等の額のうち、 金銭等の交付の基因となったその 法人の株式に対応する部分(A) ①発行している株式が1種類のみの場合 (A)=自己株式取得等の直前における発行法人の資本金等 の額(取得資本金額)(注) × 発行済株式等の総数 ②発行している株式が2種類以上の場合 (A)= 自己株式取得等の直前に おける自己株式取得等に 係る株式と同じ種類の 株式に係る資本金等の 額(種類資本金額)(注) × その種類の株式の総数 (注)当該価格が0以下の場合は0 自己株式取得に応じた 株主等が有していた株式数 自己株式取得に応じた株主等が 有していた取得を行う株式と 同じ種類の株式に係る株式数 確定申告をする 確定申告をしない 総合課税 申告分離課税 (申告不要制度適用) 負債利子控除 あり なし 税率 超過累進税率 20%(所得税15%・住民税5%)★ 下記源泉徴収税率と同じ 配当控除 あり なし 上場株式等の譲渡 損失との損益通算 なし あり 特定口座の場合は口 座内で損益通算可能 扶養控除等の判定 合計所得金額に含まれる れる合計所得金額に含ま※ 合計所得金額に含ま れない 源泉徴収税率 所得税 15.315% 住民税 5% ※ 上場株式等に係る譲渡損失と上場株式等に係る配当所得との損益通算の特例の適用を受けてい る場合にはその適用後で、上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の適用を受けている場合には その適用前の金額上場 一般
114 115 株 式 (注)設例の簡素化のため、当期利益や配当の支払は考慮していません。 ◇みなし配当額の計算 ・取得資本金額=(200億円+80億円+20億円)÷4,000万株=750円 ・1株当たりのみなし配当額=1,000円−750円=250円 ◇譲渡損益の計算 ・1株当たりの譲渡代金=1,000円−250円(みなし配当額)=750円 ・1株当たりの譲渡損益=750円−500円=250円 ◆相続した非上場株式のみなし配当課税の特例 相続または遺贈(相続等)により取得 した非上場株式を発行会社へ譲渡し、か つ、次のすべてに該当する場合には、み なし配当ではなく、譲渡所得として課税 (申告分離課税)されます。 ◆資本剰余金を原資とする配当(資本の払戻し)があった場合の課税関係 通常、配当は発行会社の利益剰余金を 原資として支払われますが、資本剰余金 を原資として支払われることもあります。 資本剰余金を原資とする配当(「みな し配当」部分を除く)については、株式 等に係る譲渡所得等の収入金額とみなさ れます。 当該資本の払戻しの金額から取得費を 控除して譲渡所得等が発生する場合、確 定申告が必要になります(注)。 また、保有する株式について資本の払 戻しがあった場合、その払戻しがあった 日(その払戻しに係る剰余金の配当がそ の効力を生ずる日)以後の当該株式に係 る取得価額については、当該株式を発行 した法人の純資産減少割合に基づき、次 ページの算式により取得価額の調整(減 額)を行います。 (注)資本の払い戻しが特定口座内の上場株式に 係るものだったとしても、特定口座内での 計算が行われない場合、資本の払い戻しに 伴って発生した譲渡所得等は、一般口座に おける譲渡所得等とみなされ、原則として 確定申告が必要です( 220ページ参照)。 ただし、例えば、特定口座(源泉徴収口座) のみで株式の取引を行っている給与所得者 (給与を1か所から受けていて、その給与の 収入金額が2,000万円以下である者等に限 る)が、当該源泉徴収口座での取引につき 申告不要制度を選択し、かつ、資本の払戻 しによる株式等に係る譲渡所得等の金額を 含む所得金額(給与所得、退職所得を除く) の合計額が20万円以下の場合などは、確定 申告を行う必要はありません( 56ページ 参照)。 (2)株式譲渡益の算出方法 株主が発行法人から交付される金銭等 のうち、みなし配当以外の部分、すなわ ち資本金等の額から支払われる金額が株 式の譲渡代金となります。この譲渡代金 が、譲渡した株式の取得価額を超える場 合には、その超過額が株式の譲渡益とな ります。 例えば、以下のような資本構成のA社(発行済株式数4,000万株。全て普通株) が1株1,000円で600万株の自己株式を取得した場合、自己株式の取得に応じた株 主の1株当たりのみなし配当額および譲渡損益は次のようになります(自己株式の 取得に応じた株主の取得価額は500円とします)。 3 4 4 4 44 4 4 4 4 2 4 4 4 4 44 4 41 34 4 24 413 44 24 41 (250円) 取得資本金額 750円 自己株式の 取得価額 500円 みなし配当=250円 譲渡益=250円 1,000円 自 己 株 式 の 買 取 価 格 ・相続等により取得した株式で相続税があること ・相続開始日の翌日から相続税の申告書の提出期限の翌日以後3年を経過 する日までの間に発行会社に譲渡するものであること ・平成16年4月1日以後に相続等により取得した株式であること 自己株式取得直前 自己株式取得直後 1資本金 200億円 200億円 2資本剰余金 ⑴資本準備金 80億円 80億円 ⑵その他資本剰余金 20億円 20億円 3利益剰余金 ⑴利益準備金 40億円 40億円 ⑵その他利益剰余金 任意積立金 繰越利益剰余金 160億円 160億円 4自己株式 0 ▲60億円 株主資本合計 500億円 440億円 A社の純資産の部の株主資本
116 117 株 式