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(4) 2008 年版結婚・育児支援パッケージ 2008 年版結婚・育児支援パッケージの内容としては、「結婚支援」、「出産支援」、子ども の「保育・養育支援」、「ワーク・ライフ・バランス支援」といった重点項目の要素を包括 的に含んだプログラムから構成されている。 図表 2-2-31 2008 年版結婚・育児支援パッケージの内容(重点項目別) 重点項目 詳細 ①出会い支援 ②中央積立基金の補填的住宅助成金制度 ③関連政策 1. 婚約者制度 2. 初回購入者への優先的分配 3. 既婚子女優先制度 4. 段階的頭金制度 5. 転売物件購入婚約者制度 1)結婚支援 6. 中央積立金住宅助成制度 ①妊産婦医療口座パッケージ ②妊娠補助治療の為の政府共同助成金 ③妊娠補助治療の為の医療口座 ④関連政策 2)出産支援 ・第三子優先制度 ①税額控除、払戻し 1. 有資格子控除 2. 障害児控除 3. ワーキングマザーの子ども控除 4.祖父母保育者への控除 5. 保護者税払戻し制度 ②改良版ベビーボーナス 1. ベビーボーナス現金支給 2. ベビーボーナス子ども育成口座 ③託児施設での保育の改良 ④幼稚園教育の質の向上 3)保育・養育支援 ⑤外国人家庭内労働者課税の優遇制度

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①出産休業の延長 ②保育休暇の延長 ③新型乳児保育休暇 ④政府負担の養子休業 ⑤ワーク・ライフがうまくいく!基金 a. 共通賦金 4)ワーク・ライフ・バランス支援 b. 追加支援金 注)ハイライトなし:既にあった政策、薄いハイライト:拡充された政策、 濃いハイライト:新たに導入された政策 出典:National Population Secretariat. (2008a).

1)結婚支援(Getting Married) ① 出会い支援 (Finding a Partner) 2008 年 8 月 17 日のナショナル・デー・ラリー(NDR)で発表された政策に基づき、SDU と SdS は 2009 年 1 月 1 日に合併した。1984 年発足した SDU からは 53,000 人、1985 年に発 足の SdS からは 133,000 人、両機関は 2009 年 1 月までの約 25 年間で合わせて 186,000 人の 縁を結んだ。2005 年に両機関のメンバー対象で行われた調査の結果、過半数が合併した方 がよいと答えており、規模の経済性やデータベースの拡大、そして更なる機会を独身へ提 供するため政府は合併へ踏み切った。合併後の名称は当面 SDU-SdS とし、登録者数は合計 90,000 人となる。

② 中央積立基金の補填的住宅助成金制度(CPF (Central Provident Fund) Housing Top-up Grant Scheme) 中央積立基金の補填的住宅助成金制度は 2004 年 8 月 25 日に結婚・育児支援パッケージ の一部として公表された。これは独身の助成金受給者(以前転売物件を購入した際に、独 身の為の中央積立住宅交付金を受け取った者)に住宅交付金を与えるもので、有資格者は 下記の通りである。 ・婚約者が初回利用の市民であるか、交付金受給者で独身であること。 ・非市民権保有者である婚約者かその子どもが市民権保有者、或いは永住権取得者であ ること。(非市民権保有配偶者制度で転売物件を購入した者に適用される) 適正基準(省略)を満たすとき、他の転売物件を購入する時か、自宅の為に拡充交付 金を利用することができる。 ・拡充交付金の金額:独身助成金から既に受給者している額と、S$30,000 か S$40,000 の 家族助成金の差額(図表 3-23 参照)

・追加の中央積立基金住宅手当(Additional CPF Housing Grant, AHG):拡充交付金に適性 である購買者は所得の階層により、S$5,000 と S$30,000 の間で追加的中央積立基金住 宅手当を利用できる。家族助成金は図表 3-9 のように家族の近くに住んでいる場合

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S$40,000 で、それ以外は S$30,000 となる。

図表 2-2-32 追加の中央積立基金住宅手当(AHG)

家族助成金 家族助成金(親・既婚子女の近くに居住)

S$30,000 S$40,000

出典:Housing & Development Board, Singapore. (2006).

③ 関連政策(Related Measures)

1. 婚約者制度(Fiance/Fiancee Scheme)

婚約者は結婚前に住居の購入手続きをすることができる。

2. 初回購入者への優先的分配(Priority Allocation for First-timers)

住宅の初回購入者は、抽選の際に優先的に 2 回最終候補者リストに載ることができる。

3. 既婚子女優先制度(Married Child Priority Scheme)

この制度は既婚子女に親と同じ住宅、或いは隣接した住宅に住むことを、保育支援を 目的に奨励するもので、優先的に最終候補者リストに 2 回まで載ることができる。既婚 子女優先制度該当者であると同時に初回購入者である場合、合計 4 回優先権が与えられ る。

4. 段階的頭金制度(Staggered Down payment Scheme)

住宅の初回購入をする夫婦に早く家庭を築けるよう手助けするため、段階的頭金制度 は 2000 年 10 月に導入された。頭金を 2 段階で支払うことができる。2005 年 7 月 19 日以 前の購入者は 20%の頭金を 10%ずつに分割できたが、2005 年 7 月 19 日以降の購入者は 10%の頭金を 5%ずつに分割できるようになった。

5. 転売物件購入婚約者制度(Fiance/Fiancee Scheme for Resale of Flats) 婚約者は結婚前に住居を市場で購入することができる。

6. 中央積立金住宅助成制度(CPF Housing Grant Scheme)

中央積立金住宅助成制度は以下の助成金を、有資格転売物件購入者に提供するもの。 ・既婚の初回購入者へ家族助成金(Family Grant)S$30,000 を提供 ・既婚の初回購入者で、親や既婚子女の近隣に住む者へ上段家族助成金(higher-tier Family Grant)S$40,000 を提供 ・最低 1 年勤務し月の平均所得が S$5,000 以下の場合、(a)か(b)に追加で追加中央交付 金住宅手当を、所得により S$5,000 から S$30,000 の間の額を提供

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・35 歳以上の転売物件購入希望者に、独身シンガポール人制度の S$11,000 を提供 ・親と入居する 35 歳以上は、上段独身シンガポール人制度の S$20,000 を提供 ・独身制度の援助受給者が結婚した場合に、家族助成金との差額を提供(補填的住宅

助成金/Top-up Housing Grant)

・すでに住宅手当を受けた者と結婚する場合、家族助成金の半額を提供

2)出産支援(Having Children)

① 妊産婦医療口座パッケージ(Medisave Maternity Package)

妊産婦医療口座パッケージは出産前の医療費を医療口座から最大 S$450 引き出すことを 許すもの。これは出産費用の為の医療口座利用への追加金である。第四子、第五子を産む カップルは少なくとも S$15,000 が出産時に医療口座にある必要がある。出産時について引 き出せる金額は下の図表 2-2-33 を参照。 図表 2-2-33 妊産婦医療口座パッケージ 出産方法 入院期間 口座引出し限度 普通分娩 3 上限 S$2,250 帝王切開 4 上限 S$3,650

出典:Ministry of Health, Singapore. (2007).

② 生殖技術補助治療への政府共同助成金(Government Co-Funding for Assisted Reproduction Technology Treatment(ART)) 子どもがいない夫婦は、生殖技術補助治療(ART)33への政府助成金を 2008 年 8 月 17 日 から更に受けやすくなる。夫婦は政府助成金を最大 3 回の治療まで受給できる。助成金の 金額は、下記の図表 2-2-34 の通り、夫婦の在留資格によって異なる。 図表 2-2-34 生殖補助医療技術による治療への政府共同助成金 患者 シンガポール人 永住者 外国人 シンガポール人 50% (上限 S$3,000) 45% (上限 S$2,700) 25% (上限 S$1,500) 永住者 45% (上限 S$2,700) 配偶者 外国人 25% (上限 S$1,500) 適応なし

出典:National Population Secretariat. (2008d).

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前述の妊娠補助治療(Assisted Conception Procedure)と同義。2008 年結婚・育児支援パッケー ジパンフレットにおいて ART と ACP についての記述がそれぞれあったため、本書においても 別々に記載している。

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③ 妊娠補助治療の為の医療口座(Medisave for Assisted Conception Procedures) 妊娠補助治療(ACP)を受ける夫婦は、一回目、二回目、三回目までそれぞれ、S$6,000、 S$5,000、S$4,000 を口座より引き出すことができる。 ④ 関連政策(Related Measures) 1. 第三子優先制度 三人以上の子どもがいる親の為に最大 5%の入居可能な住宅が確保される。

3) 保育・養育支援(Raising &Caring for Children) ① 税額控除、払戻し(Tax Reliefs and Rebate) 1. 有資格子控除(Qualifying Child Relief, QCR) 有資格子控除額が S$2,000 から S$4,000 へ増額。

2. 障害児控除(Handicapped Child Relief, HCR) 障害児控除額が S$3,500 から S$5,500 へ増額。

3. ワーキングマザーの子ども控除(Working Mother’s Child Relief, WMCR)

シンガポール人の子を持つ働く母は拡充された働く母の子の税額控除を、最大 100%を全 ての子どもに対して受けることができる。QCR/HCR と WMCR の合計 S$50,000 を上限とし て請求することができる。前回の税額控除との詳細比較は下の図表 2-2-35 の通り。 図表 2-2-35 ワーキングマザーの子ども控除 出生順序 2008 年まで (母親の所得に対する割合) 2009 年から (母親の所得に対する割合) 第一子 5% 5% 第二子 15% 20% 第三子 20% 第四子 25% 第五子以上 - それぞれ 25%

出典:National Population Secretariat. (2008d).

4. 祖父母保育者への控除(Grandparent Caregiver Relief)

祖父母、親、義理の祖父母、義理の親、が自分の 12 歳以下のシンガポール人の子どもの 面倒を見ている場合、保育支援祖父母控除 (Grandparent Caregiver Relief)として S$3,000 請求 できる。

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5. 保護者税払戻し制度(Parenthood Tax Rebate, PTR) 保護者税払戻し制度が 2008 年以降に生まれたか養子縁組をした全てのシンガポール人の 子どもに拡張される。前回の税額控除との詳細比較は下の図表 2-2-36 の通り。 図表 2-2-36 保護者税払戻し制度 出生順序 2008 年まで (母親の所得に対する割合) 2009 年から (母親の所得に対する割合) 第一子 - S$5,000 第二子 S$10,000 S$10,000 第三子と第四子 それぞれ S$20,000 第五子以上 - それぞれ S$20,000

出典:National Population Secretariat. (2008d).

② 改良型ベビーボーナス(Enhanced Baby Bonus)

改良型ベビーボーナスはべビーボーナス現金支給と、預金額と同額を支援するベビーボ ーナス子ども育成口座からなる。有資格子はシンガポール人で 2008 年 8 月 17 日以降生ま れであり、親が法的に結婚していなければならない。

1. ベビーボーナス現金支給(Baby Bonus cash gift):

第 1 子と第 2 子に対するベビーボーナス現金支給額が S$1,000 増え、S$3,000 から S$4,000 となった。前回との詳細比較は下の図表 2-2-37 の通り。 図表 2-2-37 改良型ベビーボーナス 出生順序 2008 年まで (母親の所得に対する割合) 2009 年から (母親の所得に対する割合) 第一子と第二子 S$3,000 S$4,000 第三子と第四子 S$6,000 S$6,000

出典:National Population Secretariat. (2008d).

2. ベビーボーナス子ども育成口座(Children Development Account (CDA))

子ども育成口座への預金額と同額を政府が支給するもの。その上限が増額された。前回 との詳細比較は下の図表 2-2-38 の通り。

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図表 2-2-38 ベビーボーナス子ども育成口座 出生順序 2008 年 8 月 17 日以前 (それぞれの子どもに対して 最大で) 2008 年 8 月 17 日以降 (それぞれの子どもに対して 最大で) 第一子 - S$6,000 第二子 S$6,000 S$6,000 第三子と第四子 S$12,000 S$12,000 第五子以上 - S$18,000

出典:National Population Secretariat. (2008d).

③ 託児施設での保育の質の向上(Enhancing the Quality, Affordability and Accessibility of Centre-Based Childcare) 働く親の為に購入しやすく高品質な保育を提供すべく、5 年間で保育施設を増大していく 計画である。政府は 5 年間で 200 の新たな保育施設と 20,000 の保育機会の提供を促進する。 2013 年までに毎年 S$2,100 万が資金提供される。拡充項目としては下記が要点として挙げ られる。 i. 手ごろで高品質な保育の選択肢 ii. 幼稚園の教員の条件としてより高い学歴と資格 iii. 然るべき教員への奨学金制度 iv. 一貫したカリキュラムの枠組み v. 教員と子どもの比率 vi. 非営利保育施設経営者へ補助金 vii. 施設保育と乳児保育への助成金をそれぞれ、月子一人につき S$150 から S$400 へ、 上限 S$300 から S$600 へ増額

④ 幼稚園教育の質の向上 (Enhanced Quality of Kindergarten Education)

従業員への初期教育者適性審査と高等教育によって、幼稚園の教育の質を向上する。2013 年までに、教育省は幼稚園の教育適性者への資金提供を、現在の S$1,700 から S$6,250 へ増 額する。

⑤ 外国人家庭内労働者課税の優遇制度(Foreign Domestic Worker Levy Concession) 月額 S$265 の外国人家事労働者関税が、適性基準を満たす場合、S$95 割引かれ、月額 S$170 となる。

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4) ワーク・ライフ・バランス支援

① 出産休業の延長 (Extended Maternity Leave)

有給出産休業が 12 週から 16 週に延長された。最初の 8 週は企業側の負担となり、残り の 8 週は政府の負担となる。政府負担は 4 週間で S$10,000 が上限であり、即ち 1 回の出産 あたり、CPF 補填を含み S$20,000 が上限である。第 3 子以降 16 週間分が政府負担となり CPF 補填を含み S$40,000 が上限となる。後半の 8 週間は出産から 12 か月の間に自由に消化 することができる。有資格者は下記の通り。 ・2008 年 8 月 17 日以降生まれの過渡期に生まれた子は、企業分は任意、政府文は支給さ れる。 ・子どもがシンガポール人である。 ・子どもの親が法的に結婚している。 ・出産前に同じ企業で継続的に 90 日以上の勤務経験がある。 ・自営業や専門家の場合、何らかのビジネスや貿易などによって 90 日以上の稼ぎを得て おり、出産によってそれを失った場合。 更に、妊娠中の従業員の保護が強化され、下記の場合に雇用者は有給休業支援費を負担 コラム① 保育施設への支援について シンガポールには公立の保育施設はなく、民間と非営利団体によるものだけで ある。民間の保育施設は国営機関と違い、直接政策が反映されるのに時間がかか るという点がある。そのため、シンガポール政府は非営利団体 Anchor Childcare Operator と連携し、以下のような措置を行っている。 ・ より良い教員を選考する為のベンチマークの設定・・・教員の質が求められ ている現状があるが、教員の質を高くするべく教員の教育費を高くすると、 利用者が利用しにくくなってしまう。このため、非営利団体 Anchor Childcare Operator に助成金を渡すことによって、より良い教員を選考する為のベンチ マークを設定することで、値段をあまり上げずに、質の向上を保障できるよ うにしている。 ・ 施設設立のための補助・・・政府としては、200 の育児支援施設の設立を目 標としているが、政府が直接民間の施設を設立することは出来ない。そこで、 Anchor Childcare Operator が適切な立地を探し、市場原理に基づき民間企業に 設立を促し、入札によって設立させるという方法がとられている。

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する必要がある。

・妊娠の後半 6 か月の間に十分な理由なく解雇された場合 ・妊娠の最後 3 か月の間に解雇された場合

② 保育休暇の延長(Extended Childcare Leave)

7 歳以下のシンガポール人の子どもを有する働く親は、年間 6 日間の有給保育休暇を享受 することができる。初めの 3 日間は雇用者負担となり、後半 3 日間は CPF 補填も含め S$500 を上限とし政府が負担する。

③ 新型乳児保育休暇(New Infant Care Leave)

2 歳以下のシンガポール人の子どもを有する働く親は、年間 6 日間の無給乳児保育休暇を 享受できる。

④ 政府負担の養子休業(Government-Paid Adoption Leave)

2004 年 8 月 1 日に導入された養子休暇では、6 ヶ月以下の新生児を養子にした場合 4 週 間の休業が与えられるが、雇用者が有給で休業させた場合、雇用者に政府が S$10,000 を上 限として 4 週間分の給料を負担することとなった。

⑤ ワーク・ライフがうまくいく!基金(Work-Life Works! (WoW!) Fund)

WoW!基金は、仕事場へのワーク・ライフ・バランスの基準導入を雇用者に促す目的で、 企業に支給される政府助成金である。WoW!基金は、ワーク・ライフ・バランスの基準導入 に係るコスト負担を補助する。認証されたプロジェクトはその導入費用の 80%、最大 S$20,000 の助成金を受けることができる。WoW!基金の詳細については次項を参照されたい。 図表 2-2-39 2008 年度版結婚・育児支援パッケージパンフレット表紙 一般の国民向けに発行されている パンフレットであり、親しみやすい イラストや漫画、色遣い等を用いな がら、結婚・育児支援パッケージの 内容が詳細に記載されている。 URL: http://fcd.ecitizen.gov.sg/Marriage NParenthoodPackage

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コラム② 外国人メイドと出生率向上の関連について 税控除の措置が取られている等、シンガポールは日本、韓国に比べて家事労 働者として外国人メイドを雇いやすい環境にある。実際、シンガポールの 6 分 の 1 の家庭がメイドを雇っているという調査結果があり、本調査研究の研究会 でも、「女性の家事・育児の負担を軽減させる意味で、メイドが出生率向上に与 える少子化対策としての効果」を検証したいとする声もあった。 そこで、シンガポール政府担当者に「外国人メイドの雇用と出生率向上に関 連性はあると思うか」ということでヒアリングを行ったところ、シンガポール 政府の担当者の反応は、異口同音に「外国人メイドの雇用が、出生率向上に直 接的に効果があるとは思えない」というものであった。その理由として、以下 の項目が挙げられた。 ・ フレックスワークの提供という意味ではメイドは役立っているが、それが 出生率向上に直接結びつくものではない ・ 日本、韓国に比べてメイドの雇用率が高いとは言え、「外国人と一緒に住み たくない」「外国人メイドに対して多くを期待しない」と考える風潮もある ・ 育児の場合、重要なことは「世話をする人の信頼性」であり、その意味で は外国人メイドに自分の子どもを任せたくないという雰囲気がある 全体としては、育児を外国人メイドに任せることに抵抗があるようだ。この 背景には、外国人メイドのサービスの質が高くなく、また個人によってサービ スのレベルに差異があることが挙げられる。その差異を埋めるためには、サー ビスの標準化のための外国人メイドへの教育が考えられ、そうなれば出生率に プラスの効果があるとの示唆があった。しかし、それはコストの増大に繋がっ てしまう。 現在のコストを維持したまま、育児も安心して任せられる外国人メイドの育 成を行うことは難しく、外国人メイドの存在が少子化問題解決の決め手とはな らないようだ。

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(5)ワーク・ライフがうまくいく!基金(WoW! Fund)34 ワーク・ライフがうまくいく!(WoW!)基金は、共通賦金と追加支援金の二つの段階か らなる。共通賦金は 2004 年の導入時からあったが、追加支援金が 2009 年 3 月 1 日から新 たに導入された。(概要:図表 3-30 参照) ◆ 共通賦金(Common Tranche): 共通賦金はプロジェクト費用の最大 80%、最大 S$10,000 まで一団体につき 負担するも の。これは、然るべき従業員へのフレックス就労契約(flexible work arrangements (FWA35

))の 規定に成功した場合に資金提供されるものである。合理化により志願企業への FWA 導入を 促進する。 ◆ 追加支援金(Enhanced Tier) 追加の給付として、応募した企業に対してワーク・ライフ・バランスの成就とフレック ス労働契約の推進の為の、最大 S$10,000 上限の賦金である。これは、プログラムの結果と してワーク・ライフ・バランスの恩恵を受ける従業員の数などを含む、企業内のワーク・ ライフ・バランスの成就度合によって支払われるものである。 図表 2-2-40 ワーク・ライフがうまくいく!基金概要 実現可能な プロポーザル の応募 共通賦金 (最大S$10,000) 追加支援金 (最大S$10,000) フレックス 就労規定助成金 (最大$90,000) 目的: ・柔軟就労規定 (FWA) 導入へ の資金提供 目的: ・ワークライフ工程の 助成 ・最低5名の従業員が 恩恵を受ける ※ 基本的にはプロジェクト開始前に 承認が下りる

出典:Ministry of Manpower, Singapore (2009)より作成

34

Ministry of Manpower, Singapore. (2009).

35 Flexi-Works! Scheme(フレックスはうまくいく!制度)はフレックス就労規定を導入する事業

団体へ最大$100,000 を助成する。フレックス就労規定を導入する事業団体へ共通賦金の最大 $10,000 を助成する他、30 歳以上で過去 6 か月間失業していた者を、フレックス就労規定やパー トタイムにて、雇用する費用を最大$90,000 請求できる(給料やボーナスは請求できない)。

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2004 年の導入から WoW!基金への反響は良く、最初の S$1,000 万は 2007 年 4 月までに全 て投入され、新たに S$1,000 万導入されることとなった。 WoW!基金は、下記の費用負担に対して助成される: ・ワーク・ライフ・バランス戦略導入の為の人事担当や工程管理者の訓練。助成される 訓練はプロジェクトリーダーへの義務訓練や、工程管理者やその関連スタッフへの任 意訓練などを含む。人材開発省に認定された訓練のみ助成金が給付される。講習会の 日程は講習カレンダー(Calendar of Events)より確認できる。 ・ワーク・ライフ・コンサルタントの取組。事業団体は外部の第三者へワーク・ライフ・ バランスに関するアドバイスや援助を提供する取組への基金を利用することができる。 人材開発省の認定ワーク・ライフ・コンサルタント(list of qualified Work Life consultants) の業務はリストの通りである。

i. 計時や、遠隔アクセス設備などの、フレックス就労規定(FWA)の推進する為の IT インフラや物資の設備投資。

ii. 従業員支援制度(Employee Support Schemes (ESS36*2))の一部である個人の効果 的 ワ ー ク ・ ラ イ フ 職 場 プロ グ ラ ム ( Personal Work-Life Effectiveness (PWLE) Workplace Programmes)や、授乳室、ファミリールームなどを支援するインフラや プログラムの整備。 WoW!基金は、下記の費用を負担しない: ・従業員の親睦や、ジムのメンバーシップなどの個人的健全性を強化する制度 ・維持費(授乳室、IT 設備の維持や、給料など) ・消費税(財・サービス税(GST))

WoW!基金と Flexi-Works! プログラムの両方を利用する場合、WoW!と Flexi-Works!の共通 賦金(Common Tranche)の S$10,000、追加支援金(Enhanced Tier)の S$10,000 と、Flexi-Works! 柔軟就労雇用援助 S$90,000 を合わせて、最大 S$110,000 給付されることが可能である。 1)共通賦金(Common Tranche) 下記の項目を達成すると、共通賦金により、最大 S$10,000 の助成金を請求できる。 ・プロジェク通りダーへの義務訓練終了の認定書をワーク・ライフ・コンサルタントか ら発行されること。 36 職場における個人への効果的なワーク・ライフ・バランスプログラム(Personal Work-Life Effectiveness (PWLE) Workplace Programmes)の費用を一事業団体につき最大 70%、$3,000 まで支 出する。

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・人事規定に柔軟就労規定が導入されること。応募者は下記の 5 つの基準のうち、最低 2 つの柔軟就労規定を満たさなければならない。 i. パートタイム就労(Part-Time Work) ii. 時差的就労、柔軟勤務時間 iii. ジョブシェアリング iv. 柔軟勤務地、テレコミュニケーション v. 代替勤務スケジュール vi. 人事基準が従業員に周知されること。 2)追加援助金(Enhanced Tier) 応募者は Flexi-works!プログラムと、追加援助金プログラムを同時並行して取り組むこと ができる。下記の項目を達成すると、追加で最大 S$10,000 の助成金を請求できる。 ・ワーク・ライフ・バランス戦略を策定し、課題に取り組むこと。WoW!基金プログラム の助成対象外であっても、応募企業のワーク・ライフ・バランスに貢献したプログラ ムや人事プログラムの詳細が報告書に盛り込まれていること。これは応募企業のワー ク・ライフ・バランスに関する取組をよりよく考察する為である。

・従業員要望査定(employees needs assessment)を実施し、従業員の要望を査定する。 ・ワーク・ライフ・バランスに関するプログラムが応募企業にどのようなインパクトを

与えたかを記録する。離職、欠勤、諸費など、規定された指標を最低 3 ヵ月記録する。 ・共通賦金の条件である柔軟就労規定を従業員が達成した証拠を提供する。より高い従

業員目標や、画期的なプログラムを宣言した応募者は優先的に承認される。目標を達 成したとみなされるためには、最低 5 名の従業員から従業員宣言書(Declaration form for Employee)を提出しなければならない。 コラム④ ワーク・ライフ・バランス施策における投資利益率について シンガポール政府へヒアリングを行った際に、「ROI(投資利益率)が S$1 につき S$1.68 と試算している」、「ワーク・ライフ・バランス施策の推進は企業の利益をも たらす」という紹介がされた。試算の根拠については確認できなかったが、このよう な具体的な数値を示して施策の推進を図っているという。シンガポール政府の民間企 業に対する施策普及の熱意を見たような気がする。

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(6) 過去と現在の結婚・育児支援パッケージ比較表 2004 年結婚・育児支援パッケージ 2008 年結婚・育児支援パッケージ 1)結婚支援 ・社会開発ユニット(SDU) 大卒以上のシンガポール人及び永住権保持者を対象とし た出会い支援サービス ・社会開発サービス(SdS) 大卒以下のシンガポール人及び永住権保持者を対象とし た出会い支援サービス 1)結婚支援 ①出会い支援(SDU と SdS の合併) 社会開発ユニットと社会開発サービスの合併 (Merging of SDU and SdS) 2009 年 1 月 1 日

2008 年 8 月 17 日の National Day Rally によって「入籍」 した SDU と SdS が 1 月 1 日に合併した。1984 年発足し た SDU から 53,000 人、1985 年に発足の SdS から 133,000 人、約 25 年間で両機関合わせて 186,000 人の縁を結んだ。 2005 年に両機関のメンバー対象で行われた調査の結果、 過半数が合併した方がよいと答えており、規模の経済性 やデータベースの拡大、そして更なる機会を独身へ提供 するため政府は合併へ踏み切った。 合併後の名称は当 面 SDU-SDS とし、登録者数は合計 90,000 人となる。 ・中央積立基金の住宅供給助成金 CPF 住宅助成金追加計画は、過去に独身住宅補助金を受 けた者(独身のための CPF 住宅助成金を転売物件の購入 時に受領した者)で、かつ現在結婚している者に、住宅 補助金を追加するものである。 ②中央積立基金の補填的住宅助成金制度 金に適性である購買者は所得レベルにより、S$5,000 と S$30,000 の間で追加的中央積立基金住宅手当を利用でき る。 ③関連政策 ・婚約者制度 婚約者は結婚前に住居の購入手続きをすることができ る。 1. 婚約者制度 婚約者は結婚前に住居の購入手続きをすることができ る。 2. 初回購入者への優先的分配 住宅の初回購入者は抽選において、優先的に最終候補者 リストに 2 回まで載ることができる。 ・既婚子女優先制度 この制度は既婚子女に親と同じ住宅、或いは隣接した住 宅に住むことを、保育支援を目的に奨励するもので、優 先的に最終候補者リストに 2 回まで載ることができる。 既婚子女優先制度該当者であると同時に初回購入者であ る場合、合計 4 回優先権が与えられる。 3. 既婚子女優先制度 この制度は既婚子女に親と同じ住宅、或いは隣接した住 宅に住むことを、保育支援を目的に奨励するもので、優 先的に最終候補者リストに 2 回まで載ることができる。 既婚子女優先制度該当者であると同時に初回購入者であ る場合、合計 4 回優先権が与えられる。 4. 段階的頭金制度 住宅の初回購入をする夫婦に早く家庭を築けるよう手助 けするため、段階的頭金制度は 2000 年 10 月に導入され た。頭金を 2 段階で支払うことができる。2005 年 7 月 19 日以前の購入者は 20%の頭金を 10%ずつに分割できた が、2005 年 7 月 19 日以降の購入者は 10%の頭金を 5%ず つに分割できるようになった。 5. 転売物件購入婚約者優先制度 婚約者は結婚前に住居を市場で購入することができる。

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2004 年結婚・育児支援パッケージ 2008 年結婚・育児支援パッケージ

・中央積立金家族助成金制度

家族助成金として家族の近くに住んでいる場合 S$40,000、それ以外は S$30,000 の助成金を受けることが できる。

6. 中央積立金住宅助成制度(CPF Housing Grant Scheme) 中央積立金住宅助成制度は以下の助成金を、有資格転売 物件購入者に提供するもの。

A.既婚の初回購入者へ家族助成金(Family Grant)S$30,000 を提供

b.既婚の初回購入者で、親や既婚子女の近隣に住む者へ 上段家族助成金(higher-tier Family Grant)S$40,000 を提供 c.最低 1 年勤務し月の平均所得が S$5,000 以下の場合、 (a)か(b)に追加で追加中央交付金住宅手当(Additional CPF Housing Grant(AHG))を、所得により S$5,000 から S$30,000 の間の額を提供 d.35 歳以上の転売物件購入希望者に、独身シンガポール 人制度の S$11,000 を提供 e.親と入居する 35 歳以上は、上段独身シンガポール人 制度の S$20,000 を提供 f.独身制度の援助受給者が結婚した場合に、家族助成金 と の 差 額 を 提 供 ( 補 填 的 住 宅 助 成 金 /Top-up Housing Grant) g.すでに住宅手当を受けた者と結婚する場合、家族助成 金の半額を提供 2)出産支援 ・第四子以降の出産費用の医療口座利用 シンガポール国籍の者は、出産の費用に加えて、出産前 の費用(超音波検診など)に Medisave を、全ての子ども において使用することができる。この規定は 2004 年 8 月 1 日以降に生まれた乳児をもつ両親に適用される 。 2)出産支援 ①妊産婦医療口座パッケージ 妊産婦医療口座パッケージは出産前の医療費を医療口座 から最大 S$450 引き出すことを許すもの。これは出産費 用の為の医療口座利用への追加金である。第四子、第五 子を産むカップルは少なくとも S$15,000 が出産時に医療 口座にある必要がある。 ②生殖補助治療の為の政府共同助成金 子どもがいない夫婦は、生殖補助治療の為の政府助成金 を 2008 年 8 月 17 日から更に受けやすくなる。夫婦は政 府助成金を最大 3 回の治療まで受給できる。助成金の金 額は、下記の表の通り、夫婦の在留資格によって異なる。 ・妊娠補助治療(不妊治療)に対する医療口座利用 妊娠が難しい夫婦の場合、妊娠補助治療(人工授精・子 宮腔内授精・配偶子卵管内移植など、Assisted Conception Procedures, ACP)のために Medisave 口座からより多くの 資金を使うことができるようになった。2004 年 8 月 1 日 以降に ACP 治療サイクルを開始する夫婦は、第一・第二・ 第三 ACP 治療サイクルに対し、それぞれ S$6,000、 S$5,000、S$4,000 を上限として Medisave を利用すること ができる。以前の S$4,000 から上限を引き上げたという ことになり、最大 3 回の治療サイクルに対し適用できる。 ③妊娠補助治療の為の医療口座 妊娠補助治療(ACP)を受ける夫婦は、一回目、二回目、 三回目までそれぞれ、S$6,000、S$5,000、S$4,000 を口座 より引き出すことができる。 ④関連政策 ・第三子優先制度 1. 第三子優先制度

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2004 年結婚・育児支援パッケージ 2008 年結婚・育児支援パッケージ 3)保育・養育支援 3)保育・養育支援 ①税額控除、払戻し ・育児税額払戻し制度 年齢の制限や条件等なしに、子どもの生まれた順番に応 じて S$10,000 から S$20,000 の税金の払戻しがあるという ものである(2 番目の子どもには S$10,000、3 番目と 4 番 目の子どもには S$20,000)。 1. 有資格子控除 S$2,000 から S$4,000 へ増額。 2. 障害児控除 S$3,500 から S$5,500 へ増額。 ・ワーキングマザーの子ども税額控除 教育的な条件の有無にかかわらず、ワーキングマザーの 所得税を 5%から 25%軽減するという制度であり、その割 合は子どもの人数による(子どもの人数が 1~4 人となる に従い、5%・15%・20%・25%とそれぞれ増加する) 3. ワーキングマザーの子ども控除 シンガポール人の子を持つワーキングマザーは拡充され たワーキングマザーの子どもの税額控除を、最大 100%を 全ての子どもに対して受けることができる。QCR/HCR と WMCR の合計 S$50,000 を上限として請求することがで きる。 ・祖父母保育支援控除 祖父母により世話を受けている子どもを持つワーキング マザーは、S$3,000 の祖父母介護者への税制優遇を受けら れる。 4. 祖父母保育支援控除 5. 保護者税額払戻し制度 保護者税払戻制度が 2008 年以降に生まれたか養子縁組を した全てのシンガポール人の子どもに拡張される。 ②改良型ベビーボーナス ・ベビーボーナス制度 2001 年 4 月の初導入時には 2 番目および 3 番目の子ども に対し適用されたが、2004 年ではこれをさらに拡大し、 2004 年 8 月 1 日以降に生まれた 1 番目および 4 番目の子 どもを持つ夫婦にも適用されることとなった。 a. ベビーボーナス現金支給 第 1 子と第 2 子に対するベビーボーナス現金支給額が S$1,000 増え、S$3,000 から S$4,000 となった。 b. ベビーボーナス子ども育成口座 子ども育成口座への預金額と同額を政府が支給するも の。その上限が増額された。 ・施設乳児保育助成金の増額 18 か月から 2 歳までで、公認の幼児ケア施設に入ってい るシンガポール国籍の幼児の両親は、月ごとに最大 S$400 の幼児ケア補助金が、2004 年 8 月 1 日より受けられる。 ③改良版施設託児所保育 働く親の為に購入しやすく高品質な保育を提供すべく、5 年間で保育施設を増大していく計画。政府は 5 年間で 200 の新たな保育施設と 20,000 の保育機会の提供を促進す る。2013 年までに毎年 S$2,100 万が資金提供される。拡 充項目としては下記が要点として挙げられる。 a. 手ごろで高品質な保育の選択肢 b. 幼稚園の教員の条件としてより高い学歴と資格 c. 然るべき教員への奨学金制度 d. 一貫したカリキュラムの枠組み e. 教員と子どもの比率 f. 非営利保育施設経営者へ補助金 g.施設保育と乳児保育への助成金をそれぞれ、月子一人 につき S$150 から S$400 へ、上限 S$300 から S$600 へ増 額。 ④幼稚園教育の質の強化 従業員への初期教育者適性審査と高等教育によって、幼 稚園の教育の質を向上する。2013 年までに、教育省は幼 稚園の教育適性者への資金提供を、現在の S$1,700 から S$6,250 へ増額する。

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2004 年結婚・育児支援パッケージ 2008 年結婚・育児支援パッケージ ・外国人家事労働者課税優遇 外国人家庭内労働者を雇用している家庭は、同一の家屋 に住んでいる 12 歳以下のシンガポール国籍の子どもがい る場合、S$95 の外国人家庭内労働者課税優遇制度の対象 となる。 ⑤外国人家事労働者課税優遇 4)ワーク・ライフ・バランス支援 ・出産休業の長期化 シンガポール国籍の赤ちゃんを持つワーキングマザーは 現在 12 週間の有給産休期間を持っている。産後 6 か月以 内であれば、(8 週間の産休をまとめて取った後)さらに 4 週間の産休をいつでも取ることができる。 4)ワーク・ライフ・バランス支援 ①出産休業の長期化 有給出産休暇が 12 週から 16 週に延長された。最初の 8 週は企業側の負担となり、残りの 8 週は政府の負担とな る。政府負担は 4 週間で S$10,000 が上限であり、即ち 1 回の出産あたり、CPF 補填を含み S$20,000 が上限である。 第 3 子以降 16 週間分が政府負担となり CPF 補填を含み S$40,000 が上限となる。後半の 8 週間は出産から 12 か月 の間に自由に消化することができる。 ・保育休暇の長期化 雇用法に守られた被雇用者は、7 歳以下の子ども(法律に 従った養子および継子も含む)がいる場合、年間 2 日の 育児休暇を取る権利がある。この権利は、被雇用者が少 なくとも 3 か月雇用者の下で働いた場合に適用される。 ②保育休暇の長期化 7 歳以下のシンガポール人の子どもを有する働く親は、年 間 6 日間の有給保育休暇を享受することができる。初め の 3 日間は雇用者負担となり、後半 3 日間は CPF 補填も 含め S$500 を上限とし政府が負担する。 ③乳児保育休暇の長期化 2 歳以下のシンガポール人の子どもを有する働く親は、年 間 6 日間の無給乳児保育休暇を享受できる ④政府負担養子休業 2004 年 8 月 1 日に導入された養子休暇では、6 ヶ月以下 の新生児を養子にした場合 4 週間の休暇が与えられるが、 雇用者が有給で休暇をとらせた場合、雇用者に政府が S$10,000 を上限として 4 週間分の給料を負担することと なった。 ・ワーク・ライフがうまくいく!基金 政府は S$1,000 万の WoW!基金を導入することとなった。 始めに S$1,000 万を 2007 年 4 月に投入し、さらに基金へ S$1,000 万の追加を行うことを既に決定している。 ⑤ワーク・ライフがうまくいく!基金 2004 年の導入から WoW!基金への反響は良く、最初の S$1,000 万は 2007 年 4 月までに全て投入され、新たに S$1,000 万導入されることとなった。 注)ハイライトなし:既にあった政策、薄いハイライト:拡充された政策、 濃いハイライト:新たに導入された政策 (7) 現在の政策の運用状況 「2008 年結婚・育児支援パッケージ」をベースとした、現在の政策運用状況は以下の通り である。 結婚・育児支援パッケージの推移 結婚・育児支援パッケージは、2001 年、2004 年、そして今回の 2008 年と内容が拡充さ れてきた。2004 年に 2000 年の政策の評価に対する調査が行われ、2007 年に 2004 年版の評 価をする調査が行われた。これらの結果をもとに 2004 年、2008 年の結婚・育児支援パッケ ージがそれぞれ策定された。なお、この調査は取り組むべき分野を知ることが目的であり、 費用対効果を測定するものではない。

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1)結婚支援 ①出会い支援(SDU と SdS の合併) ・社会開発ユニットと社会開発サービス(SDU-SdS)合併の背景 社会開発ユニットは 1984 年に当時の首相のリー・クアン・ユーの強い後押しにより、大 卒者を対象とした結婚支援サービスとして発足した。社会開発サービスは 1985 年に大卒以 外の人を対象に発足した。時間が経つに連れ独身者のライフスタイルが変化し、交際に対 して開放的になった。若者はより多くの社交の機会を欲しており、データベースを拡大し、 出会いの機会をより多く提供する為、2009 年 1 月 1 日に合併に至った。 ・SDU-SdS の位置づけ、体制 SDU-SdS は社会開発・青年・スポーツ省(MCYS)の家族発展部の下に編成されている。 家族発展グループは家族を支援する対策に主に取り組む。家族発展グループの下は4つの 部門があり、家族に関する政策に取り組む「家族政策部門」、子育てや結婚に関する教育を 行う「家族教育部門」、結婚支援を行う「社会開発ユニット・サービス部門(SDU-SdS がこ れに相当)」、ベビーボーナスや育児支援、休暇支援など家族環境に取り組む「家族サービス 部門」がある。SDU の職員は約 15 人だが、合併後には近い将来、2 倍程度に増えるとみら れる。職員に基本的に異動はないが、キャリア開発として申請すれば他政府機関に出向で きる。 ・予算 結婚・育児支援パッケージより S$580 万の予算が結婚支援、つまり合併や機会提供の為 のプログラム、「アップストリーミング(早期段階における啓発)」、「社会開発オフィスネ ットワーク」に充てられている。アップストリーミングとは、高等学校の生徒に健全な関 係を構築するスキルを提供することである。この試みはジュニアカレッジや工科大学 (Institute of Technical Education)にも広がっている。社会開発オフィスネットワークとは多く の独身がいる企業の間を繋ぎ、より多くの機会を提供しようという、新しい試みである。

その内約 S$180 万はジュニアカレッジや工科大学(Institute of Technical Education)での教育 費、民間機関によるイベント開催費、合併の費用などにあてられる。残りの約 S$400 万は 公共教育とイベントの運営に充てられ、一般参加可能なメガイベントの開催費や、一般市 民への教育費、社会開発オフィスという民間組織間の独身従業員への機会提供などの、公 共教育とイベント運営の費用に充てられる。そのほかにも継続的運営に係る費用が年間 S$200 万割り当てられている。継続的運営とは、様々な活動や、ウェブサイト運営、SDU トラストの認証制度 DVD や CD の作成など、を含み、元々はこの年間 S$200 万のみで運営 していた。2004 年版結婚育児パッケージには社交促進へ割り当てられた予算はなく、2008 年から新たな試みとして S$580 万が今回割り当てられた。

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プログラムの効果の検証方法としては、意識調査の結果やイベント利用者数、登録者の 結婚数を検証し、評価している。84 年の創立から 53,000 人の SDU 登録者が結婚し、SdS で は 85 年から 133,000 人の登録者が結婚した。しかし、これは結婚した時にメンバーであっ た人も入っており、必ずしも全ての件数において SDU や SdS が直接的に貢献したと言える わけではない。 ・民間の結婚産業との協力 シンガポールでは民間のお見合い機関が増加傾向にあるが、民間機関の登録者が本当に 独身なのかどうか等、質を懸念する意見が寄せられている。このため、民間機関の質の向 上に資するべく、SDU トラスト(SDU Trust)という認証機関が設立された。SDU トラスト は民間機関の返金規定や契約内容が、透明性があるか、またそれらの説明がしっかりなさ れているかなどの基準に基づいて審査し、認証を行う。民間機関は認証に応募する際に、 専門的倫理要綱(Code of Professional Conduct)と基準と規範(Criteria and Standards)に合致 していなければならない。認証された民間機関は SDU マークが与えられ、パートナーコネ クション基金(Partner Connection Fund)に応募する資格を得る。SDU-SdS は業界の成長に 貢献する姿勢である。 ・結婚率向上への貢献 具体的な数値としては SDU トラストの認証された機関数や、SDU 登録者の結婚者数など プレスリリースで公表しているデータがあるが、それを元に SDU が結婚率向上にこの程度 向上しているとは言えない。 ・出生率との関係に対する認識 結婚は子どもをもつスタート地点であり、継続的な取組が必要との認識を持っている。 晩婚や非婚が増えてきている。この取組で出生率への効果が検証されているわけではない。 これは様々な活動の中の一部でしかない。 ・SDU-SdS の登録民族構成 登録者は中国系が大多数である。マレー系、インド系の登録者が少ない理由としては、 寺院や宗教団体などそれぞれの地域性に根付いた機関が、仲人的役割を果たしていること が挙げられる。 ・SDU-SdS における批判への対処 SDU は結婚を強制的に奨励しているわけではなく、出会いの機会を提供しているにすぎ ない。調査結果でも約 90%の国民が、政府は結婚支援サービスを提供するべきと回答して

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おり、民意を反映しているといえる。 ・訪問した SDU の施設、資料について SDU カウンセリング室やプレイルーム、イベントに使用する部屋 や屋外社交スペースが施設内に設置されている。資料として広報用の 資料、2006 年度年次報告書がある(報告書表紙は右図の通り)。 コラム④ SDU による意識調査の結果 公表されているSDU による意識調査の結果について、下記に紹介する(2006 年度報告書より)。 ○2005 年、SDU-SdS は、メンバー750 人と、非メンバーの国民 750 人の、計 1,500 人の独身者を対象 に意識調査を行った。調査結果からの主なポイントは下記の通りである。 ・回答者の90%以上は、いつか結婚する予定である。 ・現在恋人がいないSDU メンバーの 87%は、結婚前提で付き合いを望んでいる。 ・現在恋人がいないSDU メンバーの 34%は、適した相手を探すのは難しいと感じている。難しい理 由としては、「正しい相手や結婚に真剣な相手が見つからないこと」、「時間や社交の機会が足りない こと」が挙げられている。 ・インタビューに参加した雇用者の52%は、職場での出会い作りを支援すると答えた。 ・雇用者の 34%は、彼、彼女らの組織において独身雇用者の生涯の伴侶探しを手伝うべきだと感じて いる。 ○2006 年における「求婚と結婚に対する独身の意識調査」では、21~35 歳の独身シンガポール人 1,800 人を対象にアンケート調査が行われた。結果は下記の通りである。 ・回答者の81%はいつか結婚すると答えている。 ・回答者の46%は現在真剣な付き合いをしていないが、そのうちの 38%は真剣な付き合いをしたいと 答えている。また回答者の多くが、「相応しい人が見つからないこと」や、「出会いや異性の友達を 知る機会の不足」を真剣な付き合いをしていない理由として挙げている。 ○2006 年の「出会い産業市場調査」では、シンガポールにおける出会いサービス市場の潜在的可能性の 検証を目的に行われた。調査対象者は、独身者から、民間企業、地域団体や社会団体、出会い機関な ど、多岐にわたった。調査結果は下記の通りである。 ・58%の独身者は、民間企業が独身者の為の結婚活動イベントを開催することに前向きであり、市場 の成長が見込まれる。 ・独身者は、グループ交際や、友人のイベント、クラビング(クラブに行くこと)やパビング(パブ に行くこと)、ワイン会や夕食会、スポーツやレクリエーションなどの活動が魅力的であるとする。 また、自然な形での異性との出会いを好む。 ・民間企業側では、3 分の 2 の民間企業は、金銭面や宣伝での支援を受けられるのであれば、社交活動 を提供することを前向きに検討するとしている。 ○2006 年の「大学生の社交、デート、結婚に対する意識調査」では、デートや関係、結婚に対する意識 や考え方を理解するため、高等学校に通う学生 2,041 人を対象に行われた。キャンパスにおいて社交 活動に参加することへの受容・抵抗感についても調査を行っている。調査結果は下記の通りである。 ・回答者の96%は結婚するつもりである。これは男性、女性に共通している。 ・回答者の 93%は、結婚の前に、全ての学校教育課程を修了することや、一定レベル以上の所得を得 ることは、非常に大切であるとしている。回答者の 81%はキャリアを築くことが、結婚前の重要な ステップであるとしている。 ・回答者の77%は親が、40%は友達が結婚を決断する上で、それぞれ重要な影響を及ぼすとしている。

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3)保育・養育支援 国営の保育施設は、シンガポールにはなく民営もしくはボランティアの施設のみである。 センターでの保育など育児の質を強化しており、08 年の重要な変更点の一つ。教師の訓練 期間の増加や、教育省での認証制度など教育者と協力して教師の資格のレベルを上げる努 力をしている。教師の給料を上げるとコストが上昇するので親への助成金を上げた(S$150 から S$300)。 4)ワーク・ライフ・バランス支援 ① シンガポールの人口問題概要について 少子化が進むことにより、急激な高齢化の問題となっている。2020 年には高齢者と国民 の人口の比率が 5:20 になるという統計があり、労働力の確保が緊急の課題である。労働 力確保のための施策として、人材開発省(MOM)では大きく 2 点を重視している。1 点は 外国人労働力確保の問題で、もう 1 点がワーク・ライフ・バランスの問題である。大企業 や多国籍企業はワーク・ライフ・バランスへの取組に対して積極的だが、地元の中小企業 は資金不足の為ワーク・ライフ・バランスへの取組が遅れているとされており、政府はこ の取組を支援している。ワーク・ライフ・バランスへの取組については、シンガポールは 他の先進国よりも比較的遅れているという認識であるが、その原因として、海外からの単 純労働者が母国より家族を連れてくることや、シンガポール内で新たに家族を作ることが 禁じられていることが挙げられる。家族のあり方が制限されているシンガポールでは、「ワ ーク・ライフ・バランスから家族のあり方を見直す」という考え方を持つのが遅れている というのが現状である。 ② ワーク・ライフ・バランスを支援する機関について ワーク・ライフ・バランスへの取組は 2000 年から人材開発省(MOM)、社会開発・青年・ スポーツ省(MCYS)、シンガポール国家雇用者連盟(SNEF)、国家貿易組合会議を主なメ ンバーとして始められた。2000 年に始まった三者間委員会には政府、雇用者、被雇用者か ら、さまざまな団体が参加している。以前は家族を重視する観点からワーク・ライフ・バ ランスが推進されてきたが、最近はビジネスでの優位性を持たせる上で重要であるという 視点に方向転換している。人材開発省は雇用者の側から、社会開発・青年・スポーツ省は 被雇用者の立場から、雇用者同盟は CEO-CEO 間の連携によって、国家貿易組合会議は雇用 者と被雇用者の連携によって、それぞれワーク・ライフ・バランスを推進している。 ③ ワーク・ライフ・バランス戦略について ワーク・ライフ戦略として重要な点として、下記の 4 つが挙げられる。 i. CEO-CEO サポート:ワーク・ライフ・バランス戦略を取り入れた企業のトップから別 企業のトップへの啓発事業

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ii. ワーク・ライフ・バランス支援:ワーク・ライフ・バランス戦略を取り入れる企業に 対しての経済的支援。企業は計画書等を提出し、認められた場合は認証が降りる。 iii. ワーク・ライフ・バランス戦略の優良企業の表彰:「Work life Excellence Award」という

表彰トップへの啓発事業制度が設けられており、2 年ごとにワーク・ライフ・バランス をとる上で優良な計画を実施した企業が、立候補することで選ばれ、表彰される。具 体的には、フレックス勤務制度の導入、法律以上の休暇を認める等する企業が選ばれ る。受賞者は 2 年間、雇用や広報にロゴを使うことが出来る。選ばれたことによる特 典は特に設けられていないが、企業には無料広告になる、企業のイメージが上がると いうことで歓迎されている。 iv. 企業や海外の事例のケーススタディ ④ 海外からの評価

アメリカのワーク・ライフ・プログレス同盟(Alliance for Work Life Progress)という世界 で指導的立場にある団体から、シンガポールは三者間委員会によってワーク・ライフ・バ ランスを促進している国であると 2006 年に認められた。

⑤ ワーク・ライフ・ハーモニー(Work Life Harmony, WLH)の取組

2000 年から取組開始。ワーク・ライフ・バランスの取組については、ワーク・ライフ・ ハーモニー(WLH)と表現。以前はワーク・ライフ・バランスと言っていたが、ワークと ライフ双方のニーズを相殺し合うイメージがあり、三者間(政労使)委員会で変更決定。 ⑥ ワーク・ライフ・バランス支援について ワーク・ライフ・バランスの支援プログラムは、フレックス勤務制度、(法定以外の)休 暇手当、そして従業員支援制度の 3 つに主に分けることが出来る。またワーク・ライフ・ バランス推進のモデルとして考えられているものは 4 段階あり、 1)ワーク・ライフ・バランスに取り組むことへの呼びかけ、 2)企業や雇用者によるワーク・ライフ・バランスの需要や取組の制約の査定、 3)企画の導入、 4)企画の評価、 となっている。多くの企業は 4 つめの「企画の評価」が出来ていない。 ⑦ WoW!(ワーク・ライフがうまくいく!)基金の支援について WoW!基金は 2004 年 8 月から始まったものである。大企業でのワーク・ライフ・バラン スは有る程度普及してきたものと考えており、中小企業への普及・啓発がカギとなると認 識している。WoW!基金では、2007 年 4 月までに S$1,000 万の支援を行ってきた。さらに政

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府は S$1,000 万を準備した。特定の財源はなく、毎数年ごとに予算の見直しが行われ改正さ れる。具体的には、人事やライン管理者を訓練する費用ワーク・ライフ・バランスのため のコンサルタントを雇う費用、リモートワーク(在宅や外出先での勤務)、クロックインシ ステム(ID カードによる出・退勤の管理システム)等のインフラ設置のための費用、授乳 室の設置等従業員支援制度の充実に取り組んだ企業について支援が行われる。 ⑧ 休暇支援について 週休制度については、法律的には現在公務員から展開しているところだが、実際は多く の企業が週休 2 日制を取り入れている。基本的に、企業の業種によって働く日数に違いは あるので、週の労働が7日にならなければ休暇に関しては企業に任せており、労働組合が それを監視する形になっている。労働者が自分の休暇について不満を感じるような場合は、 MOM に訴える事が出来る。法的には年間 14 日間の休暇が与えられているが、人材開発省 の調査では 40%以上の就労者がそれ以上の休暇を取っているという結果がある。シンガポ ール文化を考慮するとこれは十分だと認識している。 ⑨ ワーク・ライフ・バランスの課題 シンガポールとアジア共通の課題として、社員が職場にいることを重視し、付き合い残 業を助長する文化的背景があり、ワーク・ライフ・バランスを仕事量の軽減と直結させて考 えてしまう雇用者が多く存在する。ワーク・ライフ・バランスは仕事の能率に重点を置い ており、仕事の量が減るということではない。 ⑩ ワーク・ライフ・バランス戦略の拡大と企業の経済の関係について 「ワーク・ライフ・バランス戦略に企業が S$1 の投資することで、S$1.68 の利益がある」 という結果があるように(注:10 社程度の優良企業のデータより)、ワーク・ライフ・バラ ンス戦略は企業の経済面にも良い効果がある、とする。ワーク・ライフ・バランス戦略を 進展させることは、優良な人材確保につながり、長期的な観点から企業に利益をもたらす とされている。人材は、賃金、報償、働きやすさの観点で企業を選ぶが、前者の 2 点にて 競合することは限界があるので、働きやすさの観点で他企業と競合するようになってきて いる。 なお、フレックス制度の進展評価に数値目標はない。現在 3∼5%の普及率であるが、働 き方への考え方の違いもあるので、特に数値目標は設けていない。 ⑪ 男性の働き方支援について 特に「男性」の働き方を支援しようという動きは、現在の所特には活性化されていない。 労働時間が長いという問題はあると思うが、特に表面化していないので支援の対象にはな っていない。育児休暇(infant care leave)については男性への広がりは有るが、それ以外の

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所では男性の働き方支援として特筆すべきものは無い。 ⑫ 民族的な差異について 実力主義であるので、民族について働き方支援に差異はない。一方、外国人についての サービスは、一部低い部分もある(医療支援等)。ただ、政府としては基本的に国民の利益 を追求する立場なので、この立場に問題はないと考えている。 ⑬ 女性の復職率について (女性の復職率が日本・韓国と比べても低いということについての政府担当者の意見) シンガポールの場合、女性の高学歴化及び経済的な理由が主ではないかと考えている。 コラム⑤ シンガポールの政府組織における役割 以下の図表は、シンガポールの政府組織について、日本の政府組織との対比 を目的として作成したものである。少子化対策に取り組んでいる機関について の詳細は本文中を参照されたい。 教育省(MOE) 人材開発省(MOM) 社会開発・青年・ス ポーツ省(MCYS) 内務省(MHA) 健康省(MOH) 住宅開発庁 財務省 首相府(PMO) 結婚政策( SDU-SdS) 家族政策 ・ベビーボーナス ・出産休暇 未成年の保護と 養育 ワーク・ライフ効率 の促進 外国人家庭内労働 者課税値引き制度 ワーク・ライフ・バラ ンス支援 幼稚園教育の質の 向上 移民管理 妊産婦医療口座 パッケージ 妊娠補助治療の為 の政府共同助成金 妊娠補助治療の為 の医療口座 結婚支援 ・中央積立基金制度 国家人口委員会 (NPC) 国家人口事務局 (NPO) 少子化対策としての 税優遇制度 日本:厚生労働省 日本:厚生労働省 日本:文部科学省 日本:国土交通省 日本:厚生労働省 日本:財務省 *日本に相当する省庁

シンガポールの政府組織における役割

日本:内閣府

図表 2-2-38  ベビーボーナス子ども育成口座  出生順序  2008 年 8 月 17 日以前  (それぞれの子どもに対して  最大で)  2008 年 8 月 17 日以降  (それぞれの子どもに対して 最大で)  第一子  -  S$6,000  第二子  S$6,000  S$6,000  第三子と第四子  S$12,000  S$12,000  第五子以上  -  S$18,000

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