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FOCUS イオリン協奏曲第 5 番を弾かせていただいてとてもいい経験になりましたが 今回もモーツァルトの作品なのですごく楽しみですし いい演奏ができたらと思っています 川本 : あと 他の作曲家が書いた協奏曲よりもオーケストラが重要な役割を 果たしていると思います 例えばヴィ オラはパートが 4

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Academic year: 2021

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 「待ってました!」という声があちこ ちから聞こえてきそうな、今回の水戸 室内管弦楽団(MCO)演奏会。第 1 部は、 MCO が世界に誇るメンバーであり、ス ケールが大きく、彫りの深い演奏が魅 力のヴァイオリニスト・竹澤恭子とヴィ オリスト・川本嘉子の二人がソリスト として、モーツァルトの作品で夢の共 演を果たします。第 2 部は、小澤征爾 総監督と MCO が近年情熱を注いでいる ベートーヴェンの交響曲シリーズより、 今回は第 1 番です。唯一無二の信頼で 結ばれた音楽家たちによる渾身の演奏 で、若きベートーヴェンが満を持して 世に問うた楽曲の核心が明らかになる ことでしょう。  10 月の定期演奏会のゲネプロ後、竹 澤さんと川本さんに、お二人の出会い や、モーツァルトの協奏交響曲、マエ ストロ小澤との音楽創りなどについて 伺いました。 竹澤さんと川本さんは、これまでご共 演されたことは…? 川本:実はあまりなかったんですよね。 竹澤:そう、室内楽で少しあるくらい。 でも機会があればぜひと思っていたの で、今回ご一緒させていただけること が決まり、こういうメジャーな曲を弾 かせていただけることになって「やっ た!」という感じでした。 川本:私もですね。実は恭子さんとは 桐朋女子高校の同級生なんです。それ に私は名古屋出身で、竹澤さんもそう。 3歳くらいから私もスズキメソードで ヴァイオリンを習っていたので、その 頃から恭子さんのことは雲の上の存在 として知っていました。今回の共演は、 もう光栄の極みという感じです(笑)。 モーツァルトの〈ヴァイオリンとヴィ オラのための協奏交響曲 変ホ長調〉に ついて、これまでの思い出や聴きどこ ろについて教えていただけますか? 川本:私がこの曲を初めて弾いたのは、 桐朋学園大に通っていた頃で、当時は ヴァイオリンを弾いていました。学校 のオーケストラでたくさん練習して、 すごく勉強させてもらった曲です。で も実はそのとき「ヴァイオリンってな んか弾きにくい」と思っていたの。変 ホ長調という調性って、倍音の関係で、 ヴァイオリンが一番響きにくいんです よね。モーツァルトはそれを知ってい て、自分は初演でヴィオラを弾いたと いう話もあるんです。ヴィオラはニ長 調で記譜されていて、変ホ長調にする ためにヴィオラの弦を通常より半音高 く調弦すると、ヴィオラはもっと多く 倍音が共鳴して豊かに響く。この曲は、 ヴァイオリンの大嫌いな人から委嘱さ れたっていう逸話もあることを考える と…面白いですよね(笑)。私も、この 曲を最初に弾いた時、ヴァイオリンは 弾きにくいから、「いつかヴィオラを弾 いてみたい」と思っていたんです。2 回 目にこの曲を弾いた時には、ヴィオラ に転向していました。…まぁヴィオラ はヴィオラで弾きにくいんですけどね (笑)。 竹澤:チューニングは高くして弾くの? 川本:私はかえないようにしてる。昔、 ヴァイオリンの豊嶋泰嗣さんと弾いた 時、本番で弦を切っちゃって。やっぱ り弦のテンションが強くなるんですよ ね。だから普通の調弦で、変ホ長調で 弾きます。 竹澤:調弦をかえる場合、フィンガリ ングも全部かわるの?すごく混乱しそ う。よくできるわね!やったことない けど(笑)。 川本:楽譜をずっと見ていないと分か らなくなるから本当にこわい(笑)。で も音はすごく大きくなる。だから倍音 がいかに大事かということを、モーツァ ルトは知っていたのよね。 竹澤:私は、この曲は今までに 1 回く らいしか弾いたことがないんです。で も好きな曲ですし、機会があればいつ か弾きたいなと思っていました。この 曲は、ヴァイオリンとヴィオラのやり とりが対等に書かれていて、音楽を一 緒に作っていけるので、そこでどう生 き生きした演奏ができるかにかかって きますよね。2015 年の第 93 回定期演 奏会では、水戸でモーツァルトのヴァ

水戸室内管弦楽団 第 98 回定期演奏会

川崎公演

MCO が世界に誇る演奏家、竹澤恭子&川本嘉子が大いに語る!

1.13 15

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文・聞き手 高巣真樹 1-2. 水戸室内管弦楽団第 98 回定期演奏会/川崎公演

3. SUGADAIRO PROJECT vol.2「秘境/魔境」スガダイロー×田中泯、近藤岳、有馬純寿 4. サイトウ・キネン・オーケストラ ブラス・アンサンブル/水戸市民吹奏楽団 5. 最近の公演から 6. INFORMATION

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2017

JANUARY

VOL.

214

水 戸 芸 術 館 音 楽 紙[ ヴ ィ ー ヴ ォ]

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イオリン協奏曲 第 5 番を弾かせていた だいてとてもいい経験になりましたが、 今回もモーツァルトの作品なのですご く楽しみですし、いい演奏ができたら と思っています。 川本:あと、他の作曲家が書いた協奏 曲よりもオーケストラが重要な役割を 果たしていると思います。例えばヴィ オラはパートが4つあって、それを4 人のメンバーが分担して弾かなきゃい けないから結構大変。この曲は、どの パートを弾いても面白い曲だと思うし、 お客様には、聴いているだけでも湧き 上がってくる何かを感じてもらえると 思います。 オーケストラも重要ということで、今 回は水戸室内管弦楽団(MCO)との共 演ですね。 川本:やはり名手の集まりで、小澤さ んが信頼している方ばかりだから、お 任せするだけですね(笑)。 竹澤:このオーケストラとの共演なら ではの演奏の良さが出せるのではない かな。 川本:そうね。ああしてほしいこうし てほしいではなくて、皆さんが好きに やっていただいて、それが集まってき たところで、すごくいい音楽ができる のではないかと思って、それが楽しみ です。皆さんそれぞれ積み重ねてきた 音楽体験が違うから、出てくる音楽も 違いますよね。小澤先生がいらっしゃ る時はそれをまとめてくださるんです けど、この曲にはモーツァルトの力が あるから、曲がまとめてくれると思い ます。だから大船に乗ったつもりでい ますよ。それに変ホ長調はモーツァル トが好きな調性だから、それだけで音 楽にパワーがあるんですよね。 竹澤:このオーケストラの良さって、 それぞれの方の個性もありますし、い つもは違う場所で活躍されている方た ちが集まったときに出る力が、また素 晴らしいんですよね。この曲はシンフォ ニーの要素もあるから、そういう方向 も出していただきながら集まれると、 いい音楽ができると思います。 近年、マエストロ小澤とは継続してベー トーヴェンの交響曲に挑んでいますね。 川本:小澤先生というと、私はベートー ヴェンの交響曲第7番というイメージ があるんです。ベートーヴェンの音楽っ て、ある衝撃的なテーマが出てきて… 例えば誰もが思い浮かべる〈運命〉と かね。ある特定の和音やリズムがくり 返し出てきて、「まだやるの?」という くらいの執拗さがありますよね(笑)。 そういう音楽を演奏する時でも、回を 重ねる毎に、小澤先生の表現力の高ま りを感じるんです。例えば水戸で2回 本番があって、そのあと別の場所でも う 1 回本番があると、さらにまた新た なエネルギーがいただける。小澤先生 は、ただ音楽をまとめて表現する指揮 者ではなく、音楽の根底にある大事な エネルギーをいつもくださる方なので、 とても感謝しています。音楽のピュア な力を小澤先生からいただくことの喜 び、それが水戸に来る一番の楽しみで す。ベートーヴェンの交響曲第 1 番は、 ベートーヴェンとしてはまだ比較的お となしいというか、柔らかいし優しい から、そういう面を小澤先生から与え ていただくのもまた楽しみです。 竹澤:私は水戸に来させて頂くように なってまだ日が浅いですが、小澤先生 といえば今でも思い出すのが、高校生 の時のこと。小澤先生が桐朋のオーケ ストラの授業にいらしてくださったこ とが時々あって、オケの空気がわっと 変わるのを凄まじく感じました。そし て最近、実際に接する中で一番印象的 なのは、あの本番での緊張感ですよね。 その中から出てくるエネルギーを改め て痛感し、大きなものをいただきなが ら毎回演奏していて、すごく刺激をい ただいています。 川 本: 小 澤 先 生 が、 教 室 の 後 ろ か ら 「ちょっと俺やってみようか」と言いな がら入ってきて、オケの授業をジャッ クするみたいなこと。あの衝撃を高校 生で体験できたのって私たちの世代だ けなのよ。あの頃の3年間くらいだけ。 竹澤:それはラッキーだったわね! まさに運命的な出会いですね!第 1 部、 第 2 部ともに、演奏会を楽しみにして おります。 2016 年 10 月 29 日 両公演ともチケットは完売いたしまし たが、1 月 13 日(金)の公演は、NHK 茨城県域放送にて、生中継される予定で す。

水戸室内管弦楽団 川崎公演

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(火)19:00 開演 会場 ミューザ川崎シンフォニーホール ※出演者、曲目は水戸公演と同じ

水戸室内管弦楽団 第 98 回定期

演奏会

1/13

(金)19:00 開演

1/15

(日)14:00 開演 会場 水戸芸術館 コンサートホール ATM 全席指定 S 席 15,000 円、A 席 12,500 円      B 席 10,000 円 出演 小澤征爾(ベートーヴェン作品のみ指揮)、竹    澤恭子(ヴァイオリン)、川本嘉子(ヴィオラ) 曲目 モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための     協奏交響曲 変ホ長調 K.364(320d)  ベートーヴェン:交響曲 第 1 番 ハ長調 作品 21 2016 年 3 月 第 95 回定期演奏会 (Photo:大窪道治)

(3)

 不断の挑戦を重ね、独自の道を切り拓 いているジャズピアニスト、スガダイロ ―を中心とした全三回のプロジェクト。 巨匠・山下洋輔とのスリリングな熱演で 観客を沸かせた第一夜「狂演」に続い て、第二夜は「秘境/魔境」篇。枠にと らわれない活動で一線を画す表現者とと もに、一夜限りの濃密な即興空間を生み 出します。 ピアノ×オルガン×エレクトロニクス!? 一夜限りの音の「秘境」へ  第一部はエントランスホールにて、ピ アノ×パイプオルガン×エレクトロニク スという前代未聞の組み合わせによる即 興に挑みます。まず登場するのはオルガ ニストの近藤岳。レパートリーは古典か ら現代まで幅広く、ソロ、アンサンブル、 オーケストラとの共演など様々な形で活 躍中です。さらには旺盛な知的好奇心と 豊かな音楽性から、新作の初演や即興演 奏、作曲・編曲にも積極的に取り組んで おり、まさにパイプオルガンに新たな風 を吹きこむ逸材です。今回は同世代のス ガさんと初共演。近藤さんは、「凄いこ とができそうな才能の持ち主と感じてお り、共演がとても楽しみです」と語られ ていました。  もう一人の主役は有馬純寿さん。エレ クトロニクスやコンピュータなどの最先 端技術を駆使して作り上げる音響表現 で、現代音楽や即興、アートの現場で引 く手あまたの存在です。2015 年に日本 初演された、ドイツの作曲家ツィンマー マンによる大作〈ある若き詩人のための レクイエム〉では、エレクトロニクスを 使っての音響表現を行い、同じく演奏に 参加したスガとともに大きな話題となり ました。また「東京現音計画」というア ンサンブルでは日本初演を数多く手が け、ユニークな編成の作品を委嘱するな ど、現代音楽の最前線で注目すべき活動 を続けています。  「音の世界の開拓者」ともいうべき三 人の即興。現時点での会場イメージ図 は下記の通りです。ピアノは 1 階前方。 オルガンという巨大な楽器と対峙するよ うに配置します。1・2階の各所にはス ピーカー設置。有馬さんには1階後方に て、スガさんの大地を響かせるような音 や、天井から降り注ぐ近藤さんの音を、 つなげたり、ばらばらにしたり、録音し てループさせたりと、自由に音を操って いただきます。それぞれの音が混ざり、 拮抗し、絡み合う…一夜かぎりの美しい 音の「秘境」に期待は膨らみます。 第二部は「魔境」篇 ダンサー・田中泯、水戸芸術館初登場  第 2 部は「魔境」篇。ACM 劇場にて、 ダンサーの田中泯とスガダイローのパ フォーマンスを行います。田中泯は、近 年は映画〈たそがれ清兵衛〉や NHK の 朝の連続ドラマ〈まれ〉など、俳優とし ても活動展開中ですが、ダンサーとして の原点は、70 年代に挑んだ裸体舞踊。 77 年には、パリ秋季芸術祭「日本の間」 展に参加(磯崎新・武満徹プロデュース) にて海外デビューし、以来、世界各地で 独創的な踊りを繰り広げています。躍る 場は、オペラハウスからごみ処理場、京 都の染物屋からインドネシアの島々まで とにかく幅広い。「場で」踊るのではな く、「場を」踊る「場踊り」で、今も多 くの観客に衝撃を与えています。空間に 宿る気と呼応し、身体を微細に動かせる 泯さんの踊りを見ていると、人知を越え た世界を往還するような時の流れや、原 始的な生命の衝動を感じます。まさにそ れは、観る者を覚醒させる踊りと申せま しょう。一方のスガさんは、身体表現家 との即興対決も数多し。スガダイローと 田中泯が真っ向から対峙するとき、そこ には魔性すら宿る未知の沃野が広がるに 違いありません。  なお、「SUGADAIRO PROJECT」(全 三回)全てにご来場の方には、スガダイ ロー特製アーティスト写真(サイン付) をプレゼントします!各回のチケット半 券はなくさないよう大切にお持ちくださ い。(詳細は後日発表します。) 

前代未聞の即興パフォーマンス、ここに現る。

SUGADAIRO PROJECT vol.2 スガダイロー×田中泯、近藤岳、有馬純寿

文 高巣真樹

1.28

スガダイロ―プロジェクト 検索

 

SUGADAIRO PROJECT vol.2

スガダイロー × 田中泯、近藤岳、

有馬純寿「秘境/魔境」

1/28

(土) 18:00 開場・18:30 開演 第 1 部「秘境」スガダイロー × 近藤岳 × 有馬純寿 会場:エントランスホール(スタンディング) 第 2 部「魔境」スガダイロー × 田中泯 会場:ACM 劇場(全席指定) 一般 3,500 円、ユース(25 歳以下)1,000 円 近藤岳 有馬純寿 スガダイロー 田中泯 ※この会場イメージは当日変更になる可能性もございます。 第 1 部「秘境」会場イメージ図 :スピーカー

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サイトウ・キネン・オーケストラ ブラス・アンサンブル

 『このブラス・アンサンブルは、とにかく メンバーがすごいです。毎夏、松本のフェ スティバルで年に一度集まる僕の大切な サイトウ・キネンの仲間で、本当に素晴ら しいプレイヤーばかりです。2015 年夏、 彼らは一回目の公演を松本でしました。こ れが大成功を収め、今回のツアーに繋が りました。水戸の皆さんに彼らの素晴らし い音楽が届けられること、とても嬉しく思 います。僕自身、とても楽しみにしていま す。ぜひ、彼らの音楽を聴きにいらしてく ださい。』  このように小澤征爾館長も大絶賛する “スーパー・ブラス・アンサンブル”が水戸 にやってきます!2015 年 8 月、セイジ・ オザワ松本フェスティバル(OMF)の室 内楽コンサート「ふれあいコンサート」で、 グループとして初めて姿をあらわしたこの ブラス・アンサンブルは、荘厳かつ輝かし いサウンドで聴衆を虜にし、瞬く間に大 評判となりました。その伝説のコンサート から 1 年半、今度は松本を飛び出し日本 全国にその素晴らしいブラス・サウンドを 届けようとしています。  「とにかくメンバーがすごい」と小澤館 長も語るように、メンバー表を見ると、そ の豪華さに目が眩む思いです。ミュンヘン・ フィルやベルリン・フィルの首席を歴任、 現在は指揮者としても活躍している我らが 水戸室内管弦楽団(MCO)メンバー、ラ デク・バボラーク(ホルン)、ベルリン・フィ ルの首席ガボール・タルコヴィ(トランペッ ト)、ウィーン交響楽団の首席ワルター・ フォーグルマイヤー(トロンボーン)をは じめ、国内からも MCO に度々ゲスト出演 している阿部麿(ホルン/フリーランス)、 勝俣泰(ホルン/ N 響)、竹島悟史(ティ ンパニ&パーカッション/ N 響)のほか、 高橋敦(トランペット/都響首席)、服部 孝也(トランペット/新日フィル首席)など トップ・クラスの奏者が参加。モーツァル トやワーグナーの作品のほか、ジョン・ウィ リアムズの〈スーパーマンのテーマ〉など 映画音楽も含む多彩なプログラムで、“ブ ラスの極致”とも言える最高のアンサンブ ルを聴かせてくれることでしょう。 文 関根哲也

1.22

セイジ・オザワ 松本フェスティバル 特別公演

サイトウ・キネン・オーケストラ

ブラス・アンサンブル

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(日)13:30 開場 14:00 開演 会場 水戸芸術館コンサートホール ATM 全席指定 一般 3,500 円      ユース(25 歳以下)1,000 円 曲目 プレトリウス:テレプシコーレ舞曲集より モーツァルト:ホルン協奏曲第 3 番より 第 3 楽章 ジョン・ウィリアムズ スペシャル・セレクション ほか

水戸市民吹奏楽団 第 39 回定期演奏会

1.21

at

17:00

 水戸市民吹奏楽団〔Mito Community Band、略称:MCB〕は、水戸市近郊 に在住・勤務している音楽好きが集 まって、1978 年に結成された吹奏楽 団(一般バンド)です。早いもので 38年間も続いている、県内でも老舗 の吹奏楽団です。地域に根付いた市民 バンド(コミュニティー・バンド)を 目標として、定期演奏会、ファミリー コンサートを中心に、吹奏楽コンクー ルやアンサンブルコンテスト、依頼演 奏などの活動で音楽を楽しんでいま す。  毎週土曜日の夜には、水戸芸術館の 隣りにある、みと文化交流プラザで練 習をしています。ライトアップされる シンボルタワーを見ながら、いつかこ のホールで演奏ができたらなぁ、と想 いを巡らせていましたが、このたび第 39回定期演奏会を公演させていただ くこととなりました。  今ではクラシック音楽の一つのジャ ンルを構築するほどまでに発展した吹 奏楽。日本では、10人に1人が吹奏 楽経験者であるとも言われています。 音楽好きが夢中になる吹奏楽にはたく さんの魅力がありますが、その一つは、 演奏できるジャンルが広いことです。 吹奏楽編成用に作曲されたオリジナル 曲、管弦楽の音楽、ポップス、ジャズ、 童謡、歌謡曲、映画音楽など、さまざ まなジャンルの曲を演奏することがで きます。  今回は、それらの中から、クラシッ ク音楽を中心として音楽の歴史をたど るプログラムをご用意しました。題し て「MCB Classics ~吹奏楽でつづる 音楽史~」。  バッハ、モーツァルトを始め、ヴァー グナーやラヴェルなど、著名な作曲家 の作品を、時代区分に沿って演奏しま す。バロックから近代・現代まで、そ れぞれの様式の違いや音楽の大きな変 化の流れを楽しんでいただければ幸い です。現代曲として、現在、吹奏楽で 活躍中の長生淳の作品を取り上げまし た。茨城県出身の作曲家による作品が、 水戸芸術館のホールにどのように響く のか、どうぞご期待ください。  いつの時代でも音楽は人の心を一つ にします。ご一緒に音楽を楽しみま しょう。 水戸市民吹奏楽団

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2016.11.12

河村尚子 ショパン・プロジェクト

第 4 回「晩年のショパン―幻想」

 2014 年 11 月から続いてきた河村尚子さ んによるショパン・プロジェクトの最終回。 これまで、特に時系列にこだわることなく、 ショパンの音楽の魅力を河村さん独自の切 り口とテーマで紹介してきたが、今回は〈幻 想ポロネーズ〉〈ソナタ第 3 番〉など晩年の 作品を中心に取り上げた。「深みを増してき たように思う」と自ら評価する河村さんのピ アニズムの深化が、ショパン晩年の傑作の あるべき姿を美しく浮かび上がらせていたよ うに思う。アンコールは、ワルツ作品 64 の 2 と1。《関根》アンケートから■すばらしい 表現力。2 月の公演の時よりもさらに上がっ ているように思えた。日本にもこれだけの 技術と表現力を兼ね備えたピアニストが生 まれたのだと感動する(千葉県の方)■幻 想ポロネーズ、ソナタ 3 番、とても素晴ら しく胸がいっぱいになりました!(水戸市の 方)■今回もとても良かったです。この企画 が終わってしまうのは淋しく思います。是非 また企画していただけると嬉しいです。(水 戸市の方)■ 4 回のショパン・プロジェクト を聴かせていただき、ショパンの音楽が分 かりかけてきたように思います。幻想即興曲 が今まで何となくイメージしていたものと大 きく違い、改めて表現のすばらしさを感じま した。河村さんの表現に、ピアノの持つ力を 再認識しました。 2016.11.20

城戸春子 チェロ・リサイタル

 城戸春子さんが、2004 年にフランス留 学から戻り、東京で開催したリサイタルか らおよそ 10 年を経て、故郷水戸で開催す る初めてのソロ・リサイタル。城戸さん が付けたサブタイトルが「Emotion ~心 に響くチェロ」。シューマン、ブラームス、 ショスタコーヴィチ、ブルッフ、カザルス といったロマン派以降の作曲家たちの情趣 豊かな作品を、城戸さんは心を籠めて演奏 しました。ピアノ伴奏は、今回の公演と同 じ「茨城の演奏家による演奏会企画」に出 演を重ねている上仲典子さん。アンコール 曲は、J.S. バッハ:〈無伴奏チェロ組曲 第 3 番〉 BWV1009 より “ ブーレ ” とサン= サーンス:〈動物の謝肉祭〉より “ 白鳥 ”。《中 村》アンケートから■チェロの響きにどっ ぷりと聴き入らせていただくのは、はじめ てで、体全体で喜びを感じられ、今日の素 晴らしいコンサートに感謝しております。 (水戸市の方)■チェロの音色が節度のあ る美しさで、とてもよかった。ピアノとよ く調和していた。個人的にはショスタコー ヴィチがキレもあって好きです。(水戸市 の方)■チェロの音色の素晴らしさにあら ためて気づきました。(ひたちなか市の方) 2016.11.23

永田絵里子 ピアノ・リサイタル

 日立市出身で昨年「茨城の名手・名歌手 たち」に出演されたピアニストの永田絵里 子さんによる当館での初リサイタル。前半 でベートーヴェンとブラームスの集中度の 高い作品を弾き切り、後半では、ロシアに 留学されていた永田さんらしく、ロシア人 作曲家の作品が取り上げられました。「留 学するまでロシアといえば「冬」のイメー ジでしたが、「春」と「夏」にこそ喜びが 溢れていることを実感しました」(本紙 11 月号より)と語る永田さん。リサイタル中 のトークで留学中の思い出を語ったあとに 弾いたチャイコフスキーの《四季》からは、 ロシアの情景がみずみずしく浮かんでくる ようでした。アンコールは、ラフマニノフ 〈13 の前奏曲〉作品 32 より第 12 番 嬰ト 短調。《篠田》アンケートから■ベートー ヴェンのソナタを目を閉じて聴いています と、私の亡き姉がピアノの練習をしていた 時代を思い出します。大変すばらしかった です !!(福島県の方)■数々の映画のワン シーンを想い出すような感動を覚えた。(水 戸市の方)■後半のロシア・プログラムが 特に良かった。好きな曲を選んだ感じが伝 わってきた。(ひたちなか市の方) 2016.11.19

中学校合唱の祭典

~芸術館で歌おう~

 多くの子どもたちに、水戸芸術館のステー ジに立っていただきたいという願いと共に開 催する「中学校合唱の祭典」(水戸市教育委 員会、中学校合唱の祭典実行委員会との共 催)。水戸市内の中学校では、毎年、それ ぞれの学校内で合唱コンクールを行ってい ます。本公演は、そのコンクールで各学校 の代表に選ばれたクラスや団体が一堂に会 し、その成果を発表してもらう演奏会。コ ンサートのちらし、プログラムや看板の製 作、演出プランの作成、そして当日の運営も、 各校から選出された中学生たちによるプロ ジェクト委員が担当しました。当館の「クリ スマス・プレゼント・コンサート」などにも 出演している、茨城出身のソプラノ歌手・小 泉惠子さんがゲスト出演。小泉さんは、心 を一つにして歌われた皆の発表に涙が出る ほど感動したと講評し、〈夕陽のなかに立っ ていると〉(作詩:内山登美子、作曲:大中恩) を披露しました。《中村》 1-2 :河村尚子 ショパン・プロジェクト   第 4 回「晩年のショパン―幻想」 3-4 :中学校合唱の祭典 ~芸術館で歌おう~ 5 :城戸春子 チェロ・リサイタル 6 :永田絵里子 ピアノ・リサイタル 3 4 5 6 2

最近の公演から

1

(6)

2017.1

編集後記

information

          

をネットで買うか、リアル本屋さ んで買うか。「この人の著作が気 になる!」とき、ネットの品揃えは強 い。でも、本当は実際にページを捲っ てピンときたものを買いたいのです。レ ビューだけを参考にするのでなく。(り)

エール・バイヤール『読んでいな い本について堂々と語る方法』が 文庫化されたので読み返してみた。ハ ウツー本を装った、実はとても深い読書 論。ところで「聴いていない曲について 堂々と語る方法」はないものか?(篠)

野啓一郎の小説『マチネの終わり に』で書かれている、あるギタリス トの恋愛や音楽人生。執筆中に氏から インタビューされた演奏家さんいわく、思 わず全てを語ってしまう話の引き出し方 だったとか。描写力の秘密を感じた。(樹)

学校合唱の祭典では最後に参加者 全員で SMAP の「世界に一つだけ の花」を歌った。つい最近の曲だとば かり思っていたが、中学生にとっては 彼ら自身が生まれた頃にヒットした“懐 メロ”なのだった。結構衝撃でした。(て)

日、サントリーホールでピアニス トの内田光子さんが MCO と共演 した!しかし、ここで言う「MCO」は、「水 戸室内管弦楽団」ではなく「マーラー・ チェンバー・オーケストラ」のこと。日 本 vs 欧州のMCO 対決は続きます!(中)

宅する途中、ライトアップされた 塔を眺めるのがひそかな楽しみに なっています。塔に注目している人を 見かけることもしばしば。ライトの色 の変化を楽しんだり、写真を撮ったり、 楽しみ方も人によって様々ですね。(峠) 水戸芸術館音楽紙 [ ヴィーヴォ] 2017 年 1 月発行 第214 号 編集発行:水戸芸術館音楽部門 〒 310-0063 茨城県水戸市五軒町 1-6-8 TEL 029-227-8118 FAX 029-227-8130 E-MAIL ankmr@arttowermito.or.jp URL http://arttowermito.or.jp/ 編集:水戸芸術館音楽部門 ( 五十音順)/石井亮子  大峠百合香 篠田大基 関根哲也 高巣真樹 中村晃 デザイン・印刷所:山三印刷株式会社

vol.214

水戸芸術館の主な 1 月のスケジュール コンサートホール ATM ■水戸室内管弦楽団 第 98 回定期演奏会(第 2 部指揮:小澤征爾)  2017 年 1/13(金)19:00 開演、1/15(日)14:00 開演  料金[全席指定]S 席 ¥15,000 / A 席 ¥12,500 / B 席 ¥10,000 ■水戸市民吹奏楽団 第 39 回定期演奏会  2017 年 1/21(土)17:00 開演  料金[全席自由]¥500 ■サイトウ・キネン・オーケストラ ブラス・アンサンブル  2017 年 1/22(日)14:00 開演  料金[全席指定]一般 ¥3,500 /ユース(25 歳以下)¥1,000 ■「石川直樹 この星の光の地図を写す」展   12/17(土)~ 2017 年 2/26(日)9:30 ~ 18:00 ※入場は 17:30 まで  [休館日]月曜日、年末年始 12/26(月)~ 2017 年 1/3(火)  ※ただし、1/9(月・祝)は開館、翌 1/10(火)休館  [入場料]一般 ¥800 /前売り・団体(20 名以上)¥600  ※中学生以下・65 歳以上・障害者手帳をお持ちの方と付添いの方 1 名は無料 現代美術ギャラリー ■伝統芸能のススメ[落語]柳家花緑独演会  2017 年 1/22(日)14:00 開演  料金[全席指定]S 席 ¥3,500 / A 席 ¥3,000 / B 席 ¥2,500 ACM 劇場 チケットに関するお問い合わせ        水戸芸術館チケット予約センター TEL 029-231-8000        営業時間 : 9:30 〜 18:00(月曜休館) 公演内容や企画に関するお問い合わせ         水戸芸術館音楽部門 TEL 029-227-8118 ホームページ http://arttowermito.or.jp/ 公式ブログ  http://blog.arttowermito.or.jp/staff/ ATM 便り  毎月1回茨城新聞に不定期登場        @ConcertHall_ATM  @art_tower_mito        www.facebook.com/arttowermito エントランスホール ■パイプオルガン プロムナード・コンサート (入場無料)  2017 年 1/7(土)本田ひまわり 11:00 ~(30 分程度)

■ SUGADAIRO PROJECT vol.2 第 1 部「秘境」/第 2 部「魔境」  スガダイロー × 田中泯(ダンス)、近藤岳(パイプオルガン)、有馬純寿(エ  レクトロニクス)  2017 年 1/28(土)18:30 開演 ※第 2 部の会場は ACM 劇場  料金[スタンディング(第 1 部)/全席指定(第 2 部)]一般 ¥3,500 /ユー  ス(25 歳以下)¥1,000 茨城の主な 1 月の演奏会 ■茨城県立県民文化センター(大ホール) TEL / 029(241)1166  ・茨城県新人演奏会管弦楽団 ニューイヤーコンサート   2017 年 1/22(日)14:00 開演 ■ノバホール TEL / 029(852)5881  ・ウィーン交響楽団 ヨハン・シュトラウス・アンサンブル   2017 年 1/11(水)19:00 開演    ■宮田大 チェロ・リサイタル  2017 年 3/3(金)19:00 開演  料金[全席指定]一般 ¥3,000 /ユース(25 歳以下)¥1,000 ■井上修 ピアノ・リサイタル  2017 年 3/11(土)16:00 開演  料金[全席自由]一般 ¥3,000 /大学生以下 ¥1,500 ■小さな聴き手のためのコンサート 音楽物語「ぞうのババール」  2017 年 3/26(日)14:00 開演  料金[全席指定]大人 ¥1,500 /子ども(3 歳以上 12 歳以下)¥1,000 《 12 月 17 日(土)発売分 》 チケット・インフォメーション   ※ 11/24(木)現在の状況です。 ※固定席が売り切れ次第、補助席を販売いたします。 ○・・・残席あり(20 席以上)  △・・・残席わずか(20 席未満)  ×・・・残席なし 中央・・・中央ブロック 左右・裏・・・左右ブロックおよびステージ裏  補助・・・補助席 ◎イーヴォ・ポゴレリッチ ピアノ・リサイタル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/17(土)中央 ×、左右・裏○ ◎クリスマス・プレゼント・コンサート 2016 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/23(金・祝)中央 ×、左右○ ◎水戸室内管弦楽団 第 98 回定期演奏会(第 2 部指揮:小澤征爾) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2017 年 1/13(金)完売 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/15(日)完売 ◎水戸市民吹奏楽団 第 39 回定期演奏会 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2017 年 1/21(土)自由席○ ◎サイトウ・キネン・オーケストラ ブラス・アンサンブル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2017 年 1/22(日)中央○、左右○

◎ SUGADAIRO PROJECT vol.2「秘境/魔境」

  スガダイロー × 田中泯(ダンス)、近藤岳(パイプオルガン)、有馬純寿(エレクトロニクス) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2017 年 1/28(土)1F×、2F×、3F ○(ACM 劇場) ◎兼氏規雄 クラリネット・リサイタル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2017 年 2/5(日)自由席○ ◎ちょっとお昼にクラシック トリオ・インク ~世界中に広がる音楽~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2017 年 2/10(金)中央○、左右○ ◎合唱セミナー 2017(講師:清水敬一) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2017 年 2/12(日)自由席○ これからの演奏会・残席情報 2017 年秋に開催予定の演奏会に向けて、出演者オーディションを行います。 【開催日】2017 年 4 月 2 日(日) 【申込受付期間】2017 年 2 月 14 日(火)~ 2 月 28 日(火)[当日必着] 【審査対象部門】鍵盤楽器、弦楽器、邦楽器(以上ソロ)、         邦楽アンサンブル(2 人~ 5 人まで) 【出場資格】下記のいずれかに該当し、水戸芸術館の審査において適当と認められた方       ※アンサンブルでの応募の場合、メンバーの 2 人以上が該当すること。       ①茨城県に本籍を有する       ②現在、茨城県内に居住している       ③現在、茨城県内に通勤・通学している(週 4 日以上)       ④過去に茨城県内に居住・通勤・通学したことがある(事前に要問い合わせ) 【参加費】1 組 2,000 円 【資料請求方法】1. 当館ホームページよりダウンロード         2. 当館エントランスホール・チケットカウンターにて直接入手         3. 82 円切手を貼付し返信先を記入した封筒と、受験する楽器          (編成)を 書いたメモを同封の上、下記宛先まで郵送 【お問い合わせ】水戸芸術館音楽部門「茨城の名手・名歌手たち」係 〒 310-0063 茨城県水戸市五軒町 1-6-8 TEL 029-227-8118(担当:篠田・関根) 茨城の名手・名歌手たち 第 27 回 出演者オーディション

参照

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