マルチスケール法解説(2)
VOXELCONによる解析事例
不確かさのモデリング・シミュレーション法に
関する研究会(第2回)
2015.9.10 @慶應義塾大学
株式会社くいんと 月野 誠
会社概要
株式会社くいんと
設立:1985年3月22日
本社:東京都府中市
代表取締役会長:石井 惠三、代表取締役社長:月野 誠
業務内容:計算力学関連ソフトウェアの開発、販売、コンサルティン
グ
~夢のあるCAEを日本から~
圧倒的に海外製品が優勢なCAEソフトウェア分野において、
大学のユニークな研究をもとに、独創的なオリジナル製品で
製造業界・社会への貢献を目指しています。
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くいんとプロダクト
パラメータ最適化支援ソフトウェアAMDESS
イメージベース構造解析ソフトウェアVOXELCON
構造最適設計ソフトウェア
OPTISHAPE-TS
最適な
「かたち」
を提案
汎用パラメータ最適化
最適な
「値」
を提案
現物イメージ
から
計測・解析
教育用位相最適化ソフトウェアOPTISHAPE-ES
OPTISHAPE-TSSurface Generator
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イメージベース構造解析ソフトウェア
VOXELCON(since 1996)
構造解析 マルチスケール解析 粒度分布計測、塊・穴のサイズ計測 鋳造欠陥検証 形状比較 等値面STLモデル作成 静応力解析 定常熱伝導解析 位相最適化 均質化法 重合メッシュ法VOXELCON
データ提供:群馬産業技術センター様 データ提供:ファインセラミックス技術研究組合/財団法人ファインセラミックスセンター様 データ提供:株式会社富士通長野システムエンジニアリング様5
VOXELCONの取扱いデータ
データの流れ
設計・CAD
現物
VOXELCON
CTスキャン解析
等値面 2値化 ボクセル化分析
3次元計測
CT画像 ボクセルモデル サーフェスモデル (STL)6
こんなモデルを作れと言われたら?
提供:ミシガン大学 菊池昇 教授
1990年代半ば~
7
イメージベース解析のはじまり
提供:ミシガン大学 菊池昇 教授 CT断層画像 ボクセルモデル(約300万ボクセル) 応力解析8
イメージベース解析例
デンタルインプラントのイメージベース静応力解析
高分解能CT画像(15μm) 提供:東京歯科大学解剖学講座教授 井出吉信様 解析時間:2h21m 使用メモリ:3,043MB ボクセル数:8,920,120 (4並列)9
イメージベース解析例
恐竜頭骨の解析事例(CT画像から)
10
CADデータからの解析例
複雑な形状を有するモデルへのボクセル解析の適用
通常のFEMで解析する際の問題点 ・要素数が膨大 ・ハンドリングが困難 ・計算コスト大 ・場合によっては、自動要素分割できない ・簡略化の手間がかかる 簡略モデルを作成しようとすると・・・ そのまま要素分割すると・・・ ・簡略化が解析精度へ影響11
CADデータからの解析例
ボクセル解析法では、誰でも容易に同じボクセルモデルを作成することが 可能。 ボクセル分割:10秒以下 CAD STLファイル CADからエクスポート VOXELCONに読み 込み、ボクセル分割 ボクセルモデル Robust Easy High-speed12
CADデータからの解析例
Xeon E5450(3.0GHz) (4Core使用)
使用メモリ量:777[MB] 計算時間:4時間12分
境界条件を設定して解析した結果(ミーゼス応力)
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CT画像と設計データの組み合わ
せによるモデリング
位置合わせ 一体のボクセルモデル生成 大腿骨(CT画像) ステム (STL) 提供:北里大学病院様 CT画像とSTL(CAD)を組み合わせたボクセルモデル生成例
ボクセル解析ソルバー
Element by Element PCG法ソルバー
全体剛性マトリクスを構築しないので、大規模な問題でも省メモリで解析可 能。 ボクセル解析では、すべての要素剛性マトリクスが同じであるため、 Element by Elementによる処理に適している。 反面、全体剛性マトリクスを作成しないため、単純な前処理しか出来ない。 そのため、収束するまでの反復回数が多くなってしまう。 60万自由度 14 直接法 反復法15
マルチスケール解析
~均質化法~
均質化法
微視的に周期構造を持つ材料の平均的な物性を評価する理論 マルチスケール解析の一手法 得られる均質化物性値 均質化弾性定数 均質化線膨張率 均質化熱伝導率 均質化浸透係数 材料定数の 均質化 ミクロモデル (ユニットセル) マクロモデルの解析 ミクロモデルの応力解析 着目点の ひずみ 漸近展開法に基づく数学的均質化法を理論背景とし、1980年代 半ばより応用数学に通じた工学者の間から、複合材料をはじめと した工学的な問題への応用が始まった。近年では、複合材料や 多孔質材料などの工学分野で幅広く用いられている。 均質化法16
マルチスケール解析
~重合メッシュ法~
重合メッシュ法
解析領域全体(グローバルメッシュ)に,ローカルメッシュ(詳細に解析した い領域)を重ね合わせて解析 グローバルとローカルが連成 従来のズーミング解析のような、グローバル→ローカルの一方通行ではない。 モデリングが容易 メッシュの整合性を考えなくてよい。 詳細に解析したい領域 (ローカルメッシュ) T.Belytschko, J.Fishら(1990) : メッシュ重ね合わせの概念の提案 高野(慶應大)ら(1999~) : 複合材料構造物への階層モデリングをはじめと したマルチスケール解析への適用 重合メッシュ法の発展 現在も、研究レベルで破壊力学、非線形解析、振動問題、バイオメカニクス などへの適用が進められている。17
重合メッシュ法によるマルチス
ケール解析例
適用例:鋳造欠陥まわりの応力解析
鋳造欠陥 ボクセルモデル化 グローバルメッシュ(粗) ローカルメッシュ(細) ※鋳造欠陥はモデル化されていない ※鋳造欠陥が精度よく モデル化されている18
重合メッシュ法によるマルチス
ケール解析例
解析結果(ミーゼス応力)
グローバルメッシュ:約19万ボクセル ローカルメッシュ:約58万ボクセル 使用メモリ:3,341[MB] (ICCG法) ※Pentium D 3.2GHz 約2,996万ボクセル 使用メモリ:6,245[MB] (EBE-PCG法) ※Core2Quad 2.66GHz(1Core) 重合メッシュ解析 通常のボクセル解析 計算時間:1時間20分 計算時間:43時間30分 ローカルメッシュの 解像度は同程度 計算コストの 大幅削減重合メッシュ法と均質化法による
ポーラスチタンの強度予測
慶應義塾大学理工学部 高野 直樹 教授のご研究のご紹介
ポーラスチタン部材の破壊試験
マクロ荷重
0 10 20 30 40 50 60 0 0.5 1 1.5 2 2.5 変位 (mm) マ ク ロ 荷 重 ( N ) 気孔径180μ m,気孔率70% 気孔径90μ m,気孔率63% 気孔径90mm 気孔径180mmミクロ構造
mCT撮像分解能:3.6mm=0.0036mm 10mm 20mm 4mm 4mm (t=2mm)マクロ構造
202.三次元構造再現
1.マイクロCT撮像断面画像
マイクロCTイメージベースモデリング
二値化処理
ボクセル生成
x z y 2012.4mm 2156.4mm 1504. 8m m 2012.4mm 2012.4mm 3.6×599 =2156.4mm 55 57 59 61 63 65 67 69 71 73 75 0 500 1000 1500 2000 原点からの距離(mm) 気孔率 (%) xy断面 yz平面 zx平面 X Y xy断面均質化ユニットセル選択
55 60 65 70 75 80 85 90 95 0 500 1000 1500 2000 原点からの位置(mm) 気孔率 (% ) yz平面 60 62 64 66 68 70 72 74 76 78 80 0 500 1000 1500 2000 原点からの位置(mm) 気孔率 (% ) 21気孔径90μ m荷重-変位曲線 0 10 20 30 40 50 60 0 0.5 1 1.5 2 2.5 変位 (mm) 荷重 ( N ) 気孔径90μ m荷重-変位曲線 0 10 20 30 40 50 60 0 0.5 1 1.5 2 2.5 変位 (mm) 荷重 ( N ) 気孔径180μ m荷重-変位曲線 0 10 20 30 40 50 60 0 0.5 1 1.5 2 2.5 変位 (mm) 荷重 (N ) 気孔径180μ m荷重-変位曲線 0 10 20 30 40 50 60 0 0.5 1 1.5 2 2.5 変位 (mm) 荷 重 ( N ) 実験データ マクロ物性値を用いたFEAデータ 気孔径180μ m荷重-変位曲線 0 10 20 30 40 50 60 0 0.5 1 1.5 2 2.5 変位 (mm) 荷 重 ( N )
均質化法の妥当性確認(1)
せん断係数 ポアソン比 ヤング率均質化計算により得られたマクロ特性
2.73 2.56 2.56 0.232 0.233 0.252 6.63 6.21 6.67 材料2 材料1 x E Ey Ez xy yz zx Gxy Gyz Gzx (E,G : GPa) 0.201 0.236 0.224 3.72 3.49 3.54 9.41 9.02 8.09 ・材料1 気孔径:90μm 気孔率:63% 解像度:3.6μm ・材料2 気孔径:180μm 気孔率:70% 解像度:3.6μm 22均質化法の妥当性確認(2)
ARAMIS
座標 ARAMIS Simulation Error (%)
A 4 0.429 0.405 -5.5 B 3 0.860 0.833 -3.2 C 2 0.587 0.608 3.5 D 1 0.441 0.450 2.1
座標 ARAMIS Simulation Error (%)
A 4 0.429 0.405 -5.5 B 3 0.860 0.833 -3.2 C 2 0.587 0.608 3.5 D 1 0.441 0.450 2.1 Load-Displacement curve (90μ m) 0 10 20 30 40 50 60 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 Displacement Y (mm) L o ad ( N ) Experimental data
Elastic finite elemental analtsis data
1.3% 0% ひずみ 番号の間隔 0.25mm A1 A2 A3 A4 B1 B2 B3 C1 C2 C3 D1 D2 D3 X Y マクロ荷重
表面ひずみ比較結果
23気孔径180μ m荷重-変位曲線 0 10 20 30 40 50 60 0 0.5 1 1.5 2 2.5 変位 (mm) 荷 重 ( N ) 24 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0 200 400 600 800
Mises stress (MPa)
V ol um e fr eq ue nc y
重合メッシュ法による強度予測結果
気孔径180μ m荷重-変位曲線 0 10 20 30 40 50 60 0 0.5 1 1.5 2 2.5 変位 (mm) 荷重 (N ) 実験データ マクロ物性値を用いたFEAデータ 予想非線形挙動開始点 強度予測結果 気孔径180μ mミクロ応力ヒストグラム 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0 200 400 600 800 ミクロ相当応力 (MPa) 体積頻度 マクロ荷重37.6Nにおいて c=0.375を満たす. micro 200MPa micro0.375
V Vc
キャリブレーション(気孔径90mm,非線形挙動開始点) ミクロ相当応力(MPa) 体積頻度 適用結果(気孔径180mm,c=0.375) X Y Z X Y 200MPa 0MPa 0MPa 25MPa 重合メッシュ法による解析25
均質化解析事例
~ファインセラミックス~
728mm 324mm 720mm4.04E+02 1.24E+02 1.23E+02 -5.89E-01 1.24E-01 6.83E-01 4.04E+02 1.23E+02 -6.77E-01 -3.44E-01 7.16E-02 3.95E+02 6.04E-03 -2.35E-01 7.07E-01 1.40E+02 2.44E-01 7.42E-02 1.38E+02 -8.74E-02 1.38E+02 提供:ファインセラミックス技術研究組合/財団法人ファインセラミックスセンター様
ミクロモデル(球状孔アルミナ)
解析解像度:
4μm
要素数:2,457,079
気孔率:7.4%
直交異方性を仮定すると、ヤング率(GPa) (Ex,Ey,Ez) = 0.34604E+03 0.34556E+03 0.33832E+03 ポワソン比 (Vxy,Vyz,Vzx) = 0.23537E+00 0.23710E+00 0.23234E+00 せん断弾性率(GPa) (Gxy,Gyz,Gzx) = 0.14015E+03 0.13781E+03 0.13817E+03
均質化解析結果(均質化弾性マトリクス)
等価なヤング率は母相の約84%
CT画像からモデリング
均質化解析事例
~ファインセラミックス~
均質化法による計算結果と実験値との比較
340 350 360 370 380 390 400 410 0 2 4 6 8 気孔率(%) ヤ ン グ 率(G Pa ) 均質化法 超音波パルス法 圧縮試験 Hashin-Shtrikman bound 木村圭一、高野直樹、久保弘、小川秋水、河本洋、座古勝: 日本セラミックス協会学術論文集、第110巻、通巻1282号(2002年6月)、pp.567-575 「セラミックス多孔体のイメージベースモデリングと均質化法による弾性解析」 均質化法で得られる等価 物性値が、実験結果とも よく一致している 2627
均質化解析事例
~ハニカムサンドイッチパネル~
均質化法を用いた等価材料定数の算定例
ハニカムサンドイッチパネルによる事例 単位mm Tc=0.0508 b=6.3 Hc=9.8 Tf=0.1 Ls=77.0 Lt=63.0 s方向 t方向 寸法28
均質化解析事例
~ハニカムサンドイッチパネル~
ハニカム部の等価材料定数算出(均質化計算)
ユニットセル
等価材料定数ヤング率(E11, E22, E33)
ポアソン比(ν12, ν23, ν31)
せん断弾性率(G12, G23, G31)
0.30032E-01 0.29434E-01 0.14448E+03
0.10096E+01 0.60602E-04 0.30251E+00
29
均質化解析事例
~ハニカムサンドイッチパネル~
解析精度検証
シェル要素数:10,080 (均質化法を用いない)詳細モデル 等方性材料 均質化計算で求め た直交異方性材料 簡略モデル ソリッド要素数:9,600 詳細モデル 簡略モデル s方向の最大変位 0.638 0.672 t方向の最大変位 1.271 1.333 ●2方向の曲げ解析結果30
有限被覆法(FCM)への取り組み
有限被覆法(Finite Cover Method, FCM)
物体(積分領域):STL
解析のためのボクセルと 数値積分の領域を分離解析に用いるボクセル
・応力分布の波打ちの大幅な改善 ・形状再現性UPによる精度向上*
開発中 メッシュ分割の簡便性・ロバスト性は維持有限被覆法(FCM)への取り組み