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PE 帰属所得計算の実務と課題 平成 28 年 7 月 4 日公開草案事例を検討する 平成 29 年 7 月 11 日 ユナイテッド パートナーズ会計事務所代表取締役西村善朗 1. 平成 28 年 4 月 1 日以後開始事業年度に 報告対象となるもの (3 月決算法人である内国法人については 平成

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PE 帰属所得計算の実務と課題

平成 28 年 7 月 4 日公開草案事例を検討する

平成 29 年 7 月 11 日 ㈱ユナイテッド・パートナーズ会計事務所 代表取締役 西村善朗 1. 平成 28 年4月1日以後開始事業年度に、報告対象となるもの (3 月決算法人である内国法人については、平成 29 年 3 月期以降適用) (12 月決算法人である外国法人については、平成 29 年 12 月期以降適用) 1)移転価格税制(A)最終親会社等届出事項・・・最終親会計年度の終了の日までに提供 (B)国別報告事項(CbC Report)/事業概況報告事項(マスターファイル) ・・・最終親会計年度の終了の日の翌日から 1 年以内に提供 2)外国法人の国内 PE 帰属所得計算(内部取引) 3)内国法人の国外 PE 帰属所得計算(内部取引)+ 国外 PE 帰属所得の内国法人への所得合算 1 +外国税額控除 (同時文書適用除外:50 億円、無 3 億円未満)←全企業に、文書作成・取得・保存義務あり 4)国外 PE 認定した外国子会社の当該国外 PE 帰属所得を控除した 外国子会社の実質帰属所得計算 上記 1)~4)の所得調整計算を経て 5)国外 PE 認定した外国子会社の当該国外 PE 帰属所得を控除した 外国子会社配当金の益金不算入 6)国外 PE 認定した外国子会社の当該国外 PE 帰属所得を控除した 外国子会社合算課税(現行法) 1 日本は、外国子会社配当益金不算入制度により外国子会社配当につき国外所得免除方式を採用する。一方、外 国支店の所得については全世界所得課税方式を採用する。その結果、国内法において、帰属主義導入以前では、 Entity ベースで 95%益金不算入された外国子会社の所得が、帰属主義導入後では、所得分類ベースで、外国子会 社内の国外 PE 帰属所得について(代理人 PE との関係で本人である)日本の親会社に合算される可能性が存在す る(2 重課税調整は外税控除)。同様に、CFC 子会社の外国子会社合算税制の適用上についても、国外 PE 帰属 所得についても同様に、CFC 子会社内に、国外 PE を認定した場合、当該国外 PE 帰属所得につき日本親会社の所 得として合算され、残りを CFC 子会社合算される(国外 PE 帰属所得についても国外所得免除方式の国では、国外 PE 帰属所得の国内合算課税は生じないが、日本の場合、国外 PE 帰属所得の課税権を有している)。

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2 2. 平成 29 年4月1日以後開始事業年度に、報告対象となるもの (3 月決算法人である内国法人については、平成 30 年 3 月期以降適用) (12 月決算法人である外国法人については、平成 30 年 12 月期以降適用) 移転価格税制(ローカルファイル) (同時文書適用除外:50 億円、無 3 億円未満)←全企業に、文書作成・取得・保存義務あり 3.平成 30 年4月1日以後開始事業年度に、適用対象となるもの (3 月決算法人である内国法人については、平成 31 年 3 月期以降適用) (12 月決算法人である外国法人については、平成 31 年 12 月期以降適用) 外国子会社合算課税(全部合算、部分合算、特例全部合算、適用除外)(CFC) (外国関係会社の平成 30 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度から適用開始) 上記 1. 1)~4)の所得調整計算を経て 5)国外 PE 認定した外国子会社の当該国外 PE 帰属所得を控除した 外国子会社配当金の益金不算入 6)国外 PE 認定した外国子会社の当該国外 PE 帰属所得を控除した 外国子会社合算課税(新法) 4.多国籍企業が直面する、税務実務(適用される税法)ー TP、PE の複層的適用が必要になる 平成 29 年 6 月 7 日の多国間協定の締結を受けて、コミッショネア・アレンジメント、活動、契約の細分化による PE 認定の人為的回避に対応すべく改正された、新しい PE の定義が適用される(ただし、日本及び条約相手国双方 が適用を留保しない場合に限る)2 いずれにしても、今後の 2 国間交渉において日本政府及び条約相手国が適用留保しない場合、PE 帰属所得計 算の検討が必要となる 1) 外国親会社が日本子会社内に、日本 PE を有するか否か検討する(PE) 2) 日本親会社が外国子会社内に、海外 PE を有するか否か検討する3(PE) 2 条約非締結国との不均衡を是正するために国内法の改正も必要となる。 3 日本の国税当局が、海外 PE を有するかについて、積極的に更正処分しないと予想されるが、他方、所得源泉地国の 国税当局が、新基準に基づく PE 認定する誘因があり、反射的効果として、日本の国税当局が海外 PE について更正 処分することは想定される。他方、日本の国税当局が、CFC 課税の代替課税として外国子会社内に PE 認定して PE 帰属所得を取り込むことを可能なものとしている。

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3 3) 外国親会社と日本 PE 間の内部取引、外国親会社と日本子会社間の関連者外部取引を検討する(TP) 4) 日本親会社と外国 PE 間の内部取引、日本親会社と外国子会社間の関連者外部取引を検討する(TP) 5) ①国外関連外部取引において国外関連者が果たす機能、国外関連者が負担するリスク、使用する無形資 産(開発・改良・維持・保護・使用 DEMPE 分析)の分析を行う(機能・リスク分析)(TP) ②関連者取引と非関連者取引との比較可能性分析(TP) ③PE と国外関連者との国外関連者間取引について TPM を適用し、独立企業間価格を決定する(TP) 6) ①PE 帰属所得計算において、当該 PE が当該法人から独立して事業を行う事業者であるとしたならば、当該 PE が果たす機能、当該 PE において使用する資産、当該 PE と当該法人間の内部取引、その他の状況 (PE に帰せられるリスク、外部取引)を検討する(機能・事実分析)(PE) ②内部取引と非関連者取引 Or 非関連者内部取引との比較可能性分析(TP) ③PE と本店等との内部取引について TPM を適用し、独立企業間価格を決定する(TP) 5.事例 1~事例 4 の TP、PE の複層的適用事例 1) 資産とリスクに関する外部契約を上書きして経済的に割り当てる重要な人的機能の明確な定義が必要 (重要な人的機能・・・リスクの負担と管理につき積極的な全社的意思決定を行うこと) リスク負担と管理につき全社的にヘッジ処理がされている場合、PE 帰属所得は少額になる傾向がある。 事例 1(コミッショネア・アレンジメント AーSell Co./国外又は国内 PE に販売・営業の重要な人的機能がない4 事例 2(コミッショネア・アレンジメント BーSell Co./国外又は国内 PE に販売・営業の重要な人的機能があり5 Sell Co.の、在庫リスク6、売掛金リスクを負担及び管理する機能が、重要な人的機能に該当し、在庫及 び売掛金が、経済的に PE に帰属するものの、PE 帰属所得は少額である) 4 PE の果たす機能及び事実関係に基づいて、外部取引、資産、リスク、資本を PE に(経済的に)帰属するとされてい るが、事例 1 においては、外部取引、資産、リスク、資本を PE に(経済的に)帰属するか否かの重要なメルクマールで ある、Sell Co./国外 PE には、重要な人的機能がないとされている。事例 1 は、帰属所得ゼロの限界事例である。 5 比較的ルーティンな活動は、重要な人的機能であるべきでないとされているが、事例 2 では、Sell Co.の果たす機能を

過大評価しているように思われる。Sell Co.が日常的に信用調査活動を行っていることを理由に、Sell Co.に売掛金及び 売掛金貸倒リスクが帰属し、Sell Co.が販売見込みを Prima に提供することだけで、Sell Co.に在庫及び在庫リスクが 帰属している。

6 重要な人的機能を有する在庫リスクとは、企業がその製品を生産したときに、決めた売価で売れない、廉価販売リスク

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4 事例 3(フルタイム従業者派遣+社用車・アレンジメントー国外又は国内 PE(フルタイム派遣従業者+社用 車)に販売・営業に関する重要な人的機能があり+国外又は国内 PE(フルタイム派遣従業者+社用 車)が在庫リスク、売掛金リスクを負担及び管理する機能が、重要な人的機能に該当し、在庫及び売 掛金が経済的に PE に帰属するものの、PE 帰属所得は少額である) 事例 4(コミッショネア・アレンジメント CーSell Co./国外又は国内 PE に販売・営業に関する重要な人的機能 (倉庫配列、適正在庫量の意思決定7)あり+Sell Co./国外又は国内 PE における、在庫リスク、売 掛金リスクを負担する機能が重要な人的機能に該当し、在庫及び売掛金が経済的に PE に帰属し、PE 帰属所得は、本来、少額であるが、成功報酬体系を採用するため、PE 帰属所得が大きく変動する8 6.事例 1~事例 4 の TP、PE の複層的適用において検討されるべき国際課税問題 1)7 条(PE)、9 条(TP)の複層的適用とその適用順番問題 ☒ 事例は、9 条(TP)を優先し、7 条(PE)を劣後させている。 ☒ 9 条(TP)→ 機能・リスク分析 → ALP(独立企業間価格) (関連者が法人から独立して事業を行う事業者である) 7 条(PE)→ 機能・事実分析 → ALP(独立企業間価格) (PE が法人から独立して事業を行う事業者である) (提言及び検討事項) ✔ 9 条(TP)及び 7 条(PE)分析は、異なる分析手法であるので、複層的適用をする場合、間違った 結論、意味のない結論が導き出される合成の誤謬リスクがある。 ✔ 7 条(PE)分析により、従属代理企業を、PE 部門と独立部門に区分する。 極的な意思決定を行っている場合でも、事例 2 のように、Sell Co.が販売促進活動や値引きを行って、Prima の積極 的意思決定を共助的に支援している。 7 売掛金リスクにつき、1,000,000 ユーロ以下の場合、Sell Co.が売掛金リスクの負担と管理につき積極的な意思決定を 行い、1,000,000 ユーロ超の場合、Prima が売掛金リスクの負担と管理につき積極的な意思決定を行う。 8 リスク負担と管理につき適正ヘッジがされていないため、PE 帰属所得(結果損益)は変動幅が大きい。

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5 ✔ 「研究開発」「設計」「調達」「製造」「市場開拓」「販売、営業」等の企業活動に関して、重要な人的機能 が、どこで(Prima/Sell Co.)、どのように果たされているか?具体的には、Prima の全社的な事業に関す る積極的意思決定を、Sell Co.がどの程度、共助的に支援しているか? ✔ AOA では、リスクは機能に従うことになるため、重要な人的機能が属する部門に付随するものとしてリスク を整理されている。ただし、そのリスクは、本来、重要な人的組織との関連で整理される場合、管理可能な リスクに限定されて、管理不能な成功報酬に代表されるギャンブリングリスク等については、重要な人的機 能の有無にかかわらず、リスクを引き受けたものに従うことになる。 ✔ Sell Co.(従属代理企業)は、PE 部門と独立部門に合理的に区分できる。 ✔ 事例 1 の場合、Sell Co.内には、重要な人的機能が存在しない、つまり、重要な PE 部門は存在しない と 結論できる。すべて独立部門とみなすことができて、PE 帰属所得計算及び内部取引の 考察は不要であり、9 条(TP)分析のみを適用し、ALP(独立企業間価格)を算定する。 ✔ 事例 2~事例 4 の場合、Sell Co.内に、重要な人的機能が存在し、つまり、重要な独立部門は存在し ないと結論できる。7 条(PE)分析のみを適用し、ALP(独立企業間価格)を算定する。 ✔ 現実の事例において、Sell Co.内に、重要な人的機能を有する PE 部門と独立部門が存在する場合に は、それぞれ部門別切り出し、BS 及び PL を前提に、部門別に、9 条(TP)分析又は 7 条(PE) 分析を並行適用し ALP(独立企業間価格)を算定する。この場合、複層的には適用しない。 ✔ さらに、PE 部門よりも法的又は経済的に重要性のある独立部門が存在すれば、Sell Co.それ自体が

全体として独立代理人となるため、その場合は、Sell Co.全体に、9 条(TP)分析を適用し、ALP (独立企業間価格)を算定する。 ✔ 7 条(PE)分析での重要な人的機能から導かれる内部取引、9 条(TP)分析での無形資産取 引は、企業の超過収益力の源泉という意味で共通しており、当該経済的資産を法人又は関連者の 無形資産の経済的持分のシェアの問題と見るか、法人又は PE に帰属すべき重要な人的機能から導 かれる経済的持分と見るかの違いのように思われる。 ✔ 7 条(PE)分析又は 9 条(TP)を選択適用することができるという規定を設けても、重要な人的機 能から導かれる内部取引、無形資産取引を、納税者の選択する TPM で、説明可能であれば、7 条 (PE)又は 9 条(TP)のいずれかを適用しないことの問題は解決可能と思われる。

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6 2)帰属所得ゼロの PE 問題 ☒ PE の定義は、コミッションネア又は PE の人為的回避の問題を解決する目的で、平成 29 年 6 月 7 日の多国 間協定の締結を受けて拡大された。 ☒ 帰属所得が結果としてゼロとなる事例 1 又は事例 2 の場合、当該 PE については、実務の簡便性から PE は ないものとみなすべきだ。 (提言)重要な人的機能がない PE に関して、PE は存在するが、帰属所得がないと整理する方が、コミッショネア・ アレンジメント、活動、契約の細分化による PE 認定の人為的回避に対応した改正趣旨に合致する。 3)外部売上を国外 PE に帰属させられる売上とすべきか? ☒ 事例 1 、事例 2、事例 3 において、9 条(TP)分析の後に行われている 7 条(PE)分析において、外部売 上 200 が、Sell Co.内の国外 PE に、経済的に、PL 帰属すると結論されている。 (提言)「研究開発」「設計」「調達」「製造」「市場開拓」「販売、営業」等の企業活動に関して、重要な人的機 能を提供していない、Sell Co.内の国外 PE に、Prima の外部売上 200 を帰属させるべきではない。むし ろ、Prima の全社的な事業に関する積極的意思決定を、Sell Co.がどの程度、共助的に営業支援して いるかに応じて、当該販売支援に対する Prima に対する役務提供報酬を認識すべきである。国内法に 実務においては、売上の法的帰属と経済的帰属が異なるという立場は採用されておらず、実質課税原 則は、あくまで法的実質に基づくものとされている。

4)PE 帰属所得計算、CFC 課税、外国子会社益金不算入、FTC を行う煩雑さをどう解消するか?

☒ 現行法の下では、TP、PE の ALP 計算上、ALP 修正がある場合、FTC、CFC の対応的調整が必要となり、 複雑で、数字が、TP、PE、FTC、CFC と相互関連的な税務申告を行う、多国籍企業の事務負担が増し、か つ、その都度の対応的調整に係る事務負担は、開示の問題も含めて、実益のない煩雑な修正事務になる。 ☒ CFC は、租税回避防止の Back Stop であれば、本来、国外 PE 帰属所得につき、内国法人の所得として合 算が予定されている所得については、CFC の適用除外とする措置を講ずる価値あり。 ☒ 本法に規定される PE 帰属所得計算は、国内法において、法的実質課税原則を採用するか、経済的実質課 税原則を採用するか、国内法においていずれかの立場か明らかにする必要がある。 以上

参照

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