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Bluetooth

®

RF測定の基礎

Application Note

Bluetooth®無線技術は、無線パーソナ ル・エリア・ネットワーク(PAN)のた めのオープンな仕様です。近距離の情報 機器間で、無線接続による音声やデータ の交換を行います。Bluetoothにより、 相互にケーブルを接続する必要がなくな ります。大部分の無線通信システムと異 なり、Bluetoothは、基地局やアクセ ス・ポイントなどのインフラを必要とせ ずに、デバイス間のアドホックなネット ワーキングが可能になります。 Bluetoothは10世紀のデンマーク王「ハ ーラル青歯王」(King Harald Blatand)に ちなんで命名されました。青歯王という とバイキングの征服と略奪のイメージが ありますが、治世中にデンマークとノル ウェイを統一した立派な王でした。この 王のように、現代のBluetoothは無線通 信リンクを使用して機器を統合します。 Bluetoothは、機器間のシームレスな相 互接続を実現します。つまり、携帯情報 端末(PDA)をPCの近くに持っていくだ けで、PCとPDA間でファイルとデータ ベースを同期することができます。 ワイヤレス・ヘットセットを使用する と、ハンズフリーで簡単に携帯電話を操 作できるので運転中も安全です。無線接 続により利便性が高まる情報機器分野の 成長を考えれば、Bluetoothの可能性は 無限であるといえます。このアプリケー ション・ノートでは、EDR(Enhanced Data Rate)を含むBluetooth RF設計をテ ストし検証するための送信機および受信 機の測定について説明します。テスト方 法には、手動操作やカスタム・ソフトウ ェアによる制御から、ボタン1つで簡単 に実行できる測定まで、さまざまな種類 があります。付録D「AgilentのBluetooth のためのソリューション」に、アジレン ト・テクノロジーの提供するBluetooth 測定ソリューションの一覧を示します。 このアプリケーション・ノートは、RF 測定の基本的な知識があることを前提と しています。RF測定の基本を習得する 場合は、このアプリケーション・ノート の巻末にある付録C「Bluetoothの推奨文 献」を参照してください。

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はじめに . . . 1 1. Bluetoothの基本概念 . . . .3 1.1 Bluetooth無線ユニット . . . .4 1.2 Bluetoothのリンク制御 ユニットとリンク管理 . . . .6 1.3 Bluetooth RFテスト・スイートの 構成 . . . .8 2. 送信機測定 . . . .10 2.1 テスト条件とセットアップ . . . .10 2.2 パワー・テスト . . . .13 2.3 送信出力スペクトラム . . . .16 2.4 変調テスト . . . .18 2.5 タイミング・テスト . . . .23 3. トランシーバ測定 . . . .26 3.1 EDR帯域内スプリアス・ エミッション . . . .26 4. 受信機測定 . . . .27 4.1 テスト条件とセットアップ . . . .27 4.2 感度:シングルスロット・ パケット . . . .30 4.3 感度:マルチスロット・ パケット . . . .31 4.4 EDR感度 . . . .31 4.5 EDR BERフロア性能 . . . .31 4.6 搬送波/干渉(C/I)性能 . . . . .32 4.7 EDR搬送波/干渉(C/I)性能 . .32 4.8 ブロッキング性能 . . . .33 4.9 相互変調性能 . . . .33 4.10 最大入力レベル . . . .33 4.11 EDR最大入力レベル . . . .33 5. 電源測定 . . . .34 付録A:用語集 . . . .35 付録B:記号と頭字語 . . . .36 付録C:Bluetoothの 関連カタログ . . . .37 付録D:AgilentのBluetoothの ためのソリューション . . . .38 付録E:参考文献 . . . .39

目次

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Bluetooth無線ブロック図には、さまざ まな種類が使用されています。送信には、 VCO(電圧制御発振器)直接変調から最 終RFでのIQ変調まであります。受信機 では、従来の周波数ディスクリミネータ やA/D変換と組み合わせたIQダウンコン バートがあります。 Bluetoothの仕様を満たすオプションは 多くあり、正確に動作しない場合の特性 がそれぞれ異なります。Bluetoothシス テムは、無線ユニット、ベースバンド・ リンク制御ユニット、リンク管理ソフト ウェアで構成されます。さらに、相互運 用性の機能を司る上位レベルのソフトウ ェア・ユーティリティも含まれます。図 1は、周波数ホッピング・システムのブ ロック図で、ベースバンド・コントロー ラとRF送信機および受信機セクション を示しています。 EDRはBluetooth 1.2規格を拡張したもの で、Bluetooth 2.0仕様に記述されていま す。初期のBluetooth規格との下位互換 性を維持しつつ、PSK変調方式を使用し て2または3 Mb/sのデータ・レートを実 現しています。帯域幅の拡大により、同 一コネクションで複数のデバイスを使用 できる可能性が高くなります。EDRはデ ューティ・サイクルが短く、標準的な Bluetoothリンクよりも消費電力が少な くなっています。 Bluetoothの最も基本的な形態は、無線 通信のためのグローバルな仕様として定 義されています。ケーブルの代わりとな るものを意図しているので、低コスト、 わかりやすい操作、信頼性が高いことが 求められます。これらの要件を満たすに は多くの障害がありますが、Bluetooth はさまざまな方法を駆使してそれに対処 しています。無線ユニットには周波数ホ ッピング・スペクトラム拡散(FHSS)が 用いられており、低消費電力、低コスト はもちろん、工業、科学、医療(ISM)用 の無線帯域を使用するため、無秩序で干 渉の多いRF環境でも誤りなく動作する 信頼性が重視された設計になっていま す。

1. Bluetoothの基本概念

図1. Bluetoothシステムのブロック図 RF ベースバンド 送信機 受信機 コントロール/プロセッサ 周波数ホッピング・コントロール ホストへ RF フィルタ スイッチ・ ドライバ バースト 変調器 直交 変調器 直交 復調器 IF フィルタ ローパス・ フィルタ しきい値 検出器 および クロック・ リカバリ 16ビット・ マイクロ プロセッサ DSP ベースバンド・プロセッサ (バースト・モード・コントロール) クロック RAM フラッシュ ROM 入出力 DAC

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Bluetoothチャネルは、それぞれ1MHzの 帯域をもちます。周波数ホッピングは79 チャネルに渡って行われます。図2に、 地域ごとの周波数ホッピング・チャネル を示しています。 標準的なBluetoothシステムの変調方式 はGFSK(ガウシアン周波数シフト・キ ーイング)で、全体のエア・データ・レ ートは1 Mb/sです。このデジタル変調フ ォーマットでは、変調された搬送波が “1”と“0”を表す2つの周波数の間でシ フトします。このため、GFSKでのシン ボル1個あたりのデータ・ビット数は1で す。図3はGFSK変調の例で、2つの離散 周波数を表しています。GSMなどの他 の周波数変調方式と異なり、この変調方 式では振幅と位相は大きな意味を持ちま せん。

1.1 Bluetooth無線ユニット

Bluetooth無線ユニットは、図1のブロッ ク図で送信機および受信機として示され ているセクションです。送信機は、ベー スバンド情報を、周波数変調された搬送 波にアップコンバートする役割を果たし ます。周波数ホッピングとバースト化はこ のレベルで行われます。受信機はその逆 に、RF信号のダウンコンバートと復調 を行います。表1にBluetoothの主なRF 特性を示します。 表1. Bluetoothの主なRF特性 特性 仕様 注記 搬送波周波数1 2400∼2483.5MHz(ISM無線帯域) f=2402+kMHz, k=0, 1, 2...,78 変調 標準的な0.5 BTガウシアン・フィルタ付き2FSK(1 Mシンボル/s) デジタルFM方式 変調指数:0.28∼0.35(公称値0.32) 許容ピーク周波数偏移175kHz 0.25 BT π/4-DQPSK(2 Mシンボル/s、FM方式) 0.125 BT 8DPSK(3 Mシンボル/s、FM方式) ホッピング 1600ホップス/s(通常動作時)2 チャネル・ホッピング・シーケンスは、各周波数が定期的に、 1MHzチャネル間隔 ほぼ同じ確率で現れるように設計されている。このシステムに 1)ページ・ホッピング・シーケンス は5種類のホッピング・シーケンスがあります。周期は23時間 2)ページ応答シーケンス 18分。 3)問合せシーケンス 4)問合せ応答シーケンス 5)チャネル・ホッピング・シーケンス 最初の4つは制限付きホッピング・シーケンスで、接続設定時に使用。 通常のチャネル・ホッピング・シーケンスは、マスタ・クロック値と デバイス・アドレスに基づく疑似ランダム・シーケンス。 送信パワー パワー・クラス1:1 mW(0 dBm)∼100 mW(20 dBm) クラス1パワー制御: +4 to+20 dBm(必須) パワー・クラス2: −30∼0 dBm(オプション) 0.25 mW(−6 dBm)∼2.5mW(+4 dBm) クラス2パワー制御: パワー・クラス3: −30∼0 dBm(オプション) 1 mW(0 dBm)最大パワー クラス3パワー制御: −30∼0 dBm(オプション) 動作範囲 10 cm∼10 m(パワー・クラス1は100 mまで) 干渉の量によってレンジが変化します。 最大データスループット 非同期チャネルは、最大721 kbps(戻り方向57.6 kb/sを データ・スループットが1 Mシンボル/sのレートよりも低い 許容)の非対称リンクまたは、432.6kbpsの対称リンクを のは、プロトコル固有のオーバヘッドのため。 サポートします。EDR 3 Mb/sの実際のデータ・スループットは 2.1 Mb/sです。 1.Bluetooth仕様には、フランスなどの国の規制に準拠するための特殊な周波数ホッピング・パターンが含まれます。フランス用周波数レンジは、2.4454∼2.4835 GHzで、対応するRFチャ ネルは、f=2454+kMHz, k=0,...,22です。 2. ホップ速度はパケット長に応じて変化します。

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て情報を伝送します。図4はπ/4-DQPSK 変調の位相ダイアグラムです。各ポイ ントが2ビットのデータを表わします。 3 Mb/sの変調でも原理が同じ波形の位相 シフトを使用しますが、主な違いは各 変化が3ビットの情報を含むことです。 Bluetooth規格を拡張したEDRは、より 高速なレートでデータを伝送するために 異なる変調方式を採用しています。EDR に は 2 Mb/sの π /4-DQPSKと 全 体 の エ ア・データ伝送レートが3 Mb/sの8DPSK の、2種類の変調方式があります。π/4-DQPSKでは波形の位相の変化を利用し 図2.Bluetooth周波数帯域とチャネル割り当て 2446.5 MHz 2400 MHz 2402 MHz 2454 MHz 2476 MHz 2480 MHz 2483.5 MHz 1MHz周波数ラスタ フランスの規制帯域 米国、欧州、およびその他大部分の国の規制帯域(フランスを除く) 図3. 2FSK変調 2FSK 振幅対時間 図4. Agilent 89600での、2 Mb/sデータのπ/4 DQPSK変調の表示

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リンク管理ソフトウェアはリンク制御ユ ニットと協調動作します。デバイスはリ ンク・マネージャを経由して相互接続さ れます。表2は、リンク制御/管理機能 の概要です。リンク管理は、EDRの場合 も同じです。

1.2 Bluetoothのリンク制御

ユニットとリンク管理

Bluetoothリンク制御ユニットはリン ク・コントローラとも呼ばれ、デバイスの ステートを決定するとともに、ネットワ ーク接続の確立、パワー効率、エラー訂 正、暗号化の役割があります。 表2. リンク制御および管理機能の概要 機能 説明 注記 ネットワーク接続 マスタ側のリンク・コントローラが接続手順を開始し、 スレーブ側のパワー・セーブ・モードを設定。 リンク・タイプ リンク・タイプは以下の2つ: Bluetoothでは、非同期データ・チャネル、最大3個の同期

同期コネクション型(SCO)。主に音声用。 音声チャネルの同時使用、非同期データと同期音声を同時に

非同期コネクションレス型(ACL)。主にパケット・データ用。 伝送するチャネルをサポート。時分割デュプレックスによる 全2重動作。 パケット・タイプ 標準レート 1/3/5のサフィックスは以下の番号に対応します: NULL、POLL、FHS:システムパケット DH1-366 3s DH3-1622 3s DM1、DM3、DM5:中速度、データ・バーストにより DH5-2870 3s 占有されたタイム・スロットのエラー保護されたデータ・パケット DH1、DH3、DH5:高速度、保護されていないデータ・パケット HV1、HV2、HV3:デジタイズされたオーディオ、3 レベルの エラー保護、公称バースト長、DVミックスド・データ/音声、 同期または非同期 AUX1:その他の用途 2 Mb/sパケット 2-EV3、2-EV5:標準レート・パケットと同じですが、 π/4-DQPSKで変調されます。 2-DH1、2-DH3、2-DH5:標準レート・パケットと同じですが、 π/4-DQPSKで変調されます。 3 Mb/sパケット 3-EV3、3-EV5:標準レート・パケットと同じですが、 8DQPSKで変調されます。 3-DH1、3-DH3、3-DH5:標準レート・パケットと同じですが、 8DQPSKで変調されます。 エラー訂正 3種類のエラー訂正方式: エラー訂正はリンク・マネージャが提供。

1/3レート・フォワード・エラー訂正(FEC)コード

2/3レートFECコード

データ用自動再送要求(ARQ)方式 認証 チャレンジ−レスポンス・アルゴリズム。 認証はリンク・マネージャが提供。 認証は、不使用、単方向、双方向が可能。 暗号化 秘密鍵長が可変のストリーム暗号。 テスト・モード デバイスをテスト・ループバック・モードに設定して、周波数設定、 パワー制御、パケット・タイプなどのテスト・パラメータの制御が 可能。

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きます。このようなピコネットのネットワ ークをスキャッタネットと呼びます。図 5は、2つのピコネットから構成されるス キャッタネットを示します。どちらのピ コネットにも属しないユニットは、スタ ンバイ・モードになっています。 Bluetoothの伝送はタイムスロットに分 割されていて、各スロットが1つのRFホ ップ周波数に対応します。この時分割デ ュプレックス(TDD)方式では、マスタは 偶数番号のタイムスロットで、スレーブ は奇数番号のタイムスロットで送信しま す。ピコネット内部の音声やデータのビ ットは、パケットで伝送されます。マス タまたはスレーブが送信するパケット長 は、1タイムスロット、3タイムスロット、 5タイムスロットのいずれかです。図6の 標準的なBluetooth伝送パケットは、ア クセス・コード、ヘッダ、ペイロードか ら構成されます。アクセス・コードは、 プリアンブル、同期ワード、オプションの トレーラから構成されます。ヘッダには ピコネット・アドレスとパケット情報が 含まれます。ペイロードにはユーザの音 声/データ情報が格納されます。パケット 構造の詳細については、Specifica-tion of the Bluetooth System[参考文献2]のPart B “Baseband Specification”を参照してくだ さい。 Bluetooth無線機は、マスタ・ユニット とスレーブ・ユニットのどちらかとして 動作します。リンク・マネージャが、マ スタ・ユニットとスレーブ・ユニットと の間の接続を確立し、スレーブのパワ ー・セーブ・モードを決定します。マス タは最大7台のスレーブと同時にアクテ ィブに通信でき、そのほかに200台以上 のスレーブを登録して、通信を行わない パワーセーブ・モードで待機させること ができます。この制御エリアはピコネッ トと定義されています。あるピコネット のマスタは、別のピコネットのマスタに 対するスレーブにもなれます。同様に、 異なるピコネットに属する複数のマスタ から1台のスレーブを制御することもで 図5. ネットワーク・トポロジー sb sb S S S S S M ps ps M S M − マスタ・ユニット S − スレーブ・ユニット ps − パワーセーブ・モードの スレーブ・ユニット sb − スタンバイ・モードの ユニット 図6. アクセス・コード/ヘッダを含む標準的なBluetoothのパケット・フォーマット 54ビット 72ビット 4ビット 64ビット 4ビット 0∼2745ビット 3ビット LSB LSB LSB MSB MSB

AM_ADDR Type Flow ARQN SEQN HEC トレーラ プリアンブル アクセス・ コード ヘッダ ペイロード(CRCを含む) 同期ワード(3Dアドレスを含む) 8ビット 1ビット 1ビット 1ビット 4ビット

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E D R 伝 送 の パ ケ ッ ト は 標 準 的 な Bluetoothパケットと少し異なります。 BluetoothEDRパケットを図7に示しま す。EDRはデータ伝送に使用され、アク セス・コードとヘッダのあるパケットの 最 初 の 部 分 は 、 標 準 的 な B l u e t o o t h GFSK変調を使用して伝送されます。ガ ードバンドの後で、デバイスの使用する データ・レートに合わせて変調方式がπ /4-DQPSKまたは8DPSKのいずれかに変 化します。同期、メイン・データ・ペイ ロードおよび最後のトレーラ部分はすべ て、より高速なデータ・レートの変調方 式を使って伝送されます。

1.3 Bluetooth RFテスト・

スイートの構成

Bluetooth無線は、Bluetoothプロトコ ル・スタックのレイヤ1です。図8に、さ まざまな基本レイヤから成るBluetooth プロトコル・スタック構成を示します。 図7. EDR Bluetoothのパケット・フォーマット MSB トレーラ DPSK EDRペイロード 同期 GFSK ガードバンド ヘッダ LSB アクセス・ コード 図8. Bluetoothプロトコル・スタック(基本レイヤ) 上位レイヤ

L2CAP

HCIドライバ ホスト・コントローラ リンク・マネージャ リンク・コントローラ(ベースバンド) 無線 オーディオ ホスト・ コントローラ・ インタフェース

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BluetoothSpecial Interest Group(SIG)か ら"Bluetooth RF Test Suite Structure"とい う タ イ ト ル の リ ス ト が 提 示 さ れ 、 Bluetooth無線レイヤを認証するために 実行するテストが定義されました。表3 に、テストの一覧と、テストの目的を表 す識別子を示します。 このアプリケーション・ノートの以降の セクションでは、これらの種々のテスト と各テストの実行方法について説明しま す。初期条件、テスト手順、テスト条件、 予 測 結 果 の 詳 細 情 報 に つ い て は 、 BluetoothTest Specification - RF [参考文 献1]を参照してください。この文書は、 BluetoothSIGによって規定され、最終 的な方針となります。1 表3. Bluetooth RFテスト・スイートの構成 Bluetooth RFレイヤの認証テスト用テスト・ケース 識別子1 送信機テスト 出力パワー TRM/CA/01/C パワー密度 TRM/CA/02/C パワー制御 TRM/CA/03/C TX出力スペクトラム:周波数レンジ TRM/CA/04/C TX出力スペクトラム:−20 dB帯域幅 TRM/CA/05/C TX出力スペクトラム:隣接チャネル漏洩電力 TRM/CA/06/C 変調特性 TRM/CA/07/C 初期搬送波周波数の許容値 TRM/CA/08/C 搬送波周波数ドリフト TRM/CA/09/C 受信機テスト 感度/シングルスロット・パケット RCV/CA/01/C 感度/マルチスロット・パケット RCV/CA/02/C C/I性能 RCV/CA/03/C ブロッキング性能 RCV/CA/04/C 相互変調性能 RCV/CA/05/C 最大入力レベル RCV/CA/06/C Bluetooth EDR RFテスト・スイート・ストラクチャ 送信機テスト EDR相対送信パワー TRM/CA/10/C EDR搬送波周波数の安定度/変調精度 TRM/CA/11/C EDR差動位相エンコード TRM/CA/12/C EDR帯域内スプリアス・エミッション TRM/CA/13/C 受信機テスト EDR感度 RCV/CA/07/C

EDR BERフロア感度 RCV/CA/08/C

EDR C/I性能 TP/RCV/CA/09/C

EDR最大入力レベル RCV/CA/10/C 1注記: 識別子のフォーマットは(テスト名)/CA/NN/C TRM=送信機テスト TRC=トランシーバ・テスト RCV=受信機テスト CA=機能テスト(テスト・タイプを定義) NN=テスト目的番号 C=専用Bluetoothテスト・システムで実行される適合テスト(範囲を定義) 1. このノートの作成時点で、この文書のリビジョンは2.0.E.3(Test specification RF Specification 2.0 - March 21, 2005)です。こ れ以降は、Bluetooth SIG Webサイトの“TEST SPECIFICATION

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このセクションでは、Bluetooth送信機 テストとテスト方法のフレームワークを 説明します。ここでは、Bluetoothコン ポーネントおよびシステムに対して実行 可能な測定について説明します。また、 例とサポート情報も提供します。

2.1 テスト条件とセットアップ

2.1.1 テスト条件 表4に、送信機テストを実行するために 必要な条件をまとめた一覧を示します。

2. 送信機測定

表4. 送信機テスト条件 周波数 テスト・ パケット・ ペイロード・ 測定帯域幅 ホッピング モード タイプ データ 出力パワー(TRM/CA/01/C) オン ループバック1 DH52 PRBS 9 3MHz RBW 3MHz VBW パワー密度(TRM/CA/02/C) オン ループバック1 DH52 PRBS 9 100kHz RBW 100kHz VBW パワー制御(TRM/CA/03/C) オフ ループバック1 DH1 PRBS 9 3MHz RBW 3MHz VBW TX出力スペクトラム:周波数レンジ(TRM/CA/04/C) オフ ループバック1 DH5またはDM52 PRBS 9 100kHz RBW 300kHz VBW TX出力スペクトラム:−20dB帯域幅(TRM/CA/05/C) オフ ループバック1 DH5またはDM52 PRBS 9 10kHz RBW 30kHz VBW TX出力スペクトラム:隣接チャネル漏洩電力(TRM/CA/06/C) オフ ループバック DH1 PRBS 9 100kHz RBW 300kHz VBW 変調特性(TRM/CA/07/C) オフ ループバック1 DH5またはDM52 11110000 10101010 初期搬送波周波数の許容値(TRM/CA/08/C) オフ ループバック1 DH1 PRBS 9 搬送波周波数ドリフト(TRM/CA/09/C) オン ループバック1 DH1 10101010 オフ DH3 DH52 EDR送信機テスト条件 EDR相対送信パワー(TRM/CA/10/C) オフ ループバック1 2-DHxまたは2-Evx PRBS 9 3 MHz RBW 3-DHxまたは3-Evx2,3 3 MHz VBW EDR搬送波周波数の安定度/変調精度(TRM/CA/11/C) オフ ループバック1 2-DH5または3-DH52,3 PRBS 9 EDR差動位相エンコード(TRM/CA/12/C) オフ Tx 2-DH1または2-EV3 PRBS 9 ― 3-DH1または3-EV32,3 EDR帯域内スプリアス・エミッション(TRM/CA/13/C) オフ ループバック 2-DHxまたは2-Evx PRBS 9 100 kHz RBW 3-DHxまたは3-Evx2,3 300 kHz VBW 1. ループバックを使用できない場合は、TX(送信モード)を使用できます。 2. パケットがサポートされていない場合は、サポートされている最大パケット(サポートされている最大のペイロード長)を使用してください。 3. 使用するパケットは、プレフィックスが2のπ/4 DQPSKまたはプレフィックスが3の8DPSKの変調方式をテストするかにより異なります。

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テスト・モード Bluetoothデバイスは、次に示すさまざ まなモードで実行可能です。

ノーマル・モード

送信機(Tx)テスト・モード

ループバック・テスト・モード ノ ー マ ル ・ モ ー ド は 、 標 準 的 な Bluetooth通信に使用されます。たとえ ば 、 テ ス タ が マ ス タ と し て 動 作 し 、 Bluetoothデバイスがスレーブとして動 作する場合、ノーマル・モードでテスタ がPOLLパケットを送信すると、デバイ スはNULLパケットを送り返すことによ ってPOLLパケットの受信を確認します。 POLLパケットとNULLパケットの説明 は 、 Specification of the Bluetooth System[参考文献2]のPartB:Baseband Specificationを参照してください。 テスト・モードでは、Bluetoothデバイ スが特別な状態で動作します。ループバ ッ ク ・ テ ス ト ・ モ ー ド の 場 合 、 Bluetoothデバイス(スレーブ)は、テス タ(マスタ)から送信されたパケットを デコードして、同じパケット・タイプで ペイロードを送り返すことが要求されま す。一方、送信機テスト・モード で は 、 Bluetoothデバイスに要求されるのは、テ スタ(マスタ)から送信されたPOLLパケ ットの特定の指示に従ってパケット・タ イプを送信することのみです。図9に、 ループバックおよび送信機テスト・モー ドについて説明します。 デバイスの送信および受信性能のテスト を容易に行うには、Bluetoothデバイス にテスト・モードを実装する必要があり ます。デバイスをテスト・モードに設定 することによって、周波数選択、TX周 波数、パケット・タイプとパケット長、 ビット・パターン、ポーリング周期、パ ワーレベルなど、さまざまな送信および 受信パラメータを制御できます。 注記:テスタ(マスタ)からデバイス(ス レーブ)をテスト・モードに設定できる ようにするには、テスト・モードへの移 行をデバイスに準備させるための特殊な コマンド(LMPコマンド)をホスト・デ バイスから送信する必要があります。こ れが、以降のセクションで説明する種々 のセットアップにDUTコントローラが含 まれる理由の1つです。この制御は、RF 接続で送信されるプロトコルまたはデバ イスの直接デジタル制御のいずれかによ って実現されます。テスト・モードおよ びそのアクティブ化の詳細については、 Specification of the Bluetooth System[参考 文献2]の258ページの"Test Mode"を参照 してください。 ペイロード・データ テスト・ケースに応じて、3種類の異な る ペ イ ロ ー ド ・ デ ー タ が 必 要 で す 。 PRBS9、10101010、11110000の3つです。 これらのパターンはそれぞれ異なるスト レス機構を持っており、測定に合わせて 選択されます。PRBS9は周期29−1の疑 似ランダム・ビット・シーケンスで、ラ イブ・トラヒックをシミュレートするこ とを目的としており、実際の信号に近い スペクトル分布を持つ変調信号を生成し ます。10101010のパターンは、変調フィ ルタ用の追加テストに用いられます。こ のパターンは送信機出力のスペクトル形 状を変化させます。11110000のパターン は、ガウシアン・フィルタのチェックに 用いられます。4個の1と4個の0が続いた 後、出力は完全なセトリング状態に達す るはずです。また、さまざまなパターン を使用することによって、IQ変調方式で の問題を特定することができます。理想 的 な ガ ウ シ ア ン ・ フ ィ ル タ で は 、 1 0 1 0 1 0 1 0 信 号 の ピ ー ク 周 波 数 偏 移 と 11110000信号のピーク周波数偏移間の比 が88%になります。Bluetooth無線仕様 では、80%より高い値が必要です。 周波数ホッピング Bluetooth信号はTDDバーストのシーケ ンスなので、適切にトリガする必要があ ります。信号を捕捉できるように、エン ベロープの立上がりエッジでトリガしま す。Bluetoothシステムは周波数ホッピ ングを使用するため、信号解析が複雑に なります。Bluetoothデバイスの機能を テストするにはホッピングが必要です が、パラメトリック・テストの場合は必 須ではありません。変数の数を減らし、 個々の性能特性を明確にするため、いく つかのテストではホッピングがオフにさ れます。また、送受信チャネルをバンド 端に設定し、被試験デバイス(DUT)の VCOで周波数を切り替える方法もありま す。どちらの方法もテスト要件を満たす ように調整されており、Bluetooth Test Specificationに記述されています。 図9. ループバックおよび送信機テスト・モード バースト長 テスト・パケット マスタTX スレーブTX マスタTX スレーブTX マスタTX スレーブTX ポール 送信機テスト・モード バースト長 テスト・パケット 時間 ポール ペイロード ARQN マスタTX スレーブTX ループバック・テスト・モード 時間 TXパケット RXパケット ペイロード ARQN マスタTX スレーブTX TXパケット RXパケット ペイロード ARQN マスタTX スレーブTX TXパケット RXパケット

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のセットアップと異なり、デバイスとテ スト機器との間でBluetooth通信が確立 されていないため、テスト機器からDUT 動作を制御できません。このセットアッ プの場合、特別な内部テスト機能ユーテ ィリティをデバイスに実装する必要があ ります。ユーティリティには、デバイス に受信パケットを送信させる機能が必要 です。この機能によって、デジタル信号 発生器からのBluetooth信号をデバイス の受信機に送信し、解析するために送信 機経由でループバックすることができる ようになります。セットアップ2の場合、 ユ ー テ ィ リ テ ィ に 必 要 に な る の は 、 Bluetooth送信機のテスト条件(表4)を 適切に実行するために、送信タイプ(周 波数ホッピングのオン/オフ、複数のパ ケット・タイプなど)を制御する機能で す。この機能は、N4010Aに搭載されて いますが、PCと接続してソフトウェア でデバイスを制御することにより実現す ることもできます。これら2種類のセッ トアップでは、スペクトラム・アナライ ザやベクトル・シグナル・アナライザな どのシグナル・アナライザを使用する必 要があります。また、信号発生器に加え て、パワー・メータ、電源、オシロスコ ープ、ネットワーク・アナライザなどの 機器が必要になる場合があります。 2.1.2 テスト・セットアップ Bluetooth送信機テストに使用するセッ トアップは、テスト対象がBluetoothデ バイスのフル機能か、RF送信機のみか、 または送信機のRFコンポーネントのみ か に よ っ て 異 な り ま す 。 フ ル 機 能 の Bluetoothデバイスの送信性能をテスト す る 場 合 は 、 Agilent N4010Aな ど の Bluetoothテスト・セットを使用する方 法があります。テスト・セットとDUTに よって、テスタがマスタとして、DUTが スレーブとして動作するピコネットが形 成されます。テスト・セットは、標準 Bluetoothプロトコルにより、デバイス とのリンク(ページング接続)をノーマ ル・モードまたはテスト・モードで確立 します。テスト・モードでデバイスと接 続すると、テスト・セットからDUTの動 作を完全に制御できます。たとえば、テ スト・セットから、デバイスをループバッ ク・モードまたはTXモードに設定した り、周波数ホッピングをオフにしたり、 BluetoothTest Specificationに規定された 特定の周波数でデバイスに送信させたり することが可能です。

図10に、Agilent N4010A Bluetoothテス ト・セットを使用した基本的なセットア ップを示します。 そ の 他 の 3 種 類 の 送 信 機 測 定 セ ッ ト ア ップについては、図11に示します。セッ トアップ1は、フル機能Bluetoothモジュ ールの送信スペクトラム性能をテストす るセットアップ例で、セットアップ2は、 BluetoothDUTの幅広い性能のテストに 使用されます。セットアップ1は、図10

図10. フル機能のBluetoothデバイスの送信機性能をテストするセットアップ例。Agilent N4010A Bluetooth テスト・セットがマスタとして動作し、Bluetooth DUTがスレーブとして動作します。 DUT コントローラ BluetoothDUT 図11. 2つの異なる送信機測定のセットアップ例 ESA-E スペクトラム・ アナライザ Bluetooth DUT DUT コントローラ パワー・スプリッタ Bluetooth DUT N4010A ESA-E スペクトラム・ アナライザ セットアップ1:DUTコントローラで制御可能なフル機能Bluetoothデバイスの送信機性能テストのセットアップ セットアップ2:Bluetooth送信機性能テストのセットアップ

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Bluetoothデバイスと測定機器を直接ケ ーブルで接続できない場合は、アンテナ などの適切なカップリング・デバイスが 必要になります。この場合、アンテナ間 の経路損失を計算する必要があります。 これは、ネットワーク・アナライザによ って評価できます。またAgilent N4017A ソフトウェアで計算することにより、経 路損失を補正できます。3種類の異なる 周波数バンドでデバイスをテストする場 合は、表5のループバック・テストおよ び送信テストで使用する周波数を参照し てください。表6は受信テストの場合で す。表7はTxモードでの設定です。この 設定ではホッピングをオフにします。

2.2 パワー・テスト

RF送信機パワー測定には、出力パワー (バースト時の平均パワーおよび最大ピ ーク・パワー)、パワー密度、パワー制御 およびEDR相対送信パワーがあります。 パワー・レベルは、デジタル通信システ ムにおいて重要なパラメータです。これ らのテストによって、パワー・レベルが リンクを確保するのに十分大きく、また、 ISMバンド内の干渉を最小限に抑え、バ ッテリ寿命をできるだけ延長するように 小さくなっていることを確認できます。 2.2.1 出力パワー 出力パワー測定は、タイム・ドメインで 行われます。Bluetooth信号は、TDDバ ーストのシーケンスであるため、適切に トリガをかける必要があります。信号を 捕捉するには、エンベロープの立上がり エッジでトリガを実行します。 図12に、標準的なBluetooth信号バース トのパワーおよびタイミング特性をタイ ム・ドメインで示したものです。 表5. ループバック・モードで送信する場合の周波数設定 低い動作周波数 中間の動作周波数 高い動作周波数

DUT fTX DUT fRX DUT fTX

DUT fRX DUT fTX DUT fRX

2402 MHz 2480 MHz 2441 MHz

2402 MHz 2480 MHz 2402 MHz

表 6. ループバック・モードで受信する場合の周波数設定

低い動作周波数 中間の動作周波数 高い動作周波数

DUT fTX DUT fRX DUT fTX

DUT fRX DUT fTX DUT fRX

2480 MHz 2402 MHz 2402 MHz

2441 MHz 2402 MHz 2480 MHz

表 7. Txモードでの周波数設定

低い動作周波数 中間の動作周波数 高い動作周波数

DUT fTX DUT fTX DUT fTX

2402 MHz 2441 MHz 2480 MHz 図12. タイム・ドメインのパワー/タイミング解析 90% 振幅 ポイント 3dB 振幅 ポイント 10% 振幅 ポイント 立上がり 時間 立下がり 時間 バースト幅 平均パワー、P (バースト時) オーバシュート ピーク・パワー、P

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平均パワーおよびピーク・パワーの測定 は、Bluetoothテスト・セット、パワー・ メータ、スペクトラム・アナライザ、ま たはベクトル・シグナル・アナライザの いずれかで実行できます。いずれのテス タでも、バースト時の最大パワー値が記録 され、バースト持続時間の20∼80%の平 均パワーが計算されます。 図 1 3 は 、 N 4 0 1 0 A テ ス ト ・ セ ッ ト と N4017Aグラフィック測定アプリケーシ ョン(GMA)を使用して実行した出力 パワー測定の結果です。 掃引型スペクトラム・アナライザを使用 して、スパンを0に設定すると、信号の エンベロープをタイム・ドメインで表示 できます。外部トリガを使うと、バース ト・モード信号を捕捉することもできま す。表示される周期の数は、掃引時間で 制御されます。ピーク・ディテクタ・モ ードを使用すると、トレースを最大値ホ ールドに設定可能で、ピーク・サーチ機 能を使用すると、ピーク・パワー・レベ ルを測定できます。また、バーストの平 均パワーもトレース・データの解析によ り求められます。テストは、すべての周 波数チャネルで繰り返されます。図14に、 掃引型スペクトラム・アナライザの平均 パワーおよびピーク・パワー測定画面を 示します。 図13. N4010Aで記録した出力パワー測定結果を表示するN4017Aソフトウェア画面(デバイス・ セットアップ:テスト・モード、周波数ホッピングがオン、DH1パケット、最大ペイロード長、 ペイロード:PRBS9) 図14. Bluetoothパーソナリティによるピーク・パワーおよび平均パワー測定を表示する Agilent ESA-Eシリーズ・スペクトラム・アナライザ画面(デバイス・セットアップ:CF= 2.441 GHz、掃引時間680 3s、IF ch3でトリガ)

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測定の次の段階では、アナライザをタイ ム・ドメインに変更して、1分間のシン グル掃引を実行します。パワー密度はト レースの平均として計算されます。この 計算は、トレース・データを解析して結 果を平均することにより、スペクトラ ム・アナライザで実行できます。ベクト ル・シグナル・アナライザには、トレー スの平均パワーを求めるユーティリティ が用意されています。 ベクトル・シグナル・アナライザにはト リガ遅延機能があり、トリガ・ポイント 以前のバーストを表示できます。さらに、 ベクトル・シグナル・アナライザには、 平均パワーを自動的に求める平均パワー 測定機能もあります。図15に、ベクト ル・シグナル・アナライザの平均パワー 測定画面を示します。掃引時間とトリガ 遅延を調整することにより、立上がりエ ッジと立下がりエッジを避けて、バース トの平均パワーを測定できます。 パワー・メータを使用すると、同様の出 力パワー測定を低コストで実行できま す。Agilentパワー・メータには、あらか じめ定義されたBluetoothセットアップ が不揮発性メモリに記録されており、ゲ ート・セットアップおよび制御機能によ って、Bluetooth信号を詳しく解析でき ます。 注記:出力パワーの結果は、EIRP(等価 等方放射電力)で表示されます。EIRPは システムの放射電力の指標であるため、 送信機、ケーブル損失、およびアンテナ 利得が含まれます。ポート間の直接接続 によってテストを行う場合は、アンテナ 利得をすべての測定結果に追加して、シ ステム全体でパワー出力仕様が超過しな いことを確認する必要があります。 2.2.2 パワー密度 パワー密度測定では、100kHz帯域幅で のピーク・パワー密度を求めます。最初 にシグナル・アナライザで周波数ドメイ ンの測定を行います、Bluetooth周波数 帯域の中央に中心周波数をおき、帯域全 体を表示するのに十分なスパンを使用し ます。分解能帯域幅は100kHzに設定し ます。最大値ホールド/ピーク検出モー ドにして、1分間のシングル掃引を実行 します。トレースのピーク値が見つかる と、その周波数がアナライザの新しい中 心周波数になります。図16は測定のこの 部分を示し、ピーク・パワー・ポイント が示されています。

図15. Agilent 89600の2 Mb/s Bluetooth EDRパケットのピーク・パワー測定画面 (デバイス・セットアップ:CF=2.441 GHz、1 dB/div、掃引時間380 3s、IF ch1でトリガ、

遅延=10)

図16. Agilent ESA-Eのパワー密度測定画面(デバイス・セットアップ:CF=2441 MHz、 スパン=240 MHz、RBW=1 MHz、VBW=1 MHz、ピーク・ディテクタ、トリガ・

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次に、パケットのGFSKとDQPSK部分の 80%以上に対して平均パワーを計算しま す。中間の動作周波数、最高動作周波数 でも同様に行います。以上のすべての手 順をDUT送信機の最小パワー設定に対し て も 同 様 に 行 い ま す 。 こ の テ ス ト は Agilent N4010AとN4017A GMAソフトウェ アを使用して行えます。図17に示すよう に、N4010Aと89600ベクトル・シグナ ル・アナライザを組み合せても行えます。 以上の全部で6つのテスト結果が、以下 の測定条件に適合するかどうかを判断し ま す :( PGFSK− 4 dB)≦ PDPSK≦ (PGFSK+1 dB)

2.3 送信出力スペクトラム

送信出力スペクトラム測定では、パワ ー・レベルを周波数ドメインで解析する ことにより、チャネル外放射が最小であ ることを確認します。これにより、シス テム全体の干渉が減少し、規制適合が保 証されます。測定により、デバイスの出 力パワー・スペクトラムが定義済みマス クと比較されます。このマスクの特性を 表8に示します。 表 4 に ま と め ら れ て い る よ う に 、 Bluetoothの仕様では、テストが次の3つ の部分に分類されます。 1. 周波数レンジ 2. −20 dB帯域幅 3. 隣接チャネル漏洩電力 1と2のテストではピーク検波が使用され、 隣接チャネル漏洩電力では平均検波が使 用されます。2と3のテストでは、最大値 ホールド・モードが使用され、周波数レ ンジでは平均モードが使用されます。

2.3.1 周波数レンジ

周波数レンジのテストでは、搬送波を上 側のチャネルと下側のチャネルに設定し ます。最大RFレベルを捕捉するのに十 分な長さをサンプリングすることによっ て、パワー密度を検査します。信号は、 2400 MHz(フランスでは2446.5 MHz)お よび2483.5 MHzで、−80 dBm/Hz EIRP 未満でなくてはなりません。

2.2.3 パワー制御

パワー制御テストは、レベル制御回路に 対してテストや校正を実行するためのも のです。パワー制御テストは、パワー制 御をサポートするデバイスに対してのみ 必要です。パワー制御の方法は、平均パ ワー測定と同様ですが、3つの離散周波 数チャネル(最小、中間、最大の動作周 波数)が対象となります。パワー制御テ ストでは、パワー・レベルとパワー制御 ステップ・サイズを検証し、仕様範囲内 で あ る こ と を 確 認 し ま す 。 A g i l e n t N4010A Bluetoothテスト・セットの場 合、リンクが確立されていれば、DUTの パワー・レベルを調整し、スタンド・ア ロンでテストできます。 パワー制御に関しては、Bluetoothモジ ュールには正しく動作するRSSIディテク タが必要で、シグナリングではアブソリ ュートではなくインクリメンタル・コマ ンドが使用される点に注意してくださ い。 2.2.4 EDR相対送信パワー EDR伝送では、GFSKとDQPSK変調が1 つのパケット内に存在します。このテス トにより、デバイスの各変調方式の送信 パワーが許容範囲内にあることを確認で きます。DUTはサポートされる最長のパ ケット・タイプを最低Tx周波数での最大 パワーで送信します。周波数ホッピング はオフ、中心周波数はDUTの送信周波数 です。このテストの掃引時間は使用する パケット長になります。 図17. EDR相対送信パワーの測定結果を示すAgilent 89600ベクトル・シグナル・アナライザ 表8. スペクトラム・マスク要件の概要 周波数オフセット 送信パワー M±[550−1450 kHz] −20 dBc |M-N|=2 −20 dBm |M-N|≧3 −40 dBm 注記:Mは送信チャネルのチャネル番号(整数)、Nは測定対 象の隣接チャネルのチャネル番号(整数)です。

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Agilent ESA-Eスペクトラム・アナライザ は 、 独 自 の ア ル ゴ リ ズ ム を 使 用 し て 、 ACP測定ソリューションをボタン操作1 つで実行することができます。ボタン操 作により、複雑なACP測定が容易になる ため、プリコンプライアンス・テストの 理想的なツールとして使用できます。 図19に、チャネル3(M=3)に対して行 っ た A C P 測 定 を 示 し ま す 。 条 件 P T X (f)≦−20dBmがチャネル1および5(N= 1 , 5 )に 対 し て 検 証 さ れ 、 条 件 P T X (f)≦−40dBmが残りのチャネル(N= 0,6,7,...78)に対して検証されています。 このテストの動作検証は、“PASS”とい うフラグによって確認されます。 2.3.2 −20dB帯域幅 狭 い 測 定 フ ィ ル タ を 使 用 し て 、 −20 dB帯域幅テストを最小、中間、最 大 の 周 波 数 チ ャ ネ ル で 実 行 し ま す 。 2 MHzスパンを使用すると、ピークRFレ ベルが記録されます。レベルが20 dB下 がった、上側と下側の周波数ポイントは、 1 MHz以内に収まる必要があります。図 18に、観測対象の波形タイプを示します。 出力スペクトラムを表示すると、スペク トル表示にひずみが見られる場合があり ます。これは、ヘッダなど、ホワイトで ないバースト部分があるためです。 EDR信号をこのような仕様でテストする 場 合 は 、 標 準 的 な F M バ ー ス ト よ り も DPSKの−20 dB帯域幅が広くなるので、 適切にテストできません。そのためEDR パケット伝送に対して、FCCは、EDR信 号の占有帯域幅を1.5 MHzにまで緩和し ました。 2.3.3 隣接チャネル漏洩電力 隣接チャネル漏洩電力(ACP)テストは、 3種類の測定のなかで最も複雑です。テ スト送信は、中間のチャネルと上側と下 側 の バ ン ド ・ リ ミ ッ ト の 3 M H z 内 側 (例:チャネル3と75)に対して行われま す。RFチャネル0から開始して、−450 kHz∼+450 kHzの搬送波からのオフセッ トで10レベルの測定が実行され、結果が 累計されます。測定チャネルは、1 MHz ずつ増加し、バンドの最上部に到達する まで処理が繰り返されます。表8に示す ように、チャネルMで送信しているDUT とチャネルNで測定される隣接漏洩電力 について、次の条件に適合しているかど うかを検証する必要があります。 PTX(f)≦−20 dBm、|M-N|=2に対して PTX(f)≦−40 dBm、|M-N|≧3に対して 図18.Bluetooth無線テクノロジーの測定パーソナリティを備えたAgilent ESA-Eによる−20dB 出力スペクトラム帯域幅測定(デバイス・セットアップ:CF=2.402 GHz、スパン=2 MHz、 RBW=10 kHz、VBW=30 kHz 図19. チャネル3のACP測定を表示するAgilent ESA-Eシリーズ・スペクトラム・アナライザ。 上部ウィンドウにACPスペクトラム(パワー対チャネルを測定)が表示され、下部ウィンドウに ACPの数値をまとめた表が示されています。下部ウィンドウは拡大して、チャネルの一覧をすべて

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ペイロード内の各8ビット・シーケンス の周波数が測定され、アベレージングさ れます。次に、これらのビットの平均か らの最大偏移が、パターン00001111の場 合はDF1maxとして、パターン01010101の 場合はDF2maxとして記録されます。最後 に、最大偏移値の平均が計算され、パタ ーン00001111の場合はDF1avgとして、パ ターン01010101の場合はDF2avgとして記 録されます。結果には、最大偏移と最大 偏移の平均の両方が使用されます。この 手順が10パケット以上の周期にわたって 実行されます。

2.4 変調テスト

Bluetoothの変調測定は、変調特性、初 期搬送周波数の許容値(ICFT)、搬送波 周波数のドリフトを測定する標準的な GFSKテストで構成されます。DPSK変調 テストは、DR搬送波周波数の安定度/ 変調精度、EDR差動位相エンコードで構 成されています。変調測定には、変調回 路の性能のほかに、局部発振器の安定度 が反映されます。変調器とVCOは、両方 とも、電源のデジタル・ノイズや送信パワ ー・バーストの影響を受けます。無線機 のデザインには、電源による周波数引き込 みを防止するための注意が必要です。変 調特性の検証では、各ビットの周波数を 測定できるように、Bluetooth信号を復 調する機能が必要になります。 2.4.1 変調特性 変調特性テストは、周波数偏移の測定で す。変調特性の場合、ペイロードで2種 類 の 8 ビ ッ ト 繰 り 返 し シ ー ケ ン ス (00001111と10101010)が使用されます。 2つのシーケンスを組み合わせることに よって、変調器性能と変調前フィルタリ ングの両方が検査されます。 さまざま なパターンによるストレス機構の詳細に ついては、このセクション(「送信機測 定」)の初めに記載されています。 変調特性のテスト手順 このテスト手順では、サポートされてい る最長パケット(サポートされている最 長のペイロード長)を使用して、最小、 中間、最大の動作周波数で測定を実行す る必要があります。これらの3つの周波 数の測定は、それぞれ、次に示す手順が 00001111ペイロード・シーケンスに対し て実行され、01010101ペイロード・シー ケンスに対して繰り返されます。 図20a. 変調特性測定の結果を示すN4017Aの画面

図20b. N4010A Bluetoothテスト・セットとN4017A GMAソフトウェアによる変調特性測定 結果の画面(セットアップ:ループバック・モード、周波数ホッピングがオフ、チャネル0、DH5 パケット、最大ペイロード長(339)、ペイロード・パターン(上段のグラフ:00001111、下 段のグラフ:10101010))。Bluetooth DUTとの接続を中断せずにペイロード・タイプを変更 できます。

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2.4.2 変調品質 ベクトル・シグナル・アナライザには、 変調品質測定に関する豊富な機能があ り、種々の信号に関する問題を検出し、 定量化し、原因を突き止めるのに役立ち ます。例えば、送信機の干渉による相互 変調、電源ノイズによる変調、アンテナ 不整合によるパワー安定度などがありま す。FSK誤差、振幅誤差、アイ・ダイア グ ラ ム な ど の 変 調 品 質 測 定 は 、 BluetoothRF Test Specificationsには直接 記載されていませんが、トラブルシュー ティングには非常に役立ちます。図22に 示すのは、周波数ドリフトが存在する場 合のBluetooth信号の復調測定を4画面表 示したものです。周波数ドリフトは左下 の画面を見ればすぐにわかります。 次の測定条件を検証することによって、 変調特性の妥当性が保証されます。 1. 140kHz≦f1avg≦175kHz 2. Df2max≧115kHz 3. Df2avg/Df1avg≧0.8

Agilent N4010A Bluetoothテスト・セッ トには、このテストを自動で行う機能が 備えられています。変調特性測定の例を 図20aと20bに示します。上部に表示され ているのは、ペイロード・シーケンス 0001111の変調グラフと、DF1maxおよび DF1avgの計算値です。下部には、シーケン ス10101010に対する同様の結果が表示さ れています。 同様に、Agilent ESA-Eスペクトラム・ア ナライザのBluetooth測定パーソナリテ ィを使用することによって、数回のキー 操 作 で こ の 測 定 を 実 行 で き ま す 。 10101010[F2]ペイロードを入力すると、 最大偏移DF2maxと最大偏移の平均DF2avg が画面に表示されます。この結果を記録 してから、11110000パターンのバースト をアナライザに入力することもできま す。新規の11110000[F1]ペイロード・シ ーケンスに対して、測定処理を繰り返す と、DF1maxとDF1avgが計算され表示され ます。次に、記録されたDF2avgを使用し て、比DF2avg/DF1avgを算出します。この 比率が80%未満の場合、“FAIL”フラグ が表示されます。図21に、この変調特性 測定を実行しているAgilent ESA-Eスペク トラム・アナライザの画面を示します。 ESA-Eは、11110000パターンを測定し、 それを10101010パターン(以前に“Hold result”メニューで記録されている)と比 較しています。 図21. Agilent ESA-Eシリーズ・スペクトラム・アナライザの変調特性測定の画面 図22.Agilent 89600の復調品質テストの画面

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2.4.3 初期搬送周波数の許容値 初期搬送波周波数許容値テスト(周波数 オフセット・テストとも呼ばれる)は、 送信機の搬送波周波数の確度を検証する ものです。プリアンブルとPRBSのペイ ロードとからなる標準的なDH1パケット が用いられます。パケットの最初の4ビッ ト(プリアンブル・ビット)を解析する ことで、中心周波数からの周波数偏移の 大きさを求めます。この測定では、各シ ンボルの周波数偏移を測定するために、 信号を復調する必要があります。復調後、 各プリアンブル・ビットの周波数オフセ ットが測定され、アベレージングされま す。 図23に、最初の8ビットが表示された測 定例を示します。このうちの最初の4ビ ットは、1010プリアンブルです。周波数 ホッピングはオフになっています。テス ト仕様では、この測定をホッピング・オ ンとホッピング・オフの両方で実行する ことが規定されています。いずれの場合 も、ベクトル・シグナル・アナライザは 1つの周波数チャネルに設定されますが、 ホッピングがオンの場合、送信機が別の 周波数へすばやくジャンプするために、 スルーの効果が大きくなります。搬送波 周波数がセトリングするときに、初期搬 送波周波数オフセットでスルーが見られ ます。ホッピングによるストレスの増加 によって、増幅器の応答に関する問題を 確認できます。 図24は、N4010A Bluetoothテスト・セ ットとN4017A GMAによるICFT測定の 結果です。この測定では、周波数ホッピ ングをオンにします。図25は、周波数ホ ッピングする信号の「平均パワー対チャ ネル」を示しています。周波数ホッピン グをオンにしたときの同様のグラフは、 選択チャネルにパワー・バーのみが表示 されます。 図23. Agilent ESA-Eシリーズ・スペクトラム・アナライザの−1.822 kHzオフセットでの 変調特性測定の画面 図24. 周波数ホッピングをオンにしてICFT測定を行ったときのN4017A GMAの画面 (テスト・モード(送信機モード)、周波数ホッピングがオン、ペイロードとしてPRBSを使用した DH1パケット)

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この測定は、最小、中間、最大の各動作 周波数で、最初にホッピングをオフに、 次にホッピングをオンに設定して繰り返 されます。さらに、パケット長を1スロ ット・パケット(DH1)、3スロット・パ ケット(DH3)、5スロット・パケット (DH5)に変えて、測定されます。 繰り返して行う測定作業は、ソフトウェア 制御により簡単になります。図26に、 ESA-Eシリーズ・スペクトラム・アナラ イザのBluetooth測定パーソナリティに よる搬送波周波数ドリフト測定の例を示 します。この図では、101010が繰り返さ れるペイロード・シーケンスで、30kHz の周波数ドリフトがあるBluetooth信号 が表示されています。標準で設定された リミットを外れているため、自動化ソフ トウェアによって、F(不合格)のフラグ が付けられています。 N4010A Bluetoothテ ス ト ・ セ ッ ト と ESA-Eスペクトラム・アナライザは、両 方とも同じアルゴリズムを使用して、初 期搬送波周波数の許容値を計算します。 N4010Aは、ICFTテストすべてをスタン ド・アロンで実行できます。別の方法で プリコンプライアンス・レベルでICFT を測定するには、Agilent 89400および 89600シリーズ・ベクトル・シグナル・ アナライザで復調モードを使用します。 この方法は、一般的な方法です。結果長 を最小シンボル数(10)に設定すると、 アナライザのシンボル・エラー画面に搬 送波オフセットが一目でわかるように表 示されます。この最小シンボル数は4よ り大きいため、ノイズによる結果のバラ ツキが少なくなります。0101パターンが 継続することが重要になります。図22の サマリ表の画面に示す搬送波オフセット の結果は、この初期搬送波オフセット測 定の例です。 2.4.4 搬送周波数ドリフト 搬送波周波数ドリフトのテストでは、パ ケットによる送信機の中心周波数ドリフ トの検証を行います。前述の変調特性と 初期搬送波周波数の許容値の2つのテス トと同様に、搬送波周波数ドリフトが復 調信号として測定されます(周波数対時 間)。 ペイロード・データは、1010の4ビッ ト・シーケンスの繰り返しです。測定を 実行するためには、プリアンブルの4ビ ットの絶対周波数が測定され、積分され ます。これによって初期搬送波周波数が 得られます。次に、ペイロード内の連続 する10ビット部分のそれぞれについて、 絶対周波数が測定され、積分されます。 周波数ドリフトは、プリアンブルの4ビ ットの平均周波数とペイロード・フィー ルド内の10ビットの平均周波数との差で す。また、最大ドリフト・レートもチェ ックされ、ペイロード・フィールド内の 2つの隣接する10ビット・グループの差 として定義されます。 図25. 78チャネルに対する信号のホッピングを示すN4017A GMAの画面

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最初のプリアンブル・ビットPoのスター ト時間を求めます。次に理想的な搬送波 周波数に対するヘッダ・ビットの周波数 偏移を計算します。シンボル間干渉をす べて除去するために、ヘッダ内の前後の ビットと同じビットをテスタが選択しま す。1を表わすパケットの平均周波数偏 移はDw1です。Dw2は、ゼロを表わすビ ットの平均周波数偏移です。この2つの 値から、以下の式を使って初期周波数誤 差を計算できます: wi=(Dw1+Dw2)/2 初期誤差の計算の後、この値を使用して パケットのEDR部分を補正します。ロー ル・オフ・ファクタが0.4で3 dB帯域幅 が±500 kHzのルート・ナイキスト・フ ィルタを、パケットのEDR部分に適用し ます。 パケットは、同期ビットの最初のシンボ ルから始まる、重なり合わない50 msに 分割されます。各ブロックのサンプリン グ位相のe0と周波数誤差のwoが実効値 ( R M S ) 差 動 エ ラ ー ・ ベ ク ト ル 振 幅 (DEVM)を求めるために記録されます。 ブロックから計算されたデータを使用し て、各シンボルに対するDEVMが計算さ れます。この手順は、200個の50 msブロ ックが測定されるまで繰り返されます。 この手順全体が、中間および最高動作周 波数に対しても繰り返されます。このテ ストに合格するには、以下の基準をすべ て満たすことが必要です。 搬送波周波数の安定度: −75 kHz ≦wi≦+75 kHz(すべてのパケ ットに対して) −75 kHz ≦(wi+wo)≦+75 kHz(すべ てのブロックに対して) −10 kHz ≦(wo)≦+10 kHz(すべて のブロックに対して) RMS DEVM RMS DEVM ≦0.20(すべてのπ/4 DQPSK ブロックに対して) RMS DEVM ≦0.13(すべての8DPSKブ ロックに対して) ピークDEVM DEVM ≦0.35(すべてのπ/4 DQPSKシ ンボルに対して) DEVM ≦0.25(すべての8DPSKシンボル に対して) 99% DEVM DEVM ≦0.30(99%のπ/4 DQPSKシン ボルに対して) DEVM ≦0.20(99%の8DPSKシンボルに 対して) この測定は、N4010AとN4017GMAソフ トウェアを使用して行えます。図28を参 照してください。 前述のように、この搬送波周波数ドリフ トのテストは、3種類のパケット(DH1、 DH3、DH5)で、周波数ホッピングをオ ンとオフに設定して、最小、中間、最大 の周波数チャネルに対して行う必要があ ります。合計すると、必要な測定回数は 12回で、測定にかなり時間をとられるこ とになります。これが問題になる場合は、 「テスト・シーケンサ」ソフトウェアを ツールとして使用することができます。 N4010Aには、内蔵テストと同等のテス ト・シーケンサがあり、12種類の測定を 5秒以内で実行できます。さらに、次の Bluetoothテスト仕様のリミットに従い、 各測定が検証されます。 ● 送信機の中心周波数は、以下を越え るドリフトは許容されません。 ● ±25 kHz(1 スロットのパケットの 場合) ● ±40 kHz(3 ∼5スロットのパケッ トの場合) ● 最 大 ド リ フ ト ・ レ ー ト は 、 ± 2 0 kHz/50 msにする必要があります。 結果は、N4010Aテスト・セットの通信 ウィンドウに表示されます。 2.4.5 EDR搬送波の安定度/ 変調精度 このテストでは、変調精度と周波数安定 度がリミット値内にあることを検証しま す。DUTはループバック・モードまたは Txモードです。使用している変調方式に 適合し、サポートされている最長のパケ ット・タイプを、DUTは送信します。最 低動作周波数でテストを開始し、テスト 全体を通してホッピングをオフにしま す。DUTは、最大パワーでテスタに戻し ます。送信パケットの初期周波数誤差を 求めるには、テスト・デバイスに対して 以下の手順を実行します。 図27. 搬送波ドリフト・レート測定の結果を示すN4010Aテスト・ セットの測定/通信ウィンドウ

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2.5 タイミング・テスト

Bluetooth信号に対して、バースト・プ ロファイルの解析、フェーズ・ロック・ ループ(PLL)のセトリング時間、その他 のタイミング特性などのタイミング・テ ストを行うことができます。これらのテ ストは、仕様に含まれていませんが、研 究開発中のデザインが仕様の基準を満た すことを確認するために役立ちます。 2.5.1 バースト・プロファイル シグナル・アナライザまたはパワー・メ ータを使って、バーストの立上がり時間 と立下がり時間をタイム・ドメインで測 定できます。Bluetoothの場合、立上が り時間と立下がり時間の定義はありませ ん。業界での一般的な立上がり時間の定 義は、10%(−20 dB)の振幅ポイントか ら90%(−0.9 dB)の振幅ポイントまで 上昇するのにかかる時間です。立下がり 時間は、同じ振幅ポイントを逆方向に下 降する時間と定義されます。プリトリガ 機能を使えば、立上がり時間の捕捉と測 定が容易になります。バースト・プロフ ァイルに関する定義済みのマスク・テス トは存在しません。デバイスによっては、 ここに示すよりもはるかに高速な過渡応 答を持つものもあります。スイッチング が速すぎると、バーストのエッジが鋭い ためにスペクトル拡散が広がり、出力ス ペクトラム・テストで不合格になること があります。そのほかに、バースト・プ ロファイル特性には、バーストのオン/ オフ比、オーバシュート、バースト繰り 返し周波数があります(図12を参照)。 これらの特性の詳細は、Agilentパワー・ メータのアナライザ・ソフトウェアを使 用すると、表示できます。 2.4.6 EDR差動位相エンコード このテストでは、変調器が適切にデータ を差動位相コード化していることを確認 します。DUTはTxモードで、ホッピン グをオフにします。変調方式に合わせて、 X-DH1またはX-EV31パケットのいずれ かが使用されます。パケットのペイロー ドはPRBS9です。EUTが最低の周波数で 送信するように設定され、テスタに100 パケットを送信します。テスタではパケ ットを復調してデータを期待されるデー タと比較します。このテストに合格パス するには、テスト対象パケットの99%が エラーなしとなることが必要です。 このテストは、N4010A/N4017Aソフト ウ ェ ア を 使 用 し て 行 え ま す 。 そ の 際 BluetoothRFテスト仕様で必要なパケッ ト数を送信するように、N4017Aソフト ウェアを設定する必要があります。

図28. Bluetooth EDRデバイスの変調精度テスト時のN4017A GMAの画面

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2.5.2 スペクトログラム測定 図29はスペクトログラム画面で、無線送 信機の電源オン時のPLLのセトリングに 問題があることを示しています。このよ うな状態の解析にはスペクトログラムが 役立ちます。スペクトログラムは、X軸 に周波数を、Y軸に時間を表示します。 振幅はカラーまたはグレイスケールで表 され、明るいカラーまたはグレイが大き い振幅に対応します。 ベクトル・シグナル・アナライザのタイ ム・キャプチャ機能を使えば、もっと複 雑なスペクトログラムを作成できます。 これにより、リアルタイム・データを低速 で再生できます。この方法で、シンボル のタイミングとレートを解析できます。 図30に示すのは、Bluetoothバーストの 最初の120 msのスペクトログラムです。 この例のペイロード・データは10101010 で、この1と0が入れ替ったパターンが中 心周波数のどちらかの側に表示されてい ます。図31はEDRバーストのスペクトロ グラムで、スペクトラムの大部分を占有 するπ/4 DQPSKデータ・パケットより も前の開始部分にFMヘッダがあること が分かります。 2.5.3 EDRのガードバンド時間 EDRには、ヘッダの後から始まって(図 7を参照)同期シーケンスのスタート部 分で終了するガードバンドがあります。 ガードバンドは4.75∼5.25 msで、EDRパ ケット内の異なる変調方式間のバッファ の役割をします。同期シーケンスのスタ ート部分を見つけるには、周波数の両端 を測定し、平均して各シンボルが占有す る時間スパンを求めます。この時間スパ ンから、スタート・ビットの時間が分か ります。この時間をヘッダが終わる時間 から引くとガードバンド時間が求められ ま す 。 ガ ー ド バ ン ド 時 間 は A g i l e n t N4010AとN4017A GMAソフトウェアを 使用して計算できます。図32にN4017A GMAソフトウェアのグラフを示します。 図29. PLLセトリング時間のAgilent 89441Aスペクトログラム画面 図30. 10101010ペイロードでのDH1パケットのシンボル・タイミングおよびレートに対する Agilent 89600のスペクトログラム表示:ペイロード内のラインは1と0を表わしています。 アクセス・ コードと ヘッダ ペイロード

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図31. 2-DH1パケットのシンボル・タイミング/レートに対するAgilent89600のスペクトログラム画面: スペクトログラム内に2種類の変調方式があることが分かります。

図32. この図は、3-DH5パケットの伝送時、ガードバンドで分離されるGFSK変調と8DPSK変調間の遷移を 示すAgilent N4017 GMAの画面です。

表 6. ループバック・モードで受信する場合の周波数設定

参照

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