P4、U678,744、3,004,11 244
製紙 に 関係 した ポ リア ク リル ア ミ ドの 一 研 究
京都工芸繊維大学 町
田
誠
之
A Fundamental
Study of Polyacryiamide
with
Regard
to paper Making
Seishi Machida
Kyoto University of Industrial Arts and Textile Fibers.
The investigations of polyacrylamide concerning the paper making have been summarized. The acrylamide has been polymerized by an inverse emulsion polymerization. The modification of polyacrylamide by condensation with acetaldehyde has been studied, and the flocculation ability of the modified polymer has been discussed. For the purpose of obtaining the cationic derivatives, acrylamide has been copolymerized with 2-methyl-Nvinylimidazole. N-Dimethyl a-minoethyl polyacrylamide and polyacrylic hydrazide have also been prepared with the same intention by the polymer analogous substitution of polyacrylamide. The applications of those cationic polymers to the paper making as wet end additives have Been investigated. A complex polyelectrolyte has been prepared by combining the partially hydrolyzed polyacrylamide with polyethyleneimine. The complex polymer has been found to serve as a good flocculation agent and a wet end additive. The graft copolymerizations of acrylamide onto cellulose and petroleum resine have been also mentioned.
1,ま え が き 最 近,紙 を と りま く社会 的 な環 境 は激 し く変 動 を 続 け て い る。 原 料 の欠 乏,公 害 の 規 制,労 働 力 の不 足 な どの厳 しい 条 件 のな か で,品 質 の 向上,生 産量 の増 加, コ ス トの低 下 な どの要 求 を満 た す努 力が 行 な われ て い る。 この線 に 沿 っ て紙 の製 造 に 高 分子 化 合 物 を利 用 す る こ と も漸 く一般 化 され る よ うに な っ て きた。 い うま で もな く,紙 は セ ル ロ ース又 は これ と類 似 の 短 繊 維 を水 に 分散 させ て薄 い層 にす き上 げ る こ とに よ っ て製造 され る。 この際,繊 維 又 は フ ィブ リル表 面 に 生 成 す る水 素 結合 と繊 維間 の 機械 的 な絡 み合 に よ って そ の形 態 が 保持 され,性 質 が 支配 され る。 この よ うな 紙 の本 質 に 基 い て製 法 を合 理 化 し,品 質 を 改 良す る有 力 な方 法 と して合 成 高分 子 化 合物 の応 用 が行 なわ れ, い ろ い ろな面 で大 きな効 果 が 得 られ てい る。 紙 が水 を 媒体 と して製 造 され る も ので あ る か ら,こ れ に用 い る 高分 子 は 水溶 性 の ものが 最 も便利 であ る。 水 溶 性 高 分子 が製,紙工 業 に利 用 され る 直接 の 目的 は, 主 として い わゆ る 内 部 添 加 用 樹 脂(Wetendaddi-tive)と して,サ イ ジ ング,乾 燥 紙 力増 強,湿 潤紙 力 増 強,ス ラ イ ム抑 制,ピ ッチ コ ン トロール,消 泡,填 料 定 着,揆 水加 工 な ど各 種 に分 か れ る。 この ほか,紙 の表 面 塗 布 や加 工 に も用 い られ る。 そ の上,水 溶 性 高 分 子 は廃 水 の浄 化 に有 力 に 活用 され て い る。 水 溶 性 高分 子 の なか で,特 に ア ク リル ア ミ ド系 のポ リマ ーボ最 近 多 く利用 され て い る。 これ は,こ の もの が他 の 高分 子 に 比較 して有 利 な特 徴 を もっ てい るか ら で あ る。す なわ ち,原 料 が豊 富 で比較 的容 易 に安 価 で 得 られ る。 モ ノマ ー も ポ リマ ー も水 溶性 の固体 で得 ら れ,精 製 も取 り扱 い も容 易 で あ る。 比較 的 簡単 に高 分 子 量 の ポ リマ ・一が得 られ る。 ポ リマ ー は高 分 子反 応 に よ って 多 くの誘 導体 に変 成 す る こ とが で きる。 モ ノマ ーは 他 の コモ ノマ ー と共重 合 して各種 の共 重合 体 が 得 られ る。 他 の 高 分子 に グ ラフ ト共重 合 を行 な っ て,有 用 な 化合 物 が 合成 で き る。他 の ポ リマ ー と ブ レ ン ドし て各 種 の用 途 に 利用 で きる。 な どの 特 色 があ る。 筆 者 の研 究 室 で は,か な り以 前 か らア ク リル ア ミ ド 系 ポ リマ ーに 関す る研 究 を行 な って きて,そ の成 果 は 製 紙工 業 に も多 く利 用 され て い る。 これ らの結 果 の一 部 を こ こに 要約 して何 らか の ご参 考 に供 した い と思 う。 2.重 合 法 に つ い て ア ク リル ア ミ ドは,水 溶 液 に て ラジ カル重 合 を行 な い ポ リマ ーを与 える 。製 品 は 多 くの場 合,5∼2Q%濃 度 の水 溶 液 の ま ま とな っ てい る。 これ はポ リマ ー を固 体 状 に 分離 す るの に 多量 の沈殿 剤 を必 要 とす る な どの 不 便 が あ る か らで あ る。 高 濃度 で重 合反 応 を 行 な うと 昭 和49年6月 9
245 町 田 誠 之 溶 液 粘度 が高 くな り,重 合 熱 を除 くの が困 難 とな り, 温 度 の 調節 がむ ず か し くな り,時 に は ゲ ル化 を生 ず る こ とも起 る。 ポ リマ ー を希 薄溶 液 の まま で工 業製 品 と す る こ とは,運 搬,貯 蔵 な どか らも非経 済 的 であ る。 このた め に,ポ リア ク リル ア ミ ドを 粉 末製 品 とす る こ とは望 ま しい ことで あ る とい われ てい る。 ア ク リル ア ミ ドの 固相 重 合 は多 くの 人 に よ って 研究 され てい るが,橋 か け反 応 を伴 な って 不溶 性 ポ リマ ー を生-じるな どの難 点 が多 い 。 噴 霧 重 合 は,モ ノマ ーを15∼40%の 水 溶液 と して重 合 開始 剤 を 加 え て,150∼450℃ の噴 射 ガ ス(空 気 な ど)と 混 合 して短 時 間 に ス プ レー し て,直 接 に乾 燥粉 末 と してポ リマ ーを 得 る方 法 で あ る。 しが し,こ の方 法 は モ ノマ ・一の損 失 が 多 く,ポ リマ ーの重 合 度 も低 い。 水溶 液 重 合 を した ものを 直接 加 熱 す る 方 法 も,不 経 済 で あ る上 に,高 分 子 を分 解 劣化 させ る危 険 も あ る。 ま た,高 分 子量 の ポ リマ ー溶 液 は粘 稠 で と り扱 いが 困 難 とな る。 水溶 液 か らポ リマ ー を沈 殿 分離 させ る と きに,水 と 混 和 せず に しか も ポ リマ ー も溶解 しない 有 機溶 剤(た とえ ば トル エ ン,キ シ レ ンな ど)と,必 要 な らば 適 当 な 乳化 剤 を 加 え て油 中 水型 エ マ ル ジ ョ ンと し,次 に 沈 殿 剤(メ タ ノー ル,ア セ トンな ど)を 加 えて ポ リマ ー を 分離 す る方法 もあ る。 しか し,操 作 が 複 雑 で あ る。 さ らに,モ ノマ ーは 可溶 で,ポ リマ ーは 不溶 の有 機 溶 剤(メ タ ノー ル,ア セ トン,ム ブ タ ノー ル,ア セ ト ニ ト リルな ど)中 で重 合 させ る と,ポ リマ ーボ 自然 に 沈 殿 して くるの で,こ れ を分 離 す る方 法 もあ る。 け れ ど も,こ れ は 多量 の有機 溶 剤 を 必 要 とす るほ か,ポ リ マ ーの分 子 量 の高 い もの が得 られ な い。 乳 化重 合 を応 用 す る方 法 もあ るが,ア ク リル ア ミ ド が 水 に 易溶 で あ るた め に,い わ ゆ る逆 相 乳 化重 合 法 と して,油 中水 型 エ マル ジ 灘 ンで重 合 させ るの が よい と 考 え られ る。溶 剤 量,熱 な どには 経済 的 で あ る。 筆 者 ら1)は ア ク リル ア ミ ドの50%水 溶 液 を 乳化 剤 を 以 て四塩 化 炭 素 中 に分 散 させ,過 硫 酸 カ リウム/亜 硫 酸 水 素 ナ トリウム系 レ ドッ クス開 始 剤 を用 い て,比 較 的 低 温 ・(30℃)で 重 合 させ る方 法 を 研 究 した。 乳 化 剤 は ソル ビタ ンモ ノ ラウ レー トを用 い,モ ノマ ー,水, 四塩 化炭 素,乳 化 剤 を,そ れ ぞれ1:1:8:0.33の 割 合 で 反応 させ る と,か きまぜ に よ って反 応 熱 の調 節 が容 易 で,副 反 応 もな く円 滑 に重 合 が進 行 した。 イ ソ プ ロピル アル コー ル,ム ブチ ル アル コール 、%ド デ シ ル メル カ プ タ ンな どを 連 鎖 移 動 剤 と して0.1%添 加 す る と簡 単 に重 舎 度 を調 節 す る こ とが で きる。 これ らの 実 験 結 果 は,図1,2及 び 表1に 示 され る。 顕微 鏡 に よっ て観 察 す る と,重 合 率 が 一定 にな る 頃 か ら,重 合 した ポ リア ク リル ア ミ ドの 不 定形 の微 小粒 子 が 急激 に 図1ア ク リル ア ミ ドの重 合 速 度 に対 す るイ ソプ ロ ピ ル アル コー ルの 影響
Fig, 1 Effect of isopropyl alcohol on
poly-merization rate of acrylamide.
[S]/[M]=Ol
[S]/〔M]=0.1211〔S]/[M]=0.31O; [Sユ/〔M]=0.465
図2ア ク リル ア ミ ドの重 合 に対 す る ムブチ ル アル コ ール及 び κ一ドデ シ ル メル カ プタ ンの 影響 Fig. Effect of tent-butyl alcohol and
n-dodecyl mercaptane on polymerization of acrylamide. test-butyl alcohol n-dodecyl mercaptane [S]/[M]=◎; [Sユ/[M]=0■26
[S]/[M]=0252;
[S]/[M]=0。378 紙パ技脇誌 第28巻 第6号製 紙 に 関 係 した ポ リ ア ク リル ア ミ ドの 一 研 究 246 凝 集 して,ほ ぼ 均 一 の 直 径 約1.5∼2μ の 球 状 多孔 質 の粒 子 とな っ て得 られ る こ とがみ られ る。 ポ リマー の 分 離 は 少:量の メ タ ノール(反 応 液 の約2倍 量)で 足 り, 乾 燥 した ポ リマ ーは簡 単 に 水 に溶 か す ことが で きる。 この実 験 で は分 散 媒 に四 塩化 炭 素 を 用 いた ので,こ の 物 自身 が 連鎖 移 動 剤 と して作用 す る こ とも あ って,ポ リマ ーの 重 合度 を 十 分高 くす る には 不適 当 であ る。 他 の 適 当な 有機 溶 剤 を 用 い るた め の研 究 が必 要 で あ ろ う。 な お,逆 に重 合 度 の低 いポ リア ク リル ア ミ ドを得 る 場 合 には,テ ロメル 化 を行 な う とよい 。筆 者 ら2)は ア ク リル ア ミ ドを5倍:量 の ブチ ル ア ルデ ヒ ドを溶 解 して 過 酸 化 ベ ンゾイ ルを 開 始剤 と して重 合 させ,重 合 度17 ∼40の ポ リマ ー(こ の場 合 は テ ロマ ー とい うほ うが 適 当 で あ る)を 得 た。 この重 合 度 は,開 始 剤 の量 な どに ょ っ てあ る程 度 調節 で きる。 この 物 は分 子 の 末 端に カ ・ ル ポ ニル基(ケ トン基)を もっ てい る ので,こ の反 応 性 を利 用 して各 種 の用 途 が考 え られ,今 後 の 研 究 に期 待 してい る。 3.変 成 に つ い て ポ リア ク リル ア ミ ドは ノ エオ ン性 の高 分子 で あ るが, これ に イオ ン性 を 与 え て応 用 され る こ とが 多 い。 ア ミ ド基 は部 分 的 に加 水 分解 しや す く,ア ニオ ン性 とな る。 ア ニォ ン性 ポ リア ク ジル ア ミ ドを製 紙 に 利 用す る場 合 に,そ の分 子 量や カル ボ キ シル 基 含有 量 が 添 加効 果 に 与 え る影響 に つ い ては 古 くW.F.Linke3)の 研 究 が あ る。 紙 力 増 強 剤 として は,分 子量 が50万,加 水 分 解 度10%程 度 の も のが よ く,白 水凝 集 剤 と して は, 分 子 量 が 更 に高 く、加 水 分解 度 は3∼7%の もの が よ い とい う。N.T.W◎ ◎dbery4>が 用 途範 囲を 示 した 図 3は よ く引用 され る。 使 用 日的 に応 じて,分 子 量 や 加 水 分解 度 を調 節 す る 必要 が あ る。 ポ リア ク リル ア ミ ド を凝 集 剤 と して用 い る場 合 に は 。た とえ ば,A.s。Mi・ chaelsら5)は 重 合度 は 高 い ほ ど良 く,加 水分 解 度 は 28∼35%が よい と述 べ て い る○ これ に関 して は異 論 も あ る が,使 用条 件 た とえ ば懸 濁 物 の種 類 や添 加 量 な ど に よっ て変 る の は当 然 で あ る。 凝 集作 用 は 一般 に 粒 子 間 の橋 か け 機構 に よっ て よ く 説 明 さ れ6),電 子 顕 微鏡 に よ って も見 られ て い る7)◎ それ で ポ リマ ーが水 中で 大 きいひ ろが りを持 つ ほ ど効 果 的 で あ る こ とが理 解 され る。 適 当 な 加水 分解 度 に よ っ て ポ リマ ー鎖 に イ オ ン性 基 が導 入 され る と,分 子 内 で イ オ ン性基 間 に反 発 力 が 作 用 して分 子 が伸 び た形 に な る。 加 水分 解 が過 度 にな る と,ア ニオ ン性 が 強 くな りす ぎ て懸濁 粒 子(多 くの場 合 に そ の表面 は負 に帯 電 して い る)と の反 発 を生 じて,凝 集能 が 低下 す る と考 え られ る。 筆 者 ら8)は ポ リア ク リル ア ミ ドに高 分 子反 応 を 行 な って 適 当な 原子 団を 導 入 し,分 子 の屈 曲性 を制 限 す れ ば 水 中 で糸 ま り状 に な る こ とな く,大 きな ひ ろ が りを 保 ち,従 っ て良 好 な凝 集 性 を示 す で あ ろ うと考 えた 。 実 験 で は平 均 重 合度 約1万 の ポ リア ク リル ア ミ ドを 贋 い て,こ れ に アセ トアル デ ヒ ドを反 応 させ た 。 反応 は 溶 液 のpHに 強 く影 響 され1酸 性 で は ゲル化 を 起 しや す く,水 溶 性 誘 導;体の得 られ るpHの 範 囲 は 2。6∼'3.3,反応 温 度 は約60℃ で あ った。 こ の条 件下 では,pH値 の低 い ほ ど,温 度 が 高 いほ ど,そ して ア セ トア ル デ ヒ ド添 加量 が 多 い ほ ど縮 合率 が高 い。 縮 合 率 が約70%ま で は 水溶 性 誘 導体 が得 られ,そ れ 以上 で は不 溶 性 とな った 。縮 合 率 が 高 いほ ど固有 粘 度 が高 く な る のは 表2に 示 す通 りで あ る。 この変 成 ポ リア ク リ Table 1
Relation
of molecular
weight
of
polyacrylamide
and polymerization
time in the presense
of isopropyl
alcohol ([S]/[M] =0.465)
図3ア ク リル ア ミ ド系 ポ リマ ーの 応用 範 囲 Fig. 3 Applications of acrylamide-base
polymers
247 町 田 ・誠 之 ル ア ミ ドを 用 い て カオ リン分 散液 の凝 集 を実 験 した結 果 は,図4に 示 す 通 りで あ る。予 想 通 り良好 な 凝集 作 用 がみ られ,そ の効 果 は 固有 粘度 の高 い ものほ ど,す な わ ち,変 成 度 の高 い も のほ ど顕 著 で,し か も,一 旦 凝集 した 沈殿 が再 分 散す る こ とがみ られ な い とい う特 徴 が認 め られた ○ この よ うに変 成 され た ポ リア ク リル ア ミ ドの 場合, あ る いは 加 水分 解 され た 場合 に,分 子鎖 に導 入 され る イ オ ン性 基や か さ高 い原 子 団 の含 有量:とともに 当然 そ の分 子 鎖 中 で の分布 状 態 も考 慮 す べ き もの であ ろ う。 これ らに 関 しての研 究 は まだ見 出 され て いな い○ カル ボ キ シル基 の導 入 につ い て は加 水 分解 の方 法 を調 べ る の も一 法 で あ るが,ま た,他 のカ ル ボ キ シル 基 を も っ た モ ノマ ー との共 重 合 物 につ い て 比較 す る方法 も考 え られ る。 筆 者 ら9)は ア ク リル ア ミ ドに マ レイ ン酸 又 は フマ ル 酸 を 共重 合 させ る こ とを研 究 した が,生 成 す る共 重 合 体 の ミク ロ構造 な どにつ い て検 討 す るに は到 って い な い ◎ ただ,こ の研 究 か ら,¢,β 二置 換 ア ク リル 酸 の シ ス,ト ラ ンス の立体 異 性 体 に 関 して興 味 あ る発 展 がみ られた10)。:, 水溶 性 高分 子 の 凝集 作 用 は,V:K.:LaMerら11)の 考 えに よ る と粒 子 の分 散 状 態 に到 る まで のヅ 種 のバ イ パ ス であ る とい う。つ ま り,粒 子 ρ 表 面 に少 章 の 高分 子 が吸 着 した 場 合 に は,橋 か け 結合 に よる凝 集 を起 す が,多 量 の 高分 子 が粒 子 表 面 を覆 うと,逆 に粒 子 の 分 散 を助 け る こ とに な る とい う。 この考 え は,筆 者 ら12) が ポ リア ク リル酸 メチ ル部 分 加 水分 解 物 を用 い てパ ル プ繊維 の分 散 に関 して行 な った 研究 の結 果 か らも支持 され る。 この こ とか ら当然,多 量:のポ リア クル ア ミ ド を 添加 す れ ば,こ れ は分 散 剤 と して作 用 し,た とえ ば 和 紙抄 造 の ネ リ剤 と して利 用 で きる途 が 開 かれ る。13> 4.共 重 合 に つ い て 抄 紙 は水 を媒 体 と して行 なわ れ る が,一 ・般 に水 中 に 分 散 してい る粒 子 の表 面 は負 に帯 電 してる。 それ で従 来 は,サ イズや 填 料 の定 着 な どをこは硫 酸 バ ン ドな どの 水 中 で カチ オ ン性 の錯 体 を 生 成 す る物 質 を利 用 して い る。 しか し,紙 の種 類 に よ って は硫 酸 パ ン ドの使 用 が 制 限 され る場 合 もあ り,ま た,吸 着 や 凝 集 の効 果 を高 め るた め に,カ チ オ ン性 の物 質(た とえ ば 陽性 デ ンプ ンや 尿 素 ホ ル マ リン樹 脂 な ど)の 応 用 が行 なわ れ る こ とが あ る。 ポ リア ク リル ア ミ ドに カチ オ ン性 を 持 たす 試 み もこ の よ うな 要求 に よる も ので あ る。 そ こで ア ク リル ア ミ ドと他 の カ チ オ ン性 の ビ ニル モ ノマ ー とを共 重合 させ る こ とが まず 考 え られ る。 カ チ オ ン性 の ビ三ル化 合 物 は一 般 に不 安 定 で合 成 もむず か し く,例 が多 くない 。 筆 者 らは2一 メチ ルー1脇ビ ニル イ ミダ ゾ ール の 重 合 性 及 び重 合体 の性質 を研 究 す る な か14)で,こ の 物 とア ク リル ア ミドとの共 重 合 体 が優 秀 な サ イ ズ定 着 作用 と紙 力 増 強作 用 を示 す こ とを見 出 した 。15) ア セ トンを:溶媒 と して ア ク リル ア ミ ド(払)と2一 メチル ーNビ ニル イ ミダ ゾ ール(鵬)を 共 重 合 させ る と,後 者 の混 合 比 が増 す に つ れ て重 合 速度 が 低下 す る の がみ られ,両 者 を等 モルず つ採 って60℃ で5時 間 反 応 させ た場 合,重 合 率 は2O.8%で あ る。 単 量体 反 応 性 比 と し て,71;2.50,錫 二〇22が 求 め られ る。 共重 合 体 は塩 酸 酸 性溶 液 中 で カチ オ ン性 高 分子 電 解質 の性 質 を示 す 。
Table 2 Intrinsic viscosity of acetaldehyde condensate of polyacrylamide
図4ア セ トア ルデ ビ縮 合 ポ リア ク リル ア ミ ドに よ る カ オ リン分 散 液 の凝 集
Fig. 4 Flocculation of kaolin dispersion
with acetaldehyde-condensate of polyacrylamide
製 紙 に 関 係 し た ポ リア ク リル ア ミ ドの 一 研 究 248 この 共重 合 体 の10%溶 液 を塩 酸 で 中和 し,気 乾 パ ル プ試 料 に対 し て樹 脂分 換 算 α1%に 相 当す る量 を加 え, サ イズ 剤 を 同 じ く0,5%,炭 酸 ヵ ル シ ウ ム填 料30%を 加 え て か き まぜ,z4・PP7式 標 準抄 紙 機 に て抄 造 し, 湿 紙 は ス チ ー ム圧3kgの ドラ イヤ ー上 で3分 間 乾 燥 し,標 準 恒 温恒 湿 室 に1日 間放 置 して か ら,紙 料 紙 片 に つ い てサ イ ズ度 を ス テ キ ヒ ト法 な どで測 定 した 。 そ の結 果 は 図5に 示 す 通 りであ る。 また,こ れ と同 様 な 抄造 法 で,サ イ ズ剤 及 び炭 酸 カル シ ウム填 料 を 使 用せ ず に,共 重 合 体 を樹 脂 分 換 算0.2%量 だけ 添 加 して抄 造 した 試 料紙 に つ い て,そ の機 械 的 強度 を常 法 に よっ て測 定 した結 果 表3を 得 た。 た だ し,表 中 の試 料 紙 Nα2-9は,共 重 合 体 を 添加 せ ず に 抄紙 した もの で あ る。 これ らの結 果 か らみ る と,合 成 の際 に2一 メチ ルームな ビ ニル イ ミダ ゾー ルを1%混 合 して共 重 合 させた もの が,す でに サ イ ズ定 着 と紙 力 増 強 の両 作 用 を示 し,そ の 効 果 は4∼5%の 混入 で最 高 を示 し,10%以 上 混 入 した ものは 効果 が か え っ て低下 す る こ とが わ か る。 高 分子 を製 紙 用添 加 剤 と して応 用 す る場 合 に は,一 般 に 分子 内の カ チ オ ン性 基量 と平 均 分子 量 とが添 加 効 果 に 直接 に 関 係す る因 子 とな る。 水 中 の紙 料繊 維 の表 面 を 中和 す る に は少 量 の塩 基 度 で 十分 で あ る か ら,強 カチ オ ン性 の高 分 子 は 少量 の添 加 で 中和 して等 電 点 に 達 す る。 け れ ども,紙 の乾 燥 強 度 を増 す に は到 らな い。 :乾燥強 度 を増 加 す るに必 要 な 樹 脂量 を 添 加す れ ば,塩 基 性 が過剰 に な って定 着 効 果 が逆 に減 少す る。 それ で カ チオ ン性基 の含有 量 には 最 適 当 があ る ことに な る。 また,高 分 子 の分子 量 が高 い もの は,分 子 内の 多 くの 点 で繊維 や 填 料 を結 合 し,全 体 として大 きな フ ロッ ク を形 成 しや す い 。 結合 は強 力 に な る反面,大 きな塊 を つ くる ことは紙 質 の均 一 性 を害 す る危 険 を 伴 な う。 そ れ で 分子 量 も場 合に 応 じて調 節 す る 必要 が あ る。 この よ うな事 情 はW.:L。:Linke16)も 報告 してい る。 筆者 らは カ チ オ ン性 の他 の若 干 の モ ノマ ニ の合成 に つ い て も 目下 研究 中 で,こ れ らを ア ク リル ア ミ ドと共 重 合 させ る と,各 種 の カ チ オ ン性 ポ リマ ーが得 られ る は ず で あ る。 白 水 の浄 化 な どに用 い る カチ オ ン性 ポ リ マ ーは,比 較 的低 分 子量 の もの で も相 当 の効 果 が み ら れ,凝 集 作 用 は有 機 質 汚濁 物 に 対 して殊 に顕 著 に作 用 し清 澄 度 が 良 い特 徴 が み られ る。 今 後 の開 発 が期 待 さ れ る。 5.高 分 子 反 応 に つ い て 前 述 の よ うに,.カ チオ ン性 モ ノ マ ーは種 類:も少 な く, 一 般 に不 安 定 で 合成 もむ ず か しい。 それ で,ア ク リル 図5ア ク リル ア ミ ド/2一メ チ ル ーハ乙ビ ニ ル イ ミ ダ ゾ ー ル 共 重 合 体 塩 酸 塩 の サ イ ズ 効 果
Figs 5 Sizing effect of hydrochlorides of
acrylamide copolymers with
2-methyl-P vinyl imidazole on paper.
Paper making:
condition :
Pulp : L-BKP 33° SR
Weight of paper : CO
g/mz
Addition amount of copolymer : 0.1% to
pulp
Size : Petroleum resinsize(O.5% to pulp)
Filler : Calcium carbonate(30%
topulp)
Table 3 Effect of hydrochlorides of AA-MVI
copolymers on properties
of paper.
(Paper making conditions :-)
Pulp : L-BRP 33° SR
Weight of paper : 60 g/m2
Addition amount of copolymer : 0.2%
to pulp
AA : Acrylamide
MVI : 2-Methyl-N-vinylimidazole
249 町 田 誠 之 ア ミ ドと共 重 合 体 をつ く らせ る研究 も少 な い。 カチ オ ン性 ポ リア ク リル ア ミ ドを得 る一 つ の方 法 とし て,い わ ゆ る等 重 合 度反 応(Polymeranalogo嚢sreaction) に よる方 法 は す で に1943年 にA.M.Schillerら17)に ょ って考 え られ てい る。 ポ リア ク リル ア ミ ドに次 亜 臭素 酸 アル カ リを 反 応 さ せ て,い わ ゆ るHofrnann分:解 を 行 な う と,分 子 鎖 中 に ア ミン基 が生 じる。 け れ ども,こ れ は複雑 な副 反 応 を生 じて単 純 な:物質 を得 に くい こ とが知 られ て い る 18)。筆 者19)は適 当 な条 件 を 選 ぶ こ とに よ り,分 子 内に ア ミノ基 とカル ボ キ シル 基 とを適 当 な割 合 に 有 す る高 分 子 両 性電 解 質 の 得 られ る こ とを 見 出 した 。 今 一 つ の方 法 は,ポ リア ク リル ア ミ ドに ホル ム アル デ ヒ ドとア ミン とを 同時 に反 応 させ て,い わ ゆ る マ ン ニ ッ ヒ反 応 を行 な い,ア ミノ メチ ル化 誘 導 体 に変 え る 反 応 で あ る。 筆 者 ら20)は,こ の反 応 を段 階 的 に行 ない 合 理 的 な反 応 条件 を研 究 した 。 ポ リア ク リル ア ミ ドに ホル ム アル デ ヒ ドを反 応 させ て メ チ ロー ル化 す る場 合 は,ト リエ タ ノール ア ミンを 触 媒 と して 弱 アル カ リ性 で反 応 させ る とよい こ とがわ か った 。 酸 性 で の反 応 で は ゲ ル化 しやす い。 ハLメ チ ロール ポ リァ ク リル ァ ミ ドに ジ メチ ル ア ミンを 反応 さ せ て,ジ メチル ア ミノ メチ ル化 物 に 変 え る反 応 も弱 ア ル ヵ リ性 で 円滑 に反 応 す る。 メチ ロー ル ポ リア ク リル ァ ミ ドに対 して3倍 モル 量 の ジ メチ ル ア ミンを 加 え, 70℃ で30分 間,pH12で 反 応 させ る と,全 メチ ロー ル 基 の約75%が ジ メチル ア ミノ化 され る。 これ 以上 の アル カ リ性 では 加 水分:解に よって カ ル ボキ シル基 を副 生 し,ま た,酸 性 で は高 分子 間 の 橋 かけ な どに よっ て ゲル 化す る。 中 間 に メチ ロール 化 物 を:取り出 す こ とな く,ポ リア ク リル ア ミ ドに ホル ムア ルデ ヒ ド,っ つ い て ジ メチル ア ミンを 連 続 して反 応 させ る と都 合 よ く反 応操 作 が行 え る ことを 見 出 した 。 この種 のア ミノ化 ポ リア ク リル ア ミ ド誘 導体 は,す で に,炉 水 促進 剤 や 白水 浄 化 剤,あ る いは填 料 定 着 剤 な どに広 く利 用 され て い る。 次 に筆 者 ら21)は,ア ク リル ア ミ ドに ヒ ドラジ ンヒ ド ラー トを 反応 させ て ポ リア ク リル酸 ヒ ドラ ジ ドを合 成 す る 研究 を 行 な:った 。 ポ リア ク リル ア ミ ドに 対 して10倍 量 の ヒ ドラ ジ ン ヒ ドラー トを50∼55℃ で反 応 させ る と,約6時 間 で 最 高約85%の ヒ ドラ ジ ド化 が 行 なわ れ る。 これ 以上 の強 い条 件 で は副 反 応 を生 じや す い。 実 際 に製 紙 の 内 添 剤 に用 い る には ヒ ドラジ ド化 度 は約10%で 十 分 の効 果 が現 わ れ る。 ポ リア ク リル 酸 ヒ ドラジ ドは,水 に よ く溶 け て 高分 子 電 解 質 の挙 動 を 示 し,ヒ ドラジ ド化 度 の高 い ものほ ど粘 度 が 高 い。 そ して,塩 酸 溶液 中で カ チオ ン性 を示 し,優 れた サ イズ 定着 及 び 紙 力増 強 作 用 を示 す こ とが 発 見 され た。 一 例 と して石 油 樹脂 サ イズ の定 着 剤 とし て使 用 した 実 験 結果 を表4に,ま た,炭 酸 カル シ ウ ム 填 料 を 定着 す る実験 を行 な った結 果 を 表5に 示す ◎ ま た,紙 力増 強 作用 も強 く,そ の効 果 は は アル フ ァデ ン プ ン,ア ニオ ン化 ポ リア ク リル ア ミ ド,カ チ オ ンデ ン プ ンな どよ りも遙 かに 高 い こ とが 見 出 され た。
Table 4 Size-retaining and
fling effects of polyacrylic hydrazide
hydrochloride
Paper making conditions
:-Pulp: L-BKP 35° SR; Weight of
paper, 60 g/m2
Size : Petroleum
resin size (1 % to
pulp) No filler
Table 5 Size- and filler-retaining
effects of
polyacrylic
hydrazide
hydrochloride
Paper making conditions :
Pulp : L-BKP 35° SR, Weight of
per, 60 g/m2
Size : Petroleum
resin size (1% to
pulp)
Filler: Calcium
carbonate
(30% to
pulp)
紙パ技協誌 第28巻 第6号
製 紙 に 関 係 した ポ リ ア ク リル ア ミ ドの 一 研 究 250 6。 ポ リ マ ー ブ レ ン ドに つ い て 陽性 高 分 子 として ポ リエ チ レ ンイ ミンにつ い て,以 前 が ら筆 者 らは 多 くの研 究 を行 な って いた22)。これ は, 単 量 体 の 取扱 いが 不便(毒 性,爆 発 性 な ど)で あ る ほ が,線 状 で高 重 合 度 の もの が得 難 い な どの欠 点 もあ っ ,た。 そ こで,こ の物 とポ リア ク リル ア ミ ド(あ る い は そ の部 分加 水 分解 物)と ブ レン ドして一 種 の 複合 体 と して 利用 す る方法 を研 究 した23)。 こ の複合 体 は,内 部 に カチ オ ン性 の イ ミノ基 とア ニ オ ン性 の カ ルボ キ シ ル基 を もつ 一 種 の両 性 電 解質 と考 え られ る。 この イオ ン性 は両 成 分 の 結 合比,重 合 度, 及 び ポ リア ク リル ア ミ ドの 加水 分 解 度 や水 溶 液 の水 素 イオ ン濃 度 に よっ て影 響 を受 け るの で,こ れ らの因 子 で 調節 す る こ とがで きる。 両 イオ ン性 のバ ラ ンズの 取 れ た所 で は 白濁 を 生 じる が,酸 又 は アル カ リを添 加 す る か,加 熱す れ ば 透 明 に な る。 この複 合体 は工 業 的 に利 用 す る ときは,そ れ ぞ れ の 成 分 を単 独 に使 用 す る よ りも応用 範 囲 が 遙 かに 広 く, 作 用 効 果 も高 い 。成 分 のポ リア ク リル ア ミ ドは,実 際 に は2∼10%の 加 水分 解 度 の ものが 良 く,こ れ に対 し て ポ リエ チ レンイ ミンの 混 合 率 は95:5か ら20:80 の範 囲 が適 当 で あ る。 これ を紙 料 に 添加 す る と,サ イ ズ 効果 や 紙 力 増強 効 果 が 非常 に 明 白に現 わ れ る6一 例 と して,パ ル プ(LBKP,・NBKPの 等 量 混 合物,SR 340)に ロ ジ ン系 サ イ ズ2%及 び この複 合体 塗0.5%, そ して硫 酸 バ ン ド2%を 添 加 した紙 の性 質 は表6の よ うな結 果 を示 す 。 また,白 水 浄化 作 用 を示 す 実 験 と し て,製 紙用 ク レーの5%懸 濁 液 又 は微 細 パ ル プ(LKP, SR86。)の0.2%懸 濁 液 に,ポ リア ク リル ア ミ ドの5 %加 水 分解 物 及 び ポ リエ チ レ ンイ ミンの そ れ ぞ れ0.1 %溶 液 を加 えて 凝集 作 用 を 観 察 した 結 果 を,そ れ ぞれ 表7及 び表8に 示 す 。 この 複合 体 の特 徴 は,添 加 効果 が紙 料 液 のpHの あ らゆ る範 囲 で 現 われ,硫 酸 バ ン ドの使用 の有 無 に関 係 せ ず に 効果 を 示 す ことで あ る。 硫 酸 バ ン ドの 存在 下 で は,従 来 の ア ニオ ン性 高 分 子 と同様 の機 構 で 作用 し, Table 6 Influence of
polyethyleneimine-partially hydrolyzed polyacrylamide complex polyelectrolyte upon some properties of paper
Table 7 Elocculation
of clay by
neimine
and 5% hydrolyzed
acrylamide
Oclear;△turbid
Table 8 Flocculation
of fine pulp fibers (LKP
8& SR) by polyethyleneimine
and 5%
hydrolyzed polyacrylamide
Oclear;Dturbid
251 町 田 誠 之 また 硫 酸 バ ン ドのな い場 合 に は,カ チ オ ン性 高 分子 と して繊 維 に直 接 に定 着作 用 を示 す 。 それ で,た とえば 炭 酸 カル シ ウムを填 料 とす る紙 の抄 造や,ト ロ ロアオ イ な どの ネ リ剤 を 使 用す る和紙 の抄 造,あ るい は染 料 を用 い る染 紙 の抄 造 な ど,硫 酸 バ ン ドの使 用 が不 可 能 か又 は,そ れ が 制 限 され る場 合 に も有 効 に 使 用 で き る 便 利 さが あ る。 ポ リア ク リル ア ミ ドに 対 して,こ の よ うな他 の ポ リ マ ーを ブ レ ン ドして相 乗 的 な作 用 を発 揮 させ る方 法 も, 今 後 に大 いに 研 究す べ き分野 であ る と考 え られ る。 7.グ ラ フ ト共 重 合 に つ い て 筆 者 ら24)は以 前 に,セ ル ロース に ア ク リル ア ミ ドを グ ラ フ ト共 重 合 させ る方法 を研 究 した 。 そ の後,こ の 種 の グ ラ フ トセ ル ロ ース を紙 料 と して抄 紙す る研 究 は, 多 くの人 に よっ て行 な われ てお り,興 味 あ る発 展 が 期 待 され る◎ 筆者 ら25)は,さ らに グ ラ フ ト共 重 合 の 基礎 的 な資 料 を 得 るた め に,開 始 剤 に セ リウ ムイ オ ンを利 用 し,セ ル ロー スに ミク ロク リス タ リンセ ル ロ ース を用 い て ア ク リル ア ミ ドの グ ラ フ ト重 合 を動 力学 的 に研 究 した 。 そ して,得 られた グ ラ フ ト共 重合 体 に つ い て,そ の グ ラフ ト鎖 の数 と長 さ とが,そ の 凝集 沈 降 速 度 に どの よ うな影 響 を持 つ かを 調 べた2§)。これ に よっ て,セ ル ロ ース繊 維 がポ リア ク リル ア ミ ドに よって 凝 集す る機 構 が 明 白 にな り,こ の種 の グ ラ フ ト共 重 合 体 の工 業 的 応 用 の進 展 に指 針 が得 られ た。 ア ク リル ア ミ ドを セ ル ロース 以外 の もの に グ ラ フ ト 共 重合 させ る こ とも考 え られ,筆 者 ら27)は石油 樹 脂 に つ い て研 究 して い る◎石 油 樹 脂 の分 子 に ラ ジカ ル活 性 点 を与 え るた めに は,ジ ア ゾ ニ ゥム塩 に して分 解 す る 方 法 や オ ゾ ン分解 法 な どが試 み られ た 。 水溶 性 のグ ラ フ ト共 重 合 体 が得 られ るが,こ の もの の 利用 に つ い て は 今後 の研 究 に また なけ れ ぽ な らな い。 8.あ と が き ア ク リル ア ミ ドは モ ノ マ ー もポ リマ ー も水溶 性 で 無 色 無臭 であ る ことは非 常 な 特 徴 で あ る。取 扱 い も,重 合 も容 易 で,ポ リマ ーは 各種 の誘 導 体 に変 成 で きる。 製 紙 工 業 は じめ各 方面 に 一 層 広 く利 用 され る であ ろ う が ら,こ れ の基 礎 的 な研 究 もさ らに 必要 で あ る と思わ れ る。 参 考 文 献 1)町 田,田 中,繊 学 誌,21,536(1965) 2)町 田,西 尾 、 有 合 化,23,596(1965)
3) W. F. Linke, Tappi., 45, 326 (1062)
4) N. T. Woodbery, Tappi., 44, 156 A (1961)
5) A. S. Michaels,
Ind. Eng. Chem., 46, 1485
(1954) ; A. S. Michaels,
0. Morelos, ibid., 47,
1801 (1955)
6) W, E. Walles, J. Colloid Indterface
Sci., 27,
797 (1968)
7) H. E. Ries, B. L. Meyers, J. Appl. Polymer
Sci., 65, 2023 (1971)
8)町 田,芦 田,有 合 化,27,764(1969) 9)町 田,成 田,有 合 化,24,467(1966)
10) K. Matsuo, S. Machida, J. Polymer Sci., A-1,
10, 187 (1972)
11) T. W. Healy, V. K. La Mer, J. Colloid Sci., 19,
323 (1964)
12)町 田,吉 野,繊 学 誌,18,工42,981(1962) 13)町 田,コ ロ イ ド と界 面 活 性 剤,1,283(1960) 14)町 田,服 部,有 合 化,25,324(1967);町 田,清 水,牧 田,紙 パ 技 協 誌:,21,352(1967);町 田, 渡 辺,同 上,22,253(1968);S.Machida,M。Araki, K. Matsuo, J. AppL Polymer Sci., 12,
325(1968)な ど
15)町 田,斉 藤,繊 学 誌,23,301(1967)