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104 Skin Cancer GTP397IU, Vol. 7 No. 3 LAP156IU, 上 昇, CRP18.2mg/dl, 1992 LDH3,280IUと 腹 部CTに シ ア ル 酸139.lmg/dl お い て も確 認 され た 病 理 組 織 所 見: 皮 膚 生 検 所 見

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Merkel Cell Carcinoma

MerkelCellCarcinomaの1例-大 郷 典 子 *1 丸 口 幸 也 *1 土 井 顕 *1 中 山 志 郎 *2 白 根 博 文 *3 内 田 博 也 *3

Summary

A 76-year-old female patient with Merkel cell carcinoma was reported. The tumor presented at the left neck and chest wall. Tumor cells were stained by antibodies to neuron specific enolase and keratin. Electron microscopy revealed dense core gran-ules. Thirty cases reported sine 1988 were reviewed.

緒 言

Merkel cell carcinomaは1972年, Tokerに よ りtrabecular carcinoma of the skinと し て 初 め て 報 告 さ れ, 1978年TangとTokerの 電 顕 的 検 索 に よ り, Merkel cell由 来 の 腫 瘍 で あ る

と さ れ, 本 邦 で は1981年Iwasakiら に よ り 第1 例 が 報 告 さ れ て 以 来, 70例 余 り の 報 告 が み ら れ

る。 今 回, 当 初 悪 性 リ ン パ 腫 と診 断 さ れ て い た Merkel cell carcinomaの1例 を経 験 し た の で 報 告 す る。 症 例 患 者: 76歳, 女 性 初 診: 1991年11月26日 主 訴: 左 側 頸 部 か ら左 胸 部 の 自 覚 症 状 の な

い 多発 性 皮 膚 腫 瘤。

家族 歴: 特 記 す べ き もの は な い。

既 往 歴: 1955年 頃 よ り両 下 肢 に浮 腫 が み られ

た が放 置 して い た。

現 病 歴: 1990年1月

頃 よ り全 身 倦 怠感, 3月

頃 よ り食 思 不 振, 発 熱, 3月 下 旬 よ り下 肢 の 浮

腫 が 増 強 し, 同 年4月4日

当 院 内科 受 診, 胸 部

X線 所 見 に て肺 野 に 異 常 陰 影, 腹 部 超 音 波 に て

下 大 静 脈 周 囲 に リ ンパ 節 腫 大, 肝 臓 にSOLあ

り, 血 清LDH3,280IUよ

り悪 性 リンパ腫 と診

断 され, VEPA療

法 が 施 行 され た。以 降, VEPA

中 心 の 治 療 で観 察 中, 何 度 も頸 部, 腋 窩 リンパ

節 腫 大 出現 し, 先 の 治 療 に 次 第 に抵 抗 性 を しめ

す よ うに な っ た。1991年11月

中旬, 左 頸 部 か ら

左 胸 部 に 自覚 症 状 の な い 紅 色 調, 弾性 硬 の 腫 瘤

が 多 発 性 に生 じ る よ うに な っ た。

症:初

診 時, 左 側 頸 部 か ら左 前 胸 部 に か

け て, 小 指 頭 大 ま で の 紅 色 調 弾 性 硬 の腫 瘤 が 多

数 み られ た(図1)。

潰 瘍 の 形 成 は 認 め られ な

か っ た。 両 側 頸 部, 左 腋 窩 に 揖 指 頭 大 ま で の リ

ンパ 節 の腫 大 あ り, 硬 度 は 弾 性 硬 で あ っ た。

諸 検 査 所 見:内 科 初 診 当 時 は軽 度 の 貧 血 と血

清GoT97IU,

GPT121IU,

Al-P568IU,

γ-*1Noriko OHGO, Yukiya MARUGUCHI, Akira DOI: 神 戸 市 立 中 央 市 民 病 院 皮 膚 科

*2 Shiro NAKAYAMA: 神 戸 市 立 中 央 市 民 病 院 内 科 *3 Hirofumi SHIRANE, Hiroya UCHIDA: 神 戸 市

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炎 と思 わ れ る浸 潤 影 が み られ た。67Gaシ ン チ グ

ラム で は左 頸 部 か ら鎖 骨 周 辺, 左 腋 窩 に か け て

強 い 異 常 集 積, 右 頸 部, 頸 部 正 中, 右 鎖 骨 上 窩

付 近 に限 局 性 の 集 積 さ ら に腹 部 傍 大 動 脈 周 囲 に

も集 積 像 が 認 め ら れ た。 腹 部 超 音 波 検 査 で は,

傍 大 動 脈 周 囲 の リンパ 節腫 大 が み られ, これ は

PAS染

色 は 陰性 で あ っ た。

電 顕 所 見 で は, 腫 瘍 細 胞 は, 胞 体 の 明 るい 細

胞 小 器 官 に 富 む 細 胞 と, 胞 体 の 暗 い リボ ゾ-ム

の発 達 の よ い 細 胞 と, 胞体 内 に線 維 の 多 い 細 胞

の3型

に 大 別 され た。 核 は 多 くは 類 円 形 を呈 す

る が, 中 に は 切 れ 込 み の 多 い 核 も散 見 さ れ た

図1. 臨床 像 図2. 組織 学 的 所 見(H.E下 染 色) 図3. 組 織 学 的所 見(H.E下 染 色) 図4. 電 顕 所 見 切 れ 込 み の 多 い核, 有 芯 穎粒 状 お よび 核 周 囲 の filamentの 集 束像 を示 す

(3)

(図4)。 胞 体 内 に は 直 径100∼250nmの, 一 層 の 膜 に 包 ま れ, 周 辺 にhaloを 有 す る 暗 調 球 状 穎 粒 が 多 数 認 め ら れ た(図5)。 核 周 囲 にfilament の 集 束 像 も観 察 さ れ た。Warnerら が 正 常Mer-kel cellで 観 察 し た よ う な 棍 棒 状 の 細 胞 質 突 起 も み ら れ, 不 明 瞭 で は あ る が, deslnosome様 構 造 が 細 胞 間 に 認 め ら れ た (図6)。 免 疫 組 織 学 的 所 見: NSE(neuron specific enolase)は, 腫 瘍 細 胞 は い ず れ も陽 性 所 見 が 得 ら れ た が, 特 に 胞 体 の 明 る い 細 胞 に お い て 強 く 陽1生 を 呈 し た。 ポ リ ク ロ ー ナ ル ケ ラ チ ン 染 色 で は, H.E染 色 で み ら れ た 胞 体 の 明 る い 細 胞 よ り も, 胞 体 の 乏 し い 暗 い 細 胞 に お い て 強 い 陽 性 所 見 が 得 ら れ た。S-100蛋 白 は 腫 瘍 内 に み ら れ た 末 梢 神 経 に 陽 性 所 見 が 得 ら れ た が, 腫 瘍 細 胞 は 陰 性 で あ っ た。 こ の 他, LCA(Leucocyte com-monantigen), EMA(epithelialmembrane

antigen), CEAお よ びchromograninは 陰 性 で あ っ た。 左 腋 窩 リ ン パ 節 の 生 検 所 見 も 同 様 のH.E.染 色, 免 疫 組 織 学 的 所 見 を 呈 し た。 治 療 お よ び 経 過:Liniacの 照 射 に 反 応 が み ら れ た が, 咽 頭 痛, 嚥 下 痛 が 増 強 し, 治 療 の 拒 否 が み ら れ, 全 身 衰 弱 著 明 と な り, 当 科 初 診3ヵ 月 後 に 死 亡, 剖 検 は 行 わ れ な か っ た。 考 察

Merkel cell carcinomaの 診 断 基 準 は 今 日,

(1)単 発 性 半 球 状 の 腫 瘍(顔 面 に 多 い)。(2)病 理 組 織 学 的 に 腫 瘍 巣 は 真 皮 内 に 集 塊 を な し, (3) trabecular patternを 呈 し, (4)NSEは 陽 性, S P100蛋 白 は 陰 性 で, (5)電 顕 的 に 細 胞 質 に 直 径 100∼150nmの 暗 調 球 形 穎 粒 が 存 在 す る, の5 点 が あ げ ら れ て い る。 自 験 例 の 腫 瘍 は 真 皮 内 に 存 在 し, 免 疫 組 織 学 的 にNSE, ケ ラ チ ン 陽 性 を 呈 し, 電 顕 的 にdes-mosome様 構 造, 直 径 約100∼250nmのdense core granule, filament集 束 像 さ ら に 細 胞 質 の 棍 棒 様 突 起 が み ら れ, Merkel cell carcinoma

と考 え ら れ た。 自験 例 の 有 芯 穎 粒 は 診 断 基 準 か ら み る とや や 大 型 で は あ っ た が, Tokerの 報 告 例 で は200∼260nm, 高 橋 ら, 藤 岡 ら, 井 上 ら, 近 藤 ら の 報 告 も200nmま で と 大 型 の 例 も 散 見 さ れ た。 鑑 別 す べ き 疾 患 と し て, 小 細 胞 性 気 管 支 癌, 悪 性 リ ン パ 腫, amelanotic melanoma, 神 経 芽 細 胞 腫 な ど が あ げ ら れ る が, 自 験 例 で は, LCA陰 性 の 点 よ り悪 性 リ ン パ 腫 とS-100蛋 白 陰 性 よ りamelanotic melanomaと, ケ ラ チ ン 陽 性 よ り神 経 芽 細 胞 腫 と 鑑 別 可 能 と考 え ら れ た。 小 細 胞 性 気 管 支 癌 とは, と も に ケ ラ チ ン, NSE陽 性 を 呈 し, 病 理 組 織 学 的 に 鑑 別 は 困 難 で, 臨 床 的 に 胸 部X線 所 見, 喀 疾 の 細 胞 診 よ り 小 細 胞 性 気 管 支 癌 は 否 定 さ れ た。 Merkel cellは, 正 常 に は 表 皮 や 口 腔 粘 膜 の 基 底 細 胞 層 に 存 在 し て お り, Merkel cellの 発 生 に 関 し, 2つ の 説2)が あ げ ら れ て い る。 第1の 説 と し て, 発 生 過 程 で 表 皮 下 の 結 合 組 織 層 か ら 図5. 電 顕所 見 多数 の有 芯 頼 粒 を示 す 図6. 電顕 所 見 desmosome様 構 造 と棍 棒 状 の 細 胞質 突 起 を示 す

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告 か ら1988年 ま で に43例 の 報 告 が あ り, そ の 後 現 在 ま で30例 のMerkel cell carcinomaを 集 め 得 た(表1)。 男 性12例, 女 性18例 で, 年 齢 は14 歳 か ら91歳 に わ た り, 平 均69.8歳, 発 生 部 位 は

口 腔, 咽 頭 粘 膜 を 除 い て, 顔 面22例 と最 も 多 く 認 め ら れ た。 病 理 組 織 学 的 所 見 に つ い て は, 神 経 細 胞, 神 経 分 泌 細 胞 に 含 ま れ る 酵 素 と し て 知 ら れ るNSEは, Merkel cell carcinomaの 最 適 マ ー カ ー と考 え ら れ て い る が, 30例 中, 記 載 の 明 ら か な23例 全 例 陽 性 を 呈 し た。 治 療 は, 30例

中18例 は 切 除 術 を, 8例 にliniac, コ バ ル ト照 射 が な さ れ, 放 射 線 治 療 に よ い 反 応 が み ら れ て い る。本 腫 瘍 は 肺 のsmall cell carcinomaと 同 様, APUDcellsystemの 腫 瘍 に 含 ま れ, 両 者 は そ の 病 理 組 織 像 も類 似 し て お り, 共 通 の 薬 剤 感 受 性 を 有 す る 可 能 性 が 考 え ら れ, CAV (cyclo-phosphamide, adriamycin, vincristine)療 法,

P-CAV(peplomycin, cisplatin, adriamycin, vindesine)療 法 を 施 行 さ れ て い る 症 例4)も あ り, 有 効 な 結 果 が 得 ら れ て い る。 本 腫 瘍 は 広 汎 切 除 の 困 難 な 顔 面 に 発 生 例 が 多 く, 今 後, 集 学 的 治 療 法 が 必 要 と考 え ら れ, た。 文 献 1) 鈴 木啓 之: メル ケル 細 胞癌. 特 集皮 膚 疾 患 の病 理 -最 近 の 話 題-I. 病理 と臨 床, 8(4): 456-464, 1990. 2) 立 花 民 子: メル ケ ル 細 胞-微 細 構 造 と最 近 の 知 見.岩 医 大 歯誌, 7: 1-12, 1982.

3) Moll, I., Moll, R. and Franke, W. W.:

Forma-tion of epidermal and dermal Merkel cell

dur-ing human fetal human fetal skin development.

J. Invest. Dermatol., 87: 779-787, 1986.

4) 柳 川 茂, 大 隅 正 義, 米 田 修 一, 他: 化 学 療 法 に て 原 発 巣 の 消 失 を み たMerkel Cell Carcinomaの

参照

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